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JP5237664B2 - 光電変換素子 - Google Patents
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Description

本発明は、半導体とラジカル化合物を有する光電変換素子に関するものである。
太陽電池などの光電変換素子としてpn接合型の素子が実用化されているが、例えば、特許文献1に記載されているように、光電気化学的な光電変換素子も種々検討されている。この光電変換素子は、半導体を付着した電極と、対電極との間に、電解質などの電荷輸送層を挟持して形成されるものであり、半導体には一般に光増感剤として色素を担持させ、色素増感型太陽電池として使用されている。そして光が半導体に照射されると、半導体から発生した電荷が電荷輸送層を移動し、半導体を付着した電極を負極、対電極を正極として、電気を外部に取り出すことができるものである。
このような光電変換素子を含む光電気化学デバイスにおいて、特許文献2では、半導体に接してラジカル化合物を設けることが提案されている。このものでは、半導体に光照射して生じたキャリヤ(電子または正孔)がラジカル化合物のレドックス反応(酸化還元反応)に関与し、ラジカル化合物が電気化学的酸化反応又は還元反応を伴なう酸化還元対となるので、半導体に光照射した際の応答速度が速くなり、また安定性や再現性に優れたものとなるものである。
特許第2664194号公報 特開2003−100360号公報
しかし、上記の特許文献2のものでは、酸化還元対であるラジカル化合物が半導体と接触した状態で設けられているものであり、ラジカル化合物と半導体とが接することにより、ショットキー接合を形成したタイプの電荷分離機構となっている。従って、ラジカル化合物と半導体の接合界面での電荷分離の効率が十分ではなく、光電変換効率も不十分になるものであった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、光電変換効率の高い光電変換素子を提供することを目的とするものである。
本発明に係る光電変換素子は、半導体を付着した電極と、この電極に対向配置された対電極との間に電荷輸送層を備えた光電変換素子において、半導体の表面に電子透過性の絶縁体層を備えると共に、この絶縁体層と接してラジカル化合物が設けられていることを特徴とするものである。
この発明によれば、半導体とラジカル化合物との間に絶縁体層が設けられており、ラジカル化合物は絶縁体層と接しているため、電荷分離界面において発生電子の整流性を付与することができ、電荷分離後の電荷の再結合を抑制することができるものである。
また本発明は、上記ラジカル化合物の層が絶縁体層の表面に設けられていることを特徴とするものである。この発明によれば、ラジカル化合物の層が形成されているため、電荷の輸送特性が向上し、素子の変換効率を向上させることができるものである。
また本発明は、上記のラジカル化合物は分子量が1000以上であることを特徴とするものである。この発明によれば、高分子量化により揮発しにくくなる上に、塗膜としての製膜性が向上し、室温でより安定で緻密なラジカル化合物層を形成することができるものである。
また本発明は、上記のラジカル化合物はニトロキシドを有することを特徴とするものである。この発明によれば、ニトロキシドを有することにより、電荷を捕捉する部位がより小さくなるため、電荷を輸送できる部分が高密度化でき、電荷の輸送特性が向上するために素子の変換効率を向上させることができるものである。
また本発明は、上記絶縁体層を形成する絶縁体が有機化合物であることを特徴とするものである。この発明によれば、分子サイズでの絶縁体層形成が可能になるため絶縁体を緻密に形成することができる。
また本発明は、上記絶縁体層を形成する絶縁体が非共有電子対を有する窒素原子を含む化合物であることを特徴とするものである。この発明によれば、窒素原子の非共有電子対がいわゆる塩基として働くことにより、半導体側に電子を供与することによって絶縁体層形成による素子の特性向上に加えて、開放電圧をあげることができるものである。
また本発明は、上記半導体が金属酸化物半導体であることを特徴とするものである。この発明によれば、電荷(n型半導体の場合は電子)の輸送効率が優れるために、変換効率を向上させることができるものである。
また本発明は、上記の半導体は表面粗さ(実効面積/投影面積)が10以上であることを特徴とするものである。この発明によれば、電荷分離界面の総面積が増えるために、変換効率を向上させることができるものである。
また本発明は、上記の半導体の表面と、半導体上の絶縁体層の少なくとも一方に、光増感剤が担持されていることを特徴とするものである。この発明によれば、光増感剤で光電荷分離の界面を形成することができるため、変換効率を向上させることができるものである。
また本発明は、この光増感剤が色素であることを特徴とするものである。この発明によれば、分子サイズでの光電荷分離の界面を形成することができるため、変換効率を向上させることができるものである。
また本発明は、上記光増感剤が半導体上で会合性を有していることを特徴とするものである。この発明のよれば、色素自体が半導体上で絶縁体層として機能することにより変換効率を向上させることができる。逆に会合性を有していない色素を用いた場合は、色素間に空隙が生じるために別途絶縁体層形成させる必要がある。
また本発明は、光増感剤が下記化学式(1)の構造で示される化合物であることを特徴とするものである。
Figure 0005237664
(但し、X、Xはアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環を少なくとも一種類以上を含み、それぞれ置換基を有していてもよい。Xに半導体と吸着する部位を有する。)この発明によれば、会合体を効率よく形成することができるために有効である。
本発明によれば、半導体とラジカル化合物との間に絶縁体層が設けられており、ラジカル化合物は絶縁体層と接しているため、電荷分離界面において発生電子の整流性を付与することができ、電荷分離後の電荷の再結合を抑制することができるものであり、光電変換効率を高めることができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は本発明の光電変換素子の一例を示すものである。一対の基板7,8が対向して配置してあり、一方の基板7の内側の表面に第1の電極2が、他方の基板8の内側の表面に対電極として第2の電極3が相対向させて設けてある。第1の電極2の基板7と反対側の表面には半導体1の層が設けてあり、また基板7,8の間に電荷輸送材料を充填して電荷輸送層4が設けてある。
そして本発明では、半導体1の層の電極2と反対側の表面に絶縁体層5が設けてあり、さらに絶縁体層5の半導体1と反対側の表面にラジカル化合物6が設けてある。従って基板7,8の間に電荷輸送材料を充填して形成される電荷輸送層4は、ラジカル化合物6と第2の電極2との間に設けられるものである。また、色素増感型光電変換素子などとして形成する場合には、光増感剤が担持されるが、この光増感剤は半導体1の表面、あるいは絶縁体層5の表面に担持させるようにしてある。勿論、半導体1の表面と絶縁体層5の表面の両方に光増感剤を担持させるようにしてもよい。
次に、本発明の光電変換素子の各構成部材について説明する。
一対の基板7,8のうち、半導体1を設けた電極2が被着される基板7は、透光性のガラスやフィルム、光を透過するように加工された金属で形成することができる。例えば、上記金属が線状(ストライプ)、波線状、格子状(メッシュ状)、パンチングメタル状、粒子の集合体状であれば、隙間を光が通過でき、さらに透明導電材料を用いる必要がないため、材料コスト削減による経済的な観点から好ましい。これらの形状の基板を用いる場合は、素子の耐久性の観点からプラスチックやガラスなどの構造材料と共に適用することもできる。
他方の基板8を光入射用基板として機能させるのであれば、この基板7は光を透過しない材料を用いることができる。その場合、導電性はあってもなくてもよいが、電極の観点からは導電性のある材料が好ましい。例えば、炭素、アルミニウム、チタン、鉄、ニッケル、銅、ロジウム、インジウム、スズ、亜鉛、白金、金などの材料やステンレスなど上記材料のうち少なくとも1種類を含む合金を用いることができる。本発明では後述するように、ラジカル化合物がハロゲンイオンなどに比べて金属を腐食しにくいために、基板7、8及び電極2、3には汎用の金属を用いることができる。
この基板7と対向する基板8は、基板7と同じ材料で形成することができる。基板8の透光性はあってもなくてもよいが、両側の基板7,8から光を入射させることを可能にすることができる点で、透明であることが好ましい。上記のように基板7に金属箔を使用した場合は、基板8は透光性のある材料で形成することが好ましい。
基板7に成膜される電極2は、光電変換素子の負極として機能するものであり、金属そのもので形成するようにしてもよく、又は基板やフィルム上に導電材層を積層して形成するようにしてもよい。好ましい導電材としては金属、例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム等、又は炭素、若しくは導電性の金属酸化物、例えばインジウム−錫複合酸化物、アンチモンをドープした酸化錫、フッ素をドープした酸化錫等、あるいは上記化合物の複合物が挙げられる。本発明では電子移動速度が速いラジカル化合物を用いるので、電極2の表面での電子の漏れを防ぐため、つまり整流性を持たせるために、上記化合物上に酸化シリコン、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムなどでコートした材料を電極に用いるのが好ましい。
この電極2は、表面抵抗が低い程よいものであり、好ましい表面抵抗の範囲としては、200Ω/□以下であり、より好ましくは50Ω/□以下である。表面抵抗の下限は特に制限されないが、通常0.1Ω/□である。
またこの電極2は、光透過率が高い程よいものであり、好ましい光透過率の範囲としては、50%以上であり、より好ましくは80%以上である。さらに電極2の膜厚は、1〜100nmの範囲内にあることが好ましい。膜厚がこの範囲内であれば、均一な膜厚の電極膜を形成することができ、また光透過性が低下せず、十分な光を半導体1に入射させることができるからである。透明な電極2を使用する場合、光は半導体1が被着される側のこの電極2から入射させることが好ましい。
対電極となる電極3は光電変換素子の正極として機能するものであり、上記の電極2と同様に形成することができる。この電極3は、光電変換素子の正極として効率よく作用するために、電解質の還元体に電子を与える触媒作用を有する素材を使用することが好ましい。このような素材としては、例えば白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム等の金属、又はグラファイト、カーボンナノチューブ、白金を担持したカーボン等の炭素材料、若しくはインジウム−錫複合酸化物、アンチモンをドープした酸化錫、フッ素をドープした酸化錫等の導電性の金属酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子などを挙げることができる。これらのうち、白金やグラファイト、ポリエチレンジオキシチオフェンなどが特に好ましい。この対電極となる電極3が設けられる側の基板8は、電極3の被着面側に透明導電膜(図示されていない)を有することもできる。この透明導電膜は、例えば電極2の材料としてあげたものから成膜することができる。この場合、電極3も透明であることが好ましく、電極3も透明であれば、電極3の側から、あるいは電極2,3の両側に光を照射させるようにしてもよい。これは、例えば反射光などの影響により光電変換素子の表裏面両側からの光照射が期待される場合に有効だからである。
半導体1としては、Cd、Zn、In、Pb、Mo、W、Sb、Bi、Cu、Hg、Ti、Ag、Mn、Fe、V、Sn、Zr、Sr、Ga、Si、Crなどの金属元素の酸化物、SrTiO、CaTiOなどのペロブスカイト、CdS、ZnS、In、PbS、MoS、WS、Sb、Bi、ZnCdS、CuSなどの硫化物、CdSe、InSe、WSe、HgS、PbSe、CdTeなどの金属カルコゲナイド、その他GaAs、Si、Se、Cd、Zn、InP、AgBr、PbI、HgI、BiIなどを用いることができる。また、これらの半導体材料から選ばれる少なくとも一種以上を含む複合体、例えば、CdS/TiO、CdS/AgI、AgS/AgI、CdS/ZnO、CdS/HgS、CdS/PbS、ZnO/ZnS、ZnO/ZnSe、CdS/HgS、CdS/CdSe1−x、CdS/Te1−x、CdSe/Te1−x、ZnS/CdSe、ZnSe/CdSe、CdS/ZnS、TiO/Cd、CdS/CdSeCdZn1−yS、CdS/HgS/CdSなどを用いることができる。また、ポリフェニレンビニレンやポリチオフェンやポリアセチレン、テトラセン、ペンタセン、フタロシアニンなどの有機半導体を用いることもできる。これらの中でもTiOが、電荷輸送層4を形成する電解液中への光溶解の回避と高い光電変換特性を得ることができる点で好ましい。
電極2の表面に形成する半導体1の層の膜厚は、0.01〜100μmの範囲内であることが好ましい。この範囲内であれば、十分な光電変換効果が得られ、また、可視光及び近赤外光に対する透過性が悪化することもないからである。半導体1の層の膜厚の一層好ましい範囲は0.5〜50μmであり、特に好ましい範囲は1〜20μmである。
そして半導体1の層は、半導体粒子とバインダーの混合溶液を、公知慣用の方法、例えば、ドクターブレードやバーコータなどを使う塗布方法、スプレー法、ディップコーティング法、スクリーン印刷法、スピンコート法などにより、上記の電極2の表面に塗布し、その後、基板7がガラス基板であれば500℃前後で加熱焼成し、基板7がフィルム基板であればプレス機で圧力を加えることによって、形成することができる。
ここで、半導体1の層の表面粗さは、実効面積/投影面積において10以上であることが好ましい。表面粗さを10以上にすることにより、電荷分離界面の表面積を上げることができるために、光電変換特性を向上させることができるものである。より好ましい表面粗さは100〜2000である。
電荷輸送層4には電解質を用いることができる。電解質としては、酸化体と還元体からなる一対の酸化還元系構成物質であれば特に限定されないが、酸化体と還元体が同一電荷を持つ酸化還元系構成物質が好ましい。酸化還元系構成物質とは、酸化還元反応において可逆的に酸化体および還元体の形で存在する一対の物質を意味するものであり、このような酸化還元系構成物質としては、例えば、塩素化合物−塩素、ヨウ素化合物−ヨウ素、臭素化合物−臭素、タリウムイオン(III)−タリウムイオン(I)、水銀イオン(II)−水銀イオン(I)、ルテニウムイオン(III)−ルテニウムイオン(II)、銅イオン(II)−銅イオン(I)、鉄イオン(III)−鉄イオン(II)、ニッケルイオン(II)−ニッケルイオン(III)、バナジウムイオン(III)−バナジウムイオン(II)、マンガン酸イオン−過マンガン酸イオン、フェリシアン化物−フェロシアン化物、キノン−ヒドロキノン、フマル酸−コハク酸などが挙げられるが、これらに限定はされない。
電荷輸送層4に電解質を用いる場合、電解質を溶解するために使用される溶媒は、酸化還元系構成物質を溶解してイオン伝導性に優れた化合物が好ましい。溶媒としては水性溶媒及び有機溶媒のいずれも使用できるが、構成物質をより安定化するため、有機溶媒が好ましい。例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトン等のエステル化合物、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソシラン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン等のエーテル化合物、3−メチル−2−オキサゾジリノン、2−メチルピロリドン等の複素環化合物、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル化合物、スルフォラン、ジメチルスルフォキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性化合物などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いることもでき、また、2種類以上を混合して併用することもできる。中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネ−ト化合物、γ―ブチロラクトン、3−メチル−2−オキサゾジリノン、2−メチルピロリドン等の複素環化合物、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、吉草酸ニトリル等のニトリル化合物が好ましい。
またイオン性液体を用いることも、不揮発性,難燃性などの観点から有効といえる。その場合、公知公例のイオン性液体全般を用いることができるが、例えばイミダゾリウム系、ピリジン系、脂環式アミン系、脂肪族アミン系、アゾニウムアミン系イオン性液体や、欧州特許第718288号明細書、国際公開第95/18456号パンフレット、電気化学第65巻11号923頁(1997年)、J. Electrochem. Soc.143巻,10号,3099頁(1996年)、Inorg. Chem. 35巻,1168頁(1996年)に記載された構造のものが挙げられる。
また電荷輸送層4として、ゲル化電解質、あるいは高分子電解質を使用することもできる。ゲル化剤としては、ポリマー、またはポリマー架橋反応等の手法によるゲル化剤、または重合することができる多官能モノマーによるゲル化剤、オイルゲル化剤などが挙げられる。ゲル化電解質、高分子電解質には一般に用いられるものを適用することができるが、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ化ビニリデン系重合体、ポリアクリル酸などのアクリル酸系重合体、ポリアクリロニトリルなどのアクリロニトリル系重合体およびポリエチレンオキシドなどのポリエーテル系重合体、あるいは構造中にアミド構造を有する化合物が好ましい。
光増感剤としては、公知な材料を用いることができるものであり、半導体超微粒子などの無機材料でも、色素、顔料などの有機材料でもよい。効率よく光を吸収し、電荷を分離する観点からは色素が好ましい。例えば、「FPD・DSSC・光メモリーと機能性色素の最新技術と材料開発」((株)エヌ・ティー・エス)にあるような色素を適用することができる。中でも半導体1上で会合性を有する色素は、密に充填して半導体1表面を覆うため、本発明における絶縁体層5として機能するという観点から好ましい。会合体を形成して本発明に効果のある色素としては、上記化学式(1)の構造で示されるものが好ましく、具体的には、下記化学式(2)の構造で示される色素が好ましい。尚、Xに半導体と吸着する部位、例えば、カルボキシル基、スルホニル基、ホスホニル基を有する。有機溶剤などに溶けている色素と透明の半導体1上に担持された色素の吸収スペクトルの形状から会合性の判別は可能である。会合していれば、前者と後者でスペクトルの形状が大きく異なることが知られている。
Figure 0005237664
また、半導体超微粒子としては、硫化カドミウム、硫化鉛、硫化銀などの硫化物半導体などを用いることができる。またその粒子径としては、本発明の半導体層に対して光増感作用があれば特に制限はないが、1nmから10nmの範囲が望ましい。
半導体1の層や絶縁体層5に光増感剤を担持させる方法は、例えば、光増感剤を溶かした溶液に、半導体1あるいはさらにその上に絶縁体層5を被着させた電極2を備えた基板7を浸漬させる方法が挙げられる。この溶液の溶媒としては、水、アルコール、トルエン、ジメチルホルムアミドなど光増感剤を溶解可能なものであれば全て使用できる。また光増感剤溶液に一定時間浸漬させている時に、加熱還流をしたり、超音波を印加したりすることもできる。さらに光増感剤を担持させた後、担持されずに残ってしまった光増感剤を取り除くために、アルコールで洗浄あるいは加熱還流することが望ましい。
光増感剤の担持量は、1×10−10〜1×10−4mol/cmの範囲内であればよく、特に0.1×10−8〜9.0×10−6mol/cmの範囲が好ましい。この範囲内であれば、経済的且つ十分に光電変換効率向上の効果を得ることができるからである。
半導体1の表面に形成される絶縁体層5としては、一般的な意味での電気絶縁性を有する材料であれば何でもよく、無機化合物と有機化合物のいずれでもよい。ただし、一般的な絶縁体の場合は、電子を流さないため、電荷分離過程において効率よく電子を透過できるように、厚みを制御する必要がある。
無機化合物では、アルミナ、ジルコニア、シリカ、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化コバルトなどの金属酸化物を用いることができる。無機化合物の絶縁体層5の形成方法としては、前駆体を半導体1上に塗布形成し、加熱による酸化形成などが挙げられる。無機化合物の絶縁体層5は、透過型電子顕微鏡やESCA分析などから定性定量分析をすることができる。
有機化合物では、共役構造を持ち、導電性を有する導電性高分子などの化合物以外であれば特に制限はない。半導体1の表面への相互作用の観点からは、半導体1の表面に結合することができるように、カルボン酸、ホスホン酸、水酸基などの官能基を有していることが好ましい。また、アルキル鎖などを有している場合、自己組織化能を利用して効率よく絶縁体層5を形成することができる。また、Nを含む複素環を有する有機材料で絶縁体層5を形成する場合、電荷輸送層4が液体、イオン性液体など含む層であれば、電荷輸送層4中に上記有機材料を存在させておけば、Nの非共有電子対を利用して自己組織化的に半導体1表面に絶縁体層5を形成することができるために有効である。Nを含む複素環を有する有機材料としては、ピリジン、イミダゾール、イミダゾリウムなどが挙げられる。
有機化合物の絶縁体層5の形成方法としては、溶液を半導体1上に塗布形成、又は電荷輸送層4への添加などが挙げられる。塗布又は添加による絶縁体層5の形成の観点からは、例えば、酢酸マグネシウムを添加又は溶液状にして半導体1を浸漬させる処理も有効である。この場合、半導体1への吸着力の強いマグネシウムイオン層による絶縁効果と酢酸イオンのカルボキシル基の半導体1への吸着を利用して、効果的な絶縁体層5を簡便に形成することができるからである。
絶縁体層5の厚みは、半導体1の層の表面を被覆できればよいものであって特に下限はないが、0.5nmから10nmの範囲が好ましい。また電荷透過性の観点からは、0.5nmから3nmの範囲が好ましい。無機化合物の場合、金属アルコキシドを出発原料にした、表面ゾルゲル法(ケミストリーオブマテリアルズ、9巻、1296ページ、1997年、参照)や陽極酸化などの電着法を利用すれば、上記厚みに制御することができる。絶縁体層5をより薄く形成するという観点からは、有機化合物を単層または数層形成することが好ましい。この場合、化学吸着反応、物理吸着反応、電着反応、自己組織化反応などを利用して制御することができる。半導体1の表面に保持できるものであれば、高分子層を用いてもよい。この場合、ポリエチレンオキサイドなどのように官能基を有していれば静電相互作用などを利用して絶縁体層5を形成することができる。これらの処理は、有機化合物溶液への半導体1の層の浸漬、電着、蒸着などを利用して形成することができる。これらの場合、1nm前後の膜厚で絶縁体層5を形成することが可能である。
ラジカル化合物6としては、不対電子を有する化学種、すなわちラジカルを有する化合物であれば特に限定されることなく使用することができるが、例えば特許文献1に開示されているものを用いることができる。なかでも分子中にニトロキシド(NO・)を有するラジカル化合物が好ましい。例えば、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル又は2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル及びそれらの誘導体などが挙げられる。光吸収及び半導体1への電荷移動の観点から、ラジカル化合物6の酸化還元電位を制御することが重要である。例えば、2,2,6,6−テトラメチルピペリジロキシラジカルの水素をヒドロキシル基、エーテル基、カルボキシル基、エステル基、ホスホニル基、スルホニル基などの置換基に置き換えることにより、電位を変化させることができる。
またラジカル化合物は分子量(数平均分子量)が1000以上のものが好ましい。分子量が1000以上であれば、常温では固体または固体に近づき、揮発が起こりにくく、素子の安定性の観点から好ましいものである。分子量を大きくするには公知の方法を踏襲することで達成される。例えば、Macromolecules,26巻,3227ページ,1993年あるいはChemical Physics Letters 359巻,351ページ,2002年に記載されている方法で高分子化させることができる。
また、揮発性を抑えて安定性を向上させる観点では、イオン液体ラジカル化合物も有効である。例えば、Tetrahedoron 62号 556ページ,2006年あるいはChemistry Letters 36号 9巻 1093ページ,2007年に記載されているように、イオン液体を構成するまたはカチオンにニトロキシドなど安定化ラジカル部位が化学結合した材料が好ましい。この場合、イオン液体由来の安定性に加え、イオン液体ラジカル化合物自体が電解質溶液も兼ねる機能も付与することができる点で有効である。
ラジカル化合物は、層状に設けられるものに限定するものではなく、電荷輸送層4に含まれていてもよい。この場合は、図1において、電荷輸送層4とラジカル化合物6が同一の層となっていてもよいし、二層以上になっていてもよい。つまり、同一の層となる場合はラジカル化合物を含む層が電荷輸送層4となる。
また、ラジカル化合物6の層が絶縁体層5の電荷輸送層4側の表面に設けられている場合、ラジカル化合物6の層が接する電荷輸送層4に異なる種類のラジカル化合物を用いてもよい。例えば、半導体1側に電子が、電荷輸送層4側に正孔が分離される電荷分離機構において、上記ラジカル化合物6の層よりも酸化電位が負電位側のラジカル化合物を電荷輸送層4に形成することができ、各材料の電位が階段状(カスケード状)となり、電荷分離を効率よく達成することができる。
ラジカル化合物が電荷輸送層4に含まれる際、ラジカル化合物が電荷輸送機能を担う場合はラジカル部位が1電子酸化されてカチオンに、またラジカル部位が1電子還元されてアニオンに変化することに起因する酸化還元対を利用することができる。ラジカル部位が例えばニトロキシドラジカルの場合、1電子酸化されるとオキソアンモニウムカチオンに、1電子還元されるとアミノキシアニオンに変化することを利用することができる。なお、ラジカル化合物が電荷輸送性を有する場合には、ラジカル化合物のみの層で電荷輸送層4を兼ねることも可能である。
上記のように形成される本発明の光電変換素子にあって、半導体1に光が照射されると、半導体1から電子又は正孔が生成し、この電子又は正孔がラジカル化合物のレドックス反応(酸化還元反応)に関与し、ラジカル化合物が電気化学的酸化反応又は還元反応を伴なう酸化還元対となり、このときの電流を、半導体1を付着した電極2を負極、対電極3を正極として、外部に取り出すことができるものである。
そして本発明では、半導体1とラジカル化合物6との間に電子透過性の絶縁体層5が設けてあり、ラジカル化合物6は半導体1と直接接触せずに絶縁体層5と接しているため、電荷分離界面において発生電子の整流性を付与することができるものであり、電荷分離後の電荷の再結合を抑制することができるものである。従って電荷分離の効率が向上し、光電変換効率を高めることができるものである。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
平均1次粒子径が20nmの高純度酸化チタン粉末をエチルセルロース中に分散させ、スクリーン印刷用のペーストを作製した。そして、表面にフッ素ドープSnOで電極を形成した厚み1mmの導電性ガラス基板(旭硝子製、10Ω/□)を用い、このガラス基板の電極を形成した側の表面にスパッタ法により約10nm厚の酸化チタン層を付着させた後、この上に上記のペーストを塗布して乾燥し、得られた乾燥物を500℃で30分間、空気中で焼成することによって、電極上に厚さ2μmの多孔質酸化チタン半導体の膜(チタンコート)を形成した。この半導体の表面粗さは約250であった。
次に、このように酸化チタン半導体膜を形成した導電性ガラス基板を、無機化合物の絶縁体層の形成のために、アルミニウム−Tri-Sec-ブトキシドを含む2−プロパノール溶液に乾燥空気中で10分間浸した後、1質量%の水を含む2−プロパノール溶液に10分間浸し、2−プロパノールで洗浄した。さらに乾燥空気中で自然乾燥させた後に、450℃で30分間、空気中で焼成してアルミナの絶縁体層を形成した。
次に、この酸化チタン半導体膜を設けた基板を、[Ru(4、4’−ジカルボキシル−2、2’−ビピリジン)−(NCS)](表中に「N719」と示す)で表される0.3mM濃度の増感色素溶液中に浸漬し、室温で16時間暗所下静置し、色素を吸着させることによって、作用電極とした。
一方、表面にフッ素ドープSnOを形成した厚み1mmの導電性ガラス基板(旭硝子製、10Ω/□)を用い、このSnOの表面に白金をスパッタ法により設けて対電極とした。そして上記の作用電極の酸化チタン半導体膜を形成された部分を囲むように、熱溶融性接着剤(三井デュポンポリケミカル製「バイネル」)の封止材を対電極の上に配置し、その上に上記の作用電極を形成したガラス基板を重ね、加熱しながら加圧して貼り合わせた。この対電極を形成したガラス基板にはダイヤモンドドリルで孔が明けてある。
また、ラジカル化合物として2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)を用い、1.5mol/dmの2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルと、0.03mol/dmの2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキソアンモニウムヘキサフルオロヘキサフルオロホスフェート塩と、0.5mol/dmのテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロヘキサフルオロホスフェート塩を含み、溶媒にガンマブチロラクトンを用いた電解液を調製し、この電解液をガラス基板にダイヤモンドドリルで明けた上記の孔から注入した後に、孔を紫外線硬化樹脂を用いて封止することによって、ラジカル化合物を含有する電荷輸送層を形成した。
このようにして図1のような構造の光電変換素子を作製した。そして光電変換素子に、安定化蛍光灯を用いて200Lxの照度の光を照射し、電流−電圧特性を測定して安定化後の変換効率を求めた。尚、本測定環境は太陽光に対しては約500分の1ではあるが、当然、太陽光下でも適用でき、用途を限定するものではない。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、絶縁体層としてアルミナの代わりにドデシルホスホン酸を形成した。ドデシルホスホン酸からなる絶縁体層は、[Ru(4、4’−ジカルボキシル−2、2’−ビピリジン)−(NCS)](表中に「N719」と示す)で表される0.3mM濃度の増感色素溶液中に1.0mM濃度でドデシルホスホン酸を溶解させた溶液に、酸化チタン半導体膜を付着させた導電性ガラス基板を浸漬することによって形成した。その他は実施例1と同様の方法で光電変換素子を作製した。
この光電変換素子について実施例1と同様にして変換効率を求めたところ、実施例1の変換効率を100としたときの相対値で94であった。
(実施例3)
実施例2において、色素としてN719の代わりにK19を用いた。K19は化学式(3)で表される。その他は実施例2と同様の方法で光電変換素子を作製した。
Figure 0005237664
この光電変換素子について実施例1と同様にして変換効率を求めたところ、実施例1の変換効率を100としたときの相対値で110であった。
(実施例4)
アルミナの層を形成しないこと、及びN719に代えて会合体を形成する色素である化学式(2)で表される色素(表中に「D131」と示す)を用いて、会合色素D131よりなる絶縁層を形成すると共に、多孔質酸化チタン半導体の膜の表面に会合色素D131を吸着させたこと以外は、実施例1と同様の方法で光電変換素子を作製した。尚、化学式(2)で表される色素はN719と同様の処理方法により、酸化チタン半導体上に会合体として吸着させることができ、会合性色素が絶縁体層として機能する。会合体形成の有無は溶液状態と半導体上への吸着状態の可視光吸収スペクトル測定により判別することができる。
この光電変換素子について実施例1と同様にして変換効率を求めたところ、実施例1の変換効率を100としたときの相対値で43であった。
(実施例5)
アルミナの層の形成に代えて有機の絶縁体層として1.5mol/dmの4−tert−ブチルピリジンを電解液に添加すること、及びラジカル化合物としてTEMPOに代えて、ニトロキシドのモル数換算で0.25mol/dmのPTMA(分子量約10000、下記化学式(4)参照)を用い、酸化対として、0.025mol/dmのニトリシルテトラフルオロボレート(NOBF)と、電荷輸送層中の支持塩として1.0mol/dmのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)を含む電解液を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で光電変換素子を作製した。電解液に添加された有機の絶縁体層としての4−tert−ブチルピリジンは、窒素の非共有電子対の塩基性により、電解液中で作用電極表面に強く吸着するものである。
この光電変換素子について実施例1と同様にして変換効率を求めたところ、実施例1の変換効率を100としたときの相対値で44であった。
Figure 0005237664
(実施例6)
実施例1において、色素としてN719の代わりに上記と同様のK19を用いた。その他は実施例1と同様の方法で光電変換素子を作製した。
この光電変換素子について実施例1と同様にして変換効率を求めたところ、実施例1の変換効率を100としたときの相対値で70であった。
(実施例7)
ラジカル化合物としてTEMPOに代えて、PTGE(分子量約10000、下記化学式(5)参照)を用いたこと、及び溶媒としてガンマブチロラクトンの代わりにアセトニトリルを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で光電変換素子を作製した。
この光電変換素子について実施例1と同様にして変換効率を求めたところ、実施例1の変換効率を100としたときの相対値で297であった。
Figure 0005237664
(実施例8)
ラジカル化合物としてPTMAに代えて、TEMPOを用いたこと、及び色素としてN719に代えて、D131を用いたこと、及び溶媒としてガンマブチロラクトンの代わりにアセトニトリルを用いたこと以外は実施例5と同様の方法で光電変換素子を作製した。
この光電変換素子について実施例1と同様にして変換効率を求めたところ、実施例1の変換効率を100としたときの相対値で306であった。
(実施例9)
絶縁体層として4−tert−ブチルピリジンに代えて、N−メチルベンズイミダゾールを用いたこと以外は、実施例8と同様の方法で光電変換素子を作製した。有機の絶縁体層は、電解液中のN−メチルベンズイミダゾールが窒素の非共有電子対の塩基性により電解液中で作用電極表面に強く吸着し作用電極表面に形成されるものである。
この光電変換素子について実施例1と同様にして変換効率を求めたところ、実施例1の変換効率を100としたときの相対値で282であった。
(実施例10)
実施例4において、導電性ガラス基板にチタニアコートを形成しないようにした。その他は実施例4と同様の方法で光電変換素子を作製した。
この光電変換素子について実施例1と同様にして変換効率を求めたところ、実施例1の変換効率を100としたときの相対値で111であった。
(比較例1)
実施例1において、絶縁体層を形成しないようにした他は、実施例1と同様にして光電変換素子を作製した。
この光電変換素子について実施例1と同様にして変換効率を求めたところ、実施例1の
変換効率を100としたときの相対値で11であった。
上記の実施例1〜10及び比較例1の構成及び変換効率相対値を表1に示す。
Figure 0005237664
上記の実施例1〜10及び比較例1から、絶縁体層を設けることによって特性が向上することが確認された。
本発明の実施の形態の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 半導体
2 電極
3 電極
4 電荷輸送層
5 絶縁体層
6 ラジカル化合物

Claims (12)

  1. 半導体を付着した電極と、この電極に対向配置された対電極との間に電荷輸送層を備えた光電変換素子において、半導体の対電極側の表面に電子透過性の絶縁体層を備えると共に、この絶縁体層と接してラジカル化合物が設けられていることを特徴とする光電変換素子。
  2. ラジカル化合物の層が絶縁体層の表面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. ラジカル化合物は分子量が1000以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光電変換素子。
  4. ラジカル化合物はニトロキシドを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  5. 絶縁体層を形成する絶縁体が有機化合物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  6. 絶縁体層を形成する絶縁体が非共有電子対を有する窒素原子を含む化合物であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  7. 半導体が金属酸化物半導体であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  8. 半導体の表面粗さ(実効面積/投影面積)が10以上であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  9. 半導体の表面と、半導体上の絶縁体層の少なくとも一方に、光増感剤が担持されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  10. 光増感剤が色素であることを特徴とする請求項9に記載の光電変換素子。
  11. 光増感剤が半導体上で会合性を有していることを特徴とする請求項9又は10に記載の光電変換素子。
  12. 光増感剤が下記化学式(1)の構造で示される化合物であることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載の光電変換素子。
    Figure 0005237664
    (但し、X、Xはアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環を少なくとも一種類以上を含み、それぞれ置換基を有していてもよい。Xに半導体と吸着する部位を有する。)
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