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JP5247015B2 - ランスパイプ、脱ガス処理器、脱ガス処理器付き容器及び脱ガス処理器付き樋 - Google Patents
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JP5247015B2 - ランスパイプ、脱ガス処理器、脱ガス処理器付き容器及び脱ガス処理器付き樋 - Google Patents

ランスパイプ、脱ガス処理器、脱ガス処理器付き容器及び脱ガス処理器付き樋 Download PDF

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Description

本発明は、ランスパイプ、脱ガス処理器、脱ガス処理器付き容器及び脱ガス処理器付き樋に関する。
従来、溶湯金属の精錬において、溶湯金属中に不活性ガス等を吹き込み、溶湯中に溶解している水素等を不活性ガス等の気泡中に移行させて除去する脱ガス処理が行われている。
溶湯金属中に不活性ガス等を吹き込むには、例えば、特許文献1に示すようなランスパイプが用いられている。このランスパイプは、図7に示すように、両端部が開口するガス供給管101と、このガス供給管101を被覆する耐火材102と、ガス供給管101の一方の開口を閉塞するようにして設置される通気性耐火物103とを備えている。このように構成されたランスパイプ100を溶湯金属に浸漬させて不活性ガスを導入することにより、不活性ガスは、通気性耐火物103を通過してランスパイプ100の先端から多数の気泡Gとなって溶湯金属中に流出する。溶湯金属中に溶解している水素等は、通気性耐火物103から流出した不活性ガスの気泡G中に移行して、溶湯から除去される。
特開平2−301526号公報
しかしながら、上述したランスパイプを用いて溶湯金属の脱ガス処理を行った場合、溶湯金属全体に不活性ガスの気泡を行き渡らせることが難しく、脱ガス処理を効率的に行うことが困難であるという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、溶湯金属の脱ガス処理を効率良く行うことができるランスパイプ、脱ガス処理器、脱ガス処理器付き容器および脱ガス処理器付き樋を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、溶湯金属中に不溶性ガスを吹き込んで脱ガス処理を行うためのランスパイプであって、金属製の管本体と前記管本体を被覆する被覆材とを備えており、前記被覆材は、多孔質性耐火材からなり、前記管本体の側壁には、前記被覆材で被覆されるガス流出孔が前記管本体の長手方向に沿って所定間隔をあけて複数形成されているランスパイプにより達成される。
また、このランスパイプにおいて、前記管本体は、曲がり部を有しており、前記ガス流出孔は、前記管本体の前記曲がり部よりも先端側に形成されていることが好ましい。
また、前記被覆材は、ガラス繊維から成る基材シートにガラス質コーティング剤を含浸させると共に、前記基材シートの表面全体をガラス質コーティング剤の塗布膜で覆うことにより形成されていることが好ましい。
また、前記ガス流出孔には、多孔質性耐火材からなる多孔質栓が装着されており、前記多孔質栓は、前記被覆材により被覆されていることが好ましい。
また、前記管本体の少なくとも一部は、金網状部材を筒状に形成して構成してもよい。
また、本発明の上記目的は、溶湯金属中に不溶性ガスを吹き込んで脱ガス処理を行うための脱ガス処理器であって、不溶性ガスの気泡を溶湯金属中に流出させる気泡発生体を備えており、前記気泡発生体は、不溶性ガスが導かれる内部空間を有する金属製の処理器本体と、前記処理器本体を被覆する被覆材と、を有しており、前記被覆材は、多孔質性耐火材からなり、前記処理器本体には、前記内部空間に不溶性ガスを導くガス導入部が形成されており、前記処理器本体には、前記内部空間に導かれた不溶性ガスを流出するガス流出孔が所定間隔をあけて複数形成されており、前記複数のガス流出孔は、前記被覆材により被覆されている脱ガス処理により達成される。
また、この脱ガス処理器において、前記処理器本体は平板状に形成されており、前記ガス流出孔は、前記処理器本体の少なくとも一方面から不溶性ガスが流出するように形成されていることが好ましい。
また、前記処理器本体は、容器状に形成され、溶湯金属が収容される収容部を備えるように構成されており、前記ガス流出孔は、前記収容部に不溶性ガスが流出するように形成されていることが好ましい。
また、前記処理器本体は、樋状に形成され、溶湯金属が移送される移送部を備えるように構成されており、前記ガス流出孔は、前記移送部に不溶性ガスが流出するように形成されていることが好ましい。
また、前記被覆材は、ガラス繊維から成る基材シートにガラス質コーティング剤を含浸させると共に、前記基材シートの表面全体をガラス質コーティング剤の塗布膜で覆うことにより形成されていることが好ましい。
また、前記ガス流出孔には、多孔質性耐火材からなる多孔質栓が装着されており、前記多孔質栓は、前記被覆材により被覆されていることが好ましい。
また、前記処理器本体の少なくとも一部は、金網状部材により構成されていることが好ましい。
また、本発明の上記目的は、脱ガス処理器と、溶湯金属が収容される収容空間とを備える脱ガス処理器付き容器であって、前記気泡発生体が、前記収容空間に配置されている脱ガス処理器付き容器により達成される。
また、本発明の上記目的は、脱ガス処理器と、溶湯金属が移送される移送空間とを備える脱ガス処理器付き樋であって、前記気泡発生体が、前記移送空間に配置されている脱ガス処理器付き樋により達成される。
本発明によれば、溶湯金属の脱ガス処理を効率良く行うことができるランスパイプ、脱ガス処理器、脱ガス処理器付き容器および脱ガス処理器付き樋を提供することができる。
以下、本発明のランスパイプついて添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るランスパイプ1の概略構成断面図であり、図2は、図1のA−A断面図である。このランスパイプ1は、図1に示すように、曲がり部12を有する金属製の管本体10と、管本体10を被覆する被覆材20とを備えている。
管本体10は、曲がり部12を構成するエルボ管13を介して接続されるガス導入管11およびガス流出管14を備えており、全体形状が、側面視L字状となるように構成されている。ガス導入管11、ガス流出管14およびエルボ管13は、普通鋼、ステンレス、鋳鉄などの金属材料から構成されている。
ガス導入管11は、両端に開口部を有するパイプ状部材であり、一方端がエルボ管13に接続している。ガス導入管11の他方端は、図示しない不溶性ガスの供給源から延びるガス供給配管を取り付けるための取付部15を備えている。ここで、不溶性ガスとは、溶湯金属に溶解しないガスの他、溶湯金属に溶解しにくいガスを含む概念であり、例えば、アルゴン等の不活性ガスや、窒素、塩素等のガスを使用することができる。
ガス流出管14は、管本体10の曲がり部12よりも先端側を構成するパイプ状部材であり、一方端が閉塞された有底状に形成されている。ガス流出管14の他方端は、エルボ管13に接続している。このガス流出管14の側壁には、当該ガス流出管14の長手方向に沿って所定間隔を空けて形成される複数のガス流出孔16が形成されている。このガス流出孔16は、被覆材20により被覆されている。ガス流出孔16の孔形状や個数は特に限定されず、例えば、孔形状として、円形状、或いは、楕円形状等の形状を採用することができる。また、ガス流出孔16を図3に示すような単一のスリット16aにより構成することもできる。なお、ガス流出管14の一方端に設けられる底部14aにガス流出孔16を更に形成するような構成を採用してもよい。
被覆材20は、例えば、通気率が3.5×10−14〜9.0×10−14程度の多孔質性耐火物から構成されており、図1及び図2に示すように、管本体10の外周面を巻回するようにして被覆する基材シート21と、基材シート21の表面を覆う塗布膜22とを備えている。なお、上記通気率は、JIS規格R2115(耐火れんがの通気率の試験方法)に従って求めた値である。基材シート21は、ガラススリーブ、ガラス織布、ガラス不織布などのガラス繊維からなり、ガラス繊維のガラス組成は、Eガラス、Sガラス、Tガラスなどを好ましく例示することができる。基材シート21におけるガラス繊維の隙間には、耐熱性を有するガラス質コーティング剤が、管本体10への装着前に塗布や浸漬などによって予め含浸されている。耐熱性のガラス質コーティング剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、アルミナ・シリカ、ジルコン、ジルコニア等の金属酸化物や、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の溶湯と反応し難い耐火物粉末を、水ガラス(アルカリ金属ケイ酸塩)やシリカゾル、アルミナゾル、或いはこれらの混合物等の水溶液中に分散させたものを用いることができる。上述した耐火物粉末は、コーティング材の被覆強度を高めるため、繊維状の素材を粉砕して得られたものが好ましい。
基材シート21表面への塗布膜22の形成は、耐熱性を有するガラス質コーティング剤の塗布により行われる。耐熱性のガラス質コーティング剤の塗布は、基材シート21の表面全体に均一に行うことが好ましく、粘度を適宜調整して複数回繰り返し行うことが好ましい。こうして得られる塗布膜22の基材シート21表面からの厚みは、2mm〜7mm程度が好ましい。基材シート21の表面に塗布するガラス質コーティング剤も、基材シート21に含浸させるガラス質コーティング剤と同様のものを例示することができる。
次に、このように構成されたランスパイプ1を用いて溶湯金属中に窒素等の不溶性ガスを吹き込み、溶湯金属中に溶解する水素を除去する方法について説明する。まず、図4に示すように、不溶性ガスの供給源(図示せず)から延びるガス供給配管30を取付部15に接続する。その後、取鍋31等に収容されている溶湯金属中にランスパイプ1を浸漬させる。このとき、溶湯金属中に溶解している水素を効率よく除去するために、ガス流出管14が溶湯金属の液面Sと略平行となるように配置することが好ましい。なお、ランスパイプ1を溶湯金属中に浸漬させるには、リフターやクレーン等の昇降装置32を用いて行うのが好ましい。
次に、不溶性ガスの供給源から加圧された不溶性ガスをランスパイプ1に導く。不溶性ガスは、ガス導入管11を介してガス流出管14に導かれ、ガス流出管14に形成されている複数のガス流出孔16に導かれる。ガス流出孔16に導かれた不溶性ガスは、多孔質の被覆材20を通過する際に細分化され、被覆材20表面から細かい気泡Gとなって溶湯金属中に流出する。溶湯金属中に溶解している水素は、被覆材20表面から流出し溶湯金属の液面Sに向かって上昇する不溶性ガスの細かい気泡Gに移行し、溶湯金属の液面Sから外部に放出される。
このように本実施形態に係るランスパイプ1によれば、ランスパイプ1の側面から不溶性ガスの気泡を溶湯金属中に流出できるように構成しているので、溶湯金属の広い範囲にわたって脱ガス処理を行うことが可能になる。この結果、溶湯金属中に溶解している水素を効率良く除去することができる。
また、本実施形態に係るランスパイプ1は、管本体10が曲がり部12を有すると共に、管本体10の曲がり部12よりも先端側にガス流出孔16が形成されているため、ランスパイプ1を容易に支持することができると共に、ランスパイプ1における不溶性ガスの気泡が生成される側面を溶湯金属の任意の深さまで容易に浸漬させることができる。さらに、ランスパイプ1により生成される不溶性ガスの気泡を、溶湯金属の同一深度付近から溶湯金属中に流出させることができるので、溶湯金属中における不溶性ガスの気泡の滞留時間を略一定にすることができ、より一層効率良く脱ガス処理を行うことができる。
また、本実施形態に係るランスパイプ1は、ランスパイプ1の全長にわたって金属製の管本体10を内部に備えているため、ランスパイプ1の取り扱い時における衝撃や、脱ガス処理時における作業負荷によって、ランスパイプ1が折損することを防止することができ、ランスパイプ1の耐衝撃性や耐久性を高めることができる。
また、管本体10の表面に被覆される被覆材20は、ガラス繊維から成る基材シート21にガラス質コーティング剤を含浸させると共に、基材シート21の表面全体をガラス質コーティング剤の塗布膜22で覆うことにより形成されているので、溶湯金属に対するぬれ性が悪く、溶湯金属によって被覆材20に目詰まりが発生することを防止することができる。この結果、ガス流出孔16を介して多孔質性の被覆材20に導かれた不溶性ガスが、当該被覆材20を通過できなくなるような事態が発生することを効果的に防止することができ、ランスパイプ1の長時間使用が可能になる。また、このように構成された被覆材20は、耐食性にも優れている材料なので、ランスパイプ1が溶損することを効果的に防止することができ、さらに、若干の柔軟性を有しているため、管本体10と被覆材20との熱膨張差によって生じる被覆材20の剥離や亀裂を効果的に防止することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の具体的な態様は上記実施形態に限定されず、例えば、図5に示すように、ガス流通管に形成されるガス流出孔16に多孔質性耐火材からなる多孔質栓40を装着する構成を採用することもできる。この多孔質栓40は、被覆材20により被覆されている。このような構成によれば、ガス導入管11を介してガス流出管14に導かれた不溶性ガスは、多孔質栓40を通過した後、ガス流出管14を被覆する被覆材20に進入して溶湯金属中に流出するので、被覆材20を直接押圧する不溶性ガスの力を軽減させることができる。この結果、不溶性ガスの押圧力によって被覆材20が管本体から剥離することを防止することが可能となる。また、図6に示すように、管本体10を貫通するように多孔質栓40を装着するようにしてもよい。ここで、多孔質栓40は、アルミナ、アルミナ・シリカ、ジルコン等の耐火粉末を成形し、焼結せしめたものであり、例えば、通気率が4.0×10−14〜15.0×10−14程度であることが好ましい。なお、この通気率は、JIS規格R2115(耐火れんがの通気率の試験方法)に従って求めた値である。
なお、被覆材20により被覆されている多孔質栓40の少なくとも一部が、外部に露出するような構成を採用し、ランスパイプ1内を通過する不溶性ガスが、多孔質栓40の露出部から直接的に溶湯金属中に流出するような構成を採用することもできる。
また、本実施形態における管本体10の少なくとも一部を、金網状部材を筒状に形成して構成してもよい。金網状部材としては、エキスパンドメタルや金属製のメッシュ状パネル等を例示することができる。例えば、金網状部材を筒状に形成して本実施形態におけるガス流出管14を構成した場合、金網状部材のメッシュ部分が、ガス流出孔16に相当するので、当該ガス流出孔16を別途形成する必要がなく、低コストでランスパイプ1を製造することが可能になる。また、管本体10の少なくとも一部を、金網状部材を筒状に形成して構成した場合、管本体10と被覆材20との熱膨張率の相違に基づいて発生する両者間の歪みを、金網状部材により形成した管本体10の一部が吸収するため、被覆材20に剥離や亀裂等が発生することを効果的に防止することができる。
また、本実施形態においては、エルボ管13を介してガス導入管11とガス流出管14とを接続することにより管本体10を構成しているが、例えば、単一の直線状の金属管を曲げ形成により側面視L字状となるように形成し、当該L字状金属管の曲がり部12よりも先端側にガス流出孔16を形成するようにして管本体10を構成することもできる。
また、本実施形態においては、ガス流出管14は、一方端が閉塞された有底状のパイプ状部材から形成されているが、例えば,両端に開口部を有するパイプ状部材を使用すると共に、当該パイプ状部材の一端側を閉塞させるキャップを取り付けることによりガス流出管14を構成してもよい。
また、本実施形態においては、管本体10の形状を側面視L字状に構成しているが、このような形状に特に限定されず、例えば、直線状や、湾曲状に構成することもできる。
次に、本発明の脱ガス処理器について添付図面を参照して説明する。図8は、本発明の一実施形態に係る脱ガス処理器の概略構成断面図であり、図9は、図8に示す矢示B方向から見た平面図である。この脱ガス処理器50は、図8及び図9に示すように、気泡発生体51と、ガス導入配管55とを備えている。
気泡発生体51は、平面視矩形状の平板状に形成されており、内部空間53を有する金属製の処理器本体52と、当該処理器本体52を被覆する多孔質性耐火材からなる被覆材20とを備えている。この気泡発生体51の一方面51aにおける側縁近傍には、処理器本体52の内部空間53に不溶性ガスを導くガス導入部54が形成されており、当該ガス導入部54にガス導入配管55が接続されている。
処理器本体52は、普通鋼、ステンレス、鋳鉄などの金属材料からなり、平面視矩形状の平板状に形成されている。この処理器本体52は、上述のように内部空間53を備えている。ガス導入部54が形成されている処理器本体52の一方面52aの略全域には、内部空間53に導かれた不溶性ガスを流出するガス流出孔16が所定間隔を開けて複数形成されている。このガス流出孔16は、多孔質性耐火材からなる被覆材20により被覆されており、これにより、処理器本体52の内部空間53に導かれた不溶性ガスが、ガス流出孔16と被覆材20とを介して、気泡発生体51の一方面51aから流出することができる。また、ガス流出孔16の孔形状や個数は特に限定されず、例えば、孔形状として、平面視円形状、或いは、平面視楕円形状等の形状を採用することができる。また、ガス流出孔16をスリットにより構成することもできる。なお、処理器本体52の他方面52bにガス流出孔16を更に形成するような構成や、処理器本体52の端面52c,52c,52c,52cにガス流出孔16を更に形成するような構成を採用してもよい。
被覆材20は、上述したランスパイプ1に用いられるものと同一の構成を備えているので、ここでは詳細な説明を省略する。
ガス導入配管55は、両端に開口部を有するパイプ状部材55aに被覆材20を被覆して構成されており、その一方端がガス導入部54に接続している。ガス導入配管55の他方端は、図示しない不溶性ガスの供給源から延びるガス供給配管を取り付けるための取付部55bを備えている。ガス導入配管55を構成するパイプ状部材55aは、例えば、普通鋼、ステンレス、鋳鉄などの金属材料から構成されている。
このように構成された脱ガス処理器50の作動について以下説明する。脱ガス処理器50を用いて溶湯金属中に溶解する水素等を除去するには、まず、図10に示すように、溶湯金属の保持炉や取鍋のような容器70における溶湯金属が収容される収容空間70aに脱ガス処理器50の気泡発生体51を配置する。このとき、溶湯金属中に溶解している水素等を効率よく除去するために、気泡発生体51の他方面51bが収容空間70aの底面に接するように配置することが好ましい。
その後、容器70の収容空間70aに溶湯金属を収容すると共に、ガス導入配管55を介して不溶性ガスを気泡発生体51に供給する。気泡発生体51に導かれた不溶性ガスは、処理器本体52の内部空間53、ガス流出孔16および多孔質性耐火材からなる被覆材20を介して、気泡発生体51の一方面51aの略全域から細かい気泡Gとなって容器70の収容空間70aに収容されている溶湯金属中に流出する。溶湯金属中に溶解している水素等は、気泡発生体51の一方面51aから流出し溶湯金属の液面Sに向かって上昇する不溶性ガスの細かい気泡Gに移行し、溶湯金属の液面Sから外部に放出される。
このように、本実施形態に係る脱ガス処理器50によれば、平板状に形成された気泡発生体51の一方面51aの略全域から不溶性ガスの気泡Gを溶湯金属中に流出できるように構成しているので、溶湯金属中に溶解している水素等を広範囲にわたって効率良く除去することができる。
また、本実施形態に係る脱ガス処理器50における気泡発生体51は、その内部に金属製の処理器本体52を備えているため、脱ガス処理器50の取り扱い時における衝撃によって、気泡発生体51が破損することを効果的に防止することができ、脱ガス処理器50の耐衝撃性や耐久性を高めることができる。
また、処理器本体52の表面に被覆される被覆材20は、上述のランスパイプ1におけるものと同一の構成を備えているので、溶湯金属に対するぬれ性が悪く、溶湯金属によって被覆材20に目詰まりが発生することを防止することができる。この結果、ガス流出孔16を介して多孔質性の被覆材20に導かれた不溶性ガスが、当該被覆材20を通過できなくなるような事態が発生することを効果的に防止することができ、脱ガス処理器50の長時間使用が可能になる。また、被覆材20は、耐食性にも優れている材料なので、脱ガス処理器50が溶損することを効果的に防止することができ、さらに、若干の柔軟性を有しているため、処理器本体52と被覆材20との熱膨張差によって生じる被覆材20の剥離や亀裂を効果的に防止することができる。
上記脱ガス処理器50の作動説明として、保持炉や取鍋等の容器70の収容空間70aに脱ガス処理器50の気泡発生体51を配置する場合を例にとり説明したが、例えば、溶解炉から排出された溶湯金属を保持炉や取鍋等に移送する樋に脱ガス処理器50を取り付けて、溶湯金属中に溶解する水素等を除去することもできる。具体的に説明すると、例えば図11の断面図及び図11に示す矢示C方向から見た平面図である図12に示すように、溶湯金属が移送される移送空間57と、溶湯表面に浮遊するスラグ等の不純物が移送方向(図11に示す矢示D方向)に流れることを防止する仕切板58とを備える樋56において、仕切板58に対して溶湯金属の移送方向側(下流側)における移送空間57に脱ガス処理器50の気泡発生体51を配置して、溶湯金属を溶解炉から取鍋等に移送しながら、ガス導入配管55を介して不溶性ガスを気泡発生体51に供給し、気泡発生体51の一方面51aから細かい気泡を移送中の溶湯金属中に流出する。なお、図11及び図12に示す脱ガス処理器50においては、2つのガス導入配管55,55を気泡発生体51に取り付ける構成を示している。
これにより、溶湯金属の移送途中において溶湯金属中に溶解している水素等を除去することができ、溶湯金属の脱ガス処理の時間的な効率性を向上させることができる。なお、樋56によって移送される溶湯金属中に溶解している水素等を効率よく除去するために、気泡発生体51の他方面51bが移送空間57の底面57aに接するように配置することが好ましい。
以上、本発明にかかる脱ガス処理器50の一実施形態について説明したが、本発明の具体的な態様は上記実施形態に限定されない。本実施形態においては、図9に示すように、気泡発生体51を平板状に形成しているが、例えば、図13に示すように、気泡発生体51を容器状に形成し、気泡発生体51が溶湯金属を収容する収容部60を備えるように構成してもよい。このような構成を採用する場合、処理器本体52の内部空間53に導かれた不溶性ガスが、被覆材20を介して収容部60に流出するようにガス流出孔16を処理器本体52に形成する。図13に示す脱ガス処理器50においては、収容部60の底部60aから不溶性ガスの気泡が収容部60内に流出するようにガス流出孔16を処理器本体52に形成している。このような構成により、溶湯金属を収容する機能を備えた脱ガス処理器50を得ることができる。なお、収容部60の側壁部60bからも不溶性ガスの気泡が収容部60内に流出するように、収容部60の側壁部60bを構成する処理器本体52の一部分にガス流出孔16を形成してもよい。
また、例えば、図14の断面図及び図14の矢示E方向から見た平面図である図15に示すように、気泡発生体51を樋状に形成し、気泡発生体51が、溶湯金属を移送する移送部61を備えるように構成してもよい。このような構成を採用する場合、処理器本体52の内部空間53に導かれた不溶性ガスが、被覆材20を介して移送部61に流出するようにガス流出孔16を処理器本体52に形成する。この脱ガス処理器50は、図14に示すように、気泡発生体51を断面視コ字状に形成して移送部61を構成し、移送部61の底部61aから不溶性ガスの気泡が移送部61内に流出するようにガス流出孔16を処理器本体52に形成している。このような構成により、溶解炉等から取鍋等に溶湯金属を移送しながら脱ガス処理を行うことが可能な脱ガス処理器50を得ることができる。なお、移送部61の側壁部61bからも不溶性ガスの気泡が移送部61内に流出するように、移送部61の側壁部61bを構成する処理器本体52の一部分にガス流出孔16を形成してもよい。
また、図14に示す脱ガス処理器50においては、気泡発生体51を断面視コ字状に形成して移送部61を構成しているが、例えば、図16に示すように、断面視U字状となるように気泡発生体51を形成して移送部61を構成することもできる。
また、本実施形態においては、図8及び図9に示すように、処理器本体52の一方面52aの略全域にわたって、ガス流出孔16を複数形成するようにしているが、このような構成に特に限定されず、例えば、処理器本体52の一方面52aの中央部分にガス流出孔16を複数形成するような構成を採用することもできる。
また、本実施形態においては、図9に示すように、気泡発生体51を平面視矩形状の平板状に形成しているが、このような形状に特に限定されず、例えば、平面視円形状の平板状等種々の形状に形成することができる。
また、図5に示すランスパイプ1の変形例と同様に、多孔質性耐火材からなる多孔質栓40を処理器本体52に形成したガス流出孔16に装着すると共に、多孔質栓40を被覆材20により被覆する構成を採用することもできる。このような構成を採用した場合の効果は、図5に示すランスパイプの変形例において説明した効果と同様である。
また、処理器本体52の少なくとも一部を、金網状部材により構成してもよい。金網状部材としては、上述のランスパイプの変形例において説明した部材を採用することができる。金網状部材により処理器本体52を構成した場合、金網状部材のメッシュ部分が、ガス流出孔16に相当するので、当該ガス流出孔16を別途形成する必要がなく、低コストで脱ガス処理器50を製造することが可能になる。また、金網状部材で構成した処理器本体52は弾力性を有しているため、処理器本体52と被覆材20との熱膨張差によって生じる被覆材20の剥離や亀裂を効果的に防止することができる。
本発明の一実施形態に係るランスパイプの概略構成断面図である。 図1のA−A断面を示す断面図である。 図1に示すランスパイプの変形例を示す概略構成断面図である。 図1に示すランスパイプの使用方法を説明する説明図である。 図1に示すランスパイプの他の変形例を示す概略構成断面図である。 図1に示すランスパイプの更に他の変形例を示す概略構成断面図である。 従来のランスパイプを示す概略構成断面図である。 本発明の一実施形態に係る脱ガス処理器の概略構成断面図である。 図8における矢示B方向から見た平面図である。 図8に示す脱ガス処理器を容器に取り付けた場合の使用方法を説明する説明図である。 図8に示す脱ガス処理器を樋に取り付けた場合の使用方法を説明する説明図である。 図11における矢示C方向から見た平面図。 図8に示す脱ガス処理器の変形例を示す概略構成断面図である。 図8に示す脱ガス処理器の他の変形例を示す概略構成断面図である。 図14における矢示E方向から見た平面図である。 図8に示す脱ガス処理器の更に他の変形例を示す概略構成断面図である。
符号の説明
1 ランスパイプ
10 管本体
11 ガス導入管
12 曲がり部
13 エルボ管
14 ガス流出管
15 取付部
16 ガス流出孔
20 被覆材
21 基材シート
22 塗布膜
31 取鍋
40 多孔質栓
50 脱ガス処理器
51 気泡発生体
52 処理器本体
53 内部空間
54 ガス導入部
55 ガス導入配管
56 樋
70 容器

Claims (14)

  1. 溶湯金属中に不溶性ガスを吹き込んで脱ガス処理を行うためのランスパイプであって、
    金属製の管本体と、前記管本体を被覆する被覆材と、を備えており、
    前記被覆材は、多孔質性耐火材からなり、
    前記管本体の側壁には、前記被覆材で被覆されるガス流出孔が前記管本体の長手方向に沿って所定間隔をあけて複数形成されているランスパイプ。
  2. 前記管本体は、曲がり部を有しており、
    前記ガス流出孔は、前記管本体の前記曲がり部よりも先端側に形成されている請求項1に記載のランスパイプ。
  3. 前記被覆材は、ガラス繊維から成る基材シートにガラス質コーティング剤を含浸させると共に、前記基材シートの表面全体をガラス質コーティング剤の塗布膜で覆うことにより形成されている請求項1又は2に記載のランスパイプ。
  4. 前記ガス流出孔には、多孔質性耐火材からなる多孔質栓が装着されており、
    前記多孔質栓は、前記被覆材により被覆されている請求項1から3のいずれかに記載のランスパイプ。
  5. 前記管本体の少なくとも一部は、金網状部材を筒状に形成して構成されている請求項1から4のいずれかに記載のランスパイプ。
  6. 溶湯金属中に不溶性ガスを吹き込んで脱ガス処理を行うための脱ガス処理器であって、
    不溶性ガスの気泡を溶湯金属中に流出させる気泡発生体を備えており、
    前記気泡発生体は、不溶性ガスが導かれる内部空間を有する金属製の処理器本体と、前記処理器本体を被覆する被覆材と、を有しており、
    前記被覆材は、多孔質性耐火材からなり、
    前記処理器本体には、前記内部空間に不溶性ガスを導くガス導入部が形成されており、
    前記処理器本体には、前記内部空間に導かれた不溶性ガスを流出するガス流出孔が所定間隔をあけて複数形成されており、
    前記複数のガス流出孔は、前記被覆材により被覆されている脱ガス処理器。
  7. 前記処理器本体は平板状に形成されており、
    前記ガス流出孔は、前記処理器本体の少なくとも一方面から不溶性ガスが流出するように形成されている請求項6に記載の脱ガス処理器。
  8. 前記処理器本体は、容器状に形成され、溶湯金属が収容される収容部を備えるように構成されており
    前記ガス流出孔は、前記収容部に不溶性ガスが流出するように形成されている請求項6に記載の脱ガス処理器。
  9. 前記処理器本体は、樋状に形成され、溶湯金属が移送される移送部を備えるように構成されており
    前記ガス流出孔は、前記移送部に不溶性ガスが流出するように形成されている請求項6に記載の脱ガス処理器。
  10. 前記被覆材は、ガラス繊維から成る基材シートにガラス質コーティング剤を含浸させると共に、前記基材シートの表面全体をガラス質コーティング剤の塗布膜で覆うことにより形成されている請求項6から9のいずれかに記載の脱ガス処理器。
  11. 前記ガス流出孔には、多孔質性耐火材からなる多孔質栓が装着されており、
    前記多孔質栓は、前記被覆材により被覆されている請求項6から10のいずれかに記載の脱ガス処理器。
  12. 前記処理器本体の少なくとも一部は、金網状部材により構成されている請求項6から11のいずれかに記載の脱ガス処理器。
  13. 請求項に記載の脱ガス処理器と、溶湯金属が収容される収容空間とを備える脱ガス処理器付き容器であって、
    前記気泡発生体が、前記収容空間に配置されている脱ガス処理器付き容器。
  14. 請求項に記載の脱ガス処理器と、溶湯金属が移送される移送空間とを備える脱ガス処理器付き樋であって、
    前記気泡発生体が、前記移送空間に配置されている脱ガス処理器付き樋。
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