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JP5247294B2 - セラミック支持部材およびこれを用いた誘電体共振器 - Google Patents
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Description

本発明は、携帯電話の基地局などに用いられる誘電体共振器に関する。特に誘電体共振器のキャビティ内で誘電体共振子の支持固定に使用されるとともに、誘電体共振器としての誘電特性を良好にできるセラミック支持部材およびこれを用いた誘電体共振器に関する。
携帯通信基地局用の周波数フィルタとして誘電体共振器が用いられている。例えば、誘電体セラミックスからなる誘電体共振子は、絶縁性セラミックスにより形成した円筒状のセラミック支持部材を介して金属ケースの中央に配置したものであった。この誘電体共振器は、これに特定の信号を入力すると、誘電体共振子の共振周波数のみが出力信号として出力されることから、誘電体フィルタとして使用され、各種回路に搭載されてきた(例えば、特許文献1〜3を参照)。
実開昭51−94643号公報 実開平3−92809号公報 特開2003−273614号公報
このようなセラミック支持部材としては、誘電特性が良好で、高い誘電特性を示す誘電体共振子と組み合わせて使用しても、トータルの誘電特性(特にQ値)の高いものが望まれている。
本発明はセラミック支持部材単体での誘電特性が良好で、誘電体共振子と組み合わせて使用した場合の誘電特性(特にQ値)を良好にできるセラミック支持部材およびこれを用いた誘電体共振器を提供することを目的とする。
本発明のセラミック支持部材は、誘電体共振子の支持に用いられ、少なくとも前記誘電体共振子の支持部が、アルミナを99.3質量%以上含有し、SiおよびSrを含有するとともに、アルミナ結晶粒子を主結晶粒子としてなり、かつ前記アルミナ結晶粒子の粒界にSrAlSiで表される化合物の結晶相が存在し、さらに密度が3.83g/cm 以上であるアルミナ質焼結体からなることを特徴とする。
また、本発明の誘電体共振器は、前記セラミック支持部材と、これに支持される誘電体共振子とをキャビティ内に備えたことを特徴とする。
本発明のセラミック支持部材は、アルミナを99.3質量%以上含有するため、アルミナの優れた耐腐食性と機械的特性、電気特性を維持することができる。また、アルミナ結晶粒子の粒界に、従来の粒界相成分からなるガラスではなく、SrAlSiで表される化合物からなる低損失の結晶相を存在させ、さらに密度が3.83g/cm 以上のアルミナ質焼結体からなるので、従来よりも誘電正接(tanδ)を低くすることができる。これにより、誘電正接の逆数で表される品質係数Q値を高くすることができる。
また、本発明の誘電体共振器は、本発明のセラミック支持部材とこのセラミック支持部材に支持された誘電体共振子とをキャビティ内に備えていることにより、従来よりも誘電正接を低減することが可能なために、より高い品質係数Q値を得ることが可能となる。
また、本発明の誘電体共振器は、キャビティ内に本発明のセラミック支持部材とこのセラミック支持部材に支持された誘電体共振子とを備えたことにより、誘電体共振器の誘電正接(tanδ)を低下させることができるため、前記誘電体共振器を携帯電話の基地局等に使用した場合に減衰等なく電波の送受信を行うことが可能となる。
本発明の最良の実施形態(以下、本実施形態という)について図面を参照しながら詳細に説明する。図1に一例として示すように、本実施形態の誘電体共振器1は、誘電体セラミックスからなる誘電体共振子4と、この誘電体共振子4を支持する、アルミナ質焼結体からなる円筒状のセラミック支持部材3とを有している。このように、セラミック支持部材3は、誘電体共振子4の支持に用いられ、少なくとも誘電体共振子4の支持部が、アルミナを99.3質量%以上含有し、SiおよびSrを含有するとともに、アルミナ結晶粒子を主結晶粒子としてなり、かつ前記アルミナ結晶粒子の粒界にSrAlSiで表される化合物の結晶相が存在し、さらに密度が3.83g/cm 以上であるアルミナ質焼結体からなることを特徴とする。
また、金属製のケース2のキャビティ内において、誘電体共振子4はセラミック支持部材3を介して配置されている。このようにして構成された誘電体共振器1に特定の信号を入力すると、誘電体共振子4の共振周波数のみが出力信号として出力されることから、誘電体フィルタや各種回路に搭載することが可能である。
本実施形態のセラミック支持部材3と誘電体共振子4は、誘電体共振子4に予め座繰り加工などにより形成した凹部(不図示)にセラミック支持部材3の端部を嵌合させる方法などにより固定される。
セラミック支持部材3は、例えば誘電体共振器のキャビティ内で誘電体共振子を支持固定するために用いられるものであり、少なくともその支持部は、アルミナを99.3質量%以上含有し、SiおよびSrを含有するとともに、アルミナ結晶粒子を主結晶粒子としてなり、前記アルミナ結晶粒子の粒界にSrAl Si で表される化合物結晶相が存在するアルミナ質焼結体からなる。
図2に示すように、本実施形態のアルミナ質焼結体は、アルミナ結晶粒子10間(粒界11)に、SrAl Si で表される化合物からなる低損失の結晶相を析出させると、この結晶相自身の誘電正接が低いため、アルミナ質焼結体全体の誘電正接を低下させることができる。なお、一般的なアルミナ質焼結体では、焼結助剤として加えた副成分が、アルミナ結晶粒子間にガラス、あるいは誘電正接の高い結晶として存在し、アルミナ質焼結体全体の誘電正接を増大させる傾向があった。
また、本実施形態のセラミック支持部材3において、アルミナを99.3質量%以上含有していることにより、焼結性が完全となるとともに、アルミナの優れた機械的特性および電気特性を維持することが可能となる。
また、本実施形態のセラミック支持部材3は、アルミナ質焼結体が、SiをSiO換算で0.02〜0.2質量%,SrをSrO換算で0.01〜0.1質量%含むことを特徴としている。前記Si,SrをそれぞれSiO換算,SrをSrO換算で前記範囲とすれば、これらの元素で低損失のSrAl Si で表される化合物の結晶相をアルミナ質焼結体の粒界に析出させるためである。特に、誘電正接と焼結性という観点からSiはSiO換算で0.05〜0.15質量%であることが望ましい。
また、本実施形態のセラミック支持部材3は、前記アルミナ質焼結体がさらにMgをMgO換算で0.01〜0.3質量%、CaをCaO換算で0.01〜0.2質量%含有することを特徴としている。これにより、アルミナ質焼結体の焼結性を向上させることができ、より焼結体を緻密化させることが可能であるため、誘電特性を低下(Q値を向上)させるボイドや欠陥を減らすことができ、低損失のアルミナ質焼結体を得ることができる。
また、本実施形態のセラミック支持部材3は、前記アルミナ結晶粒子の平均粒径D50が10μm以上であることを特徴としている。これにより、誘電正接を安定して低減でき、Q値を向上させることができる。低誘電正接をより安定させるという観点から、アルミナ結晶粒子の平均粒径D50は15μm以上が好ましい。アルミナ結晶粒子の平均粒径D50は、機械的特性という観点から70μm以下であることが好ましい。なお、平均粒径D50とは、累積粒度分布の微粒側から累積50%の粒径をいう。
また、本実施形態のセラミック支持部材3は、前記アルミナ質焼結体の粒界に存在する結晶相がSrAlSi 表される化合物であることを特徴としている。この結晶の生成により誘電正接を低減でき、Q値をより向上させることができる。
なお、本実施形態においては、SrAlSi 表される化合物とは、Srの構成元素の一部が他の元素で置換されたものも含む概念である。
次に、本実施形態のセラミック支持部材3の製造方法について説明する。例えば、酸化
アルミニウム粉末に、Si源とSr源とを混合して熱処理した原料粉末を混合し、この混合粉末を成形したのち、1500〜1800℃で焼成する。
Sr源とSi源とを混合し焼成した原料粉末とは、Si源とSr源を所定の比率で混合し、500℃〜1400℃で焼成することによって得られる粉末である。ここでいうSi源、Sr源としては、金属、酸化物、水酸化物、炭酸塩および硝酸塩等の塩類のいずれであっても良い。SiとSrの原料粉末を用いることで、アルミナ質焼結体中でのSiとSrの分布を均一なものとし、不均一な焼結組織をなくすことが可能となる。
また、SiとSrの反応を優先的に起こし、アルミナ結晶粒子間にSiとSr、Al、O元素からなる誘電正接の低い結晶を生成することが可能となる。
酸化アルミニウム粉末に、上記Sr源とSi源を混合し焼成した原料粉末と、Mg源やCa源を含む原料粉末を混合し、焼成する場合もある。Mg源やCa源としては、金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩などの塩類等を粉末あるいは水溶液等として使用することが可能である。
成形には、プレス成形、鋳込み、冷間静水圧成形、或いは冷間静水圧処理などの成形法が使用可能である。次に、得られた成形体を1500〜1800℃の温度範囲で焼成する。これにより高密度で、アルミナ結晶粒子間にSrAl Si で表される化合物からなる結晶相が生成したアルミナ焼結体からなるセラミック支持部材3を作製することができる
次に、前記セラミック支持部材3の誘電特性を測定する。誘電特性は円柱共振器法により、測定周波数800MHzで比誘電率εr,Q値,共振周波数の温度係数τfを測定する。測定後、Q値はマイクロ波誘電体において一般的に成立する(Q値)×(測定周波数f)=一定の関係から、1GHzでのQ値に換算する。共振周波数の温度係数は、25℃の時の共振周波数を基準にして25〜60℃の温度係数τfを算出する。
また、前記アルミナ焼結体の測定周波数1MHzと8.5GHzでの誘電正接を測定することも可能である。1MHzで5×10−4以下、8.5GHzで5×10−4以下とするものを良品としてセラミック支持部材3として用いることにより、測定周波数1MHz〜8.5GHzの間の周波数領域においても誘電正接が5×10−4以下を見込むことができる。
この製法により、誘電正接に関して高精度なキャパシタンスメータ(ヒューレットパッカード社製:HP−4278A)およびネットワークアナライザ(アジレント・テクノロジー社製:8722ES)を使用することができる。これにより、従来のインピーダンスアナライザでは保障できない1MHz〜8.5GHz帯における低誘電正接材料の設計が可能となる。ネットワークアナライザによる測定周波数は8.5GHzから多少ずれることがある。
従来、測定周波数1MHzにおける誘電正接は、キャパシタンスメータ(ヒューレットパッカード社製:HP−4278A)、測定周波数8.5GHzにおける誘電正接は、空洞共振器法(ネットワーク・アナライザ 8722ES)を用いて測定を行ない、測定誤差がそれぞれ±2×10−4以下、±0.1×10−4以下の精度の良い誘電正接が得られることが知られている。しかし、半導体、液晶パネル製造装置用部材に要求される1MHz〜8.5GHz、特に10MHz〜1GHzにおける周波数領域では、インピーダンスアナライザ(ヒューレットパッカード社製:HP−4291A)による測定しかなく、その測定誤差は小さくても±30×10−4程度であり、5×10−4以下の誘電正接については測定精度が極めて低い。
そこで、本実施形態では、1MHz〜8.5GHzにおける周波数領域の誘電損失を、測定精度の低いインピーダンスアナライザで直接測定することなく、測定周波数1MHzと8.5GHzにおける誘電正接を間接的に測定する。測定周波数1MHzと8.5GHzにおける誘電正接が5×10−4以下の範囲にある場合には、測定周波数1MHz〜8.5GHz、特には10〜100MHzの間の周波数領域においても誘電正接を5×10−4以下と推定でき、測定周波数1MHz〜8.5GHzにおける誘電正接を容易にかつ正確に推定できる。
次に、セラミック支持部材3を、別途製造した誘電体セラミックからなる誘電体共振子4と組み合わせ、誘電体共振器用セラミック体5とする。ここで、誘電体共振子4として用いられる誘電体セラミックとしては、一般的に用いられているものならどのような材料系のものでも用いることが可能である。この場合、誘電体共振器用セラミック体5が用いられる誘電体共振器の使用周波数帯に合わせ、誘電体共振子に用いられる誘電体セラミックの材料系が選択される。セラミック支持部材3はこれに合わせて様々な形状に変更可能であり、従来よりもセラミック支持部材3の誘電正接を低くできるために、誘電体共振子と組み合わせれば、高い品質係数Q値を有した誘電体共振器用セラミック体5とすることが可能となる。
次に、誘電体共振器用セラミック体5を、図1に示すように金属製のキャビティ2内に支持固定することにより、本実施形態の誘電体共振器1とすることが可能となる。この誘電体共振器1は携帯電話の基地局用フィルタに主に用いることができ、優れた誘電特性(Q値)を有するために、従来よりも基地局1台あたりの処理回線数を増加させることが可能である。また、少ない設置台数,設置面積でも従来よりも高性能な携帯電話基地局を設置することが可能となり、大幅な基地局の設置コスト削減を実現することが可能となる。
さらには、従来携帯電話機の使用が不可能であった飛行機内での使用実現のために、誘電体共振器用セラミック体5を備えた誘電体共振器1を飛行機内に設置すれば、従来の誘電体共振器と比較して処理回線数を多くできる。このため、少ない設置スペースでより多くの回線を処理することが可能となり、飛行機の計器に影響を与えることがなく飛行機内での携帯電話機およびパソコンなどの通信関連機器の使用が可能となる。
また、本実施形態のセラミック支持部材3を用いた誘電体共振器1が使用される高周波信号の周波数は500MHz〜500GHz程度であり、共振周波数としては2GHz〜80GHz程度が実用上好ましい。
以下、本発明をより具体化した実施例について説明する。
<実施例1>
セラミック支持部材3を構成するアルミナ質焼結体の試料を製造し、その誘電特性(Q値)について評価した。
まず、SiOとSrCOの粉末を、それぞれSiO換算、SrO換算で表1に示す組成となるように秤量、混合して混合粉末を得た。この粉末を1000℃〜1300℃で熱処理し、アルミナボールミルにて48〜72時間粉砕を行ない、原料粉末を作製した。
次に、純度が99.95質量%のAl粉末に、前記のSiとSrの原料粉末と所定量のMg(OH)粉末などからなる焼結助剤を添加し、これにさらに所定量の水
を加えアルミナボールミルにて48時間混合してスラリーとした。このスラリーにバインダーを加えて乾燥したのち、造粒し、この混合粉末を1t/cmの圧力で金型プレス成形してφ16.5mm厚さ10mmの試料を複数個作製した。その後、1650〜1750℃にて大気中にて焼成を行ない、アルミナ質焼結体からなる複数個のセラミック支持部材を得た。
次に、これらの試料の誘電特性としてQ値を測定し表1に示す。誘電特性は円柱共振器法により測定周波数800MHzでQ値を測定した。そして測定したQ値を、マイクロ波誘電体において一般的に成立する(Q値)×(測定周波数f)=一定の関係から、1GHzでのQ値に換算して、80000以上の値を示すものを良好とした。
また、各焼結体中の結晶相の分析は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、エネルギー分散型X線分光分析(EDS)と制限視野電子線回折により行ない、Si、Al、Sr、O元素を含む化合物からなる低損失の結晶相である、SrAlSi8、の有無を表1に記載した。図3に、試料No.6の電子回折写真を示す。
表1に示すように、本発明の範囲外である試料No.1,2については、Sr成分を含んでいないため、アルミナ結晶粒子の粒界にSrAl Si で表される化合物からなる結晶相が生成しておらず、Q値が80000未満と低い値を示した。
また、本発明範囲外である試料No.3については、アルミナの純度が99.3質量%未満と低く、アルミナ結晶粒子の粒界にSrAl Si で表される化合物からなる結晶相は生成しているものの、他の助剤成分の影響によりQ値が80000未満と低い値を示した。
これと比較して本発明範囲内の試料No.4〜7については、アルミナ純度が99.3質量%以上であり、アルミナ結晶粒子の粒界にSrAl Si で表される化合物からなる結晶相が生成しており、Q値が80000以上の良好な範囲の値を示す結果となった。
<実施例2>
本発明のセラミック支持体を構成するアルミナ質焼結体について、アルミナ純度一定として添加するSiO,SrOの量を増減し、誘電特性(Q値)を確認する試験を実施した。
試料の製造方法および誘電特性の評価方法については、実施例1と同様の方法にて試験を実施した。最初にSiOとSrCOの混合粉末を製造する段階で各試料ごとに表2に示す配合量となるよう混合粉末を作製した。その後の工程については、実施例1と同様の工程を経て試料を作製した。
試料の評価については、円柱共振器法によりQ値を求めた。また透過型電子顕微鏡(TEM)により結晶相を用いて、SrAl Si で表される化合物からなる結晶相の有無を確認した。
Q値については、130000以上の値を示すものを良好なものとして評価した。
なお、各試料ともSi,Sr元素以外にMg,Ca元素を含む化合物と、不可避不純物としてNa,K,Ti,Fe,Ni,Zn,Gaなどの元素を含む化合物をアルミナ純度の範囲内で含有している。
試験結果を表2に示す。
表2に示すように、試料No.8については、SiOの添加量が少なく焼結しにくいため密度が若干低くなり、Q値も比較的低い値を示した。また試料No.13については、逆にSiO の添加量が多すぎ、アルミナ結晶粒子の粒界にSrAl Si で表される化合物からなる結晶相を存在させることはできているものの、それ以上に誘電損失の大きなSi元素を含むガラス相が多く存在するために、Q値が比較的低い値を示した。
また、試料No.14はSrOの添加量が少なすぎるために、アルミナ結晶粒子の粒界にSrAl Si で表される化合物からなる結晶相を充分に存在させることができず比較的低いQ値を示した。また、試料No.19については、SrOの添加量が多く、余剰のSrOがアルミナ結晶粒子の粒界に存在し焼結性が比較的悪く、若干緻密化しにくい傾向が見られ、焼結体の密度が低下しQ値が比較的低い値を示した。
これらの試料と比較して、試料No.9〜12,15〜18の試料は、充分に緻密化し、アルミナ結晶粒子の粒界にSrAl Si で表される化合物からなる結晶相を存在させることができたため、130000以上の高いQ値が得られた。
<実施例3>
次に、SiO,SrOを一定として、MgO,CaOの添加量を増減し、誘電特性に与える影響を確認する試験を実施した。
試験は実施例2と同様に、最初にSiOとSrCOの混合粉末を製造する段階で各試料ごとに表3に示す配合量となるよう混合粉末を作製する。その後の工程については実施例1と同様の工程を経て試料を作製した。
試料の評価については、円柱共振器法によりQ値を、また透過型電子顕微鏡(TEM)
により結晶相を用いて、SrAl Si で表される化合物からなる結晶相Si、Al、Sr、O元素を含む化合物からなる結晶相の有無を確認した。
なお、各試料とも不可避不純物としてNa,K,Ti,Fe,Ni,Zn,Gaなどの元素を含む化合物を0.001〜0.05質量%の範囲内で含有している。
試験結果を表3に示す。
表3に示すように、試料No.20については、焼結助剤として作用するMgOの添加量が少なすぎるために、焼結性が比較的悪く密度が若干低くなった。これにより、同じアルミナ純度である試料No.21と比較してQ値が低い。また、試料No.25については、MgOの添加量が多く、余剰のMgOがアルミナ結晶粒子の粒界に存在するため、同じアルミナ純度である試料No.24と比較してQ値が低くなったと考えられる。
また、試料No.26については、焼結助剤として作用するCaOの添加量が少なすぎるために、焼結性が比較的悪く密度が若干低くなったために、同じアルミナ純度である試料No.27と比較してQ値が低い。また、試料No.31については、CaOの添加量が多く、余剰のCaOがアルミナ結晶粒子の粒界に存在するため、同じアルミナ純度である試料No.24と比較してQ値が低くなったと考えられる。
これら試料と比較して、試料No.21〜24,27〜30,32〜34については、充分に緻密化し、アルミナ結晶粒子の粒界にSrAl Si で表される化合物からなる結晶相を存在させることができたため、高いQ値を得ることができた。
<実施例4>
実施例1で高い性能を示した試料No.23のセラミック支持体3と、一般的な誘電率33〜37程度の誘電体材料からなる誘電体共振子とを組み合わせて誘電体共振器用セラミック体5とし、実施例1と同様の円柱共振器法にて誘電特性であるQ値を測定した。
その結果、従来のアルミナ焼結体からなるセラミック支持部材と比較して10%程度Q値を向上させることができた。
次に、誘電体共振器用セラミック体を、金属のキャビティ内に設置し、携帯電話の基地局に使用したところ問題なく使用でき、かつ従来よりも高性能であるが故に1台の誘電体共振器で処理できる回線数を増加させることが可能であり、基地局の能力を10%以上向上させることが可能であった。
本発明の一実施形態を模式的に説明する図であり、セラミック支持部材を備えた誘電体共振器の概略断面図である。 本発明の一実施形態を模式的に説明する図であり、セラッミック支持部材を構成するアルミナ焼結体の組織拡大断面図である。 本発明に係るセラミック支持部材を構成するアルミナ質焼結体の電子回折写真である。
符号の説明
1:誘電体共振器
2:ケース
3:セラミック支持部材
4:誘電体共振子
5:誘電体共振器用セラミック体
10:アルミナ結晶粒子
11:粒界

Claims (5)

  1. 誘電体共振子の支持に用いられ、少なくとも前記誘電体共振子の支持部が、アルミナを99.3質量%以上含有し、SiおよびSrを含有するとともに、アルミナ結晶粒子を主結晶粒子としてなり、かつ前記アルミナ結晶粒子の粒界にSrAlSiで表される化合物の結晶相が存在し、さらに密度が3.83g/cm 以上であるアルミナ質焼結体からなるセラミック支持部材。
  2. 前記アルミナ質焼結体は、SiをSiO換算で0.05〜0.2質量%、SrをSrO換算で0.01〜0.1質量%、それぞれ含有することを特徴とする請求項1に記載のセラミック支持部材。
  3. 前記アルミナ質焼結体は、さらにMgをMgO換算で0.01〜0.3質量%、CaをCaO換算で0.01〜0.2質量%、それぞれ含有することを特徴とする請求項1または2に記載のセラミック支持部材。
  4. 前記アルミナ結晶粒子の平均粒径が10μm以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のセラミック支持部材。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のセラミック支持部材と、該セラミック支持部材に支持された誘電体共振子とをキャビティ内に備えていることを特徴とする誘電体共振器。
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