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JP5249681B2 - 端子金具及び端子金具付き電線 - Google Patents
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本発明は、端子金具付き電線に関する。
被覆電線に端子金具を取り付けるに際して被覆電線の露出した芯線を端子金具に圧着接続することが行われる(特許文献1参照)。
特開2003−31274公報
ここで、露出した芯線の周囲には、空気中の酸素との反応によって薄い酸化膜が形成されているが、導電性の向上のためには酸化膜を破って金属素地を露出させることが望ましい。特に芯線をアルミ合金製とした電線では、芯線の表面に形成される酸化膜は硬く絶縁性が高いため、それを破って金属間相互の接続状態を得ることが望ましい。そのため、特許文献1のバレル部には、酸化膜を破るために、溝状のセレーションが所定の深さで凹設されている。
しかしながら、セレーションを所定の深さとして酸化膜を破る方法は、酸化膜の除去性能が充分でなく、導電性の改良の余地があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、芯線の周囲に形成されている酸化膜の除去性を高めて導電性を改善できる端子金具及び端子金具付き電線を提供することを目的とする。
本発明の端子金具は、被覆電線の露出された芯線が底板部に載置され、前記底板部の両側部から延出されたバレル部が前記芯線を包み込むように押圧して前記芯線と圧着接続される端子金具であって、前記底板部又は前記バレル部のうち前記芯線と接する面には、芯線の軸方向に高低差を有する2以上の段差部からなる階段状凹部が形成されており、前記階段状凹部は、前記芯線の軸方向における略中央部の一番高い上面部が前記底板部の上面とほぼ同じ高さとされるとともに、前記上面部から前記芯線の先端側及び後端側に向けて共に階段状に低くなる山形をなすところに特徴を有する(手段1)。
手段1の構成によれば、芯線の先端側及び後端側の双方の段差部により酸化膜を破ることができる。
上記構成の手段1において、前記階段状凹部は、前記底板部及び前記バレル部の双方に形成されているところに特徴を有する(手段)。
手段の構成によれば、芯線と底板部とが接する部分及び芯線とバレル部とが接する部分について、芯線の周囲に形成された酸化膜を破ることができる。
上記構成の手段において、前記階段状凹部は、前記底板部及び前記バレル部にそれぞれ独立して形成されているところに特徴を有する(手段)。
手段の構成によれば、前記底板部の段差部から前記バレル部の段差部に亘って連続して形成されている場合に比較して、底板部の段差部とバレル部の段差部との間の部分に、一定の厚みを設けることができるため、底板部の段差部とバレル部の段差部との間の部分における端子金具の強度を確保することができる。
上記構成の手段において、前記階段状凹部は、前記底板部と前記バレル部との間に亘って連続して形成されているところに特徴を有する(手段)。
バレル部と底板部との間においても芯線の周囲に形成された酸化膜を破ることができる。
上記構成の手段1ないし手段のいずれかに記載の端子金具の底板部に被覆電線の露出した芯線を載置して前記バレル部によって前記芯線を包み込むように圧着してなる端子金具付き電線。
芯線と端子金具との圧着接続の際に、芯線はバレル部により底板部側に押圧され、底板部又はバレル部のうち階段状凹部の上に位置する芯線は、階段状凹部内に逃げる方向に動く。このとき、芯線周囲に形成されている酸化膜は、階段状凹部の段差部により破られ、芯線金属の新生面(酸化膜のない芯線の素地)が現れる。ここで、本構成によれば、段差部は階段状に形成されているから、更に芯線がバレル部により押圧されることにより、芯線の金属素地の一部は階段状凹部の深いほうに流動し、これにより芯線の表面が伸ばされて(階段状凹部の深い方に押されて)、硬い酸化膜が破られて芯線の露出した新生面を更に広げることができる。
すなわち、2以上の段差部が階段状に形成されることにより、段差部の数だけ酸化膜が破られるだけでなく、表面の酸化膜が破られた状態の金属素地が階段状凹部のより深いほうに押されて流動することにより、金属素地の新生面が広げられ、これが端子金具の表面と広い範囲で接触し、かつ、ときには金属間結合を作るように凝結して導電性が改善される。
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1の端子金具付き電線10について、図1〜図6を参照して説明する。
実施形態1の端子金具付き電線10は、図1に示すように、被覆電線20の端末部に端子金具30が圧着接続されてなり、例えば電気自動車において走行用の動力源を構成するバッテリ、インバータ、モータなどの装置(図示せず)の間に配索されるものである。なお、図1の左方を前方とし、右方を後方として説明する。
被覆電線20は、アルミニウム合金からなる金属素線21Aを螺旋状に撚り合わせてなる芯線21を樹脂製の絶縁被覆22(絶縁層)で被覆したものであり、その端末部においては、絶縁被覆22が剥き取られて芯線21が露出されている。なお、芯線21には、アルミニウム合金以外にも、アルミニウム線やこれら以外の他の種類の金属線を用いてもよい。
端子金具30は、いわゆるオープンバレル型であって、箱型の端子部31と、端子部31と連続し被覆電線20が接続される電線接続部40とからなり、アルミ製よりも高い強度が得られる銅合金製とされている。
端子部31は、箱型の雌端子金具30であって、図示しない雄端子が挿入孔31Aに挿入されることにより、電気的接続が図られる。
電線接続部40は、被覆電線20を保持する電線支持部41と、芯線21と接続される芯線接続部45と、を有する。
電線支持部41は、芯線接続部45から連続した底板の左右両側縁から一対のインシュレーションバレル41A,41Aが立ち上げられてなり、これらの一対のインシュレーションバレル41A,41Aを芯線21を包み込むように湾曲させることにより、被覆電線20が離脱や位置ずれしないように保持されている。
芯線接続部45は、半円筒形状の底板部48と、底板部48の両側部から延出されてなる一対のワイヤバレル部47,47と、からなる。
ワイヤバレル部47は、図2に示すように、前後方向(軸方向)に長い長方形状をなし、底板部48の両側部からそれぞれ幅方向に延出されている。なお、図2は、電線接続部40の部分における金属板材の打ち抜き加工後の展開形状(端子金具原板)である。
底板部48は、図1に示すように、幅方向の中央部が低くなるように湾曲した半円筒形状をなし、図2に示すように、その幅方向の中央部であって、前後方向にはワイヤバレル部47,47のほぼ前端部から後端部に亘る位置に、溝状の階段状凹部50が形成されている。
この階段状凹部50の内部は、図6に示すように、前後方向の中央部が高くなっており、そこから前方及び後方の双方に2段階に階段状に低くなる第1段差部51及び第2段差部52,53が、例えばプレス加工によって形成されている。これら第1段差部51,第2段差部52,53が本発明の芯線21の軸方向に沿って高低差を有する2以上の段差部に相当する。
第1段差部51は、一番高く底板部48の上面48Aとほぼ同じ高さの平坦な面である第1上面部51Aと、第1上面部51Aの前後の端部から下位の第2段差部52,53の端部に向けて垂直に近く急激に下降するように形成された第1側面部51B,51Bと、からなる。従って、第1上面部51における板厚と、底板部48における階段状凹部50以外の部分の板厚とは等しい。
第2段差部52,53は、第1上面部51Aと略平行な面である第2上面部52A,53Aと、第2上面部52Aの前端部から底部54に向けて略垂直に形成された第2側面部52と、第2上面部53Aの後端部から底部54Bに向けて略垂直に形成された第2側面部53Bと、からなる。
底部54A,54Bは、平坦な面であって、第2側面部52B,53Bと略垂直に形成されており、底部54Aの前端から略垂直に立ち上げられた前壁55が底板部48の上面48Aに至るとともに、底部54Bの後端から略垂直に立ち上げられた後壁56が底板部48の上面48Aに至る。なお、各段差部51,52,53及び基底部54の前後方向(軸方向)の寸法は、ほぼ同じになっている。
次に、端子金具付き電線の圧着方法について説明する。
図3に示すように、被覆電線20の露出した芯線21を、端子原板に曲げ加工を施した端子金具30の電線接続部40に載置した状態で、端子金具30をアンビル70上に位置決めし、端子金具30の上方に配されたクリンパ71を下降させる。
すると、端子金具30のワイヤバレル部47,47が、クリンパ71の内面形状に応じて芯線21を包み込むような形状に変形していく。このとき、ワイヤバレル部47,47に芯線21が押圧されることにより、底板部48のうち階段状凹部50上に位置する芯線21は、図4に示すように、階段状凹部50により生じる空間Sに逃げようとする。このとき、芯線21周囲に形成されている酸化膜Fは、第1段差部51の前端及び後端(のエッジ部分)により擦れて破られる。
さらにクリンパ71を下降させると、更に芯線21がワイヤバレル部47により押圧されることにより、芯線21周囲に形成されている酸化膜Fは、図5に示すように、第2段差部52の前端52C(のエッジ部分)及び第2段差部53後端53C(のエッジ部分)により破られる。このとき、芯線21は、階段状凹部50の更に深い方の部分、即ち底部54A,54B側に逃げる(押される)。これにより、第2上面部52A,53A上の芯線21の表面は伸ばされるため(図5の矢印方向)、第2上面部52A,53A上に生じていた新生面(酸化膜Fのない部分)が更に広がる。
すなわち、2以上の段差部が階段状に形成されることにより、段差部の数だけ酸化膜Fが破られるだけでなく、酸化膜Fの破られた芯線21が階段状凹部50の、より深いほうに導かれることにより、芯線21の新生面が広げられる。これにより、芯線21の周囲に形成されている酸化膜Fの除去性が高められて導電性が改善される。
そして、クリンパ71が所定の位置まで下降すると、図6に示すように、階段状凹部50のほぼ全体に芯線21が食い込み、端子金具付き電線10の圧着が終了する。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図7を参照して説明する。実施形態1と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
実施形態1の端子金具30は、底板部48のみに階段状凹部50が形成されていたが、実施形態2の端子金具130は、底板部48だけでなく、底板部48及びワイヤバレル部47,47の双方に階段状凹部50,151,152が形成されているものである。
左右のワイヤバレル部47,47には、各ワイヤバレル部47の幅方向の中央部にそれぞれ階段状凹部151,152が形成されている。この階段状凹部151,152は、ワイヤバレル部47,47の前端の近傍から後端の近傍に亘って溝状に形成されており、その形状は、実施形態1の階段状凹部50と同形状で、芯線21の軸方向の中央部が高くなる山形をなしている。
このようにすれば、芯線21と底板部48とが接する部分及び芯線21とワイヤバレル部47,47とが接する部分の双方について、芯線21の周囲に形成された酸化膜Fを破ることができる。
また、階段状凹部50,151,152は、底板部48及びワイヤバレル部47,47の双方にそれぞれ独立して形成されているから、階段状凹部を底板部48の段差部からワイヤバレル部47の段差部に亘って連続して形成(同断面で両段差部をつなげる)する場合に比較して、底板部48の段差部とワイヤバレル部47の段差部との間の部分に、一定の厚みを設けることができるため、底板部48の段差部とワイヤバレル部47の段差部との間の部分における端子金具の強度を確保することができる。
<実施形態3>
本発明の実施形態3を図8を参照して説明する。
実施形態2の端子金具130は、底板部48及びワイヤバレル部47にそれぞれ独立して階段状凹部151,152が形成されていたが、実施形態3の端子金具230は、階段状凹部250は、底板部48とワイヤバレル部47との間に亘って連続して形成されているものである。
具体的には、図8に示すように、実施形態2の階段状凹部151,152について、底板部48の階段状凹部50とワイヤバレル部47の階段状凹部151,152を途切れることなく連続させることで階段状凹部250を形成したものである。
この階段状凹部250の形状は、全ての断面については階段状凹部50と同形状であり、この階段状凹部250の内部は、前後方向の中央部が高くなっており、そこから前方及び後方の双方に2段階に階段状に低くなる第1段差部251及び第2段差部252,253(芯線21の軸方向に沿って高低差を有する2以上の段差部)が形成されている。
より詳しくは、第1段差部251は、一番高く底板部48の上面48Aとほぼ同じ高さの平坦な面である第1上面部251Aと、第1上面部251Aの前後の端部から下位の第2段差部252,253の端部に向けて略垂直に形成された第1側面部251B,251Bと、からなる。
第2段差部252,253は、第1上面部251Aと略平行な面である第2上面部252A,253Aと、第2上面部252A前端部から底部54Aに向けて略垂直に形成された第2側面部252Bと、及び第2上面部253Aの後端部から底部54Bに向けて略垂直に形成された第2側面部253Bと、からなる。
底部254A,254Bは、平坦な面であって、第2側面部252B,253Bと略垂直に形成されており、この底部254Aの前端から略垂直に立ち上げられた前壁255が底板部48の上面48Aに至るとともに、底部254Bの後端から略垂直に立ち上げられた後壁2566が底板部48の上面48Aに至る。
このようにすれば、ワイヤバレル部47と底板部48との間の部分においても芯線21の周囲に形成された酸化膜Fを破ることができる。
参考例1
参考例1を図9を参照して説明する。
実施形態1の端子金具30は、階段状凹部50の形状は軸方向の中央部が高くなる山形としたが、参考例1の端子金具330は、これとは反対に階段状凹部350の形状を軸方向の中央部が低くなる谷形としたものである。他の構成は実施形態1と同様であるため説明は省略する。
この階段状凹部350の内部は、図9に示すように、底板部48の上面48Aから段差状に一段低くなる部分が第1段差部351A,351Bとされ、そこから更に一段低くなる部分が第2段差部352A,352Bとされ、そこから更に一段低くなる部分が第3段差部353A,353Bとされている。そして軸方向の中央部に位置の第3段差部353A,353Bから一段低くなる部分が階段状凹部の中で最も低い基底部354となっている。なお、各段差部351A,351B,352A,352B,353A,353B及び基底部354の軸方向の寸法は、ほぼ同じになっている。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態及び参考例では、端子金具の階段状凹部には、2段又は3段の段差部を形成することとしたが、これ以上の段差部を備えた階段状凹部を形成する構成としてもよい。
(2)上記実施形態及び参考例では、複数の階段状の段差部についてその傾斜する階段の方向を変えて山形又は谷型の階段状凹部50を形成することとしたが、これに限られない。例えば、芯線21の軸方向の異なる個所に同方向に傾斜した複数の階段状の段差部を設ける構成としてもよい。
実施形態1の端子金具付き電線の側面図 端子金具の部分的な展開形状 圧着の際のクリンパとアンビルを示す図 圧着前の芯線と階段状凹部の側断面図 圧着の際の階段状凹部内における芯線の動きを示す側断面図 圧着後の新生面が露出した状態の端子金具付き電線の側断面図 実施形態2の端子金具の展開形状 実施形態3の端子金具の展開形状 参考例1の圧着後の新生面が露出した状態の端子金具付き電線の側断面図
符号の説明
10…端子金具付き電線
20…被覆電線
21…芯線
30…端子金具
40…電線接続部
41…電線支持部
47…ワイヤバレル部
48…底板部
50,151,152,250,350…階段状凹部
51,351A,351B…第1段差部
52,53,352A,352B…第2段差部
353A,353B…第3段差部

Claims (5)

  1. 被覆電線の露出された芯線が底板部に載置され、前記底板部の両側部から延出されたバレル部が前記芯線を包み込むように押圧して前記芯線と圧着接続される端子金具であって、
    前記底板部又は前記バレル部のうち前記芯線と接する面には、芯線の軸方向に高低差を有する2以上の段差部からなる階段状凹部が形成されており、
    前記階段状凹部は、前記芯線の軸方向における略中央部の一番高い上面部が前記底板部の上面とほぼ同じ高さとされるとともに、前記上面部から前記芯線の先端側及び後端側に向けて共に階段状に低くなる山形をなすことを特徴とする端子金具。
  2. 前記階段状凹部は、前記底板部及び前記バレル部の双方に形成されていることを特徴とする請求項1記載の端子金具。
  3. 前記階段状凹部は、前記底板部及び前記バレル部にそれぞれ独立して形成されていることを特徴とする請求項に記載の端子金具。
  4. 前記階段状凹部は、前記底板部と前記バレル部との間に亘って連続して形成されていることを特徴とする請求項に記載の端子金具。
  5. 請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の端子金具の底板部に被覆電線の露出した芯線を載置して前記バレル部によって前記芯線を包み込むように圧着してなる端子金具付き電線。
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