JP5252622B2 - 高いヌクレアーゼ耐性と優れたrna干渉効果を発現可能な二本鎖rna - Google Patents
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Fire et. al, Nature, 391, 806-811 (1998) Tuschl et. al., EMBO Journal, 20, 6877-6888 (2001) J. T. Marques et. al., Nature Biotech., 24, 559-565 (2005)
(i)前記センス鎖RNAが21〜27個のヌクレオチドからなり、前記アンチセンス鎖RNAが23〜29個のヌクレオチドからなる。
(ii)前記センス鎖RNAの3’末端側が平滑末端であり、前記アンチセンス鎖の3’末端がダングリングエンドを有している。
(iii)前記センス鎖RNAの3’末端側から1〜6番目のヌクレオチドの少なくとも1つに対してのみ置換基が結合している。
項1. 標的遺伝子中の標的配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンス鎖RNA、及び該アンチセンス鎖RNAに相補的な塩基配列を有するセンス鎖RNAを有し、且つ前記標的遺伝子の発現を抑制できる二本鎖RNAであって、前記センス鎖RNAが21〜27個のヌクレオチドからなり、前記アンチセンス鎖RNAが23〜29個のヌクレオチドからなり、
前記センス鎖RNAの3’末端側が平滑末端であり、前記アンチセンス鎖の3’末端がダングリングエンドを有しており、且つ前記センス鎖RNAの3’末端側から1〜6番目のヌクレオチドの少なくとも1つに対してのみ置換基が結合していることを特徴とする、修飾型RNA。
項2. 前記センス鎖RNAが21個のヌクレオチドからなり、且つ前記アンチセンス鎖RNAが23個のヌクレオチドからなる、項1に記載の修飾型RNA。
項3. 前記センス鎖RNAが23個のヌクレオチドからなり、且つ前記アンチセンス鎖RNAが25個のヌクレオチドからなる、項1に記載の修飾型RNA。
項4. 前記センス鎖RNAが25個のヌクレオチドからなり、且つ前記アンチセンス鎖RNAが27個のヌクレオチドからなる、項1に記載の修飾型RNA。
項5. 前記センス鎖RNAの3’末端側から1及び2番目のヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチドにより構成されている、項1乃至4のいずれかに記載の修飾型RNA。
項6. 前記センス鎖RNAの3’末端側から1番目のヌクレオチドにのみ1つの置換基が結合している、項1乃至5のいずれかに記載の修飾型RNA。
項7. 前記置換基が、アミノアルキル基、DNA、脂質を有する基、又はコレステロールを有する基である、項1乃至6のいずれかに記載の修飾型RNA。
項8. 前記置換基が、炭素数1〜40のアミノアルキル基、塩基長が5〜50のDNA、又は炭素数6〜50の脂肪酸を有する基である、項1乃至6のいずれかに記載の修飾型RNA。
項9. 前記脂質を有する基が、ラウリン酸、ステアリン酸、ミスチリン酸、又はパルミチン酸を有する基である、項7に記載の脂質修飾2本鎖RNA。
ウミシイタケルシフェラーゼと相補配列を持ち、ウミシイタケルシフェラーゼの遺伝子発現を抑制できる、27塩基長のアンチセンス鎖RNAオリゴヌクレオチドと、該アンチセンス鎖と相補配列をもち3’末端の2塩基がDNAである25塩基長のRNA-DNAキメラオリゴヌクレオチドからなる2本鎖RNA(以下、25D/27 dsRNAと表記する)を用いて、以下の実験を行った。なお、25D/27 dsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端に2塩基のダングリングエンド(1本鎖領域)を持ち、センス鎖の3’末端は平滑末端であることを特徴としている。使用した25D/27 dsRNAの配列は、以下の通りである。なお、下記配列中のdN(N=A,G,C,T)はDNAであることを示す。また、pはリン酸(PO3H)を意味している。
27nt dsRNA センス鎖 :5’-pGGCCUUUCACUACUCCUACGAGCdAdC-3’
アンチセンス鎖:3’-GACCGGAAAGUGAUGAGGAUGCUCGUG-5’
また、比較として、通常RNA干渉反応で良く使用されている3’末端に2nt のダングリングエンドを含み、21 塩基長のRNAからなる21 siRNAを用い、同様の実験を行った。21 siRNAの配列を以下に示す。
21 siRNA センス鎖 :5’-GGCCUUUCACUACUCCUACGA-3’
アンチセンス鎖:3’-GACCGGAAAGUGAUGAGGAUG−5’
25D/27 dsRNAのセンス鎖及びアンチセンス鎖の5’末端又は3’末端をアミノ化した末端アミノ修飾25D/27 dsRNAを合成した。合成した末端アミノ修飾25D/27 dsRNAの構造を図1に示す。具体的な合成方法を以下に示す。まず、末端アミノ修飾RNAは、1本鎖の状態のRNA(林化成株式会社より購入;HPLC精製、MALDI-TOF MS解析済み)を用い、5’末端アミノ化は5’-Amino-Modifier C6 (Glen Research)、3’末端アミノ化は3’-Amino-Modifer C7 GPG (Glen Research)を用いて合成した。合成された末端アミノ修飾25D/27 dsRNAは、5’末端がアミノ化されたものには該末端(5’末端側から1番目のヌクレオチドのリン酸部分の水酸基部分)に−(CH2)6−NH2が結合されており、また3’末端がアミノ化されたものには該末端(3’末端側から1番目のヌクレオチドのリン酸部分の水酸基部分)に−(CH2)6−NH2が結合されている。合成した1本鎖RNAは、UVスペクトル検出器を用い、260nmの吸光度を測定することにより濃度を算出した。また、universal buffer(林化成株式会社)中、同モルのセンス鎖およびアンチセンス鎖1本鎖RNAを混合し、92℃で2分間加熱した後、4℃まで徐々に温度を下げることで作成した。末端が修飾されていない25D/27 dsRNAを25D/27 RNA A;センス鎖の3’末端のみをアミノ化した25D/27 dsRNAを25D/27 RNA B;アンチセンス鎖の3’末端のみをアミノ化した25D/27 dsRNAを25D/27 RNA C;、センス鎖、アンチセンス鎖の両方の3’末端にアミノ基をもつ25D/27 dsRNAを25D/27 RNA D;アンチセンス鎖の5’末端のみをアミノ化した25D/27 dsRNAを25D/27 RNA E;センス鎖の3’末端およびアンチセンス鎖の5’末端をアミノ化した25D/27 dsRNAを25D/27 RNA F;センス鎖の5’末端のみをアミノ化した25D/27 dsRNAを25D/27 RNA G;センス鎖の5’末端およびアンチセンス鎖の3’末端をアミノ化した25D/27 dsRNAを25D/27 RNA H;センス鎖の5’末端及びアンチセンス鎖の5’末端をアミノ化した25D/27 dsRNAを25D/27 RNA Iとした。これらの末端修飾25D/27 dsRNAの内、25D/27 RNA Bが本発明の修飾型RNAに相当する。
末端アミノ修飾25D/27 dsRNA(27B〜27I)のヌクレアーゼ耐性を検討した。実験は、最終濃度が2 μMになるよう調整した末端アミノ修飾25D/27 dsRNAを10%FBS(三光純薬株式会社)を含むRPMI-1640培地(インビトロジェン)中 (最終量110μl)、37℃でインキュベートし、0h、0.5h、1h、2h、4h、6h、8h、12h、24h、48h後にそれぞれ10μl取り、2μlのローデングダイを含むサンプルチューブに添加した。分解反応を停止させる為、サンプル採取後すぐ液体窒素中にて凍結し、−20℃にて保存した。得られた産物を20% ポリアクリルアミドゲルを用い250Vで70分間サンプルを電気泳動した。その後、銀染色キット(GEヘルスケア バイオサイエンス)で産物を染色し(染色条件は製品マニュアル参照)、ChemiImager 4000(Alpha Innotech corporation)でゲル解析を行った。また、比較として21塩基長の21 siRNAも同様に検討した。
次に、それぞれのアミノ修飾25D/27dsRNAのDicerによるプロセシングを検討した。Dicerによる切断実験は、20mM Tris-HCl(pH 8.0), 15 mM NaCl, 2.5mM Mg2Cl溶液中、0.5 UのリコンビナントDicer(Gene Therapy Systems)と最終濃度2 μMになるよう調整したアミノ修飾25D/27 dsRNAをサンプルチューブに10 μl準備し、37℃に設定したインキュベーター中、12時間インキュベートした。その後、Dicerによる切断反応を停止させる為に、2μlのDicer Stop Solution (Gene Therapy Systems)を反応溶液に加え、更に2μlのローデングダイを加えた。得られた産物を20% ポリアクリルアミドゲルを用い250Vで70分間サンプルを電気泳動した。その後、銀染色キット(GEヘルスケア バイオサイエンス)で産物を染色し(染色条件は製品マニュアル参照)、ChemiImager 4000(Alpha Innotech corporation)でゲル解析を行った。また、比較として3’末端に2塩基のダングリングエンドを持つ21塩基長のsiRNAも同時に泳動した。リコンビナントDicerによる25D/27 dsRNAのプロセシング結果を図3に示す。
次に、それぞれの末端アミノ修飾25D/27 dsRNAのRNA干渉効果をウミシイタケルシフェラーゼをターゲットとして評価した。実験前に1x105 cell/mlに調整したHeLa細胞(ヒト子宮頸ガン細胞、東北大学加齢医学研究所)を96wellプレート上にそれぞれ100μl撒き、37℃で一晩インキュベートした。翌日、ウェル上の古い培地を取り除き、抗生物質を含ない新しい培地をウェルにそれぞれ80 μl加え、ホタルおよびウミシイタケルシフェラーゼを発現するベクター(psiCHECKTM-2 Vector: プロメガ)とLipofectamineTM 2000 (商品名、インビトロジェン)の複合溶液を10μlずつHeLa細胞が入ったそれぞれのウェルに加えた。ここで発現ベクターは1ウェルあたり0.02μgになるように、またLipofectamineTM 2000は1ウェルあたり0.2μlになるよう設定し、OptiMem(インビトロジェン)で必要量を調整した。また、複合体を形成させる為に、発現ベクターとLipofectamineTM 2000をOptiMemを用いて混合した後、室温で30分間インキュベートした。複合溶液を加えた後、細胞を5% CO2 存在下、37℃で4時間インキュベートした。その後、ウミシイタケルシフェラーゼの遺伝配列と相補的なアンチセンス配列を含む21 siRNAおよび25D/27 dsRNA、末端アミノ修飾25D/27 dsRNA を最終濃度が0nM, 0.2nM, 0.5nM, 1nM, 2nM, 5nM, 10nMになるようLipofectamineTM 2000 (インビトロジェン) と複合体を形成させ、10μlの複合体溶液を発現ベクターを導入したHeLa細胞に加えた。ここで、1ウェルあたりの最終量は100 μlとなる。RNAとLipofectamineTM 2000の複合溶液は、1ウェルあたり5 μlのRNA水溶液と5 μlのLipofectamineTM 2000 (0.2μl) OptiMem溶液を混合し、30分間室温でインキュベートすることにより作成した。RNAを導入させた後、48時間インキュベートし、Dula-GloTMLuciferase Assay System(プロメガ)を用いてホタルおよびウミシイタケルシフェラーゼの発現量をルミノメータ(MicroLumat LB96p: BERTHOLD)で測定し、ホタルルシフェラーゼの発現量をコントロールとしてウミシイタケルシフェラーゼの発現抑制効果を算出した。
次に、末端アミノ修飾型25D/27 dsRNAのRNA干渉効果の持続性を検討した。RNA干渉効果の持続性を評価するために、50nMに調整した末端アミノ修飾型25D/27 dsRNAをそれぞれ7日間(168時間)、HeLa細胞(ヒト子宮頸ガン細胞、東北大学加齢医学研究所)とインキュベートし、その後のRNA干渉効果を追跡した。遺伝子発現抑制実験で用いたターゲットはウミシイタケルシフェラーゼで、測定の48時間前にホタル及びウミシイタケルシフェラーゼの遺伝子をもつベクター(psiCHECKTM-2 Vector: プロメガ)をLipofectamineTM 2000を用い細胞へ導入させた。また、末端アミノ修飾25D/27 dsRNAもLipofectamineTM 2000を用いて細胞内へ導入させておいて、2日おきに培地交換を行った。遺伝子発現抑制解析は、Dula-GloTMLuciferase Assay System(プロメガ)を用いてホタルおよびウミシイタケルシフェラーゼの発現量をルミノメータで測定し、ホタルルシフェラーゼの発現量をコントロールとしウミシイタケルシフェラーゼの発現抑制効果を算出した。ここで使用した発現ベクターやRNAの導入方法は前述と同様の方法でLipofectamineTM 2000と複合体を形成させ、それぞれ10 μlのサンプルを細胞に添加した。また、細胞溶液の最終容量は100 μlになるよう調整した。また、比較として21siRNAも同様に検討した。
ウミシイタケルシフェラーゼと相同配列を持ち、ウミシイタケルシフェラーゼの遺伝子発現を抑制できる2本鎖RNAとして、センス鎖の3’末端が平滑末端でアンチセンス鎖の3’末端にのみ2塩基のダングリングエンドを持つ2本鎖RNAをLO RNAとした。このLO RNAで、センス鎖に21塩基のRNAをアンチセンス鎖に23塩基のRNAを持ち、且つセンス鎖の3’末端が平滑末端でアンチセンス鎖の3’末端にのみ2塩基のダングリングエンドを持つLO 21A/23B RNAおよびLO 21A/23B RNAのセンス鎖の5’末端をアミノ化したLO 21AN5/23B RNA、LO 21A/23B RNAのセンス鎖3’末端をアミノ化したLO 21AN3/23B RNAをデザインした。同様に、センス鎖に23塩基のRNAを、アンチセンス鎖に25塩基のRNAを持ち、且つセンス鎖の3’末端が平滑末端でアンチセンス鎖の3’末端にのみ2塩基のダングリングエンドを持つLO 23A/25B RNA及びLO 23A/25B RNAのセンス鎖の5’末端をアミノ化したLO 23AN5/25B RNA、LO 23A/25B RNAのセンス鎖3’末端をアミノ化したLO 23AN3/25B RNAをデザインした。更に、センス鎖に25塩基のRNAをアンチセンス鎖に27塩基のRNAを持ち、且つセンス鎖の3’末端が平滑末端でアンチセンス鎖の3’末端にのみ2塩基のダングリングエンドを持つLO 25A/27B RNAおよびLO 25A/27B RNAのセンス鎖の5’末端をアミノ化したLO 25AN5/27B RNA、LO 25A/27B RNAのセンス鎖3’末端をアミノ化したLO 25AN3/27B RNAをデザインした。また、LO RNAのセンス鎖として、19及び21塩基のRNAの3’末端に2つのデオキシリボヌクレオチドを連結させたものを使用してLO 21DA/23B及びLO 23DA/25Bを調製し、この2本鎖RNAのセンス鎖の3’末端(3’末端のデオキシリボヌクレオチドの)をアミノ化したLO 21DAN3/23B 及び LO 23DAN3/25Bをそれぞれデザインした。また、センス鎖およびアンチセンス鎖の両方の3’末端に2塩基のダングリングエンドを持つ2本鎖 RNAをsi RNAとしてLO RNAと比較した。このsiRNAで、21塩基のRNAからなるsi21A/21B RNAおよびsi21A/21B RNAの5’末端をアミノ化したsi21AN5/21B RNA、si21A/21B RNAの3’末端をアミノ化したsi21AN3/21B RNAをデザインした。同様に、センス鎖およびアンチセンス鎖の両方の3’末端に2塩基のダングリングエンドを持ち、23塩基のRNAからなるsi23A/23B RNAおよびsi23A/23B RNAの5’末端をアミノ化したsi23AN5/23B RNA、si23A/23B RNAの3’末端をアミノ化したsi23AN3/23B RNAをデザインした。更に、センス鎖およびアンチセンス鎖の両方の3’末端に2塩基のダングリングエンドを持ち、25塩基のRNAからなるsi25A/25B RNAおよびsi25A/25B RNAの5’末端をアミノ化したsi25AN5/25B RNA、si25A/25B RNAの3’末端をアミノ化したsi25AN3/25B RNAをデザインした。また、使用したRNAの配列は、以下の通りである。なお、下記配列中のdN(N=A,G,C,T)はデオキシリボヌクレオチドであることを示す。また、pはリン酸(PO3H)を意味している。
<センス鎖>
21nt 21A:5’-GGCCUUUCACUACUCCUACGA-3’
21DA:5’-pGGCCUUUCACUACUCCUACdGdA-3’
21AN5:5’NH2-(CH2)6-PO3-GGCCUUUCACUACUCCUACGA-3’
21AN3:5’-GGCCUUUCACUACUCCUACGA-PO3-(CH2)6-NH2 3’
21DAN3:5’-pGGCCUUUCACUACUCCUACdGdA-PO3-(CH2)6-NH2 3’
23nt 23A:5’-GGCCUUUCACUACUCCUACGAGC-3’
23DA:5’-pGGCCUUUCACUACUCCUACGAdGdC-3’
23AN5:5’-NH2-(CH2)6-PO3-GGCCUUUCACUACUCCUACGAGC-3’
23AN3:5’-GGCCUUUCACUACUCCUACGAGC-PO3-(CH2)6-NH2 3’
23DAN3:5’-pGGCCUUUCACUACUCCUACGAdGdC-PO3-(CH2)6-NH2 3’
25nt 25A:5’-GGCCUUUCACUACUCCUACGAGCAC-3’
25AN5:5’NH2-(CH2)6-PO3-GGCCUUUCACUACUCCUACGAGCAC-3’
25AN3:5’GGCCUUUCACUACUCCUACGAGCAC-PO3-(CH2)6-NH2 3’
<アンチセンス鎖>
23nt 23B:5’-UCGUAGGAGUAGUGAAAGGCCAG-3’
25nt 25B:5’-GCUCGUAGGAGUAGUGAAAGGCCAG -3’
27nt 27B:5’-GUGCUCGUAGGAGUAGUGAAAGGCCAG-3’
2 本鎖RNAのセンス鎖の5’末端及び3’末端をアミノ化した末端アミノ修飾2本鎖RNAを合成した。具体的な合成方法を以下に示す。まず、末端アミノ修飾RNAは、1本鎖の状態のRNA(林化成株式会社より購入;HPLC精製、MALDI-TOF MS解析済み)を用い、5’末端アミノ化は5’-Amino-Modifier C6 (Glen Research)、3’末端アミノ化は3’-Amino-Modifer C7 GPG (Glen Research)を用いて合成した。合成された末端アミノ修飾2本鎖RNAは、5’末端がアミノ化されたものには該末端(5’末端側から1番目のヌクレオチド)に−(CH2)6−NH2が結合されており、また3’末端がアミノ化されたものには該末端(3’末端側から1番目のヌクレオチド)に−(CH2)6−NH2が結合されている。合成した1本鎖RNAは、UVスペクトル検出器を用い、260nmの吸光度を測定することにより濃度を算出した。また、universal buffer(林化成株式会社)中、同モルのセンス鎖およびアンチセンス鎖1本鎖RNAを混合し、92℃で2分間加熱した後、4℃まで徐々に温度を下げることで作成した。合成した各種2本鎖RNAは、20% ポリアクリルアミドゲルを用い、250Vの条件化で60分間電気泳動し、その後、銀染色キット(GEヘルスケア バイオサイエンス)で2本鎖RNAを染色することによりsi RNA (センス鎖:21 nt 〜 25 nt)及びLO RNA(センス鎖:21 nt 〜 25 nt)を確認した。それぞれのsi RNAおよびLO RNAの構造を図6に示す。図6に示すLO RNAの内、LO 21AN3/23B RNA、LO 23AN3/25B RNA、LO 25AN3/27B RNA、LO 21AN3/23B RNA、及びLO 23AN3/25B RNAが本発明の修飾型RNAに相当する。
未修飾 LO RNAおよび5’末端アミノ修飾、3’アミノ修飾LO RNAのヌクレアーゼ耐性を検討した。また、RNA干渉反応で一般に使用されている21塩基長のRNAからなり、センス鎖及びアンチセンス鎖の3’末端に2ntのダングリングエンドを持つ21A/21B siRNAも比較として同様の検討を行った。実験は、上記実施例1と同様の方法で実施した。
次に、未修飾型及び修飾型 si RNA(センス鎖:21nt 〜 25 nt)及びLO RNA(センス鎖:21nt 〜 25 nt)のリコンビナントDicerによるプロセシングを検討した。実験は、上記実施例1と同様の方法で実施した。また、Dicer処理していない21塩基長の2本鎖RNAからなる21 siRNA (si21A/21B RNA)をコントロールとして用いた。
次に、それぞれの末端アミノ修飾2本鎖RNAのRNA干渉効果をウミシイタケルシフェラーゼをターゲットとして評価した。実験は、上記実施例1と同様の方法で実施した。
その結果、si RNA(センス鎖: 21nt 〜 25nt)は同様のRNA鎖長を持つ未修飾のsiRNAとセンス鎖の5’末端や3’末端をアミノ基で修飾した修飾型siRNAの間で大きなRNA干渉効果の差は観測されず、siRNAにおいては修飾基を付与してもRNA干渉効果は向上しないことが明らかになった。
次に、末端アミノ修飾2本鎖RNA(LO RNA)のRNA干渉効果の持続性を検討した。実験は、上記実施例1と同様の方法で実施した。
ウミシイタケルシフェラーゼと相同配列を持ち、ウミシイタケルシフェラーゼの遺伝子発現を抑制できる修飾型二本鎖RNAとして、25塩基長のセンス鎖RNAの3’末端に9塩基長のDNAを結合させたDNA修飾センス鎖RNA(センス鎖RNA-DNA)と27塩基長のアンチセンス鎖RNAとの2本鎖RNA(LO 25A-9D/27B RNA)を作成し、センス鎖が25塩基長、アンチセンス鎖が27塩基長のRNAからなる非修飾の二本鎖RNA(LO 25A/27B RNA)と比較した。使用したRNAおよびDNA-RNAキメラの配列は、以下の通りである。
<センス鎖>
25A:5’-GGCCUUUCACUACUCCUACGAGCAC-3’
25A-9D: 5’- CUGGCCUUUCACUACUCCUACGAGCAC - ttc gca cca -3’
<アンチセンス鎖>
27B:5’-GUGCUCGUAGGAGUAGUGAAAGGCCAG-3’
所定の配列の25塩基長のセンス鎖RNA、25塩基長のセンス鎖RNAの3’末端に9塩基長のDNAを結合させたDNA修飾センス鎖RNA、及び27塩基長のアンチセンス鎖RNAを合成した(林化成株式会社より購入;HPLC精製、MALDI-TOF MS解析済み)。合成したセンス鎖RNA、DNA修飾センス鎖RNA、アンチセンス鎖は、UVスペクトル検出器を用い、260nmの吸光度を測定することにより濃度を算出した。また、universal buffer(林化成株式会社)中、同モルのセンス鎖又はDNA修飾センス鎖RNAと、アンチセンス鎖RNAを混合し、92℃で2分間加熱した後、4℃まで徐々に温度を下げることで作成した。合成した各種2本鎖RNAは、20% ポリアクリルアミドゲルを用い、250Vの条件化で60分間電気泳動し、その後、銀染色キット(GEヘルスケア バイオサイエンス)で2本鎖RNAを染色することにより確認した。5’末端がDNAで修飾された2本鎖RNAを図12に示す。
次に、それぞれのDNA修飾2本鎖RNAのDicerによるプロセシングを検討した。実験は、上記実施例1と同様の方法で実施した。また、コントロールとしてDicer処理していない21塩基長の2本鎖RNAからなる21siRNAも同時に測定した。
次に、LO 25A-9D/27B RNAのRNA干渉効果をウミシイタケルシフェラーゼをターゲットとして評価した。比較としてLO 25A/27B RNAも同様の実験を行った。実験は、上記実施例1と同様の方法で実施した。
1. ルシフェラーゼ遺伝子をターゲットとした3’末端脂質又はコレステロール修飾LO型2本鎖RNAの合成
1−1.ルシフェラーゼ遺伝子をターゲットとした末端脂質修飾2本鎖RNAの合成
ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制できるLO型2本鎖RNAのセンス鎖の3’末端に脂質を結合させた脂質修飾センス鎖RNAを合成した。当該脂質修飾センス鎖RNAにおいて、脂質は上記センス鎖RNAの3’末端に連結されているアミノアルキル基(3’-Amino-Modifer C7 GPG ; Glen Research)を介して共有結合で結合している。脂質修飾センス鎖RNAは、活性エステル基もつ脂質化合物(以下、活性エステル化脂質化合物と表記する)と3’末端をアミノ化修飾したセンス鎖RNAとを液相中で反応させることで合成した(反応式1)。
実施例1において使用した25D/27 RNA Aを用いて、25D/27 RNA Aのセンス鎖の3’末端にコレステロールを有する基を結合させたコレステロール修飾25D/27 RNA(LO 25DA-chol/27B RNA)を合成した。なお、ここで使用した「コレステロールを有する基」とは、以下の式で示される基である。合成された、3’末端にコレステロールを有する基を結合させたセンス鎖RNAは、センス鎖RNAの3'末端(3’末端側から1番目のヌクレオチドのリン酸残基の水酸基部分)に以下の式で示される基が結合されている。
脂質及びコレステロール修飾LO型RNA(LO 25A-C16/27, LO 25DA-C16/RNA,LO25DA-Chol/27)のヌクレアーゼ耐性を検討した。実験は、上記実施例1と同様の方法で実施した。また実施例1で使用した21塩基長のsiRNAとの比較も行った。ゲル電気泳動の結果を図16に示す。
合成した脂質及びコレステロール修飾LO型2本鎖RNAのリコンビナントDicerによるプロセシングを検討した。実験は、上記実施例1と同様の方法で実施した。結果を図17に示す。
次に、それぞれの末端脂質修飾LO型 2本鎖RNAのRNA干渉効果をウミシイタケルシフェラーゼをターゲットとして評価した。実験は、上記実施例1と同様の方法で実施した。
次に、LipofectamineTM 2000等の遺伝子導入剤と使用せず、脂質・コレステロール修飾LO型2本鎖RNA単独で細胞内に導入し、かつ、RNA干渉効果を示すか検討した。
また、コレステロールをセンス鎖の3’末端に修飾したLO 25DA-Chol/27Bにおいても2本鎖RNAの濃度依存的にウミシイタケルシフェラーゼ発現を抑制しており、コレステロールを修飾しても単独でも細胞内へ導入し、RNA干渉反応を起こしていることが明らかとなった。
実験前に1x105 cell/mlに調整したHeLa細胞(ヒト子宮頸ガン細胞、東北大学加齢医学研究所)、A549細胞(ヒト肺ガン細胞、東北大学加齢医学研究所)、を24ウェルプレートにそれぞれ1ml撒き10 % ウシ胎児血清 (FBS:三光純薬株式会社製)及び抗生物質を含む培地中、5 % CO2存在下、37 ℃で培養した。ここで用いた抗生物質および培地は、HeLa細胞はMEM培地(インビトロジェン社)を、A549細胞はRPMI-1640(インビトロジェン社)を培地として用いた。蛍光ラベル化オリゴヌクレオチド導入前に、抗生物質を含まない培地(450μl)へ交換した。蛍光ラベル化オリゴヌクレオチドは、27nt アンチセンス鎖RNAの5’末端を6-FAMラベル化したものを使用し、未修飾の25nt センス鎖RNA及び3’末端をアミノアルキル、脂質、コレステロールで修飾した25ntセンス鎖RNAと2本鎖を形成させた。細胞導入実験は、蛍光ラベル化オリゴヌクレオチドとLipofectamineTM 2000 (インビトロジェン社製)と複合体を形成させる為に、10μM の蛍光ラベル化オリゴヌクレオチド水溶液10μlとOptiMem溶液15μlの混合溶液25μlと、LipofectamineTM 2000 (インビトロジェン社製)溶液2μlとOptiMem溶液23μlの混合溶液25μlそれぞれ混ぜ合わせた50μlの混合溶液を室温で30分間インキュベートした。また、LipofectamineTM 2000 (インビトロジェン社製)を使用しない場合(図21中のC;‐LF2000)は、上記複合体形成条件中の2μlのLipofectamineTM 2000溶液をOptiMem溶液に代え、同様の操作でサンプルを調整した。調整した50μlの蛍光ラベル化オリゴヌクレオチド複合体は、上記で準備した450μlの細胞へ添加し(2本鎖RNAの終濃度:200 nM)、5 % CO2存在下、37 ℃で4時間インキュベートした。その後、細胞をPBS(-)又は培地で3回洗浄し、共焦点蛍光レーザー顕微鏡、及びフローサイトメトリーにて細胞導入を評価した。
1.VEGF遺伝子をターゲットとしたアミノアルキル又は脂質修飾LO型2本鎖RNAの合成
1−1.センス鎖RNA及びアンチセンス鎖RNAの配列
VEGF(vascular endothelial growth factor: 血管内皮成長因子)と相同配列を持ち、VEGFの遺伝子発現を抑制できる25塩基長のセンス鎖RNAと27塩基長のアンチセンス鎖RNAの2本鎖RNAをデザインした。これらの2本鎖RNAを用いて、以下の実験を行った。なお、25D/27 RNA (VEGF)は、アンチセンス鎖の3’末端に2塩基のダングリングエンド(1本鎖領域)を持ち、センス鎖の3’末端は平滑末端で、センス鎖の3’末端の2塩基がDNAであるLO型2本鎖RNAである。使用したRNAの配列は、以下の通りである。dNはDNA(A,G,C,T)であることを示す。LO型2本鎖RNAの合成は実施例1と同様の方法で行った。
25D/27 VEGF
センス鎖 25D:5’- UCCUACAGCACAACAAAUGUGAAdTdG-3’
アンチセンス鎖 27:3’- GAAGGAUGUCGUGUUGUUUACACUUAC-5’
1−2.VEGF遺伝子をターゲットとした脂質修飾2本鎖RNAの合成
VEGF遺伝子の発現を抑制できる上記2本鎖RNAのセンス鎖の3’末端にアミノアルキル基又は脂質を結合させた修飾型2本鎖RNAを合成した。当該脂質修飾2本鎖RNAにおいて、脂質は上記センス鎖RNAの5’末端に修飾されたアミノアルキル基を介して共有結合で結合している。アミノアルキル修飾1本鎖RNA(センス鎖)は実施例1と同様の方法で、脂質修飾1本鎖RNA(センス鎖)は実施例4と同様の方法で合成した。
合成した未修飾LO型2本鎖RNA、アミノアルキル又は脂質修飾LO型2本鎖RNAのリコンビナントDicerによるプロセシングを検討した。Dicerによる切断実験は、実施例1と同様の方法で行った。その結果を図22Bに示す。
末端を修飾していない25D/27 VEGF、センス鎖RNAの3’末端をアミノアルキル修飾した25DN3/27 VEGF、センス鎖RNAの3’末端を脂質修飾した25DC16/27 VEGF のVEGF遺伝子発現阻害効果をHeLa細胞(ヒト子宮頸ガン細胞、東北大学加齢医学研究所)、A549細胞(ヒト肺ガン細胞、東北大学加齢医学研究所)を用いて評価した。
Claims (4)
- 標的遺伝子中の標的配列に相補的な塩基配列からなるアンチセンス鎖RNA、及び該アンチセンス鎖RNAに相補的な塩基配列を有するセンス鎖RNAを有し、且つ前記標的遺伝子の発現を抑制できる二本鎖RNAであって、
前記センス鎖RNAが25個のヌクレオチドからなり、前記アンチセンス鎖RNAが27個のヌクレオチドからなり、
前記センス鎖RNAの3’末端側が平滑末端であり、前記アンチセンス鎖の3’末端がダングリングエンドを有しており、
且つ前記センス鎖RNAの3’末端側のヌクレオチドのリン酸基にのみ置換基が結合していることを特徴とし、
前記置換基が、炭素数4〜12のアミノアルキル基のアミノ基と、炭素数6〜50の脂肪酸のカルボキシル基がアミド結合して得られる基である、修飾型RNA。 - 前記センス鎖RNAの3’末端側から1及び2番目のヌクレオチドが、デオキシリボヌクレオチドにより構成されている、請求項1に記載の修飾型RNA。
- 前記アミノアルキル基が、炭素数6である、請求項1又は2に記載の修飾型RNA。
- 前記炭素数6〜50の脂肪酸が、ラウリン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、又はパルミチン酸である、請求項1又は2に記載の脂質修飾2本鎖RNA。
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