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JP5252855B2 - 地図の座標補正方法及び座標補正装置並びに座標補正プログラム - Google Patents
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JP5252855B2 - 地図の座標補正方法及び座標補正装置並びに座標補正プログラム - Google Patents

地図の座標補正方法及び座標補正装置並びに座標補正プログラム Download PDF

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Description

この発明は、デジタル化された地図の位置精度を改善するための座標補正技術に関する。
従来、地理情報システムに於いては、異なる縮尺及び精度で描かれた、様々な地図が扱われている。特に、紙に描かれた地図をスキャナで読み取って利用する場合には、紙の伸縮又はスキャナ入力時のひずみによる精度の低下が避けられない。この様に、地図上の地物は、実際の設置位置の緯度経度から定まる位置から様々な程度にずれている。このため、異なる地図を重ね合わせた場合には、同一地物であっても重ならず、異なる位置に、或いは、二重に描かれてしまうことになる。
又、測量結果や、Realtime Kinematic−Global Positioning System(以下、RTK−GPSと記す。)等の高精度なGPS測位結果を地図上に重ねた場合に、地図に精度不足があると、周囲の地物との相対位置関係が地図上では正しく表されなかった。このため、例えば、実際には路上で測位していても、その緯度経度は地図上では建物の中になってしまう、といった不都合が生じることになる。この様に、地図上のどの地点に於いて測位したのかに混乱が生じ、測位結果をそのままでは利用出来ないということになる。
更に、日本測地系から世界測地系への測地系の変更が実施され、日本測地系にて表された座標値を世界測地系の座標値に変換する必要に迫られている。変換に際しては、日本測地系での座標値が、測量時の測量精度や測量後の地殻変動により、又、上記の様な紙の伸縮等の理由により誤差を有するため、当該誤差を低減することが求められる。
この様に、地理情報システムの利用に当たっては、地図の各点が正確な位置情報を有する様に補正することが必要となる。
このための補正技術としては、例えば、地図上での座標値とRTK−GPS等によって測定された正確な座標値が共に得られている基準点を複数個設定し、その基準点を頂点としてドロネー三角形分割と呼ばれる方式により全体領域を互いに重ならない複数の三角形に分割し、それぞれの三角形領域に対して、頂点となる3個の基準点を地図上での座標値から正確な座標値に変換するアフィン変換を求め、そのアフィン変換を各三角形領域内の点に施すことで座標値を補正する技術が、示されている(例えば、特許文献1及び非特許文献1を参照。)。
特開2005−70373号公報 土木学会論文集、625巻、IV−44号、89−98頁(1999年7月)
この様な座標補正技術に於いては、基準点を頂点とする複数の三角形領域を構成し、各三角形領域に対して、頂点である基準点が正しい座標値に補正される様なアフィン変換等の変換を決定し、三角形領域内の各点にその変換を施すことによって、座標値の補正を行っている。
このとき、基準点を頂点とする三角形領域への区分には、ドロネー三角形分割が用いられる。ドロネー三角形分割は、最小角最大化原理によって、出来るだけ正三角形に近い形の三角形によって領域を区分する手法である。各三角形領域について、その外接円の内部に他の基準点が入らない様な分割となる。尚、ドロネー三角形分割の詳細については、例えば、杉原厚吉著「データ構造とアルゴリズム」第11章,共立出版、平成13年発行、に記載されている。
しかし、ドロネー三角形分割では、基準点の配置のみによって三角形領域への区分パターンが決まる。このため、各基準点の正しい座標値への補正量がある特定のパターンを持ち、ドロネー三角形分割の他に、より補正後の精度が高まる様な三角形領域への区分パターンが存在していたとしても、これを実現することが出来ないと言う問題点があった。
この様に、従来の座標補正技術に於いては、必ずしも適切な補正変換を得ることが出来ず、正しい座標値に補正されないと言う問題点があった。
他方、基準点の配置のみによらない三角形分割算出の例として、例えばCAD等の形状表現に於いて、xyの2変数関数について各点に於けるヘッセ行列を計算し、その固有ベクトル方向を異方性の軸とし、それぞれの固有ベクトルに対応する固有値の平方根の逆数を軸方向のサイズとして異方性三角形分割を実行し、精度を保つ技術が、Frank J.Bossen,Paul S.Heckbert著「A Pliant Method for Anisotropic Mesh Generation」5th International Meshing Roundtable,pp.63−76,1996年発行、に開示されている。この技術は、三角形領域に対して、異方性軸を軸とし、サイズの比率を楕円率とする外接楕円を用いて、その外接楕円の内部に他の頂点が入らないという条件を満足する様な三角形分割を行うものであり、この様な分割は「異方性ドロネー三角形分割」と呼ばれる。
しかしながら、地図に於いては、補正量を与える基準点が均等に、また、十分に配置されるとは限らず、更に、基準点の座標値にはノイズが含まれるため、正確に各点のヘッセ行列を求めることは出来ない。この様に、適切な異方性の軸と区分幅を求めることが出来ず、望ましい区分パターンが得られないと言う問題点があった。
この発明は、上記の様な問題点を解決するために成されたものであり、個々の基準点の補正量に合致した区分パターンにて領域を区分することで、補正変換後の座標値の精度を高く保つ地図の座標補正技術を提供することを、その目的としている。
この発明の主題に係る地図の座標補正方法は、コンピュータを用いた地図の座標補正方法であって、デジタル化された地図を区分する各区分三角形領域の各頂点となる基準点の前記地図上での補正前の座標値デジタルデータと、正確な座標値である前記基準点の補正後の座標値デジタルデータとから、前記コンピュータにより実現された軸設定手段が、前記地図に固有の異方性の軸方向を与えるデジタルデータを定める軸設定工程と、各基準点の前記地図上での前記補正前の座標値デジタルデータ、前記各基準点の前記補正後の座標値デジタルデータ及び前記異方性の軸方向を与えるデジタルデータに基づいて、前記コンピュータにより実現された比率設定手段が、前記異方性の軸方向に於ける異方性の比率を与えるデジタルデータを得る比率設定工程と、前記地図を、前記異方性の軸方向を与えるデジタルデータと前記異方性の比率を与えるデジタルデータとに基づいて、前記コンピュータにより実現された三角形分割手段が、各区分三角形領域を構成する3個の頂点を通り、前記異方性の軸方向をその軸とし、且つ前記異方性の比率をその楕円率とする外接楕円の内部に当該区分三角形領域を構成する前記3個の頂点以外の頂点が入らない様な複数の区分三角形領域に、区分する異方性の三角形分割工程と、前記複数の区分三角形領域の各々について、各頂点を成す前記各基準点の、前記地図上での前記補正前の座標値デジタルデータ及び前記補正後の座標値デジタルデータに基づいて、前記コンピュータにより実現された変換手段が、当該区分三角形領域に適用する補正変換のデジタルデータを算出して、当該区分三角形領域内部の各座標点に対して前記補正変換を成すことによって前記各座標点の前記地図上での座標値デジタルデータを補正する変換工程とを備えることを特徴とする。

以下、この発明の主題の様々な具体化を、添付図面を基に、その効果・利点と共に、詳述する。
本発明の主題によれば、補正変換後の誤差を低減する様な地図の区分三角形領域への区分が得られ、地図を精度良く補正することが出来る。
(実施の形態1)
本実施の形態の特徴点は、デジタル化された地図を区分する区分三角形領域に於ける各頂点の地図上での補正前の座標値と測位された正確な補正後の座標値とに基づいて、直交する異方性の2軸とその2軸に於ける区分幅の比率とを算出し、その2軸方向にその比率だけ異方性を持たせて、デジタル化された地図を複数の区分三角形領域へ区分(分割)する点にある。この様に、直交する2軸とその2軸における区分幅の比率を、補正変換後の誤差を最小にする様に求め、これを反映する様に、その2軸方向にその比率だけ異方性を持たせた区分パターンに地図を分割することで、地図上の各区分三角形領域内部の各座標点の座標値を正確に補正することが出来る。以下、図面を参照して、本実施の形態の特徴点を詳述する。
図1は、本実施の形態に係るデジタル化された地図の座標補正装置の構成を示すブロック図である。
図1に於いて、「記憶手段」たる記憶装置1は、地図データ2、基準点データ3及び区分三角形データ4を格納している。ここで、地図データ2は、地図上の全ての地物の座標値(後述する各基準点の補正前の地図上での座標値をも含む。)或いは地物を表す図形及びその属性情報等にて構成されるデジタルデータである。又、基準点データ3は、後述する各基準点の、補正前の地図上での座標値と正確な座標値(補正後の座標値)とを含むデジタルデータである。又、区分三角形データ4は、基準点を頂点として地図を複数の三角形に区分して得られる区分パターンを構成する各区分三角形領域を示すデジタルデータである。
「軸設定手段」である軸設定装置5は、基準点データ3を用いて、地図上に直交する異方性の2軸を設定する電気的処理を行う部分である。
「比率設定手段」である比率設定装置6は、基準点データ3及び軸設定装置5が設定した異方性の2軸のデータから、異方性の2軸に沿った区分幅の比率(異方性の比率)を算出する電気的処理を行う部分である。
「分割手段」である分割装置7は、基準点データ3と2軸のデータと比率設定装置6により算出された区分幅の比率データとを用いて、地図上に基準点を頂点とする三角形区分パターンを決定して区分三角形データ4を作成する電気的処理を行う部分である。
「変換手段」である変換装置8は、基準点の地図上の座標値と当該基準点の正確な座標値(補正後の座標値)とから当該基準点で形成される区分三角形領域に対して行う補正変換を決定し、区分三角形領域内部の点に対して上記補正変換を実行して補正後の座標値を得る電気的処理を行う部分である。各区分三角形領域内部の各座標点の補正後の座標値は、記憶装置1の地図データ2に格納され、その結果、地図データ2に於ける地図上の地物の座標値は更新される。
又、図2乃至図14は、図1の座標補正装置の動作を示す説明図である。各図は、次の通りである。即ち、図2は、基準点10に係る区分三角形領域12による地図9の分割を示す図である。図3は、区分三角形領域12の補正変換を示す図である。図4は、異方性の軸17と区分幅とを示す図である。図5は、補正ベクトル18を示す図である。図6は、補正ベクトル18の一次近似を示す図である。図7は、基準点10による補正ベクトル18の近似誤差計測を示す図である。図8は、関数Gu(H)を示す図である。図9は、Gsumとその最小値を示す図である。図10は、基準点データ3を示す図である。図11は、uw座標系でのドロネー三角形分割を示す図である。図12は、uv座標系での異方性ドロネー三角形分割を示す図である。図13は、異方性三角形分割を行うための基準点データ29を示す図である。図14は、区分三角形データ4を示す図である。
又、図15は、図1の座標補正装置の動作を示すフローチャートである。
本実施の形態に係る地図の座標補正装置(図1)は、図2に示す様に、各基準点10を頂点として、隣り合う基準点10同士を結ぶ区分辺11によって区分三角形領域12を形成して、地図9を各区分三角形領域12に区分する。そして、図1の座標補正装置は、図3に示す様に、区分三角形領域12毎に、頂点である基準点10の地図9上での座標値が正確な新座標値13に変換される様な補正変換を定めて、区分三角形領域12を区分三角形領域14に変換することで、区分三角形領域12の内部の点15を区分三角形領域14内の新座標値16に補正する。
ここで言う「基準点10」とは、座標値の変換の基準と成る点のことであり、地図9上での座標値と、例えばGPSによって測位された、或いは、基準となる座標系や測地系に於ける、正確な座標値13とが共に得られている点のことである。
又、以下では、地図9上の全ての点の補正前の座標値を「旧座標値」と記述し、基準点10に於ける上記の正確な座標値(補正後の座標値)13及び各区分三角形領域12内部の各点(各座標点)に対して補正変換を行うことによって得られた座標値を「新座標値」と記述する。
本実施の形態に係る地図の座標補正装置(図1)は、異方性ドロネー三角形分割の処理によって、デジタル化された地図9を区分する区分パターンを決定する。即ち、通常のドロネー三角形分割の処理が区分三角形領域12の頂点である基準点10で形成される外接円の内部に他の基準点10が入らない、という条件を満たす三角形区分パターンに区分するのに対して、異方性ドロネー三角形分割処理は、区分三角形領域12の頂点である基準点10で形成される外接楕円の内部に他の基準点10が入らない、という条件の下で、地図9を区分三角形領域で以って区分する。異方性ドロネー三角形分割を実行するためには、この外接楕円を決めるための楕円の軸である異方性軸と、楕円率である比率(異方性比率)とを定めることになる。本実施の形態に係る地図の座標補正装置(図1)は、通常のドロネー三角形分割処理を行った場合よりも補正精度が向上する様に、上記の異方性軸及び異方性比率を設定する。
以下、N個の基準点10について旧座標値をPi(xi,yi)、新座標値をQi(Xi,Yi)、旧座標値から新座標値へ向かう補正ベクトル18をfi(i=1,2,..,N)とする。又、異方性軸17を、u軸及びv軸と定義する。
先ず、異方性軸17の設定(決定)のためのモデルについて記載する。
図1の軸設定装置5は、異方性の軸17を、以下の様にして決定する。即ち、基準点10全体の補正を近似するアフィン変換を求め、この内で、回転変換成分と平行移動成分とを除く、拡大縮小、せん断成分を考える。これは、領域を一様な2次元のひずみ場で近似することになる。そのアフィン変換行列から得られるひずみテンソルの固有ベクトルの方向が、ひずみ場の「主ひずみ方向」となる。拡大縮小、せん断は、この主ひずみ方向を持つ2軸の拡大縮小で表される。主ひずみ方向が、領域全体を補正するための主たる補正方向と考えられるので、軸設定装置5は、「主ひずみ方向」を異方性の2軸17に設定する。
N個の基準点10について旧座標値Pi(xi,yi)から新座標値Qi(Xi,Yi)への変換をアフィン変換で表すと、
Figure 0005252855
i=1,2,..,N、である。この式中のパラメータa,b,c,d,s,tを最小二乗法によって求める。これらのパラメータによって、ひずみテンソルΦとその2個の固有値λ1,λ2と2個の固有ベクトルe1,e2は、
Figure 0005252855
となる。求める異方性軸17を、このひずみ行列の固有ベクトル方向、即ち、主ひずみ方向にとる。この2軸をu軸,v軸と定義する。当然、u軸とv軸とは直交する。
以下、回転変換成分は無いものとして説明する。実際の補正に於いては回転成分が存在するが、やはり、上記で求めたアフィン変換から回転テンソル
Figure 0005252855
を求め、新座標値にその成分を打ち消す様な座標変換を施して三角形分割を求めることで、回転の影響を打ち消すことが出来る。
uv座標系に於いて、地図9上の各点の旧座標値Pi(xi,yi)から新座標値Qi(Xi,Yi)に向かう真の補正ベクトル18(fi)を、f(u,v)と表す。このとき、u軸,v軸の各々について、区分幅H(Hu,Hv)で補正ベクトルfiを一次近似することを考える。三角形に区分してのアフィン変換に於いても、頂点間にて補正量を線形補間するものであるから、区分幅Hは三角形分割時の異方性のサイズを示すことになる。例えば、図4に示す様に、直角三角形を考えると、当該直角三角形のu軸方向及びv軸方向に於ける幅Hu,Hvがそれぞれの軸に於ける区分幅Hに対応することになる。
このモデルに基づいて、区分幅Hによる一次近似の誤差を推定する。これは、地図9を区分三角形領域12に区分してのアフィン変換による補正誤差を表す。図1の比率設定装置6は、両軸u,vでの誤差推定値から、それが最小となる区分幅H(Hu,Hv)の比率を決定(算出)し、当該比率を外接楕円の楕円率に設定する。
区分幅Hによる一次近似の誤差推定について、記載する。以下、u軸の場合について説明する。v軸に関しても同様である。一次近似の誤差推定を行うために、図5に示す様に、補正ベクトル18(fi)を、uのみで決まるベクトル19(fu)と、vのみで決まるベクトル20(fv)と、ランダムな変位21(ε)と、平行移動成分22(μ)の和として表す。
Figure 0005252855
但し、Eu[]、Ev[]は、それぞれ、u座標値及びv座標値にわたる期待値を表す。後述の通り、このモデルの精度は、実際の補正ベクトルに於けるε(u,v)の絶対値が小さい程、又、ランダムノイズとみなせる程、改善される。一様なひずみ場で近似したときの主ひずみ方向は、これを満足する。尚、ここで、
Figure 0005252855
である。
今、u=Uとu=U+Hとによって領域が区分されたものと考える。このとき、図6に示す様に、u座標値がU+h(0<h<H)なる点(U+h,v)の近似補正ベクトル23(f*(U+h,v))が、区分点上の2点の変位f(U,v’),f(U+H,v”)による線形補間で、以下の様に与えられるものとする。
Figure 0005252855
これを変形して、
Figure 0005252855
従って、真の補正ベクトル18(f(U+h,v))との誤差24(δ(U+h,v))は、
Figure 0005252855
である。この誤差24を二乗したものについて、h,v、更に、Uによる平均を区分幅Hの関数として表し、これにて評価を行う。
先ず、誤差δ(U+h,v)の二乗について、あらゆるv,v’,v”をとったときの期待値をFu(U+h)とすると、
Figure 0005252855
ここで、v,v’,v”は任意であり、
Figure 0005252855
更に、両者は無相関、つまり、
Figure 0005252855
としている。
又、vに関する分散Vv[]について、
Figure 0005252855
とすれば、
Figure 0005252855
である。
更に、0<h<Hでの期待値Fu(U+h)の平均は、
Figure 0005252855
である。
この、Uにおける期待値、つまり、u軸において区分幅をHとしたときの、誤差の二乗の平均Guは、Hの関数として表され、
Figure 0005252855
となる。
この様に、Gu(H)の増減はその第一項から第三項で与えられ、これは、u軸依存の項fu(u)を区間幅Hで一次近似を行った場合の誤差の二乗値の増減である。一方、u軸の区分幅は、fv(v)の近似精度に無関係である。以上は、v軸についても同様である。v軸について得られる誤差の二乗の平均をGv(H)とすれば、Gv(H)はfv(v)の近似精度の優劣を表し、且つ、v軸の区分幅はfu(u)の近似精度に無関係である。
つまり、u軸,v軸の区分幅Hu,Hvによる補正ベクトルf(u,v)の近似精度が、それぞれGu(H)とGv(H)とで表される訳であるから、Gu(Hu)とGv(Hv)との和で、u軸,v軸の区分幅がそれぞれHu,Hvのときの補正ベクトルf(u,v)の近似精度の評価を行うことが出来る。この評価値Gsumを、
Figure 0005252855
とする。この値は区分近似における誤差の二乗の平均を与えるものであり、値が小さい程、補正精度が良いことになる。
尚、平行移動成分μは、区分近似によって補正でき、誤差に表れない。又、ε(u,v)については、ε(u,v)をランダムノイズとしてモデル化しているため、その誤差の二乗平均は、u軸,v軸の区分幅によらない。ランダムノイズからはずれるものであっても、その絶対値が小さければ、区分幅による誤差への影響は小さくなる。ここでは、u軸及びv軸を、最小二乗法によって求めた主ひずみ方向に設定している。このため、(u,v)軸方向への拡大縮小を表す様に、φ、ψを倍率として、
Figure 0005252855
に示す様に表現したとき、基準点10に関して、ε(u,v)の二乗和が最も小さくなっている。実際には、拡大縮小に制限しないため、ε(u,v)の項については更にその絶対値を小さくすることが出来、又、ランダムノイズとも看做せる様になる。
Gu(H)及びGv(v)を、誤差関数と定義する。その値は、例えば、基準点10の座標値から実際に計算することで推定される。
図7に示す様に、2個の基準点Pn(un,vn),Pm(um,vm),un<umについて、u座標値ukがun<uk<umとなる基準点Pk(uk,vk)についての、u軸に於ける線形近似の誤差の二乗の平均
Figure 0005252855
を計算し、これをu軸に関する区分幅Hによる誤差を示す誤差関数Gu(H)についての、H=um−unでの計測値25(図8)とする。尚、fn,fm,fkは、それぞれ、基準点Pn,Pm,Pkの旧座標値から新座標値に向かう補正ベクトルである。
全ての基準点の組に於いて計測値を得たならば、図8に示す様に、その結果に誤差関数を当てはめる。即ち、当てはめられる誤差関数を、例えば、一次式により、
Figure 0005252855
とし、或いは、2次式を用いて、
Figure 0005252855
とする。a0,a1,a2は、当てはめによって求めるパラメータである。或いは、地球物理学で用いられるセミバリオグラムのモデル関数に倣って関数の当てはめを行っても良い。セミバリオグラムとそのモデル関数については、間瀬茂, 武田純著「空間データモデリング−空間統計学の応用−」第6章、共立出版、平成13年発行、に記載されている。
今、
Figure 0005252855
と定義すれば、誤差関数Gu(H)は、
Figure 0005252855
となる。γ(h)に対して、セミバリオグラムの球型モデル関数とべき乗モデル関数を用いて展開すれば、誤差関数Gu(H)は、それぞれ、
Figure 0005252855
Figure 0005252855
の形式となる。この形式にて、誤差関数Gu(H)を図8の誤差関数26として当てはめても良い。s0,s1,s2,p0,p1,p2は、当てはめによって求めるパラメータである。これらの当てはめには、例えば、最小二乗法を用いる。これは、v軸についても同様である。
図9のGsumの曲線27から異方性の比率を決定するに当たっては、区分三角形領域12の平均的な面積S(図4参照)を利用する。この平均的な面積Sは、例えば、地図9の面積を、三角形の数である{(4隅も含めた基準点数)×2−6}で割った値とする。或いは、通常のドロネー三角形分割を実行して、各三角形の面積から平均を求めて平均的な面積Sを得る。或いは、平均的な面積Sを、各三角形の面積の二乗平均の平方根とする。これは、面積自体を重みとする重み付き平均であり、面積の大きな三角形ほど、その中の一般の地図図形が多く、影響が大きくなることを考慮するものである。
両軸の区分幅がHu,Hvであるとき、
Figure 0005252855
とする。αはパラメータであり、例えば、2とする。これは、図4に示す様な直角三角形での状況を代表するものである。この条件の下で、図9に示す様に、曲線27で示されるGsumの比率rに対する最小値Gminを与える点28を求め、そのときの比率r=Hv/Huを異方性の比率Rとする。
特に、誤差関数Gu(Hu),Gv(Hv)を共に1次式に当てはめる場合には、
Figure 0005252855
であるので、Gsumが最小値となるとき、
Figure 0005252855
であり、最小値を与える異方性の比率Rは、面積Sに拘らず一定の値になる。
以上を踏まえて、本実施の形態に係る図1の座標補正装置の動作及び座標補正方法を、図15のフローチャートに基づいて記載する。
N個の基準点10についての旧新座標値Pi,Qi(i=1,..,N)が、記憶装置1に、基準点データ3として、記憶されている。これらの座標値のデータは、例えば、図10に示す様な形式で格納されている。
ステップST1では、軸設定装置5は、N個の基準点10の各々について、記憶装置1よりその旧座標値Pi及び新座標値Qiのデータを読み出し、上記の数1に従って補正を近似するアフィン変換を行い、及び、数2に基づいて定まるひずみ行列の固有ベクトルを与える式に従って主ひずみ方向を求め、算出した主ひずみ軸(主ひずみ方向)を異方性軸17(u,v)に設定する。
ステップST2では、軸設定装置5は、基準点10の旧新座標をuv座標系に変換する。この変換に関しては、例えば、u軸がx軸からθの方向にあるとすれば、旧座標値Piのuv座標系での座標値(ui,vi)は、
Figure 0005252855
である。軸設定装置5は、新座標値Qiのuv座標系での座標値(Ui,Vi)も、同様にして求める。このとき、補正ベクトル18(fi)は、fi=(Ui−ui,Vi−vi)となる。
ステップST3では、比率設定装置6は、数18に基づき、誤差関数Gu(H),Gv(H)の計測値を計算する。2個の基準点をPn(un,vn),Pm(um,vm)とすれば、H=|un−um|での誤差関数Gu(H)の値、及び、H=|vn−vm|での誤差関数Gv(H)の値が得られる。比率設定装置6は、この計算処理を、2個の基準点の組の全てについて求める。
ステップST4では、比率設定装置6は、誤差関数Gu(H),Gv(H)の各々を区分幅Hの関数に当てはめる。
ステップST5では、比率設定装置6は、数25に於ける面積Sと係数αとを決定する。即ち、比率設定装置6は、面積Sを、上記の様に区分三角形領域の平均的な面積として設定し、係数αを2と設定する。
ステップST6では、比率設定装置6は、面積S及び係数αを用いて、Gsumを最小にする区分幅Hu,Hvを求め、得られた比率R=Hv/Huを異方性の比率と決定する。
ステップST7では、分割装置7は、u軸,v軸に対して異方性の度合い(比率)が比率Rとなる異方性ドロネー三角形分割を実行し、地図9を、地図9の基準点10を頂点とする区分三角形領域12に区分する。この点の処理に関しては、分割装置7は、例えば、図11に示す様に、v軸方向に1/R倍した座標系uwを設定し、基準点10の座標値を座標点P’i(ui,wi)=(ui,vi/R)に仮に変換した上で、この座標点P’i(ui,wi)を用いて、通常のドロネー三角形分割を実行する。そして、分割装置7は、この分割処理によって得られた区分辺31及び区分三角形領域32を用いて、図12に示す様に、元の座標値Pi(ui,vi)に対してそのまま三角形を構成することで、異方性ドロネー三角形分割での区分三角形領域12を得る。例えば、i1、i2、i3番目の3つの基準点10について、座標点P’i1、座標点P’ i2、座標点P’ i3の外接円33の内部に他の基準点30が存在しない場合には、この3つの基準点P’i1、P’ i2、P’ i3は、区分三角形領域32を構成する。このとき、外接円33は、uv座標系では、3つの基準点Pi1、Pi2、Pi3に対する、uv軸を軸とし、楕円率Rの外接楕円34と成り、その内部に他の基準点10は存在しない。つまり、区分三角形12領域は、外接楕円34の内部に他の基準点10が入らない、という異方性ドロネー三角形分割の条件を満たすことに成る。この様にして、分割装置7は、異方性ドロネー三角形分割の処理を電気的に実行する。座標点P’iに対しての通常のドロネー三角形分割の実行には、分割装置7は、例えば、逐次添加法、或いは、持ち上げ法を用いる。このとき、例えば、分割装置7は、図13に示す様な基準点データ29を作成して記憶装置1に格納すると共に、当該基準点データ29を利用して、図14に示す様な区分三角形データ4を作成し、記憶装置1に格納する。
ステップST8では、変換装置8は、分割装置7によって得られた区分三角形領域12(図12)のそれぞれについて、その旧座標値を新座標値に変換するアフィン変換を求める。j番目の区分三角形領域12の3頂点である基準点10の旧座標値を(xn,yn),(xm,ym),(xk,yk)とし、新座標値を(Xn,Yn),(Xm,Ym),(Xk,Yk)とすれば、アフィン変換は、数1を参照して、パラメータaj,bj,cj,dj,sj,tjによって、
Figure 0005252855
と表され、これらの式を、
Figure 0005252855
と表現出来る。これを、
Figure 0005252855
より解いて、変換装置8は、アフィン変換のパラメータaj,bj,cj,dj,sj,tjを決定する。
ステップST9では、変換装置8は、各区分三角形領域12内の各地物の点15(図3)の座標値(x,y)を、アフィン変換に従って新座標値に変換する。地物の点15(x,y)がj番目の区分三角形領域12の内部にある場合には、その補正後の新座標値16を(X,Y)と表すと、変換装置8は、ステップST8で得たアフィン変換のパラメータaj,bj,cj,dj,sj,tjを用いて、内部の点15(x,y)を、
Figure 0005252855
に変換する。そして、変換装置8が地図9上に示された全ての点の座標値を新座標値に変換することで、図1の座標補正装置に於ける地図座標補正処理が終了する。
以上の様に図1の座標補正装置がその機能を動作することにより、座標補正装置は、誤差が最小となる様な、異方性軸の設定及び区分幅の比率による異方性比率Rの決定に基づき、異方性のドロネー三角形分割を行うことが出来、補正変換後の座標値の精度を高く保持する座標補正を実行することが出来る。
又、本実施の形態に於いては、軸設定装置5が設定する異方性軸は、各頂点の地図9上での補正前の座標値から補正後の座標値への変位を近似する2次元のひずみ場の主ひずみ方向である互いに直交する2軸に設定されているので、この構成により、異方性の軸方向を頂点の地図9上での座標値と補正後の座標値とから容易に得ることが出来、しかも、この異方性の軸方向を用いることで補正後の精度を向上させることが出来る。
又、本実施の形態に於いては、比率設定装置6が設定する比率は、異方性の軸方向の変位の区分一次近似における誤差の、2軸に於ける和が最小になるときの双方の区分幅の比率であり、この構成により、誤差の関数を用いて誤差を低減する異方性の比率を得ることが出来、しかも、この比率を用いることで補正後の精度を向上させることが出来る。
尚、コンピュータプログラムによるコンピュータの制御によって、既述した図1の座標補正装置の座標補正処理ないしは座標補正方法を実現出来ることは、言うまでもない。
この点は、後述する実施の形態2及び3に於いても妥当する。
(実施の形態2)
実施の形態1では、誤差関数を推定し、区分三角形領域の面積Sを用いて異方性比率Rを決定したが、より粗い異方性の三角形分割による位置参照点自体の補正を試みることにより、異方性比率Rを求める様に構成しても良い。
図16は、実施の形態2に係る地図の座標補正装置の構成を示すブロック図である。
比率設定装置6は、先ず、異方性比率をテストする工程に於いて、全基準点10の内の一定数の基準点10をサンプル基準点36に設定し、残りの基準点10を評価点37に設定すると共に、更に異方性の比率を所定の値に仮定する。
分割装置7は、サンプル基準点36を用いて、異方性軸に仮定された異方性の比率に基づいて、異方性ドロネー三角形分割を行う。
変換装置8は、評価点37の旧座標値を、区分三角形によって決まるアフィン変換によって新座標値に変換する。
「評価手段」として機能する評価装置35は、結果(変換後の評価点37の新座標値)を、予め記憶装置1の基準点データ3内に保有している新座標値(正確な座標値)と比較して、その精度を、評価値として算出する。
比率設定装置6が異方性の比率を変更して評価装置35がその都度に評価値を求め、比率設定装置6は、評価装置35によって求められた評価値の内で、最も良い値(最小値)の評価値を得るときの比率を以って、異方性の比率と決定する。仮に、誤差関数Gu(H),Gv(H)が一次式で近似出来るならば、適切な異方性の比率は区分三角形の面積によらない。そこで、本座標補正装置は、基準点10からサンプルしたサンプル基準点36を用いて異方性の比率の評価を行い、このとき最も良い評価値を得るときの異方性の比率は、基準点10全てによる三角形分割に於いても良好な区分パターンを生成する。
図17及び図18は、本実施の形態に係る座標補正装置の動作を示す説明図である。両図の内で、図17は、サンプル基準点36による地図9の区分三角形領域12への分割を示す図である。又、図18は、サンプル基準点36によって分割された区分三角形領域12のアフィン変換による補正の比較評価を示す図である。
又、図19は、本実施の形態に係る座標補正装置の動作を示すフローチャートである。尚、図15に示す実施の形態1に係る座標補正装置の動作を示すフローチャートと同一の動作ステップについては、その説明を省略する。
ステップST201では、比率設定装置6は、テストする仮比率の個数Nrと、Nr個の仮比率r[i](i=1,2,..,Nr)とを設定する。この仮比率r[i]の個数設定に関しては、例えば、0.5から0.1刻みで2.0までの16個とする。又、比率設定装置6は、仮比率r[i]の番号を示す変数iを0に初期化し、サンプル基準点選択の試行回数Mを設定する。
ステップST202では、比率設定装置6は、仮比率番号を示す変数iを1増加させると共に、試行回数を示す変数mを0に初期化する。
ステップST203では、比率設定装置6は、試行回数mを1増やすと共に、図17に示す様に、全基準点10の内で一定割合の基準点10をサンプル基準点36として選択する。この選択に関しては、例えば、基準点10の数の半数とし、乱数を用いて選択する。或いは、m番目の基準点10を残して、残り全ての基準点10をサンプル基準点36に選択しても良い。
ステップST204では、分割装置7は、i番目の仮比率r[i]を用いてサンプル基準点36により異方性ドロネー三角形分割を実行する。
ステップST205では、変換装置8は、各区分三角形領域についてアフィン変換を決定する。
ステップST206では、変換装置8は、サンプル基準点36に選択されなかった基準点である評価点37に対して、当該評価点37が含まれる区分三角形領域で決まるアフィン変換を行い、その補正を実行して、評価点37の座標値を新座標値に変換する。
ステップST207では、評価装置35は、評価点37に対して実行した補正の評価を行う。即ち、評価装置35は、図18に示す様に、L個の評価点37について、旧座標値を(xj,yj)、新座標値38を(Xj,Yj)、アフィン変換による補間補正座標値39を(Xj’,Yj’)(j=1,2,..,L)、そのアフィン変換のパラメータをa,b,c,d,s,tとして、m回目の試行の評価値g[m]を、新座標値38と補間補正座標値39との差異の二乗和、即ち、
Figure 0005252855
として求める。
ステップST208では、評価装置35は、所定のM回の試行を終えたかどうかを判定し、そうであれば本座標補正装置はステップST209へ進み、そうでなければ本座標補正装置はステップST203へ進み、サンプル基準点36の組を変更する。
ステップST209に於いては、評価装置35は、i番目の仮比率r[i]の評価値G[i]を、
Figure 0005252855
によって求める。そして、評価装置35は、算出したi番目の仮比率r[i]の評価値G[i]のデータを、その都度、比率設定装置6に出力する。
ステップST210では、評価装置35は、Nr個の仮比率の全てに関する評価値Gを算出し終えたかどうかを判定し、本座標補正装置は、そうであればステップST211へと進み、そうでないならばステップST202へ進み、次の評価に入る。
ステップST211では、比率設定装置6は、評価装置35より送信されて来たNr個の仮比率r[i]の評価値G[i]の内で、最小値を与える最も良い評価値G[i]を選択する。ここで選択された評価値G[i]に対応する仮比率r[i]とは、評価値G[i]の最小値を与える仮比率r[i]であり、比率設定装置6は、この仮比率r[i]を比率Rに設定する。
或いは、この評価値G[i]によってGsumを推定する様に構成する。例えば、Gu(H),Gv(H)を共に2次の多項式で表すとすれば、
Figure 0005252855
であるから、r=Hv/Huとすれば、
Figure 0005252855
となる。ここで、面積Sをサンプル基準点36によって構成される区分三角形領域12の平均的な面積Ssとし、Gsumを比率rの関数Gsum(r)とみる。仮比率r[i]と評価値G[i]とを得ているので、これを用いて、r=r[i]のときGsum(r[i])=G[i](i=1,2,・・・,Nr)、即ち、
Figure 0005252855
となる様に、パラメータau2,au1,aV2,av1,(aU0+au0)を求める。これは、例えば最小二乗法による。以上により、Gsum(r)が確定する。そこで、Ssを全ての基準点10による区分三角形領域12の平均的な面積Sに置き換え、
Figure 0005252855
として、このGsum(r)を最小にする比率rを求め、これを異方性の比率Rとする。
以下のステップに於いては、本座標補正装置は、以上の様にして求めた比率Rによって異方性ドロネー三角形分割、及び、アフィン変換による地図補正を実行する。
以上の様に図16の座標補正装置の機能を動作させることにより、実際の三角形分割によって評価して得られた異方性比率を用いて異方性ドロネー三角形分割を行うことが出来、補正変換後の座標値の精度を高く保持する座標補正を実行することが出来る。即ち、
サンプルした頂点の地図上での座標値と当該頂点の補正後の座標値とから、誤差を低減する異方性比率を得ることが出来、又、この異方性比率を用いることで補正後の精度を向上させることが出来る。
(実施の形態3)
実施の形態1及び実施の形態2では、デジタル化された地図全域にわたって同一の比率を用いて異方性ドロネー三角形分割を行ったが、地図上の位置によって異方性の比率を変更する様に構成しても良い。本実施の形態の形態は、この点に関するものである。
図20は、本実施の形態に係る地図の座標補正装置の構成を示すブロック図である。
分割装置7による異方性ドロネー三角形分割を用いた地図9の区分により得られたj番目の区分三角形領域12について、比率設定装置6は、j番目の区分三角形領域12の面積Sjに基づき評価値Gsumによる評価を実行し、評価値Gsumを最小にするときの比率Rjを求め、分割装置7は、j番目の区分三角形領域12のu軸及びv軸を異方性軸とし且つ評価値Gsumによる評価により求めた上記の比率Rjをその楕円率Rjとする外接楕円の内部に他の基準点10が存在するかどうかを判定し、存在する場合にはj番目の区分三角形領域12への分割を変更する。それに対して、外接楕円の内部に他の基準点10が存在しない場合には、分割装置7は、j番目の区分三角形領域12への上記分割を維持する。
ここで、図21は、本実施の形態に係る座標補正装置の動作を示す説明図である。又、図22は、本実施の形態に係る座標補正装置の動作を示すフローチャートである。尚、図15に示す実施の形態1に係る座標補正装置の動作を示すフローチャートと同一の動作ステップについては、説明を省略する。
ステップST301では、分割装置7は、一つの区分三角形領域12を選択する。この選択された区分三角形領域12が、j番目の区分三角形領域であるものとする。
ステップST302では、比率設定装置6は、分割装置7で選択されたj番目の区分三角形領域12の面積Sjを求める。
ステップST303では、比率設定装置6は、面積Sjの下、評価値Gsumの評価を行い、評価値Gsumを最小にするときの比率Rjを算出する。
ステップST304では、分割装置7は、選択されたj番目の区分三角形領域に於ける楕円率Riの外接楕円の内部に他の基準点10が存在するか否かを判断する。存在しない場合には、本座標変換装置はステップST306に進む一方、存在する場合には、本座標変換装置はステップST305に進む。
ステップST305では、分割装置7は、選択されたj番目の区分三角形領域12の変更(分割の更新)を行う。
例えば、図21に示す様に、選択されたj番目の区分三角形領域12の頂点がA,B,Cであるとする。そして、分割装置7は、ステップST304に於いて、選択されたj番目の区分三角形領域12の外接楕円である、頂点A,B,Cを通り、軸をu,v軸とし、評価値Gsumを最小にするときの比率Rjを楕円率とする外接楕円42の内部に、他の頂点が入るかどうかを調べる。頂点D43が外接楕円42の内部に入る場合には、ステップST305に於いて、分割装置7は、区分三角形領域12を変更する。この変更に関しては、分割装置7は、例えば図21に示す様な場合には、区分辺11を辺41に変更し、この変更に伴い、△ABCより成る区分三角形領域12及び△ABDより成る区分三角形領域を、それぞれ、△CDAより成る区分三角形領域と△CDBより成る区分三角形領域とに変更する。
ステップST306では、分割装置7は、全ての区分三角形領域12について上記の処理を終えたかどうかを判定し、本座標補正装置は、終えた場合にはステップST8へと進み、そうでなければステップST301へと進み、次に選択される区分三角形領域12の処理に入る。
以下のステップでは、本座標補正装置は、この様にして求めた各区分三角形領域に対応するアフィン変換のパラメータを決定し、その上で、各区分三角形領域に属する各地物の点に対するアフィン変換を行って、デジタル地図9の補正を実行する。
以上の様に本座標補正装置の機能を動作させることにより、最適な比率Rは区分三角形領域の面積によって変化することに対応し、それぞれの区分三角形領域のサイズに適合する最適な異方性の比率Rに基づいた異方性の三角形分割を実行することが出来、補正変換後の座標値の精度を高く保持する座標補正を実行することが出来る。即ち、地図9の区分三角形領域への区分に使用する比率を各区分三角形領域に適した値に設定することが出来、補正後の精度を向上させることが出来る。
(変形例)
尚、実施の形態1及び実施の形態2では、地図全域にわたって同一の異方性軸方向と同一の異方性比率を用いて異方性の三角形分割を行い、又、実施の形態3では、地図全域にわたって同一の異方性軸方向を用いて異方性の三角形分割を行っている。しかしながら、地図を緯度経度毎に、或いは、市街地部と農地、山間部と言う様に、地図を幾つかの部分に区分けして、各部分領域ごとに異方性の軸方向と異方性の比率とを求めて異方性の三角形分割を行う様にしても良い。
又、実施の形態1から実施の形態3までは、地図全域にわたって単一の主ひずみ方向を異方性の軸に設定している。しかしながら、地図の各点に於いて局所的に求めた主ひずみ方向を繋げた曲線上に、異方性のu軸及びv軸を設定しても良い。各点に於いて主ひずみ方向は直交するから、この様に異方性の軸を設定しても、各点に於いてもuv方向は互いに直交する。この場合にも、uv座標系に於いて異方性の三角形分割を行い、当該異方性の三角形分割によって得られる各区分三角形領域をそのまま採用する。
又、実施の形態1及び実施の形態3では、実施の形態2に示した比率設定装置6の動作によりサンプル基準点36を使って求めた比率Rと、サンプル基準点36による区分三角形領域12の平均面積Sを利用してパラメータαを設定する様に構成しても良い。平均面積Sの条件の下、評価値Gsumが最小値Gminとなるときの比率Hv/Huを求め、この比率が異方性の比率Rに一致する様にパラメータαを調整する。実施の形態1及び実施の形態3では、この調整後のパラメータαの値をステップST5に於いて設定する。
又、実施の形態1乃至実施の形態3に於いては、異方性の軸方向を主ひずみ軸方向に設定しているが、これに限られるものではない。例えば、5度毎といった一定角度毎に軸方向を回転させて誤差関数を求め、その和Gsumが最も小さくなる方向を異方性の軸方向に設定し、その時、最小の誤差を与える比率Rによって異方性ドロネー三角形分割を実行する様に構成しても良い。
尚、記憶装置1の代替として、本座標補正装置の外部の記憶媒体を利用しても良い。
(付記)
以上では、正確な座標値である基準点の補正後の座標値デジタルデータである「新座標値」は、GPSによって測位された値であることが想定されていたが、この例に限られるものではなく、基本図等の主たる地図上での座標値、或いは、三角点等によりオーソライズされた座標値を、「新座標値」として実行することとしても良い。
尚、本発明を地図の座標値の補正に於いて実施する例について説明したが、この他にも、例えば、地図同士や航空写真、衛星写真の張り合わせに於いても本発明を適用することが出来る。この場合には、基準点の、主たる地図や写真の上での座標値を「新座標値」とし、張り合わせる地図や写真の上での座標値を「旧座標値」として、動作させる。これにより、張り合わせる地図や写真上の各点を、主たる地図や写真上に正確に重ね合わせることが出来る様になる。
以上、本発明の実施の形態を詳細に開示し記述したが、以上の記述は本発明の適用可能な局面を例示したものであって、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、記述した局面に対する様々な修正や変形例を、この発明の範囲から逸脱することの無い範囲内で考えることが可能である。
この発明は、例えば、地理情報システムへの適用に好適である。
本発明の実施の形態1に係る座標補正装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に於ける地図の三角形分割を示す説明図である。 実施の形態1に係る座標補正装置の補正動作を示す説明図である。 実施の形態1に係る座標補正装置の動作を示す説明図である。 実施の形態1に係る座標補正装置の補正モデルを示す説明図である。 実施の形態1に係る座標補正装置の近似モデルを示す説明図である。 実施の形態1に係る座標補正装置の近似モデルを示す説明図である。 実施の形態1に係る座標補正装置が用いる誤差関数を示す説明図である。 実施の形態1に係る座標補正装置が用いる評価関数を示す説明図である。 実施の形態1に係る座標補正装置の基準点データを示す説明図である。 実施の形態1に係る座標補正装置の三角形分割動作を示す説明図である。 実施の形態1に係る座標補正装置の三角形分割動作を示す説明図である。 実施の形態1に係る座標補正装置の基準点データを示す説明図である。 実施の形態1に係る座標補正装置の区分三角形データを示す説明図である。 実施の形態1に係る座標補正装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る座標補正装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態2に係る座標補正装置の動作を示す説明図である。 実施の形態2に係る座標補正装置の動作を示す説明図である。 実施の形態2に係る座標補正装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3に係る座標補正装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態3に係る座標補正装置の動作を示す説明図である。 実施の形態3に係る座標補正装置の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 記憶装置、2 地図データ、3 基準点データ、4 区分三角形データ、5 軸設定装置、6 比率設定装置、7 分割装置、8 変換装置、35 評価装置。

Claims (11)

  1. コンピュータを用いた地図の座標補正方法であって、
    デジタル化された地図を区分する各区分三角形領域の各頂点となる基準点の前記地図上での補正前の座標値デジタルデータと、正確な座標値である前記基準点の補正後の座標値デジタルデータとから、前記コンピュータにより実現された軸設定手段が、前記地図に固有の異方性の軸方向を与えるデジタルデータを定める軸設定工程と、
    各基準点の前記地図上での前記補正前の座標値デジタルデータ、前記各基準点の前記補正後の座標値デジタルデータ及び前記異方性の軸方向を与えるデジタルデータに基づいて、前記コンピュータにより実現された比率設定手段が、前記異方性の軸方向に於ける異方性の比率を与えるデジタルデータを得る比率設定工程と、
    前記地図を、前記異方性の軸方向を与えるデジタルデータと前記異方性の比率を与えるデジタルデータとに基づいて、前記コンピュータにより実現された三角形分割手段が、各区分三角形領域を構成する3個の頂点を通り、前記異方性の軸方向をその軸とし、且つ前記異方性の比率をその楕円率とする外接楕円の内部に当該区分三角形領域を構成する前記3個の頂点以外の頂点が入らない様な複数の区分三角形領域に、区分する異方性の三角形分割工程と、
    前記複数の区分三角形領域の各々について、各頂点を成す前記各基準点の、前記地図上での前記補正前の座標値デジタルデータ及び前記補正後の座標値デジタルデータに基づいて、前記コンピュータにより実現された変換手段が、当該区分三角形領域に適用する補正変換のデジタルデータを算出して、当該区分三角形領域内部の各座標点に対して前記補正変換を成すことによって前記各座標点の前記地図上での座標値デジタルデータを補正する変換工程とを備えることを特徴とする、
    地図の座標補正方法。
  2. 請求項1記載の地図の座標補正方法であって、
    前記軸設定工程によって定められる前記異方性の軸は、
    前記各基準点の前記地図上での前記補正前の座標値デジタルデータから、当該基準点の前記補正後の座標値デジタルデータへの変位を近似する2次元のひずみ場の主ひずみ方向である互いに直交する2軸であることを特徴とする、
    地図の座標補正方法。
  3. 請求項1又は2に記載の地図の座標補正方法であって、
    前記比率設定工程によって定められる前記異方性の比率は、
    前記異方性の軸方向の変位の区分一次近似に於ける誤差の、前記異方性の2軸に於ける和のデジタルデータが最小値となるときの前記異方性の2軸の双方の区分幅の比率であることを特徴とする、
    地図の座標補正方法。
  4. 請求項1に記載の地図の座標補正方法であって、
    前記比率設定工程は、
    前記地図上の全基準点の内で一部の数の基準点のみを区分三角形領域の頂点を成すものとしてサンプルした上で、仮定した比率を用いて異方性の三角形分割処理により前記地図を複数の区分三角形領域に区分し、サンプルした基準点に於ける地図上の補正前の座標値のデジタルデータと補正後の座標値のデジタルデータに基づいて算出した補正変換によって前記各区分三角形領域内に入るサンプルされなかった基準点の地図上の補正前の座標値のデジタルデータを補正変換し、その補正変換した座標値のデジタルデータと当該サンプルされなかった基準点の補正後の座標値のデジタルデータとの差異の比較を行い、前記仮定した比率を変更して前記差異が最も小さくなるときの仮定した比率を、前記異方性の比率として設定することを特徴とする、
    地図の座標補正方法。
  5. 請求項1に記載の地図の座標補正方法であって、
    前記比率設定工程は、
    前記区分三角形領域毎に、異方性の比率を与えるデジタルデータを決定する工程であることを特徴とする、
    地図の座標補正方法。
  6. デジタル化された地図を区分する各区分三角形領域の各頂点となる基準点の前記地図上での補正前の座標値デジタルデータと、正確な座標値である前記基準点の補正後の座標値デジタルデータとから、前記地図に固有の異方性の軸方向を与えるデジタルデータを定める軸設定手段と、
    各基準点の前記地図上での前記補正前の座標値デジタルデータ、前記各基準点の前記補正後の座標値デジタルデータ及び前記異方性の軸方向を与えるデジタルデータに基づいて、前記異方性の軸方向に於ける異方性の比率を与えるデジタルデータを得る比率設定手段と、
    前記地図を、前記異方性の軸方向を与えるデジタルデータと前記異方性の比率を与えるデジタルデータとに基づいて、各区分三角形領域を構成する3個の頂点を通り、前記異方性の軸方向をその軸とし、且つ前記異方性の比率をその楕円率とする外接楕円の内部に当該区分三角形領域を構成する前記3個の頂点以外の頂点が入らない様な複数の区分三角形領域に、区分する異方性の三角形分割手段と、
    前記複数の区分三角形領域の各々について、各頂点を成す前記各基準点の、前記地図上での前記補正前の座標値デジタルデータ及び前記補正後の座標値デジタルデータに基づいて当該区分三角形領域に適用する補正変換のデジタルデータを算出して、当該区分三角形領域内部の各座標点に対して前記補正変換を成すことによって前記各座標点の前記地図上での座標値デジタルデータを補正する変換手段とを備えることを特徴とする、
    地図の座標補正装置。
  7. 請求項6記載の地図の座標補正装置であって、
    前記軸設定手段によって定められる前記異方性の軸は、
    前記各基準点の前記地図上での前記補正前の座標値デジタルデータから、当該基準点の前記補正後の座標値デジタルデータへの変位を近似する2次元のひずみ場の主ひずみ方向である互いに直交する2軸であることを特徴とする、
    地図の座標補正装置。
  8. 請求項6又は7に記載の地図の座標補正装置であって、
    前記比率設定手段によって定められる前記異方性の比率は、
    前記異方性の軸方向の変位の区分一次近似に於ける誤差の、前記異方性の2軸に於ける和のデジタルデータが最小値となるときの前記異方性の2軸の双方の区分幅の比率であることを特徴とする、
    地図の座標補正装置。
  9. 請求項6に記載の地図の座標補正装置であって、
    評価手段を更に備えており、
    前記比率設定手段は、複数個の仮比率デジタルデータを設定すると共に、全基準点の内で一定割合の基準点をサンプル基準点として選択し、
    前記比率設定手段が前記複数個の仮比率のデジタルデータを順次に出力する毎に、前記異方性の三角形分割手段は、前記異方性の軸方向を与えるデジタルデータと前記比率設定手段が出力する仮比率のデータとに基づいて、前記地図を、3個のサンプル基準点をその頂点とする複数のサンプル区分三角形領域に区分し、
    前記比率設定手段が前記複数個の仮比率のデジタルデータを順次に出力する毎に、前記変換手段は、サンプル区分三角形領域毎に補正変換データを算出して、各サンプル区分三角形領域に含まれる、前記比率設定手段によってサンプル基準点として選択されなかった残りの各基準点である評価点に対して、対応する補正変換データを適用して当該評価点の補間補正を行い、
    前記比率設定手段が前記複数個の仮比率のデジタルデータを順次に出力する毎に、前記評価手段は、各評価点の測位によって得られた正確な補正後の座標値デジタルデータと、前記変換手段によって補間補正された当該評価点の補間補正座標値デジタルデータとの差異に基づいて評価値デジタルデータを算出して、当該評価値デジタルデータを前記比率設定手段に出力し、
    前記比率設定手段が前記複数個の仮比率デジタルデータの全てを出力した後に、前記比率設定手段は、前記複数個の仮比率デジタルデータの数だけ分の複数個の評価値デジタルデータの中から、最小値の評価値デジタルデータを選択し、選択された評価値デジタルデータを与える仮比率デジタルデータを、前記異方性の軸方向に於ける異方性の比率を与えるデジタルデータに設定することを特徴とする、
    地図の座標補正装置。
  10. 請求項6に記載の地図の座標補正装置であって、
    前記比率設定手段は、
    前記区分三角形領域毎に、異方性の比率を与えるデジタルデータを決定することを特徴とする、
    地図の座標補正装置。
  11. コンピュータに、
    デジタル化された地図を区分する各区分三角形領域の各頂点となる基準点の前記地図上での補正前の座標値デジタルデータと、正確な座標値である前記基準点の補正後の座標値デジタルデータとから、前記地図に固有の異方性の軸方向を与えるデジタルデータを定める軸設定処理と、
    各基準点の前記地図上での前記補正前の座標値デジタルデータ、前記各基準点の前記補正後の座標値デジタルデータ及び前記異方性の軸方向を与えるデジタルデータに基づいて、前記異方性の軸方向に於ける異方性の比率を与えるデジタルデータを得る比率設定処理と、
    前記地図を、前記異方性の軸方向を与えるデジタルデータと前記異方性の比率を与えるデジタルデータとに基づいて、各区分三角形領域を構成する3個の頂点を通り、前記異方性の軸方向をその軸とし、且つ前記異方性の比率をその楕円率とする外接楕円の内部に当該区分三角形領域を構成する前記3個の頂点以外の頂点が入らない様な複数の区分三角形領域に、区分する異方性の三角形分割処理と、
    前記複数の区分三角形領域の各々について、各頂点を成す前記各基準点の、前記地図上での前記補正前の座標値デジタルデータ及び前記補正後の座標値デジタルデータに基づいて当該区分三角形領域に適用する補正変換のデジタルデータを算出して、当該区分三角形領域内部の各座標点に対して前記補正変換を成すことによって前記各座標点の前記地図上での座標値デジタルデータを補正する変換処理とを行わせることを特徴とする、
    地図の座標補正プログラム。
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