<記録ヘッド>
図1〜図6に示した本発明の記録ヘッドの実施形態の一例であるサーマルヘッド10は、ヘッド基板20と、蓄熱層30と、電気抵抗層40と、導電層50と、測温回路60と、制御素子としての制御IC70と、保護層80と、外部接続部材90とを含んで構成されている。
ヘッド基板20は、蓄熱層30と、電気抵抗層40と、導電層50と、測温回路60と、制御IC70と、保護層80とを支持する機能を有するものである。このヘッド基板20は、平面視において主走査方向D1,D2に延びる矩形状に構成されている。ここで、「平面視」とは、厚み方向D5,D6におけるD6方向視のことをいう。このヘッド基板20を形成する材料としては、例えばセラミックスと、ガラスと、シリコンと、サファイアと、エポキシ系樹脂を含む絶縁樹脂とが挙げられる。これらの材料の中でも、印画の高密度化の観点からは、ガラスと、シリコンと、サファイアとが好ましい。また、このヘッド基板20の厚み方向D5,D6におけるD5方向側の上面には、蓄熱層30が全体に渡って設けられている。
蓄熱層30は、電気抵抗層40の後述する発熱部40aにおいて発生する熱の一部を一時的に蓄積する機能を有するものである。すなわち、蓄熱層30は、発熱部40aの温度を上昇させるのに要する時間を短くして、サーマルヘッド10の熱応答特性を高める役割を担うものである。この蓄熱層30は、基部30aと、突出部30bとを有している。
基部30aは、ヘッド基板20の上面全体に渡って略平坦状に設けられている。
突出部30bは、記録媒体を発熱部40a上に位置する保護層80に対して良好に押し当てるのに寄与する部位である。この突出部30bは、基部30aより厚み方向D5,D6におけるD5方向に突出している。また、この突出部30bは、主走査方向D1,D2に延びる帯状に構成されている。この突出部30bは、主走査方向D1,D2に直交する副走査方向D3,D4における断面形状が略半楕円状に構成されている。
電気抵抗層40は、電力供給によって発熱する発熱素子として機能する発熱部40aを有している。この電気抵抗層40は、単位長さ当たりの電気抵抗値が導電層50の単位長さ当たりの電気抵抗値に比べて大きくなるように構成されている。この電気抵抗層40を形成する材料としては、例えばTaN系材料と、TaSiO系材料と、TaSiNO系材料と、TiSiO系材料と、TiSiCO系材料と、NbSiO系材料とが挙げられる。ここで「〜を主とする材料」とは、主とする材料が全体に対して50質量%以上であるものをいい、例えば添加物を含んでいてもよい。この電気抵抗層40は、蓄熱層30上に設けられており、一部が突出部30b上に設けられている。本実施形態では、導電層50から電圧が印加される電気抵抗層40のうち導電層50が上に形成されていない部位が発熱部40aとして機能している。
発熱部40aは、電力供給により発熱する発熱素子として機能する部位である。この発熱部40aは、導電層50からの電力供給による発熱温度が例えば200℃以上550℃以下の範囲となるように構成されている。この発熱部40aは、蓄熱層30の突出部30b上に位置しており、主走査方向D1,D2に沿って略同一の離間距離で配列されている。また、この発熱部40aは、平面視において、各々が矩形状に構成されている。さらに、発熱部40aは、各々の主走査方向D1,D2に沿う幅が略同一の長さに構成されている。また、発熱部40aは、各々の副走査方向D3,D4に沿う長さも略同一の長さに構成されている。ここで、「略同一」とは、一般的な製造誤差範囲内のものが含まれ、例えば各部位の長さの平均値に対する誤差が10%以内の範囲が挙げられる。ここで、一つの発熱部40aの中心と該発熱部40aに隣接する他の発熱部40aの中心との離間距離の値としては、例えば5.2μm以上84.7μm以下の範囲が挙げられる。
導電層50は、配線パターンとして電気抵抗層40上に設けられている。また、この導電層50は、第1導電層51と、第2導電層52と、第3導電層53とを含んで構成されている。導電層50を主として形成する材料としては、例えばアルミニウム、金、銀、および銅のいずれか一種の金属、またはこれらの合金が挙げられる。
第1導電層51は、厚み方向D5,D6におけるD6方向側に位置する電気抵抗層40と併せて制御配線として機能している。この発熱部40aへの電力を供給するのに寄与している。この第1導電層51は、各々の一端部が個々の発熱部40aに電気的に独立に接続されており、各々の他端部が制御IC70に電気的に接続されている。本実施形態の第1導電層51は、接続されている制御IC70ごとに制御配線群51aを構成している。つまり、一つの制御配線群51aを構成する複数の第1導電層51は、一つの制御IC70に接続されている。
第2導電層52は、端部が複数の発熱部40aの他端部および外部接続部材90に電気的に接続されている。この第2導電層52は、第1導電層51と対となって発熱部40aに対して電力を供給するのに寄与するものである。本実施形態の第2導電層52は、外部接続部材90を介して電源に電気的に接続されている。
第3導電層53は、外部接続部材90に入力される電気信号を制御IC70に伝達する機能を担っている。この第3導電層53は、第1導電層51と離間して配置されている。また、この第3導電層53は、一端部が制御IC70に接続され、他端部が外部接続部材90に電気的に接続されている。
測温回路60は、発熱部40a近傍の温度を計るのに寄与している。この測温回路60は、測温素子61と、信号配線層62とを含んでいる。
測温素子61は、サーマルヘッド10の温度を測るのに寄与するものである。この測温素子61からは、サーマルヘッド10の温度情報を含む温度信号が出力される。このような測温素子61としては、例えばサーミスタ素子と、熱電対素子とが挙げられる。このサーミスタ素子および熱電対素子としては、チップ状のものに限られるものでなく、例えば当該素子として機能する部位を有する導電膜でもよい。本実施形態の測温素子61としては、チップ状のサーミスタ素子を採用している。つまり、本実施形態では、サーミスタ素子の温度変化による電気抵抗値の変化に起因して、当該サーミスタ素子を流れる電流が変化することを利用して測温信号としている。この測温素子61は、一つの制御配線群51aと、主走査方向D1,D2において当該一つの制御配線群51aに隣接する他の制御配線群51aとの間に位置し、かつ主走査方向D1,D2において隣接する制御IC70間に設けられている。
信号配線層62は、測温信号を伝送する機能を担っている。この信号配線層62は、一つの制御配線群51aと、主走査方向D1,D2において当該一つの制御配線群51aに隣接する他の制御配線群51aとの間に設けられている。この信号配線層62を形成する材料としては、例えばアルミニウム、金、銀、および銅のいずれか一種の金属、またはこれらの合金が挙げられ、ヘッド基板10よりも熱伝導率の大きいものが挙げられる。本実施形態の信号配線層62は、導電層50を形成する材料と同じ材料で形成されている。このように信号配線層62と導電層50とを同じ材料で形成すると、信号配線層62と導電層50とを同じ製造プロセスで形成することができる。このような製造方法としては、例えば蒸着法、CVD法、スパッタ法、およびフォトリソグラフィ技術を用いる種々の周知の製造方法が挙げられる。
本実施形態の信号配線層62は、素子載置領域621と、第1電気伝送領域622と、第2電気伝送領域623と、第1熱伝達領域624と、第2熱伝達領域625とを含んで構成されている。なお、図6において、これらの領域を1点鎖線で囲んで示している。
素子載置領域621は、厚み方向D5,D6におけるD5方向側に測温素子61を載置する領域である。この素子載置領域621は、一つの制御配線群51aと、主走査方向D1,D2において当該一つの制御配線群51aに隣接する他の制御配線群51aとの間に位置し、かつ主走査方向D1,D2において隣接する制御IC70間に設けられている。この素子載置領域621は、他の領域、つまり第1電気伝送領域622と、第2電気伝送領域623と、第1熱伝達領域624と、第2熱伝達領域625とに囲まれている。つまり、この素子載置領域621は、第1熱伝達領域624および第2熱伝達領域625が周囲に配置されている。また、この素子載置領域621は、第1熱伝達領域624および第2熱伝達領域625との間に第1離間部62aが設けられている。この第1離間部62aの離間距離としては、30μm以上70μm以下の範囲が挙げられる。本実施形態の測温素子61は、素子載置領域621にハンダを介して電気的かつ機械的に接続されている。このハンダとしては、例えばSuAgCuなどの鉛フリーハンダが挙げられる。
第1電気伝送領域622は、測温素子61に電圧を印加するのに寄与している。本実施形態の第1電気伝送領域622は、外部接続部材90を介して電源に電気的に接続されている。
第2電気伝送領域623は、測温信号を出力する機能を担っている。また、第2電気伝送領域623は、測温素子61を基準電位点に電気的に接続する機能を担っている。本実施形態の第2電気伝送領域623は、外部接続部材90を介して電源に電気的に接続されている。
第1熱伝達領域624は、発熱部40aの発する熱の測温素子61への伝達を高める機能を主として担っている。この第1熱伝達領域624は、主走査方向D1,D2において隣接している制御配線群51a間に設けられており、素子載置領域621から副走査方向D3,D4におけるD3方向(複数の発熱部40a側)に向かって延びている。
この第1熱伝達領域624は、主走査方向D1,D2における両端624aが隣接している制御配線群51aの主走査方向における両端に沿って延びている。そのため、第1熱伝達領域624は、第1導電層51を介した発熱部40aの発する熱の伝達を高めることができる。したがって、サーマルヘッド10では、発熱部40a近傍の温度をより良好に計ることができる。
また、この第1熱伝達領域624は、載置領域側(副走査方向D3,D4におけるD4方向側)に、複数の発熱部40aから離間している側、つまり副走査方向D3,D4におけるD4方向側に向かうにつれて主走査方向D1,D2に沿った幅が狭くなっている幅狭部624bを有している。そのため、この第1熱伝達領域624では、当該第1熱伝達領域624に伝達した熱が周囲に拡散するのを低減することができる。したがって、サーマルヘッド10は、第1熱伝達領域624を介して発熱部40aの発する熱を測温素子61により良好に伝達することができ、発熱部40a近傍の温度を良好に計ることができる。なお、図6において、この幅狭部624bを二点鎖線で囲んで示している。
第2熱伝達領域625は、測温素子61の周囲の熱分布の均一化を図る機能を担っている。つまり、この第2熱伝達領域625は、他の領域、つまり第1電気伝送領域622、第2電気伝送領域623、および第1熱伝達領域624と合わせて素子載置領域621の周囲を囲むことによって、測温素子61の温度に分布が生じるのを低減するのに寄与している。
本実施形態の信号配線層62は、主走査方向D1,D2における中央部に、副走査方向D3,D4に沿って延びている第2離間部62bを有している。つまり、この第2離間部62bは、第1熱伝達領域624および第2熱伝達領域625の主走査方向D1,D2における中央部に設けられている。そのため、この信号配線層62では、素子載置領域621に測温素子61を載置した際に、第1電気伝送領域622と第2電気伝送領域623とが短絡するのを低減することができる。
また、本実施形態の信号配線層62は、素子載置領域621を囲んでいる領域(第1熱伝達領域624および第2熱伝達領域625)に、第1離間部62aに沿って延びている複数の第3離間部62cを有している。つまり、この第3離間部62cは、第3離間部62cの間に位置している部位が素子載置領域621を囲むように延びて設けられている。そのため、この信号配線層62では、測温素子61の熱の均一性を高めることができる。加えて、この第3離間部62cは、測温素子61を載置した際に、所望の位置からのズレ量を測るメモリとしても機能させることができる。この第3離間部62cの離間距離としては、30μm以上70μm以下の範囲が挙げられる。また、この第3離間部62c間に位置する第1熱伝達領域624の幅としては、30μm以上70μm以下の範囲が挙げられる。
制御IC70は、複数の発熱部40aの発熱を選択的に制御する機能を有するものである。この制御IC70は、副走査方向D3,D4において、発熱部40aと離間して配されている。この制御IC70は、複数の第1導電層51の他端部と、第3導電層53の一端部とに接続されている。このような構成とすることにより、制御IC70は、第3導電層53を介して入力される駆動信号に基づいて発熱部40aに供給される電力を選択的に制御して、発熱を制御することができる。なお、制御IC70は、図3および図4において省略している。
保護層80は、発熱部40aを保護する機能を有するものである。この保護層80は、第1保護層81と、第2保護層82と、第3保護層83とを含んで構成されている。なお、保護層80は、図4において省略している。
第1保護層81は、発熱部40aと、導電層50の第1導電層51および第2導電層52の一部と、信号配線層62とを覆うように設けられている。第1保護層81を主として形成する材料としては、例えばダイヤモンドライクカーボン材料と、SiC系材料と、SiN系材料と、SiCN系材料と、SiON系材料と、SiONC系材料と、SiAlON系材料と、SiO2系材料と、Ta2O5系材料と、TaSiO系材料と、TiC系材料と、TiN系材料と、TiO2系材料と、TiB2系材料と、AlC系材料と、AlN系材料と、Al2O3系材料と、ZnO系材料と、B4C系材料と、BN系材料とが挙げられる。ここで「ダイヤモンドライクカーボン材料」とは、sp3混成軌道をとる炭素原子(C原子)の割合が1原子%以上100原子%未満の範囲である膜をいう。また、ここで「〜系材料」とは、SiC系材料を例に挙げると、Si原子と、C原子とからなる材料であって、化学量論的組成を有する材料は勿論のこと、異なる組成比率を有する材料であってもよい。また、「〜系材料を主とする材料」とは、主とする材料が全体に対して50質量%以上であるものをいい、例えば添加物を含んでいてもよい。
第2保護層82は、導電層50の第1導電層51の一部、第2導電層52の一部、第3導電層53の一部、および信号配線層62の一部を保護する機能を有するものであり、第1導電層51の一部、第2導電層52の一部、第3導電層53の一部、および信号配線層62の一部を覆っている。第2保護層82を形成する材料としては、例えばエポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、およびフッ素系樹脂などの熱硬化型または紫外線硬化型などの樹脂が挙げられる。本実施形態における第2保護層82は、第1保護層81の形成後に、第1導電層51、第2導電層52、第3導電層53、および信号配線層62の各々の上に流動性を有する第2保護層82の前駆体を塗布し、当該前駆体を硬化することによって形成されている。この前駆体としては、例えば有機溶媒を用いて上述の樹脂材料を希釈したものが挙げられる。この第2保護層82は、第1導電層51および第2導電層52の副走査方向D3,D4におけるD4方向側の端部を含む領域を覆っておらず、第1導電層51および第2導電層52の当該端部は、第2保護層82から露出している。また、この第2保護層82は、第3導電層53の両端部を含む領域を覆っておらず、第3導電層53の当該両端部は、第2保護層82から露出している。さらに、この第2保護層82は、信号配線層62の素子載置領域621および当該素子載置領域621の近傍を覆っておらず、信号配線層62の当該領域は、第2保護層82から露出している。
第3保護層83は、第1導電層51と、第3導電層53と、信号配線層62の一部と、制御IC70とを保護する機能を有するものであり、第1導電層51と、第3導電層53と、信号配線層62の一部と、制御IC70とを覆うように構成されている。第3保護層83を形成する材料としては、例えばエポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、およびフッ素系樹脂などの熱硬化型または紫外線硬化型などの樹脂が挙げられる。本実施形態における第3保護層83は、第2保護層82の形成後に、第1導電層51、第3導電層53、信号配線層62、および制御IC70の各々の上に流動性を有する第3保護層83の前駆体を塗布し、当該前駆体を硬化することによって形成されている。この前駆体としては、例えば有機溶媒を用いて上述の樹脂材料を希釈したものが挙げられる。なお、第3保護層83は、図3において省略している。
外部接続用部材90は、発熱部40aを駆動するための電気信号を供給する機能を有するものである。外部接続用部材90は、第3導電層53を介して制御IC70に電気的に接続されている。この外部接続用部材90としては、例えばフレキシブルケーブルおよびコネクタの組み合わせが挙げられる。
サーマルヘッド10は、ヘッド基板10、ヘッド基板10上に主走査方向D1,D2に沿って配列されている複数の発熱部40a、発熱部40aの発熱を制御する複数の制御IC70、ヘッド基板10上に設けられている、複数の発熱部40aと複数の制御IC70とを電気的に接続している複数の第1導電層51、ヘッド基板10の温度を測る測温素子61、およびヘッド基板10上に設けられている、測温素子61の測温信号を伝送する信号配線層62を備えており、複数の第1導電層51は、接続されている制御IC70ごとに制御配線群51aを構成しており、信号配線層62は、主走査方向D1,D2において隣接している制御配線群51aの間に設けられており、測温素子61を載置する素子載置領域621と、該素子載置領域621から複数の発熱部40aに向かって延びている第1熱伝達領域624とを有している。そのため、サーマルヘッド10は、第1熱伝達領域624を介して発熱部40aの発する熱を測温素子61に良好に伝達することができる。したがって、サーマルヘッド10では、発熱部40a近傍の温度を良好に計ることができる。
サーマルヘッド10において、第1熱伝達領域624は、主走査方向D1,D2における両端が隣接する制御配線群51aの主走査方向D1,D2における端に沿って延びているので、第1熱伝達領域624に第1導電層51を介して発熱部40aの発する熱を伝達することができる。したがって、サーマルヘッド10では、発熱部40a近傍の温度をより良好に計ることができる。
サーマルヘッド10において、第1熱伝達領域624は、素子載置領域621側に、複数の発熱部40aから離間するにつれて主走査方向D1,D2に沿った幅が狭くなっている幅狭部624bを有しているので、第1熱伝達領域624に伝達した熱が拡散するのを低減することができる。そのため、サーマルヘッド10は、第1熱伝達領域624を介して発熱部40aの発する熱を測温素子61へ良好に伝達することができ、発熱部40a近傍の温度をより正確に計ることができる。
サーマルヘッド10において、測温素子61は、素子載置領域621にハンダを介して載置されており、信号配線層62は、素子載置領域621の周囲に当該素子載置領域621に沿って延びている第1離間部62aを有しているので、ハンダが周囲に拡がるのを低減することができる。そのため、サーマルヘッド10では、素子載置領域621に測温素子61を良好に載置することができる。
サーマルヘッド10において、信号配線層62は、素子載置領域621の周囲に第1熱伝達領域624および第2熱伝達領域625が配置されているので、測温素子61の温度に分布が生じるのを低減することができる。したがって、サーマルヘッド10では、発熱部40a近傍の温度をより良好に計ることができる。
<記録装置>
図7に示した本発明の記録媒体の実施形態の一例であるサーマルプリンタ1は、サーマルヘッド10と、搬送機構11と、制御機構12とを有している。
搬送機構11は、副走査方向D3,D4におけるD3方向に記録媒体Pを搬送しつつ、該記録媒体Pをサーマルヘッド10の発熱部40a上に位置する保護層80に接触させる機能を有するものである。この搬送機構11は、プラテンローラ111と、搬送ローラ112,113,114,115とを含んで構成されている。
プラテンローラ111は、記録媒体Pを発熱部40a側に押し付ける機能を有するものである。このプラテンローラ111は、発熱部40a上に位置する保護層80に接触した状態で回転可能に支持されている。このプラテンローラ111は、円柱状の基体の外表面を弾性部材により被覆した構成を有している。この基体は、例えばステンレスなどの金属により形成されており、この弾性部材は、例えば厚みの寸法が3mm以上15mm以下の範囲のブタジエンゴムにより形成されている。
搬送ローラ112,113,114,115は、記録媒体Pを搬送する機能を有するものである。すなわち、搬送ローラ112,113,114,115は、サーマルヘッド10の発熱部40aとプラテンローラ111との間に記録媒体Pを供給するとともに、サーマルヘッド10の発熱部40aとプラテンローラ111との間から記録媒体Pを引き抜く役割を担うものである。これらの搬送ローラ112,113,114,115は、例えば金属製の円柱状部材により形成してもよいし、例えばプラテンローラ111と同様に円柱状の基体の外表面を弾性部材により被覆した構成であってもよい。
駆動手段12は、制御IC70に画像情報を供給する機能を有するものである。つまり、駆動手段12は、外部接続用部材90を介して、発熱部40aを選択的に駆動する電気信号を制御IC70に供給する役割を担うものである。
サーマルプリンタ1は、サーマルヘッド10を備えている。そのため、サーマルプリンタ1は、サーマルヘッド10の有する効果を享受することができるのである。つまり、サーマルプリンタ1は、発熱部40a近傍の温度を良好に計ることによって、良好な画像を形成することができる。
以上、本発明の具体的な実施形態を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の要旨から逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
本実施形態では、記録ヘッドの一例としてサーマルヘッド10を記載したが、本発明はサーマルヘッドに限るものでない。本発明の構成を例えば発熱部による熱によって液体を突出させるインクジェットヘッド、または駆動にともなってLED素子が熱を発するLEDヘッドに採用した場合でも、同様の効果を奏することができる。
本実施形態における発熱部40aは、第1導電層51に個別に接続されているが、細隙を介して隔てられた複数の発熱部40aが一つの第1導電層51に接続されていてもよい。
本実施形態の第1導電層51は、厚み方向D5,D6におけるD6方向側に位置する電気抵抗層40と併せて制御配線として機能しているが、このような構成に限るものでなく、例えば第1導電層51のみを制御配線として機能させていてもよい。
本実施形態の第2導電層52には、3つ以上の発熱部40aが接続されているが、このような構造に限るものでなく、例えば第2導電層52が2つの発熱部40aに接続されるように構成されていてもよい。
本実施形態の信号配線層62は、第1離間部62aを介して素子載置領域621、第1電気伝送領域622、および第2電気伝送領域623と、第1熱伝達領域624および第2熱伝達領域625とが離間しているが、このような構成に限るものではなく、例えば図8に示したように第1離間部を有さず、一体的に形成されている構成であってもよい。
本実施形態の信号配線層62は、第2離間部62bを介して第1熱伝達領域624および第2熱伝達領域625のそれぞれが2つに離間しているが、このような構成に限るものではなく、例えば図9に示したように第2離間部を有さず、一体的に形成されている構成であってもよい。
本実施形態の信号配線層62は、第3離間部62cを介して第1熱伝達領域624および第2熱伝達領域625のそれぞれが複数に離間しているが、このような構成に限るものではなく、例えば図10に示したように第3離間部を有さず、一体的に形成されている構成であってもよい。
本実施形態の信号配線層62は、幅狭部624bを有しているが、このような構成に限るものではなく、例えば図11に示したように幅狭部を有さない構成であってもよい。
本実施形態の制御IC70は、電流制御によって測温素子61の電気抵抗値変化を計っているが、このような構成に限るものでなく、電圧制御によって測温素子61の電気抵抗値変化を計ってもよい。
本実施形態の測温信号は、外部接続部材90を介して出力されているが、このような構成に限るものではない。例えば、図12に示したように第2電気伝送領域623が制御IC70に接続されていてもよい。制御IC70が信号配線層62の第1電気伝送領域622を介して測温素子61に略同一の大きさの電圧を印加するとともに、第2電気伝送領域623を介して入力される測温信号(測温素子61の抵抗値に依存する電流)の変化から測温素子61の温度変化の大きさを計る機能を有している場合、計った測温素子61の温度変化の大きさを用いて発熱部40aに供給する電力を制御することができる。このような構成の制御IC70は、測温信号から発熱部40aに供給する電力を制御に反映する際に、電流信号である測温信号を電圧信号である駆動信号に変換する機能を有している。この測温信号を駆動信号に変換する変換器71としては、例えば抵抗器71aと、オペアンプ71bとを含んでおり、電流検出回路を構成されているものが挙げられる。この抵抗器71aは、測温素子61としてのサーミスタ素子に電気的に直列に接続されている。また、このオペアンプ71bは、抵抗器71aの両端に2つの入力端子Vin(+),Vin(−)が接続されている。このオペアンプ71bからは、入力端子Vin(+)に入力された電圧から入力端子Vin(−)に入力された電圧を引いた値にオペアンプ固有の利得を乗じた大きさの電圧が出力端子Voutから出力され、抵抗器71aを流れる温度信号としての電流が制御信号としての電圧に変換される。
本実施形態の制御IC70は、ヘッド基板10上に設けられているが、このような構成に限ぎるものでなく、例えば外部接続部材90上に設けられていてもよい。