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JP5255490B2 - ファン用ケーシング - Google Patents
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JP5255490B2 - ファン用ケーシング - Google Patents

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Description

本発明は、回転駆動される羽根車を収容するケーシング本体が、羽根車の回転軸心方向に沿って気体を吸い込む吸込口を有する前壁と、その前壁に対向配置された後壁と、前記前壁と前記後壁とを結んで収容された前記羽根車の外周との間に前記羽根車の回転方向の一部に開口する吹出口に向けて気体を流動させる流動流路を形成させる周回内壁とを備え、前記周回内壁は、前記羽根車の外周との距離が最小となる舌部を周回始端とし且つ前記流動流路に連続して前記吹出口への吹出流路を形成する吹出流路壁に連続する連続部分を周回終端として、前記流動流路の流路幅を前記周回始端から前記周回終端に向かって順次拡大させているファン用ケーシングに関する。
上記のようなファン用ケーシングを備えたファンは、吸込口から羽根車の回転軸心方向に沿って気体(例えば空気)を吸い込み、その吸い込んだ気体を羽根車の内部から外周に向けて遠心方向に流出させ、その流出された空気を吹出口から吹き出す遠心式ファンとして構成されている。
ケーシング本体では、吸込口から羽根車の回転軸心方向に沿って気体を吸い込むが、高静圧になると流動流路内の圧力が高まり、羽根車と前壁との隙間から吸込口側に気体が漏れ出し、吸込口を通して外側に気体が逆流する虞がある。
そこで、従来のファン用ケーシングでは、吸込口と周回内壁との間において前壁の内壁から内側に突設された凸部が設けられており、この凸部が、円形状の吸込口の全周に亘って環状に配設されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載のファン用ケーシングでは、流動流路内の圧力が高まっても、吸込口側への気体の流れを凸部によって堰き止めることができ、吸込口を通して外側に気体が逆流するのを防止できる。
特開2004−68644号公報
上記特許文献1に記載のファン用ケーシングでは、凸部が円形状の吸込口の全周に亘って配設されているので、吸込口と凸部との間を流動する空気は凸部により羽根車の径方向外側に流動されるのが阻害される。これにより、吸込口と凸部との間を流動する空気は、円形状の吸込口の全周を流動し続けて吹出口の方へ導かれ難い。よって、吸込口から吸い込んだ空気の流量に対して吹出口に導ける空気の流量が低下することになり、目標流量の気体を吹出口から吹き出すときに、モータの消費電力が増大することになる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸込口への気体の逆流を防止しながら、吸込口から吸い込んだ空気を効果的に吹出口に導くことができるファン用ケーシングを提供する点にある。
この目的を達成するために、本発明に係るファン用ケーシングの特徴構成は、回転駆動される羽根車を収容するケーシング本体が、羽根車の回転軸心方向に沿って気体を吸い込む吸込口を有する前壁と、その前壁に対向配置された後壁と、前記前壁と前記後壁とを結んで収容された前記羽根車の外周との間に前記羽根車の回転方向の一部に開口する吹出口に向けて気体を流動させる流動流路を形成させる周回内壁とを備え、前記周回内壁は、前記羽根車の外周との距離が最小となる舌部を周回始端とし且つ前記流動流路に連続して前記吹出口への吹出流路を形成する吹出流路壁に連続する連続部分を周回終端として、前記流動流路の流路幅を前記周回始端から前記周回終端に向かって順次拡大させているファン用ケーシングにおいて、
前記吸込口と前記周回内壁との間において前記前壁の内壁から内側に凸部が突設され、前記凸部は、前記羽根車の回転方向に向かって前記舌部を通る円形状の前記吸込口の接線よりも前記羽根車の回転方向の下流側を突出始端とし、且つ、前記吸込口と前記凸部との間を流動する気体が前記吹出口に向けて流動するのを許容する許容位置を突出終端として、前記突出始端から前記突出終端まで前記羽根車の回転方向に延設され
前記凸部の突出始端が、前記羽根車の回転方向で前記舌部よりも下流側位置に設けられている点にある。
上記特徴構成によれば、流動流路内の圧力が高まっても、吸込口と周回内壁との間に設けられた凸部にて吸込口側への気体の流れを堰き止めすることができるが、凸部は、突出始端から突出終端まで延設されており、吸込口の全周に亘って設けられていない。そして、凸部は、舌部を通る円形状の吸込口の接線よりも羽根車の回転方向の下流側を突出始端とすることで、流動流路内の圧力が高くなる舌部付近には、凸部を存在させなくできる。これにより、凸部が存在することにより更に流動流路内の圧力が高くなり、吸込口への逆流が生じ易くなるのを防止できる。また、凸部は、吸込口と凸部との間を流動する気体が吹出口に向けて流動するのを許容する許容位置を突出終端としているので、吸込口と凸部との間を流動する気体が吹出口に向けて流動するのが凸部により阻害されず、その気体を適正に吹出口に向けて流動させることができる。
以上より、吸込口への気体の逆流を防止しながら、吸込口から吸い込んだ空気を効果的に吹出口に導くことができ、目標流量の気体を吹出口から吹き出すときのモータの消費電力の低減を図ることができるファン用ケーシングを実現することができる。
更に、凸部の突出始端が、羽根車の回転方向で舌部よりも下流側位置に設けられているので、空気をより効果的に吹出口へ導くことができる。
本発明に係るファン用ケーシングの更なる特徴構成は、前記凸部の突出始端は、前記接線よりも前記羽根車の回転方向の下流側で、且つ、前記周回内壁の周回終端と前記吸込口の中心とを結ぶ直線と前記凸部の突出始端と前記吸込口の中心とを結ぶ直線とが成す角度のうち、前記両直線の間に前記吹出口が含まれる側の前記両直線が成す角度が90度以内となる位置に配設されている点にある。
上記特徴構成によれば、流動流路内の圧力が高くなる舌部付近の全体に亘って凸部を存在させなくすることができる。よって、凸部が存在することにより更に流動流路内の圧力が高くなり、吸込口への逆流が生じることを的確に防止することができる。しかも、吸込口と凸部との間では気体が吹出口に向けて流動する流れが生じており、突出始端での圧力を舌部付近の圧力よりも低くすることができ、この圧力差によって舌部付近の気体を吸込口と凸部との間に流動させることができるので、この点からも舌部付近での吸込口への逆流を防止できる。このように吸込口への逆流を防止することにより、吸込口へ逆流する際に羽根車の外周等との衝突により発生する騒音の発生をも的確に防止することができる。
本発明に係るファン用ケーシングの更なる特徴構成は、前記凸部の突出終端は、前記周回内壁の周回終端を前記許容位置として配設されている点にある。
上記特徴構成によれば、周回内壁の周回終端は、流動流路の終端であるので、凸部の突出終端を周回内壁の周回終端とすることにより、流動流路内の圧力が高くなることによる吸込口への逆流を凸部にて効果的に防止しながら、吹出流路には凸部を存在させなくすることができる。これにより、吸込口への逆流を効果的に防止しながら、吸込口と凸部との間を流動する気体を吹出流路に導いて吹出口に向けて的確に流動させることができる。
本発明に係るファン用ケーシングの更なる特徴構成は、前記吸込口と前記凸部との間の距離は、前記凸部の突出終端側の方が突出始端側よりも大きく構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、吸込口と凸部との間の流路では、突出終端側の方が突出始端側よりも圧力が低くなるので、その圧力差を利用して吸込口と凸部との間における気体を吹出口に向けて的確に流動させることができる。
尚、本発明に係るファン用ケーシングは、
前記ケーシング本体には、前記前壁の外側において前記羽根車の回転方向の一部に開口する吸気開口部を通して吸気された気体を前記羽根車の回転方向と同方向に周回させて前記吸込口に向けて流動させる周回流路と、前記周回流路の終端部に配設されて前記周回流路にて流動された気体を前記吸込口へ導入させる導入部とが備えられ、
前記周回流路が、前記前壁から前方側に立設された周回流路壁の間に形成されて、前記羽根車の回転軸心方向において前記前壁から離れる側が開放されていると共に、
前記導入部が、前記周回流路に沿って前記吸込口に到達した気体に前記羽根車の回転軸心方向に沿う力を付与して当該気体を前記吸込口へ導入させる構成を、好適に採用可能である。
前方側から見たケーシング本体の斜視図 後方側から見たケーシング本体の斜視図 羽根車の回転軸心方向に沿って縦断したケーシング本体の断面図 前方側から見たケーシング本体を示す図 後壁を取り外した状態での後方側から見たケーシング本体を示す図 後壁及び羽根車を取り外した状態での後方側から見たケーシング本体を示す図 吹出口が開口する方向から見たケーシング本体の側面図 前方側から見たケーシング本体の斜視図 後方側から見たケーシング本体の斜視図 後壁及び羽根車を取り外した状態での後方側から見たケーシング本体を示す図 後壁及び羽根車を取り外した状態での後方側から見たケーシング本体を示す図
本発明に係るファン用ケーシングを備えたファンの実施形態を図面に基づいて説明する。
このファン1は、図1〜図6に示すように、モータ(図示省略)にて回転駆動される羽根車2と、吸込口3及び吹出口4が形成されて羽根車2を収容するケーシング本体5とを備えて構成されている。吸込口3は、羽根車2の回転軸心方向X(以下、単に、回転軸心方向Xと略称する)に沿って開口しており、吹出口4は、羽根車2の回転方向Y(以下、単に、回転方向Yと略称する)の一部に開口している。羽根車2は、周部に複数の羽根2aを並べて備えるとともに、回転軸心方向Xの一方端が開口された吸込部とし且つ他方端が閉塞された底板としている。そして、羽根車2は、吸込部がケーシング本体5の前壁8に対向し、且つ、底板がケーシング本体5の後壁13に対向する配置にて収容空間に収容されている。これにより、吸込口3から吸い込んだ空気を羽根車2の吸込部を通して羽根車2の内部に取り込み、羽根車2の回転駆動及び底板により各羽根2aによって羽根車2の内部の空気が遠心方向に流出される構成となっている。
ファン1は、吸込口3から回転軸心方向Xに沿って空気(気体)を吸い込み、その吸い込んだ空気を羽根車2の内部から外周に向けて遠心方向に流出させ、その流出された空気を吹出口4から吹き出す遠心式ファンとして構成されている。例えば、このようなファン1は、換気扇用のファンとして用いられている。
本発明に係るファン用ケーシングは、直方体に形成されたケーシング本体5にて構成されており、ケーシング本体5は、吸込口3にて空気を吸い込むための吸気構造を形成する吸気側形成部6と吸込口3にて吸い込んだ空気を吹出口4から吹き出すための吹出構造を形成する吹出側形成部7とを備えている。ケーシング本体5は、回転軸心方向Xにおいて、吸気口4が形成された前壁8を基準として、前壁8よりも前方側(図1〜3中左側)に吸込側形成部6が形成されており、前壁8よりも後方側(図1〜3中右側)に吹出側形成部7が形成されている。
図1は、主に吸込側形成部6を表しており、吸込口3の前方側から見たケーシング本体5の分解斜視図を示しており、図2は、主に吹出側形成部7を表しており、吸込口3の後方側から見たケーシング本体5の分解斜視図を示している。図3は、回転軸心方向Xに沿ってケーシング本体5を縦断したときの側方から見たケーシング本体5の断面図を示している。図4は、吸込口3の前方側から見たケーシング本体5を示す図であり、図5は、後壁13を取り外した状態での吸込口3の後方側から見たケーシング本体5を示す図であり、図6は、後壁13及び羽根車2を取り外した状態での吸込口3の後方側から見たケーシング本体5を示す図である。
〔吸込側形成部〕
吸込側形成部6は、前壁8の外壁から外側(前方側)に一体的に形成されている。吸込側形成部6によって、空気を吸気する吸気開口部9と、吸気開口部9にて吸気された空気を吸込口3に向けて流動させる周回流路10と、周回流路10にて流動された空気を吸込口3へ導入させる導入部11とが形成されている。
吸気開口部9は、前壁8の外側において回転方向Yの一部(図4中左側)に開口しており、羽根車2の径方向において吸込口3よりも外側に配設されている。
周回流路10は、吸気開口部9を通して吸気された空気を回転方向Yと同方向に周回させて吸込口3に向けて流動させる渦巻き状に形成されている。そして、周回流路10は、基本的には、吸込口3に接近する形状となっており、吸込口3に接近する側ほど流路幅が狭く構成されている。周回流路10は、前壁8から外側(前方側)に立設された周回流路壁12の間に形成されており、回転軸心方向Xにおいて前壁8から離れる側が開放されている。これにより、周回流路10の途中でも回転軸心方向Xに沿って空気を吸気可能として、より多量の空気を吸込口3に流動させることができる。
導入部11は、周回流路10の終端部に配設されており、周回流路10にて流動された空気を吸込口3へ導入させる。導入部11は、周回流路10を形成する一対の周回流路壁12のうち、吸込口3の径方向外側に位置する周回流路壁12に連続して吸込口3の開口端部から内方側に延設された壁状に形成されており、その先端部は吸込口3の中心付近まで延設されている。導入部11は、その先端部側から基端部側に向けて回転方向Yに沿う湾曲形状に形成されている。これにより、導入部11は、周回流路10にて流動された空気に対して回転軸心方向Xに沿う力を付与して吸込口3側に積極的に導入させて、周回流路10にて流動された空気を吸込口3へ導入させている。
このように、吸気開口部9、周回流路10、及び、導入部11を備えることにより、吸気開口部9を通して吸気した空気を周回流路10に沿って流動させ、回転方向Yにおける空気の流速を高めて吸込口3に流動させることができる。そして、周回流路10にて流動された空気は、導入部11によって回転軸心方向Xに沿う力が付与されて吸込口3側へ積極的に流動されるので、吸込口3での空気の吸込量をより多くしながら、流速が高められた空気を吸込口3に押し込むことができる。これにより、同じ空気の流量を吹出口4から吹き出す場合に、羽根車2の回転速度を高回転速度にしなくても、より多くの空気を吸込口3に押し込む力を高めて吸い込むことができ、モータの消費電力の低減を図ることができる。その結果、例えば、高静圧(例えば200〜300Pa)で且つ高流量(例えば100m3/h)を実現できるファン1を構成することができる。
〔吹出側形成部〕
吹出側形成部7は、前壁8と対向配置される後壁13と、前壁8と後壁13とを結んでケーシング本体5に収容された羽根車2の外周との間に吹出口4に向けて空気を流動させる流動流路14を形成させる周回内壁15とを備えている。
後壁13は、前壁8とは別体で板状に形成されており、前壁8と後壁13とを対向配置させてその間に羽根車2を収容させる収容空間が形成されている。収容空間に収容される羽根車2は、羽根車2の回転軸心と吸込口3の中心とが一致されており、吸込口3のベルマウス部19と設定距離(例えば2mm)だけ離間させて配置されている。
周回内壁15は、前壁8の内側(後方側)に一体的に形成された直線状の起立壁にて構成されており、収容空間に収容された羽根車2の外周を取り囲み羽根車2の外周との間に流動流路14を形成している。周回内壁15は、図5に示すように、流動流路14の流路幅を周回始端S1から周回終端S2に向かって順次拡大させる拡大曲線(例えばインボリュート曲線)を描く形状に形成されている。そして、周回内壁15は、羽根車2の外周との距離が最小となる舌部16を周回始端S1とし、且つ、流動流路14に連続して吹出口4への吹出流路17を形成する吹出流路壁18に連続する連続部分Rを周回終端S2としている。
〔凸部〕
次に、本実施形態の特徴構成である凸部20の構成について、図3及び図6基づいて説明する。このファン1では、前壁8の内壁が平坦状に形成されているが、図3及び図6に示すように、吸込口3と周回内壁15との間において前壁8の内壁から内側(図3中右側)に凸部20が突設されている。
凸部20は、突出始端T1から突出終端T2まで回転方向Yに延設されており、回転方向Yの全周に亘って配設されておらず、回転方向Yの一部が開放されている。そして、凸部20は、回転方向Yに向かって舌部16を通る円形状の吸込口3の接線L1よりも回転方向Yの下流側を突出始端T1とし、且つ、吸込口3と凸部20との間を流動する空気が吹出口4に向けて流動するのを許容する許容位置を突出終端T2としている。凸部20の突出始端T1は、接線L1よりも回転方向Yの下流側で、且つ、周回内壁15の周回終端S2と吸込口3の中心Pとを結ぶ直線L2と凸部20の突出始端T1と吸込口3の中心Pとを結ぶ直線L3とが成す角度αが0度以上90度以下となる位置に配設されている。凸部20の突出終端T2は、周回内壁15の周回終端S2を許容位置として配設されている。また、凸部20は、突出始端T1から突出終端T2に向けて羽根車2の径方向外側に位置する拡大曲線(例えばインボリュート曲線)を描く形状に形成されている。これにより、吸込口3と凸部20との間の距離(羽根車2の径方向での距離)は、凸部20の突出終端T2側の方が突出始端T1側よりも大きく構成されている。
このような凸部20を設けることにより、流動流路14の圧力が高くなっても、吸込口3への逆流を防止しながら、吸込口3と凸部20との間を流動する空気を吹出流路17に積極的に流動させることができ、その空気を吹出流路17を通して吹出口4に向けて流動させることができる。しかも、舌部16及びそれよりも回転方向Yの上流側に隣接する領域では、凸部20が存在しないので、凸部20が存在することにより更に流動流路14の圧力が高くなるのを防止して吸込口3への逆流が生じ易くなるのを防止できる。さらに、吸込口3と凸部20との間の距離(羽根車2の径方向での距離)は、凸部20の突出終端T2側の方が突出始端T1側よりも大きいので、吸込口3と凸部20との間を流動する空気だけでなく、突出始端T1に隣接する舌部16及びそれよりも回転方向Yの上流側に隣接する領域に流出された空気をも、圧力差を利用して吸込口3と凸部20との間を通して凸部20の突出終端T2側に積極的に流動させることができる。よって、舌部16及びそれよりも回転方向Yの上流側に隣接する領域での吸込口3への逆流を効果的に防止しながら、吸込口3と凸部20との間を流動する空気を吹出口4に向けて流動させることができる。
〔吹出流路〕
このファン1では、図5に示すように、吹出流路17が、流動流路14に連続して形成されており、流動流路14の終端部から吹出口4に向かう直線状に形成されている。そして、吹出流路17は、羽根車2の外周と吹出流路壁18との間に連続して、舌部16から吹出口4に向けて連接された連接壁21と吹出流路壁18との間に形成されている。
図7に示すように、吹出流路壁18は、周回内壁15に連続して形成されており、周回内壁15と同様に直線状の起立壁にて構成されている。それに対して、舌部16において吹出流路壁18と対向する対向部分16aが、回転軸心方向Xにおいて前壁8から離間する側(図6中下側)の方が前壁8に接近する側よりも吹出流路壁18に対して離れる傾斜状に形成されている。図7は、吹出口4が開口する方向からケーシング本体5の内方側を見たときのケーシング本体5の側面部を示している。これにより、吹出流路17において舌部16と吹出流路壁18とが対向する流路部分は、回転軸心方向Xにおいて前壁8から離間する側の方が前壁8に接近する側よりも流路幅が大きく構成されている。また、図5及び図6に示すように、連接壁21は、吹出口4に接近する側ほど吹出流路壁18との間の距離が大きくなる傾斜状に形成されている。
このような吹出流路17を備えることにより、回転軸心方向Xにおいて前壁8に接近する側よりも離れる側に多量の空気が流動されても、その空気の流量差に応じた吹出流路17の流路幅とすることができ、圧力損失を低減しながら空気を流動させることができる。しかも、上述の如く、周回流路10及び導入部11により多量の空気を吸込口3から吸い込むことができるので、回転軸心方向Xにおいて前壁8に接近する側よりも離れる側により多量の空気が流動されることになるが、そのより多量の空気をもスムーズに吹出流路17を流動させて吹出口4に導くことができる。しかも、吹出口4に接近する側ほど連接壁21と吹出流路壁18との間の距離が大きくなっているので、吹出流路17を流動する空気を吹出口4に積極的に導くことができる。また、舌部16は、傾斜状に形成されているので、羽根車2の外周に流出された空気が舌部16に当たるまでの時間が前壁8に接近する側から離れる側に順次長くなる。よって、空気が舌部16に当たるときに発生する音に位相差が生じることになり、お互いの発生する音が干渉し合い、騒音の発生を抑制できる。
〔空気の流れ〕
図1、図8における矢印にて示すように、吸気開口部9にて吸気された空気は、周回流路10にて渦巻き状に流動されて導入部11に至り、導入部11によって吸込口3に導入される。図2、図9における矢印にて示すように、吸込口3に導入された空気は、流動流路14を回転方向Yに沿って流動して吹出流路17を通して吹出口4に向けて流動されて吹出口4から吹き出される。
ここで、空気は吹出流路17を通して吹出口4から吹き出されるので、吹出流路17の配設箇所に対して回転方向Yの上流側に隣接する領域付近において吸込口3からより多くの空気が吸い込まれることになる。そこで、導入部11は、吹出流路17の配設箇所に対して回転方向Yの上流側に隣接する領域付近に配設されており、吸込口3から多量の空気が吸い込まれる領域に配設されている。例えば、図10に示すように、導入部11は、舌部16と吸込口3の中心Pとを結ぶ直線L4と導入部11の配設位置(回転方向Yにおいて導入部11の中心位置)と吸込口3の中心Pとを結ぶ直線L5の成す角度βが0度以上90度以下となる位置に配設されている。
〔仕切り部〕
上述の如く、前壁8の外側では周回流路10により空気が流動することになり、前壁8の内側では羽根車2の回転駆動により空気が流動することになる。そこで、図4及び図6に示すように、吸込口3において前壁8の内側での空気の流動と前壁8の外側での空気の流動とを仕切る仕切り部22が備えられている。仕切り部22は、吸込口3の開口端部から内方側に延出された板状に構成されている。そして、仕切り部22は、導入部11と回転方向Yの反対側に配設されている。これにより、前壁8の外側と内側とが吸込口3にて連通されているが、回転方向Yにおいて導入部11の配設箇所とは離れた箇所で仕切り部22によって吸込口3を前壁8の外側と前壁8の内側とに区切ることができる。よって、周回流路10にて流動された空気がその途中で短絡して吸込口3から吸い込まれるのを仕切り部22によって防止できる。逆に、前壁8の内側における空気が吸込口3を通して前壁8の外側に逆流するのも仕切り部22によって防止することができる。これにより、前壁8の外側における周回流路10による回転方向Yへの空気の流動と前壁8の内側における羽根車2の回転駆動による回転方向Yへの空気の流動とがお互いに干渉するのを仕切り部22により抑制することができる。したがって、より多量の空気を吸込口3にて吸い込むことができるとともに、吸込口3にて吸い込んだ空気を羽根車2の回転駆動により流動流路14に効率よく流動させることができ、より多量の空気を吹出口4に向けて流動させることができる。
図11に示すように、仕切り部22の前壁8の内側に面する側には、吹出口4に向かう空気の流動方向の下流側(回転方向Yの下流側)に第1負圧領域23を形成させる第1負圧領域形成部24が備えられている。例えば、仕切り部22に空気が衝突することにより仕切り部22に対して吹出口4に向かう空気の流動方向の上流側(仕切り部22に対して回転方向Yの下流側に隣接する領域等)に渦流W1が生じる可能性がある。第1負圧領域形成部24にて第1負圧領域23が形成されているので、その負圧を利用して第1負圧領域23に空気を積極的に流動させることができる。これにより、渦流W1の発生を抑制することができ、渦流W1によって空気がスムーズに流れなくなるのを防止できる。
また、仕切り部22は、第1負圧領域形成部24の配設箇所よりも吹出口4に向かう空気の流動方向の下流側(回転方向Yの下流側)に延びる形状に形成されている。これにより、第1負圧領域23に流動された空気が仕切り部22にて案内されながら吹出口4に向けて流動されることになり、吹出口4に向けて空気をスムーズに流動させることができる。
〔第2負圧領域形成部〕
図11に示すように、導入部11の前壁8の内側に面する側には、吹出口4に向かう空気の流動方向の下流側(回転方向Yの下流側)に第2負圧領域25を形成させる第2負圧領域形成部26が備えられている。この第2負圧領域形成部26も、上述の第1負圧領域形成部24と同様に、導入部11対して吹出口4に向かう空気の流動方向の下流側(導入部11に対して回転方向Yの下流側に隣接する領域等)に渦流W2が発生する可能性があっても、負圧を利用して第2負圧領域25に空気を積極的に流動させることで、渦流W2の発生を抑制して、渦流W2によって空気がスムーズに流れなくなるのを防止している。
〔別実施形態〕
以下に、本発明のファン用ケーシングの凸部の構成に係る別実施形態について説明する。
(A)凸部20は、上記実施形態において、端にケーシング本体5の内側に突出しているものとしたが、例えば、その先端が、図3に示す断面視において、径方向外側、即ち周回内壁15の側へ張り出すような形状とすることができる。
これにより、周回内壁15により径方向内側にはね返された空気が、凸部20を超えて吸込口3へ戻ることをより一層適切に抑制することができる。
(B)上記実施形態において、凸部20は、図6に示す凸部20が設けられている側方視において、インボリュート形状に配置されているものとしたが、別にインボリュート形状以外の形状としてもよい。例えば、周回内壁15の周回方向(図6のY方向)において、吸込口3のベルマウス部19を外囲し、且つ、吹出口4に対向する部位近傍が開放している形状のものとすることができる。
本発明は、吸込口への気体の逆流を防止しながら、吸込口から吸い込んだ空気を効果的に吹出口に導くことができるファン用ケーシングとして有効に利用可能である。
1 ファン
2 羽根車
3 吸込口
4 吹出口
5 ケーシング本体
8 前壁
10 周回流路
12 周回流路壁
13 後壁
14 流動流路
15 周回内壁
16 舌部
17 吹出流路
18 吹出流路壁
20 凸部
P 吸込口の中心
S1 周回始端
S2 周回終端
T1 突出始端
T2 突出終端
R 連続部分
L1 羽根車の回転方向に向かって舌部を通る吸込口の接線
L2 周回内壁の周回終端と吸込口の中心とを結ぶ直線
L3 凸部の突出始端と吸込口の中心とを結ぶ直線
X 羽根車の回転軸心方向
Y 羽根車の回転方向

Claims (5)

  1. 回転駆動される羽根車を収容するケーシング本体が、羽根車の回転軸心方向に沿って気体を吸い込む吸込口を有する前壁と、その前壁に対向配置された後壁と、前記前壁と前記後壁とを結んで収容された前記羽根車の外周との間に前記羽根車の回転方向の一部に開口する吹出口に向けて気体を流動させる流動流路を形成させる周回内壁とを備え、
    前記周回内壁は、前記羽根車の外周との距離が最小となる舌部を周回始端とし且つ前記流動流路に連続して前記吹出口への吹出流路を形成する吹出流路壁に連続する連続部分を周回終端として、前記流動流路の流路幅を前記周回始端から前記周回終端に向かって順次拡大させているファン用ケーシングであって、
    前記吸込口と前記周回内壁との間において前記前壁の内壁から内側に凸部が突設され、
    前記凸部は、前記羽根車の回転方向に向かって前記舌部を通る円形状の前記吸込口の接線よりも前記羽根車の回転方向の下流側を突出始端とし、且つ、前記吸込口と前記凸部との間を流動する気体が前記吹出口に向けて流動するのを許容する許容位置を突出終端として、前記突出始端から前記突出終端まで前記羽根車の回転方向に延設され、
    前記凸部の突出始端が、前記羽根車の回転方向で前記舌部よりも下流側位置に設けられているファン用ケーシング。
  2. 前記凸部の突出始端は、前記接線よりも前記羽根車の回転方向の下流側で、且つ、前記周回内壁の周回終端と前記吸込口の中心とを結ぶ直線と前記凸部の突出始端と前記吸込口の中心とを結ぶ直線とが成す角度のうち、前記両直線の間に前記吹出口が含まれる側の前記両直線が成す角度が90度以内となる位置に配設されている請求項1に記載のファン用ケーシング。
  3. 前記凸部の突出終端は、前記周回内壁の周回終端を前記許容位置として配設されている請求項1又は2に記載のファン用ケーシング。
  4. 前記吸込口と前記凸部との間の距離は、前記凸部の突出終端側の方が突出始端側よりも大きく構成されている請求項1〜3の何れか1項に記載のファン用ケーシング。
  5. 前記ケーシング本体には、前記前壁の外側において前記羽根車の回転方向の一部に開口する吸気開口部を通して吸気された気体を前記羽根車の回転方向と同方向に周回させて前記吸込口に向けて流動させる周回流路と、前記周回流路の終端部に配設されて前記周回流路にて流動された気体を前記吸込口へ導入させる導入部とが備えられ、
    前記周回流路が、前記前壁から前方側に立設された周回流路壁の間に形成されて、前記羽根車の回転軸心方向において前記前壁から離れる側が開放されていると共に、
    前記導入部が、前記周回流路に沿って前記吸込口に到達した気体に前記羽根車の回転軸心方向に沿う力を付与して当該気体を前記吸込口へ導入させる請求項1乃至4の何れか一項に記載のファン用ケーシング。
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