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JP5255512B2 - 符号化装置及びそのプログラム - Google Patents
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Description

本発明は、複数のフレーム画像で構成される動画像の動き補償を行って、動画像を圧縮符号化する符号化装置及びそのプログラムに関する。
従来から、AVC(Advanced Video Coding)/H.264、MPEG(Moving Picture Experts Group)−2等の圧縮符号化方式が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。従来の圧縮符号化方式では、既に符号化した参照フレーム画像から現フレーム画像への動きを予測して動き補償を行い、現フレーム画像の予測フレーム画像を生成するという、動き補償・予測を行っている。そして、従来の圧縮符号化方式では、この現フレーム画像と予測フレーム画像との差分画像に対して、DCT変換を行い、DCT変換係数を量子化パラメータにて量子化する。
特開2005−244503号公報
しかし、AVC/H.264の圧縮符号化方式において、量子化パラメータを固定した圧縮符号化を行なう場合、各マクロブロックの視覚的な劣化の目立ちやすさを考慮していない。具体的には、AVC/H.264の圧縮符号化方式では、動きの単純な絵柄のマクロブロック及び動きの複雑な絵柄のマクロブロックに対しても、同じ量子化パラメータを用いている。このため、AVC/H.264の圧縮符号化方式では、動きの激しいマクロブロックに対して、動きの滑らかなマクロブロックで画像の劣化が目立ってしまい、動画像の画質劣化を抑えつつビットレートを低減したいという強い要望がされている。
そこで、本発明は、動画像の画質劣化を抑えつつビットレートを低減できる符号化装置及びそのプログラムを提供することを目的とする。
前記した課題を解決するため、本願第1発明に係る符号化装置は、複数のフレーム画像で構成される動画像の動き補償を行って、動画像を圧縮符号化する符号化装置において、動き予測部と、動き補償部と、差分画像生成部と、動きベクトル分散値算出部と、量子化パラメータ補正部と、量子化部と、を備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、符号化装置は、動き予測部によって、動画像における現フレーム画像の参照フレーム画像から、動画像を分割したブロック毎に動きベクトルを予測する。このブロックは、例えば、所定の大きさのマクロブロック、及び、このマクロブロックより小さいサブマクロブロックで構成される。また、符号化装置は、動き補償部によって、参照フレーム画像と動きベクトルとに基づいて動き補償を行って、現フレーム画像を予測した予測フレーム画像を生成する。そして、符号化装置は、差分画像生成部によって、現フレーム画像と予測フレーム画像との差分となる差分画像を生成する。
また、符号化装置は、動きベクトル分散値算出部によって、動き予測部が予測した動きベクトルに基づいて、全てのブロックの動きベクトルを平均した平均ベクトルを算出し、動きベクトルと平均ベクトルとの差を2乗した値を算出すると共に、値を合計して分散値を算出する。この分散値は、動きの複雑さを示すことになる。つまり、符号化装置は、動きベクトル分散値算出部によって、各マクロブロックの動きの複雑さを算出している。そして、符号化装置は、量子化パラメータ補正部によって、動きが複雑な部分では粗い量子化が行われ、動きが滑らかな部分では細かい量子化が行われるように予め設定された分散値と量子化パラメータ補正値との対応関係に基づいて、分散値から量子化パラメータ補正値を算出すると共に、予め設定された量子化パラメータを量子化パラメータ補正値で補正する。つまり、符号化装置は、量子化パラメータ補正部によって、量子化パラメータに動きの複雑さを反映させている。さらに、符号化装置は、量子化部によって、量子化パラメータ補正部が補正した量子化パラメータに基づいて、差分画像の直交変換係数を量子化する。これによって、符号化装置は、視覚的な劣化が目立ちにくい動きが複雑な部分(人間の目の感度が低くなる部分)では粗い量子化を行い、視覚的な劣化が目立ち易い動きが滑らかな部分(人間の目の感度が高くなる部分)では細かい量子化を行う。
本願第2発明に係る符号化装置は、動きベクトル分散値算出部が、動きベクトルの大きさを、現フレーム画像と参照フレーム画像とのフレーム間隔数で除算し、除算した動きベクトルに基づいて、分散値を算出することを特徴とする。
ここで、例えば、AVC/H.264等の圧縮符号化方式では、現フレーム画像に隣接するフレーム画像だけでなく、前後に2フレーム画像以上離れたフレーム画像を参照フレーム画像とすることができる(双予測)。この場合、現フレーム画像から参照フレーム画像が離れるほど動きベクトルの動き量が大きくなるため、この動きベクトルをそのまま用いると、算出した分散値が、動きの複雑さを正確に示さないことになる。従って、符号化装置は、現フレーム画像と参照フレーム画像とのフレーム間隔数に応じて動きベクトルの動き量を補正することで、分散値を正確に算出する。
なお、本願第1,2発明において、量子化パラメータ補正部が、−2以上2以下の範囲内で量子化パラメータ補正値を算出すると共に、算出した量子化パラメータ補正値を量子化パラメータに加算又は減算しても良い。この場合、符号化装置は、量子化パラメータの過補正を防止できる。
前記した課題を解決するため、本願第3発明に係る符号化プログラムは、複数のフレーム画像で構成される動画像の動き補償を行って、動画像を圧縮符号化するために、コンピュータを、動き予測部、動き補償部、差分画像生成部、動きベクトル分散値算出部、量子化パラメータ補正部、量子化部、として機能させる。
かかる構成によれば、符号化プログラムは、動き予測部によって、動画像における現フレーム画像の参照フレーム画像から、動画像を分割したブロック毎に動きベクトルを予測する。また、符号化プログラムは、動き補償部によって、参照フレーム画像と動きベクトルとに基づいて動き補償を行って、現フレーム画像を予測した予測フレーム画像を生成する。そして、符号化プログラムは、差分画像生成部によって、現フレーム画像と予測フレーム画像との差分となる差分画像を生成する。
また、符号化プログラムは、動きベクトル分散値算出部によって、動き予測部が予測した動きベクトルに基づいて、全てのブロックの動きベクトルを平均した平均ベクトルを算出し、動きベクトルと平均ベクトルとの差を2乗した値を算出すると共に、値を合計して分散値を算出する。つまり、符号化プログラムは、動きベクトル分散値算出部によって、各マクロブロックの動きの複雑さを算出している。そして、符号化プログラムは、量子化パラメータ補正部によって、動きが複雑な部分では粗い量子化が行われ、動きが滑らかな部分では細かい量子化が行われるように予め設定された分散値と量子化パラメータ補正値との対応関係に基づいて、分散値から量子化パラメータ補正値を算出すると共に、予め設定された量子化パラメータを量子化パラメータ補正値で加減算して補正する。つまり、符号化プログラムは、量子化パラメータ補正部によって、量子化パラメータに動きの複雑さを反映させている。さらに、符号化プログラムは、量子化部によって、量子化パラメータ補正部が補正した量子化パラメータに基づいて、差分画像の直交変換係数を量子化する。これによって、符号化プログラムは、視覚的な劣化が目立ちにくい動きが複雑な部分(人間の目の感度が悪くなる部分)では粗い量子化を行い、視覚的な劣化が目立ち易い動きが滑らかな部分(人間の目の感度が良くなる部分)では細かい量子化を行う。
本発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
本願第1,3発明によれば、視覚的な劣化が目立ちにくい動きが複雑な部分では粗い量子化を行うと共に、視覚的な劣化が目立ち易い動きが滑らかな部分では細かい量子化を行うため、動画像の画質劣化を抑えつつビットレートを低減できる。
本願第2発明によれば、現フレーム画像と参照フレーム画像とのフレーム間隔数に応じて動きベクトルの動き量を補正して分散値を正確に算出するため、動画像の画質劣化を最小限に抑えることができる。
本発明の実施形態に係る符号化装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態におけるブロックタイプを説明する図であり、(a)はマクロブロックタイプを示し、(b)はサブマクロブロックタイプを示す。 図1の動きベクトル分散値算出部による動きベクトルの補正を説明する図であり、(a)は隣接するフレーム画像を参照フレーム画像とした図であり、(b)はm枚離れたフレーム画像を参照フレーム画像とした図である。 図1の動きベクトル分散値算出部によるベクトルの割り当てを説明する図であり、(a)はベクトルを割り当てる前の図であり、(b)はベクトルを割り当てた後の図である。 図1の符号化装置の動作を示すフローチャートである。
[符号化装置の構成]
図1を参照して、本発明の実施形態に係る符号化装置の構成について説明する。符号化装置1は、AVC/H.264の圧縮符号化方式に従って、複数のフレーム画像で構成される動画像の動き補償を行って、動画像を圧縮符号化するものである。図1に示すように、符号化装置1は、差分画像生成部11と、直交変換部12と、量子化部13と、逆量子化部14と、逆直交変換部15と、動き予測部16と、動き補償部17と、動きベクトル分散値算出部18と、量子化パラメータ補正部19と、多重化部20とを備える。
差分画像生成部11は、動画像を構成するフレーム画像において、符号化の対象となる現フレーム画像と、後記する動き補償部17が生成した予測フレーム画像との差分となる差分画像を生成するものである。つまり、差分画像生成部11は、AVC/H.264の圧縮符号化方式に準拠して、現フレーム画像の動き補償予測誤差画像を出力する。このとき、差分画像生成部11は、Y(輝度信号)Cb(色差信号)Cr(色差信号)を「4:2:2」の割合とした映像信号として、フレーム画像が入力される。なお、差分画像生成部11は、イントラ符号化(画面内符号化)を行う場合、現フレーム画像をそのまま直交変換部12に出力しても良い。
直交変換部12は、差分画像生成部11からの差分画像に対して直交変換を行い、その結果である直交変換係数(DCT変換係数)を出力するものである。ここで、直交変換部12は、差分画像の輝度信号については、各マクロブロックを4×4画素のサブマクロブロックに分割し、整数精度DCT変換(整数精度離散コサイン変換)を行う。なお、直交変換部12は、イントラ符号化を行う場合、差分画像の輝度については、各マクロブロックを4×4画素のサブマクロブロックに分割し、整数精度DCT変換を行う。その後、直交変換部12は、整数精度DCT変換された16個のブマクロブロックの直流成分をまとめて、4×4の直流成分ブロックを生成する。そして、直交変換部12は、この直流成分ブロックに対して離散アダマール変換を行う。
また、直交変換部12は、差分画像の色差信号については、各マクロブロックを4×4画素のサブマクロブロックに分割し、整数精度DCT変換を行う。その後、直交変換部12は、整数精度DCT変換された4個のブマクロブロックの直流成分をまとめて、2×2の直流成分ブロックを生成する。そして、直交変換部12は、この直流成分ブロックに対して離散アダマール変換を行う。
なお、符号化装置1を、MPEG2,MPEG4等の他の圧縮符号化方式に適用する場合、直交変換部12は、DCT変換(離散コサイン変換)等の直交変換を行っても良い。
量子化部13は、後記する量子化パラメータ補正部19が補正した量子化パラメータに基づいて、直交変換部12からの直交変換係数を量子化するものである。ここで、量子化部13は、AVC/H.264の圧縮符号化方式に準拠して、量子化パラメータが「6」増加すると量子化ステップが2倍となるように直交変換係数を量子化する。そして、量子化部13は、直交変換係数を量子化した量子化データを、逆量子化部14と多重化部20とに出力する。
逆量子化部14は、量子化部13からの量子化データを逆量子化するものである。ここで、逆量子化部14は、AVC/H.264の圧縮符号化方式に準拠して、量子化データを逆量子化して直交変換係数に戻す。そして、逆量子化部14は、逆量子化した直交変換係数を逆直交変換部15に出力する。
逆直交変換部15は、逆量子化部14からの直交変換係数を逆直交変換するものである。ここで、逆直交変換部15は、直交変換部12と逆の手順にて、直交変換係数を逆直交変換して映像信号(参照フレーム画像)に戻す。そして、逆直交変換部15は、この参照フレーム画像をフレームメモリ(不図示)に一時的に蓄積すると共に、フレームメモリに蓄積した参照フレーム画像を動き予測部16と動き補償部17とに出力する。
動き予測部16は、逆直交変換部15が出力した参照フレーム画像から、ブロック毎に動きベクトルを予測するものである。ここで、動き予測部16は、AVC/H.264の圧縮符号化方式に準拠して、現フレーム画像と、この現フレーム画像に前後するフレーム画像である参照フレーム画像とを用いて、動きベクトルを予測する。具体的には、動き予測部16は、図2に示すような7種類のブロックタイプの何れかを選択し、現フレーム画像を選択したブロックタイプにそれぞれ分割する。そして、動き予測部16は、分割したマクロブロック及びサブマクロブロック毎に、1又は2以上の参照フレーム画像を参照して動きベクトルを予測する。このとき、動き予測部16は、符号化対象のマクロブロック及びサブマクロブロックに隣接する左ブロック、上ブロック及び右上ブロックの動きベクトルの中央値(メディアン値)を、垂直成分及び水平成分毎に選択し、符号化対象ブロックの動きベクトルを予測する。
また、動き予測部16は、符号化対象のマクロブロックが8×16画素又は16×8画素の場合、前記した中央値ではなく、左ブロック、上ブロック及び右上ブロックの動きベクトルのうち、この符号化対象のマクロブロックを指し示しているものを用いて、動きベクトルを予測する。そして、動き予測部16は、予測した動きベクトル、参照フレーム画像の番号等を含む動きベクトル信号を生成し、動き補償部17と動きベクトル分散値算出部18と多重化部20とに出力する。
動き補償部17は、逆直交変換部15からの参照フレーム画像と動き予測部16からの動きベクトル(動きベクトル信号)とに基づいて動き補償を行って、現フレーム画像を予測した予測フレーム画像を生成するものである。ここで、動き補償部17は、AVC/H.264の圧縮符号化方式に準拠して、動き補償を行う。具体的には、動き補償部17は、輝度信号について、各係数が「1,−5,20,20,−5,1/32」である6タップFIR(Finite Impulse Response)フィルタを用いて、1/2画素精度の予測信号を生成する。そして、動き補償部17は、この予測信号に、2タップ平均値フィルタを適用して1/4画素精度の予測信号を生成する。
また、動き補償部17は、色差信号については、4個の画素(色差信号)を1/8画素精度で線形補間して予測信号を生成する。具体的には、動き補償部17は、4個の画素(色差信号)のそれぞれに、各画素から補間する画素までの距離に応じた係数を乗算し、1/8画素精度の予測信号を生成する。そして、動き補償部17は、これらの予測信号を予測フレーム画像として差分画像生成部11に出力する。
動きベクトル分散値算出部18は、動き予測部16からの動きベクトル(動きベクトル信号)に基づいて、全てのブロックの動きベクトルを平均した平均ベクトルを算出し、動きベクトルと平均ベクトルとの差を2乗した値を算出すると共に、値を合計して前記分散値を算出するものである。具体的には、動きベクトル分散値算出部18は、下記式(1)で表すように、全てのブロックの動きベクトルを平均した平均ベクトルを算出する。なお、式(1)では、MVが動きベクトルを示し、MVaveが平均ベクトルを示し、Nがブロックの合計数を示す。
Figure 0005255512
また、動きベクトル分散値算出部18は、下記式(2)で表すように、ブロック毎に動きベクトルと平均ベクトルとの差を2乗した値を算出すると共に、この値を合計して分散値を算出する。その後、動きベクトル分散値算出部18は、算出した分散値を量子化パラメータ補正部19に出力する。なお、式(2)では、MVが動きベクトルを示し、MVaveが平均ベクトルを示し、Nがブロックの合計数を示し、Xが分散値を示す。
Figure 0005255512
<動きベクトル分散値算出部による動きベクトルの補正>
以下、図3を参照して、動きベクトル分散値算出部18による動きベクトルの補正について、説明する(適宜図1参照)。なお、図3(a)及び図3(b)では、動きベクトルを矢印で図示した。
例えば、AVC/H.264の圧縮符号化方式では、図3(a)に示すように、現フレーム画像に隣接するフレーム画像を参照フレーム画像とするだけでなく、図3(b)に示すように、m枚離れたフレーム画像を参照フレーム画像とすることができる。このとき、図3(a)及び図3(b)では、現フレーム画像の動きベクトルの動き量が同じである。しかし、図3(b)では、参照フレーム画像と現フレーム画像とがm枚離れているため、図3(a)よりも単位時間あたりの動きが小さいことは言うまでもない。言い換えると、現フレーム画像から参照フレーム画像が離れるほど動きが大きくなる。従って、動きベクトルの動き量をそのまま用いると、隣接するフレームを参照したときに比べて、算出した分散値が、動きの複雑さを正確に示さないことになる。
このため、動きベクトル分散値算出部18は、式(3)で表すように、動き予測部16からの動きベクトルの大きさ(動き量)を、現フレーム画像と参照フレーム画像とのフレーム間隔数で除算することが好ましい。その後、動きベクトル分散値算出部18は、補正後の動きベクトルに基づいて、前記した式(1)及び式(2)を用いて分散値を算出する。このように、動きベクトル分散値算出部18は、現フレーム画像と参照フレーム画像とのフレーム間隔数に応じて動きベクトルの動き量を補正して分散値を正確に算出するため、動画像の画質劣化を最小限に抑えることができる。なお、式(3)では、MVが動きベクトルを示し、mが現フレーム画像と参照フレーム画像とのフレーム間隔数を示し、MV´が補正後の動きベクトルを示す。
Figure 0005255512
<動きベクトル分散値算出部によるベクトルの割り当て>
以下、図4を参照して、動きベクトル分散値算出部18によるベクトルの割り当てについて、説明する(適宜図1参照)。なお、図4(a)及び図4(b)では、動き予測部16が分割したブロックを実線で図示し、動きベクトルを実線矢印で図示した。また、図4(b)では、動きベクトル分散値算出部18が分割したブロックを破線で図示し、割り当てたベクトルを破線矢印で図示した。
例えば、AVC/H.264の圧縮符号化方式では、図4(a)に示すように、マクロブロックより小さいサブマクロブロック単位で動きベクトルを生成して動き予測・補償を行うことができる。この場合、あるブロックでは、サブマクロブロック領域の方が、これ以外の領域よりも動きベクトルが多くなる。例えば、図4(a)では、16×16画素のマクロブロックを4個のサブマクロブロックに分割している。ここで、左上のサブマクロブロックでは4×4画素毎に4個の動きベクトルが生成され、左下のサブマクロブロックでは1個の動きベクトルが生成される。また、右上のサブマクロブロックでは8×4画素毎に2個の動きベクトルが生成され、右下のサブマクロブロックでは4×8画素毎に2個の動きベクトルが生成される。つまり、図4(a)に示すように、マクロブロックのうち最小となる、左上のサブマクロブロックに動きベクトルが偏っている。この場合、算出した分散値が、ブロック全体の動きの複雑さを正確に示さないことになる。
このため、動きベクトル分散値算出部18は、ブロック内で動きベクトルが均一となるように、動きベクトルと同一のベクトルを、縦4画素横4画素毎に割り当てることが好ましい。具体的には、動きベクトル分散値算出部18は、図4(b)に示すように、8×4画素の右上のサブマクロブロックを、4×4画素単位となるように横方向に2分割する。そして、動きベクトル分散値算出部18は、この右上のサブマクロブロックについて、4×4画素毎に動きベクトルが配置されるように、縦方向の動きベクトルを参照し、これと同一のベクトルを2個割り当てる。
また、動きベクトル分散値算出部18は、4×8画素の右下のサブマクロブロックを、4×4画素単位となるように縦方向に2分割する。そして、動きベクトル分散値算出部18は、この右下のサブマクロブロックについて、4×4画素毎に動きベクトルが配置されるように、横方向の動きベクトルを参照し、これと同一のベクトルを2個割り当てる。
また、動きベクトル分散値算出部18は、8×8画素の左下のサブマクロブロックを、4×4画素単位となるように4分割する。そして、動きベクトル分散値算出部18は、この左下のサブマクロブロックについて、4×4画素毎に動きベクトルが配置されるように、動きベクトルと同一のベクトルを4個割り当てる。その後、動きベクトル分散値算出部18は、動きベクトルと割り当てたベクトルとを全て用いて、前記した式(1)、式(2)及び式(3)を用いて分散値を算出する。
このように、動きベクトル分散値算出部18は、マクロブロック内で動きベクトルが均等となるようにベクトルを割り当てることで、各サブマクロブロック間における動きベクトルの偏りを解消して分散値を正確に算出できるため、動画像の画質劣化を最小限に抑えることができる。なお、動きベクトル分散値算出部18は、4×4画素に分割されたサブマクロブロック(図4の左上のサブマクロブロック)については、ベクトルを割り当てなくとも良い。
以下、図1に戻り、符号化装置1の構成について、説明を続ける。
量子化パラメータ補正部19は、予め設定された分散値と量子化パラメータ補正値との対応関係に基づいて、動きベクトル分散値算出部18が算出した分散値から量子化パラメータ補正値を算出するものである。そして、量子化パラメータ補正部19は、予め設定された量子化パラメータを量子化パラメータ補正値で補正し、この量子化パラメータ(図1ではQPと図示)を量子化部13に出力する。
なお、量子化パラメータは、例えば、AVC/H.264の圧縮符号化方式では、「0」から「51」までの値となる。固定された量子化パラメータを用いるため、符号化装置1では、量子化パラメータは、例えば、シーケンス毎に量子化パラメータが「0」から「51」までの固定値として、オペレータ等によって手動で設定される。
<分散値の算出方法:第1例>
以下、量子化パラメータ補正部19による分散値の算出方法の具体例を説明する。
量子化パラメータ補正部19は、下記式(4)で表される対応関係を用いて、量子化パラメータ補正値を算出する。なお、式(4)では、T1〜T4は閾値を示し、Xは分散値を示し、ΔA〜ΔEは量子化パラメータ補正値を示す。
Figure 0005255512
ここで、量子化パラメータ補正部19は、−2以上2以下の範囲内で量子化パラメータ補正値を算出することが好ましい。例えば、前記した式(4)で表される対応関係において、ΔAが「2」、ΔBが「1」、ΔCが「0」、ΔDが「−1」、及び、ΔEが「−2」と予め設定される。このとき、式(4)において、例えば、T1が「4000」、T2が「3000」、T3が「2000」、及び、T4が「1000」と予め設定される。このような対応関係を用いることで、量子化パラメータ補正部19は、−2以上2以下の範囲内で量子化パラメータを算出できる。これによって、量子化パラメータ補正部19は、量子化パラメータの過補正を防止できるため、量子化パラメータを適切な値に保つことができ、ビットレートの増加といった悪影響を抑えることができる。
<分散値の算出方法:第2例>
量子化パラメータ補正部19は、分散値が予め設定した閾値(例えば、2500)以上の場合には量子化パラメータ補正値を「+2」とし、分散値が閾値未満の場合には量子化パラメータ補正値を「0」とする対応関係を用いて、量子化パラメータ補正値を算出する。
多重化部20は、量子化部13からの量子化データと、動き予測部16からの動きベクトル(動きベクトル情報)とに基づいて、多重化を行う。ここで、多重化部20は、AVC/H.264の圧縮符号化方式に準拠して、エントロピー符号化(可変長符号化)を行う。具体的には、多重化部20は、CAVLC(コンテキスト適用型可変長符号化方式)を用いて、量子化データを多重化した多重化データ(符号化データ)を生成する。また、多重化部20は、CABAC(コンテキスト適用型2値算術符号化方式)を用いて、量子化データや動きベクトル情報を多重化しても良い。そして、多重化部20は、この多重化データを、図示を省略した復号化装置に出力する。
なお、符号化装置1は、動画像をアナログ−デジタル変換するA/D変換部や、フレーム画像の並べ替えを行うフレーム画像並替部を、差分画像生成部11の前に備えても良い。また、符号化装置1は、ブロック歪を軽減するデブロッキング・フィルタを、逆直交変換部15と動き予測部16との間に備えても良い。
[符号化装置の動作]
以下、図5を参照して、図1の符号化装置の動作について説明する(適宜図1参照)。まず、符号化装置1は、逆直交変換部15によって、直交変換係数を逆直交変換して、参照フレーム画像を生成する(ステップS11)。
ステップS11の処理に続いて、符号化装置1は、動き予測部16によって、7種類のブロックタイプの何れかを選択し、現フレーム画像を選択したブロックタイプでそれぞれ分割する(ステップS12)。また、符号化装置1は、動き予測部16によって、分割したブロック毎に動きベクトルを予測する(ステップS13)。
ステップS13の処理に続いて、符号化装置1は、動き補償部17によって、逆直交変換部15からの参照フレーム画像とステップS13で予測した動きベクトル(動きベクトル信号)とに基づいて動き補償を行って、現フレーム画像を予測した予測フレーム画像を生成する(ステップS14)。
ステップS14の処理に続いて、符号化装置1は、差分画像生成部11によって、符号化の対象となる現フレーム画像と、ステップS14で生成した予測フレーム画像との差分となる差分画像を生成する(ステップS15)。
ステップS15の処理に続いて、符号化装置1は、直交変換部12によって、ステップS15で生成した差分画像に対して整数精度DCT変換、離散アダマール変換等の直交変換を行い、その結果である直交変換係数(DCT変換係数)を出力する(ステップS16)。
また、ステップS13の処理に続いて、符号化装置1は、動きベクトル分散値算出部18によって、動き予測部16からの動きベクトル(動きベクトル信号)に基づいて、全てのブロックの動きベクトルを平均した平均ベクトルを算出し、動きベクトルと平均ベクトルとの差を2乗した値を算出すると共に、値を合計して分散値を算出する(ステップS17)。ここで、符号化装置1は、動きベクトル分散値算出部18によって、前記した動きベクトルの補正及びベクトルの割り当てを行うことが好ましい。
ステップS17の処理に続いて、符号化装置1は、量子化パラメータ補正部19によって、予め設定された対応関係を用いて、ステップS17で算出した分散値に応じた量子化パラメータ補正値を算出する(ステップS18)。ここで、量子化パラメータ補正部19によって、前記した分散値の算出方法の第1例又は第2例で量子化パラメータ補正値を算出する。
ステップS18の処理に続いて、符号化装置1は、量子化パラメータ補正部19によって、予め設定された量子化パラメータを、ステップS18で算出した量子化パラメータ補正値で補正する(ステップS19)。ここで、符号化装置1は、量子化パラメータ補正部19によって、−2以上2以下の範囲内で量子化パラメータ補正値を算出すると共に、算出した量子化パラメータ補正値を量子化パラメータに加算又は減算するこが好ましい。
つまり、符号化装置1は、ステップS14〜ステップS16の処理と、ステップS17〜ステップS19の処理とを、並行して実行することになる。
ステップS19の処理に続いて、符号化装置1は、量子化部13によって、ステップS19で補正した量子化パラメータに基づいて、ステップS16で直交変換した直交変換係数を量子化する(ステップS20)。
ステップS20の処理に続いて、符号化装置1は、ステップS20で量子化した量子化データと、ステップS13で予測した動きベクトル(動きベクトル情報)とに基づいて、エントロピー符号化等の多重化を行う(ステップS21)。
以上のように、本発明の本実施形態に係る符号化装置1は、視覚的な劣化が目立ちにくい動きが複雑な部分では粗い量子化を行うと共に、視覚的な劣化が目立ち易い動きが複雑な部分では細かい量子化を行うため、動画像の画質劣化を抑えつつビットレートを低減できる。また、本発明の本実施形態に係る符号化装置1は、動きベクトル分散値算出部18及び量子化パラメータ補正部19以外の各部が、AVC/H.264の圧縮符号化方式に準拠しているので、実装が容易でコストに優れる。さらに、本発明の本実施形態に係る符号化装置1は、生成した多重化データを、AVC/H.264の圧縮符号化方式に準拠した復号化装置でそのまま復号させることができるので、専用の復号化装置を必要とせず、導入も容易である。
なお、本実施形態では、符号化装置1をAVC/H.264の圧縮符号化方式に適用する例で説明したが、動き補償を行う符号化方式であれば他の符号化方式にも適用できることは言うまでもない。この場合、符号化装置1は、動きベクトル分散値算出部18及び量子化パラメータ補正部19以外の各部が、適用する符号化方式に準拠しているので、実装が容易でコストに優れる。なお、符号化装置1は、動き予測部16及び動き補償部17として、特開2005−12527号公報に記載された発明を用いることもできる。
なお、フレーム画像を「4:2:2」のフォーマットとして説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、本発明は、「4:2:0」フォーマットのフレーム画像やモノクロフォーマットのフレーム画像も扱うことができる。
なお、本実施形態では、符号化装置1を独立した装置として説明したが、本発明では、一般的なコンピュータの記憶手段、演算装置等のハードウェア資源を、前記した各部として協調動作させるプログラムによって実現することもできる。このプログラムは、通信回線を介して配布しても良く、CD−ROMやフラッシュメモリ等の記録媒体に書き込んで配布しても良い。
以下、本発明の実施例について、簡単に説明する(適宜図1参照)。本実施例に係る符号化装置1は、分散値の算出方法として、前記した第2例を採用した。具体的には、量子化パラメータ補正部19において、閾値が「2500」以上の場合には量子化パラメータ補正値を「+1」と、対応関係を設定した。また、量子化パラメータ値は、シーケンス毎の固定値として「46」に設定した。
この設定を行った符号化装置1と、AVC/H.264の圧縮符号化方式に準拠した従来の符号化装置とに、ITE標準動画像のNo.46(sprinkling)を入力した。このとき、両符号化装置から出力された符号化データのビットレートを測定した。また、AVC/H.264の圧縮符号化方式に準拠した復号化装置で、両符号化装置から出力された符号化データを復号化し、これら動画像を目視によって比較した。
この結果、本実施例に係る符号化装置1は、従来の符号化装置に比べ、符号化データのビットレートを3.5%程低減できることがわかった。また、両符号化装置の符号化データを復号化した動画像では、その画質の差を認識できなかった。つまり、本実施例に係る符号化装置1は、動画像の画質劣化を、従来の符号化装置と同程度に抑えられることがわかった。
1 符号化装置
11 差分画像生成部
12 直交変換部
13 量子化部
14 逆量子化部
15 逆直交変換部
16 動き予測部
17 動き補償部
18 動きベクトル分散値算出部
19 量子化パラメータ補正部
20 多重化部

Claims (3)

  1. 複数のフレーム画像で構成される動画像の動き補償を行って、当該動画像を圧縮符号化する符号化装置において、
    前記動画像における現フレーム画像の参照フレーム画像から、前記動画像を分割したブロック毎に動きベクトルを予測する動き予測部と、
    前記参照フレーム画像と前記動きベクトルとに基づいて動き補償を行って、前記現フレーム画像を予測した予測フレーム画像を生成する動き補償部と、
    前記現フレーム画像と前記予測フレーム画像との差分となる差分画像を生成する差分画像生成部と、
    前記動き予測部が予測した動きベクトルに基づいて、全ての前記ブロックの前記動きベクトルを平均した平均ベクトルを算出し、前記動きベクトルと前記平均ベクトルとの差を2乗した値を算出すると共に、当該値を合計して散値を算出する動きベクトル分散値算出部と、
    動きが複雑な部分では粗い量子化が行われ、動きが滑らかな部分では細かい量子化が行われるように予め設定された前記分散値と量子化パラメータ補正値との対応関係に基づいて、前記分散値から前記量子化パラメータ補正値を算出すると共に、予め設定された量子化パラメータを前記量子化パラメータ補正値で補正する量子化パラメータ補正部と、
    前記量子化パラメータ補正部が補正した量子化パラメータに基づいて、前記差分画像の直交変換係数を量子化する量子化部と、
    を備えることを特徴とする符号化装置。
  2. 前記動きベクトル分散値算出部は、前記動きベクトルの大きさを、前記現フレーム画像と前記参照フレーム画像とのフレーム間隔数で除算し、除算した当該動きベクトルに基づいて、前記分散値を算出することを特徴とする請求項1に記載の符号化装置。
  3. 複数のフレーム画像で構成される動画像の動き補償を行って、当該動画像を圧縮符号化するために、コンピュータを、
    前記動画像における現フレーム画像の参照フレーム画像から、前記動画像を分割したブロック毎に動きベクトルを予測する動き予測部、
    前記参照フレーム画像と前記動きベクトルとに基づいて動き補償を行って、前記現フレーム画像を予測した予測フレーム画像を生成する動き補償部、
    前記現フレーム画像と前記予測フレーム画像との差分となる差分画像を生成する差分画像生成部、
    前記動き予測部が予測した動きベクトルに基づいて、全ての前記ブロックの前記動きベクトルを平均した平均ベクトルを算出し、前記動きベクトルと前記平均ベクトルとの差を2乗した値を算出すると共に、当該値を合計して散値を算出する動きベクトル分散値算出部、
    動きが複雑な部分では粗い量子化が行われ、動きが滑らかな部分では細かい量子化が行われるように予め設定された前記分散値と量子化パラメータ補正値との対応関係に基づいて、前記分散値から前記量子化パラメータ補正値を算出すると共に、予め設定された量子化パラメータを前記量子化パラメータ補正値で補正する量子化パラメータ補正部、
    前記量子化パラメータ補正部が補正した量子化パラメータに基づいて、前記差分画像の直交変換係数を量子化する量子化部、
    として機能させるための符号化プログラム。
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