JP5264239B2 - スギ花粉症検査を補助する方法 - Google Patents
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一方、後者の例として、アレルゲン特異的IgE測定、白血球ヒスタミン遊離試験、またはリンパ球幼若化試験等が挙げられる。アレルゲン特異的IgEの存在は、そのアレルゲンに対するアレルギー反応の証明であるが、患者によっては、必ずしもアレルゲン特異的なIgEを検出できるとは限らない場合もある。また、白血球ヒスタミン遊離試験やリンパ球幼若化試験は、免疫システムのアレルゲンに対する反応をin vitroで観察する方法であるが、これらの方法は、操作が煩雑である。
また、アレルゲンに関わらず、アレルギー反応の関与を証明するための試験方法も試みられている。例えば、血清IgE値が高値である場合、その患者にはアレルギー反応が起きていると推定することができる。血清IgE値は、アレルゲン特異IgEの総量に相当する情報である。
M.C.ノヴェール(M.C. Noverr)、他1名、クリニカル・エクスペリメンタル・アレルギー(Clinical and Experimental Allergy)、第35巻、第1511〜1520ページ、2005年 小田巻 俊孝、他10名、ジャーナル・オブ・メディカル・マイクロバイオロジー(Journal of Medical Microbiology)、第56巻、第1301〜1308ページ、2007年 P.ソンジンダ(P. Songjinda)、他7名、バイオサイエンス・バイオテクノロジー・バイオケミストリー(Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry)、第35巻、第1511〜1520ページ、2005年
一方で、スギ花粉症患者において特異的に増減する腸内細菌をスギ花粉症マーカーとすることにより、糞便を用いて非侵襲的にスギ花粉症の診断を行うことができると考えられるが、良好な疾患マーカーとするためには、疾患に関連する腸内細菌を、属レベルではなく、菌種レベルで特定していることが好ましい。しかしながら、例えば非特許文献2においても、バクテロイデス・フラギリスグループのうち、スギ花粉症に関連している特定の菌種は明らかにされてはいない。また、バクテロイデス・フラギリスグループに属する菌全体の菌数は、スギ花粉飛散前の時点では健常者との間に違いが認められない。つまり、スギ花粉飛散前に採取された糞便中の、バクテロイデス・フラギリスグループに属する菌全体の菌数は、スギ花粉症との相関性が低く、スギ花粉症の指標としては不十分であった。
また、本発明は、被験者から採便された糞便1g当たりの、下記式(1)で表されるバクテロイデス菌数比率が、0.06以上である場合に、被験者がスギ花粉症に罹患している可能性が高いと判断することを特徴とする、スギ花粉症検査を補助する方法を提供するものである。
式(1) (バクテロイデス・フラギリス菌数+バクテロイデス・インテスティナリス菌数+バクテロイデス・スターコリス菌数)/(バクテロイデス・ユニフォルミス菌数+バクテロイデス・カッカエ菌数)
また、本発明は、被験者から採便された糞便中の、バクテロイデス・ユニフォルミスおよびバクテロイデス・カッカエからなる群より選択される1種以上の菌種の菌数が、減少した場合にスギ花粉症の重症度が上がった可能性が高いと判断し、増大した場合にスギ花粉症の重症度が下がった可能性が高いと判断することを特徴とする、スギ花粉症検査を補助する方法を提供するものである。
また、本発明は、前記糞便が、スギ花粉飛散開始時期前に被験者から採便されたものであることを特徴とする前記いずれか記載のスギ花粉症検査を補助する方法を提供するものである。
また、本発明は、スギ花粉飛散開始時期前に被験者から採便された糞便中の、バクテロイデス・フラギリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス・インテスティナリス(Bacteroides intestinalis)、バクテロイデス・ユニフォルミス(Bacteroides uniformis)、バクテロイデス・カッカエ(Bacteroides caccae)、およびバクテロイデス・スターコリス(Bacteroides stercoris)からなる群より選択される1種以上の菌種の菌数を指標とし、スギ花粉症の罹患の可能性または重症である可能性を検査することを特徴とするスギ花粉症検査を補助する方法を提供するものである。
また、本発明は、バクテロイデス・フラギリス、バクテロイデス・インテスティナリス、およびバクテロイデス・スターコリスからなる群より選択される1種以上の菌種の菌数が、糞便1g当たり100万以上である場合に、被験者がスギ花粉症に罹患している可能性が高いと判断することを特徴とする前記記載のスギ花粉症検査を補助する方法を提供するものである。
また、本発明は、バクテロイデス・フラギリス、バクテロイデス・インテスティナリス、およびバクテロイデス・スターコリスからなる群より選択される1種以上の菌種の、糞便中の菌数が、増大した場合にスギ花粉症の重症度が上がった可能性が高いと判断し、減少した場合にスギ花粉症の重症度が下がった可能性が高いと判断することを特徴とする前記記載のスギ花粉症検査を補助する方法を提供するものである。
また、本発明は、糞便中の菌数の測定を、各菌種の遺伝子配列に対し特異的なプライマーを用いて行うことを特徴とする前記いずれか記載のスギ花粉症検査を補助する方法を提供するものである。
また、本発明は、下記(a)〜(e)に記載のプライマーセットのうち、少なくとも1以上を用いることを特徴とする、前記いずれか記載のスギ花粉症検査を補助する方法を提供するものである。
(a)配列番号11の塩基配列を有するバクテロイデス・フラギリス特異的フォワードプライマーと配列番号12の塩基配列を有するバクテロイデス・フラギリス特異的リバースプライマーからなるプライマーセット。
(b)配列番号15の塩基配列を有するバクテロイデス・インテスティナリス特異的フォワードプライマーと配列番号16の塩基配列を有するバクテロイデス・インテスティナリス特異的リバースプライマーからなるプライマーセット。
(c)配列番号7の塩基配列を有するバクテロイデス・ユニフォルミス特異的フォワードプライマーと配列番号8の塩基配列を有するバクテロイデス・ユニフォルミス特異的リバースプライマーからなるプライマーセット。
(d)配列番号9の塩基配列を有するバクテロイデス・カッカエ特異的フォワードプライマーと配列番号10の塩基配列を有するバクテロイデス・カッカエ特異的リバースプライマーからなるプライマーセット。
(e)配列番号13の塩基配列を有するバクテロイデス・スターコリス特異的フォワードプライマーと配列番号14の塩基配列を有するバクテロイデス・スターコリス特異的リバースプライマーからなるプライマーセット。
1.バクテロイデス・フラギリスグループに属する菌種特異的プライマーの設計および合成
まず、ヒト糞便からの検出が報告されているバクテロイデス・フラギリスグループに属する菌種に関して、各菌種特異的なPCR(Polymerase Chain Reaction)用プライマーを設計し、合成した。具体的には、DDBJ(DNA Data Bank of Japan)、NCBI(National center for Biotechnology Information)のGenbank等の公知の国際的な塩基配列データベースにより得られた各細菌の16SrRNA遺伝子配列を基にして、公知の塩基配列解析ソフトであるCLUSTALW ver1.83を用いて、特異的配列部位を特定し、この部分をターゲットとして、各プライマーを設計した。このようにして設計した塩基配列に従い、DNA合成機を用いてプライマーを合成した。設計された各プライマーの塩基配列を表1に示す。表中のプライマー名のうち、「BaOVA−F」等の末尾が「F」のものはフォワードプライマーであり、「BaOVA−R」等の末尾が「R」のものはリバースプライマーである。また、「産物の長さ(bp)」とは、各フォワードプライマーとリバースプライマーを用いて、それが特異的に認識する菌種の16SrRNA遺伝子を鋳型としてPCRを行った場合に得られるPCR産物の塩基対長を示している。
上記1で設計・合成したプライマーが、実際に各菌種の16SrRNA遺伝子に対して特異性を有しているかを確認するため、近縁種(標準株および基準株)由来遺伝子を鋳型とした場合のプライマー反応性を検討した。
まず、表2に示す4属18菌種の細菌を、GAM培地(Nissui社製)にて嫌気的に一晩純粋培養した。こうして得られた菌体各々から、Dneasy Blood&Tissue kit(QIAGEN社製)を用い、付属プロトコールに従ってDNAを抽出した。抽出したDNAは、200μLのキットに付属のElution bufferに溶かして濃度を測定し、10μg/mLの濃度に調製して鋳型DNA溶液とした。
次に、SYBR Premix Ex Taq (タカラ社製)を用いて、各菌種特異的プライマーセット(フォワードプライマーとリバースプライマーのセット)と、1μLの各鋳型DNA溶液(10ngの鋳型DNA)とを含む総液量を20μLのPCR反応液を調製した。これらのPCR反応液に対して、94℃10秒間の後、94℃5秒間、60℃30秒間を1サイクルとし、これを35サイクル行う反応条件によるPCRを行った。なお、PCRは、7500 Fast Real−Time PCR system(アプライド・バイオシステム社製)を用いて行った。その後、メルティングカーブをデフォルト条件で作成し、非特異的増幅の有無を確認した。
各PCRの結果を表3に示す。表中、「+」はPCR陽性、すなわちPCR産物が得られたことを、「−」はPCR陰性、すなわちPCR産物が得られなかったことを、それぞれ示している。この結果、上記1で得られたプライマーは、各菌種特異的にバンドを形成し、非特異的な増幅は認められなかった。
スギ花粉特異的IgE陽性かつ自覚症状を有するスギ花粉症患者33名、および試験開始時点でスギ花粉特異的IgE陰性である非花粉症者14名を被験者とし、スギ花粉飛散前に採取された糞便中のバクテロイデス・フラギリスグループに属する菌の菌種ごとの菌数と花粉症症状との相関性を解析した。花粉症症状としては、くしゃみ等の自覚症状と、血液中のスギ花粉特異的IgE量を調べた。具体的には、以下のようにして行った。
(1) 糞便中の各菌種の菌数の測定
後記試験例2において各被験者の糞便から調製されたDNA溶液を鋳型DNA溶液とし、表1記載のプライマーセットを用いて、上記2と同様の反応条件でPCRを行った。得られたPCR産物量から、各DNA溶液中の各菌種の菌数を測定した。菌数の測定は、予め菌数を計数した基準株から同様に抽出したDNA溶液を用いてPCRを行うことにより作成した検量線を用いて行った。
上記(1)で測定した菌数と、後記試験例1で得られた各被験者の花粉症自覚症状のスコアおよび血液中のスギ花粉特異的IgE量のデータに基づき、公知の統計解析ソフトSPSS ver14.0を用いて相関解析を行った。Spearman法にて相関係数を算出したところ、バクテロイデス・フラギリス、バクテロイデス・インテスティナリス、バクテロイデス・ユニフォルミス、バクテロイデス・カッカエ、およびバクテロイデス・スターコリスにおいて、花粉症自覚症状のスコアおよび血液中のスギ花粉特異的IgE量の両方またはいずれか一方と、正または負の有意な相関を示すことが判明した。なお、表中、「花粉飛散前のスギ花粉特異的IgE」とは、試験開始時点の1月20日に採血した血液中のスギ花粉特異的IgE量を意味し、「花粉飛散後のスギ花粉特異的IgE」とは、試験終了時点の4月21日に採血した血液中のスギ花粉特異的IgE量を意味する。
式(1) (バクテロイデス・フラギリス菌数+バクテロイデス・インテスティナリス菌数+バクテロイデス・スターコリス菌数)/(バクテロイデス・ユニフォルミス菌数+バクテロイデス・カッカエ菌数)
上記(1)で菌数を測定した18菌種のうち、バクテロイデス・フラギリスグループに属する14菌種の菌数を合計し、バクテロイデス・フラギリスグループの総菌数を算出した。得られた総菌数と、後記試験例1で得られた各被験者の花粉症自覚症状のスコア、および血液中のスギ花粉特異的IgE量のデータに基づき、上記(2)と同様にして相関解析を行い、Spearman法にて相関係数を算出した。この結果、表11に示すように、バクテロイデス・フラギリスグループの総菌数は、花粉症自覚症状のスコア、花粉飛散前のスギ花粉特異的IgE量、花粉飛散後のスギ花粉特異的IgE量のいずれとも有意な相関を示さなかった。以上の結果から、花粉飛散前に採取された糞便中のバクテロイデス・フラギリスグループの総菌数は、スギ花粉症との相関性が低く、スギ花粉症の指標としては不十分であることが明らかである。
スギ花粉飛散開始時期前に採取されたものであってもよく、スギ花粉飛散時期に採取されたものであってもよい。なお、本発明において、「スギ花粉飛散開始時期前」とは、前年のスギ花粉が飛散時期の終了時期から、次年度のスギ花粉の飛散が開始する時期の前までを意味する。スギ花粉の飛散時期は、スギの生育地からの距離や地域、気象状況等により変動するものであるが、日本では一般的には1月下旬〜4月下旬頃までである。
スギ花粉特異的IgE陽性かつ自覚症状を有するスギ花粉症患者33名および試験開始時点でスギ花粉特異的IgE陰性である非花粉症者14名を対象に、1月20日〜4月21日までの間、臨床試験を実施した。試験期間中は「鼻アレルギー診療ガイドライン2002」に従い、くしゃみ、水性鼻汁、鼻閉、鼻掻痒感、目の症状、のどの症状を日誌に記入させ、自覚症状変化を調査した。週ごとにこれらのスコアを合計し、得られた曲線下面積を自覚症症状の指標とした。また、試験期間前後(1月20日と4月21日)に採血を行った。スギ花粉特異的IgE抗体量は、ELISA測定用プラスティック96穴プレートに、市販のスギ花粉抗原(Diagnostics社製)をコートし、そこに被験者の血液を添加して洗浄後、HRP標識した抗ヒトスギ花粉特異的IgE抗体(Diagnostics社製)を添加して反応させた後、さらに洗浄した。さらに、TMB試薬(Diagnostics社製)にて発色させた後、10%硫酸を加えて反応を停止させてから、プレートリーダーにて452〜595nmの吸光度を測定した。得られた測定値から、濃度既知の対照試料を用いて作成した検量線を用いて、各血液中のスギ花粉特異的IgE抗体量を算出した。
試験開始時点(1月20日)に、試験例1で示した被験者47名から採便を行い、糞便からフェノール・ビーズ法(非特許文献2参照。)によりDNAを抽出した。すなわち、20mgの糞便を1mLのPBSにて2回洗浄後、extraction buffer (100mM Tris−HCl, 40mM ethylenediaminetetraacetic acid,pH9.0) 450μL、10%SDS50μL、0.1mm径のグラスビーズ300mg、TE飽和フェノール500μLを加え、FastPrep FP100A(Bio101社製)を用いて、パワーレベル5で30秒間激しく振盪した。氷上で10分静置した後、14000×g、5分間の遠心で得られた上清に、フェノール・クロロホルムを400μL加えて、よく攪拌した。さらに氷上で10分静置した後、14000×g、5分間の遠心で得られた上清をイソプロパノールで沈殿させ、70%エタノールで洗浄した。その後、High Pure PCR Template Preparation kit (ロシュ社製)を用い、付属プロトコールに従ってDNAを精製した。最終的に200μLのTEバッファー(10mM Tris−HCl(pH8.0)/1mM EDTA)に溶かした溶液を、DNA溶液とした。
(1)スギ花粉症患者および非花粉症者における、バクテロイデス・フラギリスグループの各菌種の定性分析
上記試験例2において各被験者の糞便から調製されたDNA溶液を鋳型DNA溶液とし、表1記載の、バクテロイデス・フラギリス、バクテロイデス・インテスティナリス、バクテロイデス・ユニフォルミス、バクテロイデス・カッカエ、およびバクテロイデス・スターコリスの菌種特異的プライマーセットをそれぞれ用いてPCRを行い、各DNA溶液中に上記5菌種が存在しているかどうかを分析した。
TaKaRa Ex Taq (タカラ社製)を用いて、各菌種特異的プライマーセット(フォワードプライマーとリバースプライマーのセット)と、1μLの各鋳型DNA溶液とを含む総液量を25μLのPCR反応液を調製した。これらのPCR反応液に対して、94℃20秒間、50℃20秒間、72℃30秒間を1サイクルとし、これを30サイクル行う反応条件によるPCRを行った。なお、PCRは、7500 Fast Real−Time PCR system(アプライド・バイオシステム社製)を用いて行った。その後、得られたPCR産物を電気泳動し、バンドの有無により、糞便中にバクテロイデス・フラギリスグループの各菌種が存在しているかどうかを判定した。具体的には、電気泳動は、1%アガロースゲル(Molecular Biology Certified Agarose;バイオラッド社製)を用いて、Mupid(コスモ・バイオ社製)により100V、30分間電気泳動し、エチジウムブロミド(0.5mg/mL)で染色後、UVランプ下でバンドを観察することにより行った。なお、該方法では、糞便1g当り100万以上の菌数がいる場合に、PCR後にバンドが検出される。
上記(1)で得られたバクテロイデス・フラギリスグループの5菌種の有無の結果と、試験例1で得られた各被験者の花粉症自覚症状のスコアおよび血液中のスギ花粉特異的IgE量のデータに基づき、統計解析ソフトSPSS ver14.0を用いて群間解析を行った。Mann−Whitney Uテストを実施した結果を、表12〜16に示した。表中、「PCR陽性被験者」とは、上記(1)においてバンドが検出され、標的の菌種が糞便1g当たり100万以上存在すると判定された糞便が採取された被験者を意味し、「PCR陰性被験者」とは、バンドが検出されず、標的の菌種が糞便1g当たり100万未満であると判定された糞便が採取された被験者を意味する。また、表中の「花粉飛散前のスギ花粉特異的IgE」および「花粉飛散後のスギ花粉特異的IgE」は、表4等と同じである。
また、例えばバクテロイデス・インテスティナリスの結果(表13参照。)にあるように、花粉飛散前のスギ花粉特異的IgE量においては認められなかった有意差が、花粉飛散後のスギ花粉特異的IgE量において認められたことから、本発明のスギ花粉症検査方法において指標とされる5菌種(バクテロイデス・フラギリス、バクテロイデス・インテスティナリス、バクテロイデス・ユニフォルミス、バクテロイデス・カッカエ、およびバクテロイデス・スターコリス)が、重症化の危険性を判断する指標になることが明らかとなった。
上記(1)で得られたバクテロイデス・フラギリスグループの5菌種の有無の結果から、糞便中の各菌種の検出の有無による、スギ花粉症の罹患の有無の検出精度を調べた。
各菌種の検出の有無、すなわち、PCR陽性被験者とPCR陰性被験者における、花粉症罹患者と非罹患者の人数を、表17に示した。
一方、バクテロイデス・カッカエにおいては、PCR陰性被験者中、約85%が花粉症罹患者であり、バクテロイデス・ユニフォルミスにおいては、PCR陰性被験者の全員が花粉症罹患者であった。
つまり、糞便中のバクテロイデス・フラギリス、バクテロイデス・フラギリス、バクテロイデス・インテスティナリス、バクテロイデス・ユニフォルミス、バクテロイデス・カッカエ、およびバクテロイデス・スターコリスの5菌種の検出の有無により、スギ花粉症の罹患の有無を80%以上の特異度で検査することが可能であることが示唆された。すなわち、これらの結果から、これらの5菌種が、スギ花粉症マーカーとして利用し得ることが明らかである。
表1記載の各菌種特異的プライマーセット(フォワードプライマーとリバースプライマーのセット)、およびバクテロイデス・フラギリスグループの全ての菌を検出するプライマーである、配列番号29の塩基配列を有するバクテロイデス・フラギリスグループ検出用フォワードプライマーg−Bfra−Fと、配列番号30の塩基配列を有するバクテロイデス・フラギリスグループ検出用リバースプライマーg−Bfra−Rからなるプライマーセット(非特許文献2参照。)を用いた以外は、全て実施例1(1)と同様にして、PCR後のバンドの検出の有無より、各DNA溶液中にバクテロイデス・フラギリスグループの菌種が存在しているかどうかを分析した。
この結果、バクテロイデス・フラギリスグループ検出用プライマーセットを用いた場合には、全ての被験者の糞便からバンドが検出され、バクテロイデス・フラギリスグループの検出率は100%となった。また、全ての被験者の糞便において、表1記載のいずれかの菌種特異的プライマーセットを用いた場合にバンドが検出された。これらの結果から、バクテロイデス・フラギリスグループの総菌数は、スギ花粉症との相関性が低く、スギ花粉症の診断に用いるには不適であると判断された。
Claims (9)
- 被験者から採便された糞便中の、バクテロイデス・ユニフォルミスおよびバクテロイデス・カッカエからなる群より選択される1種以上の菌種の菌数が、糞便1g当たり100万未満である場合に、被験者がスギ花粉症に罹患している可能性が高いと判断することを特徴とする、スギ花粉症検査を補助する方法。
- 被験者から採便された糞便1g当たりの、下記式(1)で表されるバクテロイデス菌数比率が、0.06以上である場合に、被験者がスギ花粉症に罹患している可能性が高いと判断することを特徴とする、スギ花粉症検査を補助する方法。
式(1) (バクテロイデス・フラギリス菌数+バクテロイデス・インテスティナリス菌数+バクテロイデス・スターコリス菌数)/(バクテロイデス・ユニフォルミス菌数+バクテロイデス・カッカエ菌数) - 被験者から採便された糞便中の、バクテロイデス・ユニフォルミスおよびバクテロイデス・カッカエからなる群より選択される1種以上の菌種の菌数が、減少した場合にスギ花粉症の重症度が上がった可能性が高いと判断し、増大した場合にスギ花粉症の重症度が下がった可能性が高いと判断することを特徴とする、スギ花粉症検査を補助する方法。
- 前記糞便が、スギ花粉飛散開始時期前に被験者から採便されたものであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスギ花粉症検査を補助する方法。
- スギ花粉飛散開始時期前に被験者から採便された糞便中の、バクテロイデス・フラギリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス・インテスティナリス(Bacteroides intestinalis)、バクテロイデス・ユニフォルミス(Bacteroides uniformis)、バクテロイデス・カッカエ(Bacteroides caccae)、およびバクテロイデス・スターコリス(Bacteroides stercoris)からなる群より選択される1種以上の菌種の菌数を指標とし、スギ花粉症の罹患の可能性または重症である可能性を検査することを特徴とするスギ花粉症検査を補助する方法。
- バクテロイデス・フラギリス、バクテロイデス・インテスティナリス、およびバクテロイデス・スターコリスからなる群より選択される1種以上の菌種の菌数が、糞便1g当たり100万以上である場合に、被験者がスギ花粉症に罹患している可能性が高いと判断することを特徴とする、請求項5記載のスギ花粉症検査を補助する方法。
- バクテロイデス・フラギリス、バクテロイデス・インテスティナリス、およびバクテロイデス・スターコリスからなる群より選択される1種以上の菌種の、糞便中の菌数が、増大した場合にスギ花粉症の重症度が上がった可能性が高いと判断し、減少した場合にスギ花粉症の重症度が下がった可能性が高いと判断することを特徴とする、請求項5記載のスギ花粉症検査を補助する方法。
- 糞便中の菌数の測定を、各菌種の遺伝子配列に対し特異的なプライマーを用いて行うことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のスギ花粉症検査を補助する方法。
- 下記(a)〜(e)に記載のプライマーセットのうち、少なくとも1以上を用いることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のスギ花粉症検査を補助する方法。
(a)配列番号11の塩基配列を有するバクテロイデス・フラギリス特異的フォワードプライマーと配列番号12の塩基配列を有するバクテロイデス・フラギリス特異的リバースプライマーからなるプライマーセット。
(b)配列番号15の塩基配列を有するバクテロイデス・インテスティナリス特異的フォワードプライマーと配列番号16の塩基配列を有するバクテロイデス・インテスティナリス特異的リバースプライマーからなるプライマーセット。
(c)配列番号7の塩基配列を有するバクテロイデス・ユニフォルミス特異的フォワードプライマーと配列番号8の塩基配列を有するバクテロイデス・ユニフォルミス特異的リバースプライマーからなるプライマーセット。
(d)配列番号9の塩基配列を有するバクテロイデス・カッカエ特異的フォワードプライマーと配列番号10の塩基配列を有するバクテロイデス・カッカエ特異的リバースプライマーからなるプライマーセット。
(e)配列番号13の塩基配列を有するバクテロイデス・スターコリス特異的フォワードプライマーと配列番号14の塩基配列を有するバクテロイデス・スターコリス特異的リバースプライマーからなるプライマーセット。
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