JP5267935B2 - 使い捨てカイロ用基布として使用する長繊維不織布の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)ポリブチレンテレフタレート(A成分)に対して、A成分と非相溶でありかつ110℃〜160℃のガラス転移点温度を有する熱可塑性ポリスチレン系共重合体(B成分)を0.05〜4.0重量%混合して得られるポリエステルからなる長繊維で構成された不織布において、22℃雰囲気での縦方向の伸度が30〜70%であり、22℃雰囲気での縦方向の目付量あたりの力(リキ)が10〜30(N/50mm*√%)/(g/m2)であり、交絡処理していないことを特徴とする長繊維不織布。
(2)剛軟度が30〜70mmであり、耐磨耗性が4〜5級であることを特徴とする(1)に記載の長繊維不織布。
(3)使い捨てカイロ用基布として(1)または(2)に記載の長繊維不織布を用いたことを特徴とする使い捨てカイロ。
本発明の長繊維不織布は、ポリブチレンテレフタレート(A成分)に対して特定の熱可塑性ポリスチレン系共重合体(B成分)を特定量混合して得られるポリエステルからなるものである。
力=DT×√(DE) 式(I)
例えば、A成分として固有粘度0.95のポリブチレンテレフタレート99.0重量部とB成分としてスチレン・メタクリル酸メチル・無水マレイン酸共重合体(例えば、PLEXIGLAS hw55)1.0重量部を乾燥機でブレンド乾燥し、次いで、通常の溶融紡糸機にて、孔長(L)と孔径(D)の比(L/D)が1〜5のオリフィスを持つノズルを用いて、A成分の融点+20〜50℃である紡糸温度、例えば265℃にて紡糸する。L/Dが1未満では、バラス効果が大きくなりやすく高速紡糸では糸切れが発生しやすくなる。L/Dが5を越えると、剪断力でA成分とB成分が分離しやすくなるので、配向結晶化抑制効果が繊維断面内で均質になりにくい問題がある。本発明では、繊維断面内で均質にA成分中にB成分が分散できるために、L/Dは好ましくは2〜4であり、より好ましくは3である。吐出量は所望の繊度を得るために、設定牽引速度に応じて設定する。例えば、2dtexの繊維を得たい場合、牽引による紡糸速度を4500m/分に設定する時は、単孔吐出量を0.9g/分にて吐出する。
B成分の樹脂のサンプル5mgを採取し、示差走査型熱量計(TA instruments社製Q100)によって、窒素雰囲気下で20℃から10℃/分にて290℃まで昇温させたときの発熱ピーク位置の温度をガラス転移点温度、吸熱ピーク位置の温度を融点として評価した。
JIS−L−1906−2000に準じて測定した単位面積あたりの質量(Ms):g/m2を目付とした。
不織布の任意の20箇所で30mm角に裁断し、SEMにて50倍の写真を撮る。撮影写真をA3サイズに印刷して圧着単位面積を切り抜き、面積(S0)を求める。次いで圧着単位面積内において圧着部のみを切り抜き圧着部面積(Sp)を求め、以下の式に従って圧着面積率(P)を算出する。圧着面積率は20点の平均値を求めた。
P=Sp/S0(n=20)
幅50mm、縦方向の測定長さ200mmのサンプルを、JIS−L−1906に準拠して測定した引張荷重と伸度の破断までの曲線(SS曲線のグラフ)を描いて、SS曲線のグラフより破断時の伸度の平均値(n=10)を縦方向の伸度(DE)として求めた。
上記(4)でSS曲線から求めたDEと、SS曲線から求めた破断時の引張荷重の平均値(n=10)(DT)とから下記式(I)に従って力(リキ)を計算した。
力(リキ)=DT×√(DE) 式(I)
目付量あたりの力は、上記式(I)で求めた力(リキ)を不織布の目付Msで除した値である。
幅20mm、縦方向の長さ200mmの試料を用い、JIS−L−1096剛軟性A法に準拠した条件で測定した(n=10の平均値)(単位:mm)。
JIS−L−1096II法に準拠して、(株)大栄科学精器製作所製「学振型染色物摩擦堅牢度試験機」を用いて、不織布を試料とし、摩擦布は金巾3号を使用して、荷重500gfを使用、摩擦回数100往復にて摩擦させ、不織布表面の毛羽立ち、磨耗状態を下記の基準で目視判定で評価した(n=5の平均値)。
0級:損傷大
1級:損傷中、
2級:損傷小、
3級:損傷なし、毛羽発生あり小
4級:損傷なし、毛羽発生微小
5級:損傷なし、毛羽なし
作成した長繊維不織布の片面に多孔性ポリエチレンフィルムをラミネートしたラミネート不織布を、20cm×15cmに切断して試料とし、これを二つ折りして、この間に市販の使い捨てカイロから取り出した発熱部分を挿入して周囲を熱シールして10cm×15cmのカイロを作成した。この作成したカイロに対して、パネラー5名による以下の官能評価を行った。
(i)柔らかさ
作成したカイロを手で軽く揉んでもらい、柔らかさを官能評価した。
4級:日本製紙クレリア製「クリネックス」並み〜より柔らかい、2級:旭化成製「クリーンワイプP」並みを基準にして、それらの中間を3級、2級より硬い場合を1級として、5名のパネラーの平均値を評価値にした。なお、3級以上を合格とした。
(ii)毛羽立ち性
作成したカイロを、下着(臀部)に外れないように縫いつけて8時間作業した後、目視で以下の基準で官能評価した。
4級:毛羽剥離なし、3級:毛羽微小剥離なし、2級:毛羽小〜中剥離微小、1級:毛羽大剥離中以上とし、5名の平均値とした。3級以上を合格とした。
固有粘度0.95のポリブチレンテレフタレート(PBT)99.6重量%とスチレン−メタクリル酸メチル−無水マレイン酸共重合体樹脂(Rohm GmbH&Co.KGのPLEXIGLAS hw55(hw55))0.4重量%を混合乾燥し、ノズルオリフィスがL/D3.0のノズルを用い、紡糸温度265℃、単孔吐出量0.7g/分にて常法により溶融紡糸し、紡糸速度4500m/分にて引取り、ネットコンベア上に振落してウエッブを得た。連続して、ネット上で190℃の予備圧着ローラーにて押さえ処理を行い、単糸繊度1.6dtexの長繊維からなるウエッブを得た。次いで、圧着面積率16%の210℃に加熱した横楕円エンボスローラーにて、線圧30kgf/cmにてエンボス加工して、目付量30g/m2の長繊維不織布を得た。得られた不織布の詳細と評価結果を表1に示す。実施例1の不織布は、柔らかく毛羽立ちがなく、柔軟性と耐磨耗性がともに優れた不織布であった。
目付量が40g/m2となるようにコンベア速度を調整した以外、実施例1と同様にして長繊維不織布を得た。得られた不織布の詳細と評価結果を表1に示す。実施例2の不織布は、柔らかく毛羽立ちがなく、柔軟性と耐磨耗性がともに優れた不織布であった。
目付量が20g/m2となるようにコンベア速度を調整した以外、実施例1と同様にして長繊維不織布を得た。得られた不織布の詳細と評価結果を表1に示す。実施例3の不織布は、柔らかく毛羽立ちがなく、柔軟性と耐磨耗性がともに優れた不織布であった。
PBTを99.8重量%、hw55を0.2重量%とした以外は、実施例1と同様にして長繊維不織布を得た。得られた不織布の詳細と評価結果を表1に示す。実施例4の不織布は、柔らかく毛羽立ちがなく、柔軟性と耐磨耗性がともに優れた不織布であった。
PBTを99.3重量%、hw55を0.7重量%とした以外は、実施例1と同様にして長繊維不織布を得た。得られた不織布の詳細と評価結果を表1に示す。実施例5の不織布は、柔らかく毛羽立ちがなく、柔軟性と耐磨耗性がともに優れた不織布であった。
PBTを99.0重量%、hw55を1.0重量%とした以外は、実施例1と同様にして長繊維不織布を得た。得られた不織布の詳細と評価結果を表1に示す。実施例6の不織布は、柔らかく毛羽立ちがなく、柔軟性と耐磨耗性がともに優れた不織布であった。
PBTを98.7重量%、hw55を1.3重量%とした以外は、実施例1と同様にして長繊維不織布を得た。得られた不織布の詳細と評価結果を表1に示す。実施例7の不織布は、柔らかく毛羽立ちがなく、柔軟性と耐磨耗性がともに優れた不織布であった。
PBTを99.6重量%とし、hw55の代わりにSARTOMER製 SMA1000を0.4重量%とした以外は、実施例1と同様にして長繊維不織布を得た。得られた不織布の詳細と評価結果を表1に示す。実施例8の不織布は、柔らかく毛羽立ちがなく、柔軟性と耐磨耗性がともに優れた不織布であった。
PBTを99.8重量%とし、hw55の代わりにSARTOMER製 SMA1000を0.2重量%とした以外は、実施例1と同様にして長繊維不織布を得た。得られた不織布の詳細と評価結果を表1に示す。実施例9の不織布は、柔らかく毛羽立ちがなく、柔軟性と耐磨耗性がともに優れた不織布であった。
PBTを100重量%とし、hw55を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして長繊維不織布を得た。得られた不織布の詳細と評価結果を表2に示す。比較例1の不織布は、B成分を含有していないため、柔軟性、耐磨耗性が劣る不織布であった。
PBTを95重量%、hw55を5重量%とした以外は、実施例1と同様にして紡糸したが、糸切れが顕著でウエッブが得られなかった。比較例2の詳細を表2に示す。比較例2は、B成分の添加量が多すぎるため、ウエッブを得ることも困難であった。
PBTを95重量%とし、hw55の代わりにSARTOMER製 SMA1000を5重量%とした以外は、実施例1と同様にして紡糸したが、糸切れが顕著でウエッブが得られなかった。比較例3の詳細を表2に示す。比較例3は、比較例2と同様にB成分の添加量が多すぎるため、ウエッブを得ることも困難であった。
PBTを99.9重量%、hw55を0.01重量%とした以外は、実施例1と同様にして長繊維不織布を得た。得られた不織布の詳細と評価結果を表2に示す。比較例4の不織布は、B成分の添加量が少なすぎるため、柔軟性、耐磨耗性が劣る不織布であった。
実施例1と同様にして作成したウエッブを、ペネ60でニードルパンチ加工して長繊維不織布を得た。得られた不織布の詳細と評価結果を表2に示す。比較例5の不織布は、交絡処理をしているため、柔軟性は良いが、耐磨耗性が劣る不織布であった。
固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレート(PET)99.5重量%とスチレン−メタクリル酸メチル−無水マレイン酸共重合体樹脂(Rohm GmbH&Co.KGのPLEXIGLAS hw55)0.5重量%を混合乾燥し、ノズルオリフィスがL/D3.0のノズルを用い、紡糸温度282℃、単孔吐出量0.88g/分にて常法により溶融紡糸し、紡糸速度3500m/分にて引取り、ネットコンベア上に振落してウエッブを得た。連続して、ネット上で100℃の予備圧着ローラーにて押さえ処理を行い、単糸繊度2.5dtexの長繊維からなるウエッブを得た。次いで、圧着面積率18%の140℃に加熱した横楕円エンボスローラーにて、線圧30kgfにてエンボス加工して、目付50g/m2の不織布を得た。得られた不織布の詳細と評価結果を表2に示す。比較例6の不織布は、剛軟度が高く硬直なため、耐磨耗性は許容されるが、柔らかさに劣る不織布であった。
B成分を混合しなかった以外は、比較例6と同一の条件で長繊維不織布を得た。得られた不織布の詳細と評価結果を表2に示す。比較例7の不織布は、比較例6と同様に剛軟度が高く剛直で、柔らかさが劣る不織布であった。
Claims (3)
- 使い捨てカイロ用基布として使用する長繊維不織布の製造方法であって、ポリブチレンテレフタレート(A成分)に対して、A成分と非相溶でありかつ110℃〜160℃のガラス転移点温度を有する熱可塑性ポリスチレン系共重合体(B成分)を0.05〜4.0重量%混合したポリエステルを、ノズルより、A成分の融点+20〜50℃である紡糸温度で紡糸し、牽引ジェットにて3000〜5000m/分の紡糸速度で長繊維を引取り、吸引ネットコンベア上に振落してウエッブを得た後、そのウエッブに圧着面積率8〜25%のエンボス加工を施すことを特徴とする製造方法。
- ウエッブを100〜210℃にて予備圧着してから、140〜230℃にてエンボス加工することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- ノズルが、孔長(L)と孔径(D)の比(L/D)が1〜5のオリフィスを持つことを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
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