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JP5268852B2 - インクジェット記録装置及び画像処理装置 - Google Patents
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Description

本発明は、ノズルから吐出されるインク液滴によって用紙に画像を形成するインクジェット記録装置及び画像処理装置に関するものである。
近年、用紙に対してインクを吐出させて画像を形成するインクジェットプリンタが多く普及している。このようなインクジェットプリンタでは、用紙カセットに収納された用紙が1枚ずつ繰り出され、この用紙は搬送ベルトによってインクを吐出する記録ヘッドに対向した位置へ搬送される。用紙が記録ヘッドに対向した位置まで来ると、記録ヘッドからインク液滴が用紙に向かって吐出され、用紙上に画像を順次形成する。
記録ヘッドは、インク液滴を吐出する吐出口であるノズルに連通した加圧室とその加圧室の壁面に配置された圧電素子(ピエゾ素子)を有するインク吐出部が複数配設されて構成される。圧電素子は供給される駆動波形に応じて作動し、加圧室は常にインクが充填された状態となっている。加圧室に充填されたインクは圧電素子の作動に応じてノズルからインク液滴として吐出される。
用紙に形成される画像において高い画質を得るためには、全てのノズルから適切なタイミング、同じ吐出速度、同じ量のインク液滴が吐出されること等の共通した条件が求められる。しかしながら、実際には圧電素子の精度のばらつきやインク吐出部の構成のばらつき等が原因で、全てのノズルから吐出されるインク液滴を同じにすることは困難である。
そこで、特許文献1には、インク吐出部(ノズルや圧電素子)の特性に応じた駆動データをインク吐出部毎に圧縮データとして記憶し、印刷時にこの圧縮データを伸張して駆動波形を生成して圧電素子に供給することによって、各インク吐出部から吐出されるインク液滴の量のばらつきを補正する方法について記載されている。
特開2006−218766号公報
しかし、特許文献1に記載された方法では、駆動データを圧縮して記憶するとは言え、ノズル数の多い記録ヘッドの場合はその分データ数が多くなり、大きなメモリ容量が必要となる。このようなメモリは、一般的に記録ヘッドに搭載されるため、容量の小さい小型のメモリであることが望ましく、特許文献1に記載された方法ではメモリの小型化(集積回路の小型化)が困難であった。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、小さい記憶容量のメモリを用いてでもインク吐出部から吐出されるインク液滴の量のばらつきを補正可能なインクジェット記録装置及び画像処理装置を提供することを目的とするものである。
請求項1に記載の発明のインクジェット記録装置は、インクを収容する加圧室と、当該加圧室の壁面に配置された圧電素子とを有し、供給された駆動波形に応じて前記圧電素子が作動することによって前記加圧室と連通しているノズルからインク液滴を吐出するインク吐出手段と、複数の前記インク吐出手段を有する記録ヘッドと、入力された画像データに基づいて階調データを生成する階調データ生成手段と、前記複数のインク吐出手段に供給する駆動波形を生成するための基準波形を示す基準値を前記階調データの示す階調毎にそれぞれ記憶する基準値記憶手段と、前記複数のインク吐出手段に供給される前記駆動波形の電圧値とパルス幅とを補正するために予め設定された補正値を前記インク吐出手段毎にそれぞれ記憶する補正値記憶手段と、前記階調データ生成手段が生成した前記各インク吐出手段に対する階調データに従って前記基準値記憶手段から前記各インク吐出手段に対する前記基準値をそれぞれ選択し、当該選択された各基準値が示す前記基準波形の電圧値とパルス幅を、前記インク吐出手段毎に設定された前記補正値を用いて補正することにより前記インク吐出手段毎の前記駆動波形を生成して前記各インク吐出手段に出力する駆動波形生成手段と、前記複数のインク吐出手段が有するノズルに対向する位置に用紙を搬送する搬送手段と、備え、前記複数のインク吐出手段から吐出されるインク液滴によって前記用紙に画像を形成するものである。
また、請求項4に記載の発明の画像処理装置は、入力された画像データに基づいて階調データを生成する階調データ生成手段と、インクを収容する加圧室と当該加圧室の壁面に配置された圧電素子とをそれぞれが有し、供給された駆動波形に応じて前記圧電素子が作動することによって前記加圧室と連通しているノズルからインク液滴を吐出する複数のインク吐出手段に供給する駆動波形を生成するための基準波形を示す基準値を前記階調データの示す階調毎にそれぞれ記憶する基準値記憶手段と、前記複数のインク吐出手段に供給される前記駆動波形の電圧値とパルス幅とを補正するために予め設定された補正値を前記インク吐出手段毎にそれぞれ記憶する補正値記憶手段と、前記階調データ生成手段が生成した前記各インク吐出手段に対する階調データに従って前記基準値記憶手段から前記各インク吐出手段に対する前記基準値をそれぞれ選択し、当該選択された各基準値が示す前記基準波形の電圧値とパルス幅を、前記インク吐出手段毎に設定された前記補正値を用いて補正することにより前記インク吐出手段毎の前記駆動波形を生成して前記各インク吐出手段に出力する駆動波形生成手段と、を備えたものである。
これらの構成によれば、基準値のデータ数は階調の数だけでよく、補正値は基準値を補正する値であるため、従来のように圧電素子やノズル等のインク吐出手段の特性や記録ヘッドの精度等に応じて予め補正を加えた駆動波形データをノズル毎に記憶する方法に比べて記憶すべき数値を小さくすることができる。従って、補正値に関してはビット数を少なくすることができ、これらの値を記憶するためのメモリの容量を小さくすることができる。メモリ容量を小さくできると、メモリのコスト削減や記録ヘッドに搭載する集積回路の小型化を進めることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置であって、前記記録ヘッドの温度を検出する検出手段と、前記検出された温度に従って前記基準値記憶手段に記憶された前記階調毎の基準値を変更する変更手段と、を更に備えたものである。
インクジェット記録装置が連続印字を行っていると、記録ヘッドの温度が上昇し、ノズルからのインク吐出量が変化する場合がある。インク吐出量が変化すると、画像品質が変化するため、インクジェット記録装置の信頼性を低下させてしまう。そこで、記録ヘッドの温度に応じて基準値を変更することにより、記録ヘッドの温度が変化してもインク吐出量を一定に保つことができ、画像品質を保持することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェット記録装置であって、前記変更手段は、前記複数のインク吐出手段による前記用紙1枚分の画像形成に係るインク吐出が終わってから、次に搬送される用紙の画像形成に係るインク吐出が始まるまでの間に前記階調毎の基準値を変更するものである。
ページ印刷の途中で基準値が変更されると、ページ内において画質が変化してしまう。そこで、印刷ページ間において基準値の変更を行うことによって、ページ内における(1つの画像における)画質変化を避けることができる。
この発明によれば、基準値のデータ数は階調の数だけでよく、補正値は基準値を補正する値であるため、従来のように圧電素子やノズル等のインク吐出手段の特性や記録ヘッドの精度等に応じて予め補正を加えた駆動波形データをノズル毎に記憶する方法に比べて記憶すべき数値を小さくすることができる。従って、補正値に関してはビット数を少なくすることができ、これらの値を記憶するためのメモリの容量を小さくすることができる。メモリ容量を小さくできると、メモリのコスト削減や記録ヘッドに搭載する集積回路の小型化を進めることができる。
インクジェットプリンタの概略断面図。 記録ヘッドとベルトユニットを上方から見たときの平面図。 インクジェットプリンタの電気的構成を示すブロック図。 駆動制御回路の電気的構成を示したブロック図。 基準値及び補正値と、駆動波形生成回路によって生成された駆動波形の関係を説明するための図。 駆動波形生成処理の流れを示したフローチャート。 駆動波形生成処理の変形例の流れを示したフローチャート。
以下、本発明におけるインクジェット記録装置及び画像処理装置の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の実施の形態では、インクジェット記録装置としてインクジェットプリンタ単体を例に説明するが、本発明におけるインクジェット記録装置は複写機、ファクシミリ、又はこれら機能を兼ね備えた複合機等の電子機器に適用可能である。また、複数の記録ヘッドを用いてカラー印刷を行うインクジェットプリンタを例に説明するが、単色印刷のインクジェットプリンタであっても構わない。
図1は、本実施の形態におけるインクジェットプリンタ1の概略断面図である。インクジェットプリンタ1は、用紙カセット11、ピックアップローラ12、搬送ローラ対13、吸着ローラ14、搬送ベルト15、記録ヘッド18、クリーニング装置21、排出ローラ対25及び排出トレイ26を備えて構成される。
用紙カセット11には印刷前の用紙Pが積載して収納されており、用紙Pはここからピックアップローラ12の駆動により1枚ずつ取り出されて搬送路31へ送り出される。搬送ローラ対13は搬送路31を通ってきた用紙Pを搬送路32へ搬送する。
搬送路32を通過した用紙Pは、吸着ローラ14と搬送ベルト15のニップ部を介して記録ヘッド18のインク吐出口に対向する位置へ搬送される。吸着ローラ14の表面は搬送ベルト15へ当接しており、用紙Pを搬送ベルト15へ圧接して吸着させる。
搬送ベルト15は、例えば誘電体樹脂製のシートが用いられ、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが主に用いられる。搬送ベルト15は給紙側(上流側)の従動ローラ22と、排紙側(下流側)の駆動ローラ20と、テンションローラ19とに掛け渡されており、駆動ローラ20が紙面上で反時計回りに回転すると、搬送ベルト15が矢印Yの方向に回転し、従動ローラ22とテンションローラ19が搬送ベルト15に従動して回転する。テンションローラ19は駆動ローラ20と従動ローラ22の間で搬送ベルト15がたるまないように張力を与えるためのローラである。以下、搬送ベルト15、従動ローラ22、テンションローラ19、駆動ローラ20及びクリーニング装置21等によって構成された部分を「ベルトユニット100」という。
記録ヘッド18は、例えばイエロー用記録ヘッド18Y、マゼンタ用記録ヘッド18M、シアン用記録ヘッド18C及びブラック用記録ヘッド18Kを備える。そして、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックのインクを用紙Pに向かって吐出し、画像を順次形成する。本実施の形態における記録ヘッド18のインク吐出方法は、例えばピエゾ素子等の圧電素子を用いてノズルからインクを押し出すピエゾ方式を用いている。
クリーニング装置21は搬送ベルト15の表面に付着したインクを除去するためのものである。画像形成のなされた用紙Pは、排出搬送路24を通り、排出ローラ対25によって排出トレイ26に排出される。
図2は、記録ヘッド18とベルトユニット100を上方から見たときの平面図である。記録ヘッド18は、搬送ベルト15の周回方向(用紙搬送方向)に沿って回転方向上流側から下流側に向けて配置される。そして、各記録ヘッド18は、用紙搬送方向に対して垂直方向(用紙幅方向)に延在したラインヘッド51を有し、ラインヘッド51の下面にはインク液滴を吐出するための複数のノズルが設けられている。
ラインヘッド51に設けられた各ノズルは加圧室に連通しており、その加圧室の壁面には圧電素子(ピエゾ素子)が配置されている。圧電素子は供給される駆動波形に応じて作動し、加圧室は常にインクが充填された状態となっている。従って、加圧室に充填されたインクは圧電素子の作動に応じてノズルからインク液滴として吐出される。また、各記録ヘッド18はインク液滴を吐出させるノズルを選択し、選択されたノズルに対応している圧電素子に駆動波形を供給する駆動制御回路を搭載している。
ここで、用紙Pに良好な画質の画像を形成するためには、ラインヘッド51に設けられた全てのノズルから適切なタイミング、同じ吐出速度、同じ量のインク液滴が吐出されること等の共通した条件が求められる。しかしながら、実際には圧電素子の精度のばらつきや記録ヘッド18の構成のばらつき等が原因で、全てのノズルから吐出されるインク液滴量を一定にすることは困難である。
この問題を解決するために、従来では、圧電素子や記録ヘッド18等の特性に応じて予め補正を加えた駆動波形をノズル毎にメモリに記憶させることによって、ノズルから吐出されるインク液滴の量のばらつきを補正する方法を用いていた。しかし、ノズル数の多い記録ヘッドの場合、その分記憶すべき駆動波形のデータ数も多くなることから、記憶容量の大きなメモリが必要となり、記録ヘッド18に搭載する駆動制御回路の小型化やコストの面において問題があった。
そこで、本発明では、記憶容量の小さなメモリを用いてでもノズルから吐出されるインク液滴の量のばらつきを補正可能な方法について提案する。
図3は、インクジェットプリンタ1の電気的構成を示すブロック図である。インクジェットプリンタ1は、制御部60、記憶部61、用紙搬送部62、画像メモリ63、画像処理部64、画像形成部65、入力操作部66及びネットワークI/F部67を備えて構成されている。尚、点線で示した構成要素は他の実施例にて用いる要素であり、後ほど説明する。
制御部60は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)等によって構成され、記憶部61に記憶されたプログラムを読み出して処理を実行し、各機能部への指示信号の出力、データ転送等を行ってインクジェットプリンタ1を統括的に制御する。
記憶部61は、インクジェットプリンタ1の備える種々の機能を実現するためのプログラムやデータ等を記憶する。用紙搬送部62は、ベルトユニット100や各種ローラ等で構成される。画像メモリ63は、ネットワークI/F部67を介して外部装置から送信された画像データを一時的に記憶する。画像処理部64は、画像メモリ63に記憶されている画像データに対して画像補正や拡大・縮小等の画像処理を施す。画像形成部65は、記録ヘッド18を有し、用紙搬送部62によって搬送された用紙に対して画像データの示す画像を形成する。そして、記録ヘッド18は、圧電素子に駆動波形を供給して各ノズルから吐出されるインク液滴を制御する駆動制御回路181を有する。駆動制御回路181は、本発明における画像処理装置に相当し、後ほど詳しく説明する。
入力操作部66は、各種メッセージを表示するための表示パネルや、電源キー、リセットキー等の種々の操作命令を入力するための操作ボタンを有する。ネットワークI/F部67は、LANボード等の通信モジュールから構成され、ネットワークI/F部67と接続されたネットワーク(不図示)を介して外部装置と種々のデータの送受信を行う。
図4は、駆動制御回路181の電気的構成を示したブロック図である。駆動制御回路181は、メモリ71、階調データ生成部72、レジスタ73及び75、バッファ74、セレクタ76、駆動波形生成回路77、制御部78を備える。そして、圧電素子80は、記録ヘッド18に設けられた各ノズルと連通している加圧室の壁面に配置されたものであり、圧電素子80の数はノズルの数と同数のN個(Nは1以上の整数)存在する。そして圧電素子80は駆動波形生成回路77から供給される駆動波形に従って作動する。
メモリ71は、基準値記憶部711及び補正値記憶部712を有する。基準値記憶部711は、駆動波形生成回路77が圧電素子80に供給する駆動波形を生成する際に基準となる波形に関する値を示す基準値を階調毎に記憶する。この階調別の基準値は各圧電素子80共通の値であり、例えば階調数がG(Gは1以上の整数)であれば、基準値記憶部711は階調別にG個の基準値を記憶する。
補正値記憶部712は、駆動波形生成回路77が圧電素子80に供給する駆動波形を圧電素子80や記録ヘッド18の特性に応じて補正するための補正値を圧電素子80毎に記憶する。補正値記憶部712は、圧電素子80別にN個の補正値を記憶する。ここで、補正値記憶部712は、各圧電素子80に対する駆動波形データを記憶するのではなく、基準となる駆動波形を補正するための補正値を記憶する。従来のように駆動波形データそのものを圧電素子80毎に記憶する場合に比べて、基準値に対する補正値を記憶する方が記憶する数値を小さくすることができるため、ビット数を少なくすることができる。従って、メモリ71のメモリ容量を小さくすることができる。
階調データ生成部72は、画像メモリ63から受け付けた画像データに基づいて各ノズルに対してインク液滴の吐出有無や液滴量(階調)を指示するための階調データを生成する。この階調データ生成部72は、ノズルの数、つまり圧電素子80の数であるN個のデータを出力する。
レジスタ73は、制御部78から出力される印字周期信号に従って、階調データ生成部72から階調データを取り込み、更に補正値記憶部712から補正値を取り込んで一時記憶する。更に、レジスタ73は、一時記憶している階調データ及び補正値をバッファ74へ出力し、バッファ74はこれらのデータを一時記憶する。印字周期信号は、1ライン分のインク吐出にかかる時間を考慮して所定のインターバルで断続的に出力される。
レジスタ75は、基準値記憶部711から基準値を取り込んで一時記憶する。
セレクタ76は、バッファ74が一時記憶しているノズル別の階調データを取り込み、この階調データに基づいてレジスタ75が一時記憶している階調別の基準値から各ノズルに対する基準値を選択する。セレクタ76は、ノズルの数、つまり圧電素子80の数であるN個のセレクタで構成され、各セレクタとノズル(圧電素子80)は1対1で対応している。尚、本実施の形態ではN個のセレクタをまとめて「セレクタ76」と言う。
駆動波形生成回路77は、バッファ74が一時記憶している補正値の入力を取り込み、セレクタ76が選択した基準値と取り込んだ補正値の2つの値を用いて各圧電素子80に供給する駆動波形を生成する。駆動波形生成回路77は、セレクタ76と同様に、圧縮素子80の数であるN個の生成回路で構成され、各生成回路と圧電素子80は1対1で対応している。尚、本実施の形態ではN個の駆動波形生成回路をまとめて「駆動波形生成回路77」と言う。
制御部78は、駆動制御回路181を構成する各機能部に対してデータ転送、指示信号の出力等を行って駆動制御回路181を統括的に制御する。
図5は、基準値及び補正値と、駆動波形生成回路77によって生成された駆動波形の関係を説明するための図である。まず、図5の下に示した表における(1)の行の値から順番に説明する。
各セレクタ76は、バッファ74から取り込んだ各ノズルに対する階調データに基づいて、レジスタ75が記憶している階調別の基準値から1つの基準値を選択する。例えば、セレクタ76m(mは1以上N以下の整数)が選択した基準値が、図5の表中の(1)の行に示すToff1=10[μs](圧電素子80mのオフ時間)、Ton1=8[μs](圧電素子80mのオン時間)であるとする。ノズルから吐出されるインク液滴の量は、圧電素子80に加わる電圧値や、駆動波形のオン/オフ時間で決定する。従って、基準値とは、圧電素子80に供給される駆動波形のオン/オフ時間を階調毎に示したものとなる。尚、オン時及びオフ時の電圧値(図5における電圧V1及びV2)が駆動波形生成回路77にて設定されるのであれば(本実施の形態では、V1=オフ時の電圧=15[V]、V2=オン時の電圧=0[V]として設定)、基準値としての電圧値を含む必要はない。
そして、駆動波形生成回路77mは、セレクタ76mが選択した基準値と、バッファ74が一時記憶している補正値のうち、圧電素子80mに対応する補正値を取り込んで、駆動波形を生成する。このとき、バッファ74が一時記憶している補正値が、図5の表中(1)の行に示すToff1=0[μs]、V1=0[V]、Ton1=0.2[μs]、V2=1[V]であるとする。この場合、駆動波形生成回路77mは、上記にて示した基準値とこの補正値とを組み合わせて、駆動波形パラメータを算出する。つまり、図5の表中(1)の行に示すように、Toff1は基準値と変わらず10[μs]、V1は基準値と変わらず15[V]となり、Ton1は基準値に対して0.2[μs]長い8.2[μs]、V2=1[V]となる。このパラメータに従って、駆動波形生成回路77mは圧電素子80mに供給する駆動波形を生成すると、図5中の駆動波形にて示したToff1及びTon1の期間の波形となる。尚、図5における基準波形に対して、補正値の内容に従った補正を行うと、駆動波形となる。
続いて、セレクタ76mが選択した基準値が、図5の表中の(2)の行に示すToff2=5[μs]、Ton2=11[μs]であるとする。そして、バッファ74から取り込んだ圧電素子80mに対応する補正値が、図5の表中(2)の行に示すToff2=0.5[μs]、Ton2=−0.5[μ]であるとする。このような場合、駆動波形パラメータは、Toff2=5.5[μs]、V1=15[V]、Ton2=10.5[μs]、V2=0[V]となり、このパラメータに従って駆動波形生成回路77mが駆動波形を生成すると、図5中の駆動波形にて示したToff2及びTon2の期間で示した波形となる。
図6は、本実施の形態における駆動波形生成処理の流れを示したフローチャートである。制御部78から出力された印字周期信号に従って、レジスタ73がノズル別の補正値及び階調データの取り込みを行うと(ステップS11;YES)、レジスタ73はバッファ74に対して取り込んだ補正値及び階調データを出力する。バッファ74はレジスタ73から補正値及び階調データを取り込んで一時記憶(ラッチ)する(ステップS12)。続いて、セレクタ76がバッファ74から階調データを取り込み、この階調データに基づいてレジスタ75に一時記憶された階調別の基準値から各ノズルに対応する基準値を選択する(ステップS13)。
そして、駆動波形生成回路77は、バッファ74から補正値を取り込み、セレクタ76が選択した基準値に対して補正値の内容に従った補正を行って駆動波形パラメータを生成し(ステップS14)、この駆動波形パラメータに従って駆動波形を生成して圧電素子80へ出力する(ステップS15)。
以上、説明したように、圧電素子80や記録ヘッド18の特性に応じて予め補正を加えた駆動波形データそのものをノズル毎に記憶するのではなく、階調毎の基準値とノズル毎の補正値を記憶することにより、記憶すべき数値を小さくすることができるため、ビット数を少なくすることができ、メモリ71のメモリ容量を小さくすることができる。メモリ71のメモリ容量が小さくなると、記録ヘッド18に搭載する集積回路の小型化やコスト削減を進めることができる。
尚、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、インクジェットプリンタ1が連続印字を行っていると、記録ヘッド18の温度が上昇し、ノズルからのインク吐出量が変化する場合がある。インク吐出量が変化すると、画像品質が変化するため、インクジェットプリンタ1の信頼性を低下させてしまう。そこで、記録ヘッド18の温度を測定し、この測定された温度に応じて基準値を変更するようにしてもよい。
具体的に説明する。図3に示すように、温度センサ182が、記録ヘッド18に配設される。温度センサ182は記録ヘッド18の温度を測定し、温度データを駆動制御回路181の制御部78へ出力する。
図4を用いて説明する。制御部78は温度センサ182から温度データを取り込み、この温度データに応じてレジスタ75に一時記憶された基準値を変更する。変更の方法は、例えば、制御部78が温度データに応じたパラメータとレジスタ75の基準値を所定の計算式に代入して計算し、その計算結果を新しい基準値としてレジスタ75に記憶させる。
尚、この基準値の変更が1ページの印字中に行われると、同じページの画像において画質の変化が生じてしまうため、基準値の変更はページとページの間にて行われることが望ましい。(しかし、連続印刷すると記録ヘッド18の温度が上昇し画質が変化するので、このような場合は基準値の変更を印刷中に行うようにしてもよい。)つまり、制御部78は、1ページ分の画像形成に係るインク吐出が終わってから、次に搬送される用紙の画像形成に係るインク吐出が始まるまでの間に温度センサ182から温度データを取り込んで、基準値の変更を実行するか否かを判断し、変更する場合は基準値の変更を行う。
図7は、この駆動波形生成処理の変形例の流れを示したフローチャートである。レジスタ75が基準値記憶部711から基準値を取り込み(ステップS21)、このとき記録ヘッド18の印字処理がページとページの間である場合(ステップS22;YES)、制御部78は温度センサ182から記録ヘッド18の温度を示す温度データを取り込む(ステップS23)。そして制御部78は温度データに基づいて基準値を変更するか否か判断する(ステップS24)。基準値を変更する場合(ステップS24;YES)、制御部78はレジスタ75に一時記憶された基準値を変更する(ステップS25)。記録ヘッド18の印字処理がページとページの間でない場合(ステップS22;NO)、制御部78が基準値を変更しないと判断した場合(ステップS24;NO)、制御部78はステップS11へ処理を移行する。
制御部78から出力された印字周期信号に従って、レジスタ73がノズル別の補正値及び階調データの取り込みを行うと(ステップS11;YES)、レジスタ73はバッファ74に対して取り込んだ補正値及び階調データを出力する。バッファ74はレジスタ73から補正値及び階調データを取り込んで一時記憶(ラッチ)する(ステップS12)。続いて、セレクタ76がバッファ74から階調データを取り込み、この階調データに基づいてレジスタ75に一時記憶された階調別の基準値から各ノズルに対応する基準値を選択する(ステップS13)。
そして、駆動波形生成回路77は、バッファ74から補正値を取り込み、セレクタ76が選択した基準値に対して補正値の内容に従った補正を行って駆動波形パラメータを生成し(ステップS14)、この駆動波形パラメータに従って駆動波形を生成して圧電素子80へ出力する(ステップS15)。
1 インクジェットプリンタ
15 搬送ベルト(搬送手段)
18 記録ヘッド
181 駆動制御回路(画像処理装置)
182 温度センサ(検出手段)
65 画像形成部
71 メモリ
711 基準値記憶部(基準値記憶手段)
712 補正値記憶部(補正値記憶手段)
72 階調データ生成部(階調データ生成手段)
73、75 レジスタ
74 バッファ
76 セレクタ
77 駆動波形生成回路(駆動波形生成手段)
78 制御部(変更手段)
80 圧電素子(インク吐出手段)

Claims (4)

  1. インクを収容する加圧室と、当該加圧室の壁面に配置された圧電素子とを有し、供給された駆動波形に応じて前記圧電素子が作動することによって前記加圧室と連通しているノズルからインク液滴を吐出するインク吐出手段と、
    複数の前記インク吐出手段を有する記録ヘッドと、
    入力された画像データに基づいて階調データを生成する階調データ生成手段と、
    前記複数のインク吐出手段に供給する駆動波形を生成するための基準波形を示す基準値を前記階調データの示す階調毎にそれぞれ記憶する基準値記憶手段と、
    前記複数のインク吐出手段に供給される前記駆動波形の電圧値とパルス幅とを補正するために予め設定された補正値を前記インク吐出手段毎にそれぞれ記憶する補正値記憶手段と、
    前記階調データ生成手段が生成した前記各インク吐出手段に対する階調データに従って前記基準値記憶手段から前記各インク吐出手段に対する前記基準値をそれぞれ選択し、当該選択された各基準値が示す前記基準波形の電圧値とパルス幅を、前記インク吐出手段毎に設定された前記補正値を用いて補正することにより前記インク吐出手段毎の前記駆動波形を生成して前記各インク吐出手段に出力する駆動波形生成手段と、
    前記複数のインク吐出手段が有するノズルに対向する位置に用紙を搬送する搬送手段と、
    を備え、前記複数のインク吐出手段から吐出されるインク液滴によって前記用紙に画像を形成するインクジェット記録装置。
  2. 前記記録ヘッドの温度を検出する検出手段と、
    前記検出された温度に従って前記基準値記憶手段に記憶された前記階調毎の基準値を変更する変更手段と、
    を更に備えた請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記変更手段は、前記複数のインク吐出手段による前記用紙1枚分の画像形成に係るインク吐出が終わってから、次に搬送される用紙の画像形成に係るインク吐出が始まるまでの間に前記階調毎の基準値を変更するものである請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 入力された画像データに基づいて階調データを生成する階調データ生成手段と、
    インクを収容する加圧室と当該加圧室の壁面に配置された圧電素子とをそれぞれが有し、供給された駆動波形に応じて前記圧電素子が作動することによって前記加圧室と連通しているノズルからインク液滴を吐出する複数のインク吐出手段に供給する駆動波形を生成するための基準波形を示す基準値を前記階調データの示す階調毎にそれぞれ記憶する基準値記憶手段と、
    前記複数のインク吐出手段に供給される前記駆動波形の電圧値とパルス幅とを補正するために予め設定された補正値を前記インク吐出手段毎にそれぞれ記憶する補正値記憶手段と、
    前記階調データ生成手段が生成した前記各インク吐出手段に対する階調データに従って前記基準値記憶手段から前記各インク吐出手段に対する前記基準値をそれぞれ選択し、当該選択された各基準値が示す前記基準波形の電圧値とパルス幅を、前記インク吐出手段毎に設定された前記補正値を用いて補正することにより前記インク吐出手段毎の前記駆動波形を生成して前記各インク吐出手段に出力する駆動波形生成手段と、
    を備えた画像処理装置。
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