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JP5281266B2 - 導電性材料前駆体の製造方法 - Google Patents
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JP5281266B2 - 導電性材料前駆体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、電子回路、アンテナ回路、電磁波シールド材、タッチパネル等の用途に用いることができる導電性材料前駆体、及びこれを用いた導電性材料の製造方法に関するものである。
近年、情報化社会が急速に発達するに伴って、情報関連機器に関する技術が急速に進歩し普及してきた。この中で、ディスプレイ装置は、テレビジョン用、パーソナルコンピューター用、駅や空港などの案内表示用、その他各種情報提供用に用いられている。特に、近年プラズマディスプレイが注目されている。
このような情報化社会の中にあって、これらのディスプレイ装置から放射される電磁波の影響が心配されている。例えば、周辺の電子機器への影響や人体への影響が考えられている。特に、人体の健康に及ぼす影響は無視することができないものになっており、人体に照射される電磁界の強度の低減が求められ、このような要求に対して様々の導電性材料が開発されている。例えば、特開平9−53030号公報、特開平11−126024号公報、特開2000−294980号公報、特開2000−357414号公報、特開2000−329934号公報、特開2001−38843号公報、特開2001−47549号公報、特開2001−51610号公報、特開2001−57110号公報、特開2001−60416号公報等に開示されている。
これらの導電性材料の製造方法としては、銀、銅、ニッケル、インジウム等の導電性金属をスパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、真空蒸着法、湿式塗工法によって樹脂フィルム上に金属薄膜を形成させる方法が一般的に用いられているが、これら従来方法では工法が極めて複雑になるため、高コストで生産性が悪いという問題が発生していた。
このような事情から、生産性の高い方法で、かつアディティブに導電性パタンを形成させる方法が求められてきた。ハロゲン化銀写真感光材料は解像力が高く、画像が金属銀であることから、このような応用に対して有力な候補と期待され、例えば国際公開第01/51276号パンフレット(特許文献1)では銀塩写真感光材料を導電性材料前駆体として用い、像露光、現像処理した後、金属めっき処理を施すことで導電性材料を製造する方法の提案がなされている。しかしながらこの方法においては、めっきの触媒となる銀画像は、親水性バインダー中に埋没しており、めっき液との接触が容易でないことや、汚染による触媒活性の低下により、金属めっき処理が困難であり、既存の方法に対する優位性を得るに至らなかった。
また特開2004−221564号公報(特許文献2)においては、特許文献1と同様に、物理現像やめっき処理により銀画像に外部から金属を供給することにより、導電性パタンを形成させるが、銀/ゼラチン体積比を高めることでそのめっきの効率が改善されることが開示されている。しかしながら同公報に開示されているような方法では外部からの金属の供給は必須であり、ハロゲン化銀感光材料中の銀のみでは、例えば電解めっきを行うための最低限の導電性を得るのも困難であった。
同じく銀塩感光材料を導電性材料前駆体として使う方法として銀塩拡散転写法を用いる方法も提案されており、例えば国際公開第2004/007810号パンフレット(特許文献3)などがある。この方法においては、銀画像は極微量のバインダーに、あるいは実質的にバインダーに覆われていないため、めっき液と銀画像との接触がし易く、また電解めっきを行うための最低限の導電性も得られる点から好ましい方法と言える。しかしながら電解めっきを均一に、効率的に行うためにはより高い導電性が求められていた。更には電磁波シールド材やタッチパネル等の用途においては、優れた導電性と光透過性が求められ、光透過性を損なうことなく十分な導電性を持った微細な金属パタンを得る方法が求められていた。
国際公開第01/51276号パンフレット(1頁) 特開2004−221564号公報(1〜5頁) 国際公開第2004/007810号パンフレット(1頁)
従って本発明の目的は、導電性が高い導電性材料を得ることができる導電性材料前駆体の製造方法を提供することにある。また、光透過性を損なうことなく十分な導電性を持った導電性材料を得ることができる導電性材料前駆体の製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって達成された。
支持体上に、支持体に近い方から物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を少なくともこの順に有する導電性材料前駆体の製造方法において、支持体と物理現像核層の間に親水性ポリマーと架橋剤を含有するベース層を有するか、物理現像核層が親水性ポリマーと架橋剤を含有し、支持体上に物理現像核層を設けるための塗液を塗布、乾燥した後の塗布物を30〜60℃で1〜15日間加温処理し、その後、物理現像核層の上層として少なくともハロゲン化銀乳剤層を塗設することを特徴とする導電性材料前駆体の製造方法。
上記方法により、導電性が高い導電性材料を得ることができる導電性材料前駆体の製造方法が得られる。また、光透過性を損なうことなく十分な導電性を持った導電性材料前駆体の製造方法が得られる。
本発明の導電性材料前駆体に用いられる支持体としては、プラスチック、ガラス、ゴム、セラミックス等が好ましく用いられる。透明導電性基材を作製する場合には、プラスチック、ガラス等、可視領域で透明性を有し、全光線透過率が60%以上のものが好ましい。プラスチックの中でも、可撓性を有する樹脂フィルムは、取扱い性が優れている点で、好適に用いられる。本発明の支持体に使用される樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等からなる厚さ50〜300μmの樹脂フィルムが挙げられる。ガラスとしては、NESAガラス、ITOガラス等の導電性ガラス、ソーダライムガラス、無アルカリガラス(コーニング7059ガラス)等を挙げることができる。支持体としてプラスチックを用いる場合には、支持体上に塩化ビニリデンやポリウレタン等の易接着層を設けることが好ましく、また支持体表面にコロナ放電処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を施しても良い。支持体としてガラスを用いる場合には、コロイダルシリカ、酸化チタン等の金属酸化物層等の易接着層を設け、その後150〜500℃で加熱処理することが好ましい。
本発明の導電性材料前駆体は、支持体と銀画像の接着性を高める目的で、また物理現像核を支持体に担持させる目的で、支持体上、あるいは前記易接着層上にベース層を設けることが好ましい。ベース層は親水性ポリマーを主体に含有する層であり、ここで主体とはベース層の全固形分に対して親水性ポリマーを50質量%以上含有することを意味する。また、ベース層の親水性ポリマーとしては、タンパク質、セルロース化合物、糖誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体等が有り、中でもタンパク質が好ましく、ベース層に用いられるタンパク質としては、ゼラチン、アルブミン、カゼインあるいはこれらの混合物が好ましい。またベース層はその他の成分として、界面活性剤、染料、及び架橋剤等を含有しても良い。ベース層におけるタンパク質の含有量は1平方メートル当たり5〜500mgが好ましく、特に10〜300mgが好ましい。
本発明の導電性材料前駆体は、支持体上に、支持体から近い側から物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を少なくともこの順に有する。本発明の導電性材料前駆体における物理現像核としては、重金属あるいはその硫化物からなる微粒子(粒子サイズは1〜数十nm程度)が用いられる。例えば、金、銀等のコロイド、パラジウム、亜鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物等が挙げられるが、銀コロイド及び硫化パラジウム核が好ましい。物理現像核層の物理現像核の含有量は、固形分で1平方メートル当たり0.1〜10mg程度が適当である。
また物理現像核層は、バインダーとして親水性ポリマーを含有することができる。前述のように支持体上、あるいは前記易接着層上にベース層を設けた場合、物理現像核層はバインダーとして親水性ポリマーを含有しなくてもよいが、ベース層を設けなかった場合、物理現像核層はバインダーとして親水性ポリマーを含有することが望ましい。親水性ポリマーの添加量は、物理現像核に対して10〜500質量%程度が好ましい。親水性ポリマーとしては、ゼラチン、アラビアゴム、セルロース、アルブミン、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、各種デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミドとビニルイミダゾールの共重合体等を用いることができる。好ましい親水性ポリマーとしては、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等のタンパク質である。
物理現像核を含有する塗液は架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては例えばクロム明ばんのような無機化合物、ホルマリン、グリオキザール、マレアルデヒド、グルタルアルデヒドのようなアルデヒド類、尿素やエチレン尿素等のN−メチロール化合物、ムコクロル酸、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンの様なアルデヒド等価体、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン塩や、2,4−ジヒドロキシ−6−クロ−トリアジン塩のような活性ハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、ジビニルケトンや1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、活性な三員環であるエチレンイミノ基やエポキシ基を分子中に二個以上有する化合物類、高分子硬膜剤としてのジアルデヒド澱粉等の種々タンパク質の架橋剤(硬膜剤)の一種もしくは二種以上を含有することが好ましい。これらの架橋剤の中でも、好ましくは、グリオキザール、グルタルアルデヒド、3−メチルグルタルアルデヒド、サクシンアルデヒド、アジポアルデヒド等のジアルデヒド類であり、より好ましい架橋剤は、グルタルアルデヒドである。架橋剤は、ベース層および/または物理現像核層に含まれるタンパク質1gに対して0.0001〜1モルを物理現像核を含有する塗液に含有させるのが好ましく、特に0.001〜0.1モルが好ましい。
本発明において支持体と銀画像の接着性を高めるという観点から物理現像核は支持体上に設けられた架橋された層に担持されることが極めて好ましい。従って導電性材料前駆体がベース層を有さない場合、物理現像核を含有する塗液が上記親水性ポリマーと前記架橋剤を共に含有することが好ましい。一方、導電性材料前駆体がベース層を有する場合、前記架橋剤はベース層を塗設するための塗液が含有しても良く、あるいは物理現像核を含有する塗液を塗布する前に架橋剤のみを単独で塗布しても良いが、本発明における最も好ましい様態は、物理現像核を含有する塗液が架橋剤を含有しこれをベース層上に塗布することでベース層内部に架橋剤を拡散させ、架橋されたベース層に物理現像核が担持される様態である。物理現像核を含有する塗液を塗布する方式としては、例えばディップコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、バーコーティング、エアーナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティングなどの各種塗布方式がある。
本発明の導電性材料前駆体の製造方法は、物理現像核層を塗布、乾燥した後の塗布物を加温処理する。導電性材料前駆体は上述のように支持体上に設けられた架橋された層に物理現像核が担持されることが極めて好ましい。しかしながら本発明者の注意深い実験により、未反応の架橋剤が存在する膜に担持された物理現像核層上に少なくともハロゲン化銀乳剤層を塗設した導電性材料前駆体の導電性と比較して、物理現像核層を塗布、乾燥した後の塗布物を加温処理し、未反応の架橋剤を低減した膜に担持された物理現像核層上に少なくともハロゲン化銀乳剤層を塗設した導電性材料前駆体の導電性は、飛躍的に向上することを見出した。
前述の特許文献に記載される様に、支持体上に物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を少なくとも有する導電性材料前駆体は、従来、物理現像核層を設ける為の塗液を塗布した後、加温処理することなくハロゲン化銀乳剤層を設ける為の塗液を塗布する製造方法により製造されるのが一般的であった。これに対し本発明は支持体上に物理現像核層を設けるための塗液を塗布、乾燥して物理現像核層を設け、この塗布物を加温処理し、その後物理現像核層の上層として少なくともハロゲン化銀乳剤層を塗設する。加温処理の際の温度は30〜50℃が好ましく、期間は3〜15日が好ましい。この温度よりも低いと導電性の改善効果は得られにくく高くてもさらなる改善効果は得られにくい。また加温処理の期間はこれより短いと導電性の改善効果は得られにくくこれより長くてもさらなる改善効果は得られにくい。
本発明においては必要に応じて、物理現像核を含有する塗液が塗布された物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層の間に中間層を設けても良い。本発明により製造された導電性材料前駆体は、像様に露光し、これに可溶性銀錯塩形成剤及び還元剤をアルカリ処理液中で作用させた後、温水等によって水洗することで導電性を有する所望のパタンの銀画像を得るが、前述の中間層は、不要となった物理現像核上の層の除去性を促進するのに好適である。中間層は、親水性ポリマーを主体に含有する層である。ここでいう親水性ポリマーとは、現像液(アルカリ処理液)で容易に膨潤し、下層の物理現像核まで現像液を容易に浸透させるものであれば任意のものが選択できる。また主体とは、中間層の全固形分に対して親水性ポリマーを50質量%以上含有することを意味する。親水性ポリマーとしてはゼラチン、アルブミン、カゼイン、ポリビニルアルコール等を用いることができる。特に好ましい親水性ポリマーは、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等のタンパク質である。本発明の効果を十分に得るためには、この中間層の親水性ポリマーの固形分塗布量としては、ハロゲン化銀乳剤層の総バインダー量に対して3〜30質量%の範囲が好ましく、特に10〜20質量%が好ましい。
また中間層には、必要に応じてResearch Disclosure Item 17643(1978年12月)および18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載されているような公知の写真用添加剤を含有させることができる。
本発明の導電性材料前駆体においては光センサーとしてハロゲン化銀乳剤層が設けられる。ハロゲン化銀に関する銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術は、そのまま用いることもできる。
ハロゲン化銀乳剤層に用いられるハロゲン化銀乳剤粒子の形成には、順混合、逆混合、同時混合等の、Research Disclosure Item 17643(1978年12月)および18716(1979年11月)、308119(1989年12月)で記載されているような公知の手法を用いることができる。なかでも同時混合法の1種で、粒子形成される液相中のpAgを一定に保ついわゆるコントロールドダブルジェット法を用いることが、粒径のそろったハロゲン化銀乳剤粒子が得られる点において好ましい。本発明においては、好ましいハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒径は0.25μm以下、特に好ましくは0.05〜0.2μmである。本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤のハロゲン化物組成には好ましい範囲が存在し、塩化物を80モル%以上含有するのが好ましい。
ハロゲン化銀乳剤の製造においては、必要に応じてハロゲン化銀粒子の形成あるいは物理熟成の過程において、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩、あるいはロジウム塩もしくはその錯塩、イリジウム塩もしくはその錯塩など、VIII族金属元素の塩若しくはその錯塩を共存させても良い。また、種々の化学増感剤によって増感することができ、イオウ増感法、セレン増感法、貴金属増感法など当業界で一般的な方法を、単独、あるいは組み合わせて用いることができる。また本発明においてハロゲン化銀乳剤は必要に応じて色素増感することもできる。
ハロゲン化銀乳剤層のバインダーは親水性ポリマーが好ましく、親水性ポリマーとしては、タンパク質、セルロース化合物、糖誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体等が有り、中でもタンパク質が好ましい。タンパク質としては、ゼラチン、アルブミン、カゼインあるいはこれらの混合物が好ましい。また、親水性ポリマーをゼラチンとした場合、ハロゲン化銀乳剤層に含有するハロゲン化銀量とゼラチン量の比率は、ハロゲン化銀(銀換算)とゼラチンとの質量比(銀/ゼラチン)が1.2以上、より好ましくは1.5以上である。
ハロゲン化銀乳剤層には、さらに種々の目的のために、公知の写真用添加剤を用いることができる。これらは、Research Disclosure Item 17643(1978年12月)および18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載、あるいは引用された文献に記載されている。
また支持体から最も遠い最外層として必要に応じて保護層を設けても良い。保護層は前述の中間層と同様、親水性ポリマーを主体に含有する層である。親水性ポリマーは、現像液で容易に膨潤し、下層のハロゲン化銀乳剤層、物理現像核まで現像液を容易に浸透させるものであれば任意のものが選択でき、具体的には、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、ポリビニルアルコール等を用いることができる。特に好ましい親水性ポリマーは、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等のタンパク質である。本発明の効果を十分に得るための保護層の親水性ポリマーの固形分塗布量は、前述の中間層の親水性ポリマーと合わせた量が、ハロゲン化銀乳剤層の総バインダー量に対して20〜100質量%の範囲が好ましく、特に30〜80質量%が好ましい。
また保護層には、必要に応じてResearch Disclosure Item 17643(1978年12月)および18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載されているような公知の写真用添加剤を含有させることができる。
本発明における導電性材料前駆体には必要に応じて支持体のハロゲン化銀乳剤層とは反対面に裏塗り層を設けることができる。
また、導電性材料前駆体にはハロゲン化銀乳剤層の感光波長域に吸収極大を有する非増感性染料又は顔料を、画質向上のためのハレーション防止剤、あるいはイラジエーション防止剤として用いることは好ましい。ハレーション防止剤としてはハロゲン化銀乳剤層と支持体の間の中間層やあるいは裏塗り層に含有させることができる。イラジエーション防止剤としては、ハロゲン化銀乳剤層に含有させるのがよい。添加量は、目的の効果が得られるのであれば広範囲に変化しうるが、たとえばハレーション防止剤として裏塗り層に含有させる場合、1平方メートル当たり、約20mg〜約1gの範囲が望ましい。
上記導電性材料前駆体を用い、導電性材料を作製するための方法は、例えば網目状パタンの銀薄膜の形成が挙げられる。この場合、ハロゲン化銀乳剤層は網目状パタンに露光されるが、露光方法として、網目状パタンの透過原稿と導電性材料前駆体を密着して露光する方法、あるいは各種レーザー光を用いて走査露光する方法等がある。上記したレーザー光で露光する方法においては、例えば400〜430nmに発振波長を有する青色半導体レーザー(バイオレットレーザーダイオードとも云う)を用いることができる。
露光後、導電性材料をアルカリ処理液で銀錯塩拡散転写現像し、温水で水洗し、ハロゲン化銀乳剤層等の物理現像核層の上に設けられた層を除去する。このアルカリ処理液とは物理現像処理である銀錯塩拡散転写現像を行う際に用いる液である。物理現像核の上に設けられた親水性コロイド層の除去方法は、水洗除去あるいは剥離紙等に転写剥離する方法がある。水洗除去は、スクラビングローラ等を用いて温水シャワーを噴射しながら除去する方法や温水をノズル等でジェット噴射しながら水の勢いで除去する方法がある。また、剥離紙等で転写剥離する方法は、ハロゲン化銀乳剤層上の余分なアルカリ処理液(銀錯塩拡散転写用現像液)を予めローラ等で絞り取っておき、ハロゲン化銀乳剤層等と剥離紙を密着させてハロゲン化銀乳剤層等をプラスチック樹脂フィルムから剥離紙に転写させて剥離する方法である。剥離紙としては吸水性のある紙や不織布、あるいは紙の上にシリカのような微粒子顔料とポリビニルアルコールのようなバインダーとで吸水性の空隙層を設けたものが用いられる。
次に、銀錯塩拡散転写現像のために必要な可溶性銀錯塩形成剤、還元剤、及びアルカリ処理液について説明する。可溶性銀錯塩形成剤は、ハロゲン化銀を溶解し可溶性の銀錯塩を形成させる化合物であり、還元剤はこの可溶性銀錯塩を還元して物理現像核上に金属銀を析出させるための化合物であり、これらの作用はアルカリ処理液中で行われる。
可溶性銀錯塩形成剤としては、チオ硫酸アンモニウム及びチオ硫酸ナトリウムのようなチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウムやチオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、オキサドリドン類、2−メルカプト安息香酸及びその誘導体、ウラシルのような環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、特開平9−171257号公報に記載のメソイオン性化合物、米国特許第5,200,294号明細書に記載のようなチオエーテル類、5,5−ジアルキルヒダントイン類、アルキルスルホン類、他に、T.H.ジェームス編のザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス4版の474〜475項(1977年)に記載されている化合物が挙げられる。
次に、還元剤について説明する。還元剤は写真現像の分野で公知の現像主薬を用いることができる。例えば、ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、メチルハイドロキノン、クロルハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン類、アスコルビン酸及びその誘導体、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン等の3−ピラゾリドン類、パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、パラヒドロキシフェニルグリシン、パラフェニレンジアミン等が挙げられる。
上記した可溶性銀錯塩形成剤及び還元剤は、物理現像核層やベース層に含有させてもよいし、ハロゲン化銀乳剤層中に含有させてもよいし、またはアルカリ処理液中に含有させてもよく、更に複数の位置に含有させることができる。特に上記した可溶性銀錯塩形成剤及び還元剤は、アルカリ処理液中に含有させるのが好ましい。
アルカリ処理液中への可溶性銀錯塩形成剤の含有量は、現像液1リットル当たり、0.1〜5モルの範囲で用いるのが適当であり、還元剤は現像液1リットル当たり0.05〜1モルの範囲で用いるのが適当である。
アルカリ処理液のpHは10以上が好ましく、更に11〜14が好ましい。本発明で得られた導電性材料前駆体の銀錯塩拡散転写現像を行うためのアルカリ処理液の適用は、浸漬方式であっても塗布方式であってもよい。浸漬方式は、例えば、タンクに大量に貯留されたアルカリ処理液中に、物理現像核及びハロゲン化銀乳剤層が設けられた導電性材料前駆体を浸漬しながら搬送するものであり、塗布方式は、例えばハロゲン化銀乳剤層上にアルカリ処理液を1平方メートル当たり40〜120ml程度塗布するものである。
本発明において、アルカリ処理液の好ましい処理条件は、アルカリ処理液の温度を18〜22℃とすることが適当である。アルカリ処理液の適用時間は、20秒〜3分程度が適当である。この態様は、特に浸漬方式の場合に好適である。
本発明で得られた導電性材料前駆体を用い、前記露光及び現像処理により形成された銀画像部に更に高い導電性を付与する目的で、現像処理の後にめっき処理を行うことも好ましい。本発明において、めっき処理は、無電解めっき(化学還元めっきや置換めっき)、電解めっき、又は無電解めっきと電解めっきの両方を用いることができる。
無電解めっきは、公知の無電解めっき技術、例えば無電解ニッケルめっき,無電解コバルトめっき、無電解金めっき、無電解銀めっきなどを用いることができるが、低コストにて十分な導電性と光透過性を得るためには無電解銅めっきを行うことが好ましい。
無電解銅めっき液には硫酸銅や塩化銅など銅の供給源、ホルマリンやグリオキシル酸、テトラヒドロホウ酸カリウム、ジメチルアミンボランなど還元剤、EDTAやジエチレントリアミン5酢酸、ロシェル塩、グリセロール、メソ−エリトリトール、アドニトール、D−マンニトール、D−ソルビトール、ズルシトール、イミノ2酢酸、t−1,2−シクロヘキサンジアミン4酢酸、1,3−ジアミノプロパン−2−オール4酢酸、グリコールエーテルジアミン4酢酸、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等の銅の錯化剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのpH調整剤などが含有される。さらにその他に浴の安定化やめっき皮膜の平滑性を向上させるための添加剤としてポリエチレングリコール、黄血塩、ビピリジル、o−フェナントロリン、ネオクプロイン、チオ尿素、シアン化物などを含有させることも出来る。めっき液は安定性を増すためエアレーションを行う事が好ましい。
無電解銅めっきでは前述の通り種々の錯化剤を用いることができるが、錯化剤の種類により酸化銅が共析し、導電性に大きく影響したり、あるいはトリエタノールアミンなど銅イオンとの錯安定定数の低い錯化剤は銅が沈析しやすいため、安定しためっき液やめっき補充液が作り難いなどということが知られている。従って工業的に通常用いられる錯化剤は限られており、本発明においても同様の理由でめっき液の組成として特に錯化剤の選択は重要である。特に好ましい錯化剤としては銅錯体の安定定数の大きいEDTAやジエチレントリアミン5酢酸などが挙げられ、このような好ましい錯化剤を用いためっき液としては例えばプリント基板の作製に使用される高温タイプの無電解銅めっきがある。高温タイプの無電解銅めっきの手法については「無電解めっき 基礎と応用」(電気鍍金研究会編)p105などに詳しく記載されている。高温タイプのめっきでは通常60〜70℃で処理し、処理時間は無電解めっき後に電解めっきを施すかどうかで変わってくるが、通常1〜30分、好ましくは3〜20分無電解めっき処理を行うことが好ましい。
銅以外の無電解めっき処理を行う場合は例えば「めっき技術ガイドブック」(東京鍍金材料協同組合技術委員会編、1987年)p406〜432記載の方法などを用いる事ができる。
無電解めっき以外にも電解めっきを施すこともできる。電解めっきとしては銅めっきやニッケルめっき、亜鉛めっき、カドミウムめっき、錫めっき、合金めっきなど種々のめっき法が知られている、無電解めっき同様低コストで光透過性、導電性を確保するためには銅めっきを用いる事が好ましい。銅めっき法としては公知の硫酸銅めっき、ホウフッ化銅めっき、シアン化銅めっき、ピロリン酸銅めっきなどいずれの方法でも用いる事ができるが、廃液の簡便さから硫酸銅めっき、特にハイスロー硫酸銅めっきを用いることが好ましい。これら電解めっき法の詳細は例えば「めっき技術ガイドブック」(東京鍍金材料協同組合技術委員会編、1987年)p75〜112などに記載されている。
また、めっき処理の前に金属銀部を無電解めっきを促進させる目的でパラジウムを含有する溶液で活性化処理することもできる。パラジウムとしては2価のパラジウム塩あるいはその錯塩の形でも良いし,また金属パラジウムであっても良い。しかし、液の安定性、処理の安定性から好ましくはパラジウム塩あるいはその錯塩を用いることが良い。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、無論この記述により本発明が制限されるものではない。
本発明における導電性材料を得るために、支持体として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(全光線透過率が95%)を用い、ゼラチン塗布量が0.15g/m2となるようにベース層を支持体の両面に塗設した。このベース層の一方の面に下記組成の裏塗り層を塗布、乾燥した。
<裏塗り層組成>
ゼラチン 2g/m2
不定形シリカマット剤(平均粒径5μm) 20mg/m2
界面活性剤(S−1) 400mg/m2
染料1 200mg/m2
Figure 0005281266
Figure 0005281266
次に裏塗り層を有する側とは反対側のベース層表面に、下記のようにして作製した硫化パラジウムからなる物理現像核を含有する塗液を硫化パラジウムが固形分で0.4mg/m2になるように塗布し、乾燥した。その後表1に示す条件で加温処理した。
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40ml
蒸留水 1000ml
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000ml
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
<物理現像核を含有する塗液の調製>
前記硫化パラジウムゾル 50ml
4質量%のグルタルアルデヒド溶液 45ml
界面活性剤(S−1) 1g
水を加えて全量を2000mlとする。
次に上記物理現像核を含有する塗液を塗布、乾燥した物理現像核層上に下記の中間層と後述のハロゲン化銀乳剤層と保護層をスライドビートコーターを用いて同時重層塗布し、導電性材料前駆体を得た。このときハロゲン化銀乳剤層は銀量で2.54g/m2になるように塗布し、導電性材料前駆体である試料1から10を得た。
<中間層組成>
ゼラチン 0.25g/m2
界面活性剤(S−1) 3mg/m2
<ハロゲン化銀乳剤の作製>
ハロゲン化銀乳剤は写真用ハロゲン化銀乳剤の一般的なダブルジェット混合法でpAgを7.5に保ち作製した。このハロゲン化銀乳剤は、塩化銀90モル%と臭化銀10モル%であり、平均粒径が0.15μmになるように調製した。このようにして得られたハロゲン化銀乳剤を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を用い金イオウ増感を施した。続いて銀換算で2.54gのハロゲン化銀乳剤に対し、ゼラチン1.6g/m2、また1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールを3.0mg/m2、界面活性剤(S−1)を20mg/m2を添加した。
<保護層組成>
ゼラチン 1g/m2
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 15mg/m2
界面活性剤(S−1) 3mg/m2
このようにして得た導電性材料前駆体である試料1から10を、水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介し、細線幅20μmで格子間隔250μmの網目パタンの透過原稿を密着させて露光した。
上記露光した試料1〜10を下記組成のアルカリ処理液(銀錯塩拡散転写用現像液)で20℃で60秒の浸漬処理を行ったのち40℃温水で水洗し乾燥を行った。
<アルカリ処理液>
水酸化ナトリウム 20g
ハイドロキノン 20g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸ナトリウム 30g
N−メチルエタノールアミン 10g
全量を水で1000ml
pH=13に調整する。
上記のようにして得られた網目パタン状銀薄膜が形成された導電性材料の表面抵抗率を、(株)ダイアインスツルメンツ製、ロレスタ−GP/ESPプローブを用いて、JIS K 7194に従い測定した。光透過性に関してはスガ試験機(株)製、ダブルビーム方式ヘーズコンピューターで網目パタン状銀薄膜の部分の全光線透過率を測定した。結果を表1にまとめた。
Figure 0005281266
表1から明らかなように物理現像核層の塗液を塗布、乾燥した後、加温処理した本発明の試料は、高い導電性を有する導電性材料が得られた。また本発明によって得られた導電性材料は光透過性を損なうことなく高い導電性が得られた。なお試料1Aは試料1を作製する際の露光量を本発明の試料と表面抵抗率が同等となるよう、調整して得られた試料である。この結果、試料1Aは線幅がより太くなり、全光線透過率が低下した。

Claims (1)

  1. 支持体上に、支持体に近い方から物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を少なくともこの順に有する導電性材料前駆体の製造方法において、支持体と物理現像核層の間に親水性ポリマーと架橋剤を含有するベース層を有するか、物理現像核層が親水性ポリマーと架橋剤を含有し、支持体上に物理現像核層を設けるための塗液を塗布、乾燥した後の塗布物を30〜60℃で1〜15日間加温処理し、その後、物理現像核層の上層として少なくともハロゲン化銀乳剤層を塗設することを特徴とする導電性材料前駆体の製造方法。
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