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JP5281970B2 - 空調システム - Google Patents
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Description

本発明は、空調システムに関する。
従来、各種の高分子材料によって形成された非対称膜が知られている。例えば、含フッ素ポリイミドを被膜材料として使用したもの(特許文献1、2)、ポリアクリロニトリルを使用したもの(特許文献3)、ポリオレフィンを使用したもの(特許文献4)、ポリエーテルスルホンを使用したもの(特許文献5)、ポリ(1−トリメチルシリル−1−プロピン)(PTMSP)を使用したもの(特許文献6、7)、ゾルゲル反応で作製されたもの(特許文献8、9)がある。これらはいずれも、気体分離又は液−液分離を目的とした膜であり、気体透過性の点では十分なものではない。
ところで、近年、技術の進歩に伴い、例えば自動車等の気密性を高めることが難しかった空間においても気密性を高めることが可能となった。このような気密性の高い自動車に多くの乗員が長時間の乗車をした場合には、酸素濃度の低下や二酸化炭素濃度の上昇が起こり、乗員に頭痛や不快感をもたらすおそれがあるため、適度に外気を導入する必要がある。
しかしながら、都会の道路や幹線道路等は粉塵等の汚染物質により汚染されているため、乗員の健康を考えると外気をそのまま車内に導入することは大きな問題であった。この問題を解決するための1つの方法としては、大気中の汚染物質、例えば浮遊物質を除去するためのフィルタを、外気導入のための取り入れ口に設置する方法がある。
このようなフィルタとしては従来、不織布やメカニカルフィルター等が用いられていた。また、特許文献10では、自動車全体の空調システムが提案されている。
特開平05−7749号公報 特開平06−188167号公報 特開平05−184891号公報 特表2002−535115公報 特開平09−285723号公報 特開昭60−132605号公報 特開平02−222715号公報 特開平11−192420号公報 特開平11−9976号公報 特開2004−203367号公報
しかしながら、従来の不織布やメカニカルフィルター等のフィルタでは、大気中の浮遊物質のうち粒径が10μm以下のもの(以下「SPM」という。)を十分に除去することができないという問題があった。特に、SPMのうち数10ナノメータ程度の粒径を有するナノ粒子は、人体に吸入されたときに気管支や肺胞などの下部気道まで達して沈着し易いと考えられており、このようなナノ粒子を十分に遮断可能な空調システムの開発が強く望まれている。
高分子材料からなる気体透過膜をフィルタに適用することにより、SPMをある程度除去することは可能になり得るものの、その場合は気体の透過性が不十分であり、外気を十分に導入する目的を達成することができないという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、SPM等の大気中の浮遊物質を十分に遮断可能であり、且つ外気を十分に導入することが可能な空調システムを提供することを目的とする。
本発明は、空調対象空間への気体の供給及び/又は空調対象空間からの気体の排出が透過膜を通して行われる空調システムであって、上記透過膜が下記式(1)で示される単量体を含む単量体組成物を重合してなる高分子材料によって形成されている非対称膜である空調システムを提供する。

(式中、Rは、互いに独立に、炭素数1〜12のアルキル基及び/又は炭素数6〜10のアリール基であり、Xは下記式(i)で示される基及び/又は下記式(ii)で示される基であり、aは1〜3の整数であり、bは0〜2の整数である。)

(Rは、互いに独立に、炭素数1〜12のアルキル基であり、dは1〜5の整数であり、cは3〜5の整数である。)
かかる空調システムによれば、SPM等の大気中の浮遊物質を十分に遮断可能であり、且つ外気を十分に導入することが可能である。なお、非対称膜とは、多孔質層及びこれに隣接する緻密層を有する膜をいい、上記非対称膜は緻密層表面にナノメートルサイズ又はマイクロメートルサイズの孔を有することが好ましい。
上記高分子材料は上記式(1)で示される単量体を含む単量体組成物を付加重合してなる付加重合体であることが好ましい。これにより、本発明による効果がより顕著に奏される。
上記高分子材料はシリカが分散された高分子材料であることが好ましい。これにより、非対称膜のガス透過性が向上する。
23±2℃、膜間の圧力差がない条件における、上記非対称膜の酸素透過係数P(O)及び二酸化炭素透過係数P(CO)の比は下記式(3)を満足することが好ましい。これにより、本発明による効果が特に顕著に奏される。
1.0<P(O)/P(CO)<1.70 …(3)
本発明の空調システムは、車両(自動車)、住宅に特に好適に適用することができる。
本発明によれば、SPM等の大気中の浮遊物質を十分に遮断可能であり、且つ外気を十分に導入することが可能な空調システムを提供することができる。
非対称膜の一実施形態を示す断面図である。 本発明の住宅用空調システムの一実施形態を示す図である。 本発明の車両用空調システムの第1実施形態を示す図である。 本発明の車両用空調システムの第2実施形態を示す図である。 本発明の車両用空調システムの第3実施形態を示す図である。 本発明の車両用空調システムの第3実施形態を示す図である。 本発明の車両用空調システムの第4実施形態を示す図である。 本発明の車両用空調システムの第5実施形態を示す図である。 本発明の車両用空調システムの第6実施形態を示す図である。 本発明の車両用空調システムの第7実施形態を示す図である。 透過部材の一実施形態を示す図である。 透過部材の一実施形態を示す図である。 実施例6の非対称膜のSEM像である。 実施例12の非対称膜のSEM像である。 実施例14の非対称膜のSEM像である。 比較例3の水面展開膜のSEM像である。 気体透過係数を測定するためのガス透過性評価装置の概略図である。 SPM遮断率を測定するための測定装置の概略図である。 膜強度を測定するための装置の概略図である。
以下、場合により図面を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
(非対称膜)
図1は、非対称膜の一実施形態を示す断面図である。図1に示す非対称膜13は、多孔質層3と、多孔質層3に隣接する緻密層5とから構成される。緻密層5は、当該技術分野において一般に「スキン層」と称される場合がある層である。多孔質層3及び緻密層5は、同じ高分子材料によって一体に形成されている。緻密層5には、ナノメートルサイズ又はマイクロメートルサイズの孔があいている。(例えば、20〜80ナノメートル)。
また非対称膜13内にはフィラーを分散することもできる。非対称膜13は、多孔質層3及び緻密層5を有する非対称構造を形成している高分子材料のみ、あるいは高分子材料とフィラーとを主成分として含むことができるが、他の成分をさらに含んでいてもよい。
非対称膜13の厚さは0.1〜10μmであることが好ましい。
緻密層5は、SPMの透過を防ぎながら、窒素及び酸素等の気体を選択的に透過させる機能を有する。そのために、緻密層5は、SPMの透過を十分に防止できる程度の緻密性を有していればよい。具体的には、緻密層5表面にナノメートルサイズ又はマイクロメートルサイズの孔を形成している。ただし、緻密層5内には、多孔質層3よりも細孔容積が小さくなる程度の細孔が、連泡あるいは半連泡状態で形成されている場合もある。
気体の透過性を十分に確保するために、緻密層5の膜厚は1μm以下であることが好ましい。また、緻密層5の膜厚は好ましくは0.005μm以上であり、より好ましくは0.01μm以上である。
多孔質層3は、気体の透過性を高いレベルに維持しつつ緻密層5の支持体として機能する。気体の透過性を十分に確保するために緻密層5の膜厚を薄くすると、緻密層5単独では膜全体の強度等が不足するおそれがあるが、多孔質層3が緻密層5を支持する支持体として機能することにより、非対称膜13全体としては十分な機械的強度や取扱い性が維持される。このような点から、多孔質層3の膜厚は1〜500μmであることが好ましい。
本発明の目的を特に高いレベルで達成するために、非対称膜13は、ガスの透過速度がガスの分子量に依存するような膜であることが好ましい。言い換えると、非対称膜13中の気体の流れにおいてクヌーセン流(Knudsen flow)が支配的であることが好ましい。なお、「クヌーセン流」とは、分子の動きが問題となるほどの希薄な気体の流れをいい(化学大辞典3、化学大辞典編集委員会編、縮刷版44頁参照)、クヌーセン流が支配的であるとき、ガスの透過速度はその分子量の平方根の逆数に依存する。
理想的なクヌーセン流によって気体が透過する膜においては、気体の透過係数Pはその分子量の平方根に逆比例する。例えば、透過するガス成分が酸素及び二酸化炭素である場合、それらの分離比αは、下記式(4)に示されるように1.17となる。式(4)において、P(O)及びP(CO)はそれぞれ酸素及び二酸化炭素の透過係数を示し、M(O)及びM(CO)はそれぞれ酸素及び二酸化炭素の分子量を示す。
一方、「溶解拡散流」と呼ばれる気体の流れがある。溶解拡散流とは、膜に対する気体の溶解度と膜内での気体の拡散係数との積に依存する流れをいい、溶解拡散流による膜中の気体の透過速度はクヌーセン流に比べて一般に遅い。従来の高分子系の膜においては、膜を透過する気体の流れにおいて溶解拡散流が支配的である場合が多い。溶解拡散流が支配的である膜においては、一般的に二酸化炭素の透過速度が酸素の透過速度に対して大きいことから、酸素及び二酸化炭素の分離比αが、1.0未満(高分子によって異なるが、0.3〜0.7程度)であることが知られている。
以上のように、分離比αの値を指標として、膜を透過する気体の流れの状態を評価することが可能である。実際の膜においてはそれぞれの種類の流れが複合して生じていると考えられるものの、分離比α(=P(O)/P(CO))が下記式(3)を満足するような範囲内にあれば、クヌーセン流が支配的であるとみなすことができる。酸素透過係数P(O)及び二酸化炭素透過係数P(CO)は、23±2℃、膜間の圧力(全圧)差が実質的にない条件で測定される。
1.0<P(O)/P(CO)<1.70 …(3)
非対称膜13においてクヌーセン流が支配的である理由は必ずしも明らかでないが、本発明者らは以下のように考えている。
まず、非対称膜13の気体透過係数は緻密層5の透過性に依存し、多孔質層3の影響は少ないと考えられる。ここで、緻密層5の表面に形成された孔及び/又は緻密層5の内部の空間でクヌーセン流が生じ、その他の緻密層5においては溶解拡散流が生じていると考えられる。このとき、気体がクヌーセン流により透過する流路が溶解拡散流により透過する流路よりも多いためにクヌーセン流が支配的となり、気体の透過性が飛躍的に向上すると推察される。また、溶解拡散流により気体が透過する部分においてSPMがブロックされることから、SPM等の大気中の浮遊物質を除去することが可能となると考えられる。
また、上述のように非対称膜13内にフィラーを分散した場合には、緻密層5の表面に形成された孔及び/又は緻密層5の内部の空間に加えて、フィラーとポリマーとの界面の隙間でもクヌーセン流が生じるため、非対称膜13の気体透過性がさらに向上する。
(高分子材料)
(I)単量体組成物
上記高分子材料は、下記式(1)で示される単量体を含む単量体組成物を重合することによって得られる。
式(1)において、R1は炭素数1〜12のアルキル基及び/又は炭素数6〜10のアリール基である。炭素数1〜12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、ブチル基、ペンチル基が挙げられ、メチル基が好ましい。炭素数6〜10のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基が挙げられ、フェニル基が好ましい。
aは1〜3の整数であり、好ましくは3である。bは0〜2の整数であり、好ましくは0又は1であり、最も好ましくは0である。
Xは下記式(i)で示される鎖状ポリシロキサン残基、又は下記式(ii)で示される環状ポリシロキサン残基である。

式中、Rは、互いに独立に、炭素数1〜12のアルキル基であり、より具体的にはRについて上述した基が包含され、好ましくはメチル基である。dは1〜5の整数であり、cは3〜5の整数である。
式(1)で示される単量体としては、下記のものが例示される。なお、式中、Meはメチル基を表す。
式(1)で示される単量体は、下記式(5)又は(6)で示されるビニル基含有化合物とシクロペンタジエンのDiels−Alder反応によって調製することができる。

(ここで、R1、X、aは上述の通りである。)

(ここで、R1、R、cは上述の通りである。)
式(1)で示される単量体において、Xが上記式(i)で示される基であるものを調製するビニル基含有化合物の例として、トリストリメチルシロキシビニルシランを、Xが上記式(ii)で示される基であるものを調製するビニル基含有化合物の例として、上記式(6)で示されるビニル基含有化合物を例示することができる。
上記単量体組成物は、下記式(4)で表される環状オレフィンを含んでいてもよい。
式(4)において、R〜Rは、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基及びハロゲン化炭化水素基から選ばれる基、又はオキセタニル基及びアルコキシカルボニル基、ポリオキシアルキレン基から選ばれる極性基、又はアルコキシシリル基から選ばれる基である。また、RとR又はRとRとが、それぞれが結合する炭素原子とともに脂環構造、芳香環構造、カルボイミド基又は酸無水物基を形成してよい。bは0〜2の整数である。好ましくは、Rは水素原子である。
上記脂環構造としては炭素数4〜10のものが挙げられる。これらの構造を例示すると下記の通りである。なお、下記例において、Meはメチル基、Phはフェニル基を示す。
(II)付加重合体
付加重合体は、上記式(1)で示される単量体に由来する下記式(7)で示される繰り返し単位を含む。非対称膜の微小孔のサイズを制御する場合には、後述する開環重合体よりも付加重合体を用いたほうが、より微小な孔を有する非対称膜が得られるので好ましい。

(ここで、R、X、a、bは上述の通りである。なお、付加重合体中の繰り返し単位(7)について、R、X、a、bはそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。)
上記付加重合体は、上記(7)で示される繰り返し単位に加えて、式(4)で示される単量体に由来する下記式(8)で示される繰り返し単位を含む共重合体であってもよい。繰り返し単位(7)と(8)の結合は、ランダムである。

(ここで、R〜R、bは上述の通りである。なお、付加重合体中の繰り返し単位(8)について、R〜R、bはそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。)
式(8)の繰り返し単位の割合は、全繰り返し単位数の5%〜50%の範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜30%である。該割合が、前記下限値未満であると、得られるポリマーの分子量が低いものしか得られず、被膜性が低下する傾向があり、上限値を超えると、式(1)のXによる効果が低下する傾向がある。
該重合体は、GPCで求められるポリスチレン換算の数平均重量分子量が、10,000〜2,000,000であることが好ましく、より好ましくは300,000〜1,000,000である。該分子量が前記上限値を越えるものは現実的に合成が難しく、一方、該分子量が前記下限値未満では膜の強度が低下する傾向がある。
付加重合は、定法に従い、トルエンやキシレンなどの芳香族系炭化水素溶媒に上述の単量体組成物を溶解して、重合触媒と助触媒の存在下で、常圧下20〜40℃の温度で、不活性ガス雰囲気下攪拌して重合させる。重合触媒としては、周期律表第8族元素、9族元素、10族元素より選択された、例えば、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pb)及び白金(Pt)などの中心金属とするメタロセン錯体が挙げることができ、好ましくはニッケル(Ni)又はパラジウム(Pd)のメタロセン触媒が挙げられる。助触媒としては有機アルミニウム化合物を用いることができ、好ましくはメチルアルミノキサンである。
上記触媒及び助触媒は、以下の範囲の使用量で用いられる。
触媒は式(1)及び(2)で示される単量体の合計1モルに対して0.01〜100ミリモル原子が好ましい。また助触媒は触媒1モルに対して0.5〜10,000モルが好ましい。
また、必要に応じて、分子量調整剤を重合系中に添加してもよい。分子量調整剤としては水素、エチレン、ブテン、ヘキセンなどのα−オレフィン、スチレン、3−メチルスチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物、エチルビニルエーテルなどの不飽和エーテル、トリス(トリメチルメトキシ)ビニルシラン、ジビニルジヒドロシラン、ビニルシクロテトラシロキサンなどのビニルケイ素化合物が挙げられる。
なお、上述した溶媒と単量体との比率、重合温度、重合時間、分子量調整剤の量は、用いる触媒、単量体構造などに著しく影響を受けるため、一概に限定することが難しい。上記特定構造の重合体を得るべく、目的に応じて使い分ける必要がある。
重合触媒の量と分子量調整剤の添加量、単量体から重合体への転化率、あるいは重合温度によって、重合体の分子量が調節される。
重合停止は、水、アルコール、ケトン、有機酸などから選ばれた化合物によって行われる。重合体溶液に、乳酸、リンゴ酸、シュウ酸などの酸の水とアルコール混合物を添加することで、触媒残渣を重合体溶液から分離・除去することができる。また、触媒残渣の除去には、活性炭、珪藻土、アルミナ、シリカなどを用いての吸着除去や、フィルタなどによるろ過分離除去などが適用できる。
重合体は、重合溶液をメタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類中に入れて、凝固し、通常60℃〜150℃で6〜48時間減圧乾燥することにより得ることができる。この工程で、重合体溶液中に残存する触媒残渣や未反応モノマーも除去される。また、シロキサンを含有する未反応モノマーは、上記アルコール類やケトン類にオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどの環状ポリシロキサンを混合した溶媒を用いることで容易に除去することができる。
(III)開環重合体
開環重合体は、上記式(1)で示される単量体に由来する下記式(9)で示される繰り返し単位を含む。

(ここで、R、X、a、bは上述の通りである。なお、開環重合体中の繰り返し単位(9)について、R、X、a、bはそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。)
上記開環重合体は、上記繰返し単位(9)に加えて、上記式(4)で示される単量体に由来する下記式(10)の繰返し単位を含む共重合体であってもよい。単位(9)と(10)の結合は、ランダムである。

(ここで、R〜R、bは上述の通りである。なお、開環重合体中の繰り返し単位(10)について、R〜R、bはそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。)
式(10)の繰り返し単位の割合は、全繰り返し単位数の5%〜50%の範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜30%である。該割合が、前記下限値未満であると、得られるポリマーの分子量が低いものしか得られず、被膜性が低下する傾向があり、上限値を超えると、式(1)のXによる効果が低下する傾向がある。
上記重合体又は共重合体(以下、「重合体」と略す。)は、主鎖の炭素−炭素二重結合の少なくとも一部が水素化されたものであっても良い。水素化によって、重合体の熱的安定性が向上する。水素化率は、例えば、水素化前のポリシクロオレフィンのH−NMRスペクトルにおける主鎖炭素−炭素二重結合に由来するピーク強度に対する、水素化後のピーク強度を比較することより求めることができる。好ましくは、主鎖の炭素−炭素二重結合の50〜100%、より好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上が水素化されている。
該重合体は、GPCで求められるポリスチレン換算の数平均重量分子量が、10,000〜2,000,000であることが好ましく、より好ましくは300,000〜1,000,000である。該分子量が前記上限値を越えるものは現実的に合成が難しく、一方、該分子量が前記下限値未満では膜の強度が低下する傾向がある。
開環メタセシス重合は、定法に従い、トルエンやキシレンなどの芳香族系炭化水素溶媒に上述の単量体組成物を溶解して、重合触媒の存在下で、常圧下40〜60℃の温度で、窒素雰囲気下攪拌して重合させる。前記重合触媒としては、カルベン型錯体と称されるタングステン、モリブデンやルテニウム系錯体などが使用でき、好ましくは、Grubbs第一世代触媒、Grubbs第二世代触媒あるいはHoveyda−Grubbs触媒などが使用される。触媒の使用量は原料のモノマーに対し1〜1000ppmの濃度で重合させることができ、好ましくは5〜500ppmである。5ppmより少ないと重合速度が遅くて実用性に乏しく、500ppmより多いと経済的に好ましくない場合がある。
得られた重合体の水素化反応は、例えば、水素化触媒の存在下に水素ガスを用いて、シリコーン変性ポリシクロオレフィンの主鎖炭素−炭素二重結合を飽和単結合に変換することにより行うことができる。
用いる水素化触媒は、均一系触媒、不均一触媒等、特に限定されず、オレフィン化合物の水素化に際して一般的に用いられているものを適宜使用することができる。
均一触媒としては、例えば、ウィルキンソン錯体として知られるジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、前記メタシシス重合触媒で説明したルテニウムカルベン錯体触媒、特開平7−2929、特開平11−109460、特開平11−158256、特開平11−193323等に記載されているルテニウム化合物からなる遷移金属錯体触媒等が挙げられる。
不均一触媒の例としては、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム等の金属を、カーボン、シリカ、セライト、アルミナ、酸化チタン等の担体に担持させた水素化触媒が挙げられる。より具体的には、例えば、ニッケル‐アルミナ、パラジウム‐カーボン等を用いることができる。これらの水素化触媒は単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、官能基等の副反応を起こすことなく、該重合体の主鎖炭素−炭素二重結合を選択的に水素化できる点から、ロジウム、ルテニウム等の貴金属錯体触媒及びパラジウム‐カーボン等のパラジウム担持触媒の使用が好ましく、特にはルテニウムカルベン錯体触媒が好ましい。
該ルテニウムカルベン錯体触媒は、開環メタセシス反応触媒及び水素化触媒の双方として使用することができる。この場合には、開環メタセシス反応と水素化反応を連続的に行うことができる。該ルテニウムカルベン錯体触媒を使用して開環メタシシス反応と水素化反応を連続的に行う場合、エチルビニルエーテル等のビニル化合物やα−オレフィン等の触媒改質剤を添加して該触媒を活性化させてから、水素化反応を開始する方法も好ましく採用される。
水素化反応は、有機溶媒中で行われることが好ましい。有機溶媒としては、生成する水素化物の溶解性により便宜選択することができ、上述の重合溶媒と同様の有機溶媒をしようすることができる。したがって、重合反応後溶媒を入れ替えることなく、反応液又は該反応液からそのまま若しくは水素化触媒を追加添加して反応させることもできる。
水素化反応の条件は、使用する水素化触媒の種類に応じて適宜選択すればよい。水素化触媒の使用量は、開環重合体100重量部に対して、通常0.01〜50重量部、好ましくは0.05から10重量部である。反応温度は100℃〜200℃、それ以上だと副反応が起こりやすくなる。水素の反応圧は通常0.01から10.0MPa、好ましくは0.1〜5.0MPaである。水素圧が0.01MPa以下だと水素化反応速度が低下する。5.0MPa以上だと高耐圧装置が必要となる。
上記のように行われる水素化反応によって、主鎖炭素−炭素二重結合のうち50%以上、好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上を水素化することができる。
(iv)フィラー
上記高分子材料には、ガス透過性を向上させる点から、フィラーを分散させることが好ましい。
フィラーとしては、有機物フィラー又は無機物フィラーを用いることができる。フィラーの表面は親水性であっても、疎水性であっても構わないが、特に、親水性表面を有する無機物フィラーが好ましい。このような無機物フィラーとしては、例えば、シリカ、ゼオライト、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム及び酸化亜鉛等の酸化物からなる酸化物系フィラーが挙げられる。これらの中で、シリカ系フィラーが好ましい。シリカ系フィラーとしては、例えば、球状シリカ、多孔質シリカ粒子、石英パウダー、ガラスパウダー、ガラスビーズ、タルク及びシリカナノチューブが挙げられる。
気体の透過性を特に高めるために、フィラーは多孔質体フィラーであることが好ましい。多孔質体フィラーとしては、メソポーラスシリカ粒子、ナノポーラスシリカ粒子及びゼオライト粒子が好ましい。なお、メソポーラスシリカ粒子は細孔が形成されている粒径500〜1000nmの多孔質シリカ粒子であり、ナノポーラスシリカ粒子は細孔が形成されている粒径30〜100nmの多孔質シリカ粒子である。一般に、メソポーラスシリカ粒子は3〜7nmの細孔径を有し、ナノポーラスシリカ粒子は2〜5nmの細孔径を有する。多孔質体フィラーのように見かけ密度が低いフィラーを用いることにより、非対称膜の性能が大きく向上すると考えられる。
必要に応じて、カップリング剤等を用いた表面処理、又は水和処理による親水化を施したフィラーを用いてもよい。
フィラーの含有量は、上記高分子材料100質量部対して、典型的には5〜500質量部である。フィラーの含有量は11質量部以上であることがより好ましく、30質量部以上であることがさらに好ましく、70〜400質量部であることが特に好ましい。フィラーの含有量が5質量部未満であると、気体の透過性を向上させる効果が小さくなる傾向にあり、500質量部を超えると、非対称膜の機械的強度が低下して、薄膜化し難くなる傾向にある。
(V)非対称膜の製法
上記非対称膜は、例えば、上述の高分子材料を基材上に塗布して溶液層を形成するステップと、溶液層から溶媒を部分的に除去して、高分子材料を含む緻密層を溶液層の基材とは反対側の表層部に形成させるステップと、緻密層が形成された溶液層を高分子材料の貧溶媒(凝固溶媒)中に浸漬して、高分子材料を含む多孔質層を形成させるステップとを備える方法により得ることができる。
高分子材料を溶解する溶媒としては、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、又はケトン類が好ましく用いられる。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン及びキシレンが挙げられる。脂肪族炭化水素としてはヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン及びシクロヘキサンが挙げられる。ハロゲン化炭化水素としては、クロロホルム、塩化メチレン及び四塩化炭素が挙げられる。エーテル類としてはテトラヒドロフラン及びジオキサンが挙げられる。ケトン類としてはエチルメチルケトンが挙げられる。
高分子溶液の調製に際しては、相分離を促したり、ポリマーの溶解度、高分子溶液粘度を調節するために他の物質を加えたりして製膜することがしばしばある。この様な製膜調製剤として高分子溶液に対して0.1%以上相溶性のある化合物を用いることができる。調整剤としては高分子溶液に溶解性のある塩、水、低級アルコール(メタノール、エタノール)、アミド系極性溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド)などを用いることができる。
緻密層を形成させる際、所望の厚さの緻密層が形成されるように、溶剤の除去の条件(乾燥方法、温度、時間等)が適宜調整される。
多孔質層を形成させるために用いられる貧溶媒(凝固溶媒)としては、メタノール、エタノール及びプロパノール等のアルコール類、アセトン、又は水が好ましく用いられる。
上記非対称膜は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変形が可能である。例えば、非対称膜がメッシュ体をさらに有していてもよい。この場合、多孔質層及び緻密層のうち少なくとも一方がメッシュ体に含浸していてもよい。あるいは、メッシュ体が多孔質層上若しくは緻密層上に積層されていてもよい。メッシュ体を有する非対称膜は、例えば、上述の混合液をメッシュ体に含浸させるか、又はメッシュ体上に塗布することにより作製できる。
メッシュ体により、ガス透過性を向上させるとともに、膜の機械的強度を向上させ、外部応力による膜の破壊を防ぐことができる。メッシュ体は金属製でも樹脂製でもよいが、特に樹脂製が好ましい。メッシュ体を形成する樹脂としてはポリエステルテレフタレート(PET)及びポリプロピレン(PP)が挙げられる。メッシュ体の織り方としては平織、綾織、平畳織、及び綾畳織が挙げられる。
メッシュ体の表面は、非対称膜の強度を向上させるために、密着向上剤(プライマー)で処理されていることが好ましい。密着向上剤としては、市販されているものを用いることができる。
また、非対称膜が支持体上に形成されていてもよいし、非対称膜が中空糸状の膜であってもよい。
(空調システム)
上述の実施形態に係る非対称膜は、透過膜を介して空調対象空間への気体の供給及び/又は空調対象空間からの気体の排出を行う空調方法において、透過膜として好適に用いられる。本実施形態に係る空調システムは、空調対象空間への気体の供給及び/又は空調対象空間からの気体の排出を行う透過膜と、透過膜が設けられている開口を形成しながら空調対象空間を形成している隔壁とを備える。隔壁は、気体の透過が遮断されるように形成された単一又は複数の部材から構成される。
透過膜は、例えば、外気導入のための取り入れ口に設置される。空調対象空間は、空間内の気体と外気とを交換することが必要な空間である。空調対象空間の具体例としては、車両(自動車)、住宅、新幹線、及び飛行機の内部空間がある。
(住宅用空調システム)
次に、本発明の空調システムの好適な実施形態である住宅用空調システムについて説明する。図2は、二階建て家屋110における住宅用空調システム100を家屋110の高さ方向に切断した概略断面図である。
住宅用空調システム100は、家屋110の一階の室内(空調対象空間)の側壁103及び天井104、二階の室内(空調対象空間)の側壁107及び天井108に、上述の非対称膜からなる透過膜13を備える。また、住宅用空調システム100は、各階の室内に、ファン112を備える。さらに、住宅用空調システム100は、一階床102の下方、一階天井104と二階床106との間、及び二階天井108の上方に、家屋110の幅方向に対向する一対の通気口114を備える。また、住宅用空調システム100は、各階の室内(空調対象空間内)に暖房機器(石油ファンヒーター)を備える(図示省略)。
各階の室内は、透過膜13以外の部分では、実質的に外気と遮断されている。すなわち、各階の室内の空気は、透過膜13のみを介して、通気口114から家屋110内へ取り込まれた外気と接する。各通気口114の間には気流F1、F2、F3、F4が形成され、これらの気流によって外気が室内へ供給されるとともに、室内から排出された空気が室外へ排出される。
各階の室内で石油ファンヒーターを作動させると、石油の燃焼に伴って室内のO濃度が減少して、CO濃度が増加する。また、石油の不完全燃焼によって発生したCOや、家屋110を構成する建材又は内装材から放散されたVOCが室内に存在する。したがって、室内の空気では、外気に比べて、O濃度が低く、CO、CO、及びVOCの濃度が高くなる。このような室内の空気と外気との濃度差に起因して、外気中のOが透過膜13を介して室内へ導入されるとともに、CO、CO、及びVOCが透過膜13を介して室外へ排出される。このような透過膜13を介したOの導入、CO、CO、及びVOCの排出(ガス交換)は、O、CO、CO、及びVOCの各濃度差が解消されるまで行われる。その結果、室内の空気と外気とで、CO、CO、及びVOCの各濃度を均一にすることができる。
住宅用空調システム100では、ファン112で室内の空気を循環させることによって、上述のガス交換の効率を向上させることができる。また、各通気口114の間に流れる気流F1、F2、F3、F4によって上述のガス交換を促進することができる。
また、住宅用空調システム100では、室内に存在するガスのうち、外気との間で濃度差が生じたガスのみを透過膜13を介して選択的に交換し、且つ膜を透過するガスの量は、透過膜13の両側間のガスの濃度差を解消するために要する量に限られ、それより多くのガスが膜を透過することがない。すなわち、住宅用空調システム100では、余分な換気が行われない。その結果、換気による住宅用空調システム100の熱損失を抑えることができる。例えば、石油ファンヒーターに起因するCO、COや、建材又は内装材が放散するVOC等の室内で発生する有害ガス(室内空気質組成の悪化分)は、多めに見積もっても室内の空気全体の3%である。ここで、室内と外気との間で交換するガスの総量が室内空気全体の3%であると仮定すると、熱損失は3%となり、従来の住宅用の24時間換気システムに比べて熱損失を抑えることができる。なお、住宅用空調システム100が各階の室内(空調対象空間内)に冷房機器を備える場合においても、換気による住宅用空調システム100の熱損失を抑えることができる。
さらに、住宅用空調システム100では、上述の非対称膜からなる透過膜13を介して気体の排出及び導入が行われるので、SPM、nSPM等の大気中の浮遊物質の室内への流入を防止することができる。
透過膜13の設置面積は、例えば、室内と外気との間で必要とされる交換量が最も多いOの交換を十分に達成できる程度に設定すればよい。例えば、住宅用空調システム100の空調対象空間が、6畳(10.94m)×天井高2.4mの大きさである場合、空調対象空間の容積は26.26mとなる。石油ファンヒーターによるOの消費量が1時間当たり1.2%とすると、空調対象空間内で石油ファンヒーターが1時間当たりに消費するO全量は、26.26m×1.2%/h=0.315m/hとなる。また、一人当たりのO消費量は0.0244m/h程度である。したがって、6畳の空調対象空間内に4人が存在する状態で石油ファンヒーターを作動させた時の、空調対象空間内での一時間当たりのO消費量は、0.315m/h+0.0244m3/h×4=0.4126m/hとなる。ここで、透過膜13におけるOの透過率を、0.5×10−2cm/sec/cm=0.18m/h/mとすると、上記空調対象空間内での1時間当たりのO消費量に相当する量のOを透過させるために必要となる透過膜13の設置面積は、0.4126m/h÷0.18m/h/m=2.29m(約1.5m×1.5m)となる。このサイズの透過膜13を設置するだけの面積を確保できる点において、透過膜13の設置場所は室内(空調対象空間)の側壁又は天井であることが好ましい。なお、室内においてOより低濃度であるCO、VOCは上記面積を有する透過膜13で十分に交換可能である。
透過膜13の厚さは、0.1〜10μmであることが好ましい。
(車両用空調システム)
(第1実施形態)
次に、本発明の空調システムの好適な実施形態である車両用空調システムについて説明する。図3は、第1実施形態における車両用空調システムを搭載した車両の模式的な断面図である。図3において前後左右の矢印は車両の各方向を示し、矢印Fwは車両の前進方向を示している。
乗員が搭乗する車室11(図3中、太実線で囲んで示した領域)の前端部には、車室11とエンジンルーム12とを仕切る隔壁(ファイヤーウォール)27が設けられている。この隔壁27の一部には車室11側からエンジンルーム12側に貫通する貫通穴が形成されており、この貫通穴は透過膜13によって塞がれている。
エンジンルーム12には、外気が流れる外気流路20を形成する外気ダクト21が隔壁27に沿って配置されている。車室11には、内気が流れる内気流路22を形成する内気ダクト23が隔壁27に沿って配置されている。
外気ダクト21及び内気ダクト23の壁面の一部には貫通穴が形成されており、この貫通穴が透過膜13と重なるように外気ダクト21及び内気ダクト23が隔壁27に配置されている。
換言すれば、透過膜13は、その一方の面(エンジンルーム12側の面)13aが外気流路20に露出して外気と接触し、その他方の面(車室11側の面)13bが内気流路22に露出して内気と接触するように外気流路20と内気流路22との境目に配置されている。
外気流路20には、外気の流れを発生させて透過膜13の一方の面13aに外気を供給する外気送風機24が配置されている。内気流路22には、内気の流れを発生させて透過膜13の他方の面13bに内気を供給する内気送風機25が配置されている。
外気送風機24及び内気送風機25は、気体に運動エネルギーを与えたり圧力を高めたりする流体機械のうち圧縮比が2未満のものであり、具体的にはファンやブロア等である。
外気ダクト21には、外気流路20に外気を流入させる外気入口部20aと、外気を外気流路20の外部に流出させる外気出口部20bとが形成されている。
外気入口部20a及び外気出口部20bは、外気入口部20aにおける圧力(全圧)P1、外気出口部20bにおける圧力(全圧)P2、及び外気送風機24の送風圧力Pvが次の圧力関係を満たすように構成されている。
すなわち、出口部圧力P2から入口部圧力P1を引いた圧力差(P2−P1)が車両停止時及び車両走行時の両方において送風圧力Pv以下になるように外気入口部20a及び外気出口部20bが構成されている。換言すれば、入口部圧力P1、出口部圧力P2及び送風圧力Pvは車両停止時及び車両走行時の両方においてP2−P1≦Pvの関係を満たしている。
図3の例では、外気入口部20aを車両前方側に向けて開口させ、かつ外気出口部20bを車両左方側を向けて開口させることによって、外気出口部20bでは外気入口部20aよりも車両走行時の走行風(動圧)を受けにくくなるようにし、その結果として上記圧力関係を満たすようにしている。
外気送風機24及び内気送風機25の作動は図示しない空調用制御装置(ECU)により制御される。空調用制御装置は、CPU、ROM及びRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。空調用制御装置は、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算と処理とを行って外気送風機24及び内気送風機25等の電気機器の作動を制御する。
次に上記構成における作動を説明する。空調用制御装置が外気送風機24及び内気送風機25を作動させると外気流路20に外気の流れが発生するとともに内気流路22に内気の流れが発生する。
このとき、内気流路22の内気中のある成分の濃度が外気流路20の外気中のその成分の濃度と比較して低ければ、その成分の濃度差により外気中のその成分が透過膜13を透過して内気と混ざる。このため内気中のその成分の濃度が上昇する。
逆に、内気流路22の内気中のある成分の濃度が外気流路20の外気中のその成分の濃度と比較して高ければ、その成分の濃度差により内気中のその成分の気体が透過膜13を透過して外気と混ざる。このため内気中のその成分の濃度が低下する。
例えば、車室11内の乗員の呼吸により酸素が消費されて内気中の酸素濃度が低下すると、外気流路20の外気中の酸素が透過膜13を透過して内気流路22の内気と混ざるので内気中の酸素濃度が上昇する。
また、車室11内の乗員の呼吸により二酸化炭素が発生して内気中の二酸化炭素濃度が上昇すると、内気流路22の内気中の二酸化炭素が透過膜13を透過して外気流路20の外気と混ざるので内気中の二酸化炭素濃度が低下する。このため、車室11内の酸素濃度及び二酸化炭素濃度を乗員にとって快適な濃度に維持することができる。同様に体臭などの臭気ガスも抑制できる。
一方、外気流路20の外気中の液体や固体は透過膜13を全く透過しないか僅かに透過するだけであるので、これらの液体や固体の内気流路22への侵入を透過膜13によって抑制できる。
また従来の車両では車室11内の乗員の呼吸により水蒸気が発生して内気中の湿度が上昇すると冬場など車室外の気温が低い場合に窓が曇り運転に支障をきたすため外気を導入して防曇していたので換気による暖房の熱損失が発生していたが、本実施形態では内気流路22の内気中の水蒸気が透過膜13を透過して外気流路20の外気と混ざるので内気中の湿度を低下させることができ、ひいては窓の曇りを抑制することができる。このため、外気導入の必要性が少なくなって換気による熱損失を低減できるので省エネルギー化や空調装置の小型化を図ることができる。
また本実施形態では、外気送風機24及び内気送風機25を備えているので、透過膜13近傍に外気及び内気が滞留することなく透過膜13に新鮮な外気及び内気を供給することができる。
さらに本実施形態では、入口部圧力P1、出口部圧力P2及び送風圧力Pvの圧力関係が車両停止時及び車両走行時の両方においてP2−P1≦Pvの関係を満たしているので、外気流路20における外気の流れ方向を車両停止時及び車両走行時の両方において外気入口部20aから外気出口部20bに向かう方向にすることができる。
換言すれば、外気流路20における外気の流れ方向を車両停止時及び車両走行時の両方において一定にすることができるので、外気流路20における外気の滞留及び逆流を防止することができ、ひいては透過膜13に新鮮な外気を安定して供給することができる。
これらの結果、外気及び内気が透過膜13近傍に滞留することによる透過膜13の透過性能の低下を車両停止時及び車両走行時の両方において防止することができるので、透過膜13の透過性能を安定して発揮することができる。
また、自車両の出す排気ガスに含まれる臭気及び有害ガスやエンジン周辺の臭気等が外気流路20に流れ込んで長時間滞留するとこれらの臭気及び有害ガスが透過膜13を透過して車室11内に侵入しやすくなるが、本実施形態では透過膜13に新鮮な外気が供給されるので、これらの臭気及び有害ガスの車室11内への侵入を低減できる。
ちなみに図3の例では、入口部圧力P1、出口部圧力P2及び送風圧力Pvの圧力関係が車両走行時でもP2−P1≦Pvの関係を満たすようにするために、外気流路20の外気入口部20aを車両前方側に向け、外気流路20の外気出口部20bを車両左方側に向けているが、上記圧力関係を満たすための外気入口部20a及び外気出口部20bの構成はこれに限定されるものではない。
例えば、車両前進方向Fwと外気入口部20aの開口方向とがなす角度を入口開口角度とし、車両前進方向Fwと外気出口部20bの開口方向とがなす角度を出口開口角度としたとき、入口開口角度が出口開口角度以下になる配置関係で外気入口部20a及び外気出口部20bを構成すれば入口部圧力P1を出口部圧力P2よりも所定量高くすることができ、ひいては上記圧力関係を満たすようにすることができる。
ここで、外気入口部20a及び外気出口部20bが複数個ずつ設けられ、それらの開口方向が各々異なっているような場合には、入口開口角度の平均角度と出口開口角度の平均角度とを比較すればよい。
ちなみに平均角度とは次のように算出されるものである。すなわち、例えば入口開口角度の平均角度とは、まず複数個の外気入口部20aの各々における開口角度と開口面積との積を求め、この積を足し合わせた後に全開口面積で除した値のことである。出口開口角度の平均角度も同様である。
また、上記圧力関係を満たすための外気入口部20a及び外気出口部20bの構成としては例えば、外気入口部20aの開口面積が外気出口部20bの開口面積以上になる面積関係で外気入口部20a及び外気出口部20bを構成したものであってもよい。
この構成によると、外気入口部20aでの圧力損失を外気出口部20bでの圧力損失よりも小さくすることができるので、入口部圧力P1を出口部圧力P2よりも所定量高くすることができ、ひいては上記圧力関係を満たすようにすることができる。
なお、上記した外気入口部20a及び外気出口部20bの配置関係と面積関係とを組み合わせてもよい。
ちなみに本実施形態は以上の説明からわかる通り、透過膜13の外気側と内気側との間に真空ポンプ等の差圧発生手段により大きな圧力差を設けることなく透過膜13による透過機能を実現するものである。
具体的には、一般的な大気圧力に、車両走行風によって生じる圧力(ラム圧)、及び圧縮比2未満の送風機23の圧力を加えた程度の圧力変動の範囲で作動するものである。より具体的には、透過膜13の外気側と内気側との間の圧力差が5kPa以下の範囲で作動するものである。
(第2実施形態)
図4に示す第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、車両走行時における出口部圧力P2と入口部圧力P1との差(P2−P1)を小さくしたものである。具体的には、外気出口部20bにおける走行風の受け度合いを外気入口部20aにおける走行風の受け度合いに近づけている。
例えば、図4に示す第1の範囲R1内又は第2の範囲R2内に外気出口部20bの開口方向を設定することによって、外気出口部20bにおける走行風の受け度合いを外気入口部20aにおける走行風の受け度合いに近づけることができる。
ここで、第1の範囲R1とは、外気入口部20aの開口方向D1となす角度が車両側面側、車両上面側及び車両正面側のいずれからから見ても90度以下になる方向の範囲のことである。
また、第2の範囲R2とは、外気入口部20aの開口方向D1に対して左右対称な方向D2となす角度が車両側面側、車両上面側及び車両正面側のいずれからから見ても90度以下になる方向の範囲のことである。なお、図4では理解を容易にするために、車両上面側から見たときの第1の範囲R1及び第2の範囲R2を示している。
上記第1実施形態では、出口部圧力P2と入口部圧力P1との差(P2−P1)が走行風の有無によってある程度変動するので、車両停止時と車両走行時とで外気流路20に流れる風量がある程度変動し、ひいては透過膜13による気体透過性能も車両停止時と車両走行時とである程度変動することとなる。
この点に鑑みて本実施形態では、車両走行時における出口部圧力P2と入口部圧力P1との差(P2−P1)を小さくしているので、車両停止時と車両走行時とで出口部圧力P2と入口部圧力P1との差(P2−P1)が変動することを抑制することができ、ひいては透過膜13による気体透過性能をより安定して発揮することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態は、図5に示すように、透過膜13が組み込まれた透過膜モジュール33を用い、内気送風機25を車両用空調装置30の空調用送風機と兼用させている。
車両用空調装置30の空調ケース31は車室11の最前部に配置される計器盤(図示せず)の内側に配置されており、その内部に空気が流れる流路を形成している。
空調ケース31は、ポリプロピレンのようなある程度の弾性を有し機械的強度に優れた樹脂にて成形されている。
空調ケース31の上流部には、矢印A1〜A3のように外気がUターンして流れる略U字状の外気流路32と、外気流路32に外気を流入させる外気入口部32aと、外気を外気流路32の外部に流出させる外気出口部32bとが形成されている。
外気流路32のうちU字状に屈曲する部位よりも下流側(外気出口部32b側)の部位には、外気送風機24が配置されている。
外気流路32のうちU字状に屈曲する部位には、透過膜が組み込まれた透過膜モジュール33が配置されている。空調ケース31内において透過膜モジュール33よりも外気入口部32a及び外気出口部32bと反対側(図5の下方側)の部位には、内気送風機(空調用送風機)25が配置されている。
図6に示すように、透過膜モジュール33は全体として直方体状に形成されている。透過膜モジュール33には、矢印A4、A5のように外気が流れる外気流通空間33aが形成されている。より具体的には、外気流通空間33aは、仕切り板33bによって第1、第2の2つの空間33c、33dに仕切られている。
第1の空間33cでは矢印A4のように外気が外気入口部32a側から外気入口部32aと反対側(図6の上方側から下方側)に貫通して流れる。第1の空間33cから流出した外気は、矢印A2のようにUターンした後に矢印A5のように第2の空間33dを外気出口部32bと反対側から外気出口部32b側(図6の下方側から上方側)に貫通して流れる。
さらに、透過膜モジュール33には、矢印B1のように内気が外気流通空間33aと直交する方向(図6の左右方向)に貫通して流れる内気流通空間33eが形成されている。この内気流通空間33eは外気流通空間33aと隣り合うように形成されている。図6の例では、透過膜モジュール33に外気流通空間33aと内気流通空間33eとが交互に複数個ずつ形成されている。
透過膜モジュール33は、外気流通空間33aと内気流通空間33eとの仕切り部が透過膜13で構成され、残余の部分が樹脂等の材料で形成されている。
空調ケース31において透過膜モジュール33の側方側には、透過膜モジュール33の内気流通空間33eに内気を導入させる第1内気導入口34と、内気流通空間33eから流出した内気が矢印B2のようにUターンして流れる内気流路35とが形成されている。
空調ケース31において内気流路35の下流側部位には、矢印B3のように空調用送風機25に内気を導入する第2内気導入口36が形成されている。
空調ケース31内には、内気循環モードと外気導入モードとを切り替える内外気切替ドア37が配置されている。図5の例では内外気切替ドア37としてロータリードアを用いている。
この内外気切替ドア37は、内気循環モードでは図5の実線位置に回転操作され、外気流路32を閉じて内気流路35を開ける。これにより、空調用送風機25に第1、第2内気導入口34、36からの内気が導入される。
この内気循環モードでは、矢印A1のように外気入口部32aを通じて外気流路32に流入した外気が矢印A4のように透過膜モジュール33の外気流通空間33aの第1の空間33cを通過した後に矢印A2のように内外気切替ドア37の外面側でUターンし、さらに矢印A5のように透過膜モジュール33の外気流通空間33aの第2の空間33dを通過した後に矢印A3のように外気出口部32bに向かって流れて外気流路32の外部に流出する。
また、内外気切替ドア37は、外気導入モードでは図5の2点鎖線位置に回転操作され、外気流路32を開けて内気流路35を閉じる。これにより、外気入口部32aを通じて外気流路32に流入した外気は、矢印A4のように透過膜モジュール33の外気流通空間33aの第1の空間33cを通過した後に、Uターンすることなく空調用送風機25に向かって流れて空調用送風機25に導入される。
図示を省略しているが、内外気切替ドア37は、空調用制御装置により制御されるサーボモータ、又は乗員によって操作される手動操作機構によって駆動される。
図5の例では、空調ケース31内において空調用送風機25の直ぐ上流側に、空気中の塵埃や臭気等を除去するフィルタ38が配置されている。
空調ケース31内において空調用送風機25の下流側には、空調用送風機25からの送風空気の冷却及び加熱の少なくとも一方を行う熱交換器39が配置されている。本例では、熱交換器39として、送風空気を冷却する冷却用熱交換器及び送風空気を加熱する加熱用熱交換器が空調ケース31内に配置されている。
図示を省略しているが本例では、加熱用熱交換器を通過する温風と加熱用熱交換器をバイパスして流れる冷風との風量割合を調節することにより車室11への吹出空気温度を調節するエアミックスドア等が空調ケース31内に配置されている。
また図示を省略しているが、空調ケース31の最下流部には、空調空気を車室11内の所定領域へ吹き出すための複数個の吹出開口部が形成され、この複数個の吹出開口部を開閉する吹出モードドアが空調ケース31内に配置されている。
本実施形態によると、内気循環モードでは、透過膜モジュール33の外気流通空間33aを外気が流通するので透過膜13の一方の面に外気を供給することができ、内気流通空間33eを内気が流通するので透過膜13の他方の面に内気を供給することができる。このため上記各実施形態と同様に、車室11の酸素濃度と二酸化炭素濃度を快適濃度に保つことができる。
また、内気送風機25を車両用空調装置30の空調用送風機と兼用させているので車両用空調装置30の小型化とコスト低減とを図ることができる。
さらに、外気流路32は、内気循環モードでは透過膜13に外気を供給する役割を果たし、外気導入モードでは空調用送風機25に外気を導入させる外気導入通路としての役割を果たすので、透過膜13に外気を供給する通路と空調用送風機25に外気を導入させる外気導入通路とを別個に設ける場合に比べて車両用空調装置30の小型化とコスト低減とを図ることができる。
また、空調ケース31内にフィルタ38を配置しているので、透過膜13を通じて車室11内に侵入してくる臭気を効果的に除去することができる。
(第4実施形態)
上記第3実施形態では、透過膜が透過膜モジュール33に組み込まれているが、本第4実施形態では、図7に示すように、透過膜が内外気切替ドア37と一体化されている。具体的には、内外気切替ドア(ロータリードア)37の円弧面が透過膜13で構成されている。これに伴い、本実施形態では第1内気導入口34が廃止されている。
この構成によると、内気循環モードでは透過膜13の一方の面(内外気切替ドア37の外面)に外気入口部32aから導入された外気が供給され、透過膜13の他方の面(内外気切替ドア37の内面)に第2内気導入口36から導入された内気が供給される。
本実施形態では、透過膜を内外気切替ドア37と一体化しているので、車両用空調装置30の小型化とコスト低減とを図ることができる。
(第5実施形態)
本第5実施形態は、上記第4実施形態に対して、外気導入モードのときに外気送風機24を停止するか、外気送風機24の回転方向を内気循環モードのときと逆にするものである。
すなわち、図8(a)に示す内気循環モードでは空調用制御装置(ECU)40が外気送風機24を正回転させて矢印A3のように外気出口部32bから外気を流出させ、図8(b)に示す外気導入モードでは空調用制御装置40が外気送風機24を停止又は逆回転させて矢印A6のように外気出口部32bから外気を流入させる。
これにより、外気導入モードにおいて外気入口部32a及び外気出口部32bの両方から外気を導入することができるので、車両用空調装置30の外気導入通路を従来よりも大型化することなく車両用空調装置30に透過膜13を設けることができる。
(第6実施形態)
本第6実施形態は、外気中の臭気濃度が高い場合に臭気が透過膜13を通じて車室11に侵入することを抑制するために、上記第1実施形態に対して、外気送風機24及び空調用送風機25の少なくとも一方を停止する送風機停止手段を設けたものである。ここで、外気中の臭気濃度が高い場合とは例えばトンネル内を走行している場合等のことである。
送風機停止手段は、外気臭気濃度に応じて外気送風機24及び空調用送風機25の少なくとも一方のオン・オフを制御する。本例では、車両のグリルや外気流路20等に設けられた臭気濃度センサ(図示せず)によって外気臭気濃度を検出し、上述の空調用制御装置(図示せず)が外気送風機24及び空調用送風機25の少なくとも一方のオン・オフを制御する。
図9は、空調用制御装置による外気送風機24のオン・オフ制御の概要を示すフローチャートである。空調用制御装置は、まずステップS100にて外気送風機24をオンする。次にステップS110にて、臭気濃度センサが検出した外気臭気濃度が所定値よりも大きいか否かを判定する。
ステップS110にて外気臭気濃度が所定値よりも大きいと判定した場合には、ステップS120にて外気送風機24をオフする。そして、ステップS130にて外気臭気濃度が所定値よりも小さいか否かを判定し、外気臭気濃度が所定値よりも小さいと判定した場合には、ステップS100に戻る。
ステップS130にて外気臭気濃度が所定値以上であると判定した場合にはステップS130を繰り返す。なお、ステップS110にて外気臭気濃度が所定値以下であると判定した場合にはステップS110を繰り返す。
空調用制御装置による空調用送風機25のオン・オフ制御も図9と同様であるので、空調用送風機25のオン・オフ制御については説明を省略する。
本実施形態によると、外気中の臭気濃度が高い場合に透過膜13への外気及び内気の少なくとも一方の供給を抑制することができるので、透過膜13による気体透過量を抑制して車室11への臭気の侵入を抑制することができる。
したがって、外気中の臭気濃度が高い場合に透過膜13を閉塞する手段を設けて車室11への臭気の侵入を抑制する場合に比べて車両用空調装置の小型化とコスト低減とを図ることができる。
なお、送風機停止手段を、例えば乗員によって操作される送風機停止スイッチのような手動停止手段で構成することもできる。
(第7実施形態)
本第7実施形態は、上記第3〜第5実施形態に対して、窓の曇り量を検知又は推定して内外気切替ドア37を外気導入モードの位置に切り替えるドア切り替え手段を設けることによって、窓の曇りを防止するものである。
ドア切り替え手段は、窓の曇り量が所定値よりも大きくなった場合に内外気切替ドア37を外気導入モードの位置に切り替える。本例では上述の空調用制御装置(図示せず)が内外気切替ドア37を切り替えるようになっている。窓の曇り量の推定は例えば、内気温度センサ及び内気湿度センサによって検出される内気温度及び内気湿度に基づいて空調用制御装置が窓の曇り量を算出することで行うことができる。
図10は、空調用制御装置による内外気切替ドア37の切り替え制御の概要を示すフローチャートである。空調用制御装置は、まずステップS200にて内外気切替ドア37を内気循環モード(内気循環側)の位置にする。次にステップS210にて窓の曇り量が所定値よりも大きいか否かを判定する。
ステップS210にて窓の曇り量が所定値よりも大きいと判定した場合には、ステップS220にて内外気切替ドア37を外気導入モード(外気導入側)の位置に切り替える。そして、ステップS230にて窓の曇り量が所定値よりも小さいか否かを判定し、窓の曇り量が所定値よりも小さいと判定した場合には、ステップS200に戻る。
ステップS230にて窓の曇り量が所定値以上であると判定した場合にはステップS230を繰り返す。なお、ステップS210にて窓の曇り量が所定値以下であると判定した場合にはステップS210を繰り返す。
本実施形態によると、車室11内の水蒸気濃度が高くなって窓が曇った場合に外気を導入して車室11内の水蒸気濃度を低下させることができるので、窓の曇りを防止することができる。
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態は透過膜の具体的配置位置の一例を示したものであり、これに限定されることなく透過膜をトランクルームや車両の側壁部等に配置することができる。
また、上記第3実施形態では、空調用送風機25に外気を導入する外気導入通路として外気流路32のみを設け、この外気流路32に透過膜モジュール33を配置しているが、外気導入通路として外気流路32とは別個の通路を外気流路32と並列に設け、この別個の通路には透過膜モジュール33を配置しないようにしてもよい。
また、上記各実施形態の構成を適宜組み合わせてもよいことはもちろんである。
(透過膜構造体)
上述の住宅用空調システム及び車両用空調システムにおいては、透過膜13の代わりに、図11に示す透過膜構造体50a、又は図12に示す透過膜構造体50bを用いても良い。
図11の透過膜構造体50aは、透過膜13c及び支持体42aを備える。透過膜13cは平面状であり、その片面に密着する平面状の支持体42aによって支持されている。なお、支持体42aは、例えば透過膜13cの外周部等、透過膜13cの一部のみに密着していてもよく、透過膜13cに完全に密着していてもよい。
図12の透過膜構造体50bは、透過膜13d及び支持体42bを備える。透過膜13dは襞状であり、その片面に密着する襞状の支持体42bによって支持されている。なお、支持体42bは、透過膜13dの一部のみに密着していてもよく、透過膜13dに完全に密着していてもよい。
透過膜13c及び13dは、上述の高分子材料から形成される膜により構成されており、その厚さは0.1〜10μmであることが好ましい。支持体42a及び42bは、気体を透過するものであればよく、例えば、紙状の繊維部材、並びに孔径が0.1〜500μmの多孔質体及びメッシュが挙げられる。支持体の厚さは50〜500μmであることが好ましい。また、支持体42a及び42bは断熱材であることが好ましい。これにより、住宅用空調システム100における熱効率を向上させ易くなる。
これらの透過膜構造体50a及び50bによれば、透過膜13c及び13dが支持体により支持されているため、透過膜13c及び13dを薄くして透過する気体量を増加させるとともに、透過膜構造体の強度を確保することができる。さらに、透過膜構造体50bによれば、透過膜13c及び13dの表面積が大きくなるため、気体の透過量をさらに増加させることができる。
なお、上述の透過膜構造体は、例えば、後工程で除去可能なフィルム上に上述の成膜加工方法により透過膜を形成し、形成された透過膜上に支持体を転写した後に、上記フィルムを除去することにより製造することができる。後工程で除去可能なフィルムとしては、水、溶剤、薬品等による洗浄により除去されるフィルムや、UV、EB等の照射により改質した後に除去されるフィルムが挙げられる。また、透過膜上に支持体を転写する方法としては、透過膜と支持体との間に接着剤や粘着剤を介在させ接着する方法や、加熱や溶剤による溶解等によって透過膜と支持体とを接着する方法が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(重合体製造)
重合体製造例1:トリス(トリメチルシロキシ)シリルノルボルネン開環重合体(ポリマーA)の合成
窒素置換したガラス製容器に下記式(12)で表される単量体A20g(0.51mmol)とトルエン180gとを混合し40℃に昇温した。これにビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウム(IV)ジクロリド12mg(0.015mmol)をトルエン4gに溶解した溶液を添加して、40℃において重合反応を行った。重合反応開始後、徐々に溶液の粘度は上昇し、20分後エチルビニルエーテル1gを加えることで重合を停止した。重合溶液を多量のメタノールに注いで沈殿物を凝集させ、粉砕洗浄後、濾別し、70℃で5時間減圧乾燥すると19.0gのポリマーAが得られた。分子量はトルエンを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによるポリスチレン換算値としてMn=550,000であった。
重合体製造例2:トリス(トリメチルシロキシ)シリルノルボルネン-b-ノルボルネン付加共重合体(ポリマーB)の合成
窒素置換したガラス製容器に単量体A34.7g(0.089mol)、単量体B(ノルボルネン)8.3g(0.089mol)及びトリチルテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート{[PhC][B(C]}37mg(40μmol)をトルエン140mlに溶解した。そこへ別途調整した触媒溶液(シクロペンタジエニル(アリル)パラジウム[CPdC]9mg(40μmol)、トリシクロへキシルホスフィン[PCy]12mg(40μmol)をトルエン15mlに溶解したもの)を添加し、室温(25℃)で5時間重合反応を行った。
反応終了後、多量のメタノール中に注いでポリマーを析出させ、濾別洗浄後、60℃で5時間減圧乾燥したところ、30.5gのポリマーBが得られた。
得られたポリマーのGPC測定による分子量はMn=726,000、分子量分布Mw/Mn=1.51であった。H−NMRスペクトルにより、重合中の単量体A由来の構造体及びノルボルネン由来の構造体の組成比はA/B=46/54(mol/mol)であることを確認した。
重合体製造例3:トリス(トリメチルシロキシ)シリルノルボルネン−b−ノルボルネン付加共重合体(ポリマーC)の合成
重合体製造例2において、単量体Aと単量体Bの仕込み量をそれぞれ単量体A;44.7g(0.115mol)、単量体B;5.8g(0.062mol)とした以外は同様の方法で実験を行ったところ、34.1gのポリマーCが得られた。分子量はMn=601,000、分子量分布Mw/Mn=1.49であり、重合中の単量体A由来の構造体及びノルボルネン由来の構造体の組成比はA/B=67/33(mol/mol)であることを確認した。
重合体製造例4:ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルノルボルネン-b-ノルボルネン付加共重合体(ポリマーD)の合成
重合体製造例2において、単量体Aを用いる代わりに下記式(13)で表される単量体Cを用い、単量体Cを28.0g(0.089mol)とした以外は同様の方法で実験を行ったところ、29.4gのポリマーDが得られた。分子量はMn=892,000、分子量分布Mw/Mn=1.62であり、重合中の単量体C由来の構造体及びノルボルネン由来の構造体の組成比はC/B=46/54(mol/mol)であることを確認した。
重合体製造例5:ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルノルボルネン−b−ノルボルネン付加共重合体(ポリマーE)の合成
重合体製造例4において、単量体Cと単量体Bの仕込み量をそれぞれ単量体C;36.2g(0.115mol)、単量体B;5.8g(0.062mol)とした以外は同様の方法で実験を行ったところ、29.4gのポリマーEが得られた。分子量はMn=724,000、分子量分布Mw/Mn=1.38であり、重合中の単量体C由来の構造体及びノルボルネン由来の構造体の組成比はC/B=68/32(mol/mol)であることを確認した。
重合体製造例6:ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルノルボルネン付加重合体(ポリマーF)の合成
重合体製造例4において、単量体Cと単量体Bを用いる代わりに単量体Cのみを55.7g(0.177mol)を用いること以外は同様の方法で実験を行ったところ、30.6gのポリマーFが得られた。分子量はMn=632,000、分子量分布Mw/Mn=1.39であった。
重合体製造例7:トリメチルシロキシメチルフェニルシリルノルボルネン−b−ノルボルネン付加共重合体(ポリマーG)の合成
重合体製造例2において、単量体Aを用いる代わりに下記式(14)で表される単量体Dを用い、単量体Dを27.0g(0.089mol)とした以外は同様の方法で実験を行ったところ、18.5gのポリマーGが得られた。分子量はMn=736,000、分子量分布Mw/Mn=1.24であり、重合中の単量体D由来の構造体及びノルボルネン由来の構造体の組成比はD/B=49/51(mol/mol)であることを確認した。
重合体製造例8:ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルノルボルネン−b−ノルボルネン付加共重合体(ポリマーH)の合成
重合体製造例7において、単量体Dと単量体Bの仕込み量をそれぞれ単量体D;34.8g(0.115mol)、単量体B;5.8g(0.062mol)とした以外は同様の方法で実験を行ったところ、20.7gのポリマーHが得られた。分子量はMn=479,000、分子量分布Mw/Mn=1.32であり、重合中の単量体D由来の構造体及びノルボルネン由来の構造体の組成比はD/B=66/34(mol/mol)であることを確認した。
重合体製造例9:ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルノルボルネン付加重合体(ポリマーI)の合成
重合体製造例7において、単量体Dと単量体Bを用いる代わりに単量体Dのみを53.6g(0.177mol)を用いること以外は同様の方法で実験を行ったところ、25.7gのポリマーIが得られた。分子量はMn=467,000、分子量分布Mw/Mn=1.35であった。
(表面の密着性を改良したメッシュ体の作製)
密着向上剤X−92−470(信越化学工業社製 固形分10%/トルエン−酢酸エチル溶媒)をメッシュ体(材質:PET、開口率:46%、開口径:85μ)表面に均一に塗布し、室温にて風乾後、120℃、5分間の加熱処理を行い、表面の密着性を改良したメッシュ体を得た。
(非対称膜の作製)
参考例1
ポリマーAをテトラヒドロフラン(THF)とメタノールの混合溶液に溶解して、非対称膜作製用の溶液を準備した。溶液の組成はテトラヒドロフラン/メタノール/ポリマーA85/10/5質量%とした。
ガラス板上に厚さ180μmの枠を置き、その枠内にメッシュ体(材質:PET、開口率:45%、開口径:85μm)を敷き、そこに上記溶液をメッシュ体の厚みで流延した。その後25℃にて2秒間乾燥して、表層部に緻密層を形成させた。次いで、全体を凝固溶媒であるメタノールに浸漬したところ、ガラス板側に多孔質層が形成された。すなわち、多孔質層及び緻密層を有する非対称膜(膜厚:20μm)が形成された。
参考例2
非対称膜作製用の溶液に、シリカ粒子である「NanoTek SiO」(登録商標、シーアイ化成社製、細孔なし、粒径(中心値):25nm、表面性状:親水性)をポリマーA100質量部に対して100質量部加えたことの他は参考例1と同様にして非対称膜を作製した。
実施例3
ポリマーAに代えてポリマーBを用いたことの他は参考例1と同様にして非対称膜を作製した。
実施例4
ポリマーAに代えてポリマーCを用いたことの他は参考例1と同様にして非対称膜を作製した。
実施例5
ポリマーAに代えてポリマーDを用いたことの他は参考例1と同様にして非対称膜を作製した。
実施例6
ポリマーAに代えてポリマーEを用いたことの他は参考例1と同様にして非対称膜を作製した。
実施例7
ポリマーAに代えてポリマーFを用いたことの他は参考例1と同様にして非対称膜を作製した。
実施例8
ポリマーAに代えてポリマーGを用いたことの他は参考例1と同様にして非対称膜を作製した。
実施例9
ポリマーAに代えてポリマーHを用いたことの他は参考例1と同様にして非対称膜を作製した。
実施例10
ポリマーAに代えてポリマーIを用いたことの他は参考例1と同様にして非対称膜を作製した。
実施例11
ポリマーAに代えてポリマーBを用いたことの他は参考例2と同様にして非対称膜を作製した。
実施例12
ポリマーAに代えてポリマーEを用いたことの他は参考例2と同様にして非対称膜を作製した。
実施例13
ポリマーAに代えてポリマーFを用いたことの他は参考例2と同様にして非対称膜を作製した。
実施例14
メッシュ体として、上記表面の密着性を改良したメッシュ体を用いたことの他は実施例12と同様にして非対称膜を作製した。
実施例15
メッシュ体として、上記表面の密着性を改良したメッシュ体を用いたことの他は実施例13と同様にして非対称膜を作製した。
参考例16
メッシュ体として、上記表面の密着性を改良したメッシュ体を用いたことの他は参考例2と同様にして非対称膜を作製した。
(水面展開膜の作製)
比較例1
ポリマーAをトルエンに溶解して、水面展開膜作製用の溶液を準備した。ポリマーAの濃度は溶液全体質量を基準として5質量%とした。この溶液を、支持体アイソポア(日本ミリポア社製、材質:ポリカーボネート、平均孔径0.22μm)上に、水面展開法により成膜した後、乾燥機にてトルエンと水分を除去し、平均厚み0.1μmの膜を得た。
比較例2
ポリマーCをトルエンに溶解して、水面展開膜作製用の溶液を準備した。ポリマーCの濃度は溶液全体質量を基準として5質量%とした。この溶液を、支持体アイソポア(日本ミリポア社製、材質:ポリカーボネート、平均孔径0.22μm)上に、水面展開法により成膜した後、乾燥機にてトルエンと水分を除去し、平均厚み0.1μmの膜を得た。
比較例3
ポリマーEをトルエンに溶解して、水面展開膜作製用の溶液を準備した。ポリマーEの濃度は溶液全体質量を基準として5質量%とした。この溶液を、支持体アイソポア(日本ミリポア社製、材質:ポリカーボネート、平均孔径0.22μm)上に、水面展開法により成膜した後、乾燥機にてトルエンと水分を除去し、平均厚み0.1μmの膜を得た。
比較例4
ポリマーHをトルエンに溶解して、水面展開膜作製用の溶液を準備した。ポリマーHの濃度は溶液全体質量を基準として5質量%とした。この溶液を、支持体アイソポア(日本ミリポア社製、材質:ポリカーボネート、平均孔径0.22μm)上に、水面展開法により成膜した後、乾燥機にてトルエンと水分を除去し、平均厚み0.1μmの膜を得た。
比較例5
ポリマーFをトルエンに溶解して、水面展開膜作製用の溶液を準備した。ポリマーFの濃度は溶液全体質量を基準として5質量%とした。この溶液を、支持体アイソポア(日本ミリポア社製、材質:ポリカーボネート、平均孔径0.22μm)上に、水面展開法により成膜した後、乾燥機にてトルエンと水分を除去し、平均厚み0.1μmの膜を得た。
<膜の評価>
(1)孔の有無の確認
実施例及び参考例で得られた非対称膜及び比較例で得られた水面展開膜について、その表面(非対称膜については緻密層側)を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、孔の有無を確認した。その結果を表1に示す。なお、図13は実施例6の非対称膜のSEM像であり、図14は実施例12の非対称膜のSEM像であり、図15は実施例14の非対称膜のSEM像であり、図16は比較例3の水面展開膜のSEM像である。
(2)気体透過係数
(等圧法)
実施例及び参考例で得られた非対称膜及び比較例で得られた水面展開膜について、等圧気体透過率測定装置(デンソー社製、図17のガス透過性評価装置参照)を用い、下記の測定条件で、酸素及び二酸化炭素についての気体透過係数(P(O)及びP(CO))を測定した。得られた気体透過係数(P(O)及びP(CO))を膜の膜厚(L)で除して気体透過速度(P(O)/L及びP(CO)/L)を算出した。また、分離比α(=(P(O)/(P(CO))も算出した。その結果を表1に示す。
本評価装置での初期環境は、事前に酸素、二酸化炭素の濃度を調整したボンベ(例えば、酸素濃度:20.5%、二酸化炭素:4000ppm)から評価チャンバー内にガスを入れ、初期濃度環境を作った。評価チャンバー外側は、大気空気(酸素濃度:20.8〜20.9%、二酸化炭素:400〜600ppm)である。なお、膜設置部には仕切り板(図示せず)が備えられており、評価開始前に膜は仕切り板により外気と遮断されている。膜評価は、下記の測定条件下、膜設置部の仕切り板を取り除くことで開始され、評価チャンバー内外のガス交換を行った。すなわち、評価チャンバー内の2成分のガス濃度の変化から、酸素及び二酸化炭素についての気体透過速度を測定した。対象ガスの膜に対する流れ方向は、酸素は外から内へ、二酸化炭素は内から外へ流れる初期濃度環境とした。評
価チャンバー内及び外の酸素及び二酸化炭素の濃度は、酸素センサー(チノー社製、型番:MG1200)と二酸化炭素センサー(ヴァイサラ社製、型番:GMP343)により測定し、データロガ(チノー社製、型番:KIDS ver6)に記録した。
(測定条件)
温度 :23±2度
膜間の圧力差 :なし
膜間のガス分圧差:酸素0.0013〜0.0066atm、二酸化炭素0.0001〜0.0011atm
(3)SPM遮断率
ナノ粒子発生装置(Palas社製、型番:GFG−1000)が接続されたA層と、粒子カウンター(TSI社製、型番:SMPS−3034)が接続されたB層とが、膜サンプルがセットされるホルダーを介して連結されている測定装置(図18参照)を用いて、以下の手順でSPM遮断率を測定した。その結果を表1に示す。
i)ナノ粒子発生装置により10〜500nmの粒径を有するカーボン粒子を発生させ、これをA層内に貯める。
ii)非対称膜(水面展開膜)のサンプルをサンプルホルダー(膜面積:最大で16cm)にセットし、サンプルホルダーとB層の間のバルブV1を閉じ、A層とB層との差圧が1kPaとなるまでB層を減圧する。
iii)バルブV1を開き、B層内が大気圧に戻る際に透過するガスに乗せてカーボン粒子を膜に供給し、膜を透過したカーボン粒子をB層に貯める。
iv)B層内のカーボン粒子の濃度を、粒子カウンターを用いて計測する。
v)以下の式に基づいてSPM遮断率を算出する。
SPM遮断率[質量%] = 100×{(Cin−Cout)/Cin}
(Cin:A層での粒子濃度[μg/mL]、Cout:B層での粒子濃度[μg/mL])
(4)膜強度
図19に示す装置を用いて膜強度を測定した。この装置は、膜を装着する膜装着部を有する7Lのアルミ製容器(デンソー社製)と、容器内に空気を導入する空気導入部と、容器内の圧力を測定する圧力測定部(圧力測定計)と、容器内に導入した空気量を測定する導入空気測定部(流量計)とを備える。
空気導入部は、コンプレッサーや館内空気など昇圧した空気を供給できるものであればよい。圧力測定部は、圧力計(日本電産コパル電子社製、型式:PG−30−101R又はPG−30−102R)を設置した容器内に空気を導入し評価を行う部分である(例えば、1〜50kPa)。空気測定部は、ある任意の圧力(1〜50kPaの範囲において)におけるガス流量(例えば、1〜200sccm)を、マスフローメータ(コフロック社製、モデル 3100)により測定した。なお圧力計とマスフローメータは、膜の抵抗や膜の強度等により(特に、1kPa以下での評価が必要な場合)、圧力計とマスフローメータの組み合わせを変えることが好ましい。
評価方法を以下に示す。なお本例では流量を一定にしたときの容器内圧力を測定する手順を説明しているが、逆の手法でもよい。
まず容器の膜装着部に膜を取り付けた後、容器内に空気を導入し、任意流量(1〜200sccm)を保持し、容器内圧力が安定したところで、その圧力下での膜からの排出流量を導入空気測定部での空気流量とみなし、その圧力での空気流量とした。測定は、空気流量の低いほうから徐々に上昇(例えば、フルスケールに対して1%ずつ上昇)させていった。ある空気流量の際に、容器内圧力が低下する現象が見られる。膜の強度の指標としては、圧力低下が見られた直前の圧力データを用いた。そのデータを表1に示す。
3…多孔質層、5…緻密層、11…車室、12…エンジンルーム、13,13a,13b…非対称膜(透過膜)、20…外気流路、21…外気ダクト、22…内気流路、23…内気ダクト、23…送風機、24…外気送風機、25…内気送風機(空調用送風機)、27…隔壁、30…車両用空調装置、31…空調ケース、32…外気流路、33…透過膜モジュール、33b…仕切り板、37…内外気切替ドア、38…フィルタ、39…熱交換器、40…空調用制御装置、40a,40b…透過膜構造体、42a,42b…支持体、100…住宅用空調システム、102…一階床、103…一階側壁、104…一階天井、106…二階床、107…二階側壁、108…二階天井、110…家屋、112…ファン、114…通気口。

Claims (5)

  1. 空調対象空間への気体の供給及び/又は空調対象空間からの気体の排出が透過膜を通して行われる空調システムであって、
    前記透過膜が下記式(1)で示される単量体を含む単量体組成物を重合してなる高分子材料によって形成されている非対称膜であり、
    前記高分子材料は下記式(1)で示される単量体を含む単量体組成物を付加重合してなる付加重合体である空調システム。
    (式中、Rは、互いに独立に、炭素数1〜12のアルキル基及び/又は炭素数6〜10のアリール基であり、Xは下記式(i)で示される基及び/又は下記式(ii)で示される基であり、aは1〜3の整数であり、bは0〜2の整数である。)
    (Rは、互いに独立に、炭素数1〜12のアルキル基であり、dは1〜5の整数であり、cは3〜5の整数である。)
  2. 前記高分子材料はシリカ系フィラーが分散された高分子材料である、請求項1に記載の空調システム。
  3. 23±2℃、膜間の圧力差がない条件における、前記非対称膜の酸素透過係数P(O)及び二酸化炭素透過係数P(CO)の比が下記式(3)を満足する、請求項1又は2に記載の空調システム。
    1.0<P(O)/P(CO)<1.70 …(3)
  4. 前記空調システムが車両用空調システムである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空調システム。
  5. 前記空調システムが住宅用空調システムである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空調システム。
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