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JP5282507B2 - ハーフトーン型euvマスク、ハーフトーン型euvマスクの製造方法、ハーフトーン型euvマスクブランク及びパターン転写方法 - Google Patents
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JP5282507B2 - ハーフトーン型euvマスク、ハーフトーン型euvマスクの製造方法、ハーフトーン型euvマスクブランク及びパターン転写方法 - Google Patents

ハーフトーン型euvマスク、ハーフトーン型euvマスクの製造方法、ハーフトーン型euvマスクブランク及びパターン転写方法 Download PDF

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本発明は、ハーフトーン型EUVマスク、ハーフトーン型EUVマスクの製造方法、ハーフトーン型EUVマスクブランク及びパターン転写方法に関する。特に、半導体製造プロセス中の、波長10nm〜15nm程度のいわゆる極端紫外線(Extreme Ultra Violet、以下、「EUV」と略記する。)を用いたフォトリソグラフィ工程で使用されるハーフトーン型EUVマスク、ハーフトーン型EUVマスクの製造方法、ハーフトーン型EUVマスクブランク及びパターン転写方法に関するものである。
半導体集積回路の微細化は年々進んでおり、それに伴いフォトリソグラフィ技術に使用される光も短波長化が進んでいる。近況としては、これまで光源として使用されてきたKrFエキシマレーザ(波長248nm)からArFエキシマレーザ(波長193nm)に移行している。また、ArFエキシマレーザを使用する液浸露光法の研究が近年活発に行われており、32nm以下の線幅を目標とする動きもある。
ArFエキシマレーザを使用する液浸露光法もその研究が進んでいるとはいえ、その実現可能性は不鮮明である。このような背景から、エキシマレーザよりも波長が一桁以上短い(10nm〜15nm)EUV光を用いた、EUVリソグラフィの研究開発が進められている。
EUV露光では、上述のように波長が短いため、物質の屈折率がほとんど真空の値に近く、材料間の光吸収の差も小さい。このため、EUV波長領域では従来の透過型の屈折光学系が作れず、反射光学系となり、マスクも反射型マスクとなる。これまで開発されてきた一般的なEUVマスクは、Siウェハやガラス基板上に、例えばMoとSiからなる2層膜を40対ほど積層した多層膜、及び多層膜を保護するキャッピング膜を高反射領域とし、その上に低反射領域として吸収膜及び緩衝膜のパターンを形成した構造であった。緩衝膜は、吸収膜のパターニングや欠陥修正の際に、キャッピング膜や多層膜へのダメージを軽減する役割を果たす。
以上のようなEUVマスクにおいて、低反射領域を形成するために主要な機能を有するのは、EUV光を吸収する吸収膜である。吸収膜部は、通常、パターン欠陥検査時のコントラストを確保するために、欠陥検査光である遠紫外線(Deep Ultra Violet、以下、「DUV」と略記する。)光に対して、低反射率となるよう設計される。低反射率とするための方法は、いわゆる薄膜干渉を利用した反射防止(Anti Reflection、以下、「AR」と略記する。)効果を使うことであり、従って、吸収膜は通常2層以上の構成となり、その最上層にはDUV光に対して透明性の膜がAR膜として形成される。
一方、EUV光に対する低反射領域を形成するためにEUV光を吸収するという、主要な機能を有するのは、吸収膜の中でもAR膜を除いた吸収膜の部分である。この部分の吸収膜は付加機能を持たせるために、3層以上の積層構造からなる場合もあるが、本発明の目的と本質的な関係はないので、以下、吸収膜は2層までとして論じる。
一方で、光の短波長化とは別に、位相シフトマスクを利用した解像度向上技術が提案されている。位相シフトマスクは、マスクパターンの透過部を、隣接する透過部とは異なる物質若しくは形状とすることにより、それらを透過した光に180度の位相差を与えるものである。従って両透過部の間の領域では、180度位相の異なる透過回折光同士が打ち消し合い、光強度が極めて小さくなって、マスクコントラストが向上し、結果的に転写時の焦点深度が拡大するとともに転写精度が向上する。尚、位相差は原理上180度が最良であるが、実質的に175度〜185度程度であれば、解像度向上効果は得られる。
位相シフトマスクの一種であるハーフトーン型は、マスクパターンを構成する材料として、露光光に対する半透過性の薄膜を用い、透過率を数%程度(通常は基板透過光に対して4%〜15%程度)まで減衰させつつ、通常の基板透過光と175度〜185度程度の位相差を与えることで、パターンエッジ部の解像度を向上させ、転写精度を向上させる位相シフトマスクである。
ここで、ハーフトーン型位相シフトマスクにおける、透過率の適正範囲について説明する。従来のエキシマレーザ用のハーフトーン型マスクでは、露光波長である紫外線に対して、ハーフトーン膜の透過率が一般的には4%以上15%以下という光学条件を満足することが望ましい。この理由として、まず露光波長でのハーフトーン膜の透過率が4%未満だと、隣接した透過パターン部を透過した光の回折光が重なり合ったとき、打ち消しあい効果が小さくなる。また、透過率が15%を超えると、露光条件によってはレジストの解像限界を越えてしまい、ハーフトーン膜を光が透過した領域に余分なパターンができてしまうからである。
EUV露光は反射光学系を用い、NA(開口数)が小さいうえに、波長が短いため、特有の課題として、ミラーやマスクの表面凹凸の影響を受けやすく、目標とする微細な線幅を精度良く解像することは容易ではない。このため、従来のエキシマレーザ露光等で用いられているハーフトーン型マスクの原理を、反射光学系を用いたEUV露光においても適用可能とするハーフトーン型EUVマスクの技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
EUVマスクのような反射型マスクにおいても、位相シフト効果による解像度向上の原理は同じであるので、上記の「透過率」が「反射率」に置き換わるだけで、その適正値はほとんど同じであると考えられる。すなわち高反射領域に対する低反射領域の反射率は4%以上15%以下であることが望ましい。
ハーフトーン型EUVマスクの使用は、原理的にはEUVリソグラフィにおいて、解像性を向上させる、有効な手段である。しかし、ハーフトーン型EUVマスクにおいても最適な反射率は、露光条件や転写するパターンに依存し、一定値に決めることは難しい。また一般的に、ハーフトーン型EUVマスクを含むフォトマスクは、その作製プロセスにおいても、露光での使用期間においても度重なる、酸やアルカリ等を用いた洗浄液にさらされる。
さらに、EUV露光は反射露光であるために、入射光は垂直ではなく、やや斜め(通常6°程度)方向から入射し、EUVマスクで反射光となる。EUVマスクにおいて、パターンとして加工されるのは吸収膜(以下、ハーフトーン膜と呼ぶ場合がある)と緩衝膜の部分であるが、斜めからEUV光が入射するために、パターンの影が生じる。従って、入射方向とパターンの配置方向によっては、反射光で形成する、ウェハ上の転写レジストパターンに、本来のパターン位置からのずれが生じる。これを射影効果(Shadowing Effect)と呼び、EUV露光の課題となっている。
射影効果を低減するには、影の長さを小さくすることであり、そのためにはパターンの高さをなるべく低くすればよい。しかるに、通常緩衝膜は比較的薄く、ハーフトーン膜のパターニングや欠陥修正の際のキャッピング膜や多層膜へのダメージの軽減という必要特性から選択されるので、パターンの高さを低くするには、ハーフトーン膜をなるべく薄くする必要がある。
以上のことから、ハーフトーン型EUVマスクにおいては、なるべく薄い膜厚で、位相差175度〜185度における、反射率の選択性の広さ(自由度)をもつと同時に、洗浄液耐性が高く、しかもエッチングしやすい膜が要求されるが、これらの条件を満たす好適な膜材料とその膜構造は提案されていなかった。
特開2006−228766号公報
本発明は、比較的薄い膜厚で反射率の選択性の広さ(自由度)と、洗浄液耐性の高さを持つと同時に、エッチングしやすいハーフトーン膜の材料とその構造を選定したハーフトーン型EUVマスク、ハーフトーン型EUVマスクの製造方法、ハーフトーン型EUVマスクブランク及びパターン転写方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するため、EUV露光による転写解像性を向上するために従来のエキシマレーザ露光等で用いられているハーフトーン型マスクの原理を、EUV露光においても適用可能とする吸収膜(ハーフトーン膜)の種類と、その構造と反射率とについて、検討を重ねた結果、本発明をなすに至った。
本発明の請求項1に係る発明は、基板と、基板上に形成された高反射部と、高反射部上に形成され、パターニングされた低反射部と、を備え、低反射部は、Ta(タンタル)を有する第1の層及びRu(ルテニウム)を有する第2の層が積層されたことを特徴とするハーフトーン型EUVマスクとしたものである。
本発明の請求項2に係る発明は、低反射部の第1の層または第2の層は、O(酸素)またはN(窒素)を有することを特徴とする請求項1に記載のハーフトーン型EUVマスクとしたものである。
本発明の請求項3に係る発明は、基板と、基板上に形成された高反射部と、高反射部上に形成され、パターニングされた低反射部と、を備え、低反射部は、Cr(クロム)を有する第1の層及びRu(ルテニウム)を有する第2の層が積層されたことを特徴とするハーフトーン型EUVマスクとしたものである。
本発明の請求項4に係る発明は、低反射部の第1の層または第2の層は、O(酸素)またはN(窒素)を有することを特徴とする請求項3に記載のハーフトーン型EUVマスクとしたものである。
本発明の請求項5に係る発明は、低反射部の最上層は、Si(シリコン)とN(窒素)とを含む層であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のハーフトーン型EUVマスクとしたものである。
本発明の請求項6に係る発明は、低反射部からの反射光は、高反射部からの反射光に対して4%以上15%以下の反射率であり、高反射部からの反射光に対して175度〜185度の位相差を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のハーフトーン型EUVマスクとしたものである。
本発明の請求項7に係る発明は、基板を準備し、基板上に高反射部を形成し、高反射部上にTa(タンタル)を有する第1の層及びRu(ルテニウム)を有する第2の層を積層して低反射部を形成し、低反射部をパターニングすることを特徴とするハーフトーン型EUVマスクの製造方法としたものである。
本発明の請求項8に係る発明は、低反射部の第1の層または第2の層は、O(酸素)またはN(窒素)を含むことを特徴とする請求項7に記載のハーフトーン型EUVマスクの製造方法としたものである。
本発明の請求項9に係る発明は、基板を準備し、基板上に高反射部を形成し、高反射部上にCr(クロム)を有する第1の層及びRu(ルテニウム)を有する第2の層を積層して低反射部を形成し、低反射部をパターニングすることを特徴とするハーフトーン型EUVマスクの製造方法としたものである。
本発明の請求項10に係る発明は、低反射部の第1の層または第2の層は、N(窒素)またはO(酸素)を含むことを特徴とする請求項9に記載のハーフトーン型EUVマスクの製造方法としたものである。
本発明の請求項11に係る発明は、低反射部の最上層は、Si(シリコン)とN(窒素)とを含む層であることを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれかに記載のハーフトーン型EUVマスクの製造方法としたものである。
本発明の請求項12に係る発明は、請求項1乃至6のいずれか一に記載のハーフトーン型EUVマスクを、低反射部のパターニングにより作製するために、基板上に形成された高反射部と、高反射部上の全面に形成された低反射部と、を備えたことを特徴とするハーフトーン型EUVマスクブランクとしたものである。
本発明の請求項13に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載のハーフトーン型EUVマスクを露光装置に設置し、ハーフトーン型EUVマスクを介して反射したEUVを選択的に照射してパターン形成を行なうことを特徴とするパターン転写方法としたものである。
本発明によれば、比較的薄い膜厚で反射率の選択性の広さ(自由度)と、洗浄液耐性の高さを持つと同時に、エッチングしやすく従って加工精度が高くなる、ハーフトーン膜の材料とその構造を選定したハーフトーン型EUVマスク、ハーフトーン型EUVマスクの製造方法、ハーフトーン型EUVマスクブランク及びパターン転写方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ、説明する。実施の形態において、同一構成要素には同一符号を付け、実施の形態において重複する説明は省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るハーフトーン型EUVマスクブランク100を示す概略断面図である。図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るハーフトーン型EUVマスクブランク100は、低熱膨張ガラス基板10と、低熱膨張ガラス基板10上に形成された高反射性を有する多層膜20と、多層膜20上に形成された多層膜2を保護するキャッピング膜30と、キャッピング膜30上に形成された緩衝膜40と、緩衝膜40上に形成された低反射性を有し多層構造を有する下層吸収膜51、上層吸収膜52及び反射防止用吸収膜53を備えている。
本発明の第1の実施の形態に係る低熱膨張ガラス基板10としては、シリコン基板やチタンを添加とした低熱膨張ガラスを使用することができるが熱膨張率の小さい材料であればいずれでも構わない。
本発明の第1の実施の形態に係る多層膜20としては、例えば、Mo(モリブデン)膜とSi(シリコン)膜又はMo膜とBe(ベリリウム)膜を交互に、例えば40対成膜してなる積層体を用いることができる。多層膜20にMo膜とSi膜とを用いた場合、1層ずつの膜厚は、例えばMo膜が2.8nm、Si膜が4.2nmである。キャッピング膜30としては、例えば厚さ11nmのSi膜を使用することができるが本発明ではこれらに限定されるわけではない。
本発明の第1の実施の形態に係る緩衝膜40としては、下層吸収膜51、上層吸収膜52、反射防止用吸収膜53のパターンを形成する際に行われるドライエッチングに対して耐性を有する材質で形成されている。より具体的には、下層吸収膜51をエッチングする際に、キャッピング膜30へのダメージを防ぐエッチングストッパーとして機能するもので、CrN膜等で形成することができるが本発明ではこれらに限定されるわけではない。なお、下層吸収膜51、上層吸収膜52、反射防止用吸収膜53については後述する。
図2は、本発明の実施の形態に係るハーフトーン型EUVマスク200を示す概略断面図である。図2に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るハーフトーン型EUVマスク200は、低熱膨張ガラス基板10と、低熱膨張ガラス基板10上に形成された高反射性を有する多層膜20と、多層膜20上に形成された多層膜20を保護するキャッピング膜30と、キャッピング膜30上に選択的に形成された緩衝膜パターン41と、緩衝膜パターン41上に選択的に形成された下層吸収膜パターン54と、下層吸収膜パターン54上に選択的に形成された上層吸収膜パターン55と、上層吸収膜パターン55上に選択的に形成された反射防止用吸収膜パターン56とを備えている。ここで、反射防止用吸収膜パターン56の反射防止性とは、遠紫外線(DUV)光による欠陥検査を可能にするために、いわゆる薄膜干渉を利用してDUV光に対する反射防止(Anti Reflection、以下、「AR」と略記する。)効果を用いることである。一方、露光光であるEUV光に対する低反射領域を形成するために、EUV光を吸収する機能を有するのは主として下層吸収膜パターン54と上層吸収膜パターン55である。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図3は、本発明の第2の実施の形態に係るハーフトーン型EUVマスクブランク300を示す概略断面図である。図3に示す、本発明の第2の実施の形態に係るハーフトーン型EUVマスクブランク300は、図1に示す本発明の第1の実施の形態に係るハーフトーン型EUVマスクブランク100との違いである兼用膜34を備えている。なお、兼用膜34以外の説明は、第1の実施の形態と重複するために省略する。
兼用膜34は下層吸収膜51と多層膜20との間に備え、第1の実施の形態に示している多層膜20を保護するためのキャッピング膜30と緩衝膜40との両方の役割を果たすことができる。このような兼用膜34の材料としては、例えばRuを用いることができるが本発明ではこれに限定されるわけではない。
図4は、本発明の第2の実施の形態に係るハーフトーン型EUVマスク400を示す概略断面図である。図4に示す、本発明の第2の実施の形態に係るハーフトーン型EUVマスク400は、図2に示す、第1の実施の形態に示すハーフトーン型EUVマスク200との違いである兼用膜34を下層吸収膜パターン54と多層膜20との間に備えている。それぞれの材料の説明は第1の実施の形態と重複するために省略する。
図2及び図4に示す、本発明の第1及び第2の実施の形態に係るハーフトーン型EUVマスク200及び400の下層吸収膜パターン54及び上層吸収膜パターン55は、主として入射光60を減衰させる膜として、また、反射防止用吸収膜のパターン56は、主として検査用DUV光に対するAR膜として機能する。また、図2に示す本発明の第1の実施の形態に係るハーフトーン型EUVマスク200では、吸収膜パターン(下層吸収膜パターン54、上層吸収膜パターン55及び反射防止用吸収膜パターン56)に加えて、緩衝膜パターン41が、高反射光70と低反射光80との間の位相差を生ぜしめる膜として機能する。
本発明の第1及び第2の別の実施の形態においては、低反射光80が高反射光70に対して、175度〜185度の位相差を有しており、さらに下層吸収膜51及び上層吸収膜52を構成する主要な元素が各々、TaとRu、またはTaとRu+酸素、またはTa+窒素とRu、またはTa+窒素とRu+酸素、またはCr+窒素とRu、またはCr+窒素とRu+酸素からなっている。ここで「主要な」とは、各々90%以上の組成比を占めるものとする。
以下、本発明の第1及び第2の実施の形態で規定する下層吸収膜51及び上層吸収膜52の構成元素の選択について説明する。ここで、下層吸収膜51及び上層吸収膜52のことを「吸収膜」または「ハーフトーン膜」という場合がある。
ハーフトーン型EUVマスクにおいて、適正な反射率である4%以上15%以下を得るためには、従来のバイナリ型EUVマスクにおける吸収膜、代表的には、TaN、TaSi、TaBNよりも、透明性のある吸収膜(ハーフトーン膜)を用いる必要がある。単に透明性を上げるだけであれば、吸収膜の膜厚を薄くすればいいが、膜厚が薄くなると、高反射光と175度〜185度の位相差を得ることが難しくなる。薄くなっても位相差を確保するためには、できるだけ露光波長における屈折率が小さい(真空部=1から遠い)膜材料を用いる必要がある。
図5は、EUV露光波長(13.5nm)における、各材料の光学定数を示し、横軸が屈折率:n、縦軸が消衰係数:kとしてプロットしたものである。透明性が高く、屈折率が小さい材料としては、Moが代表的であるが、Moは洗浄液などの薬液耐性が弱く、また多層膜20の材料として使われることからも分るように、透明性が高すぎるため、単体としては、吸収膜材料に適さない。
図5に示すように、RuはEUV波長で屈折率の小さい材料であり、酸やアルカリの洗浄液に対する耐性も高いので、EUVマスクのハーフトーン膜材料の候補となりうる材料である。一方で、屈折率が小さい分、位相差180°を得るための膜厚を薄くできるが、膜厚が薄い分だけ透明性が上がり、反射率がハーフトーン型EUVマスクとして適正な値よりも過剰に高くなる。
そこで、RuのEUV光に対する透明性を下げ、ハーフトーンマスクとして適正な反射率を得るには、通常吸収膜として使われているTa系薄膜やCr系薄膜との化合物薄膜を用いればよい。Ta系薄膜は従来からX線マスク、Cr系薄膜は透過型フォトマスク材料として使われており、薬液耐性も問題がないので、マスク製造ラインへの適合性の意味からも好適である。
しかしながら、Ru系薄膜は、Ta系薄膜の一般的なエッチングガスであるハロゲン系ガス(フッ素系、塩素系)に対してはエッチングレートが小さい。このため、比較的蒸気圧の高いRuOの形で揮発させるために、酸素(O)を主体としたドライエッチングガスが利用される。一方、Ta系薄膜は、酸素ガス対してはエッチングレートが小さい。以上により、Ru系薄膜とTa系薄膜との化合物薄膜に対しては、ハロゲンガスに酸素ガスを混合したガスを用いることが考えられる。
図6(a)は、代表的なフォトレジストであるOFPR(東京応化製)に対する、TaとRuとを主成分とする化合物薄膜、TaN:RuN=1:1及びTaN:RuN=3:1のドライエッチングレート比(選択比)を測定したデータである。装置は、一般的なドライエッチング装置である、平行平板型RIE(反応性イオンエッチング)装置を用いている。図6(a)では、代表的なハロゲンガスであるCFガスの、酸素ガスに対する混合比(%)を横軸とし、フォトレジストとの選択比を縦軸としている。図6(a)から分るように、CF混合比を変化させても、フォトレジストの選択比は0.1以下と極めて低い。このように、Ru系薄膜とTa系薄膜との化合物薄膜を形成しても、十分な線幅精度を有するハーフトーン型EUVマスクを製造できるようなドライエッチングプロセスを確立することは容易ではない。この関係は、Ru系薄膜とCr系薄膜との組合せにおいても同様である。
そこで、別の選択として、Ta系薄膜とRu系薄膜とを別々の層とすることが考えられる。ここで、Ta系薄膜については、従来のバイナリ型EUVマスクと同じように、ハロゲン系ガスによって実用的なエッチングレートを確保できる。図6(b)は、代表的なハロゲンガスであるCFガスの、酸素ガスに対する混合比(%)を横軸とし、エッチングレート(nm/min)を縦軸としている。図6(b)は、Ru系薄膜である、Ru、RuO、RuNのエッチングレートを、図6(a)の場合と同じ条件で測定したデータである。このように、酸素ガスのみ、若しくは酸素にハロゲンガスを適量添加した条件によって、Ru系薄膜のエッチングは可能である。さらに、RuO膜のエッチングレートは、Ru膜、RuN膜のそれよりも約2倍大きくなっており、好ましいことが分る。
次に、本発明の第1及び第2の実施の形態で規定する下層吸収膜51、上層吸収膜52及び反射防止用吸収膜53の構成元素と反射率範囲について、反射率と位相差との計算により検討した結果に基づいて説明する。
一般に、薄膜の透過率、反射率及びパターニングした結果生じる位相差は、基板と薄膜との光学定数(屈折率:n、消衰係数:k)、薄膜の膜厚、使用する光の波長が決まれば、一意に定まり、光学理論により計算で求めることができる(詳細は、例えば、応用物理工学選書3、吉田貞史「薄膜」、培風館、1990を参照)。多層膜20についても同様である。
図7には、計算で用いた材料の、EUV露光で典型的な波長13.5nmおける光学定数を示す。この中で、TaSiは、TaにSiを数%程度添加した膜である。
図7の結果を用いて、図2及び図4のハーフトーン型EUVマスク構造における、露光波長(13.5nm)での位相差と反射率(高反射部に対する相対反射率)とを計算した例を、それぞれ図8、図9に示す。尚、反射防止用吸収膜53には、TaSiO膜などが用いられるが、ここでは成膜の容易さ(Siをターゲットとし、ArとNの混合ガスによるスパッタリング法を用いて成膜可能)からSiN膜とした。反射防止用吸収膜53の膜厚は、各々の上層吸収膜52及び下層吸収膜51を積層したときに、欠陥検査波長257nmと199nmとで低反射を実現する膜厚であるほぼ16nmとした。
図8及び図9の計算において、多層膜20を構成するMoとSiとの膜厚はそれぞれ、2.8nm、4.2nmとし、多層膜20はMo/Siの40対とした。また、緩衝膜40として使用する場合のCrN膜、キャッピング膜30若しくは兼用膜34として使用する場合のSi膜、兼用膜34として使用する場合のRu膜の膜厚はそれぞれ、従来のバイナリ型EUVマスクで使用されている、10nm、11nm、2.5nmとした。
図8、図9より、それぞれの構造のハーフトーン型EUVマスクにおいて、各層の膜厚を適宜変更することによって、露光条件に応じ適正な反射率を有する、位相差180度付近のハーフトーン型EUVマスクを作製できることがわかる。位相差と反射率とは独立には変わらないが、膜厚を変更できる層の数が多いほど、反射率選択の自由度は広がる。逆に層数が多くなれば、パターニングプロセスが複雑になるので、図8、図9程度の層数が好適である。また、図8、図9より、パターンとなる部分の合計膜厚は、40nm〜70nm程度と、従来のバイナリ型EUVマスよりも薄いので、射影効果によるパターンの位置ずれを低減することができる。
次に、本発明の実施の形態に係るハーフトーン型EUVマスクを用いたパターン転写方法について説明する。本発明の実施の形態に係るハーフトーン型EUVマスクを用いたパターン転写方法は、例えば、先ず被加工層を表面に形成した基板上にフォトレジスト層を設けたのち、本発明の実施の形態に係るハーフトーン型EUVマスクを介して反射した極端紫外線を選択的に照射する。
次に、現像工程において不必要な部分のフォトレジスト層を除去し、基板上にエッチングレジスト層のパターンを形成させたのち、このエッチングレジスト層のパターンをマスクとして被加工層をエッチング処理し、次に、エッチングレジスト層のパターンを除去することにより、ハーフトーン型EUVマスクのパターンに忠実なパターンを基板上に転写することができる。
図1に示すように、はじめに低熱膨張ガラス基板10上に、膜厚2.8nmであるMoと膜厚4.2nmであるSiとからなる40対の多層膜20をイオンビームスパッタリング法により成膜し、多層膜20上にマグネトロンスパッタリング法によりSiからなるキャッピング膜30を膜厚11nmで成膜した。
次に、キャッピング膜30上にCrNからなる緩衝膜40を、CrNをターゲットとし、Arガスを放電させるマグネトロンスパッタリング法により膜厚10nmで成膜した。
次に、緩衝膜40上に下層吸収膜51として、マグネトロンスパッタリング装置を使い、カソードにRuターゲットを取り付け、Arに酸素を添加したガスの放電により、RuO膜を膜厚12.5nmで成膜した。
次に、下層吸収膜51上に上層吸収膜52として、カソードを2個有するマグネトロンスパッタリング装置を使い、一方のカソードにTaターゲット、もう一方のカソードにTaSiターゲットを取り付け、Arガスによる同時放電により、TaにSiを6%程度含有する膜を膜厚20nmで成膜した。このとき、膜中のTa:Siの比率がほぼ94:6になるよう、同時放電における、各々の電力を調整した。
次に、上層吸収膜52上にSiをターゲットとし、Arガスに窒素を添加したマグネトロンスパッタリング法により、反射防止用吸収膜53として、SiN膜を膜厚16nmで成膜して、本発明のハーフトーン型EUVマスクブランク100を作製した。
作製したハーフトーン型EUVマスクブランク100について、低反射部(ハーフトーン部)のEUV反射率測定を行ったが、高反射部に対し約5.3%であり、ハーフトーン型マスクとして好適な反射率であった。また、洗浄液に浸漬する前後で分光反射率の測定を行った。APM洗浄液(NHOH+H+HO、室温)に対する結果を図10に示す。このように欠陥検査で用いられる190nm〜260nm付近で10%以下と、十分低反射になっており、また、洗浄液浸漬前後でほとんど変化せず、反射防止用吸収膜(SiN膜)53の耐性も十分高いことが分る。
次に、図2に示すように、反射防止用吸収膜53上に電子線レジスト(図示せず)を塗布し、電子線描画法によりレジストパターンを形成した。このレジストパターンをマスクとし、フッ素系ガスによる反応性イオンエッチングにより反射防止用吸収膜53(SiN膜)及び上層吸収膜52(TaSi膜)のパターニングを行った。
次に、酸素ガスによる反応性イオンエッチングにより下層吸収膜51(RuO膜)のパターニングを行った。このエッチングにおいて、マスクであるレジストパターンは途中で消失したが、反射防止用吸収膜53(SiN膜)は酸素ガスに対して十分耐性が高いので、レジストパターン消失後は、SiN膜(反射防止用吸収膜53)がマスクとなった。
次に、吸収膜欠陥の検査と修正を行った後、CrNからなる緩衝膜40を塩素ガスに酸素を添加したエッチングにより剥離した。このエッチングにおいて、最上層である反射防止用吸収膜53(SiN膜)がエッチングガスに晒されるが、もともとSiN膜は塩素系ガスに対して耐性が高いうえに、低い電力で、ゆっくりとエッチングを行ったので、分光反射率の変化はなく、SiN膜(反射防止用吸収膜53)へのダメージは生じなかった。その後に、SPM洗浄液(HSO+H、約100℃)、およびAPM洗浄液による洗浄を行い、本発明のハーフトーン型EUVマスク200を作製した。
その後、本発明のハーフトーン型EUVマスク200を用いて、EUV反射率の測定を行ったが、高反射部の反射率は65%、また低反射部の反射率は5.4%で、マスクブランク状態での反射率に比べ、0.1%の上昇に留まり、実用上問題はなかった。また洗浄前後で電子線顕微鏡によりパターン線幅の測定を行ったが、装置の測定精度以内の変化であり、洗浄耐性も問題とならなかった。
図1に示すように、はじめに、実施例1と同様、低熱膨張ガラス基板10上に、膜厚2.8nmであるMoと膜厚4.2nmであるSiとからなる40対の多層膜20をイオンビームスパッタリング法により成膜し、多層膜20上にマグネトロンスパッタリング法によりSiからなるキャッピング膜30を膜厚11nmで成膜した。
次に、実施例1と同様、キャッピング膜30上にCrNからなる緩衝膜40を、CrNをターゲットとし、Arガスを放電させるマグネトロンスパッタリング法により膜厚10nmで成膜した。
次に、緩衝膜40上に下層吸収膜51として、マグネトロンスパッタリング装置を使い、カソードにRuターゲットを取り付け、Arに酸素を添加したガスの放電により、RuO膜を膜厚10nmで成膜した。
次に、下層吸収膜51上に上層吸収膜52として、マグネトロンスパッタリング装置を使い、カソードにTaターゲットを取り付け、Arに窒素を添加したガスの放電により、TaN膜を膜厚21nmで成膜した。
次に、実施例1と同様、上層吸収膜52上にSiをターゲットとし、Arガスに窒素を添加したマグネトロンスパッタリング法により、反射防止用吸収膜53として、SiN膜を膜厚16nmで成膜して、本発明のハーフトーン型EUVマスクブランク100を作製した。
作製したハーフトーン型EUVマスクブランク100について、低反射部のEUV反射率測定を行ったが、高反射部に対し約7.2%であり、ハーフトーン型マスクとして好適な反射率であった。また、分光反射率の測定を行ったところ、欠陥検査で用いられる190nm〜260nm付近で10%以下と、十分低反射になっていた。
次に、図2に示すように、実施例1と同様、反射防止用吸収膜53上に電子線レジスト(図示せず)を塗布し、電子線描画法によりレジストパターンを形成した。このレジストパターンをマスクとし、フッ素系ガスによる反応性イオンエッチングにより反射防止用吸収膜53(SiN膜)及び上層吸収膜52(TaN膜)のパターニングを行った。
次に、実施例1と同様、酸素ガスによる反応性イオンエッチングにより下層吸収膜51(RuO膜)のパターニングを行った。このエッチングにおいて、マスクであるレジストパターンは途中で消失したが、反射防止用吸収膜53(SiN膜)は酸素ガスに対して十分耐性が高いので、レジストパターン消失後は、SiN膜(反射防止用吸収膜53)がマスクとなった。
次に、実施例1と同様、吸収膜欠陥の検査と修正を行った後、CrNからなる緩衝膜40を塩素ガスに酸素を添加したエッチングにより剥離した。このエッチングにおいても、実施例1と同様、分光反射率の変化はなく、SiN膜へのダメージは発生しなかった。その後に、SPM洗浄液、およびAPM洗浄液による洗浄を行い、本発明のハーフトーン型EUVマスク200を作製した。図11に、SPM洗浄液に浸漬する前後の、ハーフトーン部の分光反射率の測定結果を示す。このように欠陥検査で用いられる190nm〜260nm付近で10%以下と、十分低反射になっていると同時に、浸漬前後でほとんど変化せず、反射防止用吸収膜(SiN膜)53のSPM洗浄液耐性も十分高いことが分る。
その後、本発明のハーフトーン型EUVマスク200を用いて、EUV反射率の測定を行ったが、高反射部の反射率は65%、また低反射部の反射率は7.3%で、マスクブランク状態での反射率に比べ、0.1%の上昇に留まり、実用上問題はなかった。また洗浄前後で電子線顕微鏡によりパターン線幅の測定を行ったが、装置の測定精度以内の変化であり、洗浄耐性も問題とならなかった。
図3に示すように、はじめに、実施例1と同様、低熱膨張ガラス基板10上に、膜厚2.8nmであるMoと膜厚4.2nmであるSiとからなる40対の多層膜20をイオンビームスパッタリング法により成膜した。
次に、多層膜20上に、キャッピング膜と緩衝膜の兼用膜34としてRu膜を、Ruをターゲットとし、Arガスを放電させるマグネトロンスパッタリング法により膜厚2.5nmで成膜した。
次に、兼用膜34上に下層吸収膜51として、カソードを2個有するマグネトロンスパッタリング装置を使い、一方のカソードにTaターゲット、もう一方のカソードにTaSiターゲットを取り付け、Arガスによる同時放電により、TaにSiを6%程度含有する膜を膜厚27nmで成膜した。このとき、膜中のTa:Siの比率がほぼ94:6になるよう、同時放電における、各々の電力を調整した。
次に、下層吸収膜51上に上層吸収膜52として、マグネトロンスパッタリング装置を使い、カソードにRuターゲットを取り付け、Arガスの放電により、Ru膜を膜厚17nmで成膜した。
次に、実施例1と同様、上層吸収膜52上にSiをターゲットとし、Arガスに窒素を添加したマグネトロンスパッタリング法により、反射防止用吸収膜53として、SiN膜を膜厚16nmで成膜して、本発明のハーフトーン型EUVマスクブランク300を作製した。
作製したハーフトーン型EUVマスクブランク300について、低反射部のEUV反射率測定を行ったが、高反射部に対し約8.1%であり、ハーフトーン型マスクとして好適な反射率であった。また、分光反射率の測定を行ったところ、欠陥検査で用いられる190nm〜260nm付近で10%以下と、十分低反射になっていた。
図4に示すように、次に、実施例1と同様、反射防止用吸収膜53上に電子線レジスト(図示せず)を塗布し、電子線描画法によりレジストパターンを形成した。このレジストパターンをマスクとし、フッ素系ガスによる反応性イオンエッチングにより反射防止用吸収膜53(SiN膜)のパターニングを行った。
次に、酸素ガスによる反応性イオンエッチングにより上層吸収膜52(Ru膜)のパターニングを行った。このエッチングにおいて、マスクであるレジストパターンは途中で消失したが、反射防止用吸収膜53(SiN膜)は酸素ガスに対して十分耐性が高いので、レジストパターン消失後は、SiN膜(反射防止用吸収膜53)がマスクとなった。
次に、塩素ガスによる反応性イオンエッチングにより下層吸収膜51(TaSi膜)のパターニングを行った。このエッチングにおいて、最上層である反射防止用吸収膜53(SiN膜)がエッチングガスに晒されるが、もともとSiN膜は塩素系ガスに対して耐性が高いうえに、TaSi膜の塩素系ガスに対するエッチングレートは非常に大きいので、分光反射率の変化はなく、SiN膜へのダメージは発生しなかった。また、TaSi膜のエッチング終点到達後は、兼用膜34(Ru)がエッチングガスに晒されるが、もともとRu膜は塩素系ガスに対して耐性が高いので、Ru膜へのダメージは発生しなかった。
次に、SPM洗浄液、およびAPM洗浄液による洗浄を行い、本発明のハーフトーン型EUVマスク400を作製した。
その後、本発明のハーフトーン型EUVマスク400を用いて、EUV反射率の測定を行ったが、高反射部の反射率は66%、またハーフトーン部の反射率は8.2%で、マスクブランク状態での反射率に比べ、0.1%の上昇に留まり、実用上問題はなかった。また洗浄前後で電子線顕微鏡によりパターン線幅の測定を行ったが、装置の測定精度以内の変化であり、洗浄耐性も問題とならなかった。
図3に示すように、はじめに、実施例3と同様、低熱膨張ガラス基板10上に、膜厚2.8nmであるMoと膜厚4.2nmであるSiとからなる40対の多層膜20をイオンビームスパッタリング法により成膜した。
次に、多層膜20上にキャッピング膜と緩衝膜の兼用膜34としてSi膜を、Siをターゲットとし、Arガスを放電させるマグネトロンスパッタリング法により膜厚11nmで成膜した。
次に、兼用膜34上に下層吸収膜51として、マグネトロンスパッタリング装置を使い、カソードにTaターゲットを取り付け、Arに窒素を添加したガスの放電により、TaN膜を膜厚25nmで成膜した。
次に、下層吸収膜51上に上層吸収膜52として、マグネトロンスパッタリング装置を使い、カソードにRuターゲットを取り付け、Arに酸素を添加したガスの放電により、RuO膜を膜厚17nmで成膜した。
次に、実施例3と同様、上層吸収層52上にSiをターゲットとし、Arガスに窒素を添加したマグネトロンスパッタリング法により、反射防止用吸収膜53として、SiN膜を膜厚16nmで成膜して、本発明のハーフトーン型EUVマスクブランク300を作製した。
作製したハーフトーン型EUVマスクブランク30について、低反射部のEUV反射率測定を行ったが、高反射部に対し約6.1%であり、ハーフトーン型マスクとして好適な反射率であった。また、分光反射率の測定を行ったところ、欠陥検査で用いられる190nm〜260nm付近で10%以下と、十分低反射になっていた。
図4に示すように、その後、実施例3と同様、反射防止用吸収膜53上に電子線レジスト(図示せず)を塗布し、電子線描画法によりレジストパターンを形成した。このレジストパターンをマスクとし、フッ素系ガスによる反応性イオンエッチングにより反射防止用吸収膜53(SiN膜)のパターニングを行った。
次に、酸素ガスによる反応性イオンエッチングにより上層吸収膜52(RuO膜)のパターニングを行った。このエッチングにおいて、マスクであるレジストパターンは途中で消失したが、反射防止用吸収膜53(SiN膜)は酸素ガスに対して十分耐性が高いので、レジストパターン消失後は、SiN膜がマスクとなった。
次に、塩素ガスによる反応性イオンエッチングにより下層吸収膜51(TaN膜)のパターニングを行った。このエッチングにおいて、最上層である反射防止用吸収膜53(SiN膜)がエッチングガスに晒されるが、もともとSiN膜は塩素系ガスに対して耐性が高いうえに、TaN膜の塩素系ガスに対するエッチングレートは非常に大きいので、分光反射率の変化はなく、SiN膜(反射防止用吸収膜53)へのダメージは発生しなかった。また、TaN膜のエッチング終点到達後は、兼用膜34(Si)がエッチングガスに晒されるが、TaN膜のエッチングレートが高い分、オーバーエッチング時間は短くて済むので、Si膜へのダメージは特に発生しなかった。
その後に、SPM洗浄液、およびAPM洗浄液による洗浄を行い、本発明のハーフトーン型EUVマスク400を作製した。
その後、本発明のハーフトーン型EUVマスク400を用いて、EUV反射率の測定を行ったが、高反射部の反射率は66%、またハーフトーン部の反射率は6.2%で、マスクブランク状態での反射率に比べ、0.1%の上昇に留まり、実用上問題はなかった。また洗浄前後で電子線顕微鏡によりパターン線幅の測定を行ったが、装置の測定精度以内の変化であり、洗浄耐性も問題とならなかった。
以上、詳細に説明したように、低反射部の少なくとも一層をRuまたはRuO、別の一層をTa、またはTaN、またはCrNを主要な材料とすることにより、比較的薄い膜厚で、洗浄耐性、エッチング性に優れ、しかも膜厚の組み合せを変更するだけで反射率の選択性を広く取れるハーフトーン型EUVマスクを得ることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るハーフトーン型EUVマスクブランクを示す概略断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るハーフトーン型EUVマスクを示す概略断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るハーフトーン型EUVマスクブランクを示す概略断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るハーフトーン型EUVマスクを示す概略断面図である。 本発明の第1及び第2の実施の形態に係るハーフトーン型EUVマスク、およびハーフトーン型EUVマスクブランクに関わる材料の波長13.5nmの光に対する屈折率と、消衰係数とを示す特性図である。 TaとRuを主成分とする化合物薄膜の、フォトレジストに対するドライエッチング選択比を測定した特性図である。 Ru系薄膜のエッチングレートを、酸素にハロゲンガスを添加する割合を変化させて測定した特性図である。 本発明の第1及び第2の実施の形態に係るハーフトーン型EUVマスク、およびハーフトーン型EUVマスクブランクにおける反射率、位相差を計算するための、波長13.5nm光に対する屈折率と、消衰係数を示す表である。 本発明の第1の実施の形態に係るハーフトーン型EUVマスク、およびハーフトーン型EUVマスクブランクに係る、波長13.5nmでの反射率と位相差を計算した結果を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態に係るハーフトーン型EUVマスク、およびハーフトーン型EUVマスクブランクに係る、波長13.5nmでの反射率と位相差を計算した結果を示す特性図である。 本発明の第1及び第2の実施の形態に係るハーフトーン型EUVマスク、およびハーフトーン型EUVマスクブランクの、APM洗浄液に浸漬する前後の分光反射率を示す特性図である。 本発明の第1及び第2の実施の形態に係るハーフトーン型EUVマスク、およびハーフトーン型EUVマスクブランクの、SPM洗浄液に浸漬する前後の分光反射率を示す特性図である。
符号の説明
10:基板、20:多層膜、30:キャッピング膜、40:緩衝膜、41:緩衝膜パターン、51:下層吸収膜、52:上層吸収膜、53:反射防止用吸収膜、54:下層吸収膜パターン、55:上層吸収膜パターン、56:反射防止用吸収膜パターン、60:入射光、70:高反射光、80:低反射光、34:兼用膜、100:ハーフトーン型EUVマスクブランク、200:ハーフトーン型EUVマスク、300:ハーフトーン型EUVマスクブランク、400:ハーフトーン型EUV用マスク

Claims (13)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成された高反射部と、
    前記高反射部上に形成され、パターニングされた低反射部と、を備え、
    前記低反射部は、Ta(タンタル)を有する第1の層及びRu(ルテニウム)を有する第2の層が積層されたことを特徴とするハーフトーン型EUVマスク。
  2. 前記低反射部の前記第1の層または前記第2の層は、O(酸素)またはN(窒素)を有することを特徴とする請求項1に記載のハーフトーン型EUVマスク。
  3. 基板と、
    前記基板上に形成された高反射部と、
    前記高反射部上に形成され、パターニングされた低反射部と、を備え、
    前記低反射部は、Cr(クロム)を有する第1の層及びRu(ルテニウム)を有する第2の層が積層されたことを特徴とするハーフトーン型EUVマスク。
  4. 前記低反射部の前記第1の層または前記第2の層は、O(酸素)またはN(窒素)を有することを特徴とする請求項3に記載のハーフトーン型EUVマスク。
  5. 前記低反射部の最上層は、Si(シリコン)とN(窒素)とを含む層であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のハーフトーン型EUVマスク。
  6. 前記低反射部からの反射光は、前記高反射部からの反射光に対して4%以上15%以下の反射率であり、前記高反射部からの反射光に対して175度〜185度の位相差を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のハーフトーン型EUVマスク。
  7. 基板を準備し、
    前記基板上に高反射部を形成し、
    前記高反射部上にTa(タンタル)を有する第1の層及びRu(ルテニウム)を有する第2の層を積層して低反射部を形成し、
    前記低反射部をパターニングすることを特徴とするハーフトーン型EUVマスクの製造方法。
  8. 前記低反射部の前記第1の層または前記第2の層は、O(酸素)またはN(窒素)を含むことを特徴とする請求項7に記載のハーフトーン型EUVマスクの製造方法。
  9. 基板を準備し、
    前記基板上に高反射部を形成し、
    前記高反射部上にCr(クロム)を有する第1の層及びRu(ルテニウム)を有する第2の層を積層して低反射部を形成し、
    前記低反射部をパターニングすることを特徴とするハーフトーン型EUVマスクの製造方法。
  10. 前記低反射部の前記第1の層または前記第2の層は、N(窒素)またはO(酸素)を含むことを特徴とする請求項9に記載のハーフトーン型EUVマスクの製造方法。
  11. 前記低反射部の最上層は、Si(シリコン)とN(窒素)とを含む層であることを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれかに記載のハーフトーン型EUVマスクの製造方法。
  12. 請求項1乃至6のいずれか一に記載のハーフトーン型EUVマスクを、前記低反射部のパターニングにより作製するために、前記基板上に形成された前記高反射部と、前記高反射部上の全面に形成された前記低反射部と、を備えたことを特徴とするハーフトーン型EUVマスクブランク。
  13. 請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載のハーフトーン型EUVマスクを露光装置に設置し、
    前記ハーフトーン型EUVマスクを介して反射したEUVを選択的に照射してパターン形成を行なうことを特徴とするパターン転写方法。
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