以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係る金型2の斜視図であり、図2はこの金型2を上方から見た平面図である。図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。図4は上型4の斜視図であり、図5は上型4の内面を示す平面図である。図6は下型6の斜視図であり、図7は下型6の内面を示す平面図である。
金型2は、外型3及び中子8を有する(図3参照)。外型3は、上型4、下型6、ネック成形型10及び開口成形型12を有する。更に外型3は、凹部成形部材14を有する。この金型2は、ワックス成形体(ワックスモデル)を成形するための金型である。金型2にワックスがインジェクションされて、ワックス成形体が成形される。図5等には、ワックス注入口16と、ワックス注入路18とが示されている。なお、図1、図2及び図3は、閉じられた状態の金型2を示している。ワックス成形体は、ロストワックス法による鋳造に用いられる。
金型2の作製にはCADやCAMの技術が適用されている。上型4は、NC加工により作製されている。下型6は、NC加工により作製されている。中子8は、NC加工により作製されている。金型2は、NC加工により作製されている。
金型2は、中空構造のゴルフクラブヘッドを製造するための金型である。金型2は、ウッド型ゴルフクラブヘッドを成形するための金型である。
図3が示すように、閉じられた状態の金型2は、成形空間K1を有している。成形空間K1は、外型3と中子8との間に形成される。図3においてハッチングの無い部分が、成形空間K1である。図3において、成形空間K1にワックスがインジェクションされる。金型2により、フェース部が開口したワックス成形体が得られる。ワックス成形体の内部は空洞とされる。この空洞は、中子8によって成形される。中子8は、ワックス成形体の内面を成形する。フェース部が存在しない点を除き、ワックス成形体の形状は、最終的に得られるゴルフクラブヘッドに略等しい。成形空間K1の厚みは、ワックス成形体の厚みTwに等しい。厚みTwは、鋳造されて得られるヘッドの厚みに略等しい。
成形空間K1がワックスで置換され、ワックス成形体が成形される。図3の成形空間K1が示すように、ワックス成形体は、クラウン部と、ソール部と、サイド部と、フェース部に設置された開口とを有する。
成形空間K1は、狭い空間である。成形空間K1により成形されるワックス成形体の厚みTwは、クラウン部が0.4mm〜1.2mm程度であり、サイド部が0.4mm〜1.2mm程度であり、ソール部が0.7mm〜2.2mm程度である。
本実施形態の金型は、フェース部が開口したワックス成形体を得るための金型である。本発明は他の開口形態を有するワックス成形体を得るための金型にも適用されうる。この他の開口形態を有するワックス成形体として、ソール部が開口したワックス成形体及びクラウン部が開口したワックス成形体が例示される。フェース部が開口したワックス成形体の場合、このワックス成形体により鋳造されたヘッド本体とフェース部材とが接合されて、ヘッドが作製される。よって、フェース部が開口したワックス成形体の場合、フェース部と他の部分とで材質を異ならせたヘッドが作製されうる。フェース部の強度を高める観点から、フェース部が開口したワックス成形体が好ましい。フェース部が小さいワックス成形体の場合、フェース部開口からの中子の取り出しが難しい場合がある。この観点から、クラウン部が開口したワックス成形体が好ましい。クラウン部の比重を小さくする観点から、クラウン部と他の部分とで材質が異なるゴルフクラブヘッドが好ましい。この観点から、クラウン部が開口したワックス成形体が好ましい。
外側3は、ワックス成形体の外面を成形する。上型4は、ワックス成形体のクラウン外面を成形する。上型4は、クラウン成形部20を有する(図5参照)。このクラウン成形部20は、滑らかな凹曲面である。下型6は、ワックス成形体のソール外面及びサイド外面を形成する。中子8は、ワックス成形体の内面を成形する。フェース部を除き、中子8の形状は最終的に得られるゴルフクラブヘッドにおける中空部の形状に略等しい。ネック成形型10は、ワックス成形体のネック部を成形する。
図3が示すように、中子8は、複数の分割体が組み合わされてなる。中子8は、中央分割体8aと、周辺分割体8bとを有する。中央分割体8aは、1個である。周辺分割体8bは、2個以上存在する。周辺分割体8bの形状は、一様ではなく、互いに異なる。中央分割体8aは、成形空間K1の開口よりも前方に延在する前方延在部8a1を有している(図3参照)。
中子8は、ワックス成形体の内面を成形する。ワックス成形体の内面のうち、どの部分を成形するのかという観点に立つ場合、中子8の表面は、クラウン成形部、ソール成形部及びサイド成形部に分類される。クラウン成形部は、クラウン部の内面を成形する。ソール成形部は、ソール部の内面を成形する。サイド成形部は、サイド部の内面を成形する。
図3の実施形態では、中子8は、ワックス成形体のフェース部内面を成形するフェース成形部を有していない。しかし、フェース部が開口していないワックス成形体の場合、中子は、ワックス成形体のフェース部内面を成形するフェース成形部を有しうる。
図8は、開口成形型12の斜視図である。開口成形型12は、ワックス成形体の開口を成形する。上記の通り、本実施形態のワックス成形体では、フェース部が開口している。開口成形型12は、このフェース部の開口を成形する。図3が示すように、開口成形型12は、主部22と中間体24とを有する。なお、図8では図示が省略されているが、図1及び図2が示すように、開口成形型12は、握り部25が取り付けられている。握り部25は、開口成形型12を着脱するのに役立つ。図示されないが、握り部25の先端にはネジが取り付けられている。この握り部25を回すことにより、開口成形型12が外型3に対して確実に固定される。
なお、上型4及び下型6には、開口成形型12の挿入を許容しうる開口27が設けられている。この開口27は、上型4に設けられた凹部27a(図4参照)と、下型6に設けられた凹部27b(図6参照)とによって形成される。金型2が閉じられたとき、凹部27aと凹部27bとによって一つの開口27が構成される。凹部27aと凹部27bとにより形成される開口27の断面形状は、前述した突出部30の断面形状に対応している。開口成形型12の突出部30は、開口27の内部をスライド移動しうる。このスライド移動は、フェース−バック方向である。
主部22と、中間体24と、中央分割体8aとは一体的である(図3参照)。即ち開口成形型12と中央分割体8aとは一体的である。前述した前方延在部8a1が中間体24の内部に挿入され、更に中間体24が主部22に挿入されている。図示されないが、主部22と、中間体24と、中央分割体8aとは、ネジによって互いに固定されている。開口成形型12と中央分割体8aとで、一体部材26が形成されている。図8が示すように、主部22は、略平板状である基部28と、突出部30とを有する。突出部30は、主部22の一部と、中間体24とにより形成されている。閉じられた金型2において、突出部30は、金型2に挿入される。突出部30の断面形状は、ワックス成形体のフェース開口の形状に対応している。突出部30の端部30tが、ワックス成形体のフェース開口を成形する(図3参照)。
図9は、ネック成形型10の一部である基部38の斜視図である。図10は、ネック成形型10の一部であるピン36の斜視図である。ネック成形型10は、ピン36と基部38とを有する。基部38は、下型6に取り付けられる。下型6は、基部38を取り付けるためのスライド溝40と、基部38の底部を嵌め込むための凹部42とを有する(図6参照)。基部38は、スライド溝40にスライド挿入するためのレール44を有する(図9参照)。このスライド機構により、基部38は、外型3に対して着脱可能である。
図4及び図5が示すように、上型4は、基部38の存在を許容する凹部46を有する。この凹部46により、基部38を設置するためのスペースが確保される。
図4及び図5が示すように、上型4の凹部46には、その断面形状が半円である半円凹部48が設けられている。一方、図9が示すように、基部38には、その断面形状が半円である半円凹部50が設けられている。基部38が外型3に取り付けられた状態において、半円凹部48と半円凹部50との組み合わせにより、断面が円形とされたピン挿入孔52が構成される。このピン挿入孔52に、ピン36が挿入されている。
図10が示すように、ピン36は、シャフト孔形成部54と、スライド部56と、ストッパー部58とを有する。シャフト孔形成部54、スライド部56及びストッパー部58は、いずれも円筒状である。シャフト孔形成部54、スライド部56及びストッパー部58は、いずれもその断面形状が円形である。シャフト孔形成部54の外径は、スライド部56の外径よりも小さい。スライド部56の外径は、ストッパー部58の外径よりも小さい。シャフト孔形成部54、スライド部56及びストッパー部58は、同軸である。
スライド部56は、ピン挿入孔52に挿入されている。スライド部56は、ピン挿入孔52の内部においてスライドしうる。前述したピン挿入孔52の孔径は、スライド部56の外径に略等しい。ピン挿入孔52とスライド部56との間には実質的に隙間が存在しない。
シャフト孔形成部54は、ワックス成形体のシャフト孔を形成する。シャフト孔形成部54の外径は、シャフト孔の孔径に対応して設定される。ネック成形型10の基部38は、ネックの半周面と、このネックから延びるサイド面の一部を成形する。基部38により成形されるサイド面の一部は、ネックの根元の近傍に位置する。ネックのうち、基部38により成形されない残りの半周面は、上型4によって成形される。
ピン36において、シャフト孔形成部54とスライド部56との間には段差面60が存在する(図10参照)。この段差面60が、ワックス成形体のネック端面を成形する。また、閉じられた状態の金型2において、この段差面60は、半円凹部50の下端に存在する段差面62(図9参照)と当接する。この当接により、ワックス成形体のネック長さが定まる。この当接により、ワックス成形体のネック長さは高精度である。なお、本実施形態とは異なるが、ピン36の挿入長さによってネック長さが調節されうる構成も可能である。この場合、例えば、外型3に存在しネック部の外面を成形するネック外面成形孔にピンが挿入される。この場合も、例えば、図10で示されるピン36が用いられうる。この場合の金型は、上記ネック外面成形孔の孔径がピン36のスライド部56と略等しくされ、且つ、スライド部56が上記ネック外面成形孔の内部でスライド移動しうるように構成される。この場合、ネック端面を成形する段差面60の位置がスライド移動しうるので、ピン36の挿入長さによってネック長さが調節されうる。
図11は、凹部成形部材14の斜視図である。凹部成形部材14は、下型6に対してスライド可能に取り付けられている。凹部成形部材14は、凹部成形部64と、スライド部66と、基部68とを有する。凹部成形部64、スライド部66及び基部68は、いずれも円筒形である。凹部成形部64、スライド部66及び基部68は、同軸である。
図3が示すように、下型6には、スライド部66を挿通するためのスライド孔70が設けられている。スライド孔70の孔径は、スライド部66の外径に略等しい。スライド部66は、スライド孔70の内部をスライド移動しうる。スライド部66とスライド孔70との間には、実質的に隙間が存在しない。凹部成形部64により、ワックス成形体に凹部が成形される。
このようにスライド移動しうる凹部成形部材14が設けられているのは、アンダーカット部分を成形するためである。成形されたワックス成形体が取り出されるのに先立ち、凹部成形部材14が引き抜かれる。
図12は、装着部材72の斜視図である。装着部材72は、外型3と組み合わせて用いられる。装着部材72は、入れ子と称されることがある。装着部材72は、下型6と組み合わせて用いられる。図3が示すように、本実施形態は、2つの装着部材72を有しており、図12で示されているのはこのうちの一つである。図6が示すように、外型3は、装着部材72を装着するための収容凹部74を有している。図12が示すように、装着部材72には、例えば凸文字76が設けられている。この凸文字76が転写されることにより、ワックス成形体には凹文字が形成される。この凸文字76で表現される内容として、例えば、商品名、各種マーク、ブランド名、番手、ロフト角及びライ角が挙げられる。収容凹部74と装着部材72との間には実質的に隙間が存在しない。収容凹部74に装着された状態において、収容凹部74の基体面78(図12参照)は、下型6における他の成形面80(図6参照)と実質的に段差なく連続する。装着部材72は入れ替え可能である。装着部材72が入れ替えらえることにより、凸文字76が変更されうる。また、基体面の形状が異なる装着部材に入れ替えることにより、ワックス成形体の形状を変更することも可能である。
図13は、中子8の平面図である。図14は、図13のF14−F14線に沿った断面図の一部である。図15は、中子8をヒール側且つソール側から見た斜視図である。
図3が示すように、中子8は、中央分割体8aを含む一体部材26によって支持されている。この支持により、成形空間K1が確保される。図13及び図15が示すように、中子8は、突起部32を有する。この突起部32は、真っ直ぐに延在している。この突起部32は、フェース−バック方向に延在している。突起部32は、外型3に支持されている。図5、図6及び図7が示すように、外型3には、突起部32が挿入される挿入孔34が設けられている。突起部32が挿入孔34に挿入されることにより、中子8が支持されている。この支持により、成形空間K1の寸法精度が向上する。中子8は、前方において一体部材26により支持され、後方において突起部32により支持される。このように、中子8は、前方及び後方において外型3に対して支持されているので、成形空間K1が精度よく確保されうる。この突起部32は、中央分割体8aに取り付けられている。この突起部32は、フェース−バック方向に延びているので、中央分割体8aのフェース−バック方向へのスライド移動を阻害しない。
前述したように、中子8は、中央分割体8aと周辺分割体8bとに分割されている。中子8が分割されている理由は、ワックス成形体の開口から中子8を取り出すためである。即ち中子8は、ワックス成形体の開口から取り出すことができるように分割されている。中子8は、ワックス成形体を破壊することなく取り出されうる。
中子8を取り出す工程が、本願において、中子取り出し工程とも称される。この中子取り出し工程は、上記開口を利用して中央分割体8aを取り出す第一工程と、この第一工程により得られた空間を利用して周辺分割体8bを取り出す第二工程とを含む。第二工程では、複数の周辺分割体8bが順次取り出される。第二工程では、周辺分割体8bは、中央分割体8aが除去されることにより生じた空間に先ず移動され、次に前方(フェース側)に移動される。第二工程において、周辺分割体8bは、ワックス成形体の開口を通過する。第二工程により、周辺分割体8bはワックス成形体の外側に取り出される。
中子8の分割数は限定されない。作業性及び精度向上の観点から、分割数を過度に多くすることは好ましくない。ワックス成形体の開口からの取り出しが可能とされる範囲内で、分割数が少なくされるのが好ましい。一方分割数が少なすぎると、中央分割体8a及び周辺分割体8bが大きくなり、これらがワックス成形体の開口を通過できない。これらの観点から、本実施形態のようにフェース部が開口したワックス成形体を成形する金型の場合、好ましい中子8の分割数は、下限としては8以上が好ましく、10以上がより好ましく、上限としては、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、24以下が更に好ましい。詳細は図示されていないが、本実施形態の中子8の分割数は、13である。
図示は省略されているが、全ての周辺分割体8bには、前方(フェース側)に突出する取っ手が設けられている。この取っ手は、細い棒状である。この取っ手は、周辺分割体8bを取り出しやすくするために設けられており、成形には関与しない。周辺分割体8bを取り出す作業は、例えば、この取っ手を指先で持ちつつ実施される。なお、図示が省略されているが、主部22及び中間体24には、この取っ手の存在を許容するスペースを確保するための孔又は溝が設けられている。周辺分割体8bにも、他の周辺分割体8bが有する取っ手の存在を許容するための孔又は溝が設けられている。
図13が示すように、中子8には、溝g1が設けられている。この溝g1は、略フェース−バック方向に延在している。溝g1は、複数本設けられている。この溝g1により、ワックス成形体のクラウン部内面には、リブ(内面リブ)が成形される。図5が示すように、上型4には、溝g2が設けられている。溝g2は、上記溝g1の位置の少なくとも一部に対応して配置されている。全ての溝g1の長さを合計した総全長がL1とされ、溝g1の位置に対応して溝g2が設けられている部分の総長さがL2とされたとき、比(L2/L1)は、0.5以上が好ましく、0.8以上がより好ましく、1.0が最も好ましい。溝g2により、ワックス成形体におけるクラウン部外面には、リブ(外面リブ)が形成される。上記内面リブの成形に伴い、ワックス成形体の外面には、ヒケが生じうる。このヒケは、上記外面リブにより抑制される。なお、上記外面リブは、最終的にはヘッド研磨によって除去される。なお、上記外面リブの断面形状は限定されず、矩形であってもよいし、凸状の曲線形状であってもよい。凸状の曲線形状としては、山型(山のような形状)、円弧状等が例示される。ヘッド研磨における外面リブの除去を良好に且つ効率的に行う観点から、外面リブの断面形状は、その両端から中央側に向かって徐々に高さが増加する形状が好ましい。即ち、溝g2の断面形状は、その両端から中央側に向かって徐々に深さが増加する形状が好ましい。また、溝g2の断面形状において、その両端の深さはゼロであるのが好ましい。換言すれば、外面リブの断面形状の両端には段差が無いのが好ましい。また、ヘッド研磨における生産性を向上させる観点から、溝g2の断面積S1は、この溝g2に対応する位置における溝g1の断面積S2よりも小さいのがよく、より好ましくは、比(S1/S2)の値は、0.8以下が好ましく、0.6以下がより好ましく、0.4以下がより好ましい。上記ヒケの抑制効果を高める観点から、比(S1/S2)は、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましい。比(S1/S2)は、溝g1(溝g2)の長手方向の各位置のそれぞれにおいて定まる。
図14が示すように、中央分割体8aと周辺分割体8bとは凹凸嵌合により連結されている。中央分割体8aと周辺分割体8bとは、互いにスライド可能な状態で連結されている。中央分割体8aと周辺分割体8bとは、フェース−バック方向にスライド可能に連結されている。中央分割体8aと周辺分割体8bとは、一方向にのみスライド可能に連結されている。フェース−バック方向にスライドしない限り、中央分割体8aと周辺分割体8bとは分離しない。中央分割体8aは真っ直ぐに伸びる線状突出部t1を有している。図示されないが、この線状突出部t1は、フェース−バック方向に伸びている。周辺分割体8bは、この線状突出部t1に対応した断面形状を有する溝t2を有している。溝t2も、フェース−バック方向に真っ直ぐ伸びている。溝t2は、スライド溝である。溝t2が線状突出部t1に嵌っている。線状突出部t1が溝t2にスライド挿入されている。図14が示すように、線状突出部t1の断面形状は、略台形状である。線状突出部t1の断面形状は根元側が先側よりも狭い部分を有している。溝t2の断面形状は、線状突出部t1の断面形状に対応している。線状突出部t1と溝t2との間には、実質的に隙間が存在しない。中央分割体8aをフェース−バック方向前方に引き出さない限り、中央分割体8aと周辺分割体8bとは、分離しない。なお、中央分割体8aが溝t2を有し、周辺分割体8bが線状突出部t1を有していてもよい。中央分割体8aと周辺分割体8bとは、実質的に隙間が存在しない状態で連結されている。中央分割体8aと周辺分割体8bとの連結は、緊密である。
成形空間K1は薄いため、許容される寸法誤差は少ない。またヘッドの内面及び外面は自由曲面により構成されているため、誤差が生じやすい。これらの誤差を抑制する観点から、金型2には高い精度が要求される。略隙間無くスライド嵌合する線状突出部t1と溝t2とにより、中子8の精度が高められており、ひいては金型2の精度が高められている。
成形空間K1は、狭い。成形空間K1には、ワックスが流れにくい位置が存在しうる。ワックスの流れをよくする目的で、外型3には、逃げ82が設けられている(図6及び図7参照)。逃げ82により、ワックスの流れが改善されうる。逃げ82により、巣(気泡)の発生が抑制される。逃げ82を設ける位置は、試験により決定されうる。即ち、試験的にワックス注入を行い、この試験の結果に基づきワックスで満たされにくい位置が決定され、この満たされにくい位置に逃げ82が設けられる金型設計方法が好ましい。なお、ワックス流れを良くする観点から、逃げ82は、成形空間K1の厚みが1.0mm以下である位置に設けるようにするのも好ましい。逃げ82により成形された部分は、ワックス成形体の段階で除去されてもよいし、金属成形体の段階で除去されてもよい。除去の手間を少なくする観点から、逃げ82により成形された部分は、ワックス成形体の段階で除去されるのが好ましい。
以下において、ワックス成形体を成形する工程の一例は、以下の工程を含む。
(1a)金型2を閉じる。
(2a)閉じられた金型2のワックス注入口16からワックスを注入する。
(3a)成形空間K1に充填されたワックスの温度を固化温度以下にまで低下させる。
(4a)金型2を開けて、固化したワックス(ワックス成形体)を取り出す。
金型を開けてワックス成形体を取り出す工程(4a)の一例は、以下の工程を含む。
(1b)中央分割体8aを含む一体部材26をフェース−バック方向に抜き出す。
(2b)凹部成形部材14及びピン36を抜く。
(3b)中央分割体8aが抜き出されることにより生じた空間を利用して、周辺分割体8bを取り出す。
(4b)上型4が取り外される。
(5b)下型6が取り外される。
上記工程(1b)及び工程(3b)は、中子取り出し工程の一例である。上記工程(1b)は、中子取り出し工程における上記第一工程の一例である。上記工程(3b)は、中子取り出し工程における上記第二工程の一例である。
中子8において、中央分割体8aと周辺分割体8bとは、実質的に隙間なく嵌り合っている。この緊密な嵌り合いに起因して、中央分割体8aを周辺分割体8bに対してスライド移動するのには、大きな摩擦力が作用する。よって、中央分割体8aを中子8から抜き取るには、大きな力が必要とされる。開口成形型12が中央分割体8aと一体化されていることにより、開口成形型12に力を加えて中央分割体8aを引き抜くことができ、中央分割体8aの抜き取りが容易である。また、この一体化により、開口成形型12と中央分割体8aとを同時に抜き出すことができ、工程が簡略化される。
外型3は、内側(中子8側)に突出した部分を有する。上記実施形態において、この内側突出部は、凸文字76である。この内側突出部により、中央分割体8aを引き抜く際に、ワックス成形体が外型3に固定されやすくなる。即ちこの内側突出部は抜け止めとして機能しうる。このように、この内側突出部により、中央分割体8aの引き抜きが容易とされている。
ワックス成形体は、ワックスにより形成されているので、壊れやすい。上記実施形態のワックス成形体は薄いので、なおさら壊れやすい。周辺分割体8bはワックス成形体と密着しているので、この周辺分割体8bの取り出しの際に、ワックス成形体の破損が生じるおそれがある。ワックス成形体の破損を抑制する観点から、上型4又は下型6の少なくともいずれかが取り外されていない状態で、上記第二工程がなされるのが好ましい。この場合、ワックス成形体は、上型4及び/又は下型6により支持されているので、壊れにくい。ワックス成形体の破損を更に抑制する観点からは、上型4及び下型6のいずれもが取り外されていない状態で、上記第二工程がなされるのが好ましい。一方、上型4及び下型6のいずれもが取り外されていない状態では、開口27から金型内部をのぞき込みつつ周辺分割体8bを取り出す必要が生じるため、作業性が低下しやすい。またこの場合、開口27を通過させつつ周辺分割体8bを取り出す必要があるため、やはり作業性が低下しやすい。上記第二工程の作業性を向上させつつ、ワックス成形体の破損を抑制する観点からは、上型4及び下型6の一方は取り外され他方は取り外されていない状態で、上記第二工程がなされるのが好ましい。
中子8を取り出す際におけるワックス成形体の破損を抑制する観点から、中子取り出し工程におけるワックス成形体の温度T1は、40℃以上とされるのが好ましく、50℃以上とされるのがより好ましい。ワックス成形体の温度T1の温度が高くされることにより、ワックス成形体が弾性変形しやすくなり、ワックス成形体の破損が抑制される。ワックス成形体の温度T1が高すぎると、ワックス成形体の固化が不十分となり、ワックス成形体が変形しやすい。この観点から、上記ワックス成形体の温度T1は、70℃以下が好ましく、60℃以下がより好ましい。
得られたワックス成形体を用いて、周知のロストワックス法により、金属成形体が鋳造される。この金属成形体の形状は、上記成形空間K1の形状と実質的に等しい。この金属成形体は、フェース部が開口している。この開口を塞ぐフェース部が、別途作製される。このフェース部は、ロストワックス法により製造されてもよいし、鍛造により製造されてもよいし、プレスフォーミングにより製造されてもよい。このフェース部と、上記実施形態に係る金属成形体とが接合される。この接合は、例えば溶接によりなされる。この接合により、ゴルフクラブヘッドが得られる。好ましくは、このゴルフクラブヘッドは、仕上げ工程に供される。この仕上げ工程では、表面研磨や塗装等がなされる。
図16は、図15のF16−F16線に沿った断面図の一部である。図17は、図15のF17−F17線に沿った断面図の一部である。
図16及び図17が示すように、中子8は、調整用凹部100を有する。調整用凹部100は、中子8の表面に設けられている。調整用凹部100は、1つの周辺分割体8bに設けられている。調整用凹部100は、複数の周辺分割体8bに設けられていてもよい。調整用凹部100は、中央分割体8aに設けられていない。調整用凹部100は、中央分割体8aに設けられてもよい。調整用凹部100の形状は限定されない。
調整用凹部100には、調整部材102が配置されている。調整部材102は、調整用凹部100に収容されている。調整用凹部100は、中子8に固定されている。調整用凹部100は、周辺分割体8bに固定されている。固定手段として、ネジ止めが採用されている。調整用凹部100は、ネジ104により、周辺分割体8bに固定されている。調整用凹部100の底面には、ネジ104と螺合するネジ穴106が設けられている(図16参照)。調整部材102には、ネジ104を貫通させるための貫通孔が設けられている。
詳細な図示は省略されているが、ネジ104と貫通孔との境界k(図16参照)には、微小な隙間が存在する。この隙間は、塑鋼土によって埋められている。また、ネジ104の頭部の表面108は、塑鋼土によって滑らかにされている。塑鋼土により、ワックス成形体の内面が滑らかとされうる。塑鋼土は、金属粉を含有する樹脂である。塑鋼土の基材樹脂の典型例は、二液硬化型樹脂である。この二液硬化型樹脂として、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等が例示される。
調整部材102の輪郭形状は、調整用凹部100の輪郭形状に対応している。調整部材102の側面102aと、調整用凹部100の側面100aとの間に、隙間は実質的に存在しない(図16参照)。なお、調整部材102の輪郭形状が、調整用凹部100の輪郭形状に対応していなくてもよい。調整部材102の内面102bは、調整用凹部100の底面100bに接触している。調整部材102の内面102bは、調整用凹部100の底面100bに接触している。内面102bの全てが、底面100bに接触している。内面102bの全てが、底面100bの全てに接触している。
4つの側面100aは、それぞれ平面である。底面100bは、平面である。側面100aのそれぞれと底面100bとは、互いに垂直である。調整用凹部100の深さ方向のあらゆる位置において、側面100aの断面形状は、底面100bと同一である。この断面形状は、矩形である。
調整部材102の有無により、ワックス成形体の厚みTwが調整されうる。調整部材102が存在しない場合、調整用凹部100の容積の全てが、成形空間K1となる。調整部材102が存在しない場合、この調整用凹部100の位置におけるワックス成形体の厚みTwは、大きい。
調整部材102が存在する場合、この調整部材102の体積の分だけ、成形空間K1の容積が小さくなる。調整部材102の存在により、ワックス成形体の体積が小さくなる。調整部材102が存在する場合の厚みTwは、調整部材102が存在しない場合と比較して、小さい。
このように、調整部材102の存在により、ワックス成形体の体積が調整される。調整部材102の存在により、ワックス成形体の厚みTwが調整される。
好ましくは、複数の調整部材102が用意される。好ましくは、複数の調整部材102のうち、少なくとも2個の調整部材102は、厚みが異なる。好ましくは、厚みが異なる調整部材102に交換されることにより、ワックス成形体の厚みTwが変更される。
調整部材102の着脱は、容易である。調整部材102の交換は容易である。本実施形態では、ワックス成形体の厚みTwの調整が容易である。
図18は、第二実施形態に係る調整部材110、調整部材112及び調整部材114が調整用凹部100に設置された状態を示す断面図である。中子8の形態は、図16の実施形態と同じである。調整用凹部100の形態は、図16の実施形態と同じである。
調整用凹部100には、複数の調整部材110、調整部材112及び調整部材114が配置されている。複数の調整部材110、調整部材112及び調整部材114が、調整用凹部100に収容されている。複数の調整部材110、調整部材112及び調整部材114は、互いに重ねられている。複数の調整部材110、調整部材112及び調整部材114は、中子8に固定されている。複数の調整部材110、調整部材112及び調整部材114は、周辺分割体8bに固定されている。固定手段として、ネジ止めが採用されている。調整部材110、調整部材112及び調整部材114は、ネジ104により、周辺分割体8bに固定されている。複数の調整部材110、調整部材112及び調整部材114は、互いに隙間が生じない状態で重ねられうる。
調整部材110は、最も外側に配置されている。調整部材114は、最も内側に配置されている。調整部材112は、調整部材110と調整部材114との間に配置されている。
複数の調整部材110、調整部材112及び調整部材114には、ネジ104を挿通させるための貫通孔を有している。
複数の調整部材は、いずれも平板状である。
調整部材110と調整部材112との間に、隙間は実質的に存在しない。調整部材112と調整部材114との間に、隙間は実質的に存在しない。調整用凹部100の底面100bと調整部材114との間に、隙間は実質的に存在しない。
調整部材110の輪郭形状は、調整用凹部100の輪郭形状に対応している。調整部材110の側面110aと、調整用凹部100の側面100aとの間に、隙間は実質的に存在しない(図18参照)。
調整部材112の輪郭形状は、調整用凹部100の輪郭形状に対応している。調整部材112の側面112aと、調整用凹部100の側面100aとの間に、隙間は実質的に存在しない(図18参照)。
調整部材114の輪郭形状は、調整用凹部100の輪郭形状に対応している。調整部材114の側面114aと、調整用凹部100の側面100aとの間に、隙間は実質的に存在しない(図18参照)。
このように、全ての調整部材の輪郭形状は、調整用凹部100の輪郭形状に対応している。
複数の調整部材のうちの一部の調整部材において、その輪郭形状が、調整用凹部100の輪郭形状に対応していなくてもよい。例えば、最も外側に位置しない調整部材112及び/又は調整部材114の輪郭形状が、調整用凹部100の輪郭形状に対応していなくてもよい。ワックスの入り込みを抑制する観点から、最も外側に位置する調整部材110(表面調整部材)の輪郭形状は、調整用凹部100の輪郭形状に対応しているのが好ましい。
図18の実施形態では、調整部材の数により、ワックス成形体の厚みTwが調整されうる。更に、各調整部材の厚み又は体積により、厚みTwが調整されうる。例えば、以下の選択肢のうちのいずれを選択するかによって、ワックス成形体の厚みTwが調整されうる。
(選択肢1)調整部材112及び調整部材114を取り除く。調整部材110のみが存在する。
(選択肢2)調整部材112を取り除く。調整部材110及び調整部材114のみが存在する。
(選択肢3)調整部材114を取り除く。調整部材110及び調整部材112のみが存在する。
(選択肢4)調整部材110、調整部材112及び調整部材114の全てを取り除く。即ち、調整用凹部100内に調整部材が存在しない。
(選択肢5)調整部材110、調整部材112及び調整部材114に加え、他の調整部材が追加される。
(選択肢6)調整部材110、調整部材112及び調整部材114の少なくともいずれかが、厚みが異なる他の調整部材に交換される。
図18の実施形態の如く、調整部材112の体積と調整部材114の体積とは、同一であってもよい。全ての調整部材の体積が同一であってもよい。厚みTwの調整の自由度の観点から、好ましくは、複数の調整部材のうち、少なくとも二個の調整部材の体積は、互いに異なるのがよい。厚みTwの調整の自由度の観点から、全ての調整部材が異なる体積を有しているのがより好ましい。
図18の実施形態の如く、調整部材112の厚みと調整部材114の厚みとは、同一であってもよい。全ての調整部材の厚みが同一であってもよい。厚みTwの調整の自由度の観点から、好ましくは、複数の調整部材のうち、少なくとも二個の調整部材の厚みは、互いに異なるのがよい。厚みTwの調整の自由度の観点から、全ての調整部材が異なる厚みを有しているのがより好ましい。
このように、本発明の一実施形態は、互いに厚みの異なる複数の上記調整部材が用意され、これらの調整部材の交換又はこれらの調整部材の設置個数の変更により、上記厚みTwが調整される。また、本発明の他の実施形態は、互いに重ねられた状態で上記調整用凹部に配置されうる複数の上記調整部材が用意され、これらの調整部材の交換又はこれらの調整部材の設置個数の変更により、上記厚みTwが調整される。なお、設置個数には、0個も含まれる。設置個数が0個とは、調整部材が設置されないことを意味する。
図19は、第三実施形態に係る調整部材120が調整用凹部100に設置された状態を示す断面図である。中子8の形態は、図16の実施形態と同じである。調整用凹部100の形態は、図16の実施形態と同じである。
調整部材120は、ネジ穴106が存在しない他は、調整部材102と同じである。調整部材120は、接着剤により、調整用凹部100に接着されている。図19において、接着剤層の記載は省略されている。この接着剤としては、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤及びアクリル系接着剤が例示される。調整部材120を取り外す場合、加熱により接着剤を劣化させる。注入されるワックスの熱によっては接着力を失わず、且つ取り外しの際の加熱は比較的少なくて済む観点から、接着剤として、住友スリーエム社製の商品名「3M 2214」が好ましい。
上記接着剤は、調整部材120と調整用凹部100との間を充填しうる。上記接着剤の存在は、調整部材120と調整用凹部100との間にワックスが入り込むのを抑制する。よって、上記接着剤により、ワックス成形体の品質が向上しうる。一方、第一実施形態の如くネジ104が用いられた場合、調整部材の設置、取り外し及び交換が容易である。
前述の実施形態では、調整用凹部が調整部材により完全に充填されていない。前述の実施形態では、調整部材を底面とする凹部h1が形成されている(図16等参照)。調整用凹部が調整部材により完全に充填されていてもよい。また、調整部材が調整用凹部から突出していてもよい。例えば、調整部材の厚みtが調整用凹部の深さD1より大きくてもよい。
中子の材質は限定されない。加工性、耐久性及び軽量性の観点から、中子の材質は、アルミニウム合金が好ましく、超々ジュラルミンがより好ましく、中でも7075アルミニウム合金が特に好ましい。
調整部材の材質は限定されない。注入されたワックスにより、中子は加熱される。この加熱により、中子及び調整部材は膨張する。調整部材と中子とで熱膨張率が異なる場合、熱膨張に伴い、調整部材と中子との間に隙間が生じたり、調整部材が変形したりする場合がある。熱膨張率が同一とされる観点から、調整部材の材質は、中子の材質と同じであるのが好ましい。この観点から、調整部材の材質は、アルミニウム合金が好ましく、超々ジュラルミンがより好ましく、中でも7075アルミニウム合金が特に好ましい。
調整用凹部の深さD1は限定されない。厚みTwの調整可能範囲を拡大する観点から、深さD1は、2.0mm以上が好ましく、3.0mm以上がより好ましく、4.0mm以上がより好ましい。深さD1が過度に大きい場合、調整用凹部が中子の分割体(周辺分割体等)を貫通する場合がある。この貫通により、調整部材が固定されにくい。この観点から、調整用凹部の深さD1は、7.0mm以下が好ましく、6.0mm以下がより好ましく、5.0mm以下がより好ましい。
調整用凹部の容積V1は限定されない。厚みTwの調整可能範囲を拡大する観点から、容積V1は、1.0(cm3)以上が好ましく、1.2(cm3)以上がより好ましく、1.4(cm3)以上がより好ましい。厚みTwが過大である場合、ヘッド厚みが局所的に過大となるため、ヘッドの打球性能に影響を与えうる。この観点から、容積V1は、2.0(cm3)以下が好ましく、1.8(cm3)以下がより好ましく、1.6(cm3)以下がより好ましい。
調整用凹部の底面100bの面積Sは限定されない。深さD1を過度に深くすることなく厚みTwの調整可能範囲を拡大する観点から、面積Sは、2.0(cm2)以上が好ましく、2.5(cm2)以上がより好ましく、3.0(cm2)以上がより好ましい。面積Sが過大である場合、中子の造形が困難となる場合がある。この観点から、面積Sは、6.0(cm2)以下が好ましく、5.5(cm2)以下がより好ましく、5.0(cm2)以下がより好ましい。
調整部材の厚みtは限定されない。調整部材を設置する際の作業性の観点から、調整部材の厚みtは、1.0mm以上が好ましく、1.5mm以上がより好ましく、2.0mm以上がより好ましい。厚みTwが過大となることを抑制する観点から、調整部材の厚みtは、6.0mm以下が好ましく、5.5mm以下がより好ましく、5.0mm以下がより好ましい。なお、調整部材の厚みが一定でない場合、厚みtは、調整部材の厚みの最小値を意味する。
互いに交換又は組み合わせ可能な複数の調整部材が用いられる場合、それらの厚みtの最大値taは限定されない。一個の調整部材であっても、厚みTwの調整可能範囲が高められる観点から、最大値taは、2.5mm以上が好ましく、2.7mm以上がより好ましく、2.9mm以上がより好ましい。一個の調整部材に起因する厚みTwの変動が大きい場合、厚みTwの微調整が行いにくい。この観点から、最大値taは、3.5mm以下が好ましく、3.3mm以下がより好ましく、3.1mm以下がより好ましい。
互いに交換又は組み合わせ可能な複数の調整部材が用いられる場合、それらの厚みtの最小値tbは限定されない。厚みTwの調整可能範囲を高める観点から、最小値tbは、1.0mm以上が好ましく、1.1mm以上がより好ましく、1.2mm以上がより好ましい。一個の調整部材に起因する厚みTwの変動が大きい場合、厚みTwの微調整が行いにくい。この観点から、最小値tbは、2.2mm以下が好ましく、2.1mm以下がより好ましく、2.0mm以下がより好ましい。
上記の通り、本発明では、調整用凹部に設置されうる調整部材に基づいて、厚みTwがが調整されうる。この調整方法として、以下が例示される。
[調整方法1]厚さtの異なる複数の調整部材が用意され、それぞれの調整部材が単独で調整用凹部に配置される。調整部材の交換によって、ワックス成形体の厚みTwが調整される。
[調整方法2]常に最も外側に配置される調整部材(表面調整部材)と、この表面調整部材の内側に配置される内側調整部材とが用意され、内側調整部材の個数又は厚みが変更される。
上記[調整方法1]の利点としては、以下が挙げられる。
(1)調整部材の設置作業が容易である。
(2)調整部材と中子との間に隙間が生じにくい。
上記[調整方法2]の利点としては、以下が挙げられる。
(1)調整部材の組み合わせが自由であり、厚みTwの調整自由度が高い。
(2)表面調整部材に丸みr1(後述)を付与しておけば、上記凹部h1の隅に丸みr1が確保される。
上記[調整方法2]に比べて上記[調整方法1]が劣る点として、以下が挙げられる。
(1)調整部材の組み合わせができないので、厚みTwの調整自由度が低い。
上記[調整方法1]に比べて上記[調整方法2]が劣る点として、以下が挙げられる。
(1)調整部材の個数が多く、調整部材の設置に多くの時間が必要である。
(2)調整部材と中子との間に隙間が生じやすい。
調整用凹部が調整部材により完全に充填されていない場合がある。この場合の例として、図16の実施形態、図18の実施形態及び図19の実施形態が挙げられる。この場合、調整部材を底面とする凹部h1が形成される(図16等参照)。この凹部h1にワックスが流れ込むことにより、ワックスの流れが悪くなる。このワックスの流れを円滑とする観点から、この凹部h1の隅に丸み(アール)r1が設けられているのが好ましい。図16等が示すように、この丸みr1は、調整部材の上面によって形成されている。ワックスの流れを円滑とする観点から、丸みr1の曲率半径は、0.5mm以上が好ましく、1.0mm以上がより好ましい。調整部材の作製を容易とする観点から、丸みr1の曲率半径は、3.0mm以下が好ましく、2.5mm以下がより好ましい。
鋳造されたヘッドの内面において、調整用凹部の設置箇所には、上記凹部h1に起因する凸部が生じうる。また、調整用凹部から調整部材が突出し、調整部材が突出部を構成している場合、鋳造されたヘッドの内面において、調整用凹部の設置箇所には、この突出部に起因する凹部が生じうる。これらヘッドの凸部又は凹部には、打球に伴う応力が集中しうる。これらヘッド内面の凸部又は凹部は、ヘッドの耐久性に影響を与えうる。ヘッドのサイド部は、打球時の衝撃力が比較的伝達されにくい。通常、サイド部に要求される強度は、フェース部、クラウン部及びソール部に比較して少ない。ヘッドの耐久性を高める観点から、調整用凹部は、中子のサイド成形部に設けられるのが好ましい。ヘッドの耐久性を高める観点から、調整用凹部と、中子のフェース成形部との最短距離は、10mm以上が好ましく、20mm以上がより好ましく、30mm以上がより好ましい。
ワックス成形体の外面は曲面である。打球時における応力集中を緩和する観点から、ワックス成形体の内面も曲面であるのが好ましい。この観点から、調整部材の外面は曲面であるのが好ましい。
調整部材の内面は、曲面であってもよいし、平面であってもよい。調整部材の製造コストの観点、調整部材同士の隙間を抑制する観点、及び調整用凹部の底面と調整部材との隙間を抑制する観点から、調整部材の内面の形状は、平面又は一方向にのみ曲率を有する曲面とされるのが好ましい。一方向にのみ曲率を有する曲面の例としては、調整部材の幅方向には曲率を有せず、調整部材の長手方向にのみ曲率を有する例が挙げられる。調整部材の内面は、調整用凹部の底面と接触しうる。調整部材の製造コストの観点、及び調整用凹部の底面と調整部材との隙間を抑制する観点から、調整部材の内面が平面であり、調整用凹部の底面が平面であるのが最も好ましい。
調整用凹部は、中央分割体8a又は周辺分割体8bの少なくともいずれかに設けられる。前述したように、中子取り出し工程では、先ず、中央分割体8aを取り出す第一工程がなされ、次いで、この第一工程により得られた空間を利用して周辺分割体8bを取り出す第二工程がなされる。調整用凹部及び調整部材は、中子取り出し工程が可能となるように構成される。調整用凹部及び調整部材は、中子取り出し工程を阻害しないように構成される。好ましくは、調整用凹部及びこの調整用凹部に配置された調整部材が、分割体8a、8bの取り出し方向に対してアンダーカットにならないように構成される。このアンダーカットが存在する場合、中子取り出し工程においてワックス成形体が破損するおそれがある。
中子取り出し工程の第一工程において、中央分割体8aの取り出し方向は、制約されている。中央分割体8aの取り出し方向は、一方向のみに制約されている。上記実施形態において、中央分割体8aの取り出し方向(スライド方向)は、フェース−バック方向のみである。これに対して、周辺分割体8bの取り出し方向の自由度は、中央分割体8aと比べると、大きい。よって、調整用凹部が周辺分割体8bに設けられる場合、調整用凹部及び調整部材の構成が制約されにくい。この観点から、調整用凹部は、中央分割体8aよりも周辺分割体8bに設けられるのが好ましい。