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JP5284540B2 - 分岐ポリカーボネートの連続製造方法 - Google Patents
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JP5284540B2 - 分岐ポリカーボネートの連続製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エステル交換法による分岐ポリカーボネートの連続製造方法に関する。
ポリカーボネートは、透明性や耐熱性、耐衝撃強度等の機械的強度が優れたエンジニアリングプラスチックであり、光ディスクや電気電子分野、自動車等の工業用途で幅広く用いられている。中でも近年は、その意匠性や落としても容易に割れない強靭さから、水道設備が行き届いていない国々における飲み水の提供用や特定産地のミネラルウォーターの移送用に、ブロー成形された大型のボトルが広く普及してきている。
このような大型のボトルのブロー成形を安定的に行うためには、汎用のポリカーボネートと比較して高い溶融粘度と溶融張力とが要求される。そのため、高分子量化と共に分子中に分岐構造を付与してポリカーボネートの溶融張力を上げることが必要となる。ポリカーボネートの製造方法として長らく活用されてきたホスゲン法では、特許文献1にあるように、多官能化合物を分岐剤として用いることで、ポリカーボネートに分岐構造を付与することでこの課題を解決してきた。しかしながら、ホスゲン法は毒性の高いホスゲンや多量の塩素系溶剤を使用することから、環境への負荷が大きい。そのため、近年の環境問題に対する意識の高まりから、ポリカーボネートの製造方法はホスゲンや多量の塩素系溶剤を使用しないエステル交換法へと移行してきている。しかしながら、エステル交換法による分岐ポリカーボネートの工業的な連続製造法は、いまだ開発段階にあり、多くの改善提案がなされているのが現状である。
エステル交換法では、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジフェニルと分岐剤としての多官能化合物とを触媒の存在下で溶融反応させることで分岐ポリカーボネートを製造することができる。しかしながら、単純に反応させるだけでは良好な分岐ポリカーボネートを工業的に得ることが難しく、その改善のために例えば下記[1]〜[3]の方法が提案されている。
[1]特定の触媒を用いることで溶融反応過程で自然発生するコルベシュミット型の分岐構造を低減する方法(特許文献2〜4)や、特定の触媒を用いることで色相を改良する方法(特許文献5)、分岐剤として特定の構造の多官能化合物を用いる方法(特許文献6〜8)。
[2]得られたポリカーボネートに多官能化合物からなる分岐剤とエステル交換触媒を加えて、押出機内で反応させて分岐ポリカーボネートを得る方法(特許文献9〜11)。
[3]工程汚染の原因となる分岐剤を用いることなく、重合反応過程で自然発生する分岐構造を積極的に発生させて分岐ポリカーボネートを製造する方法(特許文献12,13)。
特公昭47−23918号公報 特開平5−271400号公報 特開平5−271402号公報 特開平5−295101号公報 特開平4−89824号公報 特開2001−302780号公報 特表2002−508801号公報 特開2006−131910号公報 特開平02−245023号公報 特開平11−209469号公報 特開2000−290364号公報 特開2002−308976号公報 特開2004−002831号公報
しかしながら、[1]の製造方法により得られたポリカーボネートは、色相は改良されたものの、フィッシュアイが多く耐熱水性にも劣るものである。また、直鎖状のポリカーボネートを製造する工程に芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジフェニルと共に分岐剤を投入することから、分岐ポリカーボネートから直鎖状のポリカーボネートへ銘柄切り替えする際、後に生産される直鎖状のポリカーボネートにフィッシュアイが発生する。この悪影響を取り除くために、銘柄切り替えに多大な時間を要したり、一旦生産を止めて生産設備を洗浄したりしなければならないという大きな問題がある。
また、[2]の製造方法では、重合工程に分岐剤を添加しないため銘柄切り替えする際の上記問題は解消するものの、得られた分岐ポリカーボネートにはフィッシュアイが多く、耐熱水性の低下もみられ、良質のポリカーボネートを安定的に製造できないという問題がある。
更に、[3]の製造方法では、分岐剤を添加しないという利点を有しているものの、副反応である転位反応を積極的に引き起こすために安定した製造が難しく、不必要な副反応までもが発生して、色相の悪化やフィッシュアイの発生、更には耐熱水性の低下等の問題が起こり、銘柄切り替え時のロスの問題も存在する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、銘柄切り替え時のロスを少なくすることができるとともに、色相及び耐熱水性に優れ、フィッシュアイが少ない分岐ポリカーボネートをエステル交換法で製造する、分岐ポリカーボネートの連続製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、(A)芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとからエステル交換法により数平均分子量が1000〜10000の低分子量ポリカーボネートを製造する工程と、(B)前記低分子量ポリカーボネートに多官能化合物を液体状態で添加混合する工程と、(C)引き続き前記低分子量ポリカーボネートのメルトインデックスが10g/10min以下かつ分岐指標が14以上になるまで重合反応を行い、分岐ポリカーボネートを製造する工程とを含む分岐ポリカーボネートの連続製造方法を提供する。この方法によれば、銘柄切り替え時のロスを少なくすることができるとともに、色相及び耐熱水性に優れ、フィッシュアイが少ない分岐ポリカーボネートをエステル交換法で連続して製造することができる。
また、本発明において、下記式(I)で定義されるΔT(℃)の範囲は−20℃〜20℃以下あることが好ましい。これにより、本発明の上記効果が一層奏される。
ΔT = T − T (I)
[式中、Tは前記(C)工程における最終重合器に導入される低分子量ポリカーボネートの温度(℃)を示し、Tは前記(C)工程における前記最終重合器により重合された分岐ポリカーボネートの温度(℃)を示し、Tは285℃以下である。]
上記多官能化合物は、溶剤に溶解した状態で、(A)工程を行う装置と(C)工程を行う装置との間の配管途中に設置された溶融混合機に添加されることが好ましい。これにより、本発明の上記効果が一層奏される。
また、上記溶剤は、フェノール類、炭酸ジエステル類、ケトン類、エーテル類、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの混合物及び反応物、並びに数平均分子量5000以下の低分子量ポリカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これにより、本発明の上記効果がより一層奏される。
また、上記溶剤は、解重合溶剤であることが好ましい。これにより、本発明の上記効果が一層奏される。なお、本明細書において「解重合溶剤」とは、ポリカーボネートの解重合を引き起こす溶剤をいう。
また、本発明は、(A)工程に引き続き、(D)メルトインデックスが100g/10min以下になるまで重合反応を行いポリカーボネートを製造する工程を更に含むことができる。この製造方法によれば、銘柄切り替え時のロスを少なくすることができるとともに、色相及び耐熱水性に優れ、フィッシュアイが少ない分岐ポリカーボネートを含む複数種のポリカーボネートをエステル交換法で連続して製造することができる。
ここで、(A)工程を行う装置は、(C)工程を行う装置及び(D)工程を行う装置へそれぞれ通じるように分岐された分岐部を有する配管を介して、(C)工程を行う装置及び(D)工程を行う装置と接続されており、上記多官能化合物は、分岐部と(C)工程を行う装置との間の配管途中に設置された溶融混合機に添加されることができる。これにより、本発明の上記効果が一層奏される。
また、本発明は、上記方法により製造される分岐ポリカーボネートを提供する。この分岐ポリカカーボネートは、色相及び耐熱水性に優れ、フィッシュアイが少ないものとなる。
本発明によれば、銘柄切り替え時のロスを少なくすることができるとともに、色相及び耐熱水性に優れ、フィッシュアイが少ない分岐ポリカーボネートをエステル交換法で製造する、分岐ポリカーボネートの連続製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態の分岐ポリカーボネートを製造する製造システムの概略図である。 本発明の一実施形態の複数種のポリカーボネートを製造する製造システムの概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。本実施形態の分岐ポリカーボネートの連続製造方法では、芳香族ジヒドロキシ化合物と、炭酸ジエステルと、多官能化合物とからエステル交換法により分岐ポリカーボネートを製造することができる。
本実施形態において、芳香族ジヒドロキシ化合物とは、例えば、HO−Ar−OHで示される化合物である。Arは2価の芳香族残基であり、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ピリジレン、又は、−Ar−Y−Ar−で表される2価の芳香族残基である。ここで、Ar及びArは、各々独立にそれぞれ炭素数5〜70を有する2価の炭素環式又は複素環式芳香族基を示し、Yは炭素数1〜30を有する2価のアルキレン基を示す。
上記2価の芳香族基(Ar、Ar)において、芳香環に結合する1つ以上の水素原子は、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例えば、炭素数1〜10のアルキル基、環を構成する炭素数が5〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基等によって置換されていてもよい。複素環式芳香族基の好ましい具体例としては、環を構成する1ないし複数の窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有する複素環式芳香族基を挙げることができる。
Ar及びArとしてはそれぞれ、置換又は非置換のフェニレン、置換又は非置換のビフェニレン、置換又は非置換のピリジレン等が好ましい。
2価のアルキレン基Yは、例えば、下記一般式で示される有機基である。
Figure 0005284540
(式中、R、R、R、Rは、各々独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、環を構成する炭素数が5〜10のシクロアルキル基、環を構成する炭素数が5〜10の炭素環式芳香族基、又は、炭素数6〜10の炭素環式アラルキル基を示す。kは3〜11の整数を示し、R及びRは、各Xについて個々に選択され、互いに独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Xは炭素を示す。また、R、R、R、R、R、Rにおいて、一つ以上の水素原子は、反応に悪影響を及ぼさない範囲で他の置換基、例えば炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基等によって置換されていてもよい。)
以上のような置換基を有する2価の芳香族残基Arとしては、例えば、下記一般式で表されるものが挙げられる。
Figure 0005284540
(式中、R、Rは、各々独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、環を構成する炭素数が5〜10のシクロアルキル基又はフェニル基を示し、m及びnは1〜4の整数を示し、mが2〜4のとき、各Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、nが2〜4のとき、各Rはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
更に、2価の芳香族残基Arは、−Ar−Z−Ar−で示されるものであってもよい。Ar、Arは前述のとおりであり、Zは単結合又は−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO−、−COO−、−CON(R)−等の2価の基を表す。ただし、Rは前述のとおりである。
このような2価の芳香族残基Arとしては、例えば、下記一般式で表されるものが挙げられる。
Figure 0005284540
(式中、R、R、m及びnは、前述のとおりである。)
本実施形態で用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物は、単独でも2種以上でもよい。芳香族ジヒドロキシ化合物の代表的な例としてはビスフェノールAが挙げられ、他の芳香族ジヒドロキシ化合物と同時に使用する場合は、芳香族ジヒドロキシ化合物の全体量に対してビスフェノールAを85モル%以上の割合で使用することが好ましい。また、これら芳香族ジヒドロキシ化合物は、塩素原子とアルカリ又はアルカリ土類金属の含有量が少ない方が好ましく、できれば実質的に含有していないことが好ましい。
本実施形態で用いられる炭酸ジエステルは、例えば、下記一般式で表される化合物である。
Figure 0005284540
(式中、Ar、Arはそれぞれ1価の芳香族基を表す。)
1価の芳香族基Ar及びArは、好ましくは、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ピリジル基を挙げることができる。Ar、Arにおいて、芳香環に結合する1つ以上の水素原子は、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例えば、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基等によって置換されていてもよい。Ar、Arは互いに同一であっても異なっていてもよい。
より好ましいAr及びArとしては、例えば下記式で示される基が挙げられる。
Figure 0005284540
炭酸ジエステルの代表的な例としては、下記一般式で表される置換又は非置換のジフェニルカーボネート類を挙げることができる。
Figure 0005284540
(式中、R及びR10は、各々独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、環を構成する炭素数が5〜10のシクロアルキル基又はフェニル基を示し、p及びqは1〜5の整数を示し、pが2以上のとき各Rはそれぞれ異なっていてもよく、qが2以上のとき各R10はそれぞれ異なっていてもよい。)
上記炭酸ジエステル類の中でも、非置換のジフェニルカーボネート、並びに、ジトリルカーボネート及びジ−t−ブチルフェニルカーボネートのような低級アルキル置換ジフェニルカーボネート等の対称型ジアリールカーボネートが好ましく、ジフェニルカーボネートがより好ましい。これらの炭酸ジエステル類は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これら炭酸ジエステル類は、塩素原子とアルカリ又はアルカリ土類金属の含有量が少ない方が好ましく、できれば実質的に含有していないことが好ましい。
芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの使用割合(仕込比率)は、用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルの種類や、目標とする分子量や水酸基末端比率、重合条件等によって異なり、特に限定されない。炭酸ジエステルは芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、好ましくは0.9〜2.5モル、より好ましくは0.95〜2.0モル、更に好ましくは0.98〜1.5モルの割合で用いられる。また、末端変換や分子量調節のために芳香族モノヒドロキシ化合物を併用してもよい。
本実施形態で用いられる、多官能化合物は、炭酸ジエステルに対する反応性のある官能基を分子中に3つ以上有する化合物であり、フェノール性水酸基及び/又はカルボキシル基を3つ以上有する化合物であることが好ましい。多官能化合物としては、例えば、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、4−[4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−α,α−ジメチルベンジル]フェノール、2,2’,2”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼン、α、α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)トリイソプロピルベンゼン、フロログリシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン−2、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾール、2,2’−ビス−[4,4−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)シクロヘキシル]プロパン、α−メチル−α,α’,α’−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジエチルベンゼン、トリ−(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェノール、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン、ヘキサ−(4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェニル)テレフタル酸エステル、テトラ−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、テトラ−(4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェノキシ)メタン、1,4−ビス(4’,4’’−ジヒドロキシ−トリフェニル)メチルベンゼン、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン酸、3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドール、トリメシン酸トリクロリド、α,α’,α’’−トリス(4−ヒドロキシフェノール)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、トリメリット酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸、C−Si−(O−Si(CH−C−C−OH)、CH−Si−(O−Si(CH−C−C−OH)等が挙げられ、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンと、4−[4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−α,α−ジメチルベンジル]フェノールが最も好ましい。
多官能化合物の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して0.1〜0.95モル%であることが好ましく、0.2〜0.8モル%であることが好ましく、特に好ましくは0.3〜0.6モル%である。多官能化合物の使用量が0.95モル%以下である場合にはフィッシュアイの増加が起こり難くなり、0.1モル%以上である場合には溶融張力を増加できる。
エステル交換法とは、上記化合物を触媒の存在下もしくは非存在下で、減圧下及び/又は不活性ガスフロー下で加熱しながら溶融状態でエステル交換反応にて重縮合する方法をいい、その重合方法、装置等には制限はない。装置としては、例えば、攪拌槽型反応器、薄膜反応器、遠心式薄膜蒸発反応器、表面更新型二軸混練反応器、二軸横型攪拌反応器、濡れ壁式反応器、自由落下させながら重合する多孔板型反応器、ワイヤーに沿わせて落下させながら重合するワイヤー付き多孔板型反応器等を用いられる。本実施形態においては、これらを組み合わせることで段階的に重縮合反応を進め目的のポリカーボネートを製造できる。例えば分子量が低い溶融プレポリマーまでは攪拌槽型反応器で製造し、その得られた溶融プレポリマーを、自由落下させながら重合する多孔板型反応器や及びワイヤーに沿わせて落下させながら重合するワイヤー接触流下式重合器を使用して更に重合することが好ましい。特に溶融混合器の後に設置される重合器には、置換効率に優れるワイヤー接触流下式重合器を用いることが、切り替え後のロスが少なく好ましい。これらの製造方法についは、例えば米国特許第5589564号等を参照することができる。また、これらの反応器の材質に特に制限はないが、反応器の少なくとも内壁面を構成する材質は、通常ステンレススチールやニッケル、ガラス等から選ばれる。
エステル交換反応にて溶融重縮合を実施する温度は、50〜320℃が好ましい。反応の進行にともなって、芳香族モノヒドロキシ化合物が生成してくるが、これを反応系外へ除去する事によって反応速度が高められる。従って、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素や低級炭化水素ガス等、反応に悪影響を及ぼさない不活性なガスを導入して、生成してくる芳香族モノヒドロキシ化合物をこれらのガスに同伴させて除去する方法や、減圧下に反応を行う方法等が好ましく用いられる。好ましい反応圧力は、生成物の分子量によっても異なり、重合初期には10mmHg〜常圧が好ましく、重合後期には、20mmHg以下、特に10mmHg以下が好ましく、特に最終重合器においては5mmHg以下が好ましい。
以下、本実施形態の(A)工程、(B)工程、及び(C)工程について説明する。図1を用いて詳細に説明するが、本実施形態の製造方法は、これに限定されるものではない。
本実施形態の分岐ポリカーボネートの連続製造方法は、(A)芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとからエステル交換法により数平均分子量が1000〜10000の低分子量ポリカーボネートを製造する工程と、(B)低分子量ポリカーボネートに多官能化合物を液体状態で添加混合する工程と、(C)引き続き低分子量ポリカーボネートのメルトインデックス(MI)が10g/10min以下かつMIRが14以上になるまで重合反応を行う工程とからなる。
図1に示す分岐ポリカーボネートの製造システムは、攪拌槽型第一重合器3A,3Bを有する第一攪拌重合工程、攪拌槽型第二重合器3Cを有する第二攪拌重合工程、及び、攪拌槽型第三重合器3Dを有する第三攪拌重合工程、並びに、ワイヤー接触流下式第一重合器108Aを有する第一ワイヤー接触流下式重合工程、及び、ワイヤー接触流下式第二重合器108Bを有する第二ワイヤー接触流下式重合工程から構成される。
(A)工程は、3A及び3Bから、3C、3D、108Aまでの工程である。
攪拌槽型重合器3A〜3Dは、それぞれ、重合原料用入口1A,1B若しくはプレポリマー用入口1C,1D、ベント口2A〜2D、出口5A〜5D、及び、アンカー型攪拌翼を有する攪拌機6A〜6Dを備える。並列に設置された攪拌槽型第一重合器3A及び3Bに、重合原料のうち芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとが投入され、バッチ方式で第一攪拌重合工程が行われる。一般的にはこの段階で重合触媒が添加されるが、その後の工程で添加してもよい。生成した溶融プレポリマー4A及び4Bは、移送配管を通じて攪拌槽型第二重合器3Cに、プレポリマー用入口1Cから投入される。このとき、溶融プレポリマー4A及び4Bの移送には、移送経路の途中に設置された移送ポンプ8を必要に応じて使用してもよい。更に、第二攪拌重合工程で重合を進めた溶融プレポリマー4Cは、攪拌槽型第二重合器3Cの出口5Cに設けた移送ポンプ7Cにより押し出され、移送配管を通じて攪拌槽型第三重合器3Dに、プレポリマー用入口1Dから投入される。このように、第二及び第三攪拌重合工程は連続的に行われる。
第三攪拌重合工程で生成した溶融プレポリマー4Dは、攪拌槽型第三重合器3Dの出口5Dから移送ポンプ7Dにより押し出され、移送配管を通じて、ワイヤー接触流下式第一重合器108Aへ移送される。
次に、第一及び第二ワイヤー接触流下式重合工程が、ワイヤー接触流下式第一及び第二重合器108A,108Bにおいて連続的に行われる。ワイヤー接触流下式第一及び第二重合器108A,108Bにはそれぞれ、プレポリマー用入口101A,101B、多孔板102A,102B、ワイヤー状ガイド103A,103B、ガス供給ポート104A,104B、ベント口105A,105B、及び、出口107A,107Bが設けられている。
プレポリマー用入口101Aから投入された溶融プレポリマー4Dは、ワイヤーに接触して流下しながら重合が進行し、溶融プレポリマー109Aが、ワイヤー接触流下式第一重合器108A内の下部に蓄積する。ここで、溶融プレポリマー109Aの数平均分子量(Mn)が1000〜10000になるまで重合反応が進められる。数平均分子量としては好ましくは1500〜8000、より好ましくは2000〜7000である。Mnが1000以上であると、銘柄切り替え時のロスを小さくすることができ、10000以下であると、フィッシュアイが減少し、耐熱水性の低下が抑えられる傾向がある。溶融プレポリマー109Aは、出口107Aから移送ポンプ106Aにより押し出され、移送配管を通じて、ワイヤー接触流下式第二重合器108Bのプレポリマー用入口101Bへ移送される。なお、本実施形態において数平均分子量及び重量平均分子量の測定は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて行うことができる。
(B)工程は、上記(A)工程で得られた低分子量ポリカーボネートに多官能化合物を液体状態で添加混合する工程である。図1では出口107Aからプレポリマー用入口101Bまでの移送配管と、この移送配管の途中に設置された溶融混合機(ラインミキサー)110と、多官能化合物投入配管111が該当する。このケースでは多官能化合物が液体状態で、多官能化合物投入配管111を経由して溶融混合機110に投入され、ワイヤー接触流下式第一重合器108Aから移送されてくる溶融プレポリマー109Aと混合される。ここで解重合反応が起こる場合は、溶融混合機内で平衡に達するまで完結させてもよく、その後の移送配管中で完結させてもよい。また、この後に(C)工程があるため、必ずしも本工程で完全に解重合が平衡に達するまで反応させる必要はない。また、混合をより均一にするために、移送配管中にスタティックミキサー等の混合領域を設置することもできる。
(B)工程は、例えば図1のシステム中の出口5Dとプレポリマー用入口101Aとの途中にあってもよく、出口5Cとプレポリマー用入口1Dとの配管の途中にあってもよい。また、本実施形態の(B)工程においては、溶融混合機を用いることなく移送配管に直接多官能化合物を添加して、移送配管内やスタティックミキサー等の混合領域を設置することで反応(解重合反応が起こる場合は解重合反応も)を進めてもよい。また、溶融混合機として二軸押出機のような混練装置を用いることもできる。その場合には、多官能化合物を溶融状態で添加してもよく、粉体であれば溶剤に溶かした状態で添加してもよい。フィッシュアイの低減や耐熱水性の向上のためには多官能化合物を溶融状態や溶剤に溶かした状態で添加することが好ましく、溶剤に溶かした状態で添加することが特に好ましい。
本実施形態においては、溶融混合機に、多官能化合物を溶剤に溶解させた状態で添加することもできる。多官能化合物を溶解する溶剤としては、フェノール類、芳香族ジヒドロキシ化合物、炭酸ジエステル類、ケトン類、エーテル類、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの混合物及び反応物、並びに数平均分子量5000以下の低分子量ポリカーボネート等のプラント内に存在する化合物であることが好ましい。これらの溶剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの化合物を溶剤として用いると、得られる分岐ポリカーボネートのフィッシュアイが少なくなる。その理由は明確ではないが、これら化合物を溶剤として用いた場合には、ポリカーボネートの解重合を引き起こすので多官能化合物の分散がより進行するためではないかと推定している。その場合、ポリカーボネートの分子量が一旦解重合によって低下することになり、低下量が大きすぎると生産上好ましくないため、分子量低下の割合を50%未満、より好ましくは30%未満になるように溶剤量を決定することが好ましい。また、多官能化合物を溶解する溶剤としては、メタノール、エタノール、アセトン、塩化メチレン等の汎用溶剤に溶解させた状態で添加することもできる。
本実施形態において「多官能化合物を液体状態で」とは、上述のように、多官能化合物自体が溶融状態となっている状態、及び、多官能化合物を溶剤に溶解させた状態をいう。したがって、多官能化合物が液体状態となる温度は、使用する溶媒によって任意の温度を選択する事ができる。
また、本実施形態において「多官能化合物を液体状態で」とは、多官能化合物が溶媒及び/又はその他の成分と反応して溶けた状態となってもよい。ここで、その他の成分としては、多官能化合物と溶媒との反応を促進する触媒であってもよい。触媒は、溶媒によって任意のものを選択することができるし、重合時に用いる触媒を使用することもできる。
(C)工程は、引き続き低分子量ポリカーボネートの重合反応を進め、ポリカーボネートのMIが10g/10min以下かつ分岐指標MIRが14以上となるようにする工程である。図1ではワイヤー接触流下式第二重合器108Bに該当する。(C)工程の重合器の数は特に限定されないが、重合器の数が多いと、銘柄切り替えにおいて切り替え時間が多くなりロスが多くなるおそれがあるため、重合器は一つであることが好ましい。
ワイヤー接触流下式第二重合器108Bに投入された溶融プレポリマー109Aは、ワイヤー接触流下式第一重合器108Aと同様に、ワイヤーに接触して流下しがら重合が進行し、溶融ポリマー109Bが、ワイヤー接触流下式第二重合器108B内の下部に蓄積する。溶融ポリマー109Bは、出口107Bから排出ポンプ106Bにより排出され、分岐ポリカーボネートとして回収される。
ワイヤー接触流下式第二重合器108Bに投入された溶融プレポリマー109Aは、重合槽の温度にもよるが、より高分子量のポリマーを製造する程、プレポリマーの供給量を少なくして十分な重合時間を得ることが必要となる。したがって、分子量の高いポリマーの生産性は低下する。また、プレポリマーの供給が少ない場合、生産性以外の課題として品質の問題も出てくる。あまりにも供給量が遅いとワイヤーに一部残ったプレポリマーが滞留してフィッシュアイを増加させる原因にもなる。
従来の方法では、MI<5では生産性が低下する傾向にあり、MI<4では、生産性の低下に加え、フィッシュアイが増加する懸念がある。
本実施形態の方法では、ワイヤー1本あたりに特定量のプレポリマーを供給する事により生産性を上げ、品質を向上することができる。従来の方法では、高分子量のポリマーを作製するにはプレポリマーのワイヤー接触流下式第二重合器108Bへの供給量は制限される。これに対し、本実施形態の方法では、分岐剤を投入したプレポリマーを投入することにより、ワイヤー落下時のワイヤーへの保持が上がるといった予想し得ない効果を得ることができる。
具体的には、最終重合器であるワイヤー接触流下式第二重合器108Bへのプレポリマーの供給量は、8mのワイヤーを用いる場合、ワイヤー1本、単位時間(時間)当たりの量(kg)は、0.3〜3.0kg/(hr・本)が好ましく、0.4〜2.5kg/(hr・本)がより好ましく、0.5〜2.0kg/(hr・本)が更に好ましい。なお、ワイヤーへのプレポリマーの供給量は、ワイヤーの長さに比例する。
供給量が、0.3kg/(hr・本)未満だと生産性が悪くなり、一部のポリマーのワイヤーへの滞留による製品への影響(フィッシュアイの増加等)が生じることがある。また、3.0kg/(hr・本)を超える供給量では、滞留時間がプレポリマーのワイヤー接触時間が短くなり十分な分子量が得られ難くなる。
本実施形態において、十分なMIとMIRを得たり、色相やフィッシュアイの数を良好なものとしたりする観点から、(A)〜(C)工程を通しての反応温度は50〜320℃が好ましく、100〜300℃がより好ましく、130〜280℃が更に好ましく、150〜270℃が特に好ましい。このうち、(C)工程は250〜320℃が好ましく、250〜300℃がより好ましく、255〜280℃が更に好ましく、260〜270℃が特に好ましい。
本実施形態においては、下記式(I)で定義されるΔT(℃)の範囲が、得られる分岐ポリマーの衝撃強度、色相、ゲルの発生の面から、−20℃〜20℃であることが好ましい。
ΔT = T − T (I)
ここで、Tは(C)工程における最終重合器に導入される低分子量ポリカーボネートの温度(℃)を示し、Tは(C)工程における最終重合器により重合された分岐ポリカーボネートの温度(℃)を示し、Tは285℃以下である。
は、250℃〜285℃が好ましく、260℃〜275℃が更に好ましい。また、上記「最終重合器」とは、分岐ポリカーボネートのMIが10g/10min以下になるまで反応を行う重合器をいう。
一般的な溶融重合法では、本実施形態の(C)工程に相当する最終重合器内において分子量の増加と共にポリマーの粘度が上がっていくために、反応器の温度をかなり上げて粘度を下げる必要がある。本実施形態の方法では、最終重合器に縦型の重合器を用いることにより、これまで得ることのできなかった高粘度でありながら物性、品質に極めて優れた分岐ポリカーボネートを得ることが可能となる。
本実施形態において、MIはASTM D1238の方法で、温度300℃、荷重1.2kgで測定される。分岐指標MIRは同様に12kg荷重で測定した値をMI値で除したものである。本実施形態において(C)工程で得られる分岐ポリカーボネートはMIが10g/10min以下、好ましくは0.5〜8g/10min、より好ましくは1〜6g/10minであり、特に5ガロンボトルのような大型ボトルに用いる場合には2〜4g/10minが好ましい。この範囲よりも小さい場合には成形性が低下する傾向があり、10g/10minより大きい場合も成形性が低下する傾向がある。また分岐指標MIRは14以上、好ましくは15〜30、より好ましくは16〜25の範囲にある。14よりも小さい場合にはブロー成形性の改善が十分でなく成形不良や偏肉が発生しやすくなり、30より大きい場合にも成形不良や偏肉が発生しフィッシュアイの増大がみられる傾向がある。
(C)工程の後、得られた分岐ポリカーボネートは通常はペレット化されるが、そのまま成形機と連結してシートやボトル等の成形品を製造してもよい。更に、フィッシュアイを微細化したり除去したりするために、ろ過精度1〜50μm程度のポリマーフィルター等を設置してもよい。
本実施形態は、別の実施形態として、上記(A)工程に引き続き、メルトインデックスが100g/10min以下になるまで重合反応を行いポリカーボネートを製造する(D)工程を設けることができる。このような態様により、複数種のポリカーボネートを製造することができる。以下、(D)工程を備える態様について、図2を参照しながら説明する。
図2は、複数種のポリカーボネートを製造する製造システムの概略図である。当該製造システムは、攪拌槽型第一重合器3A,3Bを有する第一攪拌重合工程、攪拌槽型第二重合器3Cを有する第二攪拌重合工程、及び、攪拌槽型第三重合器3Dを有する第三攪拌重合工程、並びに、ワイヤー接触流下式第一重合器108Aを有する第一ワイヤー接触流下式重合工程、及び、ワイヤー接触流下式第二重合器108Bを有する第二ワイヤー接触流下式重合工程を備える点は、図1に示すシステムと同様である。本実施形態の複数種のポリカーボネートの製造方法では、これらに加え、ワイヤー接触流下式第三重合器108Cを有する第三ワイヤー接触流下式重合工程、移送ポンプ106A,106D、及び、分岐部120を備える。
(A)工程で製造された溶融プレポリマー109Aは、出口107Aから排出され、移送配管に入る。この移送配管は、(B)工程を行う装置及び(D)工程を行う装置へそれぞれ通じるように分岐された分岐部120を有している。出口107Aから流出してきた溶融プレポリマー109Aは、分岐部120において流れが分岐され、分岐されたそれぞれの下流において、(B)工程の入口である移送ポンプ106D及び/又は(D)工程の入口である移送ポンプ106Aにより押し出され、移送配管を通じて、ワイヤー接触流下式第二重合器108Bのプレポリマー用入口101B及び/又はワイヤー接触流下式第三重合器108Cのプレポリマー用入口101Cへ移送される。
移送ポンプ106Dが稼動している場合、上述の実施形態と同様に、(A)工程、(B)工程及び(C)工程により分岐ポリカーボネートが製造されることとなる。ここで、図2における移送ポンプ106Dから101Bまでの移送配管と、該移送配管途中に設置された溶融混合機(ラインミキサー)110と、多官能化合物投入配管111とが(B)工程に該当し、ワイヤー接触流下式第二重合器108Bから出口107Bまでが(C)工程に該当する。
移送ポンプ106Aが稼動している場合、第一及び第三ワイヤー接触流下式重合工程が、ワイヤー接触流下式第一及び第三重合器108A,108Cにおいて連続的に行われる。
(D)工程は、移送ポンプ106Aから、ワイヤー接触流下式第三重合器108Cを通じて、出口107Cまでが相当する。(D)工程では、移送ポンプ106Aの稼動によりワイヤー接触流下式第一重合器108Aの出口107Aから移送配管を通じて移送されてくる溶融プレポリマー109Aが、ワイヤー接触流下式第三重合器108Cのプレポリマー用入口101Cへ移送される。
ワイヤー接触流下式第三重合器108Cに投入された溶融プレポリマー109Aは、ワイヤー接触流下式第一重合器108Aと同様に、ワイヤーに接触して流下しがら重合が進行し、溶融ポリマー109Cが、ワイヤー接触流下式第三重合器108C内の下部に蓄積する。溶融ポリマー109Cは、出口107Cから排出ポンプ106Cにより排出され、ポリカーボネートとして回収される。
また(D)工程で得られるポリカーボネートはMIが100g/10min以下、好ましくは1〜90g/10min、より好ましくは5〜80g/10minであり、生産される銘柄によって決められる。MIが上記範囲内であると、機械的物性及び成形性に優れる。
図2に示す製造システムでは、多官能化合物を投入する溶融混合機110を有する(B)工程及びこれに続く(C)工程において分岐ポリカーボネートを製造し、(D)工程においてポリカーボネートを製造することができる。移送ポンプ106A,106Dの稼動具合を調整することにより、(B)工程及び(C)工程で製造される分岐ポリカーボネート、並びに、(D)工程で製造されるポリカーボネートの量を調整することができる。また、移送ポンプ106A,106Dのいずれか一方を停止すれば、(B)工程及び(C)工程、又は(D)工程で製造される所望のポリカーボネートのみを得ることができる。本実施形態はこのようにして、銘柄切り替えのロスを極めて小さくすることができる。なお、図2では1つの(A)工程に対して(B)工程及び(C)工程、並びに、(D)工程がそれぞれ1つずつ存在するが、それぞれが複数あってもよい。
本実施形態において、十分なMIとMIRを得たり、色相やフィッシュアイの数を良好なものとしたりする観点から、(A)工程、(B)工程、(C)工程及び(D)工程のいずれにおいても、反応温度は50〜320℃が好ましく、100〜300℃がより好ましく、130〜280℃が更に好ましく、150〜270℃が特に好ましい。このうち、(C)工程と(D)工程は、250〜320℃の範囲が好ましく、250〜300℃がより好ましく、255〜280℃が更に好ましく、260〜270℃が特に好ましい。
本実施形態の方法では、安定剤、酸化防止剤、染顔料、紫外線吸収剤、難燃剤等の添加剤や、ガラス繊維、フィラーとの強化剤等を含む分岐ポリカーボネート組成物を製造する場合には、(C)工程及び(D)工程の最終反応器から溶融状態のままで押出機やスタティックミキサー等に分岐ポリカーボネートを供給して、前述の添加剤等を添加・溶融混練してペレット化することが好ましい。
本実施形態の方法では、上記例(A)工程で添加されるように、重合触媒を使用することができる。使用する重合触媒としては、この分野で用いられているものであれば特に制限はないが、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物類;水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウム等のホウ素やアルミニウムの水素化物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、第四級アンモニウム塩類;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水素化合物類;リチウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カルシウムメトキシド等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルコキシド類;リチウムフェノキシド、ナトリウムフェノキシド、マグネシウムフェノキシド、LiO−Ar−OLi、NaO−Ar−ONa(ここでArはアリール基)等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のアリーロキシド類;酢酸リチウム、酢酸カルシウム、安息香酸ナトリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の有機酸塩類;酸化亜鉛、酢酸亜鉛、亜鉛フェノキシド等の亜鉛化合物類;酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリフェニル、(R)NB(R)で表されるアンモニウムボレート類、(R)PB(R)で表されるホスホニウムボレート類(式中、R、R、R、Rは各々独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、環を構成する炭素数が5〜10のシクロアルキル基、環を構成する炭素数が5〜10の炭素環式芳香族基、又は、炭素数6〜10の炭素環式アラルキル基を示す。)等のホウ素の化合物類;酸化ケイ素、ケイ酸ナトリウム、テトラアルキルケイ素、テトラアリールケイ素、ジフェニル−エチル−エトキシケイ素等のケイ素の化合物類;酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムエトキシド、ゲルマニウムフェノキシド等のゲルマニウムの化合物類;酸化スズ、ジアルキルスズオキシド、ジアルキルスズカルボキシレート、酢酸スズ、エチルスズトリブトキシド等のアルコキシ基又はアリーロキシ基と結合したスズ化合物、有機スズ化合物等のスズの化合物類;酸化鉛、酢酸鉛、炭酸鉛、塩基性炭酸塩、鉛及び有機鉛のアルコキシド又はアリーロキシド等の鉛の化合物;第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、第四級アルソニウム塩等のオニウム化合物類;酸化アンチモン、酢酸アンチモン等のアンチモンの化合物類;酢酸マンガン、炭酸マンガン、ホウ酸マンガン等のマンガンの化合物類;酸化チタン、チタンのアルコキシド又はアリーロキシド等のチタンの化合物類;酢酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、ジルコニウムのアルコキシド又はアリーロキシド、ジルコニウムアセチルアセトン等のジルコニウム化合物類等の触媒を挙げることができる。触媒を用いる場合、これらの触媒は1種だけで用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの触媒の使用量は、原料の芳香族ジヒドロキシ化合物100重量部に対して、通常10−8〜1重量部、好ましくは10−7〜10−1重量部の範囲で選ばれる。
本実施形態の方法で製造される分岐ポリカーボネートは、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を主鎖及び分岐鎖に有する。
Figure 0005284540
本実施形態の方法で製造される分岐ポリカーボネートは、主鎖及び分岐鎖に直接結合した多官能化合物由来の分岐構造(a)と共に、下記一般式(2),(3)及び(4)で表される分岐構造からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む分岐構造(b)を含有することができる。
本実施形態の方法で製造される分岐ポリカーボネートは、上記一般式(1)で表される繰り返し単位の物質量に対する分岐構造(a)と下記一般式(2)、(3)及び(4)で表される分岐構造(b)の合計物質量の割合が0.2〜1.0モル%であることが好ましく、0.3〜0.9モル%であることがより好ましく、0.3〜0.8モル%であることが更に好ましい。1.0モル%より多い場合にはフィッシュアイの増加及び耐衝撃性や機械的強度の低下が起こり、0.2モル%より少ない場合には成形性の改善効果が小さくなる傾向にある。ここで上記各「物質量」とは、当該分岐ポリカーボネートを加水分解したときに生じる、それぞれの構造由来の成分の物質量をいう。
Figure 0005284540
Figure 0005284540
Figure 0005284540
(式中、Arは2価の芳香族残基、Ar’は3価の芳香族残基を示す。)
上記一般式(1)及び(3)におけるArもHO−Ar−OHで示されるArと同義である。更に、上記一般式(2)、(3)及び(4)におけるAr’は、分岐の開始点に存在すべき置換基(例えば−COO−)が結合するために、Arから更に一つの水素原子等が除かれた、3価の芳香族残基を示す。
また、本実施形態の方法で製造される分岐ポリカーボネートは、上記分岐構造(a)と分岐構造(b)との合計物質量に対する分岐構造(b)の物質量の比が0.1〜0.6であり、好ましくは0.2〜0.6であり、更に好ましくは0.3〜0.6である。0.6を超えると耐熱水性が低下する傾向があり、0.1を下回る場合は、MIRが小さく溶融張力の増加が小さくなる傾向がある。
また、上記一般式(2)〜(4)で表される分岐構造(b)の物質量に対する上記一般式(2)で表される分岐構造の物質量の比が0.5以上であり、好ましくは0.85以上であり、より好ましくは0.9以上である。0.5を下回る場合は、耐衝撃性、機械的強度が低下し、フィッシュアイが多くなる傾向がある。
なお、本明細書において「主鎖」とは、原料として使用する芳香族ジヒドロキシ化合物及び炭酸ジエステルとがエステル交換反応により縮合して形成されたポリマー鎖をいう。この場合において、多官能化合物によって分岐されている部分(「分岐構造(a)」)では、複数存在する分岐鎖のうち、分岐した先の部分が最も長い分岐鎖を選択し、これを主鎖として位置づける。
本明細書において、「分岐構造(a)」とは、多官能化合物によって分岐された分岐構造をいう。例えば、多官能化合物として1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンを用いた場合、下記式で示される構造が「分岐構造(a)」となり、分岐構造(a)の物質量としては加水分解された1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが定量される。
Figure 0005284540
本明細書において、「分岐構造(b)」とは、主鎖に対して、分岐ポリカーボネートの製造過程で(例えばフリース転位反応により)自然発生的に生成した分岐構造をいう。
本実施形態により製造される分岐ポリカーボネートは、実質的に塩素原子を含有していないことが好ましい。国際公開第2005/121210号パンフレット等に記載されているように、本エステル交換法では、実質的に塩素原子を含有していない芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルと多官能化合物とから分岐ポリカーボネートを製造した場合には、塩素を含有する他の化合物を添加しない限り、塩素原子含有量が10ppb以下、好ましくは1ppb以下の分岐ポリカーボネートを得ることができる。
本実施形態により製造される分岐ポリカーボネートは、厚さ50μm、幅30cmのフィルムを成形したとき、任意の箇所における長さ1m中、大きさが300μm以上のフィッシュアイの数が100個以下であり、好ましくは80個以下、更に好ましくは50個以下である。
本実施形態により製造される分岐ポリカーボネートの色相(b値)は、0〜3.0であり、好ましくは0〜2.5、更に好ましくは0〜1.5である。上記範囲を超えると、分岐ポリカーボネートが黄色味を帯びて見え、見た目が悪い。また必要に応じて、ブルーイング剤等の着色剤で黄色味を補正することも可能であるが、透明感への配慮が必要である。
本実施形態により製造される分岐ポリカーボネートの色相の測定は、バレル温度300℃、金型温度90℃で、厚さ3.2mmの平板を射出成形し、コニカミノルタ社製 CR−400を用い、白色校正板の上に載せて測定径8mmで反射法で測定し、白色校正板とのb値の差(平板のb値=平板を白色校正板に載せての測定値−白色校正板の測定値)で求めることができる。
本実施形態により製造される分岐ポリカーボネート中の分岐構造(a)及び(b)は、該分岐ポリカーボネートを完全加水分解して、逆相液体クロマトグラフィーを用いて定量することができる。ポリカーボネートの加水分解はPolymer Degradation and Stability 45(1994),127〜137 に記載されているような常温での加水分解法が、操作が容易で分解過程での副反応もなく、完全にポリカーボネートを加水分解できるので好ましく、本実施形態においては室温(25℃)で行うことができる。
本実施形態の分岐ポリカーボネートの連続製造方法には、必要に応じて着色剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、帯電防止剤、可塑剤等を添加して用いてもよい。更に、これら添加剤等は、重合終了後のポリカーボネート系樹脂が溶融状態の間に添加してもよいし、ポリカーボネートを一旦ペレタイズした後、添加剤を添加再溶融混練してもよい。
また、エステル交換法では上記一般式(2)〜(4)に示されるような分岐構造(b)が自然発生的に生成することが知られている。本実施形態においては、分岐ポリカーボネート中に当該分岐構造が存在してもよい。その場合、当該分岐構造(b)の量に応じて、多官能化合物由来の使用量を少なくしてもよい。その場合、官能化合物由来の分岐構造(a)とエステル交換法で自然発生する上記一般式(2)〜(4)の分岐構造(b)の合計物質量が一般式(1)で表される繰り返し単位の物質量に対して0.2〜1.0モル%であり、0.2〜0.9モル%であることが好ましく、0.3〜0.8モル%であることがより好ましい。1.0モル%より多い場合にはフィッシュアイの増加が起こる傾向があり、0.2モル%より少ない場合にはMIRが小さく溶融張力の増加が小さくなる傾向がある。
芳香族ジヒドロキシ化合物として代表的なビスフェノールAを用いた場合には、上記一般式(2)〜(4)は下記式(9)〜(11)となる。
Figure 0005284540
Figure 0005284540
Figure 0005284540
これらの分岐構造は、分岐ポリカーボネートを完全加水分解して、逆相液体クロマトグラフィーを用いて定量することができる。本実施形態により製造される分岐ポリカーボネートは、分岐構造(a)と分岐構造(b)との合計物質量に対する分岐構造(b)の物質量の比が0.1〜0.6である。また、分岐構造(b)の物質量に対する上記一般式(2)で表される分岐構造の物質量の比が0.85以上であり、0.9以上がより好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
各項目の評価は以下の方法で測定した。
(1)分子量
(1−a)数平均分子量:ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー (東ソー社製HLC−8320GPC、TSK−GEL Super Multipore HZ−M 2本、RI検出器)を用いて、溶離液テトラヒドロフラン、温度40℃で測定した。分子量は、標準単分散ポリスチレン(VARIAN社製EasiVial)の較正曲線から下式による換算分子量較正曲線を用いて求めた。
PC=0.3591MPS 1.0388
(式中、MPCはポリカーボネートの分子量、MPSはポリスチレンの分子量である。)
(1−b)重量平均分子量:ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(東ソー社製HLC−8320GPC、TSK−GEL Super Multipore HZ−M 2本、RI検出器)、溶離液=テトラヒドロフラン、インジェクション量=5マイクロリットル、測定温度=40℃、検出器=RI検出器。
測定サンプルの調整=10mgの分岐ポリカーボネートを10ミリリットルの塩化メチレンに溶解した。分子量は、標準単分散ポリスチレン(EasiVial (RED, YELLOW, GREEN) VARIAN社製)の較正曲線から下式による換算分子量較正曲線を用いて求めた。
PC=0.3591MPS 1.0388
(MPCはポリカーボネートの分子量、MPSはポリスチレンの分子量である。)
(2)MI,MIR:MI(メルトインデックス)はASTM D1238の方法で、温度300℃、荷重1.2kgで測定した。MIR(分岐指標)は同様の方法で12kg荷重で測定した値をMI値で除して求めた。
(3)色相:バレル温度300℃、金型温度90℃で、15cm×15cm×厚さ3.2mmの平板を射出成形し、コニカミノルタ社製 CR−400を用いて標準白版とのb値との差(Δb)を求めた。
(4)フィッシュアイ:フィルム成形機(田辺プラスチック機械社製、30mmφ単軸押出機、スクリュー回転数100rpm、吐出量10kg/hr、バレル温度280℃、Tダイ温度260℃、ロール温度120℃)で厚さ50μm、幅30cmのフィルムを成形し、任意の長さ1m中の、大きさが300μm以上のフィッシュアイの数を目視で数えた。
(5)グレード切り替え完了までの時間:分岐ポリカーボネートを製造した後に多官能化合物の供給を停止して、MIが10g/10minのポリカーボネートの製造に切り替えた後、得られるポリカーボネートのフィッシュアイを1時間毎に測定して測定値が1以下になるまでの時間を求めた。
(6)分岐構造の量:ポリカーボネート55mgをテトラヒドロフラン2mlに溶解した後、5規定の水酸化カリウムメタノール溶液を0.5ml添加し、25℃で2時間攪拌して完全に加水分解した。その後、濃塩酸0.3mlを加え、逆相液体クロマトグラフィー(LC−1100 Agilent社製)で測定した。逆相液体クロマトグラフィーは、Inertsil ODS−3カラム(GLサイエンス社製)、溶離液としてメタノールと0.1%リン酸水溶液からなる混合溶離液を用い、カラムオーブンは40℃、メタノール/0.1%リン酸水溶液比率を20/80からスタートし100/0までグラジエントする条件下で測定し、検出は波長300nmのUV検出器を用いて行い定量した。
(7)耐熱水性:上記(3)で成形した平板を95℃の熱水中に300時間浸漬後に取り出し、23℃で50RH%に保たれた恒温恒湿室に放置した。24時間後に、クレーズの発生を目視で確認した。A:クレーズの発生無し、B:1〜9個発生、C:10個以上発生。
(8)耐衝撃強度
日精ASB社製インジェクションブロー成形機 ASB−650EXHSを使用して、バレル温度295℃、金型温度コア60℃、キャビティ30℃で、5ガロン水ボトル(直径約25cm、高さ約50cm)を射出ブロー成形した。
(8−a)ボトル強度:上記のように成形した水ボトルに水を満たし、同じボトルを1.5mの高さより、上、下、斜め上、斜め下の4方向より落下させて割れの有無を評価した。(A:割れ無し、C:割れあり)
(8−b)シャルピー強度:ISO 306に準拠し、バレル温度300℃、金型温度90℃で試験片を射出成形で作成し、ノッチ入りで試験した。
<実施例1>
図1に示す製造システムを用いて、分岐ポリカーボネートを製造した。攪拌槽型第一重合器3A及び3Bは内容積100リットルでアンカー型攪拌翼を有する攪拌機6A,6Bを備える。攪拌槽型第二重合器3C及び攪拌槽型第三重合器3Dは容積50リットルでアンカー型攪拌翼を有する攪拌機6C,6Dを備える。ワイヤー接触流下式第一及び第二重合器108A,108Bは、孔を5個有する多孔板102A,孔を3個有する多孔板102Bと1mm径長さ8mのSUS316L製ワイヤー状ガイド103A,103Bを保有する。攪拌槽型第一重合器3A及び3Bは交互に切り替えて使用され、攪拌槽型第二重合器3C以降は連続で使用される。
芳香族ジヒドロキシ化合物としてのビスフェノールA及び炭酸ジエステルとしてのジフェニルカーボネート(対ビスフェノールAモル比1.06)よりなる重合原料80kgと、触媒としてビスフェノールAのジナトリウム塩(ナトリウム原子換算で、重合原料中のビスフェノールAに対して75重量ppb)とを、重合原料用入口1Aから撹拌槽型第一重合器3Aに仕込んだ。反応温度は180℃、反応圧力は大気圧で、窒素ガス流量は1リットル/hrで攪拌した。4時間後出口5Aを開き、溶融プレポリマー4Aを流量7リットル/hrで撹拌槽型第二重合器3Cへ供給した。
その後、攪拌槽型第一重合器3Aと同様に攪拌槽型第一重合器3Bを運転して、溶融プレポリマー4Bを得た。攪拌槽型第一重合器3Aが空になった後、攪拌槽型第一重合器3Aの出口5Aを閉じて攪拌槽型第一重合器3Bの出口5Bを開き、溶融プレポリマー4Bを流量7リットル/hrで攪拌槽型第一重合器3Bから攪拌槽型第二重合器3Cに供給した。これを繰り返すことで、溶融プレポリマー4A及び4Bを交互に攪拌槽型第二重合器3Cに連続的に供給した。
攪拌槽型第二重合器3Cは反応温度230℃、反応圧力13.0kPaに保持され、溶融プレポリマー4Cを得た。溶融プレポリマー4Cの容量が20リットルに達した後、内容量20リットルを一定に保つように、溶融プレポリマー4Cの一部を連続的に抜き出し攪拌槽型第三重合器3Dに供給した。
攪拌槽型第三重合器3Dは反応温度265℃、反応圧力2.6kPaに保持され、溶融プレポリマー4Dを得た。溶融プレポリマー4Dの容量が20リットルに達した後、内容量20リットルを一定に保つように、溶融プレポリマー4Dの一部を抜き出し連続的にワイヤー接触流下式第一重合器108Aに供給した。
ワイヤー接触流下式第一重合器108Aは反応温度265℃、反応圧力400Paに保持され、溶融プレポリマー109Aを得た。溶融プレポリマー109Aの容量が10リットルに達した後、10リットルの容量を保つように、溶融プレポリマー109Aの一部を抜き出しラインミキサー110を経由してワイヤー接触流下式第二重合器108Bに連続的に供給した。溶融プレポリマー109Aの数平均分子量は7500であった。
温度が265℃、回転数が15rpmに保たれたラインミキサー110に、多官能化合物1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン及び溶剤としてのフェノールを均一に溶解した溶液(多官能化合物/フェノール=1/1.5の重量比で混合)を、溶融プレポリマー109A中のビスフェノールA骨格に対して多官能化合物がモル比0.004になる量で配管111から180℃の温度で供給した。ワイヤー接触流下式第二重合器108Bに入る直前の溶融プレポリマーの数平均分子量を測定したところ4000であった。
ワイヤー接触流下式第二重合器108Bは反応温度265℃、反応圧力118Paに保たれ、分岐ポリカーボネートを得た。分岐ポリカーボネートの容量が10リットルに達した後、10リットルの容量を保つように、排出ポンプ106Bを用い出口107Bからストランドとして連続的に抜き出し、冷却後切断してペレット状の分岐ポリカーボネートを得た。得られた分岐ポリカーボネートの評価結果を表1に示す。なお、表1〜3中、Tは最終重合器に導入される低分子量ポリカーボネートの温度(℃)を示し、Tは最終重合器で重合された分岐ポリカーボネートの温度(℃)を示す。ΔTは、0℃であった。
<実施例2>
実施例1の溶剤を、アセトンとフェノールとを均一に溶解した溶液(多官能化合物/アセトン/フェノール=1/2.5/0.1 の重量比で混合)に変更した。均一に溶解した溶液は、配管111から40℃の温度でラインミキサー110に供給した。ワイヤー接触流下式第一重合器108Aは反応温度265℃、反応圧力790Paに保持され、溶融プレポリマー109Aを得た。溶融プレポリマー109Aの数平均分子量は5500であった。ワイヤー接触流下式第二重合器108Bに入る直前の溶融プレポリマーの数平均分子量を測定した所4200であった。なお、最終重合器におけるワイヤー一本当たりの溶融プレポリマーの流量が表1に示す値となるように、(A)工程における溶融プレポリマーの供給速度を調節した。のこれらの変更以外は実施例1と同様に実施した。得られた分岐ポリカーボネートの評価結果を表1に示す。ΔTは、0℃であった。
<実施例3>
実施例2の溶剤を数平均分子量2500のプレポリマーに変更した。分岐剤とプレポリマーの重量混合比は、1:2とした。均一に溶解した溶液は、配管111から180℃の温度でラインミキサー110に供給した。溶融プレポリマー109Aの数平均分子量は5700であった。ワイヤー接触流下式第二重合器108Bに入る直前の溶融プレポリマーの数平均分子量を測定した所4900であった。なお、最終重合器におけるワイヤー一本当たりの溶融プレポリマーの流量が表1に示す値となるように、(A)工程における溶融プレポリマーの供給速度を調節した。これらの変更以外は実施例2と同様に実施した。得られた分岐ポリカーボネートの評価結果を表1に示す。ΔTは、0℃であった。
<実施例4>
実施例2の溶剤をジフェニルカーボネート(DPC)とビスフェノールA(BPA)に変更した。均一に溶解した溶液は、配管111から180℃の温度でラインミキサー110に供給した。分岐剤とDPCとBPAの重量混合比は、1.5:0.5:1とした。更に触媒としてビスフェノールAのジナトリウム塩(ナトリウム原子換算で、重合原料中のビスフェノールAに対して75重量ppb)を添加した。溶融プレポリマー109Aの数平均分子量は5700であった。ワイヤー接触流下式第二重合器108Bに入る直前の溶融プレポリマーの数平均分子量を測定した所4200であった。なお、最終重合器におけるワイヤー一本当たりの溶融プレポリマーの流量が表1に示す値となるように、(A)工程における溶融プレポリマーの供給速度を調節した。これらの変更以外は実施例2と同様に実施した。得られた分岐ポリカーボネートの評価結果を表1に示す。ΔTは、0℃であった。
<実施例5>
実施例2の溶剤をDPCに変更した。分岐剤とDPCの重量混合比は、1:0.67とした。均一に溶解した溶液は、配管111から180℃の温度でラインミキサー110に供給した。溶融プレポリマー109Aの数平均分子量は5700であった。ワイヤー接触流下式第二重合器108Bに入る直前の溶融プレポリマーの数平均分子量を測定した所4000であった。なお、最終重合器におけるワイヤー一本当たりの溶融プレポリマーの流量が表1に示す値となるように、(A)工程における溶融プレポリマーの供給速度を調節した。これらの変更以外は実施例2と同様に実施した。得られた分岐ポリカーボネートの評価結果を表1に示す。ΔTは、0℃であった。
<実施例6>
多官能化合物の溶剤としてアセトンを用い、ラインミキサー110に投入する代わりに、攪拌槽型第三重合器3Dに投入した。なお、最終重合器におけるワイヤー一本当たりの溶融プレポリマーの流量が表1に示す値となるように、(A)工程における溶融プレポリマーの供給速度を調節した。これらの変更以外は実施例2と同様に実施した。若干MI変動が見られたものの、安定に分岐ポリカーボネートが製造できた。得られた分岐ポリカーボネートの評価結果を表1に示す。ΔTは、0℃であった。
<実施例7>
実施例2の多官能化合物を4−[4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−α,α−ジメチルベンジル]フェノールとし溶剤をアセトンに変更した。ワイヤー接触流下式第一重合器108Aは反応温度265℃、反応圧力1000Paに保持され、溶融プレポリマー109Aを得た。なお、最終重合器におけるワイヤー一本当たりの溶融プレポリマーの流量が表1に示す値となるように、(A)工程における溶融プレポリマーの供給速度を調節した。これらの変更以外は実施例2と同様に実施した。得られた分岐ポリカーボネートの評価結果を表2に示す。ΔTは、−0.2℃であった。
<実施例8>
溶剤としてフェノールを使用した(多官能化合物/フェノール=6/4の重量比で混合)こと、図1のワイヤー接触流下式第二重合器の出口107Bの後ろに、ベント付き二軸押出機(池貝鉄鋼社製PCM30mm、L/D30、温度265℃)を設置し、多官能化合物1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールA骨格に対してモル比0.004)をラインミキサー110から供給せずに、上記二軸押出機のベント口から粉体状で投入したこと以外は実施例2と同様に実施した。得られた分岐ポリカーボネートの評価結果を表2に示す。なお、最終重合器におけるワイヤー一本当たりの溶融プレポリマーの流量が表1に示す値となるように、(A)工程における溶融プレポリマーの供給速度を調節した。ΔTは、25℃であった。
<比較例1>
図1のワイヤー接触流下式第二重合器の出口107Bの後ろに、ベント付き二軸押出機(池貝鉄鋼社製PCM30mm、L/D30、温度265℃)を設置し、多官能化合物1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールA骨格に対してモル比0.004)をラインミキサー110から供給せずに、上記二軸押出機のベント口から粉体状で投入したこと以外は実施例2と同様に実施した。得られた分岐ポリカーボネートの評価結果を表3に示す。なお、最終重合器におけるワイヤー一本当たりの溶融プレポリマーの流量が表1に示す値となるように、(A)工程における溶融プレポリマーの供給速度を調節した。ΔTは、0℃であった。
<比較例2>
図1において、ラインミキサー110をベント付き単軸押出機に交換し、107Aからの配管を単軸押出機の供給口に繋ぎ、単軸押出機の出口を101Bへの配管に接続した。多官能化合物1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールA骨格に対してモル比0.004)を上記単軸押出機のベント口から粉体状で投入したこと以外は実施例2と同様に実施した。得られた分岐ポリカーボネートの評価結果を表3に示す。なお、最終重合器におけるワイヤー一本当たりの溶融プレポリマーの流量が表1に示す値となるように、(A)工程における溶融プレポリマーの供給速度を調節した。ΔTは、0℃であった。
<比較例3>
図1において、ラインミキサー110をベント付き二軸押出機(池貝鉄鋼社製PCM30mm、L/D30、温度265℃)に交換し、107Aからの配管を二軸押出機の供給口に繋ぎ、二軸押出機の出口を横型重合反応器(図示せず)の供給口に接続した。多官能化合物1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールA骨格に対してモル比0.004)を上記二軸押出機のベント口から常温で投入した。更に二軸押出機に連結する最終重合器を重合器108Bの代わりに横型重合反応器を設置して最終重合を実施した。横型重合反応器の温度は、320℃に設定した。これらの変更以外は実施例2と同様に実施した。得られた分岐ポリカーボネートの評価結果を表3に示す。ΔTは、30℃であった。
<比較例4>
図1において、ラインミキサー110をベント付き二軸押出機(池貝鉄鋼社製PCM30mm、L/D30、温度265℃)に交換し、107Aからの配管を二軸押出機の供給口に繋ぎ、二軸押出機の出口を横型重合反応器(図示せず)の供給口に接続した。多官能化合物1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールA骨格に対してモル比0.004)とDPCを上記二軸押出機のベント口から常温で投入した。分岐剤とDPCの重量比は1:0.6とした。更に二軸押出機に連結する最終重合器を重合器108Bの代わりに横型重合反応揮を設置して最終重合を実施した。横型重合反応器の温度は、320℃に設定した。これらの変更以外は実施例2と同様に実施した。得られた分岐ポリカーボネートの評価結果を表3に示す。ΔTは、25℃であった。
<比較例5>
実施例2において多官能化合物と溶剤の添加を行わなかった。MI=3の高分子ポリマーを作製するために、最終重合器108Bへの供給量を極端に少なくし、ワイヤー1本当たりの供給量を0.2kg/hr・本とした。103Bでの滞留時間を長くする事でMI=3の高分子ポリマーが出来たが、フィッシュアイの多いポリマーが得られた。また、生産性も実施例2の場合に比べてかなり悪かった。
<実施例9>
図2に示す製造システムを用いて、分岐ポリカーボネートを製造した。攪拌槽型第一重合器3A及び3Bは内容積100リットルでアンカー型攪拌翼を有する攪拌機6A,6Bを備える。攪拌槽型第二重合器3C及び攪拌槽型第三重合器3Dは容積50リットルでアンカー型攪拌翼を有する攪拌機6C,6Dを備える。ワイヤー接触流下式第一及び第二重合器108A,108Bは、孔を5個有する多孔板102A,孔を3個有する多孔板102Bと1mm径長さ8mのSUS316L製ワイヤー状ガイド103A,103Bを保有する。攪拌槽型第一重合器3A及び3Bは交互に切り替えて使用され、攪拌槽型第二重合器3C以降は連続で使用される。
芳香族ジヒドロキシ化合物としてのビスフェノールAと炭酸ジエステルとしてのジフェニルカーボネート(対ビスフェノールAモル比1.07)よりなる重合原料80kg、触媒としてビスフェノールAのジナトリウム塩(ナトリウム原子換算で、重合原料中のビスフェノールAに対して50重量ppb)を撹拌槽型第一重合器3Aに仕込んだ。反応温度は185℃、反応圧力は大気圧で、窒素ガス流量は1リットル/hrで行った。4時間後出口5Aを開き、溶融プレポリマー4Aを、最終重合器におけるワイヤー一本当たりの溶融プレポリマーの流量が表2に示す値となるような流量で、撹拌槽型第二重合器3Cへ供給した。
その後、攪拌槽型第一重合器3Aと同様に攪拌槽型第一重合器3Bを運転して、溶融プレポリマー4Bを得た。攪拌槽型第一重合器3Aが空になった後、攪拌槽型第一重合器3Aの出口5Aを閉じて攪拌槽型第一重合器3Bの出口5Bを開き、溶融プレポリマー4Bを、最終重合器におけるワイヤー一本当たりの溶融プレポリマーの流量が表2に示す値となるような流量で、攪拌槽型第一重合器3Bから攪拌槽型第二重合器3Cに供給した。これを繰り返すことで、溶融プレポリマー4A及び4Bを交互に攪拌槽型第二重合器3Cに連続的に供給した。
攪拌槽型第二重合器3Cは反応温度232℃、反応圧力12.8kPaに保持され、溶融プレポリマー4Cを得た。溶融プレポリマー4Cの容量が20リットルに達した後、内容量20リットルを一定に保つように、溶融プレポリマー4Cの一部を連続的に抜き出し攪拌槽型第三重合器3Dに供給した。
攪拌槽型第三重合器3Dは反応温度266℃、反応圧力2.5kPaに保持され、溶融プレポリマー4Dを得た。溶融プレポリマー4Dの容量が20リットルに達した後、内容量20リットルを一定に保つように、溶融プレポリマー4Dの一部を抜き出し連続的にワイヤー接触流下式第一重合器108Aに供給した。
ワイヤー接触流下式第一重合器108Aは反応温度266℃、反応圧力770Paに保持され、溶融プレポリマー109Aを得た。溶融プレポリマー109Aの容量が10リットルに達した後、10リットルの容量を保つように、溶融プレポリマー109Aの一部を抜き出た。溶融プレポリマー109Aの数平均分子量は5000であった。抜き出された溶融プレポリマー109Aは、1/2量をラインミキサー110を経由してワイヤー接触流下式第二重合器108Bに連続的に供給し、1/2量をワイヤー接触流下式第三重合器108Cに連続的に供給した。
温度が266℃、回転数が15rpmに保たれたラインミキサー110に、多官能化合物1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン及び溶剤としてのフェノールを重量比6:4として均一に溶解した溶液を、溶融プレポリマー109A中のビスフェノールA骨格に対して多官能化合物がモル比0.003になる量で配管111から185℃の温度で供給した。ワイヤー接触流下式第二重合器108Bに入る直前の溶融プレポリマーの数平均分子量を測定したところ4400であった。
ワイヤー接触流下式第二重合器108Bは反応温度266℃、反応圧力122Paに保たれ、分岐ポリカーボネートを得た。分岐ポリカーボネートの容量が10リットルに達した後、10リットルの容量を保つように、排出ポンプ106Bを用い出口107Bからストランドとして連続的に抜き出し、冷却後切断してペレット状の分岐ポリカーボネート得た。得られた分岐ポリカーボネートの評価結果を表3に示す。
ワイヤー接触流下式第三重合器108Cは反応温度266℃、反応圧力135Paに保たれ、ポリカーボネート得た。ポリカーボネートの容量が10リットルに達した後、10リットルの容量を保つように、排出ポンプ106Cを用い出口107Cからストランドとして連続的に抜き出し冷却後切断して、MI10g/10minで色相0.6、フィッシュアイの測定値が0のペレット状の直鎖状のポリカーボネートを得た。50時間連続運転した後、106Aと106Dの流量比を50:50にすることで、分岐ポリカーボネートと直鎖ポリカーボネートとの生産比率を変更し、銘柄切り替えロスなく生産量を制御し、複数種のポリカーボネートを同時に生産した。得られた分岐ポリカーボネートの評価結果を表2に示す。
Figure 0005284540
Figure 0005284540
Figure 0005284540
本発明の製造方法は、銘柄切り替え時のロスを少なくすることができるとともに、色相及び耐熱水性に優れ、フィッシュアイが少ない分岐ポリカーボネートをエステル交換法で製造するものであり、MIRが大きく、押出用途やブロー成形性に優れた分岐ポリカーボネートを提供することができる。
1A,1B…重合原料用入口、1C,1D…プレポリマー用入口、2A,2B,2C,2D,105A,105B,105C…ベント口、3A,3B…攪拌槽型第一重合器、3C…攪拌槽型第二重合器、3D…攪拌槽型第三重合器、4A,4B,4C,4D,109A…溶融プレポリマー、5A,5B,5C,5D,107A,107B,107C…出口、6A,6B,6C,6D…攪拌機、7C,7D,8,106A…移送ポンプ、101A,101B,101C…プレポリマー用入口、102A,102B,102C…多孔板、103A,103B,103C…ワイヤー状ガイド、104A,104B,104C…ガス供給ポート、106B,106C…排出ポンプ、108A…ワイヤー接触流下式第一重合器、108B…ワイヤー接触流下式第二重合器、108C…ワイヤー接触流下式第三重合器、109B,109C…溶融ポリマー、110…溶融混合機(ラインミキサー)、111…多官能化合物投入配管、120…分岐部。

Claims (8)

  1. (A)芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとからエステル交換法により数平均分子量が1000〜10000の低分子量ポリカーボネートを製造する工程と、
    (B)前記低分子量ポリカーボネートに、炭酸ジエステルに対する反応性のある官能基を分子中に3つ以上有する多官能化合物を液体状態で添加混合する工程と、
    (C)引き続き前記低分子量ポリカーボネートのメルトインデックスが10g/10min以下かつ分岐指標が14以上になるまで重合反応を行い、分岐ポリカーボネートを製造する工程と、
    を含む分岐ポリカーボネートの連続製造方法。
  2. 下記式(I)で定義されるΔT(℃)の範囲が−20℃〜20℃以下ある、請求項1に記載の方法。
    ΔT = T − T (I)
    [式中、Tは前記(C)工程における最終重合器に導入される低分子量ポリカーボネートの温度(℃)を示し、Tは前記(C)工程における前記最終重合器により重合された分岐ポリカーボネートの温度(℃)を示し、Tは285℃以下である。]
  3. 前記多官能化合物は、溶剤に溶解した状態で、前記(A)工程を行う装置と前記(C)工程を行う装置との間の配管途中に設置された溶融混合機に添加される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記溶剤が、フェノール類、炭酸ジエステル類、ケトン類、エーテル類、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの混合物及び反応物、並びに数平均分子量5000以下の低分子量ポリカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記溶剤が、解重合溶剤である、請求項3又は4に記載の方法。
  6. 前記(A)工程に引き続き、(D)メルトインデックスが100g/10min以下になるまで重合反応を行い、ポリカーボネートを製造する工程を更に含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記(A)工程を行う装置は、前記(C)工程を行う装置及び前記(D)工程を行う装置へそれぞれ通じるように分岐された分岐部を有する配管を介して、前記(C)工程を行う装置及び前記(D)工程を行う装置と接続されており、
    前記多官能化合物は、前記分岐部と前記(C)工程を行う装置との間の配管途中に設置された溶融混合機に添加される、請求項6に記載の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法で製造される分岐ポリカーボネート。
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