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JP5284866B2 - ビニルシクロプロパン化合物を含む感光性組成物 - Google Patents
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JP5284866B2 - ビニルシクロプロパン化合物を含む感光性組成物 - Google Patents

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本発明は、ビニルシクロプロパン化合物を含む感光性組成物に関する。
本発明のビニルシクロプロパン化合物を含む感光性組成物は、特にホログラム光記録媒体の材料として好適である。
従来より、ホログラフの原理を用いたホログラム光記録媒体の開発が進められている。これらのホログラム光記録媒体への情報の記録は、イメージ情報を含んだ情報光と参照光とを感光性組成物からなる記録層中で重ね合わせ、そのときにできる干渉縞を記録層に書き込むことによって行われる。そして、情報が記録された記録層に所定の角度で参照光を入射させることにより、形成された干渉縞による参照光の光回折が起こり、情報光が再生される。
近年、超高密度光記録のため、体積ホログラムが実用域で開発され、注目を集めている。体積ホログラムとは、光記録媒体の厚み方向への記録も積極的に活用して、三次元的に干渉縞を書き込む方式であり、厚みを増すことで回折効率を高め、多重記録を用いて記録容量の増大を図ることができるという特長がある。
このような体積ホログラム光記録媒体では、記録密度が高いことが重要な要素となるが、通常のフォトポリマーを用いた記録方式では、光重合性モノマーの重合時に生ずる体積収縮によって記録干渉縞の歪みが発生し、データの入出力時にエラーを引き起こすという重大な問題がある(非特許文献1)。この体積収縮を低減する方法として、体積ホログラム記録媒体にフィラーを加えるという方法がある。この場合、フィラーは体積収縮を引き起こす重合には関与しないため、記録層全体として重合時の体積収縮を抑制する効果がある。しかし、フィラーの添加量を増やすほど記録容量を低減させてしまうというデメリットもある。
また、体積収縮が比較的小さいとされるビニルシクロプロパン構造を組み込み、重合に伴う体積収縮の低減を図ったモノマー化合物が提案されている。体積収縮を抑制できる化合物の例として、フェニルエステル基やアダマンチルエステル基置換のビニルシクロプロパン構造を有し、重合時に体積が膨張する重合性モノマーが開示されている(非特許文献2、3)。
日本印刷学会誌、2004年、41巻、279−285 マクロモレキュルズ(Macromolecules),1994年,27巻,p.5543−5546 マクロモレキュルズ(Macromolecules),1996年,29巻,p.1943−1950
上記非特許文献2及び非特許文献3に挙げられたこれら重合性モノマーは室温で固体であるため、各種産業分野で求められている利便性の高い低重合収縮性モノマーという観点からは実用に不向きであるという問題が残されている。
本発明は、重合前は常温で低粘度の液状であり、かつ、熱及び光ラジカル開始剤を用い
て重合させた場合に体積収縮率が小さい化合物を用いることによって、体積収縮が小さい感光性組成物、そして体積ホログラム記録用組成物として用いた際には記録容量が大きい感光性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、分子内にシクロアルキル基を有する特定のビニルシクロプロパン化合物を重合性モノマーとして感光性組成物に用いることにより、重合前には液状でありながら、しかも重合収縮を抑制する効果を発現しうることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、第1観点として、(a)式(1)
Figure 0005284866
(式(1)中、X及びYは互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれC(=O)R1、C(=O)OR1、OC(=O)R1、C(=O)SR1、SC(=O)R1、C(
=O)NR12、SO21又はR1を表し、
1は非置換の、又は、炭素原子数1乃至12の直鎖アルキル基、炭素原子数3乃至12
のシクロアルキル基、炭素原子数1乃至12のアルコキシ基、炭素原子数1乃至12のアシル基、炭素原子数1乃至12のアシルオキシ基及びヒドロキシ基からなる群から選択される置換基によって置換された炭素原子数3乃至18のシクロアルキル基を表し、
2は水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。)で表されるビニルシ
クロプロパン化合物を含有する感光性組成物に関する。
第2観点として、前記感光性組成物の体積に基いて、前記ビニルシクロプロパン化合物が50体積%以上を占める、第1観点に記載の感光性組成物に関する。
第3観点として、さらに(b)光重合開始剤、及び(c)無機微粒子を含む組成物であって、それをパターン露光すると組成物内部において相互拡散が生じ、空間的な屈折率変調パターンが形成されることを特徴とする、第1観点又は第2観点に記載の感光性組成物に関する。
第4観点として、前記ビニルシクロプロパン化合物が10乃至3,000mPa・sの粘度を有するものである、第1観点乃至第3観点のうち何れか一項に記載の感光性組成物に関する。
第5観点として、前記ビニルシクロプロパン化合物が1.45乃至1.55の屈折率を有するものである、第1観点乃至第4観点のうち何れか一項に記載の感光性組成物に関する。
第6観点として、前記式(1)中、X及びYがC(=O)OR1を表す、第1観点乃至
第5観点のうち何れか一項に記載の感光性組成物に関する。
第7観点として、前記式(1)中、R1が非置換の、又は、炭素原子数1乃至12の直
鎖アルキル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基、炭素原子数1乃至12のアルコキシ基、炭素原子数1乃至12のアシル基、炭素原子数1乃至12のアシルオキシ基及びヒドロキシ基からなる群から選択される置換基によって置換された炭素原子数5乃至8のシクロアルキル基を表す、第1観点乃至第6観点のうち何れか一項に記載の感光性組成物に関する。
第8観点として、第1観点乃至第7観点のうち何れか一項に記載の感光性組成物よりなるホログラム記録層に関する。
第9観点として、第8観点に記載のホログラム記録層が支持体上に形成され、該ホログラム記録層が保護材で覆われているホログラム記録媒体に関する。
本発明の感光性組成物は、重合前には液状であり、且つその粘性が低いことから、実際の使用場面における取り扱いが容易である。そして、含有する式(1)で表されるビニルシクロプロパン化合物は、従来の重合性モノマーと比べて、重合に伴う体積収縮が小さいことから、低収縮性材料としての用途が期待できる。さらに、本発明の感光性組成物は低屈折率であることから、特に光学用途向けの材料としての用途が期待できる。
従って、本発明の感光性組成物は、硬化後の体積収縮が少ない特性を利用して、例えば接着剤、セメント、歯科材料、単板材料、複合材料、又は成形体として利用することができる。さらに、体積収縮が少ないことに加えてその低屈折率、高透明性、重合前の低い粘性等の特性を利用して、例えばカメラプリズム、コーティング材料、光学窓材料、非線形型光学素子、光記録材料、ギャップフィル材料、体積ホログラム等の光学材料として利用することができる。
特に本発明の感光性組成物は前述したように低粘度であるため、無機微粒子を重合性モノマー(ビニルシクロプロパン化合物)中に均一分散させることによって、低光分散損失で高回折効率を有する体積位相型ホログラム記録材料用の感光性組成物として、有用な組成物となる。
そして本発明のホログラム記録層は体積収縮の少ない上記感光性組成物を含むことから、記録される干渉縞の歪みが発生しにくく、データの入出力時に起きていたエラーを大幅に抑制することができ、高多重特性を実現できる。また体積収縮抑制のために従来使用されたフィラー等による記録容量の減少が生じることがない。
従って上記記録層を含む本発明のホログラム記録媒体は、光散乱損失が低く、回折効率が高く、しかもデータの入出力時にエラーが小さく、記録容量が大きい、高密度で高い記録感度を得ることができる。
図1は、体積ホログラム記録媒体に対する二光束干渉露光を行う装置の概念図を示す図である。 図2は、実施例6における体積ホログラム記録媒体の回折効率の露光時間変化を表すグラフである。 図3は、比較例3における体積ホログラム記録媒体の回折効率の露光時間変化を表すグラフである。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明の感光性組成物に含まれる(a)ビニルシクロプロパン化合物は、前記式(1)で表される化合物である。
本発明は、構造中にシクロアルキル基を有するビニルシクロプロパン化合物を重合性モノマーとして用いる点を特徴としている。シクロアルキル基はその構造がフレキシブルであることから、当該ビニルシクロプロパン化合物を含む感光性組成物が低粘度の液体となることを実現している。また上記ビニルシクロプロパン化合物は、その置換基の選択により、炭素原子、水素原子、若しくは酸素原子のみからなるため、該化合物を含む感光性組成物の低屈折率化も可能であることを特徴としている。
前記式(1)において、X及びYは互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれC(=O)R1、C(=O)OR1、OC(=O)R1、C(=O)SR1、SC(=O)R1、C(=O)NR12、SO21、又はR1を表す。上記X及びYは、好ましくはC(=O)OR1を表すことが望ましい。
1は置換されていてもよい炭素原子数3乃至18のシクロアルキル基を表し、R2は水
素原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基の何れかを表す。ここで、R1におけ
るシクロアルキル基の置換基としては炭素原子数1乃至12の直鎖アルキル基、炭素原子数3乃至12のシクロアルキル基、炭素原子数1乃至12のアルコキシ基、炭素原子数1乃至12のアシル基、炭素原子数1乃至12のアシルオキシ基及びヒドロキシ基からなる群から選択される。
1の具体例としては、種々の基を挙げることができるが、中でも非置換の、前記置換
基によって置換された炭素原子数5乃至8のシクロアルキル基であることが好ましく、特にシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基又はシクロオクチル基であることが好ましい。
2の具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フリル基、チエニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサジアゾリル基、フラザニル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ベンゾ[b]チエニル基、インドリル基、イソインドリル基、1H−インダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、1H−ベンゾトリアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、シンノリル基、キナゾリル基、キノキサリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、プリニル基、プテリジニル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェノキサジニル基、フェノチアジニル基、フェナジニル基、フェノキサチイニル基、チアントレニル基、インドリジニル基、モルホリノ基等が挙げられる。
上記式(1)で表されるビニルシクロプロパン化合物は、通常、立体異性体混合物、特に、ラセミ化合物として存在する。
上記式(1)で表されるビニルシクロプロパン化合物は、25℃において3,000mPa・s以下の粘度を有するものであることが好ましい。粘度が高い場合には、感光性組成物としたときに他の成分の分散・混合が容易でないこと、また例えば後述するホログラム記録用の組成物とした場合、添加する無機微粒子の移動が容易でないことといった問題が生じることとなる。
また、上記式(1)で表されるビニルシクロプロパン化合物は、感光させる波長において1.45〜1.55の屈折率を有するものであることが好ましく、さらに、着色を避けるため芳香環基を含有しない化合物であることがより好ましい。
本発明の感光性組成物の体積に基いて、(a)ビニルシクロプロパン化合物が50体積%以上を占めることが好ましい。ビニルシクロプロパン化合物の占有割合が少ないと、重合時の収縮率抑制の効果が充分に得られない。またホログラム記録用の組成物として用いる場合、ホログラム記録の際に充分な回折効率が得られないといった問題が生じる可能性がある。
本発明の感光性組成物は、好ましくは、前記式(1)で表されるビニルシクロプロパン化合物の(共)重合を開始する光重合開始剤を含む。こうした光重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(2−アミノジプロパン)塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス〔N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン〕、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’
−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−〔2−(1−ヒドロキシブチル)〕プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕、2,2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕硫酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン〕塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−〔1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル〕プロパン}塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕等のアゾ系化合物;p−アジドベンズアルデヒド、p−アジドアセトフェノン、p−アジド安息香酸、p−アジドベンザルアセトフェノン、4,4’−ジアジドカルコン、4,4’−ジアジドジフェニルスルフィド、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、及び4,4’−ジアジドスチルベン等のアジド系化合物;1−ジアゾ−2,5−ジエトキシ−4−p−トリルメルカプトベンゼンボロフルオリド、1−ジアゾ−4−N,N−ジメチルアミノベンゼンクロリド、及び1−ジアゾ−4−N,N−ジエチルアミノベンゼンボロフルオリド等のジアゾ系化合物;1,2−ナフトキノン−ジアジド(2)−4−スルホン酸ナトリウム塩、1,2−ナフトキノン−ジアジド(2)−5−スルホン酸エステル、及び1,2−ナフトキノン−ジアジド(2)−4−スルホニルクロリド等のo−キノンジアジド系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル及びベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、1,4−ジベンゾイルベンゼン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイル ビフェニル、4−ベンゾイルジフェニルエーテル、ベンジル等のベンゾフェノン類;3,3’−カルボニルビス(7−(ジエチルアミノ)−2H−クロメン−2−オン)(みどり化学株式会社でBC(CAS[63226−13−1])として市販されている)等のビスクマリン;2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、及び2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等のビイミダゾール化合物;のほか、有機過酸化物、チタノセン化合物、チオール化合物、ハロゲン化炭化水素化合物、トリクロロメチルトリアジン化合物、あるいはヨードニウム塩化合物、スルホニウム塩化合物等のオニウム塩化合物等が用いられる。これらのうちチタノセン化合物とチオール化合物とを組み合わせて用いることが好ましい。
これら重合開始剤は単独で用いてもよいし、必要に応じて二種以上を混合して用いてもよい。
また本発明の感光性組成物は、好ましくは(a)前記式(1)で表されるビニルシクロプロパン化合物に加えて、(b)光重合開始剤及び(c)無機微粒子を含む。これら(a)〜(c)成分を含む感光性組成物は、パターン露光することにより、組成物内部において相互拡散が生じ、空間的な屈折率変調パターンが形成され、すなわち体積ホログラムを得ることができる。以下、(a)〜(c)成分を含む感光性組成物について、体積ホログラム形成用組成物とも称する。
上記体積ホログラム形成用組成物において、光重合開始剤としては上述のものが用いられるが、特に好ましくはチタノセン化合物とチオール化合物とを組み合わせて用いる。
チタノセン化合物の具体例としては特に限定されず、従来知られている種々のチタノセン系光重合開始剤を用いることができるが、これらの中でも、ビス(シクロペンタジエニル)ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル〕チタニウムが好ましい。
また、チオール化合物の具体例としては特に限定されず、ラジカル重合反応の連鎖移動剤として一般に用いられる種々のチオール化合物を用いることができるが、中でも、1−ドデカンチオール、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、2−ベンゾチアゾールチオールが好ましく、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)がより好ましい。
上記体積ホログラム形成用組成物において、光重合開始剤の添加量は、(a)成分のビニルシクロプロパン化合物 100質量部に対して0.01乃至20質量部が好ましい。
特に光重合開始剤として、チタノセン化合物及びチオール化合物を使用する場合、チタノセン化合物及びチオール化合物の添加量は、(a)成分のビニルシクロプロパン化合物
100質量部に対して、夫々0.01質量部乃至10質量部が好ましく、また夫々0.1質量部乃至5質量部が更に好ましい。
チタノセン化合物が0.01質量部より少ないと重合性が著しく低下し、10質量部を超えると組成物や重合物の着色化、深さ方向への光の透過率の低下、得られる重合物の強度の低下といった問題が起こる虞がある。
また、チオール化合物が0.01質量部より少ないと重合性が著しく低下し、10質量部を超えると組成物や重合物の透明性の低下、組成物の粘度の上昇、得られる重合物の強度の低下といった問題が発生する虞がある。
上記体積ホログラム形成用組成物において、無機微粒子は、光散乱損失を低減させる必要があるため、平均粒径が400nm以下である微粒子が好ましく、200nm以下であることがより好ましく、20nm以下であることが更に好ましい。粒径は小さいほど好ましいが、小さいほど製造が困難であるため実際上、1nm以上に限られる。
上記体積ホログラム形成用中における無機微粒子の割合は、重合状態における無機微粒子と樹脂成分の合計体積に占める無機微粒子の割合が3体積%以上であることが好ましく、5体積%以上であることがより好ましい。但し、組成物中に分散できる無機微粒子の量には限界があり、あまり多いと分散しにくくなるので、50体積%以下であることが好ましい。
上記無機微粒子は、具体的にはシリカ、ジルコニア、チタニア等の無機酸化物微粒子が好ましい。用いられる無機微粒子の形態としては粉末状のものでも水又は有機溶媒に分散したゾルでもよいが、上記体積ホログラム形成用組成物への分散性、安定性の面から有機溶媒に分散したゾルで用いるのが好ましい。有機溶媒としては、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノプロピルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、ジメチルアセトアミド、又はトルエン等であり、重合性モノマー(式(1)で表されるビニルシクロプロパン化合物)に均一に分散可能なものであれば、特に限定はされない。
また、上記無機微粒子はカプセル化、表面処理、ハイブリッド化等の手法を用いて重合性モノマー(式(1)で表されるビニルシクロプロパン化合物)への分散性を高めることが好ましい。中でも表面処理剤を用いた修飾が工業的にも簡便なため好ましい。
表面処理剤としては無機微粒子表面と親和性があり、且つ重合性化合物中への分散性を高めるために表面官能基と疎水基を兼ね備えたものが好ましい。
表面反応性官能基としては、例えば、メチルシラン、エチルシランなどのアルキルシランや、メトキシシラン、エトキシシランなどのアルコキシシラン、クロロシランなどのハロゲン化シラン等の反応性シラン化合物、塩化チタンや、メトキシチタン、エトキシチタンなどのアルコキシチタン等の反応性チタン化合物、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、又はそのエステル等が挙げられる。
上記感光性組成物、特に該組成物をホログラム記録層、そして体積位相型ホログラム記
録媒体に用いる場合には、上記成分の他、必要に応じて、増感剤、連鎖移動剤、可塑剤、着色剤等の添加剤を加えても良い。また、体積ホログラム形成用組成物として用いる際には、膜厚の均一性を持たせ、光照射での重合で形成されたホログラムを安定に存在させるためには結合材としてバインダ樹脂を加えても良い。
バインダ樹脂は官能性モノマーと相溶性の良いものが好ましく、その具体例としては塩素化ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレートと他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体、塩化ビニルとアクリロニトリルの共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、アセチルセルロース等が挙げられる。
本発明の感光性組成物(体積ホログラム形成用組成物)を用いて体積位相型ホログラム記録媒体を作るには重合性モノマー(式(1)で表されるビニルシクロプロパン化合物)、光重合開始剤、無機微粒子を、必要に応じ、増感剤、及びバインダー樹脂とともに混合し、このまま無溶剤で透明支持体上に塗布するか、これらの混合物に溶剤または添加剤を加えて混合してもよく、これを支持体上に塗布、乾燥して記録層を形成する。続いて、記録層上に透明支持体、あるいは酸素遮断のための保護層を設けることもできる。
透明支持体としては、透明なガラス板、アクリル板、透明な樹脂フィルム等が用いられる。透明な樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム等が用いられる。塗布方法としては、直接滴下する方法に加え、従来公知の方法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布、及びカーテン塗布等を用いることができる。
保護層としては、酸素による感度低下や保存安定性の劣化等の悪影響を防止するための公知技術、例えば、水溶性ポリマー等の塗布を用いることもできる。ここでは、透明な樹脂フィルムを形成する水溶性ポリマー等を採用する。
上記感光性組成物(体積ホログラム形成用)を用いたホログラム記録媒体のホログラム記録方法は以下の通りである。まず、媒体に2つの互いにコヒーレントなレーザー光を同時に照射すると媒体上に明部と暗部が縞状に並ぶ干渉縞が形成される。すると媒体の明部では重合性モノマーが重合を開始し、明部の重合性モノマー濃度が低下する。それに従い、暗部と明部に重合性モノマーの濃度勾配が生じ、暗部から明部に重合性モノマーが移動、供給され更に重合が進む。一方、無機微粒子は重合性モノマーの移動に伴い明部から暗部へと移動すると考えられる。
更にある程度の時間が経つと、最終的には、暗部でも重合性モノマーの重合が進み、媒体の記録層全体が重合体となる。このようにして、重合性モノマーの重合体の中に重合性モノマーと無機微粒子の相対密度差の縞状分布ができる。無機微粒子の屈折率は重合性モノマーの重合状態の屈折率と異なるので、記録層に屈折率分布ができ、ホログラムが記録される。再生時には、該ホログラムが形成された領域に再生光を照射すると、回折が起こり、ホログラム像が再生されることとなる。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[使用装置]
なお、実施例にて使用した分析装置及び条件は、下記のとおりである。
[1]融点
測定機器:メトラー・トレド株式会社製 自動融点測定装置、FP62
[2]質量分析
機種:日本ウォーターズ株式会社製 ZQ2000
検出法:ESI法
[3]1H NMR
機種:日本電子株式会社製 JNM−ECX300
測定溶媒:CDCl3
[4]13C NMR
機種:日本電子株式会社製 JNM−ECX300
測定溶媒:CDCl3
[5]粘度(E型粘度計)
機種:株式会社トキメック製 VISCONIC EMD
[6]ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)
機種:東ソー株式会社製 HLC−8220GPC,
カラム:SHODEX GPC−8051×2本+ガードカラム(SHODEX GPC KF−G)
リファレンスカラム:SHODEX GPC KF−800RH×2本
カラム温度:40℃
検出器:UV(254nm)及びRI
溶離液:THF
カラム流速:1.0ml/min
リファレンスカラム流速:0.2ml/min
[7]屈折率
機種:京都電子工業株式会社製 屈折計RA−520N
測定波長:633nm
[8]密度
機種:株式会社島津製作所製 アキュピック1330
機種:京都電子工業株式会社製 密度比重計DA−500
[体積収縮率]
重合前のモノマーの25℃における密度(dモノマー)と、重合して得られた重合硬化物の25℃における密度(d重合物)をそれぞれ測定し、下記式により体積収縮率(%)を求めた。
体積収縮率(%)={(d重合物−dモノマー)/d重合物}×100
[合成例1]ジシクロペンチル 2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキシレートの合成
Figure 0005284866
テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)1974年,15巻,p1393記載の方法により得られる2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボン酸 5.08g(32.5mmol)、シクロペンタノール 4.31g(50.0mmol)、及び4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)0.61g(5.0mmol)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下でジクロロメタン 22gを加えて攪拌し、溶解させた後、0℃に冷却した。その中に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(D
CC)14.4g(70.0mmol)をジクロロメタン 4gに溶解した溶液を、発熱に留意しながら滴下した。滴下終了後、さらに室温で12時間撹拌した。反応混合物から析出した固体をろ過して除去した後、溶媒を留去し得られた粗生成物をシリカゲルカラムで精製(ヘキサン:酢酸エチル=98:2)し、無色透明の液体である目的物を収量5.9g(収率81%)で得た。目的物の質量分析、1H NMR、13C NMRの結果を以
下に示す。
・m/z:315(M+Na+)(計算値315.16(M+Na+))
1H NMR(300MHz,CDCl3):1.49(1H,q,J=4.5Hz),1.55〜1.90(17H,m),2.53(1H,q,J=8.1Hz),5.12(1H,dd,J=1.8Hz,9.9Hz),5.17〜5.22(2H,m),5.28(1H,dd,J=1.8Hz,17.1Hz),5.36〜5.48(1H,m)ppm
13C NMR(75MHz,CDCl3):20.2(s),23.7(t),30.
8(s),32.4(t),36.1(s),78.3(d),118.1(s),133.2(s),167.2(s),169.5(s)ppm
また、得られたジシクロペンチル 2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキシレートの25℃における密度は1.069g/cm3、屈折率は1.489、25℃にお
ける粘度は35mPa・sであった。
[合成例2]ジシクロヘキシル 2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキシレートの合成
Figure 0005284866
2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボン酸 40.6g(260mmol)、シクロヘキサノール 40.1g(400mmol)、及び4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)4.89g(40mmol)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下でジクロロメタン 200gを加えて攪拌し、溶解させた後、0℃に冷却した。その中に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)115.5g(560mmol)をジクロロメタン 40gに溶解した溶液を、発熱に留意しながら滴下した。滴下終了後、さらに室温で12時間撹拌した。反応混合物から析出した固体をろ過して除去した後、溶媒を留去し得られた粗生成物をシリカゲルカラムで精製(ヘキサン:酢酸エチル=98:2)し、無色透明の液体である目的物を収量28g(収率44%)で得た。目的物の質量分析、1H NMR、13C NMRの結果を以下に示す。
・m/z:343(M+Na+) (計算値343.19(M+Na+))
1H NMR(300MHz,CDCl3):1.23〜1.90(22H,m),2.55(1H,q,J=8.1Hz),4.78〜4.82(2H,m),5.11(1H,dd,J=1.8Hz,9.9Hz),5.28(1H,dd,J=1.8Hz,17.1Hz),5.37〜5.49(1H,m)ppm
13C NMR(75MHz,CDCl3):20.2(s),23.6(t),25.
3(d),30.7(s),31.4(t),36.2(s),73.9(d),118.1(s),133.3(s),167.0(s),169.2(s)ppm
また、得られたジシクロヘキシル 2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキシレートの25℃における密度は1.056g/cm3、屈折率は1.492、25℃にお
ける粘度は450mPa・sであった。
[合成例3]ジシクロヘプチル 2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキシレートの合成
Figure 0005284866
2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボン酸 5.08g(32.5mmol)、シクロヘプタノール 5.71g(50.0mmol)、及び4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)0.61g(5.0mmol)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下でジクロロメタン 29gを加えて攪拌し、溶解させた後、0℃に冷却した。その中に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)14.4g(70.0mmol)をジクロロメタン 6gに溶解した溶液を、発熱に留意しながら滴下した。滴下終了後、さらに室温で12時間撹拌した。反応混合物から析出した固体をろ過して除去した後、溶媒を留去し得られた粗生成物をシリカゲルカラムで精製(ヘキサン:酢酸エチル=98:2)し、無色透明の液体である目的物を収量5.5g(収率63%)で得た。目的物の質量分析、1H NMR、13C NMRの結果を以下に示す。
・m/z:371(M+Na+) (計算値371.22(M+Na+))
1H NMR(300MHz,CDCl3):1.45〜1.77(22H,m),1.80〜1.98(4H,m),2.54(1H,q,J=8.1Hz),4.92〜5.01(2H,m),5.11(1H,dd,J=1.8Hz,9.9Hz),5.27(1H,dd,J=1.8Hz,17.1Hz),5.36〜5.46(1H,m)ppm・13C NMR(75MHz,CDCl3):20.2(s),22.8(t),28.
3(t),30.7(s),33.6(t),36.3(s),76.4(s),118.1(s),133.4(s),166.9(s),169.2(s)ppm
また、得られたジシクロヘプチル 2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキシレートの25℃における密度は1.052g/cm3、屈折率は1.498、25℃にお
ける粘度は166mPa・sであった。
[合成例4]ジシクロオクチル 2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキシレートの合成
Figure 0005284866
2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボン酸 5.08g(32.5mmol)、シクロオクタノール 6.41g(50.0mmol)、及び4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)0.61g(5.0mmol)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下でジクロロメタン 32gを加えて攪拌し、溶解させた後、0℃に冷却した。その中に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)14.4g(70.0mmol)をジクロロメタン 6gに溶解した溶液を発熱に留意しながら滴下した。滴下終了後、さらに室温で12時間撹拌した。反応混合物から析出した固体をろ過して除去した後、溶媒を留
去し得られた粗生成物をシリカゲルカラムで精製(ヘキサン:酢酸エチル=98:2)し、無色透明の液体である目的物を収量6.0g(収率64%)で得た。目的物の質量分析、1H NMR、13C NMRの結果を以下に示す。
・m/z:399(M+Na+) (計算値399.25(M+Na+))
1H NMR(300MHz,CDCl3):1.42〜1.89(30H,m),2.53(1H,q,J=8.1Hz),4.92〜5.03(2H,m),5.11(1H,dd,J=1.8Hz,9.9Hz),5.27(1H,dd,J=1.8Hz,17.1Hz),5.36〜5.48(1H,m)ppm
13C NMR(75MHz,CDCl3):20.2(s),22.9(q),25.
3(d),27.0(s),27.1(t),30.7(s),31.3(q),36.2(s),76.4(s),118.1(s),133.4(s),166.9(s),169.2(s)ppm
また、ジシクロオクチル 2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキシレートの25℃における密度は1.043g/cm3、屈折率は1.500、25℃における粘度
は724mPa・sであった。
[実施例1]ジシクロペンチル 2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキシレートを含有する感光性組成物の光ラジカル重合とその体積収縮率の測定
合成例1で調製したジシクロペンチル 2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキシレート 1.0gにベンゾインエチルエーテル 20mgを混合した。この組成物をガラス基板上に滴下して照射用サンプルを調製した。浜松ホトニクス株式会社製 LIGHTENINGSシリーズLC5を用い、光源として35W メタルハライドランプを用い、光源から20cmの位置に照射用サンプルを設置し、25℃において30分光照射を行うことにより重合硬化物を得た。硬化物の25℃における密度を測定した結果、1.134g/cm3であり、そこから計算される体積収縮率は5.7%であった。得られた重
合硬化物のGPCによる重量平均分子量Mwと1H NMRの結果を示す。
・Mw(GPC):63,000
1H NMR(300MHz,CDCl3):1.4〜1.9(16H,brs),2.47(4H,brs),5.15(2H,brs),5.33(2H,brs)ppm
[実施例2]ジシクロヘキシル 2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキシレートを含有する感光性組成物の光ラジカル重合とその体積収縮率の測定
合成例2で調製したジシクロヘキシル 2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキシレート 1.0gにベンゾインエチルエーテル 20mgを混合した。この組成物に実施例1と同様の方法で光照射を行うことにより重合硬化物を得た。硬化物の25℃における密度を測定した結果、1.102g/cm3であり、そこから計算される体積収縮率
は4.2%であった。得られた重合硬化物のGPCによる重量平均分子量Mwと1H N
MRの結果を示す。
・Mw(GPC):85,000
1H NMR(300MHz,CDCl3):1.2〜1.9(20H,brs),2.54(4H,brs),4.77(2H,brs),5.34(2H,brs)ppm
[実施例3]ジシクロヘプチル 2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキシレートを含有する感光性組成物の光ラジカル重合とその体積収縮率の測定
合成例3で調製したジシクロヘプチル 2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキシレート 1.0gにベンゾインエチルエーテル 20mgを混合した。この組成物に実施例1と同様の方法で光照射を行うことにより重合硬化物を得た。硬化物の25℃における密度を測定した結果、1.148g/cm3であり、そこから計算される体積収縮率
は8.4%であった。得られた重合硬化物のGPCによる重量平均分子量Mwと1H N
MRの結果を示す。
・Mw(GPC):133,000
1H NMR(300MHz,CDCl3):1.4〜1.9(24H,brs),2.48(4H,brs),4.93(2H,brs),5.33(2H,brs)ppm
[実施例4]ジシクロオクチル 2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキシレートを含有する感光性組成物の光ラジカル重合とその体積収縮率の測定
合成例4で調製したジシクロオクチル 2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキシレート 1.0gにベンゾインエチルエーテル 20mgを混合した。この組成物に実施例1と同様の方法で光照射を行うことにより重合硬化物を得た。硬化物の25℃における密度を測定した結果、1.128g/cm3であり、そこから計算される体積収縮率
は7.5%であった。得られた重合硬化物のGPCによる重量平均分子量Mwと1H N
MRの結果を示す。
・Mw(GPC):218,000
1H NMR(300MHz,CDCl3):1.4〜1.9(28H,brs),2.47(4H,brs),4.93(2H,brs),5.33(2H,brs)ppm
[比較合成例1]ジイソプロピル 2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキシレートの合成
Figure 0005284866
窒素フロー下、55%水素化ナトリウム 9.89g(227mmol)、1,4−ジブロモ−2−ブテン 22.03g(103mmol)を無水テトラヒドロフラン 110mL中に室温で加えて攪拌した。その後、0℃まで冷却し、その中に、ジイソプロピル
マロネート 19.39g(103mmol)を無水テトラヒドロフラン 22mLに溶解した溶液を、発熱、発泡に留意しながら滴下した。滴下終了後、1時間攪拌し、さらに室温で88時間撹拌した。その後、反応系中に水 58gをゆっくり滴下して攪拌した。その後、ジイソプロピルエーテル 200mLで3回抽出し、得られた有機層を5%炭酸水素ナトリウム水 100mLで洗浄した。分液後の有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて静置後、ろ過し、溶媒をエバポレーターで留去することで、21.78gの粗物を得た。そこから9.37gを取り出し、シリカゲルカラムで精製(ヘキサン:酢酸エチル=95:5〜90:10)し、無色透明オイルの目的物を収量6.16g(収率58%)で得た。得られた目的物の1H NMR及び13C NMRを以下に示す。
1H NMR(300MHz,CDCl3):1.20〜1.29(12H,m),1.49(1H,q,J=4.5Hz),1.64(1H,q,J=4.5Hz),2.55(1H,q,J=8.1Hz),5.00〜5.14(3H,m),5.28(1H,d,J=17.1Hz),5.31〜5.49(1H,m)ppm
13C NMR(75MHz,CDCl3):20.0(s),21.6(q),30.
6(s),36.1(s),68.8(s),69.1(s),118.1(s),133.2(s),166.9(s),169.2(s)ppm
[比較合成例2]ジターシャリーブチル 2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキシレートの合成
Figure 0005284866
窒素フロー下、55%水素化ナトリウム 8.64g(198mmol)、1、4−ジブロモ−2−ブテン 19.25g(90mmol)を無水テトラヒドロフラン 110mL中に室温で加えて攪拌した。その後、0℃まで冷却し、その中に、ジターシャリーブチル マロネート 19.47g(90mmol)を無水テトラヒドロフラン 22mLに溶解した溶液を、発熱、発泡に留意しながら滴下した。滴下終了後、1時間攪拌し、さらに室温で9時間撹拌した。その後、反応系中に 水58gをゆっくり滴下して攪拌した。その後、ジイソプロピルエーテル 200mLで3回抽出し、得られた有機層を5%炭酸水素ナトリウム水 100mLで洗浄した。分液後の有機層に無水硫酸マグネシウムを加えて静置後、ろ過し、溶媒をエバポレーターで留去することで、29.12gの粗物を得た。そこから5.68gを取り出し、シリカゲルカラムで精製(ヘキサン:酢酸エチル=95:5〜90:10)し、白色結晶2.50gで得た。これにヘプタン 7.50gを加えて室温で溶解させた後に−70℃に冷却して析出した結晶を洗浄し、乾燥させ、白色結晶の目的物を収量1.81g(収率38%)で得た。融点52.9℃(2回測定した平均値)。得られた目的物の1H NMR及び13C NMRを以下に示す。
1H NMR(300MHz,CDCl3):1.23〜1.55(20H,m),2.42〜2.50(1H,m),5.09〜5.30(2H,m),5.37〜5.49(1H,m)ppm
13C NMR(300MHz,CDCl3):19.7(s),28.0(s),29
.9(s),37.6(s),81.2(s),81.7(s),117.7(s),133.5(s),166.8(s),169.1(s)ppm
[参考例1]
マクロモレキュルズ(Macromolecules),1993年,26巻,p.1818−1824に記載のジエチル 2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキシレートの25℃における密度は1.020g/cm3、この化合物の重合物の密度は1.
134g/cm3である。これらの値から計算される重合物の体積収縮率は10.1%で
ある。
[比較例1]ジイソプロピル 2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキシレートの光ラジカル重合とその体積収縮率の測定
比較合成例1で調製したジイソプロピル 2−ビニルシクロプロパン−1,1−ジカルボキシレート(液状、25℃における密度1.104g/cm3)1.0gにベンゾイン
エチルエーテル 30mgを混合した。この組成物に実施例1と同様の方法で光照射を行うことにより重合硬化物を得た。硬化物の密度を測定した結果、1.213g/cm3
あり、そこから計算される体積収縮率は9.0%であった。
このように、合成例1乃至合成例4で調製した各ビニルシクロプロパン化合物は低粘度の液体であり、且つ該化合物含有する実施例1乃至実施例4の感光性組成物は、光重合後の硬化物の体積収縮が少ないことが確認された。
また参考例1及び比較例1の結果より、化合物内の置換基がエチルエステル基、イソプロピルエステル基であるビニルシクロプロパン化合物では、重合物の体積収縮抑制の効果が不充分であり、比較合成例2で調製したターシャリーブチルエステル基を有するビニルシクロプロパン化合物では室温で固体となり、感光性組成物の調製には不向きであることが確認された。
[実施例5]感光性組成物の調製
1,1−ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)−2−ビニルシクロプロパン 300mgに、ジルコニアゾル(住友大阪セメント株式会社製、製品名:ナノジルコニアトルエン分散液)1.914g、ジシクロペンタジエニル−チタン−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)(チバ・ジャパン株式会社製、商品名:Irgacure 784)3mg、ペンタエリスリトールテトラ(3−メルカプトプロピオネート)(東京化成工業株式会社製)3mgを混合し、均一に分散させ、感光性組成物を調製した。
[実施例6]回折効率の測定
スライドガラスの両端部にスペーサとして厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り、スライドガラス中央(スペーサに挟まれた領域)に実施例5で調製した感光性組成物を滴下し、スライドガラスをかぶせ、体積位相型ホログラム記録媒体を作製した。本記録媒体に対し、図1に示す装置によって、二光束干渉露光を行い体積ホログラムの記録を実施した。
まず、ホログラム記録媒体1に対し、波長532nmのNd:YVO4レーザー2を用
いて、露光パワー密度100mW/cm2で二光束干渉露光(格子間隔1μm)を行った
。Nd:YVO4レーザー2から出射した光はビームエキスパンダ3を経てハーフミラー
13で2本に分割され、それぞれミラー8、9を経てホログラム記録媒体1に照射され、両光の干渉縞が記録されホログラムが形成されることとなる。
同時に、ホログラム記録媒体1が感光しない波長632.8nmのヘリウムネオン(He−Ne)レーザー4をホログラム記録媒体1に照射し回折光を光検出器18〜20で検出することによりホログラム形成過程をモニターし、回折効率を評価した。
本サンプルの回折効率の時間による変化を表すグラフを図2に示す。図2に示すとおり、回折効率が100%に近い体積位相型ホログラムが形成されることが確認できた。
[比較例2]感光性組成物の調製
トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、製品名A−DCP)500mgに、ジルコニアゾル(住友大阪セメント株式会社製、製品名:ナノジルコニアトルエン分散液)3.05g、ジシクロペンタジエニル−チタン−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)(チバ・ジャパン株式会社製、商品名:Irgacure 784)5mgを混合し、均一に分散させ、感光性組成物を調製した。
[比較例3]回折効率の測定
比較例2で調製した感光性組成物を用い、実施例6と同様の方法で体積ホログラムの記録を実施した。本サンプルの回折効率の時間による変化を表すグラフを図3に示す。回折効率は約50%であった。
以上より、シクロアルキルエステル基を導入したビニルシクロプロパン化合物を含有する本発明の感光性組成物は、優れた記録特性を有するホログラム記録媒体となることが確認された。
1 ホログラム記録媒体 2 Nd:YVO4レーザー 3 ビームエキスパンダ
4 He−Neレーザー 5、6、7、8、9、10、11 ミラー
12 ビームサンプラー 13 ハーフミラー 14、15 半波長板
16、17 偏光プリズム 18、19、20 光検出器

Claims (9)

  1. (a)式(1)
    Figure 0005284866
    (式(1)中、X及びYは互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれC(=O)R1、C(=O)OR1、OC(=O)R1、C(=O)SR1、SC(=O)R1、C(
    =O)NR12、SO21又はR1を表し、
    1は非置換の、又は、炭素原子数1乃至12の直鎖アルキル基、炭素原子数3乃至12
    のシクロアルキル基、炭素原子数1乃至12のアルコキシ基、炭素原子数1乃至12のアシル基、炭素原子数1乃至12のアシルオキシ基及びヒドロキシ基からなる群から選択される置換基によって置換された炭素原子数3乃至18のシクロアルキル基を表し、
    2は水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。)で表されるビニルシ
    クロプロパン化合物を含有する感光性組成物。
  2. 前記感光性組成物の体積に基づいて前記ビニルシクロプロパン化合物が50体積%以上を占める、請求項1に記載の感光性組成物。
  3. さらに(b)光重合開始剤、及び(c)無機微粒子を含む組成物であって、それをパターン露光すると組成物内部において相互拡散が生じ、空間的な屈折率変調パターンが形成されることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の感光性組成物。
  4. 前記ビニルシクロプロパン化合物が10乃至3,000mPa・sの粘度を有するものである、請求項1乃至請求項3のうち何れか一項に記載の感光性組成物。
  5. 前記ビニルシクロプロパン化合物が1.45乃至1.55の屈折率を有するものである、請求項1乃至請求項4のうち何れか一項に記載の感光性組成物。
  6. 前記式(1)中、X及びYがC(=O)OR1を表す、請求項1乃至請求項5のうち何れ
    か一項に記載の感光性組成物。
  7. 前記式(1)中、R1が非置換の、又は、炭素原子数1乃至12の直鎖アルキル基、炭素
    原子数3乃至12のシクロアルキル基、炭素原子数1乃至12のアルコキシ基、炭素原子数1乃至12のアシル基、炭素原子数1乃至12のアシルオキシ基及びヒドロキシ基からなる群から選択される置換基によって置換された炭素原子数5乃至8のシクロアルキル基を表す、請求項1乃至請求項6のうち何れか一項に記載の感光性組成物。
  8. 請求項1乃至請求項7のうち何れか一項に記載の感光性組成物よりなるホログラム記録層。
  9. 請求項8に記載のホログラム記録層が支持体上に形成され、該ホログラム記録層が保護材で覆われているホログラム記録媒体。
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