JP5286987B2 - 積層熱可塑性樹脂フィルム - Google Patents
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Description
前記接着性改質層は、水性溶液を塗布して設けられた層であり、共重合ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素系化合物および高沸点溶媒を含有し、ハロゲン(但し、フッ素を除く)を有しておらず、
前記高沸点溶媒は、その沸点が150℃以上200℃以下であり、その含有量が前記接着性改質層の全質量に対して0.005質量%以上かつ0.05質量%未満であり、
前記フッ素系化合物は、分子構造中に平均で6〜16個のエチレンオキシド基及び炭素数6から9の直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキル基を有し、エチレンオキシド基の個数(n)とパーフルオロアルキル基の炭素数(m)との比(n/m)が0.8以上、2.0以下である、
積層熱可塑性樹脂フィルム。
(2)フッ素系化合物が、下記(I)または(II)の少なくとも1種の化合物である(1)に記載の積層熱可塑性樹脂フィルム:
(I)分子構造中に平均で8〜12個のエチレンオキシド基を有する、パーフルオロプロピレン重合体とポリオキシエチレンとの付加反応物、
(II)分子構造中に平均で6〜16個のエチレンオキシド基を有するポリオキシエチレン−2−パーフルオロヘキシルエチルエーテルまたはポリオキシエチレン−2−パーフルオロオクチルエチルエーテル。
(3)前記高沸点溶媒が、一般式: R 1 −O−CH 2 −Z−CR 3 R 4 −O−R 2
(式中、R 1 〜R 4 は各々独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。ただし、R 1 およびR 2 の少なくとも一方は水素原子以外である。−Z−は、単結合、メチレン基またはオキシ基(−O−)である)で示される化合物である、(1)の積層熱可塑性樹脂フィルム。
(4)前記高沸点溶媒が、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールt−ブチルエーテル、3−メチル3−メトキシブタノール、3−メトキシブタノール、プロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートからなる群より選択される1種または2種以上の溶媒である、(1)の積層熱可塑性樹脂フィルム。
(5)熱可塑性樹脂フィルムおよび/または接着性改質層が粒子を含有する(1)から(3)のいずれかの積層熱可塑性樹脂フィルム。
(6)熱可塑性樹脂フィルムが実質的に粒子を含有せず、少なくとも一方の接着性改質層が粒子を含有する(1)から(4)のいずれかの積層熱可塑性樹脂フィルム。
(7)粒子がシリカ粒子である(5)または(6)のいずれかの積層熱可塑性樹脂フィルム。
(8)積層熱可塑性樹脂フィルムのヘーズが1.5%以下である(1)〜(7)のいずれかの積層熱可塑性樹脂フィルム。
(9)光学機能性フィルムまたは光学機能性シートの基材フィルムとして使用される(1)〜(8)のいずれかの積層熱可塑性樹脂フィルム。
(10)光学機能性フィルムまたは光学機能性シートがプリズムシートである(9)の積層熱可塑性樹脂フィルム。
(11)少なくとも一方の接着性改質層が100mJ/cm2以上、300mJ/cm2未満の紫外線照射を施されたものである(1)〜(10)のいずれかの積層熱可塑性樹脂フィルム。
積層熱可塑性樹脂フィルムの接着性改質層面に形成した所定の紫外線硬化型樹脂層に、所定強度の波長365nmの紫外線を照射することによって、硬化型樹脂からなる光学機能層を形成させ、この光学機能層について粘着テープによる碁盤目剥離試験(100個の升目)を2回繰り返した後に、剥がれずに残った升目の数で評価する。具体的な試験方法は実施例の欄において詳述する。
熱可塑性樹脂フィルムは熱可塑性樹脂からなるフィルムであり、典型例として、熱可塑性樹脂を溶融押出または溶液押出することにより得られる未配向シートを、必要に応じ、長手方向又は幅方向の一軸方向に延伸し、あるいは二軸方向に逐次二軸延伸または同時二軸延伸し、熱固定処理を施すことによって得られるフィルムが挙げられる。
接着性改質層は、共重合ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、所定量の高沸点溶媒、および所定のフッ素系化合物を含有する。接着性改質層は、好適には、前記各成分および水やアルコールを含む水性塗布液を、走行する熱可塑性樹脂フィルムの片面または両面に連続的に塗布する塗布工程、塗布層(接着性改質層)を乾燥する乾燥工程、次いで少なくとも一軸方向に延伸する延伸工程、さらに延伸された塗布フィルムを熱固定処理する熱固定処理工程を経て連続的に形成される。
接着性改質層は、好適には塗布法を用いて形成される。塗布液に用いる材料は、樹脂成分(共重合ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、および必要に応じて第3の樹脂)、所定量の高沸点溶媒、所定のフッ素系化合物及び溶媒(分散媒を含む)である。本発明において、接着性改質層形成のために用いる塗布液は、水性であることが好ましい。また、必要に応じて、粒子、帯電防止剤、紫外線吸収剤、有機潤滑剤、抗菌剤、光酸化触媒などの添加剤を用いることができる。また、塗布液には、樹脂の熱架橋反応を促進させるため、触媒を添加しても良く、例えば、無機物質、塩類、有機物質、アルカリ性物質、酸性物質および含金属有機化合物等、種々の化学物質を用いることができる。また、塗布液のpHを調節するために、アルカリ性物質あるいは酸性物質を添加してもよい。塗布液は、分散媒あるいは溶媒中に、撹拌下、樹脂成分を分散または溶解し、次いで、所定量の高沸点溶媒、所定のフッ素系化合物のほかに、必要に応じて各種添加剤を併用し、所望する固形分濃度にまで希釈して調製する。
(共重合ポリエステル系樹脂)
本発明における接着性改質層に用いる共重合ポリエステル系樹脂は、芳香族ジカルボン酸成分と、グリコール成分としてエチレングリコールおよび分岐したグリコールとを構成成分とすることが好ましい。前記の分岐したグリコール成分としては、例えば、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジ−n−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、及び2,2−ジ−n−ヘキシル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。
ポリウレタン系樹脂として複合体が含み得るポリウレタンは、熱反応型ポリウレタン樹脂が好ましく、例えば、末端イソシアネート基を活性水素基で封鎖(以下ブロックと言う)した、水溶性または水分散性ポリウレタンなどが挙げられる。
塗布液中に、所定のフッ素系化合物と相溶性の高い高沸点溶媒を特定の量含有させることが重要である。塗布液中の高沸点溶媒の含有量は、塗布液の全質量に対して3質量%以下とするのが好ましい。塗布液中の高沸点溶媒の含有量が3質量%を超えると、耐ブロッキング性が低下する場合がある。塗布液中に上記特定量の高沸点溶媒を含有させることによって、接着性改質層中に0.005質量%以上かつ0.05質量%未満の範囲内で高沸点溶媒を残留させることができ、また、製膜時の熱固定処理工程において、フッ素系化合物を接着性改質層中に安定して存在させてブリードアウトを最小限に抑制することができる。塗布層(接着性改質層)中に高沸点溶媒が残留すると、ブロッキングなどの弊害が発生するとこれまで考えられてきたが、本願発明では特定量の高沸点溶媒を接着性改質層中に残留させることによって、前記のような驚くべき効果が得られることが分かった。
(a)塗布斑等、接着性改質層の面質の低下を防ぐことができるので、光学用基材フィルムとして用いた場合、近年要求される高精細化に適合できる。
(b)接着性改質層中の高沸点溶媒の残存量の増加による耐ブロッキング性の低下を防止することができる。
(c)分散液中の高沸点溶媒の含有量を多くする必要がないので、コスト面で有利である。
(d)過剰の高沸点溶媒による爆発の危険性、環境汚染が少ない。
(e)塗布液を塗布、乾燥する際に、乾燥時間を長くする必要がない。
本発明では、塗布液を均一に塗布するため、塗布液にフッ素系化合物を添加する。本発明におけるフッ素系化合物は、分子構造中に平均で6〜16個のエチレンオキシド基を有する。さらに、該フッ素系化合物は、表面張力を低下させる機能を有するパーフルオロアルキル基(Rf)を有することが望ましい。かかるフッ素化合物は界面活性剤として作用し、フィルムの濡れ性を向上させ、塗布液を均一に塗布することができる。パーフルオロアルキル基(Rf)の炭素数(m)は、6から9が好ましい。Rfの炭素数が6〜9であると、界面活性効果により、樹脂成分の水性塗布液への分散性が良好となり、また、塗布層(接着性改質層)のレベリング性が良好となる。かかるパーフルオロ基(Rf)は、直鎖状または分岐状のいずれであっても好適に使用できる。
(I)分子構造中に平均で8〜12個のエチレンオキシド基を有する、パーフルオロプロピレン重合体とポリオキシエチレンとの付加反応物、
(II)分子構造中に平均で6〜16個のエチレンオキシド基を有するポリオキシエチレン−2−パーフルオロヘキシルエチルエーテルまたはポリオキシエチレン−2−パーフルオロオクチルエチルエーテル。
ここで、(I)のパーフルオロプロピレン重合体は、炭素数6を有する2量体、もしくは炭素数9を有する3量体であることが望ましい。また、上記(I)、(II)のフッ素系化合物は、十分均一な塗布性およびブリードアウトの抑制を両立することが可能であり、さらに、高沸点溶媒に対する親和性もよく、ブリードアウトの防止に好適である。なお、ポリオキシエチレン−2−パーフルオロオクチルエチルエーテルは、ポリオキシエチレン−2−パーフルオロへキシルエチルエーテルよりもパーフルオロ基(Rf)が多いため、比(n/m)が上記範囲内となるように、エチレンオキシド基の個数は7個以上であることがより好ましい。
本発明においては、溶媒とは、樹脂成分を溶解する液体だけではなく、樹脂成分を粒子状に分散させるために用いる分散媒も広義的に含むものである。本発明を実施するためには、有機溶媒、水性溶媒等の各種溶媒を用いることができる。
上記塗布液は、pHが5以上8未満の範囲であることが好ましい。塗布液のpHが5未満では、得られる積層フィルムと機能層との密着性に劣る傾向がある。一方、塗布液のpHが8以上では、添加剤として粒子を用いる場合、その種類によっては顕著な凝集が起こり、得られる積層フィルムのヘーズが上昇して透明性が悪化するため好ましくない。塗布液のpHを上記範囲内とするためにpH調整剤を用いてもよく、このようなpH調整剤としては、密着性、耐ブロッキング性、塗布性に悪影響を及ぼさないか、無視できるものであれば特に限定されない。例えば、pHを高くする場合には重曹あるいは炭酸ナトリウムを、pHを低くする場合は酢酸等を用いることができる。
例えば、インラインコート法により積層された接着性改質層に、適切な粒径の粒子を含有させて、接着性改質層表面に適切な凹凸を形成させることにより、得られる積層熱可塑性樹脂フィルムの滑り性、巻き取り性および耐スクラッチ性を改善することができる。
電子顕微鏡を用いて、最も小さい粒子1個の大きさが2〜5mmとなるような倍率で粒子を撮影し、300〜500個の粒子の最大径を測定し、それらの平均値を求め、平均粒径または平均一次粒径とする。また、積層フィルムの接着性改質層中の粒子の平均粒径を求める場合は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、倍率12万倍で積層フィルムの断面を撮影し、接着性改質層の断面に存在する粒子の最大径を測定し、それらの平均値を求め、平均粒径とする。凝集体からなる粒子(P2)の平均粒径は、光学顕微鏡を用いて、倍率200倍で積層フィルムの接着性改質層の断面を撮影し、断面に存在する300〜500個の凝集体粒子の最大径を測定し、それらの平均値を求めることにより得られる。
前記水性塗布液を塗布する工程は、熱可塑性樹脂フィルム(基材フィルム)の製造工程中に行う、いわゆるインラインコート法により行われるのが好ましい。さらに好ましくは、水性塗布液は、結晶配向が完了する前の基材フィルムに塗布される。水性塗布液中の固形分濃度は、30質量%以下であることが好ましく、特に好ましくは10質量%以下である。固形分濃度の下限は1質量%が好ましく、さらに好ましくは3質量%、特に好ましくは5質量%である。該水性塗布液が塗布された基材フィルムは、結晶配向および熱固定のためにテンターに導かれ、そこで加熱されて、熱架橋反応により安定な被膜(接着性改質層)を形成し、積層フィルムとなる。
最終的な接着性改質層の塗布量(フィルム単位面積当りの固形分質量)は、0.005〜0.20g/m2に管理することが好ましい。塗布量が0.005g/m2未満であると、得られる積層フィルムと機能層との密着性が不十分となる場合がある。一方、塗布量が0.20g/m2を超えると、耐ブロッキング性が低下する。また、塗布量が0.05g/m2未満の場合、平均粒径が60nm以下の粒子を用いることが好ましい。粒子の平均粒径が60nmを超えると、粒子が接着性改質層から脱落しやすくなる。なお、従来技術では、塗布量が0.05g/m2未満では、十分な密着性が得られにくい。基材フィルムの両面に接着性改質層を設ける場合は、両面の接着性改質層の塗布量は、同じであっても異なっていてもよく、積層フィルムの用途に応じて、それぞれ独立して上記範囲内で設定することができる。
(紫外線照射工程)
好ましくは、上記のようにして得られた接着性改質層に、100mJ/cm2以上、300mJ/cm2未満の紫外線を照射する。このような照射を施すことによって、接着性改質層が劣化しにくくなるので、積層フィルムの機能層に対する密着性が顕著に低下する懸念がほとんどなくなり、かつ、接着性改質層の表面のフッ素の量を低減させることができる。接着性改質層が熱可塑性樹脂フィルムの両面に設けられている場合には、両面あるいは片面だけの接着性改質層を紫外線照射に供してもよい。
清浄に保った厚さ5mmのガラス板上に、ハードコート剤(大日精化製、セイカビームEXF01(B))約5gをのせ、フィルム試料の接着性改質層面とハードコート剤とが接するように重ね合わせ、フィルム試料の上から幅10cm、直径4cmの手動式荷重ゴムローラーでハードコート剤を引き延ばすように圧着した。次いで、フィルム面側から、高圧水銀灯で500mJ/cm2、照射距離15cm、走行速度5m/分の条件下で、紫外線を照射して、ハードコート層を硬化させた。
密着性(%)=(1−升目の剥がれた個数/100個)×100
密着性(%)が80%以上を○
密着性(%)が79%以下を×
とした。
充填カラム型ガスクロマトグラフを用いて残存溶媒量の測定を次のように行った。フィルム試料約20mgを正確に秤量し、フィルム試料を入れたガラスインサートをガスクロマトグラフ注入口にセットし、ガスクロマトグラフ注入口にて150℃で5分間加熱し、室温でカラム先端部に高沸点溶媒をトラップした後、下記に示す条件で高沸点溶媒の測定及び定量を行った(A:ppm)。また、別に10cm四方に切り取ったフィルム試料を秤量(B:g)後、接着性改質層を溶剤で拭き取り、拭き取り前後のフィルム試料の重量差(C:g)を求めた。残存溶媒量は次式を用いて算出した。
塗布層(接着性改質層)中の高沸点溶媒量(%)=A×B×10−4/C
(尚、基材の両面に同じ塗布量で接着性改質層が形成されている場合は、上記計算結果の1/2とし、塗布量が異なる場合は、塗布層の厚み比率により按分する。)
装置:GC−14型(島津製作所社製)
カラム:内径3mm、長さ1.6m
充填剤:Themon−1000(5%)/KOH含浸
固定相:chromosorb W−AWCS
キャリアーガス:窒素(流速40ml/分)
オーブン温度:60〜190℃(昇温度速度10℃/分)
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
検出温度:240℃
なお、定量分析においては検量線を作成し、定量に用いた。
例えば、高沸点溶媒がブチルセロソルブの場合、1000μg/mlのメタノール溶液2μlを注入口に注入して150℃で5分間トラップし、上記条件で測定し、ピーク面積
から検量線を作成した。
フィルム試料の接着性改質層面と実質的に粒子を含まないポリエステル樹脂フィルム表面とを重ね合わせ、これに1kgf/cm2の圧力をかけ、50℃、60%RHの雰囲気下で24時間密着させた後、剥離し、下記の方法で実質的に粒子を含まないポリエステル樹脂フィルムの表面フッ素量を求めた。
F/C 0以上、0.005未満 ○
0.005以上、0.008未満 △
0.008以上、 ×
2枚のフィルム試料の被覆層(接着性改質層)面同士を重ね合わせ、これに1kgf/cm2の圧力をかけ、50℃、60%RHの雰囲気下で24時間密着させた後、剥離し、その剥離状態を下記の基準で判定した。
○:接着性改質層の転移がなく、軽く剥離できるもの
△:剥離音が発生し、部分的に接着性改質層が相手面に転移しているもの
×:2枚のフィルムが固着して剥離できないもの、あるいは剥離できても基材であるポリエステルフィルムが劈開しているもの
以下に示す方法によって、接着性改質層中のフッ素以外のハロゲンの有無を調べた。実施例及び比較例で得られたフィルム試料3.0gを細かく裁断し、20mlのメタノールで抽出を行った(密閉容器中、室温、浸漬2時間)。抽出液10mlを穏やかに加熱して1mlまで濃縮した後、濃縮液0.1mlを酸素フラスコ燃焼法で完全燃焼し、発生した酸性ガスをアルカリ吸収液で吸収させ、イオンクロマトグラフィーを用いてハロゲンの有無を調べた。なお、イオンクロマトグラフィーは、下記の条件で行った。
[イオンクロマトグラフィー条件]
装置:DX−120(日本ダイオネクス社製)
カラム:AS12A(内径4mm)
移動相:炭酸ナトリウム(2.7mmol/L)、炭酸水素ナトリウム(0.3mmol/L)
流速:1.5ml/分
カラム温度:25℃
定量分析においては検量線を作成し、定量に用いた。フッ素以外のハロゲンの濃度が1ppm未満をハロゲン無し、1ppm以上をハロゲン有りとした。
JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠し、日本電色工業社製NDH−300A型濁度計を用いて測定した。
(1)塗布液の調合
塗布液を以下の方法に従って調製した。ジメチルテレフタレート95質量部、ジメチルイソフタレート95質量部、エチレングリコール35質量部、ネオペンチルグリコール145質量部、酢酸亜鉛0.1質量部および三酸化アンチモン0.1質量部を反応容器に仕込み、180℃で3時間かけてエステル交換反応を行った。次に、5−ナトリウムスルホイソフタル酸6.0質量部を添加し、240℃で1時間かけてエステル化反応を行った後、250℃で減圧下(10〜0.2mmHg)、2時間かけて重縮合反応を行い、数平均分子量19,500、軟化点60℃の共重合ポリエステル系樹脂(A)を得た。
得られた共重合ポリエステル系樹脂(A)300質量部とブチルセロソルブ140質量部とを160℃で3時間撹拌して粘稠な溶融液を得、この溶融液に水560質量部を徐々に添加し、1時間後に均一な淡白色の固形分濃度30%の水分散液を得た。
アジピン酸//1.6ーヘキサンジオール/ネオペンチルグリコール(モル比:4//2/3)の組成からなるポリエステルジオール(OHV:2000eq/ton)100質量部と、キシリレンジイソシアネートを41.4質量部混合し、窒素気流下、80〜90℃で1時間反応させた後、60℃まで冷却し、テトラヒドロフラン70質量部を加えて溶解し、ウレタンプレポリマー溶液(NCO/OH比:2.2、遊離イソシアネート基:3.30質量%)を得た。引き続き、前記のウレタンプレポリマー溶液を40℃にし、次いで、20質量%の重亜硫酸ナトリウム水溶液を45.5質量部加えて激しく撹拌を行いつつ、40〜50℃で30分間反応させた。遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)の消失を確認した後、乳化水で希釈し、固形分20質量%の重亜硫酸ソーダでブロックしたイソシアネート基を含有する自己架橋型ポリウレタン系樹脂水溶液(A)を得た。
原料ポリマーとして、粒子を含有していない、固有粘度が0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂ペレットを135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した。次いで、乾燥後のPET樹脂ペレットを押し出し機に供給し、約285℃にて、濾過粒子サイズ(初期濾過効率:95%)が15μmのステンレス製焼結濾材を用いて、溶融状態のPET樹脂を精密濾過して異物を除去し、約285℃でシート状に溶融押し出し、表面温度20℃に保った金属ロール上で急冷固化し、キャストフィルムを得た。
界面活性剤<1>の10質量%水溶液の添加量を0.3質量部に変更した以外は実施例1と同様の方法で、積層熱可塑性樹脂フィルムを得た。
界面活性剤<1>の10質量%水溶液の添加量を1.0質量部に変更した以外は実施例1と同様の方法で、積層熱可塑性樹脂フィルムを得た。
界面活性剤<1>のかわりに、パーフルオロプロピレン重合体(2および3量体)とポリオキシエチレン(エチレンオキシド単位の数=8)との付加反応物からなる界面活性剤<2>(株式会社ネオス社製、フタージェント251)を用いたこと以外は実施例2と同様の方法で、積層熱可塑性樹脂フィルムを得た。
界面活性剤<1>のかわりに、パーフルオロプロピレン重合体(2および3量体)とポリオキシエチレン(エチレンオキシド単位の数=12)との付加反応物からなる界面活性剤<3>(株式会社ネオス社製、フタージェント212MH)を用いた以外は実施例2と同様の方法で、積層熱可塑性樹脂フィルムを得た。
界面活性剤<1>をさらに以下に示す精製処理に供したこと以外は実施例2と同様の方法で、積層熱可塑性樹脂フィルムを得た。
(界面活性剤の精製)
前記の界面活性剤<1>にイソプロピルアルコール(IPA)を加え、30℃の温浴上で加熱溶解して15質量%の界面活性剤<1>のIPA溶液を作製した。この溶液を定量濾紙(アドバンテック東洋製、No.5C)で濾過し、溶液中の不溶分およびゴミを除去した。得られた濾液を密閉したガラス容器に入れ、0℃の冷凍庫内で24時間静置した。24時間経過後、析出した固体を含む溶液を、前記の定量濾紙を使用して吸引濾過した。濾紙上の固体を真空乾燥して固体を得、水で10質量%水溶液に希釈して、前処理した界面活性剤<1>として用いた。
共重合ポリエステル系樹脂(A)の30%の水分散液として、共重合ポリエステル系樹脂(A)300質量部とブチルセロソルブ250質量部を160℃で3時間撹拌して粘稠な溶融液を得、この溶融液に水450質量部を徐々に添加し、1時間後に得られた均一な淡白色の固形分濃度30%の水分散液を使用した以外は実施例2と同様の方法で、積層熱可塑性樹脂フィルムを得た。
共重合ポリエステル系樹脂(A)の30%の水分散液として、共重合ポリエステル系樹脂(A)300質量部とブチルセロソルブ60質量部を160℃で3時間撹拌して粘稠な溶融液を得、この溶融液に水600質量部を徐々に添加し、1時間後に得られた均一な淡白色の固形分濃度30%の水分散液を使用した以外は実施例2と同様の方法で、積層熱可塑性樹脂フィルムを得た。
第7熱固定ゾーンの出口に高圧水銀灯を設置し、200mJ/cm2の条件で接着性改質層に紫外線を照射した以外は実施例2と同様の方法で、積層熱可塑性樹脂フィルムを得た。
界面活性剤<1>のかわりに、15個のエチレンオキシド基を骨格に有するフッ素系化合物(ポリオキシエチレン−2−パ−フルオロオクチルエチルエーテル)(界面活性剤<4>)を使用した以外は実施例2と同様の方法で、積層熱可塑性樹脂フィルムを得た。
共重合ポリエステル系樹脂(A)の30%の水分散液として、共重合ポリエステル系樹脂(A)300質量部とブチルセロソルブ20質量部を160℃で10時間撹拌して粘稠な溶融液を得、この溶融液に水を徐々に添加し、5時間後に得られた均一な淡白色の固形分濃度30%の水分散液を使用した以外は実施例2と同様の方法で、積層熱可塑性樹脂フィルムを得た。
界面活性剤を添加しなかった以外は実施例1と同様の方法で、積層熱可塑性樹脂フィルムを得た。
共重合ポリエステル系樹脂(A)の30%の水分散液として、共重合ポリエステル系樹脂(A)300質量部とブチルセロソルブ550質量部を25℃で1時間撹拌して粘稠な溶融液を得、この溶融液に水を加えて得られた固形分濃度30%の水分散液を使用した以外は実施例2と同様の方法で、積層熱可塑性樹脂フィルムを得た。
界面活性剤<1>のかわりに、9個のエチレンオキシド基を骨格に有するフッ素系化合物(ポリオキシエチレン−2−パ−フルオロオクチルスルホアミドエチルエーテル)(界面活性剤<5>)を使用した以外は実施例1と同様の方法で、積層熱可塑性樹脂フィルムを得た。なお、界面活性剤<5>には、反応中間生成物として塩素を有する化合物が含まれていた。その結果、積層フィルムと機能層との密着性は問題なかったものの、フッ素の裏移りが認められた。
Claims (11)
- 熱可塑性樹脂フィルムと、その片面または両面に設けられた接着性改質層とを備える積層熱可塑性樹脂フィルムであって、
前記接着性改質層は、水性溶液を塗布して設けられた層であり、共重合ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素系化合物および高沸点溶媒を含有し、ハロゲン(但し、フッ素を除く)を有しておらず、
前記高沸点溶媒は、その沸点が150℃以上200℃以下であり、その含有量が前記接着性改質層の全質量に対して0.005質量%以上かつ0.05質量%未満であり、
前記フッ素系化合物は、分子構造中に平均で6〜16個のエチレンオキシド基及び炭素数6から9の直鎖状または分岐状のパーフルオロアルキル基を有し、エチレンオキシド基の個数(n)とパーフルオロアルキル基の炭素数(m)との比(n/m)が0.8以上、2.0以下である、
積層熱可塑性樹脂フィルム。 - フッ素系化合物が、下記(I)または(II)の少なくとも1種の化合物である請求項1に記載の積層熱可塑性樹脂フィルム:
(I)分子構造中に平均で8〜12個のエチレンオキシド基を有する、パーフルオロプロピレン重合体とポリオキシエチレンとの付加反応物、
(II)分子構造中に平均で6〜16個のエチレンオキシド基を有するポリオキシエチレン−2−パーフルオロヘキシルエチルエーテルまたはポリオキシエチレン−2−パーフルオロオクチルエチルエーテル。 - 前記高沸点溶媒が、一般式: R1−O−CH2−Z−CR3R4−O−R2
(式中、R1〜R4は各々独立に、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基である。ただし、R1およびR2の少なくとも一方は水素原子以外である。−Z−は、単結合、メチレン基またはオキシ基(−O−)である)で示される化合物である、請求項1に記載の積層熱可塑性樹脂フィルム。 - 前記高沸点溶媒が、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールt−ブチルエーテル、3−メチル3−メトキシブタノール、3−メトキシブタノール、プロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートからなる群より選択される1種または2種以上の溶媒である、請求項1に記載の積層熱可塑性樹脂フィルム。
- 熱可塑性樹脂フィルムおよび/または接着性改質層が粒子を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層熱可塑性樹脂フィルム。
- 熱可塑性樹脂フィルムが実質的に粒子を含有せず、少なくとも一方の接着性改質層が粒子を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層熱可塑性樹脂フィルム。
- 粒子がシリカ粒子である請求項5または請求項6のいずれか1項に記載の積層熱可塑性樹脂フィルム。
- 積層熱可塑性樹脂フィルムのヘーズが1.5%以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層熱可塑性樹脂フィルム。
- 光学機能性フィルムまたは光学機能性シートの基材フィルムとして使用される請求項1〜8のいずれか1項に記載の積層熱可塑性樹脂フィルム。
- 光学機能性フィルムまたは光学機能性シートがプリズムシートである請求項9記載の積層熱可塑性樹脂フィルム。
- 少なくとも一方の接着性改質層が100mJ/cm2以上、300mJ/cm2未満の紫外線照射を施されたものである請求項1〜10のいずれか1項に記載の積層熱可塑性樹脂フィルム。
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