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JP5287147B2 - 光学シート、及び映像表示装置 - Google Patents
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Description

本発明は、映像源から出射される映像光を制御して観察者側に出射する光学シート、及び該光学シートを備える映像表示装置に関し、詳しくは、高温、高温高湿環境での使用に対しても映像にムラを発生し難いとともに、構成が簡易である光学シート、及び該光学シートを備える映像表示装置に関する。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、リアプロジェクション、有機EL、FED等のように、映像を観察者に出射する映像表示装置には、映像源、及び該映像源からの映像光の質を高めて観察者に出射するための各種機能を有する層を具備する光学シートが備えられている。
このような光学シートとして例えば特許文献1等が開示されている。特許文献1に記載の光学シートは、光を透過可能に設けられた高い屈折率の層に、所定の間隔を有して形成された構造体が並列されている。これにより高い屈折率の層と構造体との界面で映像光を反射させて、観察者に映像を提供する。
一方、特許文献2には光学シートに用いる機能層としての防眩性反射防止フィルムが開示されている。これによれば、LCD(液晶表示装置)に関しては、TAC(トリアセチルセルロース)により形成された支持体に防眩層(AG層)が設けられている。
特表2003−504691号公報 特開2002−55206号公報
しかしながら特許文献1に記載の光学シートに、特許文献2に記載のようなTAC層とAG層とを用いた場合、結果的に物性の異なる多くの層が積層されることになる。そして、高温、高温高湿の雰囲気における膨張、収縮が層によって異なるので、幾何形状が重要であるブラックストライプ等の形状(特許文献1における構造体)に変形を生じてしまうことがあった。このように生じた形状の変化は、出射する映像光にも影響を及ぼし、顕著なときには画面内にムラが発生する場合もあった。
そこで本発明は上記問題点に鑑み、高温、高温高湿である環境にあっても映像光に不具合を生じ難い光学シート、及び該光学シートを備える映像表示装置を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項に記載の発明は、バックライト、バックライト側の偏光板、液晶パネル、及び観察者側の偏光板を具備してこれらが積層されてなる映像源ユニットを備え、さらに、観察者側の偏光板の観察者側に粘着剤を介して直接貼付される光学シートを有し、光学シートは、光を透過可能にシート面に沿って並列されるプリズム部、及びプリズム部間に光を吸収可能に並列される光吸収部、を有する光学機能シート層と、光学機能シート層の観察者側に積層され、プリズム部と同じ材料からなる母材及び該母材とは異なる屈折率である光拡散材を前記母材に含有してなるとともに、光学機能シート層に接する面とは反対側の面に粗面が形成されている粗面形成層と、を備え、粗面形成層(17)が観察者側となるように配置されることを特徴とする映像表示装置を提供することにより前記課題を解決する。
ここでプリズム部が「シート面に沿って並列され、」とは、当該プリズム部がシート面の一方向に沿って並列されることに限定されず、シートの面に沿って所定の法則性を有して並べられるように配置されていれば良い概念である。従って、例えばシート面に沿って斜めに並べられてもよいし、千鳥状に並べられてもよい。
本発明の光学シート、及び該光学シートを用いた映像表示装置により、高温、高温高湿である雰囲気であっても映像光にムラを生じ難くすることができる。また、積層する層の数を減らすことも可能なので、安価な光学シート、及び該光学シートを用いた映像表示装置を提供することもできる。
本発明のこのような作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし本発明は実施形態に限定されるものではない。
図1は、第一実施形態に係る光学シート10の断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。光学シート10は、PETフィルム層11、光学機能シート層12、粗面形成層17を備えている。上記各層は図1で示した断面を維持して紙面奥/手前方向に延在する。以下に各層について説明する。以下に示す図では、見易さのため繰り返しとなる符号は一部省略することがある。
PETフィルム層11は、該PETフィルム層11の一方の面上に光学機能シート層12を形成するためのベースとなる基材層としてのフィルム層で、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分として形成されている。当該PETフィルム層11はPETを主成分として含有していれば良く、他の樹脂が含まれてもよい。ここで主成分とはPETフィルム層全体に対して50質量%以上を意味する。また、各種添加剤を添加してもよい。一般的な添加剤としては、フェノール系等の酸化防止剤、ラクトン系等の安定剤等を挙げることができる。
ここでは基材層としてPETフィルム層を説明したが、必ずしもPETを材料とすることはなく、その他にもポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、又はポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂等の「ポリエステル系樹脂」を用いることができる。本実施形態では、性能に加え、量産性、価格、入手可能性等の観点からポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とする樹脂が好ましい材料であるとして説明した。
光学機能シート層12は、シートの厚さ方向断面において略台形であるプリズム部13、13、…と、該プリズム部13、13、…の間に配置された光吸収部14、14、…とを備えている。図2に2つの光吸収部14、14及びこれに隣接するプリズム部13、13、13に着目した拡大図を示した。図1、図2を参照しつつ光学機能シート層12について説明する。
プリズム部13、13、…は、PETフィルム層11側が下底、他方の側が上底となるように配置された略台形断面を有する要素である。また、プリズム部13、13、…は、屈折率がNである光透過性樹脂で構成されている。これは通常、電離放射線、紫外線等により硬化する特徴を有する例えばエポキシアクリレート等により形成されている。Nの大きさは特に限定されることはないが、適用材料の入手性の観点から1.49〜1.56であることが好ましい。当該プリズム部13、13、…内を映像光が透過することにより観察者に映像光が提供される。
光吸収部14、14、…は、プリズム部13、13、…の間に配置される部位である。光吸収部14、14、…はプリズム部13、13、…の上底側を底辺とし、これに対向する頂点がプリズム部13、13、…の下底側となるような略三角形形状である。該光吸収部14、14、…は、屈折率がNである物質が充填されたバインダー部15、15、…と、該バインダー部15、15、…に混入された光吸収粒子16、16、…とを備えている。当該光吸収部14、14、…に外光が入射して吸収されることにより、外光が映像光に及ぼす影響を減じることができ、コントラストを向上させることが可能となる。
バインダー部15、15、…に充填されるバインダー材は、プリズム部13、13、…の屈折率Nよりも小さい屈折率Nである材料により構成される。Nの大きさは特に限定されることはないが、適用する材料の入手性の観点から1.49〜1.56であることが好ましい。そして該バインダー材として用いられるものも特に限定されることはないが、例えば、電離放射線、紫外線等により硬化する特徴を有するウレタンアクリレート等を挙げることができる。
ここで、プリズム部13、13、…の屈折率Nとバインダー部15、15、…の屈折率Nとの差は、N−Nが0より大きく、0.10以下であることが好ましい。これによりプリズム部13、13、…と光吸収部14、14、…との界面で適切に全反射がおこなわれるとともに、迷光や外光を光吸収部14、14、…に入射させて吸収させることができる。
光吸収粒子16、16、…は、入手性及び製造上の観点から平均粒径が1μm以上の粒子が好ましく、これはカーボン等の粒子又は赤、青、黄、黒等の染料にて所定の濃度に着色されている。これには例えば市販の着色樹脂粒子を使用することもできる。当該光吸収粒子16、16、…の屈折率は特に限定されるものではない。
ここで「平均粒径が1μm以上」であることにおける「平均粒径が1μm」とは、重量分布法による粒度測定で、粒径が0.5μm以上で、1.5μmより小さい粒子を対象とし、粒度分布において標準偏差が0.3以上であることを意味する。
平均粒径がこれよりも小さいと、プリズム部と光吸収部との界面に多くの光吸収粒子が密集され、全反射されるべき映像光の一部が吸収されやすくなる虞がある。一方、平均粒径を1μm以上とすることにより、当該界面に光吸収粒子が配置される量を抑えることができ、適切な全反射を確保することが可能となる。
ここで、光吸収部14、14、…の光吸収性能は目的によって適宜調整可能であるが、該光吸収部を構成する材料のみで形成された6μm厚さのシートの透過率測定において、透過率が40〜70%となるような光吸収性能を有するように構成されていることが好ましい。透過率が40〜70%とするための手段は特に限定されるものではないが、例えば光吸収粒子の含有量や光吸収性能を調整して適用することを挙げることができる。
さらに、光吸収部14、14、…の斜辺(シート厚さ方向に延在する2つの辺)のシート面法線に対する角度θは目的に応じて変更可能であり、特に限定されるものではないが、本実施形態の光学シート10では、適切に外光及び映像光の反射、吸収をする観点から、6度〜15度であることが好ましい。
光学機能シート層12は、図1、図2に示したように、プリズム部13、13、…が略台形断面を有し、これらに挟まれて形成される光吸収部14、14、…は三角形断面を有している。しかし、適切に光を制御することができれば、これら形状は特に限定されることなく適宜適切な形状が採用される。これには例えば光吸収部が三角形断面ではなく、台形断面であってもよい。また、プリズム部と光吸収部との界面を形成する斜辺が折れ線状や曲線状であってもよい。
粗面形成層17は、光学機能シート層12に積層され、該光学機能シート層12に接していない側の面には粗面17aが形成されている層である。ここで粗面形成層17は、上記した光学機能シート層12のプリズム部13、13、…と同じ材料により形成されている。従って本実施形態では、電離放射線、紫外線等により硬化する特徴を有する例えばウレタンアクリレート等により形成されている。このように、粗面形成層17をプリズム部13、13、…と同じ材料とすることにより、吸湿や温度変化による膨張、収縮の特性を両者間で同じとすることができる。従って、光学シート10が高温、高温高湿環境におかれた場合にも、粗面形成層17がプリズム部12の当該膨張や収縮を妨げる、又は助長するような無理な力を発生させることがないので、プリズム部13、13、…及び光吸収部14、14、…のシート面内における部分的な変形を抑えることが可能となる。これにより、高温、高温高湿である雰囲気であっても画面内に生じるムラを抑えることができる。
粗面形成層17の一面側に形成される粗面は、上記効果を奏するものであれば特に限定されるものではないが、Ra(十点平均粗さ)で1.5μm程度であることが好ましい。また、当該粗面形成層17の厚さも特に限定されるものではないが、できるだけ薄いことが好ましい。ただし、薄すぎると製造が困難になるので、かかる観点から厚さは6μm程度であることがさらに好ましい。当該粗面により、映像光を拡散させて広い視野角を得ることができるとともに、外光に対しては拡散反射により、ぎらつきを防止(アンチグレア、防眩)することができる。
また、従来においてAGはTACと組み合わされて積層されていたので、ここにTAC層が必須となっていた。しかしながら、光学シート10によれば光学機能シート層12に直接に粗面形成層17を積層することができる。従って、層を減らすことが可能となり、生産性、及び光学シートの薄型化の観点からも優れた光学シートを提供することができる。
このような光学シート10は、例えば次のように形成される。まず、PETフィルムの一面側に、プリズム部13、13、…となる液状の材料を塗布する。次にプリズム部形状を形成するロール金型とPETフィルムとの間に、上記プリズム部となる材料を挟んだ状態で紫外線を照射する。これにより材料が硬化し、プリズム部13、13、…が形成される。そして、上記形成されたプリズム部13、13、…の間に、バインダー部15、15、…となる透明樹脂中に黒色の光吸収粒子16、16、…が分散された材料をスキージする等して充填する。その後該光吸収粒子16、16、…が分散された透明樹脂を硬化させて光吸収部14、14、…とする。これにより光学機能シート層12が形成される。
さらに、プリズム部を形成した材料と同じ材料を上記形成された光学機能シート層12上に塗布する。そして、粗面17aを形成するロール金型と光学機能シート層12との間に、塗布した材料を挟んだ状態で紫外線を照射する。これにより挟まれた材料が硬化し、粗面形成層17が形成される。
次に、光学シート10を備える映像表示装置について説明する。図3は映像表示装置のうち、これに備えられる映像源ユニット1の断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。図3では紙面右が観察者側である。本実施形態の映像表示装置は液晶表示装置であり、映像源ユニット1は液晶ディスプレイパネルユニットである。光学シート10は当該映像源ユニット1の一部を形成している。
映像源ユニット1は、バックライト2、偏光板3、液晶パネル4、偏光板5、粘着剤層6、及び光学シート10を備えている。これら各層は図3で示した断面を維持して紙面奥/手前方向に延在する。ここで光学シート10は、粘着層6の観察者側に積層されている。以下に各層について説明する。また、映像表示装置には、映像源ユニット10を作動させるための電気回路、電源回路も備えられている。
バックライト2は、液晶パネル4の光源である。ここには通常の液晶ディスプレイパネルユニットに用いられるバックライトを用いることができる。これには例えば、発光源を面内に略均等に配置して面状の光源とする形式や、縁(エッジ)に発光源を配置して反射面等を利用して最終的に面状に光を出射するエッジ入力型とする形式等を挙げることができる。
偏光板3、5は、液晶パネル4を挟むように配置される一対の光学要素であり、吸収軸方向に平行な振動面を有する偏光光を吸収する一方、吸収軸方向に直交する振動面を有する偏光光を透過する機能を有する。当該偏光板3、5と液晶パネル4を透過したバックライト2の光が映像光となり観察者側に出射される。
液晶パネル4は、映像源ユニット1における映像源を構成する要素の1つであり、ここに出射されるべき映像情報が表されている。ここには通常の液晶ディスプレイパネルユニットに用いられる液晶パネルを用いることができる。従って、映像源ユニット1では、バックライト2、偏光板3、5、及び液晶パネル4により映像源が形成される。
粘着剤層6は、光学シート10を映像源に接着するために接着剤が配置された層である。粘着剤層6に用いられる粘着剤は、光を透過させるとともに、適切な接着をすることができればその材質は特に限定されるものではない。これには、例えばPSA(感圧接着剤、pressure sensitive adhesive)を挙げることができる。その粘着力は例えば数N/25mm〜20N/25mm程度である。
以上のような映像源ユニット1を備える映像表示装置は例えば次のように作動する。図4に光路例を示した。映像表示装置を作動させると、図4に示したように映像光L1、L1’は、プリズム部13、及び粗面形成層17を透過して観察者側に出射される。ここで、概ね同じ光路を進行してきた映像光L1、L1’は、粗面形成層17から出射するときに、粗面17aの作用により異なる方向に出射されるので映像光が拡散されて視野角が広げられる。
また、映像光L2、L2’、L3、L3’は、プリズム部13に入射した後、該プリズム部13と光吸収部14との界面に達し、屈折率差に基づいて全反射されてプリズム部13、及び粗面形成層17を透過して観察者側に出射される。このとき光吸収部14の斜辺は上記したように所定の角度を有して傾斜しているので、当該斜辺での反射の前後で映像光の角度が変わり、視野角が広がる方向への映像光の出射が可能となる。これにより広い視野角を得ることができる。また、概ね同じ光路を進行してきた映像光L2、L2’、映像光L3、L3’は、粗面形成層17を出射するときに、粗面17aの作用により異なる方向に出射されるので映像光が拡散され、これによっても視野角が広げられる。
ここで、本実施形態の映像表示装置に備えられる光学シート10は、上記したように、粗面形成層17が光学機能シート層12に直接積層されているとともに、粗面形成層17がプリズム部13、13、…と同じ材料により形成されている。従って、映像表示装置が高温、高温高湿である環境で用いられた場合であっても光学機能シート層12と粗面形成層17との膨張、収縮の程度は概ね同じである。これにより粗面形成層17が光学機能シート層12の当該膨張や収縮を妨げる、又は助長するような無理な力を発生させることがないので、プリズム部13、13、…及び光吸収部14、14、…のシート面内における部分的な変形を抑えることが可能となる。従って、高温、高温高湿である雰囲気であっても画面内に生じるムラを抑えることができる。
一方、観察者側からの外光は例えば次のようなものとなる。図5に光路例を示した。観察者側から光学シート10側に進む外光の一部である外光L11、L11’は、粗面形成層17の粗面17aにより反射され、再び観察者側に戻される。このとき、概ね同じ光路により粗面17aに達した外光L11、L11’は、粗面の作用によりそれぞれ異なる方向に反射される。これにより、外光の反射が粗面で拡散されるので、いわゆる表面におけるぎらつきを防止することが可能となる。
また、外光L12は、粗面形成層17を透過して、光吸収部14内に侵入し、光吸収粒子16により吸収される。このように、外光の一部や迷光が光吸収粒子により吸収されるのでコントラストを向上させることが可能となる。
上記した粗面形成層17には、上記した態様に加え、ここに光拡散材が含有されていてもよい。光拡散材は粗面形成層を形成する材料(粗面形成層母材)と異なる屈折率を有する粒子状の物質である。これにより光拡散材表面や内面において光が反射・屈折され、結果として光(映像光)を拡散させることができる。従って、上記粗面17aと相まって光拡散効果を向上させることが可能である。
用いられる光拡散材は特に限定されるものではないが、以下に説明する光拡散材を用いることができる。粗面形成層母材が屈折率Nd及びアッベ数νdを有しており、光拡散材が屈折率Nd及びアッベ数νdを有しているときに次のような関係を有していることが好ましい。すなわち、Nd<Nd、かつ、νd<νdである。
ここでNd、Nd、νd、νdにおける「Nd」、「νd」は、波長が486.1nm(f線)における屈折率をNf、波長が589.2nm(d線)における屈折率をNd、波長が656.3nm(c線)における屈折率をNcとしたときに、νd=(Nd−1)/(Nf−Nc)で表される値である。
これにより光拡散の効果に加え、光拡散の際における波長分散を抑えることができる。これにより映像を観察する角度による色彩の変化を抑制することも可能となる。
すなわち、第一に光拡散材の屈折率Ndが、粗面形成層母材の屈折率Ndよりも大きい。その差は、0.02〜0.06であることが好ましい。屈折率差が0.02より小さいと光拡散効果が小さいので多くの光拡散材を添加しなければならず、経済的、及び製造過程の観点から好ましくない。一方、屈折率差が0.06より大きくなると光拡散効果は大きいが、そのために所定の光拡散特性を得るための光拡散材量が少なくなり、ぎらつき(シンチレーション)の原因となる。より好ましい屈折率差は0.03程度である。
第二に、光拡散材のアッベ数νdは、粗面形成層母材のアッベ数νdよりも大きい。これにより、上記の光拡散材と粗面形成層母材との屈折率差に起因して生じる波長の短い青色の光線に対する拡散が波長の長い赤色の光線に対する拡散より強いという波長依存性を抑えることができる。その結果、映像光のうち所定の波長のみが一方向に集中することによる映像ムラ、すなわち映像を観察する角度により色彩が変化することを抑制することが可能となる。アッベ数の差は、10以上であることが好ましく、30程度であることがさらに好ましい。
このような条件を満たす具体的な構成として次のようなものを挙げることができる。一般的にいわゆるアクリル/スチレン等の樹脂(有機材料)では屈折率が大きくなるほどアッベ数は小さくなる傾向があり、これを光拡散材としたときには上記を満たさない場合がある。これに対して無機材料を用いることによりこれを満たすことができることが多い。このように、光拡散材を無機材料とすることにより、容易に上記関係を満たすことが可能となる。無機材料としては、例えば各種酸化物、窒化物を挙げることができ、例えばシリカ、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素等がある。その他ダイヤモンドであってもよい。その中でも、様々な屈折率、アッベ数のものを入手することができ、その入手も容易である等の観点からガラスビーズを好ましく用いることができる。
光拡散材の粗面形成層母材に対する含有量は特に限定されるものではないが、当該母材100質量部に対して、光拡散材を5〜20質量部の割合で添加する(これを「5〜20パーツ」と記載することがある。)ことが好ましく、10〜15質量部(10〜15パーツ)であることがさらに好ましい。
また、光拡散材の粒子形状は限定されるものではないが、より拡散性を向上させる観点から球形であることが好ましく、その粒子径は16μm以下であることが好ましい。これは、粒子径が16μmより大きいと「ぎらつき(シンチレーション)」の原因となることがあるからである。さらに好ましくは、4μm〜16μmである。これは4μmより小さいと光の散乱の態様が変わる(例えばミー散乱等)可能性があるからである。
図6は第二実施形態にかかる光学シート20の断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。光学シート20は、上記した光学シート10の光学機能シート層12と粘着剤層17との間に、もう1つの光学機能シート層22が積層されている。光学機能シート層22は、光学機能シート層12と同様の構成を有しているが、該光学機能シート層22の光吸収部(図6にはプリズム部23のみが現れ、光吸収部は現れない。)が光学機能シート層12の光吸収部14、14、…と直交するような向きで配置されている。これにより光学シート20によれば、上記光学シート10と同様に、高温、高温高湿である雰囲気であっても画面内に生じるムラを抑えつつ、さらに映像光が拡散される方向を拡張して広い範囲に光を拡散させることが可能となる。
図7は、第三実施形態に係る光学シートのうち、光学機能シート層31の構成を模式的示した斜視図である。図7では、分かりやすさのため斜視図の上と右にそれぞれ端面図を示している。光学機能シート層31以外の構成は上記した光学シート10の構成と共通するので、ここでは説明を省略する。また、このような光学シートが映像表示装置に備えられた場合には、図7の斜視図において紙面手前が観察者側、紙面奥が光源側となる。
図7に示した光学機能シート層31では、断面が三角形である光吸収部33a、33a、…、33b、33b、…が格子状に形成され、格子により囲まれた各領域がプリズム部32、32、…となっている。ここでは光吸収部33a、33a、…、33b、33b、…断面が三角形であるとしたが、ここが台形であってもよい。この時には台形の短い上底が光源側に、台形の長い下底が観察者側になるように配置される。
このような光学シートでは、このように一枚の光学機能シート層31の中で光吸収部が格子状に形成されている。そして当該格子状は略直角に交わっているのが特徴である。このように形成することにより、1枚の光学機能シート層31で水平、及び垂直方向に視野角を広げることができる。従って、光学シートの厚さを薄くしつつ、あらゆる方向に視野角を広げることが可能となる。ここで、光吸収部33a、33a、…、33b、33b、…が格子状であること以外の構成は、上記した光学シート10の光学機能シート層12と同じである。従って、このような光学シートでは、上記説明したように高温、高温高湿である雰囲気であっても画面内に生じるムラを抑えつつ、光学シートの厚さを薄くしながらもあらゆる方向に視野角を広げることが可能となる。
図8は、第四実施形態に係る光学シートのうち、光学機能シート層41の構成を模式的示した斜視図である。図8では、分かりやすさのため斜視図の右に端面を示している。光学機能シート層41以外の構成は上記した光学シート10の構成と共通するので、ここでは説明を省略する。また、このような光学シートが映像表示装置に配置されたときには、図8の斜視図において紙面手前が観察者側、紙面奥が光源側となる。
図8に示した光学機能シート層41では、断面が三角形である光吸収部43a、43a、…、43b、43b、…が角度αを有して格子状に形成され、格子により囲まれた各領域がプリズム部42、42、…となっている。ここでは光吸収部43a、43a、…、43b、43b、…断面が三角形であるとしたが、ここが台形であってもよい。この時には台形の短い上底が光源側に、台形の長い下底が観察者側になるように配置される。
このような光学シートでは、このように一枚の光学機能シート層41の中で光吸収部が格子状に形成されている。そして当該格子状は角度αを有して交わっているのが特徴である。このように形成することにより、当該αに対応する所定の角度への視野角特性を向上させることができる。ここで、光吸収部43a、43a、…、43b、43b、…が格子状であること以外の構成は、上記した光学シート10の光学機能シート層12と同じである。従って、このような光学シートでも、上記説明したように高温、高温高湿である雰囲気であっても画面内に生じるムラを抑えつつ、光学シートの厚さを薄くしながらも所定の方向に視野角特性を向上させることが可能となる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳しく説明する。ただし、本発明は実施例に限定されるものではない。
本実施例では、上記説明した本発明の光学シートを光源に積層し、高温状態における出射光のムラ発生の有無を調べた。また、比較例として従来の光学シートでも同じ条件でムラ発生の有無を調べた。以下に詳しく説明する。
実施例にかかる光学シートは、観察者側から粗面形成層、光学機能シート層、及びPETフィルム層を積層した。一方、これに比較する光学シート(比較例)は、観察者側から粗面形成層、TACフィルム層、粘着剤層、光学機能シート層、及びPETフィルム層を積層して形成した。表1に各層の主要な構成を示した。
Figure 0005287147
ここで、比較例の光学シートにのみ用いられる粘着剤層はアクリル系の接着剤が積層された層である。また光学機能シート層において「光吸収部深さ」は、光吸収部のシート厚さ方向の大きさを意味する。また、「開口率」は、図1にP、Qで示した大きさに関するP/Qを百分率で表したものである。さらに、プリズム部と粗面形成層とは、同じ材料により形成されており、具体的にはウレタンアクリレートである。
このような光学シートを粘着剤により偏光板に貼付し、これをさらにLCDパネルに積層させた。
さらにこのように形成した上記実施例、比較例に係る光学シート含む積層体を光源に貼付し、80℃の高温下に置き、1000時間経過させてこのときの出射光のムラを目視で評価した。目視は画面中央から該画面の法線方向に所定距離離隔した位置からおこなった。ここで所定の距離は、画面の上下方向の長さの3倍とした。画面内にムラを生じなかった場合を良好とし、ムラが生じた場合を不良とした。
その結果、実施例にかかる光学シートは良好である評価、比較例にかかる光学シートでは不良である評価となった。従って、本発明の光学シートにより高温下であっても出射光にムラを発生することを抑えることができることがわかった。
以上、現時点において最も実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う光学シート、及び映像表示装置も本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
第一実施形態に係る光学シートの断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。 図1に示した光学シートのうち光学機能シート層の一部を拡大して示した図である。 図1に示した光学シートを備える映像表示装置のうち映像源ユニットの断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。 映像光の光路を説明するための図である。 外光の光路を説明するための図である。 第二実施形態にかかる光学シートの断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。 第三実施形態にかかる光学シートの断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。 第四実施形態にかかる光学シートの断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。
符号の説明
1 映像源ユニット
2 バックライト(映像源)
3 偏光板
4 液晶パネル(映像源)
5 偏光板
6 粘着剤層
10 光学シート
11 PETフィルム層(基材層)
12 光学機能シート層
13 プリズム部
14 光吸収部
15 バインダー部
16 光吸収粒子
17 粗面形成層
17a 粗面

Claims (1)

  1. バックライト、バックライト側の偏光板、液晶パネル、及び観察者側の偏光板を具備してこれらが積層されてなる映像源ユニットを備え、
    さらに、前記観察者側の偏光板の観察者側に粘着剤を介して直接貼付される光学シートを有し、
    前記光学シートは、
    光を透過可能にシート面に沿って並列されるプリズム部、及び前記プリズム部間に光を吸収可能に並列される光吸収部、を有する光学機能シート層と、
    前記光学機能シート層の観察者側に積層され、前記プリズム部と同じ材料からなる母材及び該母材とは異なる屈折率である光拡散材を前記母材に含有してなるとともに、前記光学機能シート層に接する面とは反対側の面に粗面が形成されている粗面形成層と、を備え、
    前記粗面形成層が観察者側となるように配置されることを特徴とする映像表示装置。
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