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JP5287554B2 - 傾斜地作業設備 - Google Patents
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JP5287554B2 - 傾斜地作業設備 - Google Patents

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Description

本発明は、法枠の縦フレームと横フレームとの交差部にアンカー材を施工するための削孔を形成するのに好適な傾斜地作業設備に関する。
傾斜地を安定化させる工法として、傾斜地に格子状に法枠を施工し、法枠の縦フレームと横フレームとの交差部に設けた口元管から地盤に対して削孔を形成し、この削孔にアンカー材を挿入してセメントミルクで地盤に固定し、このアンカー材の端部を法枠に固定して安定化するフレーム工法が広く採用されている。
ところで、地盤に削孔を形成する方法としては、法枠に足場を組んで行なう方法が一般に広く採用されているが、足場の施工費用が高くなり、また急傾斜地においては、足場の施工作業にも危険を伴うという問題がある。そこで、例えば特許文献1記載の削孔装置のように、移動クレーンのブームに削孔機を昇降可能に設け、法枠の下側に移動クレーンを移動させて、削孔機により順次削孔するように構成したものが提案されている。
一方、山の斜面などの傾斜地における土木作業に好適な土木作業設備として、遠隔操作可能な自走式の作業車と、傾斜地の土木作業面の上側へ前記作業車を助勢する助勢装置とを備え、助勢装置として、作業車に設けた動滑車と、土木作業面の外縁における第1側の下側に設置したウィンチと、土木作業面の外縁付近の傾斜地に、土木作業面の外縁に沿って相互に間隔をあけて設けた複数の固定点と、少なくとも土木作業面の第1側における複数の固定点にそれぞれ取り付けた複数の定滑車とを備え、ウィンチから繰り出した昇降用ワイヤの途中部を、複数の定滑車により、土木作業面の外縁に沿って着脱可能に案内し、昇降用ワイヤの先端部を土木作業面の外縁における第2側に設けた固定点に固定し、第1側の定滑車と、昇降用ワイヤの先端部を固定した固定点又は第2側に設置の定滑車との間に張設される昇降用ワイヤを土木作業面側へ繰り出して、その途中部に作業車の動滑車を引っ掛けた傾斜地用土木作業設備も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開昭63−261094号公報 特開2007−191932号公報
前記特許文献1記載の削孔装置では、法枠に対して足場を組む必要がないので、その分施工コストは安くなるが、ブームのとどく範囲でしか削孔を形成することができず、しかも法枠の下側にクレーンを設置する必要があることから、極限られた現場でないと削孔を形成できないという問題がある。
また、特許文献2記載のように、昇降用ワイヤで作業車を昇降させる場合には、動滑車から両側へ延びる昇降用ワイヤの傾斜地の上下方向に対する角度が左右の昇降用ワイヤに関して異なると、昇降時における昇降用ワイヤの操作力が作業車に対してアンバランスに作用して、作業車を法面に対して上下方向に適正に昇降できないという問題がある。
本発明の目的は、汎用性に優れ、しかも法枠の縦フレームに沿って上下方向に精度良く昇降可能な傾斜地作業設備を提供することである。
本発明に係る傾斜地作業設備は、自走式の削孔作業車と、傾斜地における削孔領域に沿って上下方向に前記削孔作業車を昇降可能な昇降装置とを備えた傾斜地作業設備であって、前記昇降装置は、前記削孔領域よりも山側の傾斜地の両側部に設けた固定点と、前記傾斜地の谷側の一側に設置した昇降用ウィンチと、前記昇降用ウィンチ側の一方の固定点に取り付けた定滑車と、前記昇降用ウィンチから繰り出されて、前記定滑車に引っ掛けられ、前記昇降用ウィンチから離間した他方の固定点に、端部を固定した昇降用ワイヤと、前記定滑車と他方の固定点間に張設した昇降用ワイヤの途中部に引っ掛けられて前記削孔作業車を支持する動滑車と、前記動滑車から両側へ延びる昇降用ワイヤの傾斜地の上下方向に対する角度を左右の昇降用ワイヤに関して略同じに調整するワイヤ角度調整手段であって、前記定滑車と動滑車間または他方の固定点と動滑車間に張設した昇降用ワイヤの少なくとも一方の途中部を側方へ引っ張るための調整用ワイヤと、前記調整用ワイヤの長さを調整可能なワイヤ緊張装置とを有するワイヤ角度調整手段とを備えたものである。
この傾斜地作業設備では、削孔領域よりも山側の傾斜地の両側部に設けた固定点の一方に定滑車を取付け、他方に昇降用ワイヤの端部を固定し、定滑車と他方の固定点間に張設した昇降用ワイヤの途中部に削孔作業車に設けた動滑車を引っ掛けて、昇降用ワイヤを昇降用ウィンチで巻取ったり、繰出したりすることで、昇降用ワイヤで支持しながら、削孔作業車を傾斜地に沿って上下方向へ移動できるように構成されている。また、ワイヤ角度調整手段により、動滑車から左右両側へ延びる昇降用ワイヤの傾斜地の上下方向に対する傾斜角度を、左右の昇降用ワイヤに関して略同じに調整できるので、昇降用ワイヤにより削孔作業車を上下方向に移動させるときに、削孔作業車に対してバランスよく昇降用ワイヤの引っ張り力を作用させて、削孔作業車を精度良く上下方向に移動させることができる。
ここで、前記ワイヤ角度調整手段として、前記他方の固定点と動滑車間に張設される昇降用ワイヤの途中部を挟持するワイヤクリップと、ワイヤクリップに連結した調整用ワイヤと、前記調整用ワイヤの長さを調整可能なワイヤ緊張装置とを有するものを用いることができる。この場合には、他方の固定点と動滑車間に張設される昇降用ワイヤの途中部をワイヤクリップで挟持して、該昇降用ワイヤをワイヤ緊張装置により引っ張って、動滑車の両側へ延びる昇降用ワイヤの角度を調整することになる。そして、この状態で昇降用ワイヤをウィンチで巻き取ったり繰出したりすることで、削孔作業車を傾斜地の傾斜方向に沿って昇降することになる。
前記ワイヤ角度調整手段として、前記定滑車と動滑車間または他方の固定点と動滑車間に張設した昇降用ワイヤの少なくとも一方の途中部に引っ掛けられる調整滑車と、調整滑車に連結した調整用ワイヤと、調整用ワイヤの長さを調整可能なワイヤ緊張装置とを有するものを用いることもできる。この場合には、動滑車から両側へ延びる昇降用ワイヤの一方に調整滑車を引っ掛けて、傾斜面の上下方向に対する一方の昇降用ワイヤの角度が、他方の昇降用ワイヤの角度と略同じになるように、ワイヤ緊張装置により調整用ワイヤを介して該一方の昇降用ワイヤを引っ張り、動滑車の両側へ延びる昇降用ワイヤの角度を調整することになる。そして、この状態で昇降用ワイヤをウィンチで巻き取ったり繰出したりすることで、削孔作業車を傾斜地の傾斜方向に沿って昇降することになる。また、調整滑車は、昇降用ワイヤに沿って荷重バランスの最適位置に移動するので、昇降用ワイヤや調整用ワイヤに無理な力が作用することもない。
前記傾斜地が法枠を施工した傾斜地であり、前記削孔作業車により、前記法枠の縦フレームと横フレームとの交差部に削孔を形成することが好ましい実施例である。この場合には、法枠の縦フレームに沿って削孔作業車を上下方向に移動させて、縦フレームと横フレームの交差部に順番に削孔を形成することになる。
前記削孔作業車が少なくとも法枠の1つの枠の対角の長さよりも長いクローラを有するクローラ式作業車であることが好ましい。このように構成することで、削孔作業車を法枠に沿って縦横無尽に移動させることが可能となり、法枠の任意の位置に削孔を形成することができる。
前記削孔作業車として、削孔位置を左右に切替え可能なスウィングアームを有するものを用いることも好ましい実施例である。この場合には、スウィングアームにより削孔機を左右に移動させて、隣接する2つの縦フレームに削孔を形成することができ、1つの縦フレームに沿って順番に削孔を形成する場合と比較して、作業能率を大幅に向上できる。
本発明に係る傾斜地作業設備によれば、昇降用ワイヤで支持しながら、削孔作業車を傾斜地に沿って上下方向へ移動できるので、傾斜地の下部に作業車を安定設置できない場合や、傾斜地が上下方向に幅広な場合などにおいても、設備費用を増大させたりすることなく、傾斜地に対して効率的に削孔を形成することができる。しかも、ワイヤ角度調整手段により、動滑車から左右両側へ延びる昇降用ワイヤの傾斜地の上下方向に対する傾斜角度を、左右の昇降用ワイヤに関して略同じに調整できるので、昇降用ワイヤにより削孔作業車を上下方向に移動させるときに、削孔作業車に対してバランスよく昇降用ワイヤの引っ張り力を作用させて、削孔作業車を精度良く上下方向に移動させることができる。
法枠に設置した状態での削孔作業車の側面図 傾斜地作業設備の平面図 (a)は定滑車の平面図、(b)は定滑車の側面図 定滑車の設置構造の説明図 固定点及び補強点の設置構造の説明図 他の構成の傾斜地作業設備の平面図 他の構成の傾斜地作業設備の平面図 同傾斜地作業設備の使用方法の説明図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1、図2に示すように、法枠1は、傾斜地2に網体(図示略)を敷設してから、この網体表面に格子状に鉄筋(図示略)を設置するとともに、法枠1の縦フレーム3と横フレーム4との交差部5に対応する位置に閉蓋状態で円筒状の口元管6を設置し、この状態で鉄筋に沿ってモルタルやコンクリートを吹付けて施工したものである。そして、このようにして施工した法枠1を傾斜地2に安定的に固定設置するため、傾斜地2に対して傾斜地作業設備10を設置して、口元管6を開蓋してから、口元管6を通じて地盤に対して削孔7を形成し、この削孔7にアンカー材(図示略)を挿入してからセメントミルクを注入して、アンカー材(図示略)を地盤に固定し、アンカー材の端部を定着金物(図示略)で法枠1に固定している。
傾斜地作業設備10は、前述のように口元管6を通じて地盤に対して削孔7を形成するための設備であり、自走式の削孔作業車11と、削孔領域としての法枠1の施工位置に沿って上下方向に削孔作業車11を昇降可能な昇降装置12とを備え、昇降装置12として、削孔領域よりも山側の傾斜地2の左右両側部に設けた昇降用固定点13と、傾斜地2の谷側の一側に設置した昇降用ウィンチ14と、昇降用ウィンチ14側の左側の昇降用固定点13Lに取り付けた定滑車15と、昇降用ウィンチ14から繰り出されて、定滑車15に引っ掛けられ、昇降用ウィンチ14から離間した右側の昇降用固定点13Rに、端部を固定した昇降用ワイヤ16と、定滑車15と右側の昇降用固定点13R間に張設された昇降用ワイヤ16の途中部に引っ掛けられて削孔作業車11を支持する動滑車17と、動滑車17から両側へ延びる昇降用ワイヤ16の傾斜地2の上下方向の線分Lに対する角度θ1、θ2を左右の昇降用ワイヤ16に関して略同じに調整するワイヤ角度調整手段18とを備えたものである。なお、本実施の形態では、傾斜地作業設備10に削孔作業車11を備えさせたが、削孔作業車11に代えて他の自走式の作業車を設け、傾斜地2に対して作業車を上下方向に移動させて、傾斜地2の一側から他側に向けて順番に削孔7以外の各種作業を行うように構成することも可能である。
削孔作業車11は、クローラ式の作業車本体20と、作業車本体20に左右方向に旋回可能に設けたスウィングアーム21と、スウィングアーム21に取り付けた削孔機22とを備えた周知の構成のものである。クローラ式の作業車本体20は、エアモータで駆動できるように構成したものである。ディーゼルエンジンで駆動される作業車本体20を採用することも可能であるが、作業車本体20が傾斜すると潤滑油等が円滑に供給されず、エンジンに作動不良が発生するので、エアモータで駆動する作業車を採用することが好ましい。また、クローラ23の長さは、法枠1の1つの枠の対角よりも長く設定することが好ましく、法枠1の1つの枠の一辺の長さの2倍程度に設定することがより好ましい。具体的には、クローラドリルCD−2L(東京流機製造株式会社製)の車体をベースにして、クローラ23の長さを法枠1の1つの枠における一辺の長さの約2倍の長さ(例えば4m)に改造したものを好適に採用できる。
昇降用ウィンチ14は、図2に示すように、昇降用ワイヤ16を巻装したドラム25と、ドラム25を正方向と逆方向とに切り替え可能に回転駆動する駆動手段26とを備え、昇降用ワイヤ16を繰り出したり、巻き取ったりできるようになした周知の構成のものである。
ワイヤ角度調整手段18は、右側の昇降用固定点13Rと動滑車17間に張設される昇降用ワイヤ16aの途中部を挟持するワイヤクリップ30と、ワイヤクリップ30に固定した調整用ワイヤ31と、左側の昇降用固定点13L付近に設けた固定点32に一端が固定され、他端が調整用ワイヤ31に接続されて調整用ワイヤ31の長さを調整するワイヤ緊張装置33とを備えている。このワイヤ角度調整手段18では、ワイヤ緊張装置33により調整用ワイヤ31の長さを調整することで、例えば図2に仮想線で示す状態から、実線で示す状態になるまで、昇降用ワイヤ16aを固定点32側へ引き寄せて、角度θ1、θ2が略同じになるように角度θ2を調整することになる。そして、この状態で、昇降用ウィンチ14により昇降用ワイヤ16を巻き取ったり繰出したりすることで、傾斜地2の傾斜方向に沿って削孔作業車11を上下方向に移動することになる。なお、右隣の縦フレーム3に対して削孔7を形成する場合には、削孔作業車11を右隣へ移動させるとともに、昇降用ワイヤ16aの途中部に対するワイヤクリップ30の取付位置を変更したり、調整用ワイヤ31の長さを調整したりして、角度θ1、θ2が同じになるように調整することになる。
ワイヤクリップ30としては、昇降用ワイヤ16の途中部が嵌合される断面コ字状のフレーム34と、フレーム34に嵌合される平板状のカム35と、フレーム34とカム35とに挿通状に取り付けられるコッター36とを備え、カム35に調整用ワイヤ31を連結するとともに、フレーム34に昇降用ワイヤ16を装着してから、フレーム34にカム35を嵌合させて、両者をコッター36で連結することで、ワイヤクリップ30で昇降用ワイヤ16aの途中部を挟持して、調整用ワイヤ31を昇降用ワイヤ16aの途中部の任意の位置に固定可能となしたものである。このワイヤクリップ30としては、例えば株式会社キトー製のキトークリップなどを好適に採用できる。ただし、ワイヤクリップ30としては、昇降用ワイヤ16aの途中部の任意の位置に調整用ワイヤ31を接続可能なものであれば、上記以外の構成のワイヤクリップ30を採用することもできる。
ワイヤ緊張装置33は、レバーブロックやチェーンブロックなどの周知の構成の緊張装置を採用することができる。例えば、株式会社キトー製のキトーレバーブロックなどを好適に採用できる。ただし、固定点とワイヤクリップ30間の長さを調整可能なものであれば任意の構成の緊張装置を採用することができる。
定滑車15及び動滑車17は、異種構成のものを採用することも可能であるが、同じ構成のものを採用することが、滑車15、17の製作コストを低減できるので好ましい。両滑車15、17について説明すると、図3、図4に示すように、昇降用ワイヤ16が掛けられる滑車本体40が設けられ、滑車本体40の上下両側には上面板41と下面板42とが設けられている。上面板41及び下面板42は、滑車本体40よりもやや大きな平面サイズの取付板43と、それを補強する前後方向に細長い補強板44とで構成され、上面板41及び下面板42はその先端部間に設けたスペーサ板45で連結されている。上面板41及び下面板42の略中央部には回転軸46が架設状に設けられ、滑車本体40は上面板41及び下面板42間において回転軸46に回転自在に支持されている。
上面板41は本体部41aと開閉板41bとに分割構成され、開閉板41bは、本体部41aの端部に設けた枢支ピン47を中心に、図3(b)に実線で図示の閉鎖位置と、仮想線で図示の開放位置とにわたって回動自在に支持され、開閉板41bを開放位置に回動させた状態で、滑車本体40に対して昇降用ワイヤ16を着脱できるように構成されている。開閉板41bを閉鎖位置に保持するため、下側の取付板43の後端部には連結ブロック48が固定され、連結ブロック48には上方へ突出する連結ピン49が植設され、開閉板41bの後端部には連結ピン49が挿通可能なピン孔50が形成され、開閉板41bを閉鎖位置に回動させて、連結ピン49をピン孔50に装着した状態で、連結ピン49の先端部に図示外のピン部材を装着することで、開閉板41bを閉鎖位置に保持できるように構成されている。連結ブロック48には後方へ延びる連結具52が取り付けられ、定滑車15及び動滑車17は、連結具52の後端部に着脱自在に取り付けたシャックル53を介して昇降用固定点13L又は削孔作業車11に取り付けられている。
図4に示すように、昇降用固定点13は、傾斜地2の外縁の適所に生育する樹木で構成され、定滑車15は、ワイヤロープや繊維ロープなどからなるロープ60を昇降用固定点13としての樹木に巻き掛けて、ロープ60の両端部に形成したアイに定滑車15のシャックル53を掛け止めすることにより、昇降用固定点13に固定設置されている。
傾斜地2に対する昇降用固定点13の設置強度を高めるため、昇降用ワイヤ16による昇降用固定点13の引っ張り側とは反対側には、該反対側へ昇降用固定点13を引っ張って昇降用固定点13の横倒れを防止する補強手段61が設けられている。この補強手段61について説明すると、昇降用固定点13に対する昇降用ワイヤ16の引っ張り側とは反対側に生育する1乃至複数本の樹木が補強点62として設けられ、昇降用固定点13及び補強点62としての樹木にはロープ64がそれぞれ巻き掛けられている。両ロープ64の両端部のアイにはシャックル65、66がそれぞれ取り付けられ、一方のシャックル65にはターンバックル67の一端部が連結され、他方のシャックル66には補強用ワイヤ63の一端が連結されている。ターンバックル67の他端部と補強用ワイヤ63の他端部とはシャックル68で連結され、ターンバックル67を回転操作して、昇降用固定点13と補強点62間に一定の引っ張り力を作用させ、昇降用ワイヤ16の張力による昇降用固定点13の横倒れを防止できるように構成されている。但し、この補強手段61は、任意の個数設けることができるし、昇降用固定点13の設置強度を十分に確保できる場合には省略することも可能である。
尚、本実施の形態では、傾斜地2付近の傾斜地2に生育する樹木を昇降用固定点13及び補強点62として利用したが、適当な樹木が生育していない場合には、図5に示すように、昇降用固定点13の施工位置における傾斜地2に、一定間隔をあけて深さ2〜3mの1対の孔70を左右に間隔をあけて形成して、該孔70にアンカーボルト71をセットした状態で、コンクリート72を流し込んで、1対のアンカーボルト71を相互に一定間隔をあけて傾斜地2に埋設状に固定し、両アンカーボルト71の上端部を連結する連結板73を傾斜地2に略平行に固定して、昇降用固定点13及び補強点62を設けることができる。この場合には、この連結板73の途中部に形成した取付孔74にロープ60を挿通させ、このロープ60の両端部に形成のアイにシャックル53を用いて定滑車15を連結したり、昇降用ワイヤ16の先端部を固定したりすることになる。尚、昇降用固定点13及び補強点62としては、図5に例示した以外の任意の構成のものを採用することができる。また、固定点32についても昇降用固定点13と同様にして傾斜地2に設けることができる。
次に、傾斜地作業設備10を用いた傾斜地2の削孔方法について説明する。
先ず、傾斜地作業設備10を設置するため、法枠1よりも上方の左右の傾斜地2に昇降用固定点13及び固定点32を施工するとともに、法枠1の左下に昇降用ウィンチ14を設置する。次に、左側の昇降用固定点13Lに定滑車15を連結してから、昇降用ウィンチ14から繰出した昇降用ワイヤ16の一端部を右側の昇降用固定点13Rに連結するとともに、昇降用ワイヤ16の途中部を定滑車15に引っ掛ける。次に、定滑車15と昇降用固定点13R間に張設された昇降用ワイヤ16の途中部に削孔作業車11に取付けた動滑車17を引っ掛けて、昇降用ワイヤ16を傾斜地2に設置する。
一方、角度調整用の固定点32にワイヤ緊張装置33を取付けるとともに、ワイヤ緊張装置33に調整用ワイヤ31を連結し、調整用ワイヤ31の端部に取付けたワイヤクリップ30を動滑車17と昇降用固定点13R間の昇降用ワイヤ16aの途中部に連結させる。そして、削孔する上下方向位置における角度θ1、θ2が略同じになるように、ワイヤ緊張装置33により調整用ワイヤ31の長さを調整して、傾斜地作業設備10を傾斜地2に設置することになる。
こうして、傾斜地作業設備10を設置した状態で、昇降用ウィンチ14により昇降用ワイヤ16を巻き取ったり繰出したりして、法枠1に対する削孔作業車11の高さ位置を調整し、法枠1の縦フレーム3と横フレーム4との交差部5に設けた口元管6を通じて地盤に対して削孔7を形成する。このとき、削孔作業車11のスウィングアーム21により隣接する左右の口元管6を通じて左右1対の削孔7を順次形成することになる。こうして、1段目の削孔作業が完了してから、昇降用ワイヤ16を巻き取って削孔作業車11を上昇させ、次の高さ位置の交差部5に対して削孔7を形成することになる。また、隣接する縦フレーム3に沿って配置される全ての交差部5に削孔7を形成した後、削孔作業車11を法枠1の下側へ移動させ、その後1つ隣の縦フレーム3に削孔作業車11を配置させてから、ワイヤ緊張装置33によりワイヤクリップ30を固定点32から離間させて、角度θ1、θ2が略同じになるように調整してから、前記と同様に昇降用ウィンチ14により昇降用ワイヤ16を順次巻き取って、下側から順番に削孔7を形成することになる。
次に、ワイヤ角度調整手段18の構成を部分的に変更した変形例について説明する。ただし、前記実施の形態と同一部材には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
(1)図6に示すワイヤ角度調整手段80のように、ワイヤクリップ30に代えて昇降用ワイヤ16の途中部に引っ掛けられる調整滑車81を設けることもできる。この場合には、前記実施の形態と同様に、ワイヤ角度調整手段80Aにより、昇降用ワイヤ16aの途中部のみを引っ張って角度θ2のみを角度調整することができるが、2組のワイヤ角度調整手段80A、80Bを設けて、動滑車17の両側へ延びる昇降用ワイヤ16a、16bの上下方向に対する角度θ2、θ1を調整できるように構成することもできる。
具体的には、図6に示すように、ワイヤ角度調整手段80Aとして、右側の昇降用固定点13Rと動滑車17間に張設される昇降用ワイヤ16aの途中部に引っ掛けた調整滑車81Aと、調整滑車81Aに連結した調整用ワイヤ82Aと、左側の昇降用固定点13L付近に設けた固定点32Lに一端を固定し、他端を調整用ワイヤ82Aに連結したワイヤ緊張装置83Aとを備えたものを用い、ワイヤ角度調整手段80Bとして、定滑車15と動滑車17間に張設される昇降用ワイヤ16bの途中部に引っ掛けた調整滑車81Bと、調整滑車81Bに連結した調整用ワイヤ82Bと、右側の昇降用固定点13R付近に設けた固定点32Rに一端を固定し、他端を調整用ワイヤ82Bに連結したワイヤ緊張装置83Bとを備えたものを用いることができる。
(2)図7、図8に示すワイヤ角度調整手段18Bのように、法枠1の上側に複数の固定点85を左右方向に間隔をあけて設置し、各固定点85に調整滑車86を支持させてもよい。この場合には、削孔作業を行なう位置に応じて、動滑車17から左右両側へ繰出される昇降用ワイヤ16a,16bの途中部を引っ掛ける調整滑車86を図7、図8に示すように切換えて、角度θ1、θ2が略同じになるように調整することになる。なお、固定点85は、昇降用固定点13と同様にして傾斜地2の施工でき、また調整滑車86は、定滑車15と同様の構成のものを採用できる。
1 法枠 2 傾斜地
3 縦フレーム 4 横フレーム
5 交差部 6 口元管
7 削孔
10 傾斜地作業設備 11 削孔作業車
12 昇降装置 13 昇降用固定点
13L 昇降用固定点 13R 昇降用固定点
14 昇降用ウィンチ 15 定滑車
16 昇降用ワイヤ 16a 昇降用ワイヤ
16b 昇降用ワイヤ 17 動滑車
18 ワイヤ角度調整手段
20 作業車本体 21 スウィングアーム
22 削孔機 23 クローラ
25 ドラム 26 駆動手段
30 ワイヤクリップ 31 調整用ワイヤ
32 固定点 32L 固定点
32R 固定点 33 ワイヤ緊張装置
34 フレーム 35 カム
36 コッター
40 滑車本体 41 上面板
41a 本体部 41b 開閉板
42 下面板 43 取付板
44 補強板 45 スペーサ板
46 回転軸 47 枢支ピン
48 連結ブロック 49 連結ピン
50 ピン孔 52 連結具
53 シャックル
60 ロープ 61 補強手段
62 補強点 63 補強用ワイヤ
64 ロープ 65 シャックル
66 シャックル 67 ターンバックル
68 シャックル
70 孔 71 アンカーボルト
72 コンクリート 73 連結板
74 取付孔
80 ワイヤ角度調整手段 80A ワイヤ角度調整手段
80B ワイヤ角度調整手段 81 調整滑車
81A 調整滑車 81B 調整滑車
82A 調整用ワイヤ 82B 調整用ワイヤ
83A ワイヤ緊張装置 83B ワイヤ緊張装置
18B ワイヤ角度調整手段 85 固定点
86 調整滑車

Claims (6)

  1. 自走式の削孔作業車と、傾斜地における削孔領域に沿って上下方向に前記削孔作業車を昇降可能な昇降装置とを備えた傾斜地作業設備であって、
    前記昇降装置は、
    前記削孔領域よりも山側の傾斜地の両側部に設けた固定点と、
    前記傾斜地の谷側の一側に設置した昇降用ウィンチと、
    前記昇降用ウィンチ側の一方の固定点に取り付けた定滑車と、
    前記昇降用ウィンチから繰り出されて、前記定滑車に引っ掛けられ、前記昇降用ウィンチから離間した他方の固定点に、端部を固定した昇降用ワイヤと、
    前記定滑車と他方の固定点間に張設した昇降用ワイヤの途中部に引っ掛けられて前記削孔作業車を支持する動滑車と、
    前記動滑車から両側へ延びる昇降用ワイヤの傾斜地の上下方向に対する角度を左右の昇降用ワイヤに関して略同じに調整するワイヤ角度調整手段であって、前記定滑車と動滑車間または他方の固定点と動滑車間に張設した昇降用ワイヤの少なくとも一方の途中部を側方へ引っ張るための調整用ワイヤと、前記調整用ワイヤの長さを調整可能なワイヤ緊張装置とを有するワイヤ角度調整手段と、
    を備えたことを特徴とする傾斜地作業設備。
  2. 前記ワイヤ角度調整手段として、前記他方の固定点と動滑車間に張設される昇降用ワイヤの途中部を挟持するワイヤクリップと、ワイヤクリップに連結した調整用ワイヤと、前記調整用ワイヤの長さを調整可能なワイヤ緊張装置とを有するものを用いた請求項1記載の傾斜地作業設備。
  3. 前記ワイヤ角度調整手段として、前記定滑車と動滑車間または他方の固定点と動滑車間に張設した昇降用ワイヤの少なくとも一方の途中部に引っ掛けられる調整滑車と、調整滑車に連結した調整用ワイヤと、調整用ワイヤの長さを調整可能なワイヤ緊張装置とを有するものを用いた請求項1記載の傾斜地作業設備。
  4. 前記傾斜地が法枠を施工した傾斜地であり、前記削孔作業車により、前記法枠の縦フレームと横フレームとの交差部に削孔を形成する請求項1〜3のいずれか1項記載の傾斜地作業設備。
  5. 前記削孔作業車が少なくとも法枠の1つの枠の対角の長さよりも長いクローラを有するクローラ式作業車である請求項4記載の傾斜地作業設備。
  6. 前記削孔作業車として、削孔位置を左右に切替え可能なスウィングアームを有するものを用いた請求項1〜5のいずれか1項記載の傾斜地作業設備。
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