JP5295656B2 - 芳香族ポリカーボネート重合体 - Google Patents
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Description
ポリカーボネート樹脂は各種熱可塑性樹脂の中では酸素指数が高く、一般的に自己消火性を有する樹脂であるが、さらに難燃性を向上させることを目的として、ハロゲン系、硫黄系、リン系などの種々の難燃剤を添加することが提案されている。例えば、特許文献1及び2には、臭素を含有するコモノマーを用いたポリカーボネート共重合体が開示されているが、これらのハロゲンを含有するポリカーボネート樹脂は、焼却時に有害物質を発生する危険性がある。また、たとえば特許文献3には、ハロゲンを含まないコモノマーを用いたポリカーボネート共重合体が開示されているが、その難燃性は未だ十分ではない。
すなわち本発明は、
1. 主鎖が、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を含むことを特徴とする芳香族ポリカーボネート重合体、
2. 前記一般式(I)で表される繰り返し単位より構成される、あるいは、前記一般式(I)で表される繰り返し単位及び下記一般式(II)で表される繰り返し単位より構成される上記1記載の芳香族ポリカーボネート重合体、
4. 粘度平均分子量が10,000〜50,000である上記1〜3のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート重合体、
5. R1及びR2がフェニル基であり、Yが単結合である上記1〜4のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート重合体、及び
6. R1及びR2がフェニル基であり、Yが−C(CH3)2−で示される連結基である上記1〜4のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート重合体、
を提供するものである。
上記一般式(I)及び一般式(A)におけるアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、スチリル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−エトキシフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ターフェニル基、ピレニル基などが挙げられ、炭素数6〜12のものが好ましく用いられ、フェニル基であるとより好ましい。
上記二価フェノールAとしては、上記一般式(A)で表されるものから一種又は二種以上を用いることができる。
上記一般式(A)で表される二価フェノールAとしては、3,3’−ジベンゾイル−4,4’−ビフェノール、2,2−ビス(3’−ベンゾイル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。
上記一般式(II)及び一般式(B)における炭素数6〜12の置換もしくは無置換のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、スチリル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−エトキシフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
上記二価フェノールBとしては、上記一般式(B)で表されるものから一種又は二種以上を用いることができる。
上記一般式(B)で表される二価フェノールBとしては、2,2−ビス(4’―ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)が好ましい。
アルゴン雰囲気下で4,4’−ビフェノール(98.9グラム)及び安息香酸(135.7グラム)をベンゼン(493ミリリットル)に溶かし、この懸濁液に塩化ホスホリル(145.6ミリリットル)を加えて、80℃で3時間攪拌した。放冷後、この白色懸濁溶液を氷水に移し、ろ過した。イオン交換水(1リットル)で2度洗浄し、乾燥して白色結晶を得た。この白色結晶(190グラム)にo−ジクロロベンゼン(2850ミリリットル)を加え、塩化アルミニウム(136.8グラム)を加えて3時間加熱還流した。放冷後、懸濁溶液に水、水酸化ナトリウム水溶液(2モル/リットル)を加えた。さらに懸濁溶液を濃塩酸で中和し、析出した結晶をろ過した。この粗結晶をメタノール(1リットル)で二度洗浄後、この結晶を酢酸エチルで再結晶によって精製した。
製造例1において4,4’−ビフェノール(98.9グラム)を2,2−ビス(4’―ヒドロキシフェニル)プロパン(121.1グラム)に変更した以外は製造例1と同様にして行った。
(1)ポリカーボネートオリゴマー合成工程
5.6質量%水酸化ナトリウム水溶液に、後に溶解するビスフェノールA(以下、BPAと略記することがある)に対して2000質量ppmの亜二チオン酸ナトリウムを加え、これにビスフェノールA濃度が13.5質量%になるようにビスフェノールAを溶解し、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液を調製した。このビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液40リットル/hrと塩化メチレン15リットル/hrおよびホスゲン4.0kg/hrを、内径6mm、管長30mの管型反応器に連続的に通した。管型反応器はジャケット部分を有しており、ジャケットに冷却水を通して反応液の温度を40℃以下に保った。
管型反応器を出た反応液は後退翼を備えた内容積40リットルのバッフル付き槽型反応器へ連続的に導入し、これに更にビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液2.8リットル/hr、25質量%水酸化ナトリウム水溶液0.07リットル/hr、水17リットル/hrおよび1質量%トリエチルアミン水溶液を0.64リットル/hrを添加して反応を行なった。
槽型反応器から溢れる反応液を連続的に抜出し、静置することで水相を分離除去し、塩化メチレン相を採取した。得られたポリカーボネートオリゴマーは濃度321g/リットル、クロロホーメート基濃度は0.73mol/リットルであった。
邪魔板、パドル型攪拌翼及び冷却用ジャケットを備えた1リットル槽型反応器に、オリゴマー溶液142ミリリットル、3,3’−ジベンゾイル−4,4’−ビフェノールのクロロホルム溶液(3,3’−ジベンゾイル−4,4’−ビフェノール4.82gをクロロホルム62ミリリットルに溶かしたもの)、トリエチルアミン28.4マイクロリットル、水酸化ナトリウム水溶液(NaOH 2.69gを水39.3ミリリットルに溶解した水溶液)を加え、20分間ポリカーボネートオリゴマーと3,3’−ジベンゾイル−4,4’−ビフェノールの反応を行った。
この重合液に、p−tert−ブチルフェノール(PTBP)の塩化メチレン溶液(塩化メチレン40mlにPTBP 866mg溶解させたもの)と、BPAの水酸化ナトリウム水溶液(NaOH 15.3gと後に溶解するBPAに対して2000質量ppmの亜二チオン酸ナトリウムを水78.1ミリリットルに溶解した水溶液にBPA 7.87gを溶解させたもの)を添加し40分間重合反応を実施した。
希釈のため塩化メチレン200ミリリットルを加えた後、ポリカーボネートを含む有機相と過剰のビスフェノールA及びNaOHを含む水相に分離し、有機相を単離した。得られたポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液を、その溶液に対し順次15容量%の0.03mol/L・NaOH水溶液と0.2mol/リットル塩酸で洗浄し、次いで洗浄後の水相中の電気伝導度が0.05μS/m以下になるまで純水で洗浄を繰り返した。洗浄により得られたポリカーボネート共重合体の塩化メチレン溶液を濃縮・粉砕し、得られたフレークを減圧下、100℃で乾燥し、芳香族ポリカーボネート共重合体を得た。13C−NMR、1H−NMRにより求めた3,3’−ジベンゾイル−4,4’−ビフェノールに由来する繰返し単位とBPAに由来する繰返し単位のモル比は8:92であった。
実施例1の(2)ポリカーボネートの重合工程において3,3’−ジベンゾイル−4,4’−ビフェノールを9.24グラムに変更し、BPAの水酸化ナトリウム水溶液をNaOH 4.44gを水65ミリリットルに溶解した水溶液にBPAを5.11グラム溶解した水溶液に変更した以外は実施例1と同様に行った。得られたポリカーボネートを13C−NMR、1H−NMRにより3,3’−ジベンゾイル−4,4’−ビフェノールに由来する繰返し単位とBPAに由来する繰返し単位のモル比を求めたところ13:87であった。
(1)ポリカーボネートオリゴマー合成工程
濃度5.6質量%水酸化ナトリウム水溶液に、後に溶解するBPA及び3,3’−ジベンゾイル−4,4’−ビフェノール合計量に対して0.2質量%の亜二チオン酸ナトリウムを加え、ここにBPA:3,3’−ジベンゾイル−4,4’−ビフェノール=75:25(モル比)でBPA及び3,3’−ジベンゾイル−4,4’−ビフェノール合計濃度が13.5質量%になるように溶解し、モノマーの水酸化ナトリウム水溶液を調製した。内径6mm、管径30mの管型反応器に、上記モノマーの水酸化ナトリウム水溶液を40L/hr及び塩化メチレンを35L/hrの流量で連続的に通すと共に、ホスゲンを4.0kg/hrの流量で連続的に通した。管型反応器はジャケット部分を有しており、ジャケットに冷却水を通して反応液の温度を40℃以下に保った。
管型反応器から送出された反応液は、静置することで水相を分離除去し、塩化メチレン相を採取した。このようにして得られたポリカーボネートオリゴマー溶液は、オリゴマー濃度258g/L、クロロホーメート基濃度0.73mol/L、3,3’−ジベンゾイル−4,4’−ビフェノール含有量は25mol%だった。
(2)ポリカーボネートの重合工程
邪魔板、パドル型撹拌翼を備えた内容積1リットルの槽型反応器に上記オリゴマー溶液174ミリリットル、塩化メチレン51ミリリットル、3,3’−ジベンゾイル−4,4’−ビフェノールのクロロホルム溶液(3,3’−ジベンゾイル−4,4’−ビフェノール10.4gをクロロホルム62ミリリットルに溶かしたもの)を仕込み、トリエチルアミン35.4マイクロリットル、水酸化ナトリウム水溶液(NaOH 3.36gを水49.2ミリリットルに溶解した水溶液)を加え、20分間ポリカーボネートオリゴマーと3,3’−ジベンゾイル−4,4’−ビフェノールの反応を行った。
この重合液に、PTBPの塩化メチレン溶液(塩化メチレン40mlにPTBP 1.36グラム溶解させたもの)と、BPAの水酸化ナトリウム水溶液(NaOH 5.76グラムと後に溶解するBPAに対して2000質量ppmの亜二チオン酸ナトリウムを水84.2ミリリットルに溶解した水溶液にBPA 6.97グラムを溶解させたもの)を添加し40分間重合反応を実施した。
希釈のため塩化メチレン200ミリリットルを加えた後、ポリカーボネートを含む有機相と過剰のビスフェノールA及びNaOHを含む水相に分離し、有機相を単離した。得られたポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液を、その溶液に対し順次15容量%の0.03mol/L・NaOH水溶液と0.2mol/L塩酸で洗浄し、次いで洗浄後の水相中の電気伝導度が0.05μS/m以下になるまで純水で洗浄を繰り返した。洗浄により得られたポリカーボネート共重合体の塩化メチレン溶液を濃縮・粉砕し、得られたフレークを減圧下、100℃で乾燥し、芳香族ポリカーボネート共重合体を得た。13C−NMR、1H−NMRにより求めた3,3’−ジベンゾイル−4,4’−ビフェノールに由来する繰返し単位とBPAに由来する繰返し単位のモル比は30:70であった。
(2)ポリカーボネートの重合工程
実施例1の(2)ポリカーボネートの重合工程において、3,3’−ジベンゾイル−4,4’−ビフェノールに代えて、2,2−ビス(3’−ベンゾイル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパンを5.34グラム使用した以外は実施例1と同様に行った。13C−NMR、1H−NMRにより求めた2,2−ビス(3’−ベンゾイル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパンに由来する繰返し単位とBPAに由来する繰返し単位のモル比は8:92であった。
実施例2の(2)ポリカーボネートの重合工程において3,3’−ジベンゾイル−4,4’−ビフェノールに代えて、2,2−ビス(3’−ベンゾイル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパンを10.23グラム使用した以外は実施例2と同様に行った。得られた芳香族ポリカーボネート共重合体について、13C−NMR、1H−NMRにより3,3’−ジベンゾイル−4,4’−ビフェノールに由来する繰返し単位とBPAに由来する繰返し単位のモル比を求めたところ13:87であった。
(1)ポリカーボネートオリゴマー合成工程
濃度5.6質量%水酸化ナトリウム水溶液に、後に溶解するBPA及び2,2−ビス(3’−ベンゾイル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン合計量に対して0.2質量%の亜二チオン酸ナトリウムを加え、ここにBPA:2,2−ビス(3’−ベンゾイル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン=75:25(モル比)でBPA及び(2,2−ビス(3’−ベンゾイル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン合計濃度が13.5質量%になるように溶解し、モノマーの水酸化ナトリウム水溶液を調製した。内径6mm、管径30mの管型反応器に、上記モノマーの水酸化ナトリウム水溶液を40L/hr及び塩化メチレンを35L/hrの流量で連続的に通すと共に、ホスゲンを4.0kg/hrの流量で連続的に通した。管型反応器はジャケット部分を有しており、ジャケットに冷却水を通して反応液の温度を40℃以下に保った。
管型反応器から送出された反応液は、静置することで水相を分離除去し、塩化メチレン相を採取した。このようにして得られたポリカーボネートオリゴマー溶液は、オリゴマー濃度258g/L、クロロホーメート基濃度0.73mol/L、2,2−ビス(3’−ベンゾイル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン含有量は25mol%だった。
邪魔板、パドル型撹拌翼を備えた内容積1Lの槽型反応器に上記オリゴマー溶液174ミリリットル、塩化メチレン51ミリリットル、2,2−ビス(3’−ベンゾイル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパンのクロロホルム溶液(2,2−ビス(3’−ベンゾイル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン 11.11gをクロロホルム62ミリリットルに溶かしたもの)を仕込み、トリエチルアミン35.4マイクロリットル、水酸化ナトリウム水溶液(NaOH 3.36gを水49.2ミリリットルに溶解した水溶液)を加え、20分間ポリカーボネートオリゴマーと2,2−ビス(3’−ベンゾイル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパンの反応を行った。
この重合液に、PTBPの塩化メチレン溶液(塩化メチレン40mlにPTBP 1.36グラム溶解させたもの)と、BPAの水酸化ナトリウム水溶液(NaOH 5.76グラムと後に溶解するBPAに対して2000質量ppmの亜二チオン酸ナトリウムを水84.2ミリリットルに溶解した水溶液にBPA 6.97グラムを溶解させたもの)を添加し40分間重合反応を実施した。
希釈のため塩化メチレン200ミリリットルを加えた後、ポリカーボネートを含む有機相と過剰のビスフェノールA及びNaOHを含む水相に分離し、有機相を単離した。得られたポリカーボネート樹脂の塩化メチレン溶液を、その溶液に対し順次15容量%の0.03mol/L・NaOH水溶液と0.2mol/L塩酸で洗浄し、次いで洗浄後の水相中の電気伝導度が0.05μS/m以下になるまで純水で洗浄を繰り返した。洗浄により得られたポリカーボネート共重合体の塩化メチレン溶液を濃縮・粉砕し、得られたフレークを減圧下、100℃で乾燥し、ポリカーボネートを得た。13C−NMR、1H−NMRにより求めた2,2−ビス(3’−ベンゾイル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパンに由来する繰返し単位とBPAに由来する繰返し単位のモル比は30:70であった。
実施例1の(2)ポリカーボネートの重合工程において3,3’−ジベンゾイル−4,4’−ビフェノールを4,4’−ビフェノール4.35グラムに変更した以外は実施例1と同様に行った。13C−NMR、1H−NMRにより求めた4,4’−ビフェノールに由来する繰返し単位とBPAに由来する繰返し単位のモル比は10:92であった。
実施例で得られた芳香族ポリカーボネート共重合体に代えて、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂(商品名:タフロンFN1700A、出光興産社製、分子量17000)を用いた。
ウベローデ型粘度計を用いて、20℃における塩化メチレン溶液の粘度を測定し、これより極限粘度[η]を求め、[η]=1.23×10-5Mv0.83の式により、粘度平均分子量(Mv)を算出した。
(共重合量の測定)
日本電子株式会社製;JNM−LA500を用い、1H−NMRを測定し、共重合量を算出した。
(熱重量残渣の測定)
100℃で8時間以上乾燥した共重合体を熱質量天秤(パーキン・エルマー社製,TGA7)を用い、窒素気流中、20℃/分の条件でポリカーボネートを昇温し、700℃での重量残渣(重量%)を測定した。
(限界酸素指数の測定)
ポリカーボネートを成形し、JIS K 7201 に準拠し(長さ80mm、幅10mm、厚さ4mm)測定した。
限界酸素指数とは、被験材料が燃焼を維持するのに必要な最低酸素濃度を空気中の容量%で示した値である。この値が大きいほど、その材料の難燃性能が高いことを示す。
Claims (6)
- 上記一般式(I)で表される繰り返し単位と、上記一般式(II)で表される繰り返し単位のモル比が100:0〜1:99である請求項1又は2記載の芳香族ポリカーボネート重合体。
- 粘度平均分子量が10,000〜50,000である請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート重合体。
- R1及びR2がフェニル基であり、Yが単結合である請求項1〜4のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート重合体。
- R1及びR2がフェニル基であり、Yが−C(CH3)2−で示される連結基である請求項1〜4のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート重合体。
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