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JP5295924B2 - 半導体キャリア寿命測定装置および該方法 - Google Patents
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JP5295924B2 - 半導体キャリア寿命測定装置および該方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体におけるキャリア寿命を測定する半導体キャリア寿命測定装置および半導体キャリア寿命測定方法に関する。
近年のエレクトロニクスの発展により、様々な分野に半導体製品が活用されている。半導体製品は、一般に、半導体ウェハから製造されるため、半導体製品の高性能化には、半導体ウェハの品質管理が重要である。半導体ウェハの品質を評価する指標の1つとして、半導体におけるキャリアの寿命(ライフタイム)がある。特に、近年、クリーンなエネルギ源として太陽電池(PV)が注目されている。この太陽電池では、光照射によって発生したキャリア(電子と正孔(ホール))が途中で再結合することなく電極まで到達することが、高い光電変換効率を達成するために重要である。このため、PV用半導体ウェハにおいてもキャリア寿命を評価することが必要である。このキャリア寿命の評価によって、要求される仕様(スペック)に達しないPV用半導体ウェハを製造工程で選別することによって、太陽電池の歩留まりが向上し、その結果、低コスト化も達成することができる。
このキャリア寿命を測定する方法の1つとしてマイクロ波光導電減衰法(μ−PCD法)が知られている。このマイクロ波光導電減衰法は、測定対象である半導体(半導体試料、被測定試料)に光を照射することによって過剰キャリアを生成し、この過剰キャリアが前記半導体試料の物性によって決まるキャリア寿命で再結合して消滅する過程を、マイクロ波の反射率の時間変化または透過率の時間変化によって検出する方法である。過剰キャリアの生成は、半導体の導電率を増加させるため、光励起によって過剰キャリアの生成された半導体の部位(部分、領域)に照射されたマイクロ波は、その反射率または透過率が過剰キャリアの密度に対応して変化する。このマイクロ波光導電減衰法は、この現象を利用することによってキャリア寿命を測定するものである。
半導体ウェハの表面には、一般に、結晶性不整が存在し、これによってキャリアが半導体表面で再結合するいわゆる表面再結合が生じる。このため、キャリア寿命の測定結果には、半導体ウェハ内部の再結合によるキャリア寿命(バルクのキャリア寿命)だけでなく、この表面再結合によるキャリア寿命(表面のキャリア寿命)も含まれる。前記半導体ウェハの品質管理には、バルクのキャリア寿命が重要であり、表面再結合によるキャリア寿命は、測定誤差となる。このため、通常、半導体試料が測定前に熱処理され、半導体試料表面に酸化膜が形成されることで、前記表面再結合の発生が抑制されたり、半導体試料が測定前に例えばヨウ素を含有する溶液に浸漬されることで、表面再結合の原因となるいわゆるダングリングボンド等が不動態化(パッシベーション)されたり等する。このような事前の前処理は、手間と時間を要し、また熱処理によって半導体ウェハの性能劣化や薬液の浸漬によって半導体ウェハの汚染を生じさせてしまう。このため、より簡易に半導体ウェハにおけるバルクのキャリア寿命を測定する方法が望まれており、例えば、特許文献1や特許文献2に開示の技術や非特許文献1に開示の技術がある。
この特許文献1に開示の担体寿命測定方法は、熱平衡状態の半導体基板の表面近傍に光励起により過剰キャリアを注入し、過剰キャリア濃度の減衰過程をコンダクタンスの変化としてとらえてマイクロ波の反射量の時間的変化を検出して測定する光励起法による担体寿命測定方法であって、担体寿命の測定に先立って、半導体基板の表面に絶縁膜を設け、その上に電荷層を形成させ、前記半導体基板に設けた絶縁膜表面に正または負の電荷を堆積させ前記電荷層を形成させるのにコロナ放電を利用するものである。
この特許文献1に開示の担体寿命測定方法では、前記絶縁層の下のコロナ放電により生成される電荷層は、放電し易いため、半導体キャリアの寿命測定中に表面再結合が生じてしまい、この結果、精度のよい半導体キャリアの寿命測定が難しい。
そのため、特許文献2に開示の半導体キャリアの寿命測定装置は、半導体にパルス光を照射したときに、半導体に照射した所定の測定波の反射あるいは透過波の変化を測定することにより前記半導体のキャリアの寿命を測定する半導体キャリアの寿命測定装置であって、前記測定波を前記半導体の表面へ導く導波管と、前記導波管の前記半導体に近接する部分またはその近傍に設けられ、少なくとも前記測定波の反射波あるいは透過波の変化の測定中に所定の電圧が印加されてコロナ放電する第1の電極とを具備している。
また、非特許文献1に開示の寿命測定方法では、波長が異なって浸透長の異なる少なくとも2種類のパルス光が半導体に照射され、これによって半導体内に光励起キャリアが生成され、その後に、光励起キャリアが再結合することによって減少する反射波あるいは透過波の時間的な相対変化とその差が検出される。この非特許文献1に開示の寿命測定方法によれば、ウェハ表面の表面再結合速度にかかわらず、表面でのキャリア消滅とバルクでのキャリア消滅とを解析的に分けることができ、この結果、バルクのキャリア寿命を抽出可能であると非特許文献1に示されている。
特開平07−240450号公報 特開2004−006756号公報
J.Appl.Phys.Vol.69,(9),6495(1991)
ところで、前記特許文献2に開示の半導体キャリアの測定装置は、加熱酸化膜形成等の事前の前処理工程を行う必要がない点や、半導体の測定波照射部分における帯電状態を測定中に維持する点等で有利であるが、測定中の放電によって帯電状態が変化すると測定誤差を生じてしまう。また、このため、帯電状態を安定させるための時間を要し、製造工程中に、すなわち製造ラインでキャリア寿命を測定して半導体ウェハを選別するために、前記特許文献2に開示の半導体キャリアの測定装置は、向いていない。これらのため、前記特許文献2に開示の半導体キャリアの測定装置には、改良の余地がある。
また、表面再結合速度をSとし、拡散係数をDとする場合に、前記非特許文献1に開示の寿命測定方法の測定結果から得られる値は、S/Dであり、この非特許文献1に開示の寿命測定方法は、D=30cm/sと仮定することによって表面再結合速度Sを求め、そして、キャリア寿命を求めている。しかしながら、電子および正孔のキャリア濃度をそれぞれnおよびpとし、電子および正孔の拡散係数をそれぞれDnおよびDpとする場合に、実際の拡散係数は、(n+p)/(n/Dp+p/Dn)で与えられ、キャリア濃度や伝導型に依存し、定数ではない。さらに、事前に前処理を実施しない場合等のように表面再結合速度Sが比較的大きい場合には、測定される(観察される)キャリア寿命は、バルクのキャリア寿命に比べて小さく、かつその変化も小さくなり、測定誤差が大きくなってしまう。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、製造ライン中でもキャリア寿命の測定を可能とし、従来のような事前の前処理を施すことなく、拡散係数の値を仮定することなく、キャリア寿命を従来に較べてより精度よく測定することができる半導体キャリア寿命測定装置および半導体キャリア寿命測定方法を提供することである。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかる半導体キャリア寿命測定装置は、波長が互いに異なる少なくとも2種類の光を測定対象の半導体に照射する光照射部と、前記測定対象の半導体に所定の測定波を照射する測定波照射部と、前記測定対象の半導体で反射された前記測定波の反射波または前記測定対象の半導体を透過した前記測定波の透過波を検出する検出部と、前記測定対象の半導体が第1表面再結合速度状態である場合において、前記光照射部によって前記少なくとも2種類の光が前記測定対象の半導体に照射されるとともに前記測定波照射部によって前記測定波が前記測定対象の半導体に照射されて前記検出部で検出された前記反射波または前記透過波の時間的な相対変化の第1差と、前記測定対象の半導体が前記第1表面再結合速度状態と異なる第2表面再結合速度状態である場合において、前記光照射部によって前記少なくとも2種類の光が前記測定対象の半導体に照射されるとともに前記測定波照射部によって前記測定波が前記測定対象の半導体に照射されて前記検出部で検出された前記反射波または前記透過波の時間的な相対変化の第2差とに基づいて前記測定対象の半導体におけるキャリア寿命を求める演算部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の他の一態様にかかる半導体キャリア寿命測定方法は、波長が互いに異なる少なくとも2種類の光を測定対象の半導体に照射する光照射工程と、前記測定対象の半導体に所定の測定波を照射する測定波照射工程と、前記測定対象の半導体で反射された前記測定波の反射波または前記測定対象の半導体を透過した前記測定波の透過波を検出する検出工程と、前記測定対象の半導体が第1表面再結合速度状態である場合において、前記光照射工程によって前記少なくとも2種類の光が前記測定対象の半導体に照射されるとともに前記測定波照射工程によって前記測定波が前記測定対象の半導体に照射されて前記検出工程で検出された前記反射波または前記透過波の時間的な相対変化の第1差と、前記測定対象の半導体が前記第1表面再結合速度状態と異なる第2表面再結合速度状態である場合において、前記光照射工程によって前記少なくとも2種類の光が前記測定対象の半導体に照射されるとともに前記測定波照射工程によって前記測定波が前記測定対象の半導体に照射されて前記検出工程で検出された前記反射波または前記透過波の時間的な相対変化の第2差とに基づいて前記測定対象の半導体におけるキャリア寿命を求める演算工程とを備えることを特徴とする。また、他の一態様では、上述の半導体キャリア寿命測定方法において、好ましくは、測定対象の半導体が第1および第2表面再結合速度状態の2つの状態での検出結果に基づいてキャリア寿命を求めるべく、前記演算工程は、前記第1差と前記第2差とに基づいて、前記測定対象の半導体における拡散係数と表面再結合速度との比を求めて前記測定対象の半導体におけるキャリア寿命を求めることである。
そして、本発明の他の一態様にかかる半導体キャリア寿命測定方法は、測定対象の半導体が第1表面再結合速度状態である場合において、所定の測定波を前記測定対象の半導体に照射しながら、波長が互いに異なる少なくとも2種類の光を照射することによって、前記測定対象の半導体で反射された前記測定波の反射波または前記測定対象の半導体を透過した前記測定波の透過波の時間的な相対変化の第1差を測定する第1差測定工程と、前記測定対象の半導体における表面再結合速度をSとし、拡散係数をDとする場合に、前記第1差測定工程によって測定された第1差に基づいて第1表面再結合速度状態でのS/Dを求める第1S/D演算工程と、前記第1S/D演算工程で求めた第1表面再結合速度状態でのS/Dに基づいて拡散係数Dを求める拡散係数演算工程と、前記第1表面再結合速度状態から前記第1表面再結合速度状態と異なる第2表面再結合速度状態へ前記測定対象の半導体を変化させる表面再結合速度状態変更工程と、前記測定対象の半導体が第2表面再結合速度状態である場合において、前記測定波を前記測定対象の半導体に照射しながら前記波長が互いに異なる少なくとも2種類の光を照射することによって、前記測定対象の半導体で反射された前記測定波の反射波または前記測定対象の半導体を透過した前記測定波の透過波の時間的な相対変化の第2差を測定する第2差測定工程と、前記第2差測定工程によって測定された第2差に基づいて第2表面再結合速度状態でのS/Dを求める第2S/D演算工程と、前記第2S/D演算工程で求めた第2表面再結合速度状態でのS/Dに基づいて表面再結合速度Sを求める表面再結合速度演算工程と、前記表面再結合速度演算工程で求められた表面再結合速度Sに基づいて前記測定対象の半導体におけるキャリア寿命を求める寿命演算工程とを備えることを特徴とする。
このような構成の半導体キャリア寿命測定装置および半導体キャリア寿命測定方法では、測定対象の半導体が第1表面再結合速度状態である場合において、少なくとも2種類の光が測定対象の半導体に照射されるとともに測定波が測定対象の半導体に照射されてその反射波またはその透過波の時間的な相対変化の第1差が求められ、測定対象の半導体が第1表面再結合速度状態と異なる第2表面再結合速度状態である場合において、少なくとも2種類の光が測定対象の半導体に照射されるとともに測定波が測定対象の半導体に照射されてその反射波またはその透過波の時間的な相対変化の第2差が求められ、そして、これら第1差および第2差に基づいて測定対象の半導体におけるキャリア寿命が求められる。
したがって、このような構成の半導体キャリア寿命測定装置および半導体キャリア寿命測定方法は、このように第1差および第2差が求められればよいので、製造ライン中でキャリア寿命を測定することが可能であり、また、従来のような事前の前処理を行う必要がなく、キャリア寿命を従来に較べてより精度よく測定することができる。そして、このように第1差および第2差が求められればよいので、測定対象の半導体における拡散係数の値を仮定する必要がなく、キャリア寿命を従来に較べてより精度よく測定することができる。
また、他の一態様では、上述の半導体キャリア寿命測定装置において、前記少なくとも2種類の光の波長差が大きいほど好ましいことから、前記少なくとも2種類の光は、赤外線領域の波長を持つ第1光および紫外線領域の波長を持つ第2光であることが好ましく、あるいは、前記少なくとも2種類の光は、赤外線領域の波長を持つ第1光および可視光領域の波長を持つ第3光であることが好ましい。
半導体に光を照射した場合にこの光(入射光)は、前記半導体内へ浸透するが、その浸透長は、入射光の波長に依存する。この構成によれば、前記少なくとも2種類の光の波長差が大きいので、それらの浸透長差も大きくなり、その結果、前記少なくとも2種類の光のそれぞれによる測定波の反射波または測定波の透過波に含まれる、表面再結合による影響の割合を大きく異ならせることが可能となる。したがって、この構成によれば、キャリア寿命を従来に較べてより精度よく測定することができる。
ここで、浸透長とは、光が照射される表面から、その光の光強度が入射強度の1/eとなる地点までの距離(深さ)であり、通常、光の波長が長いほど浸透長も長くなる(大きくなる、深くなる)。
また、他の一態様では、これら上述の半導体キャリア寿命測定装置において、前記第1表面再結合速度状態から前記第2表面再結合速度状態へ前記測定対象の半導体を変化させる表面再結合速度状態変更部をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、表面再結合速度状態変更部によって測定対象の半導体における表面再結合速度状態をその第1状態から第2状態へ変更することが可能となる。
また、他の一態様では、上述の半導体キャリア寿命測定装置において、前記表面再結合速度変更部は、前記測定波照射部によって測定波が照射される半導体の測定波照射領域にコロナ放電を付与するコロナ放電付与部であることを特徴とする。
この構成によれば、コロナ放電によって第2再結合速度状態を実現することができる。そして、コロナ放電によって第2表面再結合速度状態を実現するため、コロナ放電の付与を終了することで測定対象の半導体における物理化学的な性状を元に戻すことができる。
また、他の一態様では、これら上述の半導体キャリア寿命測定装置において、前記測定対象の半導体は、前記第1表面再結合速度状態として自然酸化膜が付与された状態であることを特徴とする。
半導体ウェハは、使用前に、通常、その汚れ等の汚染を除去する洗浄処理を通して自然酸化膜がその表面に生成された状態となる。この構成によれば、この洗浄処理によって露出された自然酸化膜が第1表面再結合速度状態とされるので、第1表面再結合速度状態を実現する処理をこの洗浄処理と兼用することができ、工数を削減することが可能となる。
また、他の一態様では、これら上述の半導体キャリア寿命測定装置において、前記測定対象の半導体に発電用の光を照射する発電光照射部をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、発電光照射部を備えるので、発電すべく光を照射されている状態での前記測定対象の半導体の実特性をより精度よく測定することができる。
本発明にかかる半導体キャリア寿命測定装置および半導体キャリア寿命測定方法は、製造ライン中でもキャリア寿命の測定を可能とし、また、従来のような事前の前処理を施すことなく、拡散係数の値を仮定することなく、キャリア寿命を従来に較べてより精度よく測定することができる。
互いに波長の異なる2個の各光について、測定波の反射波における相対出力の時間変化の表面再結合依存性を示す図である。 互いに波長の異なる2個の各光における測定波の反射波の相対出力差の時間変化を示す図である。 実施形態の半導体キャリア寿命測定装置の構成を示す図である。 実施形態の半導体キャリア寿命測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。 拡散係数を求める場合における半導体キャリア寿命測定装置の動作を示すフローチャートである。 解析例での、互いに波長の異なる2個の各光について、反射測定波の相対出力の時間変化を示す図である。 解析例での、互いに波長の異なる2個の各光における反射測定波の相対出力差の時間変化を示す図である。 S/D=4000の場合における拡散係数とバルクのキャリア寿命との関係を示す図である。
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。また、本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
まず、本実施形態にかかるキャリア寿命測定装置における測定原理について説明する。図1は、互いに波長の異なる2個の各光について、測定波の反射波における相対出力の時間変化の表面再結合依存性を示す図である。図1の横軸は、各光の照射が終了した時点を原点とするμs(マイクロ秒)単位で表す経過時間であり、その縦軸は、相対出力(測定波の反射波相対強度)である。図1には、波長904nmの赤外光(太線)および波長349nmの紫外光(細線)のそれぞれについて、表面再結合速度Sが20(実線)、100(破線)、1000(一点鎖線)および10000(二点鎖線)の各場合について測定波の反射波における相対出力の時間変化がそれぞれ示されている。ここで、δは後述の式4で定義されるものである。図2は、互いに波長の異なる2個の各光における測定波の反射波の相対出力差の時間変化を示す図である。図2の横軸は、図1の横軸と同様であり、その縦軸は、各光における測定波の反射波の相対出力差δである。表面再結合速度Sが20(実線)、100(破線)、1000(一点鎖線)および10000(二点鎖線)の各場合について、互いに波長の異なる2個の各光における測定波の反射波の相対出力差の時間変化が示されている。
マイクロ波光導電減衰法では、測定波の反射波における強度(相対出力)は、光照射の終了により過剰キャリアの減少により、図1に示すように、時間経過に従って順次に減少する。そして、そのプロファイルは、図1に示すように、測定対象の半導体に照射される光の波長に依存し、さらに、表面再結合速度Sに依存している。特に、表面再結合速度Sが1000や10000である場合では、各光の場合ともに、比較的大きく変化している。
このような測定結果について、マイクロ波光導電減衰法による測定で実際に観測されるキャリア寿命をτ1とし、バルクのキャリア寿命をτbとし、拡散係数をDとする場合に、式1が成り立つ。
1/τ1=1/τb+α×D ・・・(1)
ここで、αは、αを定義付ける特性方程式2の最低次の解として与えられる。なお、dは、光が照射される領域における半導体の厚みである。
(α×D/S)=cot(α×d/2) ・・・(2)
そこで、表面再結合速度状態が異なる場合には、第1表面再結合速度状態において、測定で実際に観測されるキャリア寿命をτ11とし、この場合におけるαをα1とし、この第1表面再結合速度状態と異なる第2表面再結合速度状態において、測定で実際に観測されるキャリア寿命をτ12とし、この場合におけるαをα2とする場合に、式1a、式1bが成り立つ。
1/τ11=1/τb+α1×D ・・・(1a)
1/τ12=1/τb+α2×D ・・・(1b)
したがって、この2個の式1a、式1bから拡散係数Dを消去することによって、式3が得られ、拡散係数Dに依存することなく、バルクのキャリア寿命τbが求められる。
τb=(α1−α2)/(α1/τ12−α2/τ11) ・・・(3)
このような測定原理によって、本実施形態にかかるキャリア寿命測定装置は、τ11、τ12、α1およびα2を求めることでバルクのキャリア寿命τbを求めることができる。
ここで、前記τ11、τ12は、測定で実際に観測される値であり、一方、これらα1およびα2は、式2によって与えられる値である。式2によれば、半導体の厚みdは、測定可能であるから、D/Sを求めることによって、α1およびα2が求められる。ところで、このD/Sの逆数であるS/Dは、各光における測定波の反射波の時間的な相対変化の差δと相関関係にある値であり、この時間的な相対変化の差δに基づいてS/Dを求めることが可能である。なお、その詳細は、式4等を用いて後述するように、2波長の励起測定により、S/Dが評価される。そして、この時間的な相対変化の差δは、図2に示すように、表面再結合速度に依存するが、時間経過に従って略一定値となる。したがって、この時間的な相対変化の差δを求めることによって、これらα1およびα2も求めることが可能である。
また、半導体の評価において、バルクのキャリア寿命τb以外に、表面でのキャリア寿命を示す表面再結合速度Sの評価も重要である。このSは、(S/D)にDをかけることで求めることができる。
次に、より具体的に、本実施形態にかかるキャリア寿命測定装置について説明する。図3は、実施形態の半導体キャリア寿命測定装置の構成を示す図である。図3(A)は、全体構成を示す図であり、図3(B)は、導波管アンテナ先端部を示す部分拡大図である。
本実施形態の半導体キャリア寿命測定装置Aは、例えば、図3(A)に示すように、光照射部1と、測定波入出力部2と、検出部3と、制御部4と、放電部5とを備えて構成される。
光照射部1は、測定対象の例えばシリコンウェハ等の半導体ウェハ(被測定試料)Xに、互いに浸透長を異ならせるために、互いに波長の異なる少なくとも2種類の光を放射するための装置である。本実施形態の半導体キャリア寿命測定装置Aでは、光照射部1は、図3(A)に示すように、互いに異なる2種類の光を放射するように構成されており、より具体的には、制御部4の制御に従って第1波長の第1光を発光する第1光源部11−1と、第1光源部11−1から射出された第1光を被測定試料Xへ向けてその光路を約90度曲げる第1ミラー12−1と、制御部4の制御に従って第2光源部11−2から射出された第2光を被測定試料Xへ向けてその光路を約90度曲げる第2ミラー12−2とを備えて構成される。
第1および第2光源部11−1、11−2は、例えばランプと波長フィルタとを備えた光源装置等であってもよいが、本実施形態では、比較的大きな出力が得られる、レーザ光を発光するレーザ光源装置を備えて構成される。第1光と第2光は、単色光であって、より大きな浸透長差(より広い間隔で浸透長差)が生じるように、その波長差がより大きいこと(より広い間隔であること)が好ましく、例えば、第1光源部11−1は、赤外線領域における所定波長のレーザ光、すなわち、赤外線レーザ光を発光する装置であり、第2光源部11−2は、紫外線領域における所定波長のレーザ光、すなわち、紫外線レーザ光を発光する装置である。なお、第2光源部11−2は、可視光領域における所定波長のレーザ光、すなわち、可視光レーザ光を発光する装置であってもよい。第1および第2光源部11−1、11−2の各波長は、例えば、被測定試料Xの種類に応じて適宜に選択される。例えば、被測定試料Xがシリコンウェハである場合では、前記観点に加えて光励起の効率化や光源11の低コスト化の観点から、第1および第2光源部11−1、11−2の各波長は、904nmと349nmとの組合せ、あるいは、904nmと523nmとの組合せが好ましい。第1および第2光は、被測定試料に光を照射することによって光励起によるキャリア(電子と正孔(ホール))を被測定試料に生じさせ、半導体キャリア寿命測定装置Aは、この生じたキャリアの寿命(キャリア寿命)を測定する装置であるから、第1および第2光は、点灯状態からステップ状に消灯状態に移行するものが好ましく、本実施形態では、例えばパルス光、より具体的にはパルスレーザ光である。
第1および第2ミラー12−1、12−2は、第2ミラー12−2が第1光を透過するように構成され、第1ミラー12−1によって光路を曲げられた第1光が第2ミラー12−2を介して被測定試料に到達するように配置されてもよいが、本実施形態では、例えば、第1ミラー12−1によって光路を曲げられた第1光の第1光路と第2ミラー12−2によって光路を曲げられた第2光の第2光路とが被測定試料Xの光照射面(光照射領域)で交差してV字形状となるように、配置される。
測定波入出力部2は、被測定試料Xの光照射面に所定の測定波を入射するとともに、被測定試料Xで所定の相互作用を受けた測定波を射出するための装置であり、測定波照射部の一例に相当する。本実施形態の半導体キャリア寿命測定装置Aでは、測定波入出力部2は、図3(A)に示すように、測定波生成部21と、導波管アンテナ22と、E−Hチューナ23と、導波管24と、サーキュレータ25とを備えて構成される。
測定波生成部21は、制御部4の制御に従って前記所定の測定波を生成する装置である。本実施形態の半導体キャリア寿命測定装置Aでは、キャリアの生成消滅過程で生じる半導体の導電率変化を測定波の強度変化で取り出すため、前記所定の測定波は、電磁波であればよいが、本実施形態では、マイクロ波であり、測定波生成部21は、マイクロ波を生成するマイクロ波発振器を備えて構成される。測定波生成部21は、サーキュレータ25の1個の端子に接続され、測定波生成部21から放射された測定波は、サーキュレータ25に入射される。
サーキュレータ25は、3つ以上の端子(ポート)を持ち、非可逆的に、一の端子の入力をサイクリックに他の端子へ出力するものであり、本実施形態では、3個の第1ないし第3端子を備え、第1端子に入射された測定波を第2端子へ射出し、第2端子に入射された測定波を第3端子へ射出する光学素子である。サーキュレータ25の第1端子は、測定波生成部21に接続され、その第2端子は、導波管24に接続され、そして、その第3端子は、測定波検出部31に接続される。
導波管24は、測定波を導く伝播路を形成する部材であり、その一方端部にサーキュレータ25の第2端子が接続され、その他方端部に導波管アンテナ22が接続される。本実施形態では、測定波がマイクロ波であることから、導波管24は、マイクロ波導波管である。
導波管アンテナ22は、導波管24を伝播して来た測定波を被測定試料へ放射するとともに、被測定試料と相互作用を受けた測定波を受信して導波管24へ導くアンテナである。導波管アンテナ22は、被測定試料の法線方向に沿って配設されており、一方端部が導波管24に接続され、他方端部に開口部22aを備えている。この開口部22aは、測定波を被測定試料へ放射するとともに、被測定試料と相互作用を受けた測定波を受信するための開口である。そして、導波管アンテナ22の一方端部には、光照射部1から放射された第1および第2光を導波管アンテナ22内に案内するための開口部22bを備えている。本実施形態では、測定波がマイクロ波であることから、導波管アンテナ22は、マイクロ波アンテナである。
E−Hチューナ23は、サーキュレータ25と導波管アンテナ22との間における導波管24に介設され、被測定試料で相互作用を受けた測定波を測定波検出部31でより良好に検出することができるように、測定波の磁界と電界とを調整する装置である。
検出部3は、被測定試料で相互作用を受けた測定波を検出する装置であり、例えば、被測定試料Xで相互作用を受けた測定波の強度を検出する測定波検出部31を備えて構成される。本実施形態では、測定波がマイクロ波であることから、測定波検出部31は、マイクロ波検出器を備えて構成される。
制御部4は、半導体キャリア寿命測定装置Aの全体制御を司る装置であり、例えば、マクロプロセッサやメモリ等を備えるマイクロコンピュータを備えて構成される。そして、制御部4は、測定波検出部31で検出した、被測定試料Xで相互作用を受けた測定波の強度に基づいてキャリア寿命を演算する演算部41を備えている。この演算部41には、例えば、測定波検出部31で検出した測定波の反射波(反射測定波)の強度に基づいてキャリア寿命を演算するキャリア寿命演算プログラムを実行することにより、機能的に、第1状態演算部411と、第2状態演算部412と、寿命演算部413と、拡散係数記憶部414と、δ−S/Dテーブル記憶部415とを備えている。
第1状態演算部411は、被測定試料Xが第1表面再結合速度状態である場合において、光照射部1によって第1および第2光が被測定試料Xに照射されるとともに測定波入出力部2によって測定波が被測定試料Xに照射されて検出部3で検出された測定波の反射波における時間的な相対変化の第1差を求めるものである。より具体的には、第1状態演算部411は、本実施形態では、前記時間的な相対変化の第1差を求め、この求めた第1差に基づいて第1表面再結合速度状態でのS/Dを求め、そして、この求めた第1表面再結合速度状態でのS/Dに基づいて拡散係数Dを求めるものである。この求めた拡散係数Dは、次に同種の被測定試料Xを測定する場合に用いるために、拡散係数記憶部414に記憶される。
第2状態演算部412は、被測定試料Xが第1表面再結合速度状態とは異なる第2表面再結合速度状態である場合において、光照射部1によって第1および第2光が被測定試料Xに照射されるとともに測定波入出力部2によって測定波が被測定試料Xに照射されて検出部3で検出された測定波の反射波における時間的な相対変化の第2差を求めるものである。より具体的には、第2状態演算部412は、本実施形態では、前記時間的な相対変化の第2差を求め、この求めた第2差に基づいて第2表面再結合速度状態でのS/Dを求め、そして、この求めた第2表面再結合速度状態でのS/Dおよび第1状態演算部411で求めた拡散係数Dに基づいて、表面再結合速度Sを求めるものである。
寿命演算部413は、第2状態演算部412で求めた表面再結合速度Sに基づいてバルクのキャリア寿命τbを求めるものである。
拡散係数記憶部414は、第1状態演算部412で求めた拡散係数Dを記憶するものである。
δ−S/Dテーブル記憶部415は、δ−S/Dテーブルを記憶するものである。δ−S/Dテーブルは、δ値とS/D値との対応関係を示すいわゆるルックアップテーブルであり、例えばシミュレーション等によって予め求められ作成される。前記時間的な相対変化の差δは、式4で示すように、測定波検出部31で検出された、第2光(短波長光)の照射による反射測定波強度に対する第1光(長波長光)の照射による反射測定波強度の自然対数値である。
δ=ln((第1光(長波長光)反射測定波強度)/(第2光(短波長光)反射測定波強度)) ・・・(4)
放電部5は、制御部4の制御に従って被測定試料Xの表面再結合速度を第1表面再結合速度状態から第2表面再結合速度状態へ変化させるための装置であって、被測定試料Xの表面を少なくとも2以上の異なる表面再結合速度状態にするための装置であり、表面再結合速度変更部の一例に相当する。放電部5は、本実施形態では、例えば、コロナ放電を発生させ、測定波入出力部2によって測定波が照射される被測定試料Xの測定波照射領域(光照射領域)にこのコロナ放電を付与するコロナ放電発生装置であり、コロナ放電付与部の一例に相当する。放電部5は、例えば、図3(A)に示すように、導波管アンテナ22の開口部22aの付近に、高電圧を印加することによってコロナ放電する第1電極である第1コロナワイヤ51と、測定波が照射される被測定試料Xの測定波照射領域に対向する被測定試料Xの裏面(裏面領域)の付近に、高電圧を印加することによってコロナ放電する第2電極である第2コロナワイヤ52と、前記高電圧を第1および第2コロナワイヤ51、52のそれぞれに供給するべく、前記高電圧を発生する電源部53と、第2コロナワイヤ52を前記裏面領域の付近に取り付ける取り付け部材54とを備えて構成される。
第1および第2コロナワイヤ51、52は、例えば、線径0.1mmのタングステンワイヤ等である。図3(B)において、導波管アンテナ22は、例えば角型管であり、その開口部22aの対向する2つの面それぞれの一部が切り欠かれ、この切り欠かれた部分それぞれに所定の絶縁体51aが設けられている。そして、第1コロナワイヤ51は、これら対向する2つの前記絶縁体51aに渡らせて前記開口部22aの中央を横断するように取り付けられている(図3(B)には、絶縁体51aの一方のみが図示されている)。また、第1コロナワイヤ51は、接続線51bによって電源部53に接続されており、これによって第1コロナワイヤ51と導波管アンテナ22とが絶縁される。第2コロナワイヤ52も同様に絶縁されて取り付け部材54に取り付けられている。また、第1コロナワイヤ51と第2コロナワイヤ52との間に被測定試料Xを配置するために、被測定試料Xを支持する図略の支持部材が設けられている。このように構成することによって、被測定試料Xに近接するように設けられた第1および第2コロナワイヤ51、52の電極に、電源部53によって所定の電圧を印加することで発生したコロナ放電が被測定試料Xに付与される。
このような構成の半導体キャリア寿命測定装置Aは、例えば、次のように動作することによって半導体のバルクのキャリア寿命τbを測定する。図4は、実施形態の半導体キャリア寿命測定装置の動作の一例を示すフローチャートである。図5は、拡散係数を求める場合における半導体キャリア寿命測定装置の動作を示すフローチャートである。図6は、解析例での、互いに波長の異なる2個の各光について、反射測定波の相対出力の時間変化を示す図である。図6の横軸は、マイクロ秒単位で表す経過時間であり、その縦軸は、相対出力(測定波の反射波相対強度)である。赤外線領域の波長の光を照射した場合における反射測定波の強度が太線(YA1(IR))で示され、紫外線領域の波長の光を照射した場合における反射測定波の強度が太線(YA1(UR))で示されている。図7は、解析例での、互いに波長の異なる2個の各光における反射測定波の相対出力差の時間変化を示す図である。図7の横軸は、図6の横軸と同様であり、その縦軸は、各光における測定波の反射波の相対出力差δである。図8は、S/D=4000の場合における拡散係数とバルクのキャリア寿命との関係を示す図である。図8の横軸は、cm/s2単位で表す拡散係数Dであり、その縦軸は、s(秒)単位で表すバルクのキャリア寿命τbである。
図4において、まず、測定したい半導体ウェハの表面の汚れや表面ダメージ等が、事前に例えばいわゆるケミカルエッチング等によって落とされ(洗浄処理)、自然酸化膜が付与された状態とされる(S11)。この自然酸化膜が付与された状態が第1表面再結合速度状態とされる。そして、この洗浄処理後の半導体ウェハが被測定試料Xとして前記支持部材に配置され、第1コロナワイヤ51と第2コロナワイヤ52との間に挟まれる所定の測定位置にセットされる。
続いて、被測定試料Xが第1表面再結合速度状態である場合におけるS/Dが求められ、この求めたS/Dに基づいて拡散係数Dが求められる(S12)。
より具体的には、制御部4の制御に従って測定波入出力部2によって測定波が被測定試料Xの測定波照射領域(光照射領域)に照射され、被測定試料Xで反射した測定波が検出部3で検出され、この検出結果が検出部3から制御部4へ出力される。さらにより具体的には、制御部4の制御に従って測定波生成部21は、測定波を生成し、この生成された測定波は、サーキュレータ25の第1端子に入射される。第1端子から入射した測定波は、サーキュレータ25の第2端子から射出され、導波管24に入射され、導波管24内を伝播する。この導波管24内を伝播する測定波は、途中に設けられたE−Hチューナ23を経由して電界や磁界が調整され、被測定試料Xの測定波照射領域を照射するべく、導波管アンテナ22の開口部22aから前記測定波照射領域に向けて放射される。そして、被測定試料Xで反射した測定波(反射測定波)は、導波管アンテナ22の開口部22aから入射され、導波管アンテナ22で受信される。この反射測定波は、E−Hチューナ23を経由して導波管24内を伝播し、サーキュレータ25の第2端子に入射される。この第2端子から入射した反射測定波は、サーキュレータ25の第3端子から射出され、検出部3に入射され、検出部3の測定波検出部31でその強度が検出される。この検出した反射測定波の強度は、検出部3の測定波検出部31から制御部4の演算部41へ出力される。
一方、制御部4の制御に従って光照射部1によって第1および第2光が時分割で被測定試料Xの光照射領域(測定波照射領域)に照射される。さらにより具体的には、まず第1に、制御部4の制御に従って第1光源部11−1は、パルスレーザ光の第1光を射出し、この射出された第1光は、第1ミラー12−1で光路が屈曲され、導波管アンテナ22の開口部22bに入射され、導波管アンテナ22内を伝播し、被測定試料Xの光照射領域を照射するべく、導波管アンテナ22の開口部22aから前記光照射領域に向けて射出される。また、続いて第2に、制御部4の制御に従って第2光源部11−2は、パルスレーザ光の第2光を射出し、この射出された第2光は、第2ミラー12−2で光路が屈曲され、導波管アンテナ22の開口部22bに入射され、導波管アンテナ22内を伝播し、被測定試料Xの光照射領域を照射するべく、導波管アンテナ22の開口部22aから前記光照射領域に向けて射出される。なお、第1光および第2光の照射順は、上述と逆であってもよい。
これによって第1光を被測定試料Xに照射している場合に測定波を被測定試料Xに照射していれば、第1光による反射測定波の強度変化が測定波検出部31を介して演算部41に取り込まれ、また、第2光を被測定試料Xに照射している場合に測定波を被測定試料Xに照射していれば、第2光による反射測定波の強度変化が測定波検出部31を介して演算部41に取り込まれる。通常では、図5に示すように、測定波が被測定試料Xに照射され(S21)、測定波を被測定試料Xに照射しながらパルスレーザ光の第1光(または第2光)を照射することによって、パルスレーザ光の第1光(または第2光)の照射直後(消灯直後)における反射測定波の強度変化が測定され(S22)、また、測定波を被測定試料Xに照射しながらパルスレーザ光の第2光(または第1光)を照射することによって、パルスレーザ光の第2光(または第1光)の照射直後(消灯直後)における反射測定波の強度変化が測定される(S23)。そして、第1および第2光の波長が互いに異なることで、被測定試料Xに対するそれらの浸透長も互いに異なり、この結果、浸透長が互いに異なる第1および第2光の照射による各反射測定波の強度がそれぞれ得られる。
例えば、図6に示すように、反射測定波の強度は、時間の経過とともに減少し、やがて、キャリアが熱平衡状態となって略一定となる。そして、この反射測定波強度の減少過程において、減少率(減少速度、単位時間あたりの減少量)は、初期では比較的大きく、時間の経過とともに小さくなる。また、第1光の赤外線レーザ光(IR)による反射測定波の時間的な強度変化は、第2光の紫外線レーザ光(UV)による反射測定波の時間的な強度変化よりも小さい。そして、図7に示すように、各時刻における、第1光の赤外線レーザ光(IR)による反射測定波の強度と第2光の紫外線レーザ光(UV)による反射測定波の強度との差δは、時間の経過とともに減少し、やがて略一定となっている。なお、図6および図7は、被測定試料Xがフッ酸洗浄した後の半導体ウェハである場合における解析例であり、表面再結合速度Sが9000cm/sであって、バルクのキャリア寿命τbが79μsである。
続いて、演算部41の第1状態演算部411は、測定波検出部31の出力に基づいてδ値を求め、このδ値が上述のように略一定となった値を求め、そして、δ−S/Dテーブル記憶部415のδ−S/Dテーブルを参照することによって、このδ値が略一定となった値に対応するS/Dを求める(S24)。
続いて、演算部41の第1状態演算部411は、この求めたS/Dを式2に用いることによって、第1表面再結合状態におけるα1を求める(S25)。
続いて、演算部41の第1状態演算部411は、式1を変形した式5で被測定試料Xにおける拡散係数に対するバルクのキャリア寿命τbを評価することによって、拡散係数Dを求め、この求めた拡散係数Dを拡散係数記憶部414に記憶する(S26)。この処理において、式5のαは、α1である。
τb=1/((1/τ1)−α2×D) ・・・(5)
バルクのキャリア寿命τbが例えば100μs、好ましくは1000μs(=1ms)等のように、比較的大きい値である場合には、拡散係数Dは、式5のピーク値に一致した値となる。
例えば、S/D=4000であり、測定結果τ1=4μsである場合には、式5によるバルクのキャリア寿命τbは、拡散係数Dを、ピークを含むような所定の範囲、例えば0から30までの範囲で振って計算すると、図8に示すグラフとなり、式5によるバルクのキャリア寿命τbは、一点でピークを持つ。このピークでの値(図8の例では約15.6)が拡散係数Dとなる。
このような各処理によって、被測定試料Xが第1表面再結合速度状態である場合におけるS/Dが求められ、この求めたS/Dに基づいて拡散係数Dが求められる。
図4に戻って、続いて、この得られた拡散係数D(図8の例では約15.6)に基づいて被測定試料Xの表面処理が行われる(S13)。この表面処理は、好ましくは、例えば、コロナ放電処理、酸化処理、シリコンナイトライド、アモルファスシリコンおよびアルミナ膜を成膜することによるパッシベーション処理等が挙げられる。本実施形態では、測定に必要な時間だけ一時的に表面処理を行うことができて測定後に元の性状に戻ることができることから、被測定試料Xの表面処理として、コロナ放電処理が採用される。より具田的には、制御部4の制御に従って電源部53は、第1および第2コロナワイヤ51、52に互いに異なる極性の高電圧を印加する。これによって第1および第2コロナワイヤ51、52のそれぞれからコロナ放電が被測定試料Xの両主面に与えられ、表面処理が為される。
続いて、被測定試料Xが第2表面再結合速度状態である場合におけるS/Dが求められ、この求めたS/Dに基づいて表面再結合速度Sが求められる(S14)。
より具体的には、電源部53によって第1および第2コロナワイヤ51、52に高電圧を印加しながら、図5を用いて上述した処理S21ないし処理S23の各処理と同様の処理によって、第1光による反射測定波の強度変化が測定波検出部31によって検出され、また、第2光による反射測定波の強度変化が測定波検出部31によって検出され、これら各反射測定波の強度変化が演算部41に取り込まれる。
続いて、図5を用いて上述した処理S24と同様の処理によって、演算部41の第2状態演算部412は、測定波検出部31の出力に基づいてδ値を求め、このδ値が略一定となった値を求め、そして、δ−S/Dテーブル記憶部415のδ−S/Dテーブルを参照することによって、このδ値が略一定となった値に対応するS/Dを求める。
続いて、演算部41の第1状態演算部412は、この求めたS/Dに上述で求めた拡散係数Dを乗じることによって表面再結合速度Sを求める。
このような各処理によって、被測定試料Xが第2表面再結合速度状態である場合におけるS/Dが求められ、この求めたS/Dに基づいて表面再結合速度Sが求められる。
続いて、演算部41の寿命演算部413は、この求めた表面再結合速度Sに基づき式1および式2を用いることによってバルクのキャリア寿命τbを求める(S15)。
そして、半導体キャリア寿命測定装置Aは、例えば表示装置や印刷装置等の図略の出力装置に、この求めたバルクのキャリア寿命τbを出力する。
なお、2回目以降の測定では、拡散係数記憶部414に記憶されている拡散係数Dを用いることで、処理S11および処理S12を省略し、処理S13から測定が開始されてもよい。
このように本実施形態の半導体キャリア寿命測定装置Aは、第1表面再結合速度状態での反射測定波の時間的な相対変化の第1差と第2表面再結合速度状態での反射測定波の時間的な相対変化の第2差が求められればよいので、製造ライン中でキャリア寿命を測定することが可能であり、また、従来のような事前の前処理を行う必要がなく、キャリア寿命を従来に較べてより精度よく測定することができる。そして、このように第1差および第2差が求められればよいので、測定対象の半導体における拡散係数の値を仮定する必要がなく、キャリア寿命を従来に較べてより精度よく測定することができる。
一般に、半導体に光を照射した場合にこの光(入射光)は、前記半導体内へ浸透するが、その浸透長は、入射光の波長に依存する。本実施形態の半導体キャリア寿命測定装置Aでは、被測定試料Xの半導体に照射する光として、赤外線領域の波長を持つ第1光および紫外線領域の波長を持つ第2光、あるいは、赤外線領域の波長を持つ第1光および可視光領域の波長を持つ第3光が用いられている。このため、これら各光の波長差が大きいので、それらの浸透長差も大きくなり、その結果、これら各光のそれぞれによる反射測定波に含まれる、表面再結合による影響の割合を大きく異ならせることが可能となる。したがって、本実施形態の半導体キャリア寿命測定装置Aは、キャリア寿命を従来に較べてより精度よく測定することができる。
また、本実施形態の半導体キャリア寿命測定装置Aでは、被測定試料Xの表面再結合速度状態を第1表面再結合速度状態から第2表面再結合速度状態へ変化させる表面再結合速度状態変更部の一例として、被測定試料Xの測定波照射領域にコロナ放電を付与する放電部5を備えている。このため、本実施形態の半導体キャリア寿命測定装置Aは、被表面再結合速度状態変更部の一例としての放電部5によって被測定試料Xにおける表面再結合速度状態をその第1状態から第2状態へ変更することが可能となり、そして、コロナ放電によって第2再結合速度状態を実現することができる。また、コロナ放電によって第2表面再結合速度状態を実現するため、コロナ放電の付与を終了することで被測定試料Xにおける物理化学的な性状を元に戻すことができる。
半導体ウェハは、使用前に、通常、その汚れ等の汚染を除去する洗浄処理を通して自然酸化膜がその表面に生成された状態となる。本実施形態の半導体キャリア寿命測定装置Aでは、この洗浄処理によって露出された自然酸化膜が第1表面再結合速度状態とされるので、第1表面再結合速度状態を実現する処理をこの洗浄処理と兼用することができ、工数を削減することが可能となる。
次に、本実施形態の半導体キャリア寿命測定装置Aにおける測定誤差について検討する。
前記時間的な相対変化の差δは、S/Dの比を求めるものであり、拡散係数Dが未知の状態では、表面再結合速度Sが決まらず、バルクのキャリア寿命τbも決まらないことになる。特に、例えばケミカルエッチング程度の洗浄処理で、いわゆる表面処理を施さない半導体ウェハでは、一般に、測定(観測)される表面再結合速度Sは、約10000cm/sであり、このため、バルクのライフタイムτbは、数マイクロ秒程度である。したがって、この場合では、拡散係数Dが正確に求まったとしても、1次モードライフタイムτの見積もりには、0.01%の精度が要求され、現実的ではない。さらに、半導体の同じインゴットにおいてもそこから分離されたウェハごとに拡散係数Dが異なることが予想される。
一方、本実施形態の半導体キャリア寿命測定装置Aでは、洗浄処理により自然酸化膜の状態で被測定試料Xを測定することでまず拡散係数Dを求め、その後、表面再結合速度Sを小さくする表面処理(コロナ放電)を行い、そして、この状態で、再び被測定試料Xを測定している。このような測定における1次モードライフタイムτの測定精度(真値からのずれ;%)は、表1ないし表3の通りであり、例えば、バルクのライフタイムτbを10%程度の精度で求めるためには、1次モードライフタイムの測定精度が1%程度であればよい。なお、表1は、1次モードライフタイムの測定精度が±10%である場合であり、表2は、1次モードライフタイムの測定精度が±1%である場合であり、表3は、1次モードライフタイムの測定精度が±0.1%である場合である。
Figure 0005295924
Figure 0005295924
Figure 0005295924
なお、上述の実施形態において、発電すべく光を照射されている状態での太陽電池用半導体ウェハ(PV用半導体ウェハ)の実特性をより精度よく測定するために、半導体キャリア寿命測定装置Aは、図3に破線で示すように、被測定試料Xに発電用の光を照射する発電光照射部6をさらに備えて構成されてもよい。発電光照射部6は、例えば、制御部4の制御に従って予め設定された所定の分光分布を持つ発電用の光(バイアス光)を放射する第3光源部61と、第3光源部61で放射されたバイアス光を被測定試料Xの前記光照射領域(測定波照射領域)に向けて導光する例えば光ファイバ等の導光部材62とを備えて構成され、第3光源部61で放射されたバイアス光が導光部材62を介して被測定試料Xの前記光照射領域に照射される。これによって被測定試料XとしてのPV用半導体ウェハは、発電用の光によってバイアスされる。前記所定の分光分布は、測定したいPV用半導体ウェハの光励起キャリア等に応じて適宜に決定される。太陽光でのPV用半導体ウェハのキャリア寿命をより精度よく測定する観点から、第3光源部61は、太陽光と同じ分光スペクトルおよび放射照度を模した光を照明する照明装置であってよい。また、第3光源部61は、上記観点から、1SUNに相当する光であることが好ましく、擬似太陽光スペクトルを持つ光であることがより好ましい。バルクのキャリア寿命τbの測定では、発電光照射部6によって被測定試料Xをバイアス光で照射しながら、上述の各処理が実行される。このような発電光照射部6をさらに備えることによって、半導体キャリア寿命測定装置Aは、発電すべく光を照射されている状態でのPV用半導体ウェハの実特性をより精度よく測定することが可能となる。そして、PV用半導体ウェハは、比抵抗が比較的広範囲にばらついているとともに、実際の発電特性を評価する場合に、このようにPV用半導体ウェハが光照射されるため、この光照射された状態における拡散係数が必要となり、PV用半導体ウェハの拡散係数を見積もることは、困難であるが、本実施形態の半導体キャリア寿命測定装置Aは、上述のように動作するので、バルクのキャリア寿命τbを従来に較べてより精度よく測定することができる。
また、上述の実施形態では、検出部3は、被測定試料Xに照射した測定波の反射波を検出したが、被測定試料Xに照射した測定波の透過波を検出するように構成されてもよい。例えば、測定波が照射される被測定試料Xの測定波照射領域に対向する被測定試料の裏面(裏面領域)の付近に、第2コロナワイヤ52と干渉しないように、測定波の透過波を導波する導波管が設けられ、この導波管によって測定波の透過波を検出部3の測定波検出部31へ導き、測定波の透過波の強度を検出するように、検出部3が構成される。このような構成によっても、半導体キャリア寿命測定装置Aは、測定波の反射波を測定する場合と同様な各処理によって、バルクのキャリア寿命τbを測定することができる。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
A 半導体キャリア寿命測定装置
X 被測定試料
1 照射部
2 測定波入出力部
3 検出部
4 制御部
5 放電部
6 発電光照射部
11−1 第1光源
11−2 第2光源
21 測定波生成部
31 測定波検出部
41 演算部
51 第1コロナワイヤ
52 第2コロナワイヤ
53 電源部
61 第3光源部
411 第1状態演算部
412 第2状態演算部
413 寿命演算部
414 拡散係数記憶部
415 δ−S/Dテーブル記憶部

Claims (10)

  1. 波長が互いに異なる少なくとも2種類の光を測定対象の半導体に照射する光照射部と、
    前記測定対象の半導体に所定の測定波を照射する測定波照射部と、
    前記測定対象の半導体で反射された前記測定波の反射波または前記測定対象の半導体を透過した前記測定波の透過波を検出する検出部と、
    前記測定対象の半導体が第1表面再結合速度状態である場合において、前記光照射部によって前記少なくとも2種類の光が前記測定対象の半導体に照射されるとともに前記測定波照射部によって前記測定波が前記測定対象の半導体に照射されて前記検出部で検出された前記反射波または前記透過波の時間的な相対変化の第1差と、前記測定対象の半導体が前記第1表面再結合速度状態と異なる第2表面再結合速度状態である場合において、前記光照射部によって前記少なくとも2種類の光が前記測定対象の半導体に照射されるとともに前記測定波照射部によって前記測定波が前記測定対象の半導体に照射されて前記検出部で検出された前記反射波または前記透過波の時間的な相対変化の第2差とに基づいて前記測定対象の半導体におけるキャリア寿命を求める演算部とを備え、
    前記時間的な相対変化の差は、前記少なくとも2種類の光のうちの第1光および前記第1光より短波長の第2光において、前記第2光の照射による前記反射波の強度に対する前記第1光の照射による前記反射波の強度の自然対数値、または、前記第2光の照射による前記透過波の強度に対する前記第1光の照射による前記透過波の強度の自然対数値であること
    を特徴とする半導体キャリア寿命測定装置。
  2. 前記少なくとも2種類の光は、赤外線領域の波長を持つ赤外光および紫外線領域の波長を持つ紫外光であること
    を特徴とする請求項1に記載の半導体キャリア寿命測定装置。
  3. 前記少なくとも2種類の光は、赤外線領域の波長を持つ赤外光および可視光領域の波長を持つ可視光であること
    を特徴とする請求項1に記載の半導体キャリア寿命測定装置。
  4. 前記第1表面再結合速度状態から前記第2表面再結合速度状態へ前記測定対象の半導体を変化させる表面再結合速度状態変更部をさらに備えること
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の半導体キャリア寿命測定装置。
  5. 前記表面再結合速度変更部は、前記測定波照射部によって測定波が照射される半導体の測定波照射領域にコロナ放電を付与するコロナ放電付与部であること
    を特徴とする請求項4に記載の半導体キャリア寿命測定装置。
  6. 前記測定対象の半導体は、前記第1表面再結合速度状態として自然酸化膜が付与された状態であること
    を特徴とする請求項4または請求項5に記載の半導体キャリア寿命測定装置。
  7. 前記測定対象の半導体に発電用の光を照射する発電光照射部をさらに備えること
    を特徴とする請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の半導体キャリア寿命測定装置。
  8. 波長が互いに異なる少なくとも2種類の光を測定対象の半導体に照射する光照射工程と、
    前記測定対象の半導体に所定の測定波を照射する測定波照射工程と、
    前記測定対象の半導体で反射された前記測定波の反射波または前記測定対象の半導体を透過した前記測定波の透過波を検出する検出工程と、
    前記測定対象の半導体が第1表面再結合速度状態である場合において、前記光照射工程によって前記少なくとも2種類の光が前記測定対象の半導体に照射されるとともに前記測定波照射工程によって前記測定波が前記測定対象の半導体に照射されて前記検出工程で検出された前記反射波または前記透過波の時間的な相対変化の第1差と、前記測定対象の半導体が前記第1表面再結合速度状態と異なる第2表面再結合速度状態である場合において、前記光照射工程によって前記少なくとも2種類の光が前記測定対象の半導体に照射されるとともに前記測定波照射工程によって前記測定波が前記測定対象の半導体に照射されて前記検出工程で検出された前記反射波または前記透過波の時間的な相対変化の第2差とに基づいて前記測定対象の半導体におけるキャリア寿命を求める演算工程とを備え、
    前記時間的な相対変化の差は、前記少なくとも2種類の光のうちの第1光および前記第1光より短波長の第2光において、前記第2光の照射による前記反射波の強度に対する前記第1光の照射による前記反射波の強度の自然対数値、または、前記第2光の照射による前記透過波の強度に対する前記第1光の照射による前記透過波の強度の自然対数値であること
    を特徴とする半導体キャリア寿命測定方法。
  9. 前記演算工程は、前記第1差と前記第2差とに基づいて、前記測定対象の半導体における拡散係数と表面再結合速度との比を求めて前記測定対象の半導体におけるキャリア寿命を求めること
    を特徴とする請求項8に記載の半導体キャリア寿命測定方法。
  10. 測定対象の半導体が第1表面再結合速度状態である場合において、所定の測定波を前記測定対象の半導体に照射しながら、波長が互いに異なる少なくとも2種類の光を照射することによって、前記測定対象の半導体で反射された前記測定波の反射波または前記測定対象の半導体を透過した前記測定波の透過波の時間的な相対変化の第1差を測定する第1差測定工程と、
    前記測定対象の半導体における表面再結合速度をSとし、拡散係数をDとする場合に、前記第1差測定工程によって測定された第1差に基づいて第1表面再結合速度状態でのS/Dを求める第1S/D演算工程と、
    前記第1S/D演算工程で求めた第1表面再結合速度状態でのS/Dに基づいて拡散係数Dを求める拡散係数演算工程と、
    前記第1表面再結合速度状態から前記第1表面再結合速度状態と異なる第2表面再結合速度状態へ前記測定対象の半導体を変化させる表面再結合速度状態変更工程と、
    前記測定対象の半導体が第2表面再結合速度状態である場合において、前記測定波を前記測定対象の半導体に照射しながら、前記波長が互いに異なる少なくとも2種類の光を照射することによって、前記測定対象の半導体で反射された前記測定波の反射波または前記測定対象の半導体を透過した前記測定波の透過波の時間的な相対変化の第2差を測定する第2差測定工程と、
    前記第2差測定工程によって測定された第2差に基づいて第2表面再結合速度状態でのS/Dを求める第2S/D演算工程と、
    前記第2S/D演算工程で求めた第2表面再結合速度状態でのS/Dに基づいて表面再結合速度Sを求める表面再結合速度演算工程と、
    前記表面再結合速度演算工程で求められた表面再結合速度Sに基づいて前記測定対象の半導体におけるキャリア寿命を求める寿命演算工程とを備え、
    前記時間的な相対変化の差は、前記少なくとも2種類の光のうちの第1光および前記第1光より短波長の第2光において、前記第2光の照射による前記反射波の強度に対する前記第1光の照射による前記反射波の強度の自然対数値、または、前記第2光の照射による前記透過波の強度に対する前記第1光の照射による前記透過波の強度の自然対数値であること
    を特徴とする半導体キャリア寿命測定方法。
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