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JP5298985B2 - 光走査装置 - Google Patents
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Description

本発明は、光ビームを走査する光走査装置に関する。
近年、光走査装置の小型化を目的として、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を利用した光走査装置が種々提案されている。
これに対して本願出願人は、鏡面部が表面に形成された第3フレームと、第3フレームに対し所定の隙間を介して設けられた第2フレームと、第2フレームに対し所定の隙間を介して設けられた第1フレームと、第1フレームに対し所定の隙間を介して設けられた第0フレームとを備え、さらに、第3フレームと第2フレームと第1フレームとをそれぞれの回転軸を中心に捩じり振動可能に構成されることで、3自由度連成振動系を構成した光走査装置を提案している(例えば、特許文献1参照)。
このように構成された光走査装置では、第1フレームに固有の周期的加振力を作用させることにより、3自由度捻り振動子を共振状態にできる。そして、第2フレームと第3フレームそれぞれの振動に対応した周期的加振力を重畳して与えることにより、第2フレームと第3フレームをそれぞれ異なる周波数および振幅で振動させ、さらに第3フレームの鏡面部で光を反射させることで、光を2次元走査することができる。
特開2008−129068号公報
しかし、特許文献1に記載の光走査装置では、第1フレームのみへの加振で、第2フレームと第3フレームの2つのフレームを振動させるため、鏡面部が形成された第3フレームの振動振幅が小さいという問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、3自由度連成振動系を構成した光走査装置において鏡面部の振動振幅を大きくすることを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の光走査装置は、光ビームを反射させる反射面を有する反射部と、反射部に連結された弾性変形可能な第1弾性連結部を有し、第1弾性連結部を回転軸として反射部を揺動可能に支持する第1支持部と、第1支持部に連結された弾性変形可能な第2弾性連結部を有し、第2弾性連結部を回転軸として第1支持部を揺動可能に支持する第2支持部と、第2支持部に連結された弾性変形可能な第3弾性連結部を有し、第3弾性連結部を回転軸として第2支持部を揺動可能に支持する第3支持部とを備えて、反射部、第1支持部、第2支持部、第3支持部、第1弾性連結部、第2弾性連結部、及び第3弾性連結部が、固有の周期的外力が作用した場合に大きい回転角で捩じり振動する3自由度連成振動系を構成する。
このため、請求項1に記載の光走査装置は、第3支持部を固定端として、第1弾性連結部,第2弾性連結部,第3弾性連結部に対しての捻り自由度を持つ3自由度捻り振動子になっている。
3自由度捻り振動子は、理論上3つの振動モードを持つ。すなわち、3つの振動モードはそれぞれ異なる共振周波数を持ち、各共振周波数に対する反射部、第1支持部、および第2支持部の捻り振動の角度振幅の比はそれぞれ異なる(これは振動モードと呼ばれる)。したがって、或る振動モードにおいて、第2支持部の角度振幅が大きくなると、この振動モードにおける角度振幅の比に応じて、反射部および第1支持部の角度振幅が大きくなる。
そして、櫛歯状に形成された第1櫛歯状電極部が第2支持部に設けられるとともに、第1櫛歯状電極部と噛み合い可能な櫛歯状に形成された第2櫛歯状電極部が第1櫛歯状電極部と噛み合い可能な位置に固定して設置され、電圧印加手段が、第1櫛歯状電極部と第2櫛歯状電極部との間に電圧を印加して、両電極部間に静電引力を発生させる。
このため電圧印加手段が、第1櫛歯状電極部と第2櫛歯状電極部との間に電圧を印加して、固有の周期的外力を第2支持部に作用させることにより、3自由度捻り振動子を共振状態にできる。
また、3つの振動モードの各々に対応した周波数の周期的加振力を与えれば、それぞれの振動モードを励振できる。また、複数の周波数の周期的加振力を重畳して与えれば、複数の振動モードを同時に励振できる。
したがって、反射部の角度振幅が大きい振動モードに対応する周期的加振力と、第1支持部の角度振幅が大きい振動モードに対応する周期的加振力とを重畳して与えることにより、反射部で反射するレーザ光を2次元的に走査することができる。
そして電圧印加制御手段が、第3弾性連結部を回転軸とした第2支持部の回転角度を第2支持部回転角度とし、電圧印加手段による電圧印加で発生する静電気力によって第2支持部に作用するトルクを第2支持部トルクとし、第2支持部トルクが最大となるときの第2支持部回転角度をトルク最大回転角度として、第2支持部回転角度が、トルク最大回転角度を含む予め設定された第2支持部回転角度の範囲である電圧印加角度範囲内にあるときのみにおいて常に、電圧印加手段に一定電圧を印加させる。
したがって、第2支持部に作用するトルクが最大となるときに、この最大トルクを第2支持部に作用させることができる。これにより、第2支持部に最大トルクが作用しない場合よりも大きいトルクを第2支持部に作用させることができ、第2支持部の角度振幅を大きくすることができる。そして上述のように、第2支持部の角度振幅が大きくなると、振動モードにおける角度振幅の比に応じて、反射部の角度振幅が大きくなるため、反射部の角度振幅を大きくすることができる。
また請求項1に記載の光走査装置において、電圧印加角度範囲は、第2支持部トルクの最大値との差が10%となる第2支持部トルクが発生するときの第2支持部回転角度であり且つトルク最大回転角度より大きいものを、当該電圧印加角度範囲の上限角度とし、第2支持部トルクの最大値との差が10%となる第2支持部トルクが発生するときの第2支持部回転角度であり且つトルク最大回転角度より小さいものを、当該電圧印加角度範囲の下限角度とし、電圧印加角度範囲内でのトルク曲線は平坦である
このように構成された光走査装置では、電圧印加角度範囲を、第2支持部に作用するトルクの大きさが最大値近傍であるときのみとすることができる。換言すると、第2支持部に作用するトルクが小さいときには電圧印加手段が電圧を印加しないようにすることができる。このため、第2支持部に作用するトルクが小さくて反射部の角度振幅の増加に寄与し難いときに無駄に電圧が印加されることを抑制し、当該光走査装置の消費電力を低減することができる。
光走査装置1の構成を示す平面図である。 光走査装置1の電気的構成を示すブロック図である。 外ジンバル11と内ジンバル12とミラー13の角度振幅比を示す図である。 櫛歯間静電トルクと外ジンバル回転角度との関係を示すグラフである。 外ジンバル回転角度θと印加電圧と櫛歯間静電トルクの時間変化を示すグラフである。
以下に本発明の実施形態について図面とともに説明する。
図1は、本発明が適用された実施形態の光走査装置1の構成を示す平面図である。
光走査装置1は、例えばSOI(Silicon On Insulator)ウエハを半導体プロセスで加工して製造されたものであり、図1に示すように、光ビームを走査する光ビーム走査部2と、光ビーム走査部2を支持する支持部3と、光ビーム走査部2に回転駆動力を印加する駆動部4と、光ビーム走査部2の回転角度を検出する角度検出部5とを備える。
光ビーム走査部2は、外ジンバル11と内ジンバル12とミラー13と弾性連結部14a,14bと弾性連結部15a,15bと弾性連結部16a,16bと、櫛歯電極部17,18,19,20とから構成される。
これらのうちミラー13は、円形状であり、アルミ薄膜の鏡面部が表面に形成される。また内ジンバル12は、矩形枠状であり、枠内にミラー13が配置される。また外ジンバル11は、矩形枠状であり、枠内に内ジンバル12が配置される。
また弾性連結部16aは、弾性変形可能な材料で構成されており、内ジンバル12の枠内に配置され、ミラー13と内ジンバル12とを連結する。また弾性連結部16bは、弾性変形可能な材料で構成されており、内ジンバル12の枠内に配置され、ミラー13を挟んで弾性連結部16aと反対側において、ミラー13と内ジンバル12とを連結する。なお、弾性連結部16a及び弾性連結部16bは、ミラー13の重心JSを通る同一直線上に配置されており、ミラー13の回転軸kとなる。これによりミラー13は、回転軸kを中心に捩じり振動可能に構成される。
また弾性連結部15aは、弾性変形可能な材料で構成されており、外ジンバル11の枠内に配置され、内ジンバル12と外ジンバル11とを連結する。また弾性連結部15bは、弾性変形可能な材料で構成されており、外ジンバル11の枠内に配置され、内ジンバル12を挟んで弾性連結部15aと反対側において、内ジンバル12と外ジンバル11とを連結する。なお、弾性連結部15a及び弾性連結部15bは、ミラー13と内ジンバル12との重心JSを通る同一直線上に配置されており、ミラー13の回転軸jとなる。これにより内ジンバル12は、回転軸jを中心に捩じり振動可能に構成される。
また弾性連結部14aは、弾性変形可能な材料で構成されており、外ジンバル11の上辺11aと支持部3とを連結する。また弾性連結部14bは、弾性変形可能な材料で構成されており、外ジンバル11を挟んで弾性連結部14aと反対側において、外ジンバル11の下辺11bと支持部3とを連結する。なお、弾性連結部14a及び弾性連結部14bは、ミラー13と内ジンバル12と外ジンバル11との重心JSを通る同一直線上に配置されており、外ジンバル11の回転軸iとなる。これにより外ジンバル11は、回転軸iを中心に捩じり振動可能に構成される。
また櫛歯電極部17は、外ジンバル11の左辺11cに沿って櫛歯状に形成されている。さらに櫛歯電極部18は、櫛歯電極部17の上方において、左辺11cに沿って櫛歯状に形成されている。
また櫛歯電極部19は、外ジンバル11の右辺11dに沿って櫛歯状に形成されている。さらに櫛歯電極部20は、櫛歯電極部17の上方において、右辺11dに沿って櫛歯状に形成されている。
次に支持部3は、上辺11aと連結されていない側の弾性連結部14aの端部と連結される上側支持部3aと、下辺11bと連結されていない側の弾性連結部14bの端部と連結される下側支持部3bとから構成される。
さらに駆動部4は、櫛歯電極部17と一定間隔を空けて噛み合う櫛歯状に形成された櫛歯電極部4aと、櫛歯電極部19と一定間隔を空けて噛み合う櫛歯状に形成された櫛歯電極部4bとから構成される。
また角度検出部5は、櫛歯電極部18と一定間隔を空けて噛み合う櫛歯状に形成された櫛歯電極部5aと、櫛歯電極部20と一定間隔を空けて噛み合う櫛歯状に形成された櫛歯電極部5bとから構成される。
次に、光走査装置1の電気的構成について説明する。図2は、光走査装置1の電気的構成を示すブロック図である。
光走査装置1は、図2に示すように、光ビーム走査部2を回転駆動するための駆動信号としてのパルス電圧を出力する駆動信号発生回路31と、駆動信号発生回路31により出力された駆動信号を増幅して櫛歯電極部4a,4bに印加する増幅回路32と、櫛歯電極部5a,5bと櫛歯電極部19,20との間の静電容量を電圧値に変換するC−V変換回路33a,33b(以下、C−V変換回路33a,33bをまとめてC−V変換回路33ともいう)と、光ビームの発光源となる半導体レーザ34と、C−V変換回路33から出力される電圧をモニタし、この電圧値に基づいて半導体レーザ34を制御するとともに、駆動信号発生回路31を制御する制御回路35とを備える。
次に、光走査装置1の動作原理を説明する。
光走査装置1は、支持部3を固定端として、回転軸i,j,kに対しての捻り自由度を持つ3自由度捻り振動子になっている。
3自由度捻り振動子は、理論上3つの振動モードを持つ。すなわち、3つの振動モードはそれぞれ異なる共振周波数を持ち、各共振周波数に対する各フレームの捻り振動の角度振幅の比はそれぞれ異なる(これは振動モードと呼ばれる)。以下、これら3つの振動モードをそれぞれ、振動モード1、振動モード2、振動モード3という。
なお、櫛歯電極部4a,4bに電圧を印加すると、櫛歯電極部17,19との間に静電気力が発生する。また、外ジンバル11が1周期振動する間に櫛歯電極部17,19は櫛歯電極部4a,4bに2回最接近する。このため、共振周波数の2倍に近い周期的静電気力が加われば、3自由度捻り振動子を共振状態にできる(以下、共振状態にするための加振力を周期的加振力という)。また、櫛歯電極部17,19が櫛歯電極部4a,4bに接近する毎に、周期的加振力を作用させることができる。
そして、振動モード1、振動モード2、振動モード3の各々に対応した周波数の周期的加振力を与えれば、それぞれの振動モードを励振できる。また、複数の周波数の周期的加振力を重畳して与えれば、複数の振動モードを同時に励振できる。
ここで、例えば、
振動モード1の共振周波数f1を1000Hz、
振動モード2の共振周波数f2を5000Hz、
振動モード3の共振周波数f3を40000Hz、
振動モード1における外ジンバル11、内ジンバル12、ミラー13の振幅比r1を「1:−20:0.5」、
振動モード2における外ジンバル11、内ジンバル12、ミラー13の振幅比r2を「1:0.01:−50」、
振動モード3における外ジンバル11、内ジンバル12、ミラー13の振幅比r3を「1:0.02:−0.03」、
として設計した場合の、3自由度捻り振動子の動作を説明する。
尚、各振動モードにおける振幅比は、左から外ジンバル11、内ジンバル12、ミラー13の順で記述している。例えば、上記の振幅比r1は、外ジンバル11の振幅が「1」とすると、内ジンバル12の振幅が「−20」、ミラー13の振幅が「0.5」となることを示す。
また、3自由度捻り振動子の共振状態においては、理論上、各フレーム間の位相角は0度または180度となる。そこで、振幅比を記述する際に、位相角の差が0度の場合は符号を「+」、180度の場合は符号を「−」とする。例えば、上記の振幅比r1は、外ジンバル11とミラー13との位相角の差が0度となり、外ジンバル11と内ジンバル12との位相角の差が180度となることを示す。
そして、各振動モードの共振周波数と振幅比を上記のように設計すると、振動モード1では、主に内ジンバル12と、内ジンバル12に繋がったミラー13とが1000Hzで大きく捻り振動する。また、振動モード2では、主にミラー13が5000Hzで大きく捻り振動する。
このため、ミラー13の鏡面部分でレーザ光を反射させるとともに、振動モード1と振動モード2とを同時に励振させることにより、振動モード2を主走査方向(5000Hz)、振動モード1を副走査方向(1000Hz)として、2次元的にレーザ光を走査することができる。
次に、光走査装置1の動作について説明する。
制御回路35による制御に基づいて駆動信号発生回路31が駆動信号を出力すると、増幅回路32によりこの駆動信号の電圧値が増幅されて櫛歯電極部4a,4bに印加される。これにより、櫛歯電極部4a,4bと、櫛歯電極部17,19との間にパルス電圧が印加されて周期的に変化する静電引力が生じ、弾性連結部14a,14bが弾性変形してねじれることにより、光ビーム走査部2が弾性連結部14a,14bを回転軸iとして往復振動する。
ここで、駆動信号発生回路31は、図3に示すように、ミラー13の角度振幅が、外ジンバル11および内ジンバル12よりも大きい振動モードの共振周波数の2倍の周波数の駆動信号を出力するようになっており、これにより、光ビーム走査部2と弾性連結部14a,14bとからなる振動系が共振し、光ビーム走査部2が共振周波数で往復振動する。
そして、この状態でミラー13に半導体レーザ34から光ビームが照射されると、その光ビームがミラー13の鏡面で反射されることにより出射されるとともに、ミラー13の往復振動に伴い、ミラー13の回転角度に応じた方向に走査される。
一方、外ジンバル11の往復振動に伴い、櫛歯電極部5a,5bと櫛歯電極部18,20との距離も周期的に変化する。これにより、櫛歯電極部5a,5bと櫛歯電極部18,20との間の静電容量が、外ジンバル11の回転角度に応じて変化する。そして制御回路35は、これらの静電容量に基づき、外ジンバル11の回転角度を検出する。なお上述したように、3自由度捻り振動子の共振状態においては、理論上、各フレーム間の位相角は0度または180度であるため、外ジンバル11の回転角度を検出することにより、ミラー13の回転角度を検出することができる。
図4(a)は、櫛歯電極部4a,4bと櫛歯電極部17,19との間で発生する静電トルク(以下、櫛歯間静電トルクともいう)と、外ジンバル11の回転角度(以下、外ジンバル回転角度ともいう)との関係を示すグラフである。なお図4(a)において、櫛歯間静電トルクの正負符号は、櫛歯間静電トルクが作用する向きを示す。また、図4(a)に示す櫛歯間静電トルクの値の絶対値を、櫛歯間静電トルク絶対値という。
図4(a)に示すように、櫛歯間静電トルクは、外ジンバル回転角度が0°で櫛歯間静電トルクが0である点を中心として点対称な特性を示す。そして、外ジンバル回転角度θが負である領域R1では、櫛歯間静電トルク絶対値の変化率に応じて、4つの領域R11,R12,R13,R14に分割される。なお、第1負領域R11は外ジンバル回転角度θが0以上θ11未満の領域、第2負領域R12は外ジンバル回転角度θがθ11以上θ12未満の領域、第3負領域R13は外ジンバル回転角度θがθ12以上θ13未満の領域、第4負領域R14は外ジンバル回転角度θがθ13以上の領域である(但し、θ11>θ12>θ13)。
まず第1負領域R11では、外ジンバル回転角度θが0°から負方向へ変化するにつれて、櫛歯間静電トルク絶対値が0から急激に増加する。そして第2負領域R12では、外ジンバル回転角度θの負方向への変化に対して、櫛歯間静電トルク絶対値の変化が小さくなる。すなわち第2負領域R12では、櫛歯間静電トルク曲線が略平坦になる。なお、第2負領域R12内で櫛歯間静電トルク絶対値が最大となる。さらに第3負領域R13では、外ジンバル回転角度θが負方向へ変化するにつれて、櫛歯間静電トルク絶対値が急激に減少する。そして第4負領域R14では、外ジンバル回転角度θの負方向への変化に対して、櫛歯間静電トルク絶対値の変化が小さくなる。すなわち第4負領域R14では、櫛歯間静電トルク絶対値は0近傍の値を維持する。
また、外ジンバル回転角度θが正である領域R2では、櫛歯間静電トルク絶対値の変化率に応じて、4つの領域R21,R22,R23,R24に分割される。なお、第1正領域R21は外ジンバル回転角度θが0以上θ21未満の領域、第2正領域R22は外ジンバル回転角度θがθ21以上θ22未満の領域、第3正領域R23は外ジンバル回転角度θがθ22以上θ23未満の領域、第4正領域R24は外ジンバル回転角度θがθ23以上の領域である(但し、θ21<θ22<θ23)。
まず第1正領域R21では、外ジンバル回転角度θが0°から正方向へ変化するにつれて、櫛歯間静電トルク絶対値が0から急激に増加する。そして第2正領域R22では、外ジンバル回転角度θの正方向への変化に対して、櫛歯間静電トルク絶対値の変化が小さくなる。すなわち第2正領域R22では、櫛歯間静電トルク曲線が略平坦になる。なお、第2負領域R22内で櫛歯間静電トルク絶対値が最大となる。さらに第3正領域R23では、外ジンバル回転角度θが正方向へ変化するにつれて、櫛歯間静電トルク絶対値が急激に減少する。そして第4正領域R24では、外ジンバル回転角度θの正方向への変化に対して、櫛歯間静電トルク絶対値の変化が小さくなる。すなわち第4正領域R24では、櫛歯間静電トルク絶対値は0近傍の値を維持する。
図4(b)は、図4(a)における領域R1の拡大図である。図5は、電圧印加タイミングを示すための外ジンバル回転角度θと印加電圧と櫛歯間静電トルクの時間変化を示すグラフである。なお図5において、波形Wθは外ジンバル回転角度θの時間変化、波形WVは駆動部4で印加される電圧の時間変化、波形WTは外ジンバル11に作用する静電トルクの時間変化を示す。
そして制御回路35は、図4(b)および図5に示すように、櫛歯間静電トルク絶対値が最大値Tmaxの90%以上となる外ジンバル回転角度θの角度範囲(−|θ2|〜−|θ1|)と(+|θ1|〜+|θ2|)をトルク最大範囲RTとして、角度検出部5による検出結果に基づいて、図5に示すように、外ジンバル回転角度θが、トルク最大範囲RTに含まれる予め設定された電圧印加角度範囲RV(−|θu|〜−|θd|)と(+|θd|〜+|θu|)内であるときに(図5中の回転角度波形Wθを参照)、駆動信号発生回路31に駆動信号を出力させる(図5中の駆動電圧波形WVを参照)。なお、電圧印加角度範囲RVは、櫛歯間静電トルクが最大となるときの外ジンバル回転角度θを含んでいる。
詳細には、まず、外ジンバル回転角度θが0以上であり且つ(+|θu|)未満であるときには、駆動信号は出力されない。その後、外ジンバル回転角度θが(+|θu|)以上となると駆動信号が出力される。さらに外ジンバル回転角度θが大きくなり、ミラー13が揺動しているときにおけるミラー13の回転角度の最大値(+|θm|)(以下、ミラー最大角度(+|θm|)ともいう)に到達し、その後に外ジンバル回転角度θが(+|θd|)未満になるまで出力される。
そして、外ジンバル回転角度θが(+|θd|)未満になり、(−|θu|)以下になるまでは駆動信号は出力されない。その後、外ジンバル回転角度θが(−|θu|)以下になると駆動信号が出力される。さらに外ジンバル回転角度θが大きくなり、ミラー13が揺動しているときにおけるミラー13の回転角度の最小値(−|θm|)(以下、ミラー最小角度(−|θm|)ともいう)に到達し、その後に外ジンバル回転角度θが(−|θd|)以上になるまで出力される。
なお以下、ミラー最大角度(+|θm|)とミラー最小角度(−|θm|)をまとめてミラー目標角度θmという。
また光走査装置1は、ミラー13の回転角度がθmであるときの外ジンバル回転角度θをθjとすると、ミラー目標角度θmが、下式(5),(6)で表される範囲内となるように設計されている。
{−|θ2|×(θm/θj)} < (−|θm|) < {−|θ1|×(θm/θj)} …(5)
{+|θ1|×(θm/θj)} < (+|θm|) < {+|θ2|×(θm/θj)} …(6)
なお、式(5),(6)における「(θm/θj)」は、ミラー13と外ジンバル11の振幅比を表す。
このように構成された光走査装置1は、光ビームを反射させる鏡面部を有するミラー13と、ミラー13に連結された弾性変形可能な弾性連結部16a,16bを有し、弾性連結部16a,16bを回転軸kとしてミラー13を揺動可能に支持する内ジンバル12と、内ジンバル12に連結された弾性変形可能な弾性連結部15a,15bを有し、弾性連結部15a,15bを回転軸jとして内ジンバル12を揺動可能に支持する外ジンバル11と、外ジンバル11に連結された弾性変形可能な弾性連結部14a,14bを回転軸iとして外ジンバル11を揺動可能に支持する支持部3とを備えて、ミラー13、内ジンバル12、外ジンバル11、支持部3、弾性連結部16a,16b、弾性連結部15a,15b、及び弾性連結部14a,14bが、固有の周期的外力が作用した場合に大きい回転角で捩じり振動する3自由度連成振動系を構成する。
このため光走査装置1は、支持部3を固定端として、弾性連結部16a,16b、弾性連結部15a,15b、及び弾性連結部14a,14bに対しての捻り自由度を持つ3自由度捻り振動子になっている。
3自由度捻り振動子は、理論上3つの振動モードを持つ。すなわち、3つの振動モードはそれぞれ異なる共振周波数を持ち、各共振周波数に対するミラー13、内ジンバル12、外ジンバル11の捻り振動の角度振幅の比はそれぞれ異なる(これは振動モードと呼ばれる)。したがって、或る振動モードにおいて、外ジンバル11の角度振幅が大きくなると、この振動モードにおける角度振幅の比に応じて、ミラー13および内ジンバル12の角度振幅が大きくなる。
そして、櫛歯状に形成された櫛歯電極部17,19が外ジンバル11に設けられるとともに、櫛歯電極部17,19と噛み合い可能な櫛歯状に形成された櫛歯電極部4a,4bが櫛歯電極部17,19と噛み合い可能な位置に固定して設置され、駆動信号発生回路31が、櫛歯電極部17,19と櫛歯電極部4a,4bとの間に電圧を印加して、両電極部間に静電引力を発生させる。
このため、駆動信号発生回路31が、櫛歯電極部17,19と櫛歯電極部4a,4bとの間に電圧を印加して、固有の周期的外力を外ジンバル11に作用させることにより、3自由度捻り振動子を共振状態にできる。
また、3つの振動モードの各々に対応した周波数の周期的加振力を与えれば、それぞれの振動モードを励振できる。また、複数の周波数の周期的加振力を重畳して与えれば、複数の振動モードを同時に励振できる。
したがって、ミラー13の角度振幅が大きい振動モードに対応する周期的加振力と、内ジンバル12の角度振幅が大きい振動モードに対応する周期的加振力とを重畳して与えることにより、ミラー13で反射するレーザ光を2次元的に走査することができる。
そして制御回路35が、櫛歯間静電トルクが最大となるときの外ジンバル回転角度θ(以下、トルク最大回転角度ともいう)を含む予め設定された電圧印加角度範囲RV内にあるときに、駆動信号発生回路31に電圧を印加させる。
したがって、外ジンバル11に作用するトルクが最大となるときに、この最大トルクを外ジンバル11に作用させることができる。これにより、外ジンバル11に最大トルクが作用しない場合よりも大きいトルクを外ジンバル11に作用させることができ、外ジンバル11の角度振幅を大きくすることができる。そして上述のように、外ジンバル11の角度振幅が大きくなると、振動モードにおける角度振幅の比に応じて、ミラー13の角度振幅が大きくなるため、ミラー13の角度振幅を大きくすることができる。
また、電圧印加角度範囲RVは、トルク最大範囲RTに含まれており、櫛歯間静電トルクの最大値との差が10%となる櫛歯間静電トルクが発生するときの外ジンバル回転角度θであり且つトルク最大回転角度より大きいものを、電圧印加角度範囲RVの上限角度(−|θ1|または+|θ2|)とし、櫛歯間静電トルクの最大値との差が10%となる櫛歯間静電トルクが発生するときの外ジンバル回転角度θであり且つトルク最大回転角度より小さいものを、電圧印加角度範囲RVの下限角度(−|θ2|または+|θ1|)とする。
このため電圧印加角度範囲RVを、外ジンバル11に作用するトルクの大きさが最大値近傍であるときのみとすることができる。換言すると、外ジンバル11に作用するトルクが小さいときには駆動信号発生回路31が電圧を印加しないようにすることができる。このため、外ジンバル11に作用するトルクが小さくてミラー13の角度振幅の増加に寄与し難いときに無駄に電圧が印加されることを抑制し、光走査装置1の消費電力を低減することができる。
また光走査装置1は、ミラー目標角度θmが、上式(5),(6)で表される範囲内となるように設計されている。これにより、ミラー目標角度θm近傍において、外ジンバル11に作用するトルクが最大となるため、櫛歯電極部17,19と櫛歯電極部4a,4bとの間で発生するトルクを最大限に利用することができ、低い消費電力で且つ広い角度振幅でミラー13を走査させることができる。
また、外ジンバル回転角度θの予め設定された所定変化角度の変化に対する櫛歯間静電トルクの変化量を櫛歯間静電トルク変化率として、電圧印加角度範囲RV内における櫛歯間静電トルク変化率は、電圧印加角度範囲RV外であり且つ電圧印加角度範囲RVの上限角度近傍および下限角度近傍の領域における櫛歯間静電トルク変化率よりも充分小さくなるように構成されており、制御回路35は、外ジンバル回転角度θが、電圧印加角度範囲RV内にあるときのみに、駆動信号発生回路31に電圧を印加させる。
なお、電圧印加角度範囲RV内での櫛歯間静電トルク変化率が充分小さいため、電圧印加角度範囲RV内でのトルク曲線は略平坦となる。そして、トルク曲線が略平坦である電圧印加角度範囲RV内にあるときのみに駆動信号発生回路31に電圧を印加させるため、外ジンバル11には、矩形波に近似する形状の静電トルクが作用する。
これにより、矩形波に近似する形状の静電トルクのうち3自由度捻り振動子を共振状態にするための共振周波数の成分の振幅が、共振周波数で振動する正弦波の静電トルクの振幅よりも大きくなる。このため、正弦波の静電トルクを作用させる場合よりも、共振周波数で揺動するミラー13の角度振幅を大きくすることができる。
詳細には、矩形波をフーリエ展開すると式(2)で表され、矩形波における共振周波数fの成分は式(3)で表される。一方、共振周波数fの正弦波は式(4)で表される。
したがって、矩形波における共振周波数fの成分の振幅は、共振周波数fの正弦波の振幅より、(4/π)倍大きい。
以上説明した実施形態において、ミラー13は本発明における反射部、弾性連結部16a,16bは本発明における第1弾性連結部、内ジンバル12は本発明における第1支持部、弾性連結部15a,15bは本発明における第2弾性連結部、外ジンバル11は本発明における第2支持部、弾性連結部14a,14bは本発明における第3弾性連結部、支持部3は本発明における第3支持部、櫛歯電極部17,19は本発明における第1櫛歯状電極部、櫛歯電極部4a,4bは本発明における第2櫛歯状電極部、駆動信号発生回路31は本発明における電圧印加手段、制御回路35は本発明における電圧印加制御手段である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採ることができる。
例えば上記実施形態においては、電圧印加角度範囲RV内でのトルク曲線が略平坦となるものを示した。しかし、矩形波に近似する形状の静電トルクを作用させる必要がない場合には、電圧印加角度範囲RV内でのトルク曲線が平坦でなくてもよい。
1…光走査装置、2…光ビーム走査部、3…支持部、4…駆動部、4a,4b…櫛歯電極部、5…角度検出部、5a,5b…櫛歯電極部、11…外ジンバル、12…内ジンバル、13…ミラー、14a,14b,15a,15b,16a,16b…弾性連結部、17,18,19,20…櫛歯電極部、31…駆動信号発生回路、32…増幅回路、33…C−V変換回路、34…半導体レーザ、35…制御回路

Claims (1)

  1. 光ビームを反射させる反射面を有する反射部と、
    前記反射部に連結された弾性変形可能な第1弾性連結部を有し、該第1弾性連結部を回転軸として前記反射部を揺動可能に支持する第1支持部と、
    前記第1支持部に連結された弾性変形可能な第2弾性連結部を有し、該第2弾性連結部を回転軸として前記第1支持部を揺動可能に支持する第2支持部と、
    前記第2支持部に連結された弾性変形可能な第3弾性連結部を有し、該第3弾性連結部を回転軸として前記第2支持部を揺動可能に支持する第3支持部と
    を備えて、前記反射部、前記第1支持部、前記第2支持部、前記第3支持部、前記第1弾性連結部、前記第2弾性連結部、及び前記第3弾性連結部が、固有の周期的外力が作用した場合に大きい回転角で捩じり振動する3自由度連成振動系を構成し、
    さらに、前記第2支持部に設けられ、櫛歯状に形成された第1櫛歯状電極部と、
    前記第1櫛歯状電極部と噛み合い可能な櫛歯状に形成され、該第1櫛歯状電極部と噛み合い可能な位置に固定して設置された第2櫛歯状電極部と、
    前記第1櫛歯状電極部と前記第2櫛歯状電極部との間に電圧を印加して、両電極部間に静電引力を発生させる電圧印加手段と、
    前記第3弾性連結部を回転軸とした前記第2支持部の回転角度を第2支持部回転角度とし、前記電圧印加手段による電圧印加で発生する静電気力によって前記第2支持部に作用するトルクを第2支持部トルクとし、該第2支持部トルクが最大となるときの前記第2支持部回転角度をトルク最大回転角度として、前記第2支持部回転角度が、前記トルク最大回転角度を含む予め設定された前記第2支持部回転角度の範囲である電圧印加角度範囲内にあるときのみにおいて常に、前記電圧印加手段に一定電圧を印加させる電圧印加制御手段とを備え、
    前記電圧印加角度範囲は、
    前記第2支持部トルクの最大値との差が10%となる前記第2支持部トルクが発生するときの前記第2支持部回転角度であり且つ前記トルク最大回転角度より大きいものを、当該電圧印加角度範囲の上限角度とし、
    前記第2支持部トルクの最大値との差が10%となる前記第2支持部トルクが発生するときの前記第2支持部回転角度であり且つ前記トルク最大回転角度より小さいものを、当該電圧印加角度範囲の下限角度とし、
    前記電圧印加角度範囲内でのトルク曲線は平坦である
    ことを特徴とする光走査装置。
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