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JP5303802B2 - 心電図から導出された無呼吸/低呼吸指数 - Google Patents
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JP5303802B2 - 心電図から導出された無呼吸/低呼吸指数 - Google Patents

心電図から導出された無呼吸/低呼吸指数 Download PDF

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Description

本発明は、患者から、詳細には睡眠呼吸障害、より詳細には睡眠時無呼吸、さらに詳細には閉塞型睡眠時無呼吸または中枢型睡眠時無呼吸を有する患者から、心電図データを取得しそれを分析する方法および装置に関する。
呼吸が停止する、閉塞型睡眠時無呼吸(OSA)および/または中枢型睡眠時無呼吸(CSA)を含む睡眠時無呼吸(SA)は、人口のかなりの割合に影響を及ぼしている。OSAの影響は、気道が虚脱し空気が通ることができなくなる場合に出る。CSAの影響は、患者が、中枢神経系の機能に関連する原因により空気を吸い込まずかつ吐き出さない場合に出る。OSAおよびCSAはともに、非効率な睡眠、さらには医学的な問題をもたらす可能性がある。
OSAおよびCSAはともに、目下、睡眠検査室において終夜ポリグラフ(PSG)検査によって診断される。そこでは、被検者は、さまざまな生理学的パラメータを測定するために身体に多数の電極が取り付けられた状態で睡眠をとる。こうしたPSG検査は、被検者が診療所で終夜睡眠をとる必要があるため、受けるのに費用がかかる。
SAの発生およびタイプを測定する装置および方法を開発するために、いくつかの取組みがなされてきた。SAを診断する標準PSG基準では、個々の呼吸イベントの実際の開始時点、持続時間および部類を検出することが必要である。そして、この情報を、無呼吸低呼吸指数(AHI)を生成することによって睡眠時無呼吸の存在および深刻さを評価するために用いる[1]。目下、最もうまくいっている、報告されている方法は、被検者が睡眠時無呼吸を有しているかを(AHI値の確実な推定なしに)検出するか、または任意の瞬間の間に睡眠時無呼吸イベントがあるかを検出することができる[2〜5]。たとえば、米国特許第5,769,084号明細書は、SAの存在を確定するために、心電図(ECG)を測定することを含む、さまざまな睡眠パラメータのカオス処理を用いる方法を教示している。しかしながら、その方法は、CSAからOSAを識別することまでは及んでいない。被検者の種々の面に配置されたセンサからSAを測定する方法が、米国特許第6,415,174号明細書に教示されている。この文書は、CSAとOSAとを識別することができる方法は教示していない。参照により本明細書に援用される国際公開第2005/067790号パンフレットにおいて、Burtonは、ECGトレースを用いて、SAの症例を特定しSAをOSAかまたはCSAのいずれかとして分類することができることを指摘している。しかしながら、そのCSA信号は、背景雑音に比較して小さく、すなわち信号対雑音比が小さい。
心臓病患者の間ではOSAおよびCSAを有する人が多く、AHIを確定するためのECGデータの使用は、PSGデータの使用よりさらに魅力のある選択肢になっている。必要なのは、PSG検査より簡単な装置を用いて、睡眠時無呼吸およびその種類を測定するより便利かつ確実な方法である。その方法は、個々の呼吸イベントを検出し分類することができなければならない。こうした方法が、家庭で行われることが好ましい[6〜8]。
本発明は、ECGから導出されたパラメータが呼吸イベントと相関され、ECGから導出された相関を用いて、特に睡眠中の被検者において呼吸イベントを特定することができる、という意外な観測結果を活用する。特定された呼吸イベントを用いて、呼吸努力を確定することができる。呼吸努力の確定を、無呼吸/低呼吸指数の計算に用いることができる。ECGから導出されたデータを用いて、OSAとCSAとを識別することも可能である。本発明の目的は、ECG信号データを用いて呼吸イベントを特定する方法を提供することである。本発明のさらなる目的は、ECG信号データを用いて呼吸努力を確定する方法を提供することである。本発明のさらなる目的は、ECG信号データから無呼吸/低呼吸指数を計算する方法を提供することである。
一態様では、本発明は、ECG信号から呼吸イベントを確定する方法であって、ECG信号データを取得するステップと、前記ECG信号データから波形形態データを抽出するステップと、前記波形形態データから呼吸努力を推定するステップとを含む方法を提供する。本方法は、呼吸努力のピークを交差検定するステップを含むことができる。本方法は、前記呼吸努力から呼吸パターンを特徴付けるステップと、観測するために呼吸イベントを検出するステップと、をさらに含むことができる。本方法は、呼吸イベントを、無呼吸または低呼吸のうちの一方として分類するステップを含むことができる。本方法は、呼吸イベントを、閉塞型無呼吸または中枢型無呼吸のうちの一方として分類するステップを含むことができる。本方法は、無呼吸/低呼吸指数を計算するステップを含むことができる。波形データを、ECGから導出された呼吸信号、心拍数、あるいはR信号の面積または振幅または周期性を含む、ECGから導出された生理学的予測因子のうちの任意の1つまたは組合せに変換することができる。本方法は、睡眠状態にある被検者に対して実施されることが好ましい。
さらなる態様では、本発明は、睡眠呼吸障害を解析する方法であって、ECGセンサから生体信号を取得するステップと、生体信号をデータとしてコンピュータファイルに格納するステップと、前記生体信号データから心拍数および波形形態データを抽出するステップと、抽出された心拍数およびECG波形形態データから生理学的予測因子を導出するステップと、前記導出された生理学的予測因子から呼吸イベントの開始および終了を確定するステップと、を含む方法を提供する。本方法は、1時間当りの10秒間より長い呼吸イベントの平均解数から無呼吸/低呼吸指数を計算するステップを含むことができる。本方法は、無呼吸/低呼吸指数を表示するステップを含むことができる。
さらなる態様では、本発明は、ECG信号から呼吸努力を確定する装置であって、被検者から少なくとも2つの直交する信号を取得する少なくとも2つのECG誘導と、前記信号をデジタルデータに変換する手段と、電子データ記憶手段と、デジタルECGデータから波形を抽出し、呼吸イベントおよび呼吸努力を確定するようにプログラムされたマイクロプロセッサと、を備える装置を提供する。本装置は、無呼吸/低呼吸指数を計算するようにプログラムされたマイクロプロセッサをさらに備えることができる。
ECGデータ群から無呼吸/低呼吸指数を計算するステップの概略フローチャートを示す。 ECGデータ群から無呼吸/低呼吸指数を計算する詳細なステップのフローチャートを示す。 グラフの各部分に名称が付されている典型的なECG誘導I群の出力のグラフを示す。 睡眠中の規則的な安定した呼吸を示す、被検者のQRS面積、R振幅および呼吸流量の時間に対するECG信号のグラフを示す。 呼吸イベントを示す、被検者のQRS面積、R振幅および呼吸流量の時間に対するECG信号のグラフを示す。 睡眠中の呼吸イベントにおけるECG信号のQRS群数に対するR波のmVのグラフを示す。 睡眠中の一続きの呼吸イベントにわたる、ECG信号におけるQRS群数に対する、時間に対するR−R間隔および呼吸の流量のmVのグラフを示す。 睡眠中の無呼吸の期間および正常な呼吸の期間中の、ECG信号におけるQRS面積、R振幅および流量の時間に対する信号のグラフを示す。 呼吸イベント中のECG信号におけるQRS群数に対するR波の振幅のグラフを示す。 呼吸イベント中のECG信号におけるQRS群数に対するQRS領域の面積のグラフを示す。 呼吸イベントにわたるECG信号におけるQRS群数に対するR−R間隔のグラフを示す。 ECG信号における呼吸イベントを通してのQRS群数に対するQRS面積のグラフを示す。 図13aは第1ECG誘導における呼吸イベントを通してのR波を示す出力信号を示し、図13bは図12aに示す呼吸イベントを通しての第2ECG誘導からのR波を示す出力信号を示す。 呼吸イベントを通してのECG信号のQRS数に対するR−R間隔のグラフを示す。 呼吸イベントを通してのECG信号におけるQRS群数に対するEDR信号のグラフを示す。 呼吸イベントを通してのECG信号におけるQRS群数に対するR波の振幅のグラフを示す。 OSAイベントの場合の時間の経過によるECG信号のQRS面積およびR波振幅のグラフを示す。 CSAイベントの場合の時間の経過によるECG信号のQRS面積およびR波振幅のグラフを示す。
本発明は、被検者から取得されたECG信号データから、無呼吸/低呼吸指数を確定する以前は未知であった方法を提供する。本発明の方法は、睡眠期間の無呼吸/低呼吸指数を計算するために、睡眠中に取得されたECG信号の変動を有利に活用する。
種々のECG誘導が、身体の種々の部位における電位の差を測定する。呼吸は、電極間のインピーダンス、したがって電位およびそれらの間の差に影響を与える。胸部および腹部の動きは、呼吸イベント中に変化し、したがって、電極間のインピーダンスの呼吸努力による変化の仕方を変化させる。これにより、ECGから導出された信号の間の位相変化を観察することができるようになる。
本方法は、呼吸イベントに対するマーカとして位相変化を用いる。本方法は、交感神経活動の亢進を伴う心拍数、収縮期血圧および拡張期血圧が上昇する短い期間がある、呼吸イベント後かつ覚醒中の短い期間を有利に活用する。無呼吸イベントは、通常、覚醒で終了し、覚醒のマーカを無呼吸終了のマーカとして用いることが可能となる。急激な心拍数の上昇は、ECGから容易に検出可能である。後述するようにR−R間隔の急な低下を、呼吸イベントの終了のマーカとして用いる。
睡眠時無呼吸は、本質的に周期的であることが多く、この結果、抽出されたECG信号の多くもまた同様に周期的パターンを示す可能性があり、これを特に、図8において呼気の流量2の最下トレースに示す。QRS面積およびR波振幅もまた、同じ周波数の周期的パターンを有することを観測することができる。(ECG信号のパラメータを、図3においてトレース1として示す。)呼吸信号がより長期間の周期的パターンを展開するに従い、それに伴う、抽出されたECG信号もまた、同じ周波数で周期的パターンを展開する。これを、本発明の方法において呼吸信号の推定される代用物として用いることができる。本方法では、これらパターンを認識するために、フーリエ解析技法およびデジタルフィルタリングを用いる平滑化技法を用いることができる。これら周期的パターンを含むことが分かった包絡線を用いて、本明細書で説明するようにより詳細な検査のためにデータの領域を強調する。
本方法は、ECG信号データにおいて測定可能な特徴を有する呼吸イベントの開始点および終了点を特定する。最も好都合には、ECG信号データは、被検者の睡眠中に、被検者に隣接するセンサによって取得される。データは、収集されコンピュータファイルに格納され、マイクロプロセッサおよびコンピュータプログラムによって、処理され、呼吸イベントが特定され、呼吸努力が確定され、または無呼吸/低呼吸指数が計算される。
表1は、ECG信号データにおいて測定可能なパラメータのいくつかと本明細書で用いるそれらの頭字語との定義を提供する。パラメータは、ECG信号を取得し解析する技術分野における当業者には周知であろう。本方法は、表1のパラメータに限定されず、呼吸努力との相関関係がある、ECGから導出されるいかなる信号を含んでもよい。
本発明の方法のステップの概略を図1のフローチャートに示す。本方法をさらに詳述するより詳細なフローチャートを図2に示す。典型的なECGトレース1を、図3において、時間に対する取得された信号の大きさのグラフとして示す。本方法の計算はすべて、マイクロプロセッサを用いて行われる。図1を参照すると、第1ステップにおいて、ECGホルター等の標準的なECG監視機器を用いて、被検者からECG信号を記録する。デジタルECG信号を記録することができるいかなる好適な機器を使用してもよい。取得されたデータは、解析のためにコンピュータ媒体上のデジタルファイルに格納されることが好都合である。データを、既知の技法を用いてECGデータに対する適切な帯域幅に従ってフィルタリングしてもよい。
ECG信号1は、時間の経過により、図3に示す特徴的な波形形態を組み込んだセグメントを有し、それらは、本方法の第2ステップで特定される。特に、点Qで開始し、Rで最大に到達し、Sで最小に到達するピークは、「QRS」群として周知である。本方法で用いかつ図に示すさらなるパラメータは、各ECG群のT波の振幅およびT波のグラフの下の領域と、Rにおける信号の振幅と、連続するR波間の期間と、QRSセグメントのグラフの下の面積とである。心拍数は、R−R間隔(RRI)として知られる、図3に示すR波ピーク間の時間として測定される。
第3ステップにおいて、ECGから導出された信号を用いて、呼吸イベントの複数のECGから導出された相関を生成する。これら相関を用いて、無呼吸イベントまたは低呼吸イベントを含む、呼吸イベントの期間中にECGにおいて発生する変化を確認する。本方法で用いることができる相関の各々を本明細書で説明する。本発明の範囲は、呼吸イベントと相関するECGから導出されたいかなるパラメータの使用をも含む。そして、特定されたECGパラメータを、正常なまたは異常な心機能を表すものとして分類する。この解析では、線形近似を用いて、ECG群のさまざまな領域を特定する。しかしながら、他の適切な解析を用いてもよい。分類は、第2ステップで特定されたECGパラメータに対する変化を検査することによって行う。
正常であるかまたは異常であるというパラメータの分類は、既知の相関関係を用いる。心拍数の分類に対し、本方法は、以下の相関関係を組み込む。呼吸性洞性不整脈(RSA)は、哺乳動物において、ECGの心拍数(HR)またはR−R間隔(RRI)において観察される自然に発生するリズムである。このリズムは、呼吸と心血管系との相互作用の直接の結果である。RSAは、呼吸数と同様のRRIの最大および最小を示す周期的信号であることを特徴とする。通常、HRは、吸気によって増大し、呼気によって低減する。本方法では、RSA信号の変化を、生理学的予測因子として用いることができる。
呼吸イベント後に、RRIが減少することは周知である。これは、覚醒中の交感神経活動の亢進に関連している。覚醒中、交感神経活動の亢進が伴う、心拍数、収縮期血圧および拡張期血圧が上昇する短い期間がある。心拍数の変動もまた、交感神経活動の亢進によって低減する。本方法では、このRRIの低下を生理学的予測因子として用いることができる。
ECG波形の形態を用いて、変化する胸郭内インピーダンスと相関する電極に対する心臓の動きによる呼吸による変化に従って、呼吸が正常であるか否かを分類する。呼吸によってもたらされる、電極に対する心臓の回転は、R波の振幅とR波の面積(これは、図3に示すQRSセグメント全体の面積に含まれる)との両方の振動において明らかである。イベント中に呼吸が低減するか、または完全に停止すると、信号のピーク間振動の低減が予測される。本方法では、振幅および面積の変化を生理学的予測因子として用いることができる。
心臓の向きが急にずれることにより、R波の振幅が急に変化する。ECG誘導が直交している場合、ずれは反対方向であるはずである。本方法では、ECG誘導のR波の振幅の反対の変化を物理的予測因子として用いることができる。
R波またはT波の振幅の漸進的な増大を、物理的予測因子として用いることができる。ECG信号における増大するR波の一例を図16に示す。
第4ステップにおいて、各ECG群に対し生理学的予測因子の変化を検査することにより、本方法は、呼吸イベントの開始時にECG群の各々が発生するか否かを判断する。そして、本方法の第4ステップでは、各呼吸イベントの開始および終了を確定する。図2は、データファイルに格納された連続するECG群から無呼吸/低呼吸指数を計算する方法のステップを示している。
第5ステップにおいて、検出された呼吸イベントの数およびそれらの持続時間を用いて、無呼吸/低呼吸指数を計算する。無呼吸/低呼吸指数を、1時間当りの10秒間より長い呼吸イベントの平均回数として計算する。
本方法は、有利にECG振動データのみを用いて呼吸パターンを特徴付ける。ECGから導出される呼吸努力および抽出されたECG信号を検査することにより、呼吸イベントに関連する呼吸パターンの変化を含むデータの領域を特定する。本明細書では、あり得る呼吸イベントの特定に役立つように調査することができる多数の変化について説明する。
図5は、ECG信号パラメータ、すなわちQRS面積およびR振幅とともに、閉塞型睡眠時無呼吸イベントにわたって測定された気流2のグラフを示す。イベントの前後に比較して、イベント中、呼吸の大きさが低減することが予測され、それは図5において明白に示されている。あり得る呼吸イベントは、呼吸努力を検査し、呼吸努力が低減する領域の位置を特定することによって特定される。本方法は、あり得る呼吸イベントをマークするのに役立つ呼吸数の変化、すなわちイベント開始時、イベント中および覚醒時に発生する呼吸数の変化の特定を用いる。本方法は、呼吸イベントの開始および終了に発生する、QRS面積およびR波振幅の急激な変化を用いることができる。心臓の向きが急にずれることにより、R波の振幅が急に変化する。ECGから導出される信号の急なずれを用いて、呼吸イベントのあり得る開始および終了をマークする。これを図6に示し、そこでは、呼吸イベント中に発生する急なずれが、R波振幅信号のこのセグメントにおいて明白である。AおよびBの線は、それぞれ呼吸イベントの開始および終了をマークしている。図7は、流れにおいて明白な各閉塞型無呼吸イベント後に、RRI信号の一時的減少を観察することができることを示す。
本方法は、ECGから導出された呼吸努力の測度から呼吸パターンを確定することを含むことができる。これは、図5に示すように呼吸努力の大きさが低減するパターンか、または図7に示すように呼吸数が急峻に変動するパターンか、または図6に示す呼吸努力マーカの基本となるレベルが急峻に変動するパターンを含んでもよい。本方法は、呼吸努力の複数の測度の間の位相関係が変化するパターン、一続きの呼吸の過程にわたり呼吸努力推定値の大きさが一貫して変動するパターン、または図8に示すように呼吸努力推定値の包絡線の周期的なパターンを使用してもよい。
より詳細には、図2を参照すると、2誘導(またはそれより多い)ECG記録を介して、被検者から生ECGデータを取得する。これは、直交する少なくとも2つのECG誘導を使用しなければならない。このデータを、デジタル記憶装置に保存する。AHIの計算は、格納されているECG信号データにアクセスしそれを解析し(図2、ボックス1)、必要な場合は、適切な帯域幅に対してフィルタリングする(図2、ボックス2)ようにプログラムされたマイクロプロセッサによって開始する。取得される大量の信号データと必要な変換は、マイクロプロセッサによって行われ、マイクロプロセッサは、本技術分野において必要であることが既知である処理速度および出力を有するが、また、本明細書に記載されている方法に従って信号およびデータを取得し、格納し、処理するようにプログラムもされている。
格納されたデータの解析は、従来のホルター解析プログラムを使用する検査で開始し、ECGのQRS波セグメント、P波セグメントおよびT波セグメントを特定する(図2、ボックス3)。そして、心拍の各セグメントを、正常、心室性、動脈性またはアーチファクトとして分類する。収集されたデータの一例を図4にグラフ化している。図4は、正常に呼吸している睡眠中の被検者から抽出されたECG特徴の表現を示す。図4において時間に対して表示されている信号は、本技術分野において既知であるECG誘導構成の誘導Iから取得された信号である。特定された波の特性を検査することにより、ソフトウェアによってECGから導出された信号を生成する。生成されたECGから導出された信号は、R波振幅、QRS面積、R−R間隔(RRI)、T波振幅およびT波面積である。図4には、最初の2つの信号とともに測定された呼吸気流を示す。ソフトウェアプログラムは、ECG信号の形態解析を用いて、P波、QRS群およびT波の開始時点、終了時点およびピーク時点を含む、ECG信号の形態的特徴を抽出する(図2、ボックス4)。これには、不整脈分類基準を適用することにより、QRS群を正常、心室性、上室性またはアーチファクトとして分類することが含まれる。R−R間隔、R波振幅、QRS群面積、T波振幅およびT波面積を含む、ECG信号の定量的パラメータを生成する(図2、ボックス5〜ボックス9)。
ECGから導出された信号の多くは、呼吸によって発生する振動パターンに類似する振動パターンを示す(図4)。呼吸努力は、呼吸とともに振動するQRS面積およびR波振幅から推定される(図2、ボックス10〜ボックス11)。呼吸信号、すなわちECGから導出された呼吸信号(ECG−Derived Respiration)(EDR)を、直交するECG誘導からのQRSセグメントの面積の比から計算することができる(図2、ボックス26)。
ECGから導出された信号の各々において、呼吸の方向の変化(呼気から吸気への変化またはその逆)に関連する局所ピークを特定する(図2、ボックス10)。これらピークを、ECGから導出された信号内の呼吸ピーク候補に対し振動パターン、期間の類似性および信号の大きさを検査することにより特定する。
ECGから導出された信号の各々においてこれらのピークが特定されると、それらを信号間で比較する。これにより、各信号における呼吸ピークの交差検定(クロスバリデーション)が可能になる(図2、ボックス10)。各信号のピークの各々を検査し比較することにより、呼吸ピークの単一セットを特定する。これを、ピークの各々の間の期間と信号間のピークの振幅の変化とを比較することによって達成する(図2、ボックス10)。上述した方法を用いて、ECGから導出された信号の変化と推定された呼吸努力とを検査することにより、あり得るECGイベントの開始および終了のマーカを特定する。イベントのあり得る開始および終了のこれらマーカを用いて、呼吸イベント候補のセットを生成する。呼吸イベントを、ルックアップテーブルおよび人工ニューラルネットワークの適用を含む、推定された呼吸およびR−R間隔の検出されたパターンに対する予め定義された基準または調整可能な基準と比較する。
本方法は、以下のパラメータを計算する。図9に、R波振幅の振動の平均のピーク間の大きさが、あり得る呼吸イベントの過程にわたり、イベントの前後のそれぞれの値に対して低減することを示す。図10に、QRS群の下の面積の振動の平均のピーク間の大きさが、あり得る呼吸イベントの過程にわたり、イベントの前後のそれぞれの値に対して低減することを示す。図11に、あり得る呼吸イベントの後の平均R−R間隔が、イベントの過程にわたる平均R−R間隔に対して低減することを示す。図12に、QRS群の下の面積の平均値が、あり得る呼吸イベントの過程にわたり、イベントの前後のそれぞれの値に対して変動することを示す。図13に、複数のECG信号の対に対する、R波振幅の平均値の、あり得る呼吸イベントの過程にわたる、イベントの前後のそれぞれの値に対する変動の相違を示す。図14に、R−R間隔の振動の平均のピーク間の大きさが、あり得る呼吸イベントの過程にわたり、イベントの前後のそれぞれの値に対して低減することを示す。図15に、2つの直交するECG誘導から検出されたQRS群の下の面積の比の平均のピーク間の大きさが、あり得る呼吸イベントの過程にわたり、イベントの前後のそれぞれの値に対して低減することを示す。図16に、あり得る呼吸イベントの過程にわたり最小二乗誤差線形近似を当てはめることによる、R波振幅の線形傾向の推定を示す。
呼吸イベント候補の各々に対し、呼吸イベントのECGから導出された相関の各々を生成する(図2、ボックス17、19、21〜27)。これら相関を用いて、呼吸イベント候補の各々を確定するかまたは拒否する。呼吸イベントのECGから導出された相関が予測値を生成することを示す呼吸イベント候補が許容される。
呼吸ピークが検証されると、それらを用いて、呼吸努力の推定を生成することができる(図2、ボックス28)。呼吸努力は、R波振幅およびQRS群面積の値のシーケンスを、単一または複数のECG信号からのそれぞれのチャネルに組み込むことによって推定する。これら組み込まれたチャネルは、呼吸努力のおよそのマーカとしての役割を果たす。呼吸努力の個々のおよそのマーカからの呼吸ピークのシーケンスを、それらマーカにおいて、間隔、信号変動および勾配が類似するピークを検出することによって確定する。個々のマーカから確定されるピークシーケンスを整合することによって、呼吸ピークのシーケンスを微調整して、誤検知の呼吸ピークを除去し、失われた呼吸ピークを回復する。
呼吸によってもたらされる、電極に対する心臓の回転は、R波の振幅とR波の面積(これは、QRSセグメント全体の面積に含まれる)との両方の振動において明白である。イベント中に呼吸が低減するかまたは完全に停止すると、信号のピーク間振動の低減が予測される。図9および図10に示すように、イベント中のR波振幅/QRS面積の平均ピーク間振動の値から、イベント前後のR波振幅/QRS面積の平均ピーク間振動の値を引くことにより、Rpp相関およびAREApp相関を計算する。図9は、呼吸イベント中、R波の振幅の振動が低減することが分かることを示している。線A、Bはそれぞれ、呼吸イベントの開始および終了をマークしている。図10は、呼吸イベント中、QRSセグメントの面積の振動が低減することが分かることを示している。線A、Bはそれぞれ、呼吸イベントの開始および終了をマークしている。
呼吸イベントの後、RR−間隔が低減することは周知である。これは、覚醒中の交感神経活動の亢進に関連する。覚醒中、交感神経活動の亢進が伴う、心拍数、収縮期血圧および拡張期血圧が上昇する短い期間がある。心拍数変動もまた、交感神経活動の亢進によって低減する。イベント中のRRIの平均値とイベント後のRRIの平均値との差を用いて、本方法で用いることができるRRI_post相関を計算した。図11は、呼吸イベントの直後のR−R間隔の低減を観察することができることを示す。線A、Bはそれぞれ、呼吸イベントの開始および終了をマークしている。
心臓の向きがずれることにより、QRS面積およびR波振幅が変化する。イベント中の平均QRS面積とイベント前後の平均QRSとの差を用いて、AREA相関を計算する。図12は、呼吸イベント中の平均QRS面積の変化を示す。線A、Bはそれぞれ、呼吸イベントの開始および終了をマークしている。
イベント中の平均R波振幅とイベント直前および直後の平均R波振幅との差を、2つのチャネルに対して計算し、その後それらを掛け合わせてAntiphase相関を計算した。ECG誘導が直交している場合、ずれは反対方向であるはずである。
図13は、R波振幅の急な変化が明白であることを示し、各誘導の変化は逆方向である。線A、Bはそれぞれ、呼吸イベントの開始および終了をマークしている。
呼吸性洞性不整脈(RSA)は、ECGの心拍数(HR)またはR−R間隔(RRI)において観察される自然に発生するリズムである。このリズムは、呼吸と心血管系との相互作用の直接の結果である。RSAは、呼吸数と同様のRRIの最大および最小を示す周期的信号であることを特徴とする。通常、HRは、吸気によって増大し、呼気によって低減する。示すように、イベント中のRRIの平均ピーク間振動の値と、イベント前後の平均ピーク間振動の値との差を用いて、RSA相関を計算した。
図14は、呼吸イベント中のR−R間隔の振動の低減を観察することができることを示している。線A、Bはそれぞれ、呼吸イベントの開始および終了をマークしている。
ECGから導出された呼吸信号(EDR)を、直交するECG誘導からのQRSセグメントの面積の比として計算することにより、呼吸信号を確定する。イベント中のEDR信号の平均ピーク間振動と、イベント前後のEDR信号の平均ピーク間振動の値との差を用いて、EDRpp相関を計算する。図15は、呼吸イベント中のEDR信号の振動の低減を観察することができることを示している。線A、Bはそれぞれ、呼吸イベントの開始および終了をマークしている。
図16は、イベント中、R波の振幅が漸進的に増大した、ECG信号データ例を示す。イベント中のR波振幅に対する、破線で示す線形最良適合の勾配を用いて、Rslope相関を計算することができる。
QRS面積およびR波振幅からの呼吸努力により、イベント分類が可能になる。これら信号を用いて呼吸努力を推定することができるため、それらを用いて、中枢型イベントと閉塞型イベントとを識別するのに役立てることができる(図2、ボックス29)。呼吸努力は、閉塞型イベント中は、明白でありかつ恐らくは増大するはずであり、中枢型イベント中は、非常に低いままであるかまたは存在しないはずである。この例を図17aおよび図17bに提示する。それらの図は、OSAイベントにおけるECGパラメータとCSAイベントにおけるECGパラメータとの相違を示している。図17aは、閉塞型イベント中にQRS面積およびR波がいかに変化するかを示している。イベント中、呼吸努力が続いていることは明らかである。図17bは、CSAイベント中にQRS面積およびR波が変化することを示している。呼吸努力は大幅に低減するかまたは存在しないことが明らかである。また、呼吸イベントのECGから導出された相関により、検査されているイベントのタイプに応じて異なる結果がもたらされる。たとえば、AREApp相関は、閉塞型イベントより中枢型イベントの方が、大きさが大きいことが予測される。それは、呼吸と相関するQRS面積の振動が大幅に低減するはずであるためである。
低呼吸イベントに比較して無呼吸イベント中の呼吸の方が大幅に低減するため、低呼吸イベントより無呼吸イベントの方が、呼吸イベントのECGから導出された相関のより大きい変化が予測される。呼吸イベントのECGから導出された相関のこれら変化を定量化することにより、本方法は、無呼吸イベントと低呼吸イベントとを識別することができる。本方法は、呼吸努力のECGから導出された測度に対して、呼吸イベント内の平均の振動の大きさの、呼吸イベント前後のそれぞれの値に対する比を計算し、これらの比が所定閾値を下回るイベントを無呼吸として分類し、他のイベントを低呼吸として分類することにより、無呼吸イベントと低呼吸イベントとを識別することができる。
呼吸イベントの総数を、ECG信号記録期間の時間数で割ることにより、AHIを計算する(図2、ボックス31)。睡眠評価時間間隔での無呼吸/低呼吸指数を計算することにより、閉塞型、中枢型ならびに閉塞型および混合型呼吸イベントの組合せに対して計算される別個の指数を用いて、睡眠時無呼吸の存在、深刻さおよびタイプの臨床推定が可能になる。指数は、本方法の使用者が見るために好適なモニタに表示されることが好ましい。
Figure 0005303802
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Claims (12)

  1. ECG信号から呼吸イベントを確定する装置であって、
    ECG信号データを取得する手段と、
    前記ECG信号データから波形形態データを抽出する手段と、
    前記波形形態データから導出するEDR信号のピーク間振動の変化、2つの直交するECG誘導間のR波振幅の急な反対の変化、RRI信号のピーク間振動の変化、平均RRI信号の変化、R波振幅のピーク間振動の変化、QRS面積のピーク間振動の変化、QRS面積の変化およびR波の振幅の増大によって呼吸努力を推定する手段と、
    を含む装置
  2. 前記呼吸努力のピークを交差検定する手段をさらに含む、請求項1に記載の装置
  3. 前記呼吸努力から呼吸パターンを特徴付ける手段と、
    観測するために前記呼吸イベントを検出する手段と、
    をさらに含む、請求項1または2に記載の装置
  4. 呼吸イベントを、無呼吸または低呼吸のうちの一方として分類する手段をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置
  5. 呼吸イベントを、閉塞型無呼吸または中枢型無呼吸のうちの一方として分類する手段をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置
  6. 無呼吸/低呼吸指数を計算する手段をさらに含む、請求項4または5に記載の装置
  7. 睡眠状態にある被検者に対して使用される、請求項1に記載の装置
  8. 睡眠呼吸障害を解析する装置であって、
    被検者に隣接して生体信号を取得するECGセンサと、
    前記生体信号をデータとして格納するコンピュータファイルと、
    前記生体信号データから心拍数および波形形態データを抽出する手段と、
    抽出された心拍数およびECG波形形態データから生理学的予測因子を導出する手段と、
    前記導出された生理学的予測因子から呼吸イベントの開始および終了を確定する手段と、
    を含むみ、
    前記生理学的予測因子は、EDR信号のピーク間振動の変化、2つの直交するECG誘導間のR波振幅の急な反対の変化、RRI信号のピーク間振動の変化、平均RRI信号の変化、R波振幅のピーク間振動の変化、QRS面積のピーク間振動の変化、QRS面積の変化およびR波の振幅の増大であることを特徴とする装置
  9. 呼吸イベントを無呼吸または低呼吸として分類する手段をさらに含む、請求項に記載の装置
  10. 無呼吸/低呼吸指数を計算する手段と、
    前記無呼吸/低呼吸指数を表示する手段と、
    をさらに含む、請求項に記載の装置
  11. ECG信号から呼吸努力を確定する装置であって、
    被検者から少なくとも2つの直交する信号を取得する少なくとも2つのECG誘導と、
    前記信号をデジタルデータに変換する手段と、
    電子データ記憶手段と、
    デジタルECGデータから波形を抽出し、前記波形からEDR信号のピーク間振動の変化、2つの直交するECG誘導間のR波振幅の急な反対の変化、RRI信号のピーク間振動の変化、平均RRI信号の変化、R波振幅のピーク間振動の変化、QRS面積のピーク間振動の変化、QRS面積の変化およびR波の振幅の増大を導出し、呼吸イベントおよび呼吸努力を確定するようにプログラムされたマイクロプロセッサと、
    を具備する装置。
  12. 無呼吸/低呼吸指数を計算するようにプログラムされたマイクロプロセッサをさらに具備する、請求項11に記載の呼吸努力を確定する装置。
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