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JP5307602B2 - 車両の動力伝達制御装置 - Google Patents
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JP5307602B2 - 車両の動力伝達制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の動力伝達制御装置に関し、特に、動力源として内燃機関と電動機とを備えた車両に適用されるものに係わる。
近年、動力源として内燃機関と電動機(電動モータ、電動発電機)とを備えた所謂ハイブリッド車両が開発されてきている(例えば、特許文献1を参照)。ハイブリッド車両では、電動機が、内燃機関と協働又は単独で、車両を駆動する駆動トルクを発生する動力源として、或いは、内燃機関を始動するための動力源として使用される。加えて、電動機が、車両を制動する回生トルクを発生する発電機として、或いは、車両のバッテリに供給・貯留される電気エネルギを発生する発電機として使用される。このように電動機を使用することで、車両全体としての総合的なエネルギ効率(燃費)を良くすることができる。
特開2000−224710号公報
ところで、ハイブリッド車両では、電動機の出力軸と変速機の入力軸との間で動力伝達系統が形成される接続状態(以下、「IN接続状態」と称呼する。)が採用される場合と、電動機の出力軸と変速機の出力軸(従って、駆動輪)との間で変速機を介することなく動力伝達系統が形成される接続状態(以下、「OUT接続状態」と称呼する。)が採用される場合と、がある。
IN接続状態では、変速機の変速段を変更することで、車両速度に対する電動機の出力軸の回転速度を変更することができる。従って、変速機の変速段を調整することで、電動機の出力軸の回転速度をエネルギ変換効率(より具体的には、駆動トルク、回生トルク等の発生効率)が良好となる範囲内に維持し易いというメリットがある。
一方、OUT接続状態では、動力伝達系統が複雑な機構を有する変速機を介さないことから、動力の伝達損失を小さくできるというメリットがある。また、変速機(特に、トルクコンバータを備えない形式の変速機)では、通常、変速作動中(変速段を切り替える作動中)において、変速機の入力軸から出力軸への動力の伝達が一時的に遮断される場合が多い。この結果、車両前後方向の加速度の急激な変化(所謂変速ショック)が発生し易い。このような変速作動中においても、OUT接続状態では、電動機の駆動トルクを変速機の出力軸(従って、駆動輪)へ連続して出力し続けることができ、変速ショックを低減できるというメリットもある。以下、この効果を「OUT接続状態での変速ショック低減効果」と呼ぶ。なお、以下、電動機の出力軸のトルクに基づいて変速機の出力軸に伝達されるトルクを「電動機側出力トルク」と呼び、内燃機関の出力軸のトルクに基づいて変速機の出力軸に伝達されるトルクを「内燃機関側出力トルク」と呼ぶ。
以上のことに鑑み、本出願人は、特願2007−271556号において、電動機の出力軸の接続状態(以下、単に「電動機接続状態」とも称呼する。)をIN接続状態とOUT接続状態とに切り替え可能な切替機構について既に提案している。この切替機構では、電動機の出力軸と変速機の入力軸との間も電動機の出力軸と変速機の出力軸との間も動力伝達系統が形成されない接続状態(以下、「非接続状態」と称呼する。)も選択され得る。
ところで、上記切替機構が備えられた装置において、OUT接続状態以外の接続状態にて変速条件が成立した場合を考える。この場合において、上述した「OUT接続状態での変速ショック低減効果」を得るためには、変速作動の開始前に電動機接続状態をOUT接続状態に切り替えればよい。しかしながら、OUT接続状態にて変速作動がなされる場合において、変速作動中にて電動機側出力トルクをどのように調整するかについては未だ提案されていなかった。
本発明の目的は、動力源として内燃機関と電動機とを備えた車両に適用される車両の動力伝達制御装置であって、OUT接続状態にて変速作動がなされる場合において電動機側出力トルクを適切に調整することができるものを提供することにある。
本発明による車両の動力伝達制御装置は、変速機と、切替機構と、判定手段と、制御手段と、を備える。以下、順に説明していく。
前記変速機は、前記内燃機関の出力軸との間で動力伝達系統が形成される入力軸と、前記車両の駆動輪との間で動力伝達系統が形成される出力軸とを備えている。変速機は、変速機の出力軸の回転速度に対する変速機の入力軸の回転速度の割合(変速機減速比)を調整可能に構成されている。前記変速機は、前記変速機減速比として予め定められた異なる複数の減速比を設定可能な多段変速機であっても、前記変速機減速比として減速比を連続的に(無段階に)調整可能な無段変速機であってもよい。
また、前記変速機は、トルクコンバータを備えるとともに車両の走行状態に応じて変速作動が自動的に実行される多段変速機又は無段変速機(所謂オートマチックトランスミッション(AT))であっても、トルクコンバータを備えない多段変速機(所謂マニュアルトランスミッション(MT))であってもよい。MTの場合、運転者によるシフトレバーの操作力により直接的に変速作動が実行される形式であっても、運転者により操作されるシフトレバーの位置を示す信号に基づいてアクチュエータの駆動力により変速作動が実行される形式であっても、運転者によるシフトレバー操作によらず車両の走行状態に応じてアクチュエータの駆動力により変速作動が自動的に実行され得る形式(所謂、オートメイティッド・マニュアル・トランスミッション)であってもよい。
前記切替機構は、前記電動機接続状態を、前記電動機の出力軸と前記変速機の入力軸との間で動力伝達系統が形成される入力側接続状態(IN接続状態)と、前記電動機の出力軸と前記変速機の出力軸との間で前記変速機を介することなく動力伝達系統が形成される出力側接続状態(OUT接続状態)と、前記電動機の出力軸と前記変速機の入力軸との間も前記電動機の出力軸と前記変速機の出力軸との間も動力伝達系統が形成されない非接続状態と、のうちで少なくともOUT接続状態を含む2以上の状態に切り替え可能に構成される。即ち、前記切替機構として、OUT接続状態及び非接続状態のみに切り替え可能なもの、OUT接続状態及びIN接続状態のみに切り替え可能なもの、IN接続状態、OUT接続状態、及び非接続状態の何れにも切り替え可能なものが挙げられる。
以下、IN接続状態における変速機の入力軸の回転速度に対する電動機の出力軸の回転速度の割合(第1減速比)と変速機の減速比との積を「IN接続減速比」と定義し、OUT接続状態における変速機の出力軸の回転速度に対する電動機の出力軸の回転速度の割合を「OUT接続減速比」と定義する。「IN接続減速比」は、変速機減速比の変化に伴って変化し得る。一方、「OUT接続減速比」は、変速機減速比によらず一定に維持され得る。また、IN接続状態では、通常、前記「第1減速比」(=変速機の入力軸の回転速度に対する電動機の出力軸の回転速度の割合)が一定(例えば、1)に固定される。また、通常、変速機の入力軸の回転速度に対する内燃機関の出力軸の回転速度の割合(以下、「第2減速比」と呼ぶ。)も一定(例えば、1)とされる。
前記判定手段は、前記車両の走行状態に基づいて前記変速機減速比を変更する条件である変速条件が成立したか否かを判定する。具体的には、例えば、加速操作部材の操作量に基づいて得られる運転者が要求する駆動トルク(以下、「要求トルク」と呼ぶ。)と、車速との組み合わせから決定される変速パターンに基づいて変速条件が成立したか否かが判定される。
前記制御手段は、前記電動機接続状態がOUT接続状態以外の接続状態にある場合において前記変速条件が成立したことに基づいて、先ず、前記切替機構を制御して前記電動機接続状態をOUT接続状態に切り替える切り替え作動を行い、前記切り替え作動の終了後、前記変速機を制御して前記変速機減速比を変更する変速作動を行う。これにより、上述した「OUT接続状態での変速ショック低減効果」が得られる。なお、車両の走行状態に基づいて前記切り替え作動の許可・禁止が判定され、前記変速条件が成立し、且つ前記切り替え作動の許可がなされた場合にのみ、前記切り替え作動が行われてもよい。
本発明に係る動力伝達装置の特徴は、前記制御手段が、前記変速作動中において、前記電動機側出力トルクを前記車両の走行状態に応じて調整することにある。これによれば、OUT接続状態にて変速作動がなされる場合において、車両の走行状態に応じて電動機側出力トルクが適切に調整され得る。
具体的には、例えば、前記電動機に電気エネルギを供給する電池に蓄積されているエネルギの量(電池残量)が小さいほど、前記電池の温度が高いほど、又は、前記電動機の温度が高いほど、前記変速作動中において前記電動機側出力トルクがより小さい値に調整され得る。
一般に、電池(通常は、二次電池)、及び、電動機の保護等のため、電池の温度及び電動機の温度(例えば、コイル部の温度)が過度に高くならないように(駆動源、或いは発電機として)電動機を作動させることが好ましい。また、電動機のエネルギ源の確保等のため、電池残量が過度に小さくならないように(駆動源として)電動機を作動させることが好ましい。
上記構成によれば、電池の温度及び電動機の温度が高い場合、電動機の出力トルクが小さくされて電池の温度及び電動機の温度の上昇が抑制され得る。従って、電池の温度及び電動機の温度が過度に高くなることが抑制され得る。また、電池残量が小さい場合、電動機の出力トルクが小さくされて電池残量の減少が抑制され得る。従って、電池残量が過度に小さくなることが抑制され得る。
また、前記加速操作部材の操作量(従って、要求トルク)が小さいほど、又は、前記車両の速度が小さいほど、前記変速作動中において前記電動機側出力トルクがより小さい値に調整されてもよい。
より具体的には、前記制御手段は、前記電動機側出力トルクの許容範囲(調整可能範囲)の最大値(電動機出力最大トルク)を前記車両の走行状態に基づいて算出する算出手段を備え、前記電動機出力最大トルクが前記要求トルク以上である場合、前記変速作動中において前記電動機側出力トルクが前記要求トルクと一致するように前記電動機側出力トルクを調整し、前記電動機出力最大トルクが前記要求トルク未満である場合、前記変速作動中において前記電動機側出力トルクが前記電動機出力最大トルクと一致するように前記電動機側出力トルクを調整するよう構成され得る。
ここにおいて、前記電池残量が小さいほど、前記電池の温度が高いほど、又は、前記電動機の温度が高いほど、前記電動機出力最大トルクがより小さい値に算出され得る。また、前記加速操作部材の操作量(従って、要求トルク)が小さいほど、又は、前記車両の速度が小さいほど、前記電動機出力最大トルクがより小さい値に算出され得る。
上記構成によれば、電動機出力最大トルクが要求トルク以上である場合、変速作動中において電動機側出力トルクが要求トルクと一致するように調整される。ここで、変速作動中は内燃機関側出力トルクがゼロに維持される。従って、この場合、変速作動中では、電動機側出力トルクと内燃機関側出力トルクとの和(以下、「合計トルク」と呼ぶ。)が要求トルクに一致する。従って、上述した変速ショックの発生が極力抑制され得る。
一方、電動機出力最大トルクが要求トルク未満である場合、変速作動中において電動機側出力トルク(=合計トルク)が調整可能範囲の最大値(=電動機出力最大トルク)と一致するように調整される。従って、合計トルクが要求トルクよりも小さい状態(以下、「駆動トルク不足状態」と呼ぶ。)が発生するものの、合計トルクの要求トルクからの低下量が最小限とされて、上述した変速ショックが最小限とされる。
以下、通常、合計トルクが要求トルクに一致するように電動機側出力トルク及び内燃機関側出力トルクが調整される場合について考える。この場合において、上記のように、電動機出力最大トルクが要求トルク未満である場合、変速条件の成立後且つ変速作動の開始前において、合計トルクが要求トルクから電動機出力最大トルクまで減少するように、電動機側出力トルク及び前記内燃機関側出力トルクが調整される。
このとき、要求トルクが大きいほど、加速操作部材の操作量(従って、要求トルク)が大きいほど、又は、車両の加速度(加速方向の前後加速度)が大きいほど、合計トルクの減少勾配がより大きくされることが好適である。これによれば、車両の加速度合いが大きい場合において、変速条件の成立から変速作動の開始までの期間(従って、駆動トルク不足状態が継続する期間)を短くすることができる。この結果、加速度合いの不足に起因して運転者が違和感を覚える期間を短くすることができる。
また、上記のように、電動機出力最大トルクが要求トルク未満である場合、変速作動の終了後において、合計トルクが電動機出力最大トルクから要求トルクまで増大するように電動機側出力トルク及び内燃機関側出力トルクが調整される。このとき、合計トルクを増大するため、先ず、電動機側出力トルクのみが増大し、その後に内燃機関側出力トルクが増大するように電動機側出力トルク及び内燃機関側出力トルクが調整されることが好適である。
変速作動終了後において、合計トルクを増大するために先ず内燃機関側出力トルクのみを増大すると、ショックが発生し易い傾向がある。これに対し、上記構成のように、先ず電動機側出力トルクのみを増大して合計トルクを増大すると、ショックの発生を抑制しつつ合計トルクを増大することができる。
以上、本発明に係る動力伝達制御装置は、上述したオートメイティッド・マニュアル・トランスミッション)に適用されることが好適である。この場合、前記内燃機関の出力軸と前記変速機の入力軸との間に、前記内燃機関の出力軸と前記変速機の入力軸との間の動力伝達系統を遮断・接続するクラッチ機構が備えられ、前記変速機は、トルクコンバータを備えておらず、且つ、前記変速機減速比として予め定められた異なる複数の減速比を設定可能な多段変速機であり、前記制御手段は、前記車両の運転状態(例えば、車両速度及び要求トルク)に応じて、前記クラッチ機構の遮断・接続(半接続および完全接続)、及び前記変速機の変速段を制御するように構成される。
本発明の実施形態に係る車両の動力伝達制御装置を搭載した車両の概略構成図である。 図1に示した切替機構において切り替え可能な3状態を示した図である。 M/Gにおける、回転速度と発生し得る最大トルクとの関係を示したグラフである。 バッテリ残量と許容M/G側出力トルクとの関係を規定するマップを示したグラフである。 バッテリ温度と許容M/G側出力トルクとの関係を規定するマップを示したグラフである。 M/G温度と許容M/G側出力トルクとの関係を規定するマップを示したグラフである。 アクセル開度と許容M/G側出力トルクとの関係を規定するマップを示したグラフである。 車速と許容M/G側出力トルクとの関係を規定するマップを示したグラフである。 M/G最大出力トルクが要求トルク以上である場合において、IN接続状態にて変速条件が成立した場合における、切り替え作動、変速作動、種々のトルク・回転速度等の変化の一例を示したタイムチャートである。 M/G最大出力トルクが要求トルク未満である場合において、IN接続状態にて変速条件が成立した場合における、切り替え作動、変速作動、種々のトルク・回転速度等の変化の一例を示したタイムチャートである。
以下、本発明による車両の動力伝達制御装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1は、本発明の実施形態に係る動力伝達制御装置(以下、「本装置」と称呼する。)を搭載した車両の概略構成を示している。この車両は、動力源として内燃機関とモータジェネレータとを備え、且つ、トルクコンバータを備えない多段変速機を使用した所謂オートメイティッド・マニュアル・トランスミッションを備えた車両に適用されている。
この車両は、エンジン(E/G)10と、変速機(T/M)20と、クラッチ(C/T)30と、モータジェネレータ(M/G)40と、切替機構50とを備えている。E/G10は、周知の内燃機関の1つであり、例えば、ガソリンを燃料として使用するガソリンエンジン、軽油を燃料として使用するディーゼルエンジンである。E/G10の出力軸A1は、C/T30を介してT/M20の入力軸A2と接続されている。
T/M20は、前進用の複数(例えば、5つ)の変速段、後進用の1つの変速段、及びニュートラル段を有するトルクコンバータを備えない周知の多段変速機の1つである。以下、前進用の変速段及び後進用の変速段を「走行用変速段」と称呼する。走行用変速段では、T/M20の入出力軸A2,A3の間で動力伝達系統が形成される。ニュートラル段では、T/M20の入出力軸A2,A3の間で動力伝達系統が形成されない。走行用変速段において、T/M20は、出力軸A3の回転速度に対する入力軸A2の回転速度の割合である変速機減速比Gtmを複数の段階の何れかに任意に設定可能となっている。T/M20では、変速段の切り替えは、T/Mアクチュエータ21を制御することでのみ実行される。
C/T30は、周知の構成の1つを備えていて、E/G10の出力軸A1とT/M20の入力軸A2との間の動力伝達系統を遮断・接続(完全接続・半接続)可能となっている。この車両では、クラッチペダルは設けられていない。C/T30の状態は、C/Tアクチュエータ31のみにより制御されるようになっている。C/T30が完全接続状態となっている場合において、E/G10の出力軸A1とT/M20の入力軸A2とは同じ回転速度で回転する。即ち、C/T30が完全接続状態となっている場合において、上述の「第2減速比」は「1」である。
M/G40は、周知の構成(例えば、交流同期モータ)の1つを有していて、例えば、ロータ(図示せず)が出力軸A4と一体回転するようになっている。M/G40は、動力源としても発電機としても機能する。
切替機構50は、M/G40の出力軸A4の接続状態を切り替える機構である。切替機構50は、M/G40の出力軸A4と一体回転する連結ピース51と、ギヤg1と一体回転する連結ピース52と、ギヤg3と一体回転する連結ピース53と、スリーブ54と、切替アクチュエータ55とを備える。ギヤg1は、T/M20の入力軸A2と一体回転するギヤg2と常時歯合し、ギヤg3は、T/M20の出力軸A3と一体回転するギヤg4と常時歯合している。
スリーブ54は、M/G40の出力軸A4の軸線方向に同軸的に移動可能に配設されていて、切替アクチュエータ55によりその軸線方向の位置が制御されるようになっている。スリーブ54は、連結ピース51,52,53とスプライン嵌合可能となっている。
スリーブ54が図2(a)に示すIN接続位置に制御される場合、スリーブ54は、連結ピース51,52とスプライン嵌合する。これにより、ギヤg1,g2を介してT/M20の入力軸A2とM/G40の出力軸A4との間で動力伝達系統が形成される。この状態を「IN接続状態」と呼ぶ。
IN接続状態において、T/M20の入力軸A2の回転速度に対するM/G40の出力軸A4の回転速度の割合を「第1減速比G1」と呼び、第1減速比G1と変速機減速比Gtmとの積(G1・Gtm)を「IN接続減速比Gin」と呼ぶ。本例では、G1=(g2の歯数)/(g1の歯数)であるから、Gin=(g2の歯数)/(g1の歯数)・Gtmとなる。即ち、Ginは、T/M20の変速段の変化に応じて変化する。
また、スリーブ54が図2(b)に示すOUT接続位置に制御される場合、スリーブ54は、連結ピース51,53とスプライン嵌合する。これにより、ギヤg3、g4を介してT/M20の出力軸A3とM/G40の出力軸A4との間でT/M20を介することなく動力伝達系統が形成される。この状態を「OUT接続状態」と呼ぶ。
OUT接続状態において、T/M20の出力軸A3の回転速度に対するM/G40の出力軸A4の回転速度の割合を「OUT接続減速比Gout」と呼ぶ。本例では、Goutは、(g4の歯数)/(g3の歯数)で一定となる。即ち、Goutは、T/M20の変速段の変化に応じて変化しない。
また、スリーブ54が図2(c)に示す非接続位置に制御される場合、スリーブ54は、連結ピース51のみとスプライン嵌合する。これにより、T/M20の出力軸A3とM/G40の出力軸A4との間でもT/M20の入力軸A2とM/G40の出力軸A4との間でも動力伝達系統が形成されない。この状態を「ニュートラル状態」と呼ぶ。
以上、切替機構50では、切替アクチュエータ55を制御する(従って、スリーブ54の位置を制御する)ことで、M/G40の出力軸A4の接続状態(以下、「M/G接続状態」とも称呼する。)を、「IN接続状態」、「OUT接続状態」、「ニュートラル状態」の何れかに選択的に切り替え可能となっている。
T/M20の出力軸A3は、作動機構D/Fと連結されていて、作動機構D/Fは、左右一対の駆動輪と連結されている。なお、T/M20の出力軸A3と作動機構D/Fとの間に、所謂最終減速機構が介装されていてもよい。
また、本装置は、駆動輪の車輪速度を検出する車輪速度センサ61と、アクセルペダルAPの操作量を検出するアクセル開度センサ62と、シフトレバーSFの位置を検出するシフト位置センサ63と、ブレーキペダルBPの操作の有無を検出するブレーキセンサ64と、を備えている。
更に、本装置は、電子制御ユニットECU70を備えている。ECU70は、上述のセンサ61〜64、並びにその他のセンサ等からの情報等に基づいて、上述のアクチュエータ21,31,55を制御することで、T/M20の変速段、C/T30の状態、及び切替機構50の状態を制御する。加えて、ECU70は、E/G10、及びM/G40のそれぞれの出力(駆動トルク)を制御するようになっている。
T/M20の変速段は、車輪速度センサ61から得られる車速Vと、アクセル開度センサ62から得られる運転者によるアクセルペダルAPの操作量に基づいて算出される要求トルクTr(T/M20の出力軸A3についてのトルク)と、シフト位置センサ63から得られるシフトレバーSFの位置に基づいて制御される。シフトレバーSFの位置が「手動モード」に対応する位置にある場合、T/M20の変速段が、シフトレバーSFの操作により運転者により選択された変速段に原則的に設定される。一方、シフトレバーSFの位置が「自動モード」に対応する位置にある場合、T/M20の変速段が、車速Vと要求トルクTrとの組み合わせに基づいて、シフトレバーSFが操作されることなく自動的に制御される。以下、T/M20の変速段が変更される際の作動を「変速作動」と称呼する。変速作動の開始は、変速段の変更に関連して移動する部材の移動の開始に対応し、変速作動の終了は、その部材の移動の終了に対応する。
C/T30は、通常、完全接続状態に維持され、T/M20のシフトアップ・シフトダウンの作動中、及び、シフトレバーSFの位置が「ニュートラル」位置にある場合等において一時的に完全接続状態から遮断状態へと切り換えられる。また、C/T30は、半接続状態において、伝達し得るトルクの最大値(以下、「クラッチトルク」とも称呼する。)を調整可能となっている。E/G10の出力軸A1のトルクそのものよりもクラッチトルクの方がより緻密に調整され得る。従って、E/G10の出力軸A1のトルクがクラッチトルクよりも大きい状態を維持しつつクラッチトルクを制御することで、E/G10の出力軸A1のトルクに基づくT/M20の入力軸A2に伝達されるトルクをより緻密に調整できる。
M/G40は、E/G10と協働又は単独で、車両を駆動する駆動トルクを発生する動力源として、或いは、E/G10を始動するための動力源として使用される。また、M/G40は、車両を制動する回生トルクを発生する発電機として、或いは、車両のバッテリ(図示せず)に供給・貯留される電気エネルギを発生する発電機としても使用される。
以下、E/G10の出力軸A1のトルクを「E/Gトルク」と、M/G40の出力軸A4のトルクを「M/Gトルク」と称呼する。E/G10の出力軸A1の回転速度を「E/G回転速度」と、M/G40の出力軸A4の回転速度を「M/G回転速度」と称呼する。また、E/Gトルクに基づくT/M20の出力軸A3に伝達されるトルクを「E/G側出力トルクTe」と称呼し、M/Gトルクに基づくT/M20の出力軸A3に伝達されるトルクを「M/G側出力トルクTm」と称呼する。E/G側出力トルクTeは、(C/T30が完全接続状態にある場合において)E/Gトルクに、変速機減速比Gtm(及び、第2減速比(=1))を乗じた値である。M/G側出力トルクTmは、IN接続状態では、M/GトルクにIN接続減速比Ginを乗じた値であり、OUT接続状態では、M/GトルクにOUT接続減速比Goutを乗じた値である。M/G側出力トルクTmは、M/Gトルクの調整により調整され得、E/G側出力トルクTeは、E/Gトルク、或いはクラッチトルクの調整により調整され得る。また、TmとTeとの和を「合計トルクTs」と呼ぶ。
本装置では、通常、周知の手法の1つに従って、E/G側出力トルクTeとM/G側出力トルクTmの和が要求トルクTrと一致するように、E/GトルクとM/Gトルクとの配分が調整される。
切替機構50では、スリーブ54が移動することで、M/G接続状態が切り替えられる。以下、このスリーブ54の移動を「切り替え作動」と称呼する。切り替え作動の開始は、スリーブ54の移動の開始に対応し、切り替え作動の終了は、スリーブ54の移動の終了に対応する。M/G接続状態の切り替えは、例えば、車速Vと要求トルクTrとの組み合わせに基づいてなされ得る。
(OUT接続状態での変速作動の実行)
以下、変速(変速段の変更、変速機減速比Gtmの変更)がなされる場合について説明する。本装置では、OUT接続状態以外の接続状態(即ち、IN接続状態、又はニュートラル状態)にて変速条件が成立した場合、先ず、切替機構50を制御してM/G接続状態をOUT接続状態に切り替える切り替え作動が行われる。次いで、その切り替え作動の終了後、OUT接続状態にてT/M20を制御して変速機減速比Gtm(変速段)を変更する変速作動が行われる。一方、OUT接続状態にて変速条件が成立した場合、OUT接続状態に維持した状態でT/M20を制御して変速作動が行われる。
このように、本装置では、OUT接続状態にて変速作動が行われる。従って、変速作動中においてM/G側出力トルクTm(>0)を発生させることで、変速作動中においてもM/GトルクをT/M20の出力軸A3(従って、駆動輪)へ連続して出力し続けることができる。これにより、上述した「OUT接続状態での変速ショック低減効果」が発揮され得る。
ここで、変速条件が成立したか否かは、例えば、駆動トルクTrと車速Vとの組み合わせから決定される予め作製された変速パターン(マップ)に基づいて、或いは、M/G側出力トルクTmが所定値を超えたか否か、E/G側出力トルクTeが所定値を超えたか否か、E/G回転速度が所定値を超えたか否か等に基づいて判定され得る。また、車両の走行状態に基づいて(OUT接続状態への)切り替え作動の許可・禁止が判定される場合、OUT接続状態以外の接続状態にて変速条件が成立した場合であっても、「切り替え作動の許可」がなされている場合にのみ、(OUT接続状態への)切り替え作動が行われる。
(変速作動中におけるM/G側出力トルクの調整)
次に、変速作動中においてOUT接続状態でのM/G側出力トルクTmをどのように調整するかについて説明する。図3に示すように、M/Gトルクの最大値(M/G40の出力軸A4が発生し得る最大トルク)は、M/G回転速度に応じて変化する。具体的には、M/Gトルクの最大値は、M/G回転速度が或る値以下では一定(最大)であり、或る値を超えると、M/G回転速度の増大に応じて小さくなる。そして、M/G回転速度が許容回転速度を超えると、M/G40はトルクを発生しなくなる。
このように、M/Gトルクの最大値は、図3に示すM/G40のトルク特性に従って決定される。従って、OUT接続状態でのM/G側出力トルクTm(=M/Gトルク×Gout)の最大値も、図3に示すM/G40のトルク特性に従って決定される。以下、この最大値を「M/Gトルク特性に基づく最大値」と呼ぶ。M/G側出力トルクTmは、「M/Gトルク特性に基づく最大値」以下の範囲内で調整され得る。
また、M/Gトルクの許容範囲(従って、OUT接続状態でのM/G側出力トルクTmの許容範囲)は、車両の走行状態によって制約を受ける。以下、OUT接続状態でのM/G側出力トルクTm(=M/Gトルク×Gout)の許容範囲の最大値を、許容M/G側出力トルクTmpと呼ぶ。本装置では、図4〜図8に示すように、車両の走行状態を表す種々の状態量のそれぞれについて、許容M/G側出力トルクTmpが設定される。
具体的には、図4に示すように、バッテリ残量が小さいほど、バッテリ残量についてのTmpがより小さい値に設定される。これは、バッテリ残量が小さい場合においてM/Gトルクを小さくしてバッテリ残量の減少を抑制することで、バッテリ残量が過度に小さくなることを抑制するためである。ここで、バッテリ残量とは、M/G40に電気エネルギを供給するバッテリ(図示せず)に蓄積されているエネルギの量であり、周知の手法の1つにより検出され得る。
また、図5に示すように、バッテリ温度が高いほど、バッテリ温度についてのTmpがより小さい値に設定される。これは、バッテリ温度が高い場合においてM/Gトルクを小さくしてバッテリ温度の上昇を抑制することで、バッテリ温度が過度に高くなることを抑制するためである。
また、図6に示すように、M/G温度が高いほど、M/G温度についてのTmpがより小さい値に設定される。これは、M/G温度が高い場合においてM/Gトルクを小さくしてM/G温度の上昇を抑制することで、M/G温度が過度に高くなることを抑制するためである。
また、図7に示すように、アクセル開度が小さいほど、アクセル開度についてのTmpがより小さい値に設定される。加えて、図8に示すように、車速が小さいほど、車速についてのTmpがより小さい値に設定される。
本装置では、上述の種々の状態量についての任意の1つ又は2つ以上のTmpに基づいてTmpの代表値が求められ、この代表値と上述の「M/Gトルク特性に基づく最大値」とのうちで小さい方の値が、OUT接続状態でのM/G側出力トルクTmの最終的な許容範囲の最大値(以下、「M/G出力最大トルクTmmax」と呼ぶ。)として設定される。前記代表値は、平均値であってもよいし、最大値であってもよい。このように、M/G出力最大トルクTmmaxは、上述の種々の状態量(車両の走行状態)に応じて調整される。
そして、M/G出力最大トルクTmmaxが要求トルクTr以上である場合、変速作動中においてOUT接続状態でのM/G側出力トルクTmが要求トルクTrと一致するように調整される。一方、M/G出力最大トルクTmmaxが要求トルクTr未満である場合、変速作動中においてOUT接続状態でのM/G側出力トルクTmがM/G出力最大トルクTmmaxと一致するように調整される。即ち、変速作動中におけるOUT接続状態でのM/G側出力トルクTmが、上述の種々の状態量(車両の走行状態)に応じて調整される。以下、これら2つの場合について図9、図10に示すタイムチャートを参照しながらそれぞれ説明する。
(Tmmax≧Trの場合)
先ず、図9を参照しながら、Tmmax≧Trの場合における、T/M、E/G、M/G、及び切替機構の制御パターンの一例について説明する。図9は、M/G接続状態がIN接続状態にあり、且つ、T/M20の変速段が「2速」にある状態で、合計トルクTs(=Te+Tm)が要求トルクTrに一致するようにTe及びTmの配分が調整されて車両が走行中において、時刻t1にて、「2速」から「3速」への変速条件が成立した場合の一例を示す。本例では、第1減速比G1=1の場合が想定されている。従って、IN接続状態では、M/G回転速度NmがE/G回転速度Neと一致する。
図9に示すように、変速条件が成立すると(時刻t1)、先ず、M/G接続状態の切り替えに関連する作動が開始される。この例では、合計トルクTs(=Te+Tm)が要求トルクTrに一致する状態が維持されながら、変速条件の成立時点(時刻t1)以降、M/G側出力トルクTmが時刻t1での値から減少させられ、且つ、E/G側出力トルクTeが時刻t1での値から増大させられる(時刻t1〜t2)。
時刻t2〜t3でも、時刻t1〜t2と同様に、合計トルクTs(=Te+Tm)が要求トルクTrに一致する状態が維持されながら、Tmがゼロに向けて減少させられ、且つTeがTrに向けて増大させられる。ただし、時刻t2〜t3でのTmの減少勾配(>0)は、時刻t1〜t2でのTmの減少勾配よりも小さく、且つ、時刻t2〜t3でのTeの増加勾配は、時刻t1〜t2でのTeの増加勾配よりも小さい。
M/G側出力トルクTmがゼロに達すると(時刻t3)、IN接続状態からOUT接続状態への切り替え作動そのものが開始される。この例では、この切り替え作動は、時刻t4にて終了する。また、この例では、切り替え作動が終了する時点(時刻t4)にて、M/G回転速度Nmを、切り替え作動終了後のM/G接続状態(即ち、OUT接続状態)における「車速に対応する回転速度」に一致させるため、時刻t3〜t4にてM/G40の出力軸A4を空回りさせながら、M/G回転速度Nmが調整される。本例では、OUT接続減速比Goutが変速機減速比Gtmにおける「3速」に対応する値よりも小さい値に設定された場合が想定されている。従って、M/G回転速度Nmは、E/G回転速度Ne(=「2速」に対応する値)から減少方向に離れていく。
加えて、切り替え作動中(時刻t3〜t4)に亘って、E/G側出力トルクTeが、要求トルクTrに維持され続ける。切り替え作動中では、M/G側出力トルクTmがゼロに維持される。従って、切り替え作動中も継続して、合計トルクTs(=Te+Tm)が要求トルクTrに一致し続ける。
切り替え作動が終了すると(時刻t4)、「2速」から「3速」への変速作動(シフトアップ)に関連する作動が開始される。この例では、切り替え作動の終了時点(時刻t4)以降、合計トルクTs(=Te+Tm)が要求トルクTrに一致する状態が維持されながら、E/G側出力トルクTeが要求トルクTrからゼロまで減少させられ、且つ、M/G側出力トルクTmがゼロから要求トルクTrまで増大させられる(時刻t4〜t5)。ここで、このTeの調整は、E/Gトルクそのものの調整に加えて、C/T20の半接続状態におけるクラッチトルクを調整することでも達成される。上述のように、クラッチトルクの調整は、E/Gトルクがクラッチトルクよりも大きい状態を維持しながら行われる。なお、変速作動開始の直前にてTmがTrまで増大させられることは、変速作動中においてTmがTrに維持されることに対応する。
E/G側出力トルクTeがゼロに達すると(時刻t5)、「2速」から「3速」への変速作動そのものが開始される。この変速作動は時刻t6にて終了している。これに伴い、変速作動中(時刻t5〜t6)において、E/G回転速度Neが、「2速」における「車速に対応する回転速度」から「3速」における「車速に対応する回転速度」まで減少させられる。このE/G回転速度Neの減少調整は、C/T20が遮断状態に維持された状態で、E/G10の出力軸A1を空回りさせながら行われる。
加えて、この例では、M/G出力最大トルクTmmaxが要求トルクTr以上である場合が想定されている。従って、上述のように、変速作動中(時刻t5〜t6)において、M/G側出力トルクTmが要求トルクTrに一致するように調整される。ここで、変速作動中では、E/G側出力トルクTeはゼロに維持される。従って、変速作動中においても、合計トルクTsは要求トルクTrと一致する。
なお、上述したM/G出力最大トルクTmmaxの算出に使用される上述した種々の状態量、及び、「M/Gトルク特性に基づく最大値」として、変速条件成立時点(時刻t1)での値が使用されてもよいし、切り替え作動終了時点(時刻t4)での値が使用されてもよい。また、変速条件成立時点から変速作動開始時点まで(時刻t1〜t5)の任意の1つの時点、又は2以上の時点での値に基づいて決定される値が使用されてもよい。
この例では、「2速」から「3速」への変速作動が終了すると(時刻t6)、合計トルクTsが要求トルクTrになおも維持されながら、E/G側出力トルクTeがゼロから増大させられるとともに、M/G側出力トルクTmが要求トルクTrから減少させられる(時刻t6〜t7)。上記と同様、このTeの調整は、E/Gトルクそのものの調整に加えて、C/T20の半接続状態におけるクラッチトルクを調整することでも達成される。これにより、E/G側出力トルクTeとM/G側出力トルクTmとの配分が、現在の車両の走行状態に基づいて決定される配分に近づいていく。
そして、E/G側出力トルクTeとM/G側出力トルクTmとの配分が、現在の車両の走行状態に基づいて決定される配分に一致すると(時刻t7)、それ以降、合計トルクTsが要求トルクTrと等しい値になおも維持された状態で、車両の走行状態に基づいてE/G側出力トルクTeとM/G側出力トルクTmとの配分が調整されていく。
以上、図9に示す例のように、M/G出力最大トルクTmmaxが要求トルクTr以上である場合、変速作動中(時刻t5〜t6)において、M/G側出力トルクTm(=合計トルクTs)が要求トルクTrに一致するように調整される。従って、変速ショックの発生が極力抑制され得る。加えて、図9に示す例では、変速条件成立時点(時刻t1)から変速作動に関連する作動が終了する時点(時刻t7)までの間に亘って、合計トルクTs(=Te+Tm)が要求トルクTrに一致し続ける。従って、変速ショックの発生のみならず、切り替え作動に伴うショックの発生も極力抑制され得る。
(Tmmax<Trの場合)
次に、図10を参照しながら、Tmmax<Trの場合における、T/M、E/G、M/G、及び切替機構の制御パターンの一例について説明する。図10に示す例は、Tmmax<Trの場合が想定されている点においてのみ、Tmmax≧Trの場合が想定されている図9に示す例と異なる。図10に示す時刻t1〜t6は、図9に示す時刻t1〜t6とそれぞれ対応する。図10に示す時刻t6〜t8は、図9に示す時刻t6〜t7に対応する。
この相違点に基づき、図10に示す例では、変速作動中(時刻t5〜t6)において、M/G側出力トルクTmが要求トルクTrよりも小さいM/G出力最大トルクTmmaxに一致するように調整される。これに伴い、図10に示す例では、変速条件成立後且つ変速作動開始前(時刻t1〜t5)において、合計トルクTsが要求トルクTrからM/G出力最大トルクTmmaxまで減少するように、M/G側出力トルクTm及びE/G側出力トルクTeが調整される。このTsの減少勾配(>0)は、時刻t1〜t5に亘って一定であってもよいし、異なっていてもよい。
このとき、要求トルクTrが大きいほど、アクセル開度が大きいほど、又は、車両の加速度(加速方向の前後加速度)が大きいほど、合計トルクTsの減少勾配がより大きくされ得る。これにより、車両の加速度合いが大きい場合において、変速条件成立後且つ変速作動開始前(時刻t1〜t5)の期間(従って、駆動トルクの不足が継続する期間)を短くすることができる。この結果、加速度合いの不足に起因して運転者が違和感を覚える期間を短くすることができる。
なお、図10に示す例では、時刻t1〜t2では、Teが一定に維持され且つTmが減少することでTsが減少し、時刻t2〜t3では、Teが増大し且つTmが減少することでTsが減少している。この時刻t2は、例えば、Tmが所定値以下となった時点に対応する。
また、変速作動中においてTmがTmmax(<Tr)に一致するように調整されることに伴い、変速作動の終了後且つ変速作動に関連する作動の終了前(時刻t6〜t8)において、合計トルクTsがM/G出力最大トルクTmmaxから要求トルクTrまで増大するようにM/G側出力トルクTm及びE/G側出力トルクTeが調整される。
このとき、図10に示す例のように、合計トルクTsを増大するため、先ず、E/G側出力トルクTeがゼロで一定に維持された状態でM/G側出力トルクTmのみが増大し(時刻t6〜t7)、その後、Teが増大するように(時刻t7〜t8)、Tm及びTeが調整され得る。これは、変速作動終了後において合計トルクTsを増大するために先ずTeのみを増大するとショックが発生し易い傾向があることに基づく。これに対し、図10に示す例のように、先ずTmのみを増大して合計トルクTsを増大すると、ショックの発生を抑制しつつ合計トルクTsを増大することができる。
このとき、要求トルクTrが大きいほど、アクセル開度が大きいほど、又は、車両の加速度(加速方向の前後加速度)が大きいほど、時刻t6〜t7におけるTs(=Tm)の増加勾配、及び時刻t7〜t8におけるTs(=Tm+Te)の増加勾配がより大きくされ得る。これにより、車両の加速度合いが大きい場合において、変速作動終了後且つ変速作動に関連する作動の終了前(時刻t6〜t8)の期間(従って、駆動トルクの不足が継続する期間)を短くすることができる。この結果、加速度合いの不足に起因して運転者が違和感を覚える期間を短くすることができる。なお、この時刻t7は、例えば、Tmが所定値以上となった時点に対応する。
以上、図10に示す例のように、M/G出力最大トルクTmmaxが要求トルクTr未満である場合、変速作動中(時刻t5〜t6)において、M/G側出力トルクTm(=合計トルクTs)がM/G出力最大トルクTmmaxに一致するように調整される。従って、合計トルクTsが要求トルクTrよりも小さい状態(駆動トルクが不足する状態)が発生するものの(時刻t1〜t8)、合計トルクTsの要求トルクTrからの低下量が最小限とされて、上述した変速ショックが最小限とされる。加えて、図10に示す例では、切り替え作動の前後に亘って合計トルクTs(=Te+Tm)が滑らかに減少していく(時刻t1〜t5)。従って、切り替え作動に伴うショックの発生も極力抑制され得る。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態では、上述した種々の状態量に基づいてM/G出力最大トルクTmmaxが算出され(図4〜図8を参照)、変速作動中(時刻t5〜t6)において、Tmmax≧Trの場合にはTmがTrに一致するように調整され、Tmmax<Trの場合にはTmがTmmaxに一致するように調整されている。一方、上述した種々の状態量に基づいて割合R(Tmmax/Trに相当する値(ただし、1を超えた場合は1))が算出され、変速作動中(時刻t5〜t6)において、TmがTr・Rに一致するように調整されてもよい。この場合、図4〜図8においてTmpをRに置き換えて得られるマップが使用される。
同様に、上述した種々の状態量に基づいて割合P((Tr−Tmmax)/Trに相当する値(ただし、負の場合は0))が算出され、変速作動中(時刻t5〜t6)において、TmがTr・(1−P)に一致するように調整されてもよい。この場合、図4〜図8においてTmpをPに置き換えて得られるマップが使用される。
また、上記実施形態においては、バッテリ残量が所定値以下、並びに、バッテリ温度又はM/G温度が所定値以上の場合において、変速作動中を含む所定の期間内にて、M/G40の駆動を行わないように(従って、M/G側出力トルクTmがゼロになるように)構成してもよい。
また、上記実施形態(図9、図10に示す例)では、変速作動前のM/G接続状態の切り替え作動として、IN接続状態からOUT接続状態への切り替えが行われているが、ニュートラル状態からOUT接続状態への切り替えが行われてもよい。この場合、切替機構50にて、「OUT接続状態」、及び「ニュートラル状態」のみが選択可能となっていてもよい。また、IN接続状態、OUT接続状態、及びニュートラル状態のうちの任意の1つから他の任意の1つへの切り替えが行われてもよい。
また、上記実施形態(図9、図10に示す例)のように、現在のM/G接続状態がOUT接続状態以外の場合には、変速作動前にOUT接続状態への切り替え作動が行われるが、現在のM/G接続状態がOUT接続状態の場合には、変速作動前にM/G接続状態の切り替え作動が行われない。
また、上記実施形態(図9、図10に示す例)では、切り替え作動中(時刻t3〜t4)においてE/G側出力トルクTeが要求トルクTrに一致するように調整されているが、切り替え作動中(時刻t3〜t4)においてE/G側出力トルクTeが要求トルクTrより小さい値(ゼロを含む)に調整されてもよい。
加えて、上記実施形態では、変速機としてトルクコンバータを備えない多段変速機を使用した所謂オートメイティッド・マニュアル・トランスミッションが使用されているが、変速機として、トルクコンバータを備えるとともに車両の走行状態に応じて変速作動が自動的に実行される多段変速機又は無段変速機(所謂オートマチックトランスミッション(AT))が使用されてもよい。この場合、C/T30が省略される。
10…エンジン、20…変速機、30…クラッチ、40…モータジェネレータ、50…切替機構、54…スリーブ、61…車輪速度センサ、62…アクセル開度センサ、63…シフト位置センサ、64…ブレーキセンサ、70…ECU、AP…アクセルペダル、BP…アクセルペダル、SF…シフトレバー

Claims (5)

  1. 動力源として内燃機関と電動機とを備えた車両に適用される車両の動力伝達制御装置であって、
    前記内燃機関の出力軸との間で動力伝達系統が形成される入力軸と、前記車両の駆動輪との間で動力伝達系統が形成される出力軸とを備え、前記出力軸の回転速度に対する前記入力軸の回転速度の割合である変速機減速比を調整可能な変速機と、
    前記電動機の出力軸の接続状態を、前記電動機の出力軸と前記変速機の入力軸との間で動力伝達系統が形成される入力側接続状態と、前記電動機の出力軸と前記変速機の出力軸との間で前記変速機を介することなく動力伝達系統が形成される出力側接続状態と、前記電動機の出力軸と前記変速機の入力軸との間も前記電動機の出力軸と前記変速機の出力軸との間も動力伝達系統が形成されない非接続状態と、のうちで少なくとも前記出力側接続状態を含む2以上の状態に切り替え可能な切替機構と、
    前記車両の走行状態に基づいて前記変速機減速比を変更する条件である変速条件が成立したか否かを判定する判定手段と、
    前記電動機の出力軸の接続状態が前記出力側接続状態以外の接続状態にある場合において前記変速条件が成立したことに基づいて、先ず、前記切替機構を制御して前記電動機の出力軸の接続状態を前記出力側接続状態に切り替える切り替え作動を行い、前記切り替え作動の終了後、前記変速機を制御して前記変速機減速比を変更する変速作動を行うとともに、前記変速作動中において、前記電動機の出力軸のトルクに基づく前記変速機の出力軸に伝達されるトルクである電動機側出力トルクを前記車両の走行状態に応じて調整する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記電動機側出力トルクの許容範囲の最大値である電動機出力最大トルクを前記車両の走行状態に基づいて算出する算出手段を備え、
    前記電動機出力最大トルクが、前記車両の運転者による加速操作部材の操作に基づいて得られる前記運転者が要求する駆動トルクである要求トルク以上である場合、前記変速作動中において前記電動機側出力トルクが前記要求トルクと一致するように前記電動機側出力トルクを調整し、前記電動機出力最大トルクが前記要求トルク未満である場合、前記変速作動中において前記電動機側出力トルクが前記電動機出力最大トルクと一致するように前記電動機側出力トルクを調整するよう構成され、
    前記制御手段は、
    前記電動機出力最大トルクが前記要求トルク未満である場合、前記変速条件の成立後且つ前記変速作動の開始前において、前記内燃機関の出力軸のトルクに基づく前記変速機の出力軸に伝達されるトルクである内燃機関側出力トルクと前記電動機側出力トルクとの和である合計トルクが前記要求トルクから前記電動機出力最大トルクまで減少するように、並びに、前記要求トルクが大きいほど、前記加速操作部材の操作量が大きいほど、又は、前記車両の加速度が大きいほど、前記合計トルクの減少勾配が大きくなるように、前記電動機側出力トルク及び前記内燃機関側出力トルクを調整するよう構成された車両の動力伝達制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記電動機出力最大トルクが前記要求トルク未満である場合、前記変速作動の終了後において、前記内燃機関の出力軸のトルクに基づく前記変速機の出力軸に伝達されるトルクである内燃機関側出力トルクと前記電動機側出力トルクとの和である合計トルクが前記電動機出力最大トルクから前記要求トルクまで増大するように、並びに、先ず、前記電動機側出力トルクのみが増大し、その後に前記内燃機関側出力トルクが増大するように、前記電動機側出力トルク及び前記内燃機関側出力トルクを調整するよう構成された車両の動力伝達制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記算出手段は、
    前記電動機に電気エネルギを供給する電池に蓄積されているエネルギの量である電池残量が小さいほど、前記電池の温度が高いほど、又は、前記電動機の温度が高いほど、前記電動機出力最大トルクをより小さい値に調整するように構成された車両の動力伝達制御装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の車両の動力伝達制御装置において、
    前記算出手段は、
    前記車両の運転者による加速操作部材の操作量が小さいほど、又は、前記車両の速度が小さいほど、前記電動機出力最大トルクをより小さい値に調整するように構成された車両の動力伝達制御装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の車両の動力伝達制御装置であって、
    前記内燃機関の出力軸と前記変速機の入力軸との間に、前記内燃機関の出力軸と前記変速機の入力軸との間の動力伝達系統を遮断・接続するクラッチ機構を備え、
    前記変速機は、
    トルクコンバータを備えておらず、且つ、前記変速機減速比として予め定められた異なる複数の減速比を設定可能な多段変速機であり、
    前記制御手段は、
    前記車両の運転状態に応じて、前記クラッチ機構の遮断・接続、及び前記変速機の変速段を制御するように構成された車両の動力伝達制御装置。
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