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JP5308156B2 - 組織標本の処理方法及び処理装置 - Google Patents
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Description

発明の詳細な説明
本願は、ビジョン バイオシステムズ リミテッドが出願人となり、2005年9月6日に出願された、“組織標本の処理方法及び処理装置”という名称のオーストラリア仮特許出願2005904860号と、ビジョン バイオシステムズ リミテッドが出願人となり、2006年9月5日に出願された、“組織標本の処理構成及び処理方法”という名称のオーストラリア仮特許出願[xxxxxxxxxx号]との優先権を主張し、これら仮特許出願の明細書全体を参照によってここに実際上援用する。
[発明の分野]
本発明は、生体組織標本の処理に関する。具体的には、本発明は、分析のために組織標本を処理するシステムに関する。一形態において、本発明は、例えば組織の加工及び包埋などの準備作業を含む組織学的実験の分析及び/もしくは病理学的実験の分析のために組織標本を処理する方法及び/もしくは処理装置に関する。
[発明の背景]
一般的に、“組織処理作業”という用語は、顕微鏡検査のために組織標本を準備するための作業を表すのに使用され得る。従来より、“組織処理作業”は、組織標本をパラフィンワックスに包埋し、パラフィンに包埋された組織標本を、ミクロトームを使って非常に薄く切り分けることを含んでいる。組織標本を切り分けた後、顕微鏡検査のために、薄い切片を、スライドガラス上に浮かべて染色し、最後にカバースリップを被せることが可能となる。組織病理学では、細胞の寸法や形状だけでなく、組織構造も考慮される。このため、ミクロトームによる切断面が検査に適した組織断面をもたらすように、組織を適切に方向付けすることが有用である。包埋前に、組織加工装置において、組織の加工を組織標本に施すことが可能である。組織加工装置では、検査のために標本を準備するのに役立つ、種々の適切な液剤を使って、標本を加工する。一般的な組織加工作業では、組織標本を固定して、組織標本を乾燥させ、組織標本を洗浄してから、溶けたパラフィンワックスに組織標本を包埋することがある。そして、包埋及び切り分けの後に実施される検査によっては、特定の分析方法のために、組織標本を染色することがある。組織加工工程で使用される液剤には、ホルムアルデヒドと、アルコールと、キシレンと、他の溶剤と、パラフィンワックスとが含まれ得る。本願出願人による同時係属特許出願の対象となっている近年の開発では、現在、キシレンを含まない加工が可能となっている。
このため、“組織処理作業”という用語は、ここでは、検査のために組織標本を準備する際に実施される上述の作業のうちのいずれか1つを指すのに使用される。
組織学実験では、検査のために数多くの組織標本を加工するので、組織標本をできる限り効率良く準備することが重要である。
例えば、マコーミックに付与された米国特許3,674,396号では、カセットが開示されており、このカセットでは、組織標本を種々の溶液に浸して包埋するための準備を行うとともに、準備後に組織標本をカセット付近に包埋するのである。この396号マコーミック特許では、組織標本の準備に必要な種々の液体に組織標本を静的に浸す加工が開示されている。396号マコーミック特許のカセットでは、穿孔された壁を用いることで、組織標本を封止するとともに、組織標本を種々の溶液に接触させたのち、溶けたパラフィンワックスに組織標本を接触させる。組織標本を種々の組織処理液に浸したのち、溶けた包埋剤を型の凹みに注ぎ込むことができる。そして、加工した組織標本をカセットから取り出し、型の凹み内の包埋剤に所定の方法で方向付けすることができる。一般的には、その後、型を冷却表面上に配置して、包埋剤の底層を硬化させ、組織を正確な方向付けに確実に留まらせる。そして、包埋剤をさらに加えて、組織全体を包埋する。それから、溶けた包埋剤をさらに組織標本上に注ぐ。組織標本を加工するのに使用したカセットをその後、型内の凹みの上に配置し、溶けた包埋剤をさらにカセット内に注ぎ込む。包埋剤が固化した後では、キャストブロック(cast block)が形成されており、キャストブロックは、当該キャストブロックの基部としてのカセットと、キャストブロックの前面付近に配置された組織試料を有する突起部とを備えている。組織標本を加工するために開発された種々のカセットの寸法は、比較的規格化されており、カセットは、とりわけ、切り分けのためにキャストブロックをミクロトーム内に固定するのに使用することができる。マコーミックに付与された米国特許5,080,869号には、組織標本を加工するために現在使用されている一般的なカセットが記載されている。この869号マコーミック特許のカセットは、積み重ね可能であり、複数の試料を準備するのに使用することができる。カセットは、一般的に、当該カセットの底壁面に対して垂直な方向及び平行な方向の双方に加工液を通過させるために当該カセットの壁に配置された複数の開口部を備えている。また、カセットは、標本を識別するための表示を当該カセット上に配置するのを容易にするために当該カセットの前壁に傾斜した延長部を備えている。
大半の組織学研究室では、少なくとも1つの事実上の工業規格に従って、例えば上述の396号マコーミック特許とその後の上述の869号マコーミック特許とに沿って、製造されるようになったカセット内で組織標本を加工している。正確な診断を確実に行えるように確実に、標本を区別し、ラベルを付けることができるように、一般的には、組織毎に1つのカセットが使用される。診断目的に応じて、標本の寸法は、カセットをほぼ完全に満たす標本から直径が1mm未満となり得る小さな生検へと大きく変わり得る。従来技術の組織カセットについて、組織試料は、カセット内部に、緩く、そして個別に保持され、他の標本から隔離される。組織処理後の次の工程では、通常、組織標本をパラフィンワックスに包埋する。包埋作業は、一般的に、以下の工程を含んでいる。
・組織の加工が完了した後のある時点で、試料をカセットから取り出す。
・組織学者は、使用するのに適した寸法の型を選択する。
・少量のワックスを型の底部に配置する。
・検査技師は、組織試料を型内に配置し、組織を方向付けするワックスを使用して、組織試料を慎重に方向付けする。
・(通常、組織カセットの一部である)ミクロトームのための保持固定具を型の上部に配置する。また、固定具は、識別ラベルを備えている。
・検査技師は、ワックスをさらに配置して、固定具を一塊のワックスに封止されている組織サンプルに取り付ける。
・そして、ワックスの塊を冷却して、ワックスの塊を固化する。
・そして、ワックスの塊を型から取り出し、取り出したワックスの塊を、切り分けのために、固定具を介してミクロトーム上に配置する準備をする。
上記作業では、組織の加工後に、組織学者が、カセットから組織を取り出し、各型のワックス内にて標本を方向付けするのに時間を要する。
本明細書に記載された、書類や装置、行為、知識のあらゆる考察は、本発明の背景を説明するのに含まれる。ここに開示されている発明、もしくはここに定義されているあらゆる請求項の優先日以前における、背景技術の基礎部分を構成するあらゆる資料や、関連技術におけるあらゆる一般的知識は、認定とみなされるべきではない。
[発明の概要]
一実施形態において、組織標本の処理方法は、組織位置決め部に方向付け剤を塗布する工程と、組織位置決め部上に組織標本を配置する工程と、方向付け剤を用いて、組織標本を組織位置決め部に対して方向付けする工程と、方向付けされた位置にある組織標本に組織処理作業を施す工程とを備えている。
一形態において、組織位置決め部に方向付け剤を塗布する工程は、方向付け剤の薄層を組織位置決め部の表面に塗布することを備えている。
一形態において、組織標本の処理方法は、組織標本を方向付けした後に、方向付け剤を活性化させる工程を備えている。この工程によって、組織を容易に方向づけできるものの、方向付け剤がいったん活性化されると、組織は、例えば組織の加工などの処理作業の最中に所定の位置に留まり続けることになる。
別の実施形態では、組織処理装置は、組織支持部と、組織位置決め部とを備え、方向付け剤を組織位置決め部の表面に塗布するように構成されており、組織支持部と組織位置決め部との間にチャンバーが形成され、組織位置決め部の表面上の方向付け剤が実質的にチャンバー内部に位置している。
一形態において、組織位置決め部は、組織標本を組織位置決め部の表面に接着するのを補助する複数の定着要素を備えている。
一形態において、定着要素は、組織位置決め部における開口部である。一形態において、位置決め部の表面は、少なくとも1つの液体流路を備えている。液体流路は、組織加工装置内で組織を加工するのを補助してもよい。
一形態において、組織処理装置は、液体流路を通過する液体の流れを遮断する部材を備えている。一形態において、この部材は、組織処理装置から取り外し可能である。別の一形態において、この部材は、液体流路を開放する位置から液体流路を閉鎖する位置へと移動可能である。部材がこのように移動することによって、液体流路が開放されたときに、組織処理装置に液体を流通させて、組織の加工を促進させ、組織を包埋するときに、組織処理装置に液体が流通するのを制限することができる。
別の局面において、組織標本処理装置は、
予め決められた方向付け状態で組織標本を支持面に対して取り付けるための方向付け媒体と協働するように構成された支持面構造を有する第1の部材を備え、組織標本処理装置の少なくとも一部分は、支持面上に配置された組織標本の方向付け状態を決定するために非対称的な断面を備えている。
さらに別の局面では、組織処理方法は、
方向付け剤を用いて、組織標本を位置決め部に結合させる工程と、
位置決め部と支持部との間に加工チャンバーを形成する工程と、
組織標本を加工する工程と、
組織標本を包埋する工程と、
位置決め部を支持部から分離させる工程と
を備えている。
また、別の局面では、少なくとも1つの組織処理作業を可能とするために組織標本を支持面に配置する方法が開示されており、この方法は、
支持面に方向付け媒体を塗布する工程と、
予め決められた方向付け状態で組織標本を支持面に対して取り付けるように方向付け媒体に組織標本を加える工程と、
取り付けられた組織標本に組織処理作業のうちの少なくとも1つの工程を施す工程とを備えている。
また、さらなる局面では、少なくとも1つの組織処理作業を可能とするために組織標本を支持面に配置する方法が開示されており、この方法は、
支持面に組織標本を取り付ける工程と、
予め決められた方向付け状態で組織標本を支持面に対して取り付けるように方向付け媒体を支持面に塗布する工程と、
取り付けられた組織標本に組織処理作業のうちの少なくとも1つの工程を施す工程とを備えている。
付随する図面に関連する、以下の実施形態の説明を参照することで、当業者は、本願のさらなる、開示、目的、利点、局面をより一層理解できるであろう。尚、図面は、図示のためだけに示されるのであって、本発明の範囲を限定するものではない。
[詳細な説明]
図面を参照すると、組織処理装置の2つの部分が示されており、組織処理装置は、図1,2に示された組織位置決め部10と、図3に示された包埋支持部20とを備えている。組織位置決め部10及び包埋支持部20は、図4に示すように、互いに取り外し可能に嵌合して、(図示しない)少なくとも1つの標本もしくは組織を収容することが可能な加工チャンバー30(図9c参照)を設けるように構成されている。
組織位置決め部10は、複数の係合装置とともに示されており、本実施形態では、包埋支持部20における、対応する凹部14と係合するように構成された脚部12とともに示されている。位置決め部を支持部に取り付けるのに、別の方法を用いることも可能である。
図4における配置では、加工のために組織標本をチャンバー内に配置可能である。
位置決め部10は、支持面16を備え、支持面16は、使用時には、(図示しない)組織標本を支持することになる。図2における実施形態では、支持面16は、支持面16における開口部18の形態である係合機構を備えている。開口部18は、チャンバー30内への液体流路の一実施形態を備えている。
支持部20は、基部24における開口部22と、組織標本を識別するための識別面26とを備えている。本実施形態では、支持部20は、例えばLeica(商標)TP1050組織加工器もしくはビジョン バイオシステムズのPeloris(商標)組織加工器などの組織加工装置において組織を加工するために使用される組織処理装置に基づいている。
図5には、包埋支持部40が示されており、包埋支持部40は、基部44に開口部42を備えている。組織位置決め部を包埋支持部20に取り付けるのに、例えば凹部46,48などといった、代わりの位置決め機構を用いることも可能である。
図6a,6bは、組織位置決め部50のさらなる実施形態を示している。開口部42,52は、重なり合って、開口部42,52間のチャンバーを加工液が通過することを可能にし、組織加工装置における組織の加工を促進させる。図6aは、支持部40における凹部と合致して、チャンバーを形成する壁56を示している。この壁は、液体流路を除いて示されており、液体流路がないことは、包埋工程では有利であるものの、加工中に液流を加える必要がある場合には、液体流路を設けてもよい。爪部58は、凹部46,48と係合し、位置決め部40を離脱可能に支持部50に保持する。
図1,6aに示すように、物質70もしくは物質55がそれぞれ、位置決め部の支持面上に配置され得る。この物質は、組織標本(図示せず)を所定位置に位置決めするために使用されるものであり、一形態では、組織標本を特定の方向付け状態となるように位置決めするために使用される。使用され得る包埋剤の種類は、ビジョン バイオシステムズ リミテッドによって2006年9月5日に出願された“組織標本の処理構成及び処理方法”という名称の同時係属中の出願において説明されており、この出願の内容を参照により援用する。
予め決められた方向付け状態で組織標本を組織処理装置の支持面に対して支持するための方向付け剤は、ゲル化剤と、有機溶剤とを備える構成物であって、室温では、実質的に液体である構成物であってもよい。
一実施形態では、ゲル化剤は、アガロースを含むグループ、もしくはアガロース派生物と、例えば低融点アガロース、ヒドロキシエチル・アガロース、低分子量アガロース、寒天、アルギン酸塩、セルロースなどの改良アガロースとを含むグループ、もしくはヒドロキシプロピル・セルロースを含むグループ、もしくはこれらグループの組み合わせから選択された炭水化物ポリマーである。
炭水化物ポリマーは、比較的低い固形成分含有量でありながら、高いゲル強度を有している。このため、構成物は、これらポリマーにより、適切な機械強度を有し、組織標本のための接着剤として機能するものの、低い固形成分含有量に起因して、非常に開放される(open)とともに、透過性の高い構造を有しているので溶媒交換に対する抵抗をほとんど示さない。さらに、炭水化物ポリマーは、(動物及び植物の)組織に対して強い親和力を有していることにより、組織を包みながら組織に強力に接着することができる。また、組織処理装置に対する炭水化物ポリマーの接着力は十分であるので、組織処理作業を通じて、組織を所望の方向に確実に保持するものの、組織処理装置への炭水化物ポリマーの接着力は、包埋加工の完了時に包埋されたワックス標本が方向付けされる組織処理装置の表面から、包埋されたワックス標本を離脱させるときに、炭水化物ポリマーが組織処理装置から離脱する程度である。一般的な炭水化物ポリマーは、組織加工作業を通じて、比較的無反応であることが分かっている。また、炭水化物ポリマーは、組織学的組織処理作業で使用される、種々の染料や染色液に対して比較的低い保持力を有している。
好ましい実施形態では、ゲル化剤の含有量は、約0.1%(%重量/体積(%w/v)))〜約15%(%重量/体積(%w/v))である。より好ましくは、ゲル化剤の含有量は、約0.3%(%重量/体積(%w/v))〜約10%(%重量/体積(%w/v))である。さらにより好ましくは、ゲル化剤の含有量は、約1%(%重量/体積(%w/v))〜約4%(%重量/体積(%w/v))である。
一実施形態では、有機溶剤は、エタンジオール、1,3−プロパンジオール、グリセロール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、例えばジエチレン・グリコール、トリエチレン・グリコールなどのポリエチレン・グリコール、例えばメタノール、エタノールなどのアルコール、ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、ジメチルスルホキシドを含むグループ、もしくはこれらの組み合わせから選択された非水性溶剤である。
さらなる実施形態では、本発明に係る方向付け剤は、抗菌性合成物、もしくは安定剤、もしくは防腐剤、もしくはこれらの組み合わせを含んでいる。
方向付け剤に関してここで使用されている“実質的に液体”とは、適度に粘着性がある形態、もしくは柔軟なゲル形態、もしくはペースト状の形態となっている方向付け剤を含んでいる。
本発明の実施形態に係る方向付け構成物は、組織を把持及び/もしくはモールドし、組織にくっつく、もしくは組織に接着することができ、例えば室温で用いられる処理などの組織処理作業を通じて、組織を適切な方向に保持するのに十分である。
方向付け剤は、組織の多くの部分を覆うことなく、組織を位置決め部に対して位置決めする接着剤であることが好ましい。組織処理作業の前に、組織をチャンバー30内部に位置決め、及び方向付けすることが可能であるので、処理液を可能な限り多くの組織に接触させることが好ましい。
さらに、接着剤は、好ましくは、以下のうちの少なくとも1つの特性を有しているべきである。
・処理中に、組織があらゆる実質的な方向に向きを変えてしまうことを防止するのに十分な保持力
・所定位置に組織を保持しつつも、配置中に、確実に方向付けできるように組織を操作可能な十分な初期粘着力
例えば、最初に方向付け剤と接触させるように組織を配置したのち、組織を正確に方向付けし、方向付け剤の粘着力を増大させることで、包埋前における組織処理装置の一般的な処理において、組織の向きを実質的に変化させないことが好ましくなり得る。
一形態において、方向付け剤は、チャンバー30における方向付け後の任意の時点で粘着力を増大させてもよい。チャンバー30における方向付け後の任意の時点で方向付け剤の粘着力を増大させるには、例えば、延長時間を設定する材料、もしくは組織の成分に反応する材料(例えば、水やホルマリン)、もしくは方向付け後に方向付け剤上に配置される添加剤、もしくは感圧接着剤を使用することである。
位置決め部上の方向付け剤の方法及び形態には、ここで述べたように、液体試薬を位置決め部に直接塗布し、組織標本を所望の向きで塗布することを含み得る。別の形態では、方向付け剤は、予め塗布されていてもよい。方向付け剤が、空気、もしくは空気中または組織中の湿気にさらされたときに、方向付け剤のゲル化が促進されるように、組織を方向付けする直前に除去されたカバーで、予め塗布された方向付け剤を覆うことで、ゲル化前に組織を方向付けする時間を確保してもよい。さらなる実施形態では、スプレーによって、位置決め部の表面に方向付け剤を塗布してもよい。別の実施形態では、最初に方向付け剤を組織に塗布したのち、組織を位置決め部の表面上に配置してもよい。
加工後に、組織は、包埋される。組織を包埋するために、組織は、組織支持面16上で方向付けされているべきである。使用中に、組織は、位置決め部50などの位置決め部の表面16上に配置される。組織を方向付けしつつ、組織を所定位置に配置できるように、方向付け剤55が使用される。従来技術のカセットでは、組織は、カセット内に配置されるものの、方向付けされてはいなかった。組織は、包埋前もしくは包埋中に、加工されたのち、方向付けされるのであった。このような作業は、組織をカセット内部に配置して、組織を加工したのち、カセットを開放して、一般的に、組織を所定位置に配置及び方向付けする包埋剤を使用して組織を方向付けする必要があった。ここで述べる実施形態では、組織は、最初、支持部に対して方向付けされるのではなく、支持部から離脱可能な位置決め部に対して方向付けされるので、加工後に組織を方向付けする必要がない。したがって、組織を位置決め部に対して方向付けし、支持部を周知の方法で位置決め部に取り付けて、組織を加工するとともに、組織を包埋し、支持部上にある包埋された組織とともに、位置決め部を支持部から分離させて、位置決め部を所定位置に置くことなく、組織を支持部に対して方向付けすることができる。ミクロトームに適合する周知の組織カセットの形状及び寸法に合うように支持部を構成することが可能であるので、位置決め部を所定位置に置くことなく、組織を支持部に対して方向付けできることは有利である。所定位置にある支持部によって、組織はチャンバー内に保持される。支持部を取り外すことによって、ミクロトームは、チャンバー内の包埋された組織標本に到達することができ、包埋された組織片を切り取ることができる。
チャンバーの一例としては、図9cに示すチャンバー30がある。位置決め部及び支持部の双方、もしくは各実施形態において、開口部もしくは液体流路を具備する必要はない。さらに、液体流路は、位置決め部もしくは支持部の側壁に存在してもよい。また、図6aは、支持部50上の方向付け剤55を示している。組織標本は、方向付けのために方向付け剤55内に配置されてもよい。図6bでは、開口部52が支持部50内に示されており、方向付け剤が、例えば図13a〜図13gに示すように、開口部52と接触可能となっている。また、開口部52は、直線的な縁であってもよいし、図13gに示されているように完全に位置決め部の表面を貫通していない形態を含む、他の種々の形態であってもよい。図13a〜図13fには、開口部110内に沈下していく方向付け剤100が示されている。開口部110内への方向付け剤100の浸透度合は、開口部110の形状や、方向付け剤100の粘度、時間、温度、他の要因に依存する。方向付け剤100は、開口部に対して適切な定着効果を与え、支持部に対して十分なグリップを生じるように構成することができる。このように方向付け剤100を構成することにより、加工中に組織の方向付けは保たれるものの、組織を包埋したときに、組織が支持部から離脱して、パラフィンワックスなどの包埋剤に覆われ、組織の方向付けが実質的に保持される。位置決め部上における方向付け剤の機械的な定着方法の一例が、図12aに示されており、図12aでは、方向付け剤131を使用して、組織標本が位置決め部125上に方向付けされている。本実施形態では、方向付け剤131が位置決め部上に薄層として塗布されている一方で、ある程度の方向付け剤が開口部130内に集まり、組織の移動を防止するのを機械的に補助する定着部133を形成している。図12bに示すように、位置決め部を支持部から離脱させると、定着部が包埋剤から剥離し、組織標本が位置決め部から外れる。
別の形態では、方向付け剤は、位置決め部と化学的に結合してもよい。このような加工は、図11a,11bに示されており、図11a,11bでは、組織127が支持面125上に配置され、支持面125が方向付け剤100の層を有している。加工後に、(図示しない)支持部に取り付けられた包埋剤129は位置決め部125から除去され、本実施形態では、方向付け剤100は位置決め部125上に残る。この場合、方向付け剤は、位置決め部の表面上の材料と化学反応する可能性がある。化学反応は、接着剤において一般的であり、種々の種類の接着剤が、参照によって援用した、上述の同時継続出願で言及されている。
別の実施形態では、方向付け剤100が部分的もしくは完全に包埋剤上に残ったり、位置決め部及び包埋剤の双方から個別に離脱可能となっていてもよい。
加工後、チャンバー内に組織を保持している位置決め部及び支持部は、包埋段階に移行されてもよい。例えば図4に示すように、位置決め部及び支持部は、パラフィンワックスなどの包埋剤を配置する配置部の下に配置されてもよい。チャンバーは、支持部における開口部を通過したパラフィンワックスで満たされている。チャンバーをワックスで満たすことを補助するために、図7,8に示すように、部材60を追加してもよい。部材60は、係合機構を含んでいる。この場合、係合機構は、サイドレール62と、突起64とを含んでいる。突起64は、例えば組織位置決め部50上にある、対応する溝54と係合するので、部材60は、位置決め部50に対して、突起66が位置決め部における開口部52と重なり合う位置(閉鎖位置)から突起66が重なり合わない少なくとも1つの第2位置である開放位置へと移動可能である。部材は、完全に離脱可能であってもよい。
(図示しない)別の実施形態では、開口部は、当該開口部の数及び位置に対応する栓、もしくは離脱可能な板によって閉鎖されてもよい。
加工前に、部材60は、開口部が突起によって閉鎖されない位置、つまり、突起と開口部とがずれている位置にある。さらに、図7,8,9bにおいて分かるように、部材60には、孔部68が設けられている。孔部68は、部材60が開放位置と呼ぶことが可能な第1位置にて位置決め部50と係合しているときに、開口部と重なり合う。開放位置は、加工液が図8に示す位置決め部50における、例えば図6bにおける開口部52などの開口部を流通できるという点で有用である。一例では、図9aに示されているように、組織処理装置158全体が組織加工器内に配置される。組織処理装置158は、(図示しない)予め方向付けされた組織標本を収容しているとともに、部材は開放位置や閉鎖位置に位置可能である。開放位置では、支持部における開口部42によって、組織加工器内の液体がチャンバーを流通し、加工の効果を増大させることができる。また、位置決め部は、液体が流動するための開口部を有していてもよい。部材60は、加工中、位置決め部に取り付けられていなくてもよく、これによっても、液体が開口部42を流通できるであろう。
包埋中は、パラフィンワックスなどの包埋液でチャンバー30が満たされるように、位置決め部からの液体流路がないのが望ましいということがあり得る。チャンバーから液体が漏れることを防止するための種々の方法が用いられ得る。
例えば、
・開口部のない位置決め部を用いる。
・開口部を有する位置決め部を用いつつ、部材60などの部材で開口部を塞ぐ。
・包埋液を加える前に開口部を封鎖する液体を用いる。
・包埋液を使って、開口部を封鎖する。
パラフィンワックスの場合、一実施形態では、一体に取り付けられた位置決め部と支持部とを冷却板上に配置し、少量の包埋液をチャンバーに加えて、開口部を封鎖したのち、チャンバーをワックスで満たす。
一形態では、位置決め部は、位置決め部における開口部を封鎖する部材が設けられている。そして、例えば、位置決め部と支持部とを加温板上に配置して、例えば摂氏65度といった、溶解したワックスと同等の温度となるように組織標本を加熱することで、組織を温めてもよい。そして、パラフィンワックスは、チャンバーが満たされるまで、加温されたチャンバーに加えられる。そして、位置決め部及び支持部を放置して、雰囲気下で冷却してもよいし、位置決め部及び支持部を冷却剤や冷却板などの加速冷却にさらしてワックスを固化させてもよい。ワックスを塗布する前に組織標本を加熱することで組織の包埋が改善することが分かっている。ワックスが固化すると、位置決め部は、支持部から離脱可能となり、チャンバー内部に形成され、支持部に付着したワックスの塊に組織が包埋されているようになる。位置決め部は、包埋剤の型として機能し、通常、十分な包埋剤がチャンバー内に入れられて、余分な包埋剤が支持部の開口部を覆う。余分な包埋剤が支持部の開口部を覆うことで、余分な包埋剤は、方向付け剤が位置決め部に結合するよりも強固に支持部に結合する。位置決め部における開口部が、表面との機械的定着力を増大するようなテーパもしくは輪郭を有していてもよいのと同様に、支持部における開口部もまた、表面との機械的定着力を増大するような輪郭もしくはテーパを有し、包埋剤及び組織が、位置決め部の表面と、支持部と接触している残りの部分とからより容易に分離できるようにされてもよい。
包埋剤としてパラフィンワックスが説明されているものの、一般的に使用されている別の包埋剤が使用されてもよい。
本発明に係る位置決め部及び支持部は、一般的に、プラスチック材料から作られる。方向付け剤と接触する位置決め部は、表面への方向付け剤の化学的結合もしくは機械的結合を促進するために、例えば、アセタール・ポリオキシメチレン共重合体(POM)や、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE−テフロン(登録商標)−デュポン社)などのプラスチックといった特定の材料であってもよい。組織処理装置の表面は、さらに、基礎となるプラスチックもしくは金属に塗布された化学物質を備え、つまり、上述のプラスチックをコーティングされ、強度や伝熱性といった所望の機械的特性を付与されてもよい。したがって、異なる部分には異なる材料を使用することが可能であり、例えば、位置決め部は、熱伝導性を向上させることで包埋中の組織を加熱及び冷却するのに補助するために金属で構成されてもよい。
この説明では、1つの組織のみが各チャンバー内に描かれていた。しかしながら、複数の組織が各位置決め部上で方向付けされてもよいし、自動イメージングに用いられる制御物質や誘導体などといった別の材料が位置決め部上で方向付けされてもよい。
当業者は、ここで説明した本発明の実施形態を、少なくとも1つのコンピュータ、及び/もしくはコンピュータで制御された機器又はマイクロプロセッサで制御された機器を使用して、実行可能であることに気づくであろう。その場合、ここで開示された方法工程は、コンピュータプログラムを構成する命令として実現されてもよい。このプログラムは、フロッピーディスクや光ディスク(例えばコンパクトディスク)、固定ディスク(例えばハードドライブなど)などのコンピュータで読み取り可能な媒体上に記憶されてもよいし、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)や、リードオンリーメモリ(ROM)、ファームウェア、フラッシュRAMメモリなどのメモリに格納されてもよい。そして、ソフトウェアとしての、このプログラムは、コンピュータもしくはマイクロプロセッサ装置上で実行されて、方法を実行する。また、このプログラム、もしくはこのプログラムの実行の一部は、LAN(ローカルエリアネットワーク)などにおける小領域、MAN(メトロポリタンエリアネットワーク)などにおける広大なキャンパス領域もしくは都市領域、WAN(ワイドエリアネットワーク)などにおける広大な地理的領域のうちの1つ、もしくはこれらの組み合わせに対応する接続形態を有するネットワークにおける複数のコンピュータに分散されてもよい。
本発明は、本発明の特定の実施形態に関連して説明されてきたが、さらなる改良が可能であることは理解されよう。本願は、概して本発明の原理に従いつつ、本発明が含まれる技術分野内の周知の実務もしくは慣習的な実務に含まれるような本開示内容からの逸脱と、上記の本質的特徴に適用され得るような本開示内容からの逸脱とを含む、本発明のあらゆる変形、使用、適用を保護することを意図している。
組織標本という用語は、植物や動物からの組織生検を含むだけでなく、例えばセル・スクレイピング(cell scraping)などにより取得された細胞の集まりも含むことを意図している。例えば、本発明を、細胞学的分析のために採取された組織標本に適用することも考えられる。
概略説明したような本発明の精神もしくは本発明の範囲から逸脱しないで、特定の実施形態に示されているような、数多くの変形及び/もしくは改良を本発明に施すことが可能であることは当業者に認識されよう。このため、ここで今説明した実施形態は、あらゆる点で、限定としてではなく、実例として見なされるものである。
本発明は、本発明の本質的な特徴の精神から逸脱しないで種々の形態で実現可能であるため、上述の実施形態は、特別の定めがない限り、本発明を限定するものではないものと理解されるべきであり、むしろ、添付の請求項に定義されているような本発明の精神及び範囲内で広く解釈されるべきである。種々の改良、及び等価な装置は、上述のように、本発明の精神及び範囲内に含まれることを意味している。このため、特定の実施形態は、本発明の原理を実施可能なあらゆる方法の実例として理解されるものである。上述の説明、及び請求項において、ミーンズ・プラス・ファンクション節は、定義された機能を発揮する構造を保護するとともに、構造的等価物だけでなく、等価構造も保護することを意味している。例えば、木製部品を一体に固定するために、釘が円筒状の表面を採用している一方で、ネジが螺旋状の表面を採用している点で、釘及びネジは、構造的等価物ではないかもしれないが、木製部品を固定するという状況においては、釘及びネジは、等価構造である。
本明細書を通して、“備える(comprise)”という文言、もしくは“備える(comprises)”、“備えている(comprising)”などの変化した文言は、明記した要素、もしくは明記した整数値、もしくは明記した工程、もしくは明記した要素群、もしくは明記した整数値群、もしくは明記した工程群を含んでいることを意味しているが、他のあらゆる要素、もしくは他のあらゆる整数値、もしくは他のあらゆる工程、もしくは他のあらゆる要素群、もしくは他のあらゆる整数値群、もしくは他のあらゆる工程群を除外していることを意味していないことは理解されよう。
位置決め部、及び位置決め部の表面に塗布された方向付け媒体の第1実施形態の斜視図を示している。 位置決め部の第2実施形態の斜視図を示している。 支持部の第1実施形態の斜視図を示している。 図1における位置決め部及び図3における支持部の斜視図を示している。 支持部の第2実施形態の斜視図を示している。 位置決め部、及び位置決め部の表面に塗布された方向付け媒体の第3実施形態の斜視図を示している。 位置決め部の第4実施形態の斜視図を示している。 図6bにおける位置決め部に適合するように構成された部材の斜視図を示している。 図5における支持部と、図6a,6bにおける位置決め部と、図7における部材とを備えているアセンブリの分解斜視図を示している。 図8におけるアセンブリの一実施形態の2つの斜視図を示している。 図9a,9bにおけるアセンブリの断面斜視図を示している。 図8におけるアセンブリの第2実施形態の2つの斜視図を示している。 化学的に結合する方向付け媒体を用いて位置決め部上に方向付けされた組織標本の断面の概略図を示している。 図11aにおける位置決め部及び方向付け媒体から分離された、包埋された組織標本の断面の概略図を示している。 機械的に結合する方向付け媒体を用いて位置決め部上に方向付けされた組織標本の断面の概略図を示している。 図12aにおける位置決め部及び方向付け媒体から分離された、包埋された組織標本の断面の概略図を示している。 種々の定着機構の実施形態を有する位置決め部上にある方向付け媒体の概略断面図である。

Claims (27)

  1. 組織標本の処理方法であって、
    接着剤を組織位置決め部に塗布する工程であって、当該工程において、前記組織位置決め部は、複数の定着要素を有する位置決め部の表面を有し、前記定着要素は、前記位置決め部の表面と前記接着剤との機械的定着力を増大するような輪郭を有している、工程と、
    組織標本を前記組織位置決め部上に配置する工程と、
    前記接着剤を用いて、前記組織標本を前記組織位置決め部に対して方向付けする工程と、
    方向付けされた位置にある前記組織標本に組織処理作業を施す工程と
    を備え、
    前記位置決め部の表面の前記定着要素は、断面が変化する輪郭を有する開口部を備えていることを特徴とする処理方法。
  2. 請求項1に記載の処理方法であって、
    前記開口部はテーパを備えている
    ことを特徴とする処理方法。
  3. 請求項1または2に記載の処理方法であって、
    前記組織位置決め部を組織支持部に取り付ける工程を備えている
    ことを特徴とする処理方法。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の処理方法であって、
    前記組織標本を包埋媒体に包埋する工程を備えている
    ことを特徴とする処理方法。
  5. 請求項4に記載の処理方法であって、
    前記組織標本が包埋されると、前記組織位置決め部を前記組織支持部から取り外す工程を備えている
    ことを特徴とする処理方法。
  6. 請求項1から5の何れか1項に記載の処理方法であって、
    前記組織標本を方向付けした後に前記接着剤を活性化させる工程を備えている
    ことを特徴とする処理方法。
  7. 組織処理装置であって、
    組織支持部と、
    組織位置決め部と
    を備え、
    該組織位置決め部の表面に接着剤を塗布するように構成されており、
    前記組織支持部と前記組織位置決め部との間にチャンバーが形成され、前記組織位置決め部の表面上の接着剤が前記チャンバー内部に位置するとともに、少なくとも1つの前記組織支持部及び前記組織位置決め部は、前記組織位置決め部の表面と前記接着剤との機械的定着力を増大するような輪郭を有している複数の定着要素を備えるように構成され、前記位置決め部の前記定着要素は、断面が変化する輪郭を有する開口部を備えていることを特徴とする組織処理装置。
  8. 請求項7に記載の組織処理装置であって、
    前記開口部はテーパを備えている
    ことを特徴とする組織処理装置。
  9. 請求項7または8に記載の組織処理装置であって、
    前記開口部は前記位置決め部を完全に貫通していない形態である
    ことを特徴とする組織処理装置。
  10. 請求項7から9何れか1項に記載の組織処理装置であって、
    前記組織位置決め部の表面は、少なくとも1つの液体流路を備えている
    ことを特徴とする組織処理装置。
  11. 請求項10に記載の組織処理装置であって、
    前記液体流路を通過する液体の流れを遮断する部材をさらに備えている
    ことを特徴とする組織処理装置。
  12. 請求項11に記載の組織処理装置であって、
    前記部材は、前記組織処理装置から取り外し可能である
    ことを特徴とする組織処理装置。
  13. 請求項11又は請求項12に記載の組織処理装置であって、
    前記部材は、前記液体流路を開放する位置から前記液体流路を閉鎖する位置へと移動可能である
    ことを特徴とする組織処理装置。
  14. 請求項7から13の何れか1項に記載の組織処理装置であって、
    前記接着剤のためのカバーを備え、
    該カバーは、前記組織標本を取り付ける前に取り外されるように構成されている
    ことを特徴とする組織処理装置。
  15. 少なくとも1つの組織処理作業を可能とするために、組織標本を、定着要素を有する支持面に配置する方法であって、
    方向付け媒体を前記支持面に塗布する工程であって、当該工程において、前記方向付け媒体は、前記支持面と前記方向付け媒体との機械的定着力を増大するような輪郭を有している前記定着要素と接触する、工程と、
    予め決められた方向付け状態で前記組織標本を前記支持面に対して取り付けるように、前記組織標本を前記方向付け媒体に加える工程と、
    組織処理作業における少なくとも1つの工程を、前記取り付けられた組織標本に施す工程と
    を備え、
    前記支持面の前記定着要素は、断面が変化する輪郭を有する開口部を備えていることを特徴とする方法。
  16. 少なくとも1つの組織処理作業を可能とするために、組織標本を、定着要素を有する支持面に配置する方法であって、
    前記組織標本を前記支持面に取り付ける工程と、
    予め決められた方向付け状態で前記組織標本を前記支持面に対して取り付けるように、前記支持面と方向付け媒体との機械的定着力を増大するような輪郭を有している前記定着要素と接触する方向付け媒体を前記支持面に塗布する工程と、
    組織処理作業における少なくとも1つの工程を前記取り付けられた組織標本に施す工程と
    を備え、
    前記支持面の前記定着要素は、断面が変化する輪郭を有する開口部を備えていることを特徴とする方法。
  17. 請求項15又は請求項16に記載の方法であって、
    前記方向付け媒体を前記支持面に塗布する工程は、
    前記方向付け媒体を活性化させる工程と、
    前記方向付け媒体が前記組織標本に取り付くように、前記活性化された方向付け媒体を前記支持面上に配置する工程と
    を備えていることを特徴とする方法。
  18. 請求項15から17のいずれか1項に記載の方法であって、
    さらに、
    前記組織標本が前記支持面に取り付けられた後に前記方向付け媒体を固化させる工程と、
    前記支持面の凹部に引き込まれる前記方向付け媒体の流れで構成される少なくとも1つの定着部を、前記定着要素と接触する前記方向付け媒体から形成する工程と
    を備えていることを特徴とする方法。
  19. 請求項15から18のいずれか1項に記載の方法であって、
    前記定着要素は、テーパを備えている
    ことを特徴とする方法。
  20. 請求項15から19のいずれか1項に記載の方法であって、
    組織処理作業における少なくとも1つの工程を、前記取り付けられた組織標本に施す工程は、
    組織処理作業のうちの固化工程である
    ことを特徴とする方法。
  21. 請求項20に記載された方法であって、
    前記固化工程は、
    交差結合が前記方向付け媒体に形成されることで、前記組織処理作業における後の工程中に前記方向付け媒体を溶けない状態にし、前記組織処理作業における後の工程中に前記組織標本が前記表面上に確実に貼り付いたままとなるように、約10%のホルマリンの溶液を加える
    ことを特徴とする方法。
  22. 請求項15から21の少なくとも1項に記載の工程を少なくとも備えている、組織標本の加工方法。
  23. 組織標本処理装置であって、
    支持面に対して予め決められた方向付け状態で組織標本を貼り付けるための方向付け媒体と協働するように構成された、複数の定着要素を有する支持面構造を有する第1の部材を備え、前記定着要素は、断面が変化する輪郭を有する開口部を備えていることによって前記支持面と前記方向付け媒体との機械的定着力を増大するような輪郭を有しており、前記組織標本処理装置の少なくとも一部分は、前記支持面上に配置された組織標本の方向付け状態を決定するために非対称的な断面を備えている
    ことを特徴とする組織標本処理装置。
  24. 請求項23に記載の組織標本処理装置であって、
    前記定着要素は、テーパを有する開口部である
    ことを特徴とする組織標本処理装置。
  25. 請求項24に記載の組織標本処理装置であって、
    前記テーパを有する開口部は前記支持面を完全に貫通していない形態である
    ことを特徴とする組織標本処理装置。
  26. 方向付け剤を使用して組織標本を組織位置決め部に結合させる工程であって、当該工程において、前記方向付け剤は、前記組織位置決め部の表面に位置する定着要素と接触するように適合され、前記定着要素は、断面が変化する輪郭を有する開口部を備えていることによって前記組織位置決め部の表面と前記方向付け剤との機械的定着力を増大するような輪郭を有している、工程と、
    前記組織位置決め部と支持部との間に加工チャンバーを形成する工程と、
    前記組織標本を加工する工程と、
    前記組織標本を包埋する工程と、
    前記位置決め部を前記支持部から分離させる工程と
    を備えていることを特徴とする組織処理方法。
  27. 請求項26に記載の組織処理方法であって、
    前記定着要素は、テーパを有する開口部である
    ことを特徴とする組織処理方法。
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