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JP5310558B2 - 受信装置及びそれを備えた無線通信システム - Google Patents
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JP5310558B2 - 受信装置及びそれを備えた無線通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、超広帯域信号であるウルトラワイドバンド(UWB:Ultra Wide Band)信号を受信する受信装置及びそれを備えた無線通信システムに関する。
UWB信号を受信する受信装置としては、例えば図1に示す、低ノイズアンプ(LNA)1301、信号発生器1007、ダウンコンバージョンミキサ1302、A/D変換器1303、乗算器1304、積分回路1305、サンプリング回路1306を備えた構成が知られている。図1に示す構成は特開2004−221939号公報(以下、特許文献1と称す)に記載された、インパルス状の信号を受信するインパルス型のUWB信号を受信する受信装置の例である。
図1に示す受信装置では、インパルス状の信号を用いることで通信帯域が500MHz以上に拡散されている。また、位相が0°のインパルスと位相が180°のインパルスを用いて1101...等のコードを作成する。
アンテナから入力された受信信号(RF信号)は、LNA1301で増幅され、ダウンコンバージョンミキサ1302に入力される。ダウンコンバージョンミキサ1302は、信号発生器1007で生成されたローカル(LO)信号を用いてGHz帯のRF信号をDC近傍のベースバンド信号に周波数変換する。A/D変換器1303は、ベースバンド信号をデジタル信号に変換する。乗算器1304は、デジタル信号に変換されベースバンドデジタル信号とテンプレートとを乗算する。
積分回路1305は、乗算器1304の乗算結果を積分する。サンプリング回路1306はシンボルタイミングの終わりで積分値を取得し、シンボルデータとして出力する。
また、他の広帯域信号を処理する受信装置として、IEEE JSSC,Vol.39,No.12,pp.2278−2291,2004(以下、非特許文献1と称す)には、LNA、スイッチ、キャパシタ及びリセット回路を備えた構成が記載されている。
非特許文献1に記載された受信装置では、LNAで増幅された信号がスイッチに入力され、スイッチがRF信号をベースバンド信号に周波数変換するサブサンプリングミキサ動作を行う。周波数変換後のベースバンド信号はキャパシタに蓄積され、キャパシタで構成されるFIRフィルタやIIRフィルタによってフィルタリングされる。キャパシタに蓄積された電荷はベースバンド信号に対するフィルタリング処理が終了した時点で放電される。
また、特許第3302981号公報(以下、特許文献2と称す)には、インダクタとキャパシタで構成されるLCタンク、スイッチ及びキャパシタを備えた受信装置が記載されている。
特許文献2では、LCタンクの共振周波数を信号の周波数付近に設定することで信号を選択的に通過させる。スイッチは、LCタンクを通過した信号を上述したサブサンプリングミキサの原理に基づいて周波数変換し、周波数変換後の信号をキャパシタに蓄積する。
さらに、特開2007−097186号公報(以下、特許文献3と称す)には、LNA、ダウンコンバージョンミキサ、A/D変換器、MB−OFDM(Multi-Band Orthogonal Frequency Division Multiplexing)モデム及びDS−CDMA(Direct Spread Code Division Multiple Access)モデムを備えた受信装置が記載されている。
特許文献3に記載された受信装置では、非特許文献1や特許文献1、2に記載された受信装置と同様に、LNA、ダウンコンバージョンミキサ及びA/D変換器によって受信したRF信号からベースバンドデジタル信号を取得する。ベースバンドデジタル信号は、MB−OFDMモデムまたはDS−CDMAモデムによって信号処理される。なお、特許文献3に記載の受信装置は、MB−OFDMモデムまたはDS−CDMAモデムを選択するためのモードスイッチ及び制御部を備えている。
しかしながら上述した背景技術のうち、特許文献1に記載の受信装置は、ミキサによる周波数変換、A/D変換及びデジタル信号によるベースバンド処理(乗算、積分)等の機能別に分かれた構成であるため、それぞれの回路規模(チップ面積)や消費電力が大きく、信号の復調に必要な回路の規模や消費電力が大きくなる問題がある。さらに、インパルス状の受信信号とテンプレートは、シンボル単位で同期させるだけでなく、チップ単位でも正確に同期させる必要がある。特許文献1では、ショートコードを用いて同期捕捉に必要な時間を短縮することが記載されているが、スライディング相関処理等のために時間を要し、そのための消費電力も大きくなる。
一方、非特許文献1には周波数変換及びフィルタリング処理については記載されているが、信号の復調処理については何も開示していないため、フィルタリング処理後に復調回路が必要であり、そのための回路規模や消費電力が大きくなる。
特許文献2は、LCタンクによる周波数選択処理及びスイッチを用いた周波数変換処理については記載されているが、非特許文献1と同様に信号の復調処理については何も開示していないため、周波数変換後に復調回路が必要であり、そのための回路規模や消費電力が大きくなる。
特許文献3は、特許文献1と同様にミキサによる周波数変換、A/D変換、デジタル信号による復調処理等の機能別に分かれた構成を示しているため、回路規模や消費電力が大きくなる。
そこで、本発明は、周波数変換や復調処理に要する回路の規模、コスト、消費電力を低減できる受信装置及びそれを備えた無線通信システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明の受信装置は、受信した広帯域信号を所定のレベルにまで増幅する増幅器と、
前記増幅器の出力信号をスイッチングする第1のスイッチと、
前記第1のスイッチのスイッチング動作を制御するための信号を生成する信号発生器と、
前記第1のスイッチの出力信号を積分する積分キャパシタと、
前記積分キャパシタの出力電圧と所定の電圧を比較する比較器と、
前記比較器の比較結果に基づいて、前記積分キャパシタに蓄積された電荷を放電するリセット回路と、
前記リセット回路に対して、所定の時間間隔で前記積分キャパシタに蓄積された電荷を放電させるためのリセット信号を供給するための第2のスイッチと、
前記第2のスイッチのスイッチング動作を制御する制御部と、
を有し、
前記広帯域信号はパルス無線信号またはMB−OFDM信号であり、
前記信号発生器は前記リセット信号を生成する構成である。
または、受信した広帯域信号を所定のレベルにまで増幅する増幅器と、
前記増幅器の出力信号をスイッチングする第1のスイッチと、
前記第1のスイッチのスイッチング動作を制御するための信号を生成する信号発生器と、
前記第1のスイッチの出力信号を積分する積分キャパシタと、
前記積分キャパシタの出力電圧と所定の電圧を比較する比較器と、
前記比較器の比較結果に基づいて、前記積分キャパシタに蓄積された電荷を放電するリセット回路と、
前記リセット回路に対して、所定の時間間隔で前記積分キャパシタに蓄積された電荷を放電させるためのリセット信号を供給するための第2のスイッチと、
前記第2のスイッチのスイッチング動作を制御する制御部と、
を有し、
前記広帯域信号はパルス無線信号またはMB−OFDM信号であり、
前記信号発生器は前記リセット信号を生成し、
前記増幅器は、
増幅動作を行うトランジスタと、
電源電位と前記トランジスタの間に接続されるインダクタと、
前記トランジスタと前記インダクタの接続部位に一端が接続され、前記増幅器の出力端子に他端が接続されるDCブロックキャパシタと、
を有する。
一方、本発明の無線通信システムは、広帯域信号を送信する送信装置と、
前記広帯域信号を受信する上記の受信装置と、
を有する。
本発明によれば、周波数変換や復調処理に要する回路の規模、コスト、消費電力を低減した受信装置及びそれを備えた無線通信システムが得られる。
図1は、広帯域信号を受信する受信装置の背景技術の構成例を示すブロック図である。 図2は、本発明の受信装置の一構成例を示すブロック図である。 図3は、第1の実施の形態の受信装置の構成を示す回路図である。 図4は、第1の実施の形態の受信装置が備えるLNA及び第1のスイッチの他の具体例を示す回路図である。 図5は、第1の実施の形態の受信装置が備えるLNAの他の具体例を示す回路図である。 図6は、第1の実施の形態の受信装置が備えるLNA及び積分キャパシタの他の具体例を示す回路図である。 図7は、第1の実施の形態の受信装置が備えるLNAの他の具体例を示す回路図である。 図8は、第1の実施の形態の受信装置の動作例を示すタイミングチャートである。 図9は、第1の実施の形態の受信装置が備える第1のスイッチ及び積分キャパシタによる積分動作を示すタイミングチャートである。 図10Aは、第1の実施の形態の受信装置が備える比較器に供給する比較電圧の調整例を示すタイミングチャートである。 図10Bは、第1の実施の形態の受信装置が備える比較器に供給する比較電圧の調整例を示すタイミングチャートである。 図10Cは、第1の実施の形態の受信装置が備える比較器に供給する比較電圧の調整例を示すタイミングチャートである。 図11は、第2の実施の形態の受信装置の構成及び動作を示す模式図である。 図12は、第3の実施の形態の受信装置の構成及び動作を示す模式図である。 図13Aは、第4の実施の形態の受信装置の動作例を示すタイミングチャートである。 図13Bは、第4の実施の形態の受信装置の動作例を示すタイミングチャートである。
次に本発明について図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図2は本発明の受信装置の一構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、本発明の受信装置は、受信した広帯域信号を所定のレベルにまで増幅するロウノイズアンプ(LNA)301と、ロウノイズアンプ(LNA)301の出力信号をスイッチングする第1のスイッチ302と、第1のスイッチ302のスイッチング動作を制御する信号発生器305と、第1のスイッチ302の出力信号を積分する積分キャパシタ303と、積分キャパシタ303の出力電圧と所定の電圧を比較する比較器306と、比較器306の比較結果に基づいて積分キャパシタ303に蓄積された電荷を放電するリセット回路304とを有する構成である。
図3に図2に示した受信装置の具体例を示す。
図3は第1の実施の形態の受信装置の構成を示す回路図である。
図3において、LNA301の出力信号は第1のスイッチ302へ入力される。ここで、LNA301に入力される電圧をvi、LNA301の相互コンダクタンスをgm、キャパシタ303の容量をCとすると、キャパシタ303の出力電圧voは、
Figure 0005310558
で表される。
積分区間は時間0〜Tである。gm・viはLNA301の出力電流であり、積分キャパシタ303に電荷を蓄積するための積分電流でもある。
この積分動作が信号に対して効果的に行われるためには、LNA301の出力インピーダンスZoutが十分に大きい値である必要がある。Zoutが小さいと、積分電流が積分キャパシタ303に効果的に蓄積されずに不完全積分となって積分ゲインが低下する。
積分区間は、パルスの長さである期間Tpulseであり、理想的に積分が行われた場合の積分ゲインはgm・Tpulse/Cとなる。
一方、積分キャパシタ303と並列に抵抗器Rが存在する場合、不完全積分による積分ゲインはgm・Rとなる。すなわち、理想的にはgm・Tpulse/Cの積分ゲインが得られるのに対して、抵抗器Rが存在することでgm・Rに積分ゲインが低下する。
例えば積分キャパシタ303の容量Cを1pF、Tpulseを2nsとすると、Tpulse/Cは2000である。しかしながら、抵抗器Rが100Ω程度の場合、不完全積分によって積分ゲインは約1/20に低下する。
ところで、米国FCC(連邦通信委員会)では3.1〜10.6GHzをUWB方式における使用許可帯域と規定しているが、日本やヨーロッパ等の他の国ではロウバンドと呼ばれる3.1〜4.8GHzの周波数帯域を既に使用しているため、これらの周波数帯域については干渉回避技術を搭載する必要がある。
干渉回避技術は、コストや消費電力が上昇するだけでなく、周辺に被干渉無線装置が多く存在する場合は、頻繁に干渉回避処理を実行することになるため、干渉回避処理を実行している装置の通信スループットが大きく低下する問題がある。さらに、パルス信号を用いて通信を行うパルスUWB方式においては、占有帯域幅がパルス形状(ガウシャンやサイン等)あるいはパルスの周期や波数によって決まるため、OFDM方式のように占有帯域内の特定のトーンを取り出すことができない問題がある。そのため、図3に示すLNA301や第1のスイッチ302及びその周辺回路は6GHz以上で動作する必要がある。
このようなLNA301の出力インピーダンスZoutを大きくし、6GHz以上で高いゲイン及び低いNFを得るために、本実施形態の受信装置は、LNA301の電源電位と出力端子の間に負荷インダクタ103が接続され、接地電位と出力端子の間にカスコード構造のトランジスタが接続された構成である。
カスコード構造は、バイアス電流を決定するトランジスタ105と該トランジスタ105と直列に接続されたカスコードトランジスタ104を有する構成である。カスコード構造は、出力インピーダンスが大きく、ミラー容量を低減する効果があるため、入力インピーダンスを小さくできる。
出力インピーダンスを大きくできる効果は、特にCMOS回路を用いて10GHz程度の周波数信号で動作させる場合に顕著に現れる。10GHz程度の周波数信号で動作させる場合、サブミクロンノードのCMOSプロセスを採用することで、トランジスタのゲート長は最小に設計される。そのため、酸化膜が極めて薄くなるため、チャネル長変調(バイポーラトランジスタにおけるアーリー効果)が起こり、出力抵抗が小さくなる。そのため、例えばカスコード構造を用いない構成では出力インピーダンスが100Ω程度になってしまう。しかしながら、カスコード構造を用いた構成では出力インピーダンスを数百から数KΩ程度にできる。
トランジスタ105の入力には前段回路であるゲート接地型アンプが接続されている。図3に示すカスコードトランジスタ104及びトランジスタ105からなるカスコード構造は、ミラー容量を低減する効果によってトランジスタ105の入力容量が小さくなるため、前段のゲート接地型アンプの負荷容量を低減できる。このような負荷容量の低減は、10GHz程度の高周波信号で動作するアンプにとって非常に重要である。ゲート接地型アンプの負荷インダクタンスを小さくすることで、ある程度共振周波数は高くできるが、負荷容量の増大に伴って原理的にゲインが低下する問題があるからである。
第1のスイッチ302として、図3に示す例ではIパス用とQパス用のスイッチを備えている。すなわち、LNA301はIパス用とQパス用の2つのスイッチをドライブする必要がある。これら2つのスイッチと、該スイッチの周辺に存在する寄生容量は、LNA301と同様に10GHz程度の高周波信号で動作する際に問題となるが、負荷インダクタ103により容量性のリアクタンスを誘導性リアクタンスでキャンセルできるため、共振周波数付近でインピーダンスを大きくできる。
また、1つのLNA301でIパス及びQパスを駆動するのではなく、図4に示すようにIパス及びQパスにそれぞれ専用のLNAを設けることで、LNA301から見た負荷容量をさらに低減できる。この場合、LNA301は、ゲート接地型アンプを共通にして、最終段のカスコード構造のみ2つ設けた構成でもよい。
通常、積分回路において、積分キャパシタの前段に接続されるのは電流出力アンプである。これは上記積分動作を示す式(1)からも明らかである。
電流出力アンプは、トランスコンダクタンスアンプ(gmアンプ)と呼ばれ、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタを組み合わせて構成される。通常、このような10GHz程度の高周波信号が通過するパスに積分回路を配置することはなく、積分回路は背景技術でも示したように周波数変換した後に配置される。本実施形態では、上述した回路構成により10GHz程度の高周波信号でも動作する積分回路を実現できる。
ところで、UWB方式では10GHz程度の高周波動作に加えて比帯域が広いという問題がある。そのため、例えば6〜10GHzの広い帯域の信号を1つの回路で処理することになる。その場合、8GHzを中心に4GHzの帯域があるため、比帯域は50%となる。米国FCC(連邦通信委員会)では、UWB方式を10dB比帯域幅が中心周波数の20%以上、または500MHz以上の帯域幅を使用する無線通信を指すと定義しているため、少なくとも比帯域が20%程度以上になる。
無線LAN等の通常の狭帯域無線通信では比帯域が1%程度であり、UWB方式の比帯域は非常に大きいことが分かる。特に比帯域が大きいと、広帯域で動作するアンプ等の回路が帯域内で偏差を持つ問題も発生する。比帯域が20%程度であれば図3に示したような回路でも対応できる場合があるが、比帯域が50%程度になると何らかの対策が必要になる。図5の(a)は、このような問題に対処するため、負荷インダクタ103と並列に抵抗器1001を設けた構成例を示している。
図5の(a)に示す回路は、抵抗器1001を設けることで積分ゲインが低下するが、無線通信システムの仕様で要求される最低受信感度や所要のC/N値によっては問題なく使える場合がある。負荷インダクタ103のQを低下させても同様の効果が得られる。
図5の(b)は複数の負荷インダクタ1002を備え、使用する周波数帯に応じて負荷インダクタ1002を切り換える構成である。負荷インダクタ1002を切り換えることで共振周波数を切り換えることができる。その場合、デジタルベースバンド処理を実行する制御部307にて周波数帯を判定し、該周波数帯に応じて負荷インダクタ1002を選択すればよい。図5の(b)では、負荷インダクタ1002の電源電圧側に、負荷インダクタ1002を切り換えるためのスイッチ1003を直列に接続した例を示しているが、スイッチ1003は負荷インダクタ1002の出力端子側に直列に接続してもよい。
図5の(c)は複数のキャパシタ1004を備え、使用する周波数帯に応じてキャパシタ1004を切り換えて共振周波数を変える構成である。
図5の(c)に示す構成も図5の(b)に示した構成と同様に制御部307により使用する周波数帯を判定し、該周波数帯に応じてキャパシタ1004を選択すればよい。図5の(c)では、キャパシタ1004の接地電位側に、キャパシタ1004を切り換えるためのスイッチ1005を直列に接続した例を示しているが、スイッチ1005はキャパシタ1004の出力端子側に直列に接続してもよい。
第1のスイッチ302の制御端子には信号発生器305で生成された制御信号が入力される。ここで、Iパス用とQパス用の第1のスイッチ302に入力する制御信号の位相差は90°である。
第1のスイッチ302の出力には積分キャパシタ303及びリセットスイッチ304が接続される。この第1のスイッチ302及び積分キャパシタ3030に存在する寄生抵抗は可能な限り小さいことが望ましい。
積分キャパシタ303と寄生抵抗の値で決まるカットオフ周波数が信号周波数よりも低いと信号電力が低下する。すなわち、ゲインが低下する。例えば10Ω程度の寄生抵抗と1pFの容量を持つ積分キャパシタ303の場合、カットオフ周波数は約16GHzとなるため、10GHz程度の高周波信号で動作させても問題となることはない。しかしながら、寄生抵抗が100Ω程度になると、カットオフ周波数は約1.6GHzになるため、10GHz程度の信号の電力は約1/10に低下する。したがって、10GHz程度の高周波信号で動作するためには、積分キャパシタ303の寄生抵抗は10Ω程度よりも小さくする必要がある。したがって、積分キャパシタ303はMIM(メタル−絶縁体−メタル)構造であることが好ましい。また、第1のスイッチ302には、動作点にもよるが、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとを組み合わせた構成を用いるとよい。但し、このような構成は寄生容量の増加を招くおそれがある。したがって、第1のスイッチ302は、単体のNMOSトランジスタで構成し、LNA301の最終段と積分キャパシタ303の入力端子間にDCブロックキャパシタ120を配置した構成が好ましい。この場合、リセット電圧VRST110を0V付近にすれば第1のスイッチ302の動作点も0V付近となるため、第1のスイッチ302を単体のNMOSトランジスタで構成しても問題なく動作する。
また、図3に示すリセットスイッチ304の寄生抵抗も小さくする必要がある。これはリセットスイッチ304の寄生抵抗をR、積分キャパシタ303の容量をCとした場合、寄生抵抗Rと容量Cで積分キャパシタ303に蓄積された電荷の放電時の時定数が決まるからである。例えば8GHz程度の高周波信号で動作する場合、8GHzの1周期である125psの半分以下の時間で積分キャパシタ303の放電が完了していることが好ましく、寄生抵抗Rは50Ω程度以下、時定数は50ps以下とすることが好ましい。
リセットスイッチ304は、このような小さな寄生抵抗であることが要求されるため、第1のスイッチ302と同様に単体のNMOSトランジスタで構成し、動作点を低い電圧に設定することが好ましい。但し、第1のスイッチ302と異なってリセットスイッチ304の寄生容量はそれほど問題にならないため、リセットスイッチ304にはNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタを組み合わせた構成を用いることもできる。
上述したようにLNA301の相互コンダクタンスgmや積分キャパシタ303の容量値Cは積分回路の積分ゲインを決定するが、積分ゲインを可変にするためにはLNA301のgmやCの値を切り換えてもよい。図6に示すLNA301は、トランジスタのバイアス電圧Vdを可変してLNA301の相互コンダクタンスgmの切り換えを可能にしている。
また、図6に示す積分キャパシタ303は、例えば容量値が異なる(バイナリの関係にある)、並列に接続された複数のキャパシタ要素を備え、各キャパシタ要素にスイッチを接続して、積分キャパシタ303の容量値の切り換えを可能にしている。
受信装置が備えるアンテナ端における受信電力は、送信機と受信機との距離によって、例えば−80〜−20dBm程度に変化する。そのため、積分ゲインによっては積分キャパシタ303の出力電圧が飽和する可能性もある。その場合、図6に示すようなゲイン可変機構が必要になる。
可変ゲインアンプ114は、積分キャパシタ303の出力電圧を比較器306で判定できる程度の電圧まで増幅する。可変ゲインアンプ114は、積分ゲインや比較器306で識別可能な最小の電圧によっては省略することも可能である。
積分回路は、LNA301を除いてアクティブ素子がないためノイズが小さい回路を容易に構成できる。しかしながら、可変ゲインアンプ114が必要な場合は、そのNF(雑音指数)を小さくする必要がある。可変ゲインアンプ114で必要な動作帯域は、後述するTpulse(例えば2ns)で決まる500MHz程度である。可変ゲインアンプ114には、比較器306の判定処理でノイズによる誤動作が少なくなるように、例えばロウパスフィルタ特性を持たせてもよい。
受信信号強度測定器(RSSI:Received Signal Strength Indicator)115は、可変ゲインアンプ114のゲインや積分ゲインを決定するために備えている。可変ゲインアンプ114や積分キャパシタ303で構成される積分回路のゲインは、RSSI115の出力信号で直接変更してもよく、RSSI115の出力信号に基づいて制御部307により制御することも可能である。
比較器306は、図3に示す例では2つのコンパレータ素子117によって構成されている。コンパレータ素子117には、積分キャパシタ303の出力電圧との比較に用いる基準電圧である比較電圧Va及び比較電圧Vbが電圧供給源から入力され、各比較電圧は信号の上側判定値と下側判定値として用いられる。これら比較電圧は、D/A変換器で生成することで可変できるようにしておくことが好ましい。その場合、電圧供給源が生成する比較電圧Va及び比較電圧Vbの値は、比較器306の出力結果やRSSI115の出力電圧に基づいて制御部307により制御すればよい。
図3において、比較器306は、さらに多くのコンパレータ素子117で構成することで信号に含まれる所望波を高速に検出できる。また、比較器306を多ビットのA/D変換器を用いて構成しても同様の効果を得ることができる。これらは消費電力や回路規模(チップ面積)と所望波の検出速度や精度とのトレードオフとなる。
比較器306の出力は、図3に示す例では制御部307に接続される。制御部307はリセットスイッチ304を制御することで積分キャパシタ303に蓄積された電荷を放電(リセット)させる。この経路に代わって、破線で示すようにOR回路119を用いて比較器306が備える2つのコンパレータ素子117の出力信号の論理和でリセットスイッチ304を制御することも可能である。制御部307は、スイッチ等を駆動するためのドライバ回路、並びにプログラムにしたがって動作するCPUやDSPあるいは各種の論理回路を組み合わせることで実現できる。
図7はLNA301として1段のゲート接地型アンプ901を用い、ゲート接地型アンプ901で第1のスイッチ302を駆動する構成例である。
図7に示す回路は、積分ゲインを上げると共に10GHz程度の信号に対する出力インピーダンスを大きくするために、カスコード構造を採用しつつ負荷インダクタンスを備えた構成である。図7に示す回路は、あまり大きなゲインが必要でなく、消費電力の低減や回路規模を小さくしたい場合に用いることができる。
次に、図3を参照しつつ図8を用いて本実施形態の受信装置の動作について説明する。
図8は第1の実施の形態の受信装置の動作例を示すタイミングチャートである。
図8に示すRFinはLNA301に入力されるUWB信号の例を示している。また、Tpulseはパルス状のUWB信号の長さを示し、UWB信号の占有帯域幅を決定する。UWB信号は上述したように500MHz以上の帯域幅で拡散される必要があるため、Tpulseは、例えば2ns程度かそれ以下となる。Tpulseを小さくすることで帯域幅が拡がるが、広い帯域を占有するためにチャネル数が低減して通信可能な端末数が制限される。Tpulseは、パルス信号の周波数(キャリア周波数)をf、パルスの波数をnとすると、Tpulse=n/fで表される。また、占有帯域幅BWはBW=1/Tpulseで表される。例えばキャリア周波数(中心周波数)を8GHz、Tpulseを2nsとすると、波数nは16程度となる。
なお、この波数nが1程度であるものをインパルス無線(IR)と呼ぶことがあるが、nの大小よって本発明の効果が失われることはないため、本明細書ではnが小さいものも含めてパルスUWBまたはパルス無線と称す。
波数nからなるパルスクラスタ(Tpulse期間)では、パルス信号に所定のエンベロープを備えている。このエンベロープはFFT(Fast Fourier Transform)における窓関数に相当し、占有帯域内の周波数特性や占有帯域外のスプリアス特性等に影響する。
図8に示すパルスUWB信号RFinは、三角波状のエンベロープを備えている。三角波状のエンベロープは、エンベロープを生成するための回路規模や消費電力を低減でき、帯域内外での特性も比較的良好であるために好ましい。
LO信号は第1のスイッチ302に制御端子から入力される。ここではLO信号としてデューティ比が約50%のパルスを用いている。
入力信号RFinは、LNA301で増幅され、第1のスイッチ302に入力される。第1のスイッチ302には入力信号RFinのキャリア周波数に等しい周波数のLO信号202が制御端子107から入力される。第1のスイッチ302は、入力信号RFinとLO信号とを乗算すると共に、積分電流を積分キャパシタ303に供給する。積分キャパシタ303には積分電圧∫(RFin×LO)dtが現れる。
第1のスイッチ302及び積分キャパシタ303による積分動作を時間軸方向に拡大した様子を図9に示す。
入力信号RFinはBPSK変調された信号とする。BPSK変調された信号は、位相が0°と180°とに変化する。積分電圧は、第1のスイッチ302の乗算処理によって、位相が0°の期間では正方向に上昇し、位相が180°の期間では負方向に下降する。
積分キャパシタ303の積分電圧は、可変ゲインアンプ114で増幅され、比較器306に入力される。比較器306は、例えば2値の比較電圧Va、Vbを備え、比較電圧Vaを用いて比較対象となる信号との正の相関を検出し、比較電圧Vbを用いて比較対象となる信号との負の相関を検出する。正負の相関はそれぞれBPSK変調された信号の位相0°と180°に対応する。
BPSK変調では、PN(擬似ランダムノイズ)系列等のコードを利用することが知られている。例えば図3に示す例では「1011」のコードを用い、コード「1」は位相0°に対応し、コード「0」は位相180°に対応する。PN系列として長い系列を用いることでノイズや干渉等による誤判定を減少できる。
比較器306が備える2つのコンパレータ素子117からは、信号Voa、信号Vobが出力される。信号Voaは入力信号RFinの位相が0°の期間で活性化し、信号Vobは入力信号RFinの位相が180°の期間で活性化する。
信号Voa及び信号Vobは、制御部307またはOR回路119に入力され、論理和処理等がなされた後、リセットスイッチ304にRST信号として供給される。
積分キャパシタ303は、リセットスイッチ304の動作によって蓄積された電荷を放電する。また、同時に比較器306から出力される信号Voa及びVobの活性化状態が解除される。
BPSK信号では、Iパスに電力が存在するか、Qパスに電力が存在するか最初の段階では分からない。また分かってもLO信号を生成するPLO(位相ロックオシレータ)等に位相を調整する機能を備えていないと、どちらのパスに電力を通すかを制御することができない。図3に示した受信装置では、Iパス及びQパスを備え、Qパスの出力信号でも相関検出を行っている。このような構成では、Iパスのみに相関出力が現れる場合、Qパスのみに相関出力が現れる場合、両方のパスに相関出力が現れる場合がある。
ここで、受信信号のS/Nを最大にするには、最大比合成(MRC)の考え方から、2つのパスの信号のうち、S/Nの高い信号に対して大きい重みを付与して合成すればよい。制御部307は、このような演算を行って相関出力とリセットスイッチ304の制御を行う。
以上、本実施形態では、入力信号RFinがBPSK変調された例で説明したが、入力信号RFinは、PPM(パルス位置変調)やQPSK変調、あるいはそれらを組み合わせた変調信号であってもよい。
PPM変調の場合はパルス位置が変化する。図8ではパルスクラスタが等間隔に並んでいるが、パルスクラスタをこの等間隔の位置から所定の時間だけずらした信号がPPM変調された信号である。BPSK変調では、この等間隔の時間間隔(チップ周期)の逆数PRF(パルス繰り返し周波数)を8〜60MHz程度に設定される。パルスの位置ずれは2ns程度に設定される。
QPSK変調では、最初に同期を確立する必要があり、同期を確立するプリアンブル期間ではBPSK変調やPPM変調を用い、同期が確立した後、QPSK変調に移行する。その場合、IパスとQパスの信号が混ざらないように周波数や位相を制御して同期を保持するDLL(遅延ロックループ)等を用いればよい。
比較器306は、積分キャパシタ303から出力された積分電圧ができるだけ大きな値のときに比較電圧を横切るように比較電圧Va、Vbを設定する必要がある。そのため、比較器に対して、広帯域信号との正の相関を検出するための比較電圧Va及び広帯域信号との負の相関を検出するための比較電圧Vbを供給する電圧供給源を備え、図10Aに示すように比較電圧Vaと比較電圧Vbとを段階的に狭くなるように、例えば制御部307により制御することが好ましい。あるいは図10Bに示すように周知の2分岐探索法(バイナリサーチ)にしたがって最適な比較電圧Va、Vbを探索することも可能である。あるいは図10Cに示すように比較器306を3つ以上のコンパレータ素子を備えた構成(多ビット比較器)とすることで、比較電圧を探索することなく、比較器306の出力から相関出力を得ることもできる。
上述したように、比較器306に入力される積分電圧は、最適な比較電圧を決定する前にRSSI115等を用いて比較可能な値まで増幅されている必要があり、制御部307により積分ゲインや可変ゲインアンプ114が調整される。制御部307は、比較器306に入力される積分電圧がノイズに埋もれないように、または比較器306やその前段の回路で信号が飽和しないようにゲインを適切に設定する。
さらに、制御部307は、図10Aに示すように、比較電圧Va及び比較電圧Vbを段階的に狭くなるように設定する。このように比較電圧Va、Vbを段階的に狭くしていく場合、1つの段階の保持時間としては、シンボル長の時間かそれ以上であることが好ましい。1シンボルが4チップで構成される図10A〜Cに示した例では、1チップの長さを30nsとすると、各段階で120nsかそれ以上の時間比較電圧を保持する。これによりシンボルを検出することが可能であり、最適な比較電圧を設定できる。図10Bに示した比較電圧を探索する手法においても、各段階の比較電圧Va、Vbの保持時間は上記と同じにする。
図10Cに示した多ビット比較器を用いる構成では、いずれかの比較器で相関出力が得られる。図10Cに示す例ではVocとVodに相関が出力されている。図10Cでは4個の比較器を用いた例を示しているが、さらに多くの比較器を用いることもできる。その場合、複数の比較器から相関出力が得られる場合があるが、その場合は安定して相関を出力している比較器を制御部307が判断し、ゲイン設定等に利用する相関出力を決定することが好ましい。これは、比較電圧Va、Vbが低い場合はノイズの影響を受ける可能性があり、比較電圧が高い場合は積分電圧の飽和値近傍に比較電圧がある可能性があるためである。
RSSI115等で信号のレベルが判断できる場合は、比較電圧の設定段階の数をそれほど多くする必要はない。段階数を多くするほど同期検出にかかる時間が長くなるため、段階数は2から8程度で良好な結果が得られるようにすることが好ましい。その場合、図10Bに示した比較電圧を探索する手法においては、4段階以内で最適な比較電圧が得られる。
以上説明したように第1の実施の形態の受信装置では、第1のスイッチ302、積分キャパシタ303及び比較器306によって、周波数変換、量子化及び復調処理を行うことができるため、回路の小型化及び低消費電力化を実現できる。
背景技術の超広帯域信号を受信する受信装置では、ミキサを用いて周波数変換を行い、ベースバンド信号に変換してからA/D変換して量子化し、デジタル信号で復調を行っていた。そのため、通信レートが低いパルス無線通信では受信回路の小型化や低消費電力化が実現できていなかったが、本発明によりこれが達成できる。
図1に示した背景技術では、受信信号とテンプレートの相関を得る際にシンボルコードまで正確に合わないと相関が出ない。これはシンボル単位で相関を取っているためである。このときにスライディング相関器等を用いてシンボル単位の相関が得られるまで受信信号とテンプレートの時間差をずらしていくが、その際の時間刻みとしてチップ周期の何分の1かが必要になる。これはチップ単位で受信信号とテンプレートが合っていないと相関出力が大きくならないためである。
例えばチップ周期の1/3単位で8ビットのPNシンボルコードのスライディング相関処理を行う場合、相関出力を得るまでに最大で24回のビットシフト処理を行う必要がある。このときPNコードのビット長が長ければそれに比例して同期捕捉に要する時間や消費電力が増大する。
一方、本実施形態ではチップ単位で相関出力が得られる。この場合の相関は、PNコードの相関ではなく、キャリア周波数とその位相に対する相関である。また、積分回路の積分動作に起因して相関出力を得ている。また、チップ単位の相関を得ると同時に比較器の出力にシンボル出力が現れる。このシンボル出力をマッチドフィルタ回路等に入力することでPNコードの相関判定が行える。
また、本実施形態では、RF領域での乗算と積分動作とそれに続く比較器とによって、チップ単位の何分の一刻みによるスライディング相関処理がなくても、比較器の比較電圧を数回上下させるだけでチップからシンボルまで相関が得られる。または多ビットの比較器を用いることで直ぐに相関出力が得られる。よって、本実施形態の受信装置では同期捕捉に要する時間が短縮する。
パルス無線方式は、近年、IEEE802.15.4aとして標準化が進みつつあり、0.1Mbpsから24Mbpsまでの比較的低レートで通信を行うPAN(近距離ネットワーク)無線通信が実現されつつある。
本実施形態の受信装置によれば、第1のスイッチ302、積分キャパシタ303、リセット回路304及び比較器306が、周波数変換、量子化及び復調処理を一括して行う。すなわち、積分キャパシタ303には周波数変換結果が電荷として蓄積されると共に、パルスUWB信号の0°または180°の位相情報を反映した相関量が電荷として蓄積される。
このような構成ではスライディング相関を行わなくとも積分キャパシタ303に相関量が蓄積され、比較器306で相関の正負を判定できる。
したがって、周波数変換と復調処理を一つの回路で実行できるため、回路規模が小さく(チップ面積が小さく)、低コストで、消費電力が少ない受信装置が得られる。
また、積分キャパシタ303による相関量の蓄積と、比較器306による相関の正負判定により、スライディング相関処理を不要にして、回路規模、消費電力を低減すると共に、同期捕捉に要する時間を短縮できる。
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。
図11は第2の実施の形態の受信装置の構成及び動作を示す模式図である。
図11は第1の実施の形態の主要部をそのまま示している。第2の実施の形態の受信装置はMB−OFDM信号を周波数変換する構成である。
MB−OFDM信号は、UWB方式で定義された比帯域が20%以上、帯域が500MHz以上という特徴を備えると共に、OFDM(直交周波数多重)方式の特徴を備えている。
MB−OFDM方式は、約500MHzのOFDM帯域幅を備えると共に、約10ns程度で周波数帯を高速に切り換える高速周波数ホッピングの特徴も備えている。また、MB−OFDM方式は、約500MHzの帯域からなる3つのバンドを周波数ホッピングして、約1.5GHzの周波数を利用して通信を行う特徴も備えている。
図11に示すように、第2の実施の形態の受信装置は、LNA301、第1のスイッチ302、積分キャパシタ303及びリセットスイッチ304を備えたフロントエンド部504を有する構成である。
第2の実施の形態の受信装置では、リセット回路304による比較器306の比較結果に基づくリセット動作に代わって所定の時間間隔で積分キャパシタ30に蓄積された電荷を放電させる。すなわち、第1のスイッチ302の制御端子には信号発生器501で生成されたLO信号がリセット信号RSTとして入力される。LO信号は、第1の実施の形態と同様に、MB−OFDM信号のキャリア周波数に等しく、デューティが約50%のパルス列である。
信号発生器501は、リセット信号RSTを生成してリセット回路304に供給する。リセット信号503は、LO信号502と周波数が等しく、位相が約180°異なる信号である。リセット信号503は、LO信号502を生成する信号発生器501とは異なる個別の信号発生器で発生してもよい。
これにより受信したMB−OFDM信号は、第1のスイッチ302でベースバンド周波数へ周波数変換されると共に積分処理され、積分キャパシタ303に蓄積される。この場合、積分時間tintはLO信号の半周期の時間に等しくなる。
第1のスイッチ302及び積分キャパシタ303による周波数変換及び積分動作の様子を図11に示す。図11に示す507はMB−OFDM信号、508はDC付近に周波数変換されたベースバンド信号、506は積分動作における伝達関数特性を示している。伝達関数506は1/tintにヌル点を持つsinc関数となる。
この伝達関数特性506により高域のノイズが低減され、サンプリング処理におけるアンチエイリアス効果を持たせることができる。すなわち、第1のスイッチ302、キャパシタ303及びリセット回路304は、アンチエイリアス関数を持った周波数変換回路として動作する。LNA301は、負荷インダクタ103によって構成された共振回路や、その前段に設けられたゲート接地型アンプの負荷インダクタによる共振回路によって共振特性510を備えている。LNA301が備える共振特性は、折り返し特性による高域ノイズの通過を防止する効果も備えている。
図11の実線で示す波形509は、積分キャパシタが出力される積分電圧の様子を時間軸上で示している。波形509のエンベロープ511はベースバンド信号を示しているため、ベースバンド帯域の信号のみを取り出すフィルタリング処理を行うことで、ベースバンド信号が得られる。
(第3の実施の形態)
図12は第3の実施の形態の受信装置の構成及び動作を示す模式図である。
図12は第1の実施の形態の主要部をそのまま示している。第3の実施の形態の受信装置は、パルスUWB信号とMB−OFDM信号の両方を信号処理できる超広帯域受信装置を実現する例である。
図12に示すように、第3の実施の形態の受信装置は、LNA301、第1のスイッチ302、積分キャパシタ303及びリセットスイッチ304を備えたフロントエンド部601を有する構成である。
第1のスイッチ302の制御端子には、第2の実施の形態と同様に信号発生器501で生成されたLO信号502が入力される。信号発生器501は、第2の実施の形態と同様に、さらにリセット信号503を生成する。
MB−OFDM信号の受信時、第2のスイッチ606はリセット信号503を選択し、リセットスイッチ304にリセット信号503を供給する。
制御部307は、第2のスイッチ606の動作を制御すると共にMB−OFDM信号の復調に必要なMB−OFDM回路ブロック603を活性化させる。MB−OFDM回路ブロック603は、フィルタ、A/D変換器及び復調回路等を備えている。
制御部307は、後述する各スーパーフレームにもとづいて、受信装置がMB−OFDM信号を受信しているかパルスUWB信号を受信しているかを判断して制御を行う。
パルスUWB信号を受信している場合、第2のスイッチ606は、比較器306の比較結果を取得した制御部307またはOR回路119からの信号を選択し、リセットスイッチ304の制御端子にリセット信号を供給する。このときのリセット動作は第1の実施の形態と同じである。
制御部307は、パルスUWB信号の復調に必要なパルスUWB回路ブロック604を活性化させる。パルスUWB回路ブロック604は、可変ゲインアンプ114及び比較器306を備えている。
(第4の実施の形態)
図13A及びBは第4の実施の形態の受信装置の動作例を示すタイミングチャートである。
第4の実施の形態の受信装置は、MB−OFDM信号とパルスUWB信号とを適宜受信する例である。受信装置の構成は第3の実施の形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
一般に、MB−OFDM方式による通信は、数百Mbpsから数Gbpsの通信が可能であるが、消費電力が増大する問題がある。一方、パルスUWB方式は24Mbps程度までの低レートの通信を実現するが、消費電力が比較的少なく、さらに本発明を適用することでさらに少ない消費電力で通信が可能になる。
MB−OFDM方式では、スーパーフレーム(Superframe)を用いてビーコングループ(ピコネット)を形成する。スーパーフレームは65ms程度の時間が割り当てられたフレームであり、ビーコングループに参加している端末を判別するために用いるビーコン期間を備えている。
参加端末はビーコン期間中にビーコン信号(Beacon)を送信する。また参加端末は休止したい期間を宣言して休止状態(スリープモード)に移行できる。
MB−OFDM方式による通信とパルスUWB方式による通信を切り換える方法は現在提案されていないが、以下に示すような方法によりこれら2つの通信方式を切り換えることができる。
図13Aに示すように、まずビーコングループに第3の実施の形態で示した受信装置及び広帯域信号を送信する送信装置を備えたホスト端末が参加していると仮定する。ここではホスト端末をビーコングループのホストとする。MB−OFDM方式では、ビーコングループに参加する端末は、スーパーフレームのビーコン期間にて順次ビーコン信号を送信する。このビーコン信号を送信することで参加端末はスーパーフレームに同期して情報を送受信できる。
スーパーフレームは、複数の(256程度の)MAS(メディアアクセススロット)で構成され、各ユーザはこれら複数のMASを利用して情報を送受信する。
図13Aに示すホスト端末は、基本的にMB−OFDM信号を受信(MB-OFDM RX)し、ビーコン期間はビーコン信号を送信する。さらに各ユーザに割り当てられるMASの期間ではパルスUWB信号を受信(Pulse RX)する。ホスト端末は、第3の実施の形態で示した受信装置を備えることで、このような機能を実現できる。また、ホスト端末は、パルスUWB信号の受信時、他の端末またはデバイスから呼びかけがあった場合、パルスUWB信号を送信(Pulse TX)し、ACK(応答)の返送や情報を送信する。
図13Aに示すデバイス1は、ビーコングループに参加し、基本的にMB−OFDM信号を受信(MB-OFDM RX)している。また、デバイス1は、ビーコン期間においてビーコン信号を送信する。デバイス1は、広帯域信号を送信する送信装置及び第3の実施の形態で示した受信装置を備えることで、MB−OFDM方式やパルスUWB方式の両方に対応することが可能であり、第2の実施の形態で示した受信装置を備えることでMB−OFDM方式のみに対応できる。
例えばAC電源から電力が供給される、消費電力に対する制限が少ないAV機器に対してハイビジョン伝送を行う高速端末等は、第2の実施の形態で示した受信装置を備えた構成でもよい。
図13Aに示すデバイス2は、基本的に送信も受信も行わないスリープ状態を継続しているが、情報をホスト端末やサーバ等に送信する時に起動し(ウェイクアップ起動)、パルス無線方式により情報を送信する。他の局から応答があるまでこのパルス無線方式による送信(Pulse TX)と、ACK等の有無を確認するためのパルス無線方式による受信(Pulse RX)を繰り返す。
ホスト端末は、上述したようにスーパーフレーム内で定期的にパルス無線方式による受信を行っており、デバイス2のパルス無線方式による送信を(ここでは2つめのスーパーフレーム)検出できる。ホスト端末は、パルス無線方式による送信の検出をデバイス2に知らせるためにパルス無線方式による送信を行う。デバイス2は、ホスト端末から送信されたパルス無線方式による信号を受信すると、ホスト端末と情報を交換できる。
デバイス2は、広帯域信号を送信する送信装置及び第3の実施の形態で示した受信装置を備える構成でよいが、パルスUWB信号を受信する第1の実施の形態で示した受信装置を備える構成でもよい。例えば、デバイス2は、小型のボタン電池等のバッテリーによって動作するセキュリティ関係のセンサであり、不審者の侵入を検知すると無線回路をスリープ状態から起動してホスト端末に侵入者の検知を送信する装置とする。その場合、デバイス2はホスト端末から返信されるACKを受信した段階で通信を終了する。デバイス2の送信と受信の繰り返し処理は、ホスト端末がACKを返信するまで継続する。ホスト端末は、スーパーフレーム内にてパルス無線方式による受信を行っているため、約65ms以内でこの繰り返し処理は終了する。これによりバッテリーの電力消費を最小限に抑制できる。
一方、図13Bに示すホスト端末は、当初はMB−OFDM方式によるスーパーフレームを確立しておらず、パルス無線方式による通信を行っているものとする。ホスト端末はビーコングループへの参加を希望しているデバイスの有無を調べるために、MB−OFDM方式による受信(MB-OFDM RX)と送信(MB-OFDM TX)を繰り返す。この繰り返し周期はスーパーフレームの繰り返し周期でよく、ビーコン信号の受信と送信はビーコン期間で実施すればよい。スーパーフレーム内のビーコン期間を除く残りの期間は、基本的にパルス無線方式による受信モード(Pulse RX)を継続し、適宜パルス無線方式による送信(Pulse TX)に切り換えて通信を行う。
図13Bに示すデバイス1はMB−OFDM端末であるとする。
デバイス1は、当初はビーコングループへ参加していないが、途中からビーコングループに参加する。デバイス1は、ホスト端末から送信されるビーコン信号を受信し、さらにビーコン信号を返信することでビーコングループへの参加を確立してホスト端末と情報を交換できる。
図13Bに示すデバイス2はパルスUWB端末であり、例えばバッテリーから電力が供給されるステレオ音響装置とする。また、デバイス2は、ネットワークやホストから音楽情報を入手して再生する装置とする。
デバイス2は、図13Bの最初の期間ではホスト端末とパルス無線方式による送信(Pulse TX)と受信(Pulse RX)を繰り返し、比較的容量が大きいデータを送受信する。このとき、ホスト端末はMB−OFDM方式によるビーコングループを構築していないため、上述したようにビーコン期間を除く期間ではパルスUWB方式による送受信が可能である。このパルスUWB方式を利用できる期間でデバイス2はホスト端末から音楽情報等を入手できる。なお、MB−OFDM方式によるビーコングループが形成されている場合、デバイス2で情報の送受信が可能な期間は短くなるが(MAS期間)、図13Bに示すような例ではかなりのスループットが得られる。音楽情報等を入手し終えたところでデバイス2はパルス無線方式による送受信を終了してスリープモードに移行できる。
このように、必要とする通信レートに応じてOFDM方式を用いた通信、あるいはパルスUWBやCDMA方式を用いた通信に切り換えることで、消費電力を最小限に抑制した無線通信システムを実現できる。その場合、各通信方式に対応する回路を実装する必要があるため、これらの回路規模ができるだけ小さいことが望ましい。本発明の受信装置を備えた端末やデバイスは、高レート通信と低レート通信でフロントエンド部の主要な回路を兼用でき、さらには低レート通信のパルスUWB方式においては周波数変換、量子化、復調処理を1つの回路ブロックで実施できる。
すなわち、本実施形態の受信装置によれば、低レート通信であるパルスUWB信号の復調時は、比較器306の判定結果に基づいて積分キャパシタ303をリセット動作させ、高レート通信であるMB−OFDM信号の周波数変換では積分キャパシタ303を定期的にリセット動作させることで、第1のスイッチ302、積分キャパシタ303及びリセット回路304はMB−OFDM信号の周波数変換を行うため、低レートの通信と高レートの通信を一つのトランシーバで行えると共に、低レートにおいては周波数変換と復調処理を1つの回路で実行できるため少ない消費電力で通信できる。
将来のホームネットワーク環境では、家事や住居や娯楽に関わる家電(いわゆる白物家電と呼ばれる洗濯機や冷蔵庫、電子レンジや、エアコン、ステレオ音響措置、防犯装置、セキュリティカメラ、インターホン、さらにはハイビジョン無線伝送を扱うAV機器その他)間の通信や、それらの家電とホームサーバとの無線通信環境が出現することが予想される。低レート通信から高レート通信まで対応するホームサーバと、その周辺に低レート通信専用の端末や高レート通信専用の端末、あるいは両方の通信方式に対応する端末等から構成される無線通信システムが予想される。
第3及び第4の実施の形態の受信装置を備えたホームサーバと、その周辺に、第1の実施の形態の受信装置を備えた低レート通信を行う白物家電等の低速端末、さらには第2の実施の形態の受信装置を備えた高レート通信を行うAV伝送端末等が設置される無線通信システムが考えられる。本発明はそのような環境で、回路規模が小さく、低コストで、かつ低電力な無線通信システムを提供できる。
一般に、OFDM方式を利用した通信でも、ある程度伝送レートを変更することが可能であり、OFDM方式は、スケーラビリティ、すなわち伝送レートに比例して消費電力が変化する性能を備えた通信方式と考えられている。しかしながら、OFDM方式ではFFT処理やIFFT処理が必要であり、250MHz帯域で動作するアンプやフィルタ回路が必要であるため、OFDM方式に対応する無線装置では低電力化に限界が見えつつある。
本発明の受信装置を備えた無線通信装置では、低レート通信時に消費電力が少ないパルス無線方式への移行を可能にしているため、将来のホームネットワークシステム環境において、各機器の電力事情に応じた最適な通信方式が設定できる。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されものではない。本願発明の構成や詳細は本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更が可能である。
この出願は、2007年10月5日に出願された特願2007−261982号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (7)

  1. 受信した広帯域信号を所定のレベルにまで増幅する増幅器と、
    前記増幅器の出力信号をスイッチングする第1のスイッチと、
    前記第1のスイッチのスイッチング動作を制御するための信号を生成する信号発生器と、
    前記第1のスイッチの出力信号を積分する積分キャパシタと、
    前記積分キャパシタの出力電圧と所定の電圧を比較する比較器と、
    前記比較器の比較結果に基づいて、前記積分キャパシタに蓄積された電荷を放電するリセット回路と、
    前記リセット回路に対して、所定の時間間隔で前記積分キャパシタに蓄積された電荷を放電させるためのリセット信号を供給するための第2のスイッチと、
    前記第2のスイッチのスイッチング動作を制御する制御部と、
    を有し、
    前記広帯域信号はパルス無線信号またはMB−OFDM信号であり、
    前記信号発生器は前記リセット信号を生成する受信装置。
  2. 受信した広帯域信号を所定のレベルにまで増幅する増幅器と、
    前記増幅器の出力信号をスイッチングする第1のスイッチと、
    前記第1のスイッチのスイッチング動作を制御するための信号を生成する信号発生器と、
    前記第1のスイッチの出力信号を積分する積分キャパシタと、
    前記積分キャパシタの出力電圧と所定の電圧を比較する比較器と、
    前記比較器の比較結果に基づいて、前記積分キャパシタに蓄積された電荷を放電するリセット回路と、
    前記リセット回路に対して、所定の時間間隔で前記積分キャパシタに蓄積された電荷を放電させるためのリセット信号を供給するための第2のスイッチと、
    前記第2のスイッチのスイッチング動作を制御する制御部と、
    を有し、
    前記広帯域信号はパルス無線信号またはMB−OFDM信号であり、
    前記信号発生器は前記リセット信号を生成し、
    前記増幅器は、
    増幅動作を行うトランジスタと、
    電源電位と前記トランジスタの間に接続されるインダクタと、
    前記トランジスタと前記インダクタの接続部位に一端が接続され、前記増幅器の出力端子に他端が接続されるDCブロックキャパシタと、
    を有する受信装置。
  3. 前記制御部は、
    前記広帯域信号であるパルス無線信号の復調処理と前記広帯域信号であるMB−OFDM信号の復調処理とを切り換え、
    前記パルス無線信号の復調処理時、前記第2のスイッチに、前記比較器の比較結果を前記リセット回路へ供給させ、
    前記MB−OFDM信号の復調処理時、前記第2のスイッチに、前記リセット信号を前記リセット回路へ供給させる請求項1または2記載の受信装置。
  4. 前記制御部は、
    MB−OFDMのビーコングループに参加している場合でも、所定の時間間隔でパルス無線信号を受信するための制御を行う請求項記載の受信装置。
  5. 前記制御部は、
    MB−OFDM信号のビーコングループを検知していない場合でも、所定の時間間隔でMB−OFDM信号を受信するための制御を行う請求項記載の受信装置。
  6. 広帯域信号を送信する送信装置と、
    前記広帯域信号を受信する請求項1からのいずれか1項記載の受信装置と、
    を有する無線通信システム。
  7. 受信した広帯域信号を所定のレベルにまで増幅器によって増幅し、
    該増幅した信号をスイッチング素子によって所定の周波数でスイッチングし、
    該スイッチングした信号を、直接、積分キャパシタによって積分し、
    該積分した電圧を所定の電圧と比較器によって比較し、
    所定の時間間隔で前記積分キャパシタに蓄積された電荷を放電させるためのリセット信号を生成し、
    前記広帯域信号はパルス無線信号またはMB−OFDM信号であり、
    前記パルス無線信号の復調処理時、前記比較器の比較結果に基づいて、前記積分動作によって蓄積された電荷に応じた電圧をリセットし、
    前記MB−OFDM信号の復調処理時、前記リセット信号にしたがって前記積分動作によって蓄積された電荷に応じた電圧をリセットする受信方法。
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