以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施の形態における車両用制御装置100が搭載される車両1を模式的に示した模式図である。なお、図1の矢印U−D,L−R,F−Bは、車両1の上下方向、左右方向、前後方向をそれぞれ示している。
まず、車両1の概略構成について説明する。車両1は、図1に示すように、車体フレームBFと、その車体フレームBFを支持する複数(本実施の形態では4輪)の車輪2と、それら複数の車輪2の内の一部(本実施の形態では、左右の前輪2FL,2FR)を回転駆動する車輪駆動装置3と、各車輪2と車体フレームBFとを連結する複数の懸架装置4と、複数の車輪2の内の一部(本実施の形態では、左右の前輪2FL,2FR)を操舵する操舵装置5とを主に備え、車輪2のキャンバ角を制御することで、グリップ性能の確保と省燃費化との両立を図ることができるように構成されている。
次いで、各部の詳細構成について説明する。車輪2は、図1に示すように、車両1の前方側(矢印F方向側)に位置する左右の前輪2FL,2FRと、車両1の後方側(矢印B方向側)に位置する左右の後輪2RL,2RRとを備えている。なお、本実施の形態では、左右の前輪2FL,2FRは、車輪駆動装置3により回転駆動される駆動輪として構成される一方、左右の後輪2RL,2RRは、車両1の走行に伴って従動される従動輪として構成されている。
また、車輪2は、図1に示すように、第1トレッド21及び第2トレッド22の2種類のトレッドを備え、各車輪2において、第1トレッド21が車両1の内側に配置され、第2トレッド22が車両1の外側に配置されている。なお、本実施の形態では、両トレッド21,22の幅(図1左右方向の寸法)が同一の幅に構成されている。
また、第1トレッド21及び第2トレッド22は、第2トレッド22が第1トレッド21よりも硬度の高い材料により構成され、第1トレッド21が第2トレッド22に比してグリップ力の高い特性(高グリップ性)に構成される一方、第2トレッド22が第1トレッド21に比して転がり抵抗の小さい特性(低転がり抵抗)に構成されている。
車輪駆動装置3は、上述したように、左右の前輪2FL,2FRを回転駆動するための装置であり、後述するように電動モータ3aにより構成されている(図3参照)。また、電動モータ3aは、図1に示すように、デファレンシャルギヤ(図示せず)及び一対のドライブシャフト31を介して左右の前輪2FL,2FRに接続されている。
運転者がアクセルペダル61を操作した場合には、車輪駆動装置3から左右の前輪2FL,2FRに回転駆動力が付与され、それら左右の前輪2FL,2FRがアクセルペダル61の操作量に応じて回転駆動される。なお、左右の前輪2FL,2FRの回転差は、デファレンシャルギヤにより吸収される。
懸架装置4は、路面から車輪2を介して車体フレームBFに伝わる振動を緩和するための装置、いわゆるサスペンションとして機能するものであり、図1に示すように、各車輪2に対応してそれぞれ設けられている。また、本実施の形態における懸架装置4は、車輪2のキャンバ角を調整するキャンバ角調整機構としての機能を兼ね備えている。
ここで、図2を参照して、懸架装置4の詳細構成について説明する。図2は、懸架装置4の正面図である。なお、各懸架装置4の構成は、各車輪2においてそれぞれ共通であるので、右の前輪2FRに対応する懸架装置4を代表例として図2に図示する。但し、図2では、理解を容易とするために、ドライブシャフト31等の図示が省略されている。
懸架装置4は、図2に示すように、ショックアブソーバ41と、ロアアーム42と、アクスルキャリア43と、FRアクチュエータ44FRとを主に備え、ストラット式のサスペンションとして構成されている。
ショックアブソーバ41は、伸縮することで車体フレームBFに伝わる振動を減衰するものであり、いわゆるダンパーにより構成され、図2に示すように、上端(図2上側)が車体フレームBFに連結される一方、下端(図2下側)がロアアーム42を介して車体フレームBFに連結されている。
また、ショックアブソーバ41は、図2に示すように、連結アーム41aを備えている。連結アーム41aは、アクスルキャリア43をショックアブソーバ41に連結するものであり、一端(図2右側)がショックアブソーバ41の下端側に固定される一方、他端(図2左側)がキャンバ軸45を介してアクスルキャリア43に軸支されている。
ロアアーム42は、上述したように、ショックアブソーバ41の下端を車体フレームBFに連結するものであり、図2に示すように、一端(図2右側)が車体フレームBFに、他端(図2左側)がショックアブソーバ41に、それぞれゴムブッシュ(図示せず)を介して軸支されている。
アクスルキャリア43は、車輪2を回転可能に支持するものであり、図2に示すように、連結アーム41a及びFRアクチュエータ44FRを介してショックアブソーバ41に連結されている。
FRアクチュエータ44FRは、アクスルキャリア43をショックアブソーバ41に連結すると共に、それらアクスルキャリア43とショックアブソーバ41との間隔を調整するための装置であり、油圧シリンダにより構成されている。このFRアクチュエータ44FRは、図2に示すように、本体部(図2右側)がショックアブソーバ41に軸支される一方、ロッド部(図2左側)がボールジョイントを介してアクスルキャリア43に連結されている。
上述したように構成される懸架装置4によれば、FRアクチュエータ44FRが伸縮駆動されると、車輪2がキャンバ軸45を中心軸として揺動駆動され、車輪2に所定のキャンバ角が付与される。
よって、例えば、FRアクチュエータ44FRが収縮駆動されることで、キャンバ角が制御され車輪2にネガティブキャンバが付与されると、車両1の内側に配置される第1トレッド21の接地面積が増加すると共に、車両1の外側に配置される第2トレッド22の接地面積が減少する。これにより、第1トレッド21の高グリップ性を発揮させて、グリップ性能を確保することができる。
一方、FRアクチュエータ44FRが伸長駆動されることで、キャンバ角が制御され車輪2にポジティブキャンバが付与されると、車両1の内側に配置される第1トレッド21の接地面積が減少すると共に、車両1の外側に配置される第2トレッド22の接地面積が増加する。これにより、第2トレッド22の低転がり抵抗を発揮させて、省燃費化を図ることができる。
なお、本実施の形態では、キャンバ角の制御が解除され車輪2のキャンバ角が0度に復帰されることによっても、車両1の内側に配置される第1トレッド21の接地面積が減少すると共に、車両1の外側に配置される第2トレッド22の接地面積が増加する。これは、低転がり抵抗の第2トレッド22が高グリップ性の第1トレッド21よりも硬度の高い材料により構成されるので、第1トレッド21と第2トレッド22との接地面積が同等であっても、第2トレッド22の接地が第1トレッド21の接地を妨げるためである。これにより、第2トレッド22の低転がり抵抗を発揮させて、省燃費化を図ることができる。
図1に戻って説明する。操舵装置5は、運転者によるステアリング63の操作を左右の前輪2FL,2FRに伝えて操舵するための装置であり、いわゆるラック&ピニオン式のステアリングギヤとして構成されている。
この操舵装置5によれば、運転者によるステアリング63の操作(回転)は、まず、ステアリングコラム51を介してユニバーサルジョイント52に伝達され、ユニバーサルジョイント52により角度を変えられつつステアリングボックス53のピニオン53aに回転運動として伝達される。そして、ピニオン53aに伝達された回転運動は、ラック53bの直線運動に変換され、ラック53bが直線運動することで、ラック53bの両端に接続されたタイロッド54が移動する。その結果、タイロッド54がナックル55を押し引きすることで、車輪2に所定の舵角が付与される。
アクセルペダル61及びブレーキペダル62は、運転者により操作される操作部材であり、各ペダル61,62の操作状態(踏み込み量、踏み込み速度など)に応じて、車両1の走行速度や制動力が決定され、車輪駆動装置3が駆動制御される。ステアリング63は、運転者により操作される操作部材であり、その操作状態(回転角、回転速度など)に応じて、操舵装置5により左右の前輪2FL,2FRが操舵される。
ワイパスイッチ64は、運転者により操作される操作部材であり、このワイパスイッチ64がオンされた場合に、図示しないワイパ(フロントガラス等の表面に付着した雨滴などを拭き取る装置)が作動制御される。省燃費モードスイッチ65は、運転者により操作される操作部材であり、この省燃費モードスイッチ65がオンされた場合に、省燃費運転支援装置84(図3参照)が作動制御される。
車両用制御装置100は、上述したように構成される車両1の各部を制御するための装置であり、例えば、各ペダル61,62やステアリング63の操作状態に応じてキャンバ角調整装置44(図3参照)を作動させることで、各車輪2のキャンバ角を制御する。
次いで、図3を参照して、車両用制御装置100の詳細構成について説明する。図3は、車両用制御装置100の電気的構成を示したブロック図である。車両用制御装置100は、図3に示すように、CPU71、ROM72及びRAM73を備え、それらがバスライン74を介して入出力ポート75に接続されている。また、入出力ポート75には、車輪駆動装置3等の装置が接続されている。
CPU71は、バスライン74により接続された各部を制御する演算装置であり、ROM72は、CPU71により実行される制御プログラム(例えば、図5から図8に図示されるフローチャートのプログラム)や固定値データ等を格納した書き換え不能な不揮発性のメモリである。また、ROM72には、図3に示すように、閾値マップ72aが設けられている。
ここで、図4を参照して、閾値マップ72aについて説明する。図4は、閾値マップ72aの内容を模式的に示した模式図である。閾値マップ72aは、アクセルペダル61、ブレーキペダル62及びステアリング63の操作量に対して車輪2のキャンバ角を制御する閾値を規定したマップである。CPU71は、この閾値マップ72aの内容に基づいて、キャンバ角を制御する上限閾値およびキャンバ角の制御を解除する下限閾値を決定する。
また、閾値マップ72aには、通常モードでの閾値(上限閾値および下限閾値)と、省燃費モードでの閾値(上限閾値および下限閾値)との2種類の閾値が各操作量に対して規定されており、CPU71は、後述する通常モード処理(図7参照)では通常モードでの閾値を、省燃費モード処理(図8参照)では省燃費モードでの閾値を、それぞれ読み出して、各操作量に対する閾値(上限閾値および下限閾値)を決定する。
この閾値マップ72bによれば、図4に示すように、アクセルペダル61の操作量(踏み込み量)に対する閾値は、通常モードでの上限閾値A1が50%に、下限閾値A2が30%に、省燃費モードでの上限閾値A3及び下限閾値A4が50%に、それぞれ規定されている。また、ブレーキペダル62の操作量(踏み込み量)に対する閾値は、通常モードでの上限閾値B1が50%に、下限閾値B2が30%に、省燃費モードでの上限閾値B3及び下限閾値B4が50%に、それぞれ規定されている。また、ステアリング63の操作量(回転角)に対する閾値は、通常モードでの上限閾値S1が90度に、下限閾値S2が30度に、省燃費モードでの上限閾値S3及び下限閾値S4が90度に、それぞれ規定されている。
このように、各操作量に対する上限閾値は、いずれも、省燃費モードと通常モードとが等しくなるように規定されているのに対し、各操作量に対する下限閾値は、いずれも、省燃費モードが通常モードよりも大きくなるように規定されている。即ち、省燃費モード処理では、通常モード処理よりも早いタイミングでキャンバ角の制御が解除されるように規定されている。
図3に戻って説明する。RAM73は、制御プログラムの実行時に各種のデータを書き換え可能に記憶するためのメモリである。また、RAM73には、図3に示すように、キャンバフラグ73a、計時カウンタ73b及び計数カウンタ73cが設けられている。
キャンバフラグ73aは、車輪2のキャンバ角を制御している状態であるか否かを示すフラグであり、CPU71は、このキャンバフラグ73aがオンの場合に、車輪2のキャンバ角を制御中であると判断する。なお、キャンバフラグ73aは、車両用制御装置100の電源が投入された時点でオフされる。
計時カウンタ73bは、時間を計測するためのカウンタであり、後述するカウント処理(図5参照)を実行する度に1ずつカウントアップされる(図5のS15参照)。ここで、カウント処理は、後述するように繰り返し(本実施の形態では1秒間隔で)実行される処理であるので、CPU71は、この計時カウンタ73bの値に基づいて、時間を計測することができる。なお、この計時カウンタ73bの値は、車両用制御装置100の電源が投入された時点およびカウント処理において計時カウンタ73bの値が所定値に達したと判断される場合にゼロクリアされる(図5のS17参照)。
計数カウンタ73cは、回数を計測するためのカウンタであり、カウント処理においてアクセルペダル61、ブレーキペダル62又はステアリング63の操作量が省燃費モードでの上限閾値以上であると判断される場合に1ずつカウントアップされる(図5のS14参照)。なお、この計数カウンタ73cの値は、車両用制御装置100の電源が投入された時点およびカウント処理において計時カウンタ73bの値が所定値に達したと判断される場合にゼロクリアされる(図5のS17参照)。
車輪駆動装置3は、上述したように、左右の前輪2FL,2FR(図1参照)を回転駆動するための装置であり、それら左右の前輪2FL,2FRに回転駆動力を付与する電動モータ3aと、その電動モータ3aをCPU71からの指示に基づいて駆動制御する駆動制御回路(図示せず)とを主に備えている。但し、車輪駆動装置3は、電動モータ3aに限られず、他の駆動源を採用することは当然可能である。他の駆動源としては、例えば、油圧モータやエンジン等が例示される。
キャンバ角調整装置44は、各車輪2のキャンバ角を調整するための装置であり、上述したように、各車輪2にキャンバ角をそれぞれ付与する合計4個のFL〜RRアクチュエータ44FL〜44RRと、それら各アクチュエータ44FL〜44RRをCPU71からの指示に基づいて駆動制御する駆動制御回路(図示せず)とを主に備えている。
なお、FL〜RRアクチュエータ44FL〜44RRは、上述したように、油圧シリンダにより構成され、各油圧シリンダにオイル(油圧)を供給する油圧ポンプ(図示せず)と、その油圧ポンプから各油圧シリンダに供給されるオイルの供給方向を切り換える電磁弁(図示せず)とを主に備えて構成されている。
CPU71からの指示に基づいて、キャンバ角調整装置44の駆動制御回路が油圧ポンプを駆動制御すると、油圧ポンプから供給されるオイルにより、各油圧シリンダ(FL〜RRアクチュエータ44FL〜44RR)が伸縮駆動される。また、電磁弁がオン/オフされると、各油圧シリンダ(FL〜RRアクチュエータ44FL〜44RR)の駆動方向(伸長または収縮)が切り換えられる。
CPU71は、各車輪2のキャンバ角を後述するキャンバ角センサ装置80により検出し、各車輪2のキャンバ角が目標値に達するまで、キャンバ角調整装置44の駆動制御回路に指示を送る。
なお、本実施の形態では、後述する通常モード処理(図7参照)及び省燃費モード処理(図8参照)において、アクセルペダル61、ブレーキペダル62又はステアリング63の操作量が上限閾値以上であると判断される場合に、キャンバ角が制御され各車輪2にネガティブキャンバが付与される(図7のS35及び図8のS55参照)。また、アクセルペダル61、ブレーキペダル62又はステアリング63の操作量が下限閾値以下であると判断される場合に、キャンバ角の制御が解除され各車輪2のキャンバ角が定常角(本実施の形態では0度)に復帰される(図7のS40及び図8のS60参照)。
キャンバ角センサ装置80は、各車輪2のキャンバ角を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、各車輪2のキャンバ角をそれぞれ検出する合計4個のFL〜RRキャンバ角センサ80FL〜80RRと、それら各キャンバ角センサ80FL〜80RRの検出結果を処理してCPU71に出力する出力回路(図示せず)とを主に備えている。
なお、本実施の形態では、各キャンバ角センサ80FL〜80RRがミリ波により対象物の角度を検出するミリ波レーダとして構成されている。これら各キャンバ角センサ80FL〜80RRは、車体フレームBF(図1参照)に取り付けられ、各車輪2に向けてミリ波を発振してアクスルキャリア43の角度を測定することで、各車輪2のキャンバ角をそれぞれ検出する。但し、各キャンバ角センサ80FL〜80RRは、ミリ波レーダに限られず、他の種類のレーダを採用することは当然可能である。他の種類のレーダとしては、例えば、赤外線レーダや超音波レーダ等が例示される。
加速度センサ装置81は、車両1の加速度を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、前後方向加速度センサ81a及び左右方向加速度センサ81bと、それら各加速度センサ81a,81bの検出結果を処理してCPU71に出力する出力回路(図示せず)とを主に備えている。
前後方向加速度センサ81aは、車両1(車体フレームBF)の前後方向(図1矢印F−B方向)の加速度を検出するセンサであり、左右方向加速度センサ81bは、車両1(車体フレームBF)の左右方向(図1矢印L−R方向)の加速度を検出するセンサである。なお、本実施の形態では、これら各加速度センサ81a,81bが圧電素子を利用した圧電型センサとして構成されている。
また、CPU71は、加速度センサ装置81から入力された各加速度センサ81a,81bの検出結果(加速度値)を時間積分して、2方向(前後方向および左右方向)の速度をそれぞれ算出すると共に、それら2方向成分を合成することで、車両1の対地速度(絶対値および進行方向)を算出する。
接地荷重センサ装置82は、各車輪2が路面から受ける荷重を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、各車輪2が路面から受ける荷重をそれぞれ検出する合計4個のFL〜RR荷重センサ82FL〜82RRと、それら各荷重センサ82FL〜82RRの検出結果を処理してCPU71に出力する出力回路(図示せず)とを主に備えている。
なお、本実施の形態では、各荷重センサ82FL〜82RRがピエゾ抵抗型の3軸荷重センサとして構成されている。これら各荷重センサ82FL〜82RRは、各車輪2のサスペンション軸上に取り付けられ、車輪2が路面から受ける荷重を車両1の前後方向(図1矢印F−D方向)、左右方向(図1矢印L−R方向)及び上下方向(図1矢印U−D方向)の3方向で検出する。
また、CPU71は、接地荷重センサ装置82から入力された各荷重センサ82FL〜82RRの検出結果(接地荷重)に基づいて、各車輪2の接地面における路面の摩擦係数μを次のように推定する。
例えば、左の前輪2FLに着目すると、FL荷重センサ82FLにより検出される車両1の前後方向、左右方向および上下方向の荷重がそれぞれFx、Fy及びFzであるとすると、左の前輪2FLの接地面における車両1前後方向の摩擦係数μは、左の前輪2FLが路面に対してスリップしているスリップ状態ではFx/Fzとなり(μx=Fx/Fz)、左の前輪2FLが路面に対してスリップしていない非スリップ状態ではFx/Fzよりも大きい値であると推定される(μx>Fx/Fz)。
なお、車両1の左右方向の摩擦係数μyについても同様であり、スリップ状態ではμy=Fy/Fzとなり、非スリップ状態ではFy/Fzよりも大きな値と推定される。また、摩擦係数μを他の手法により検出することは当然可能である。他の手法としては、例えば、特開2001−315633号公報や特開2003−118554号公報に開示される公知の技術が例示される。
車輪回転速度センサ装置83は、各車輪2の回転速度を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、各車輪2の回転速度をそれぞれ検出する合計4個のFL〜RR回転速度センサ83FL〜83RRと、それら各回転速度センサ83FL〜83RRの検出結果を処理してCPU71に出力する出力回路(図示せず)とを主に備えている。
なお、本実施の形態では、各回転速度センサ83FL〜83RRが各車輪2に取り付けられ、各車輪2の角速度を回転速度として検出する。即ち、各回転速度センサ83FL〜83RRは、各車輪2に連動して回転する回転体と、その回転体の周方向に多数形成された歯の有無を電磁的に検出するピックアップとを備えた電磁ピックアップ式のセンサとして構成されている。
また、CPU71は、車輪回転速度センサ装置83から入力された各回転速度センサ83FL〜83RRの検出結果(回転速度)と予めROM72に記憶されている各車輪2の外径とに基づいて、各車輪2の実際の周速度をそれぞれ算出すると共に、その周速度と車両1の対地速度とを比較することで、各車輪2がスリップしているか否かを判断する。
アクセルペダルセンサ装置61aは、アクセルペダル61の操作量を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、アクセルペダル61の踏み込み量を検出する角度センサ(図示せず)と、その角度センサの検出結果を処理してCPU71に出力する出力回路(図示せず)とを主に備えている。
ブレーキペダルセンサ装置62aは、ブレーキペダル62の操作量を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、ブレーキペダル62の踏み込み量を検出する角度センサ(図示せず)と、その角度センサの検出結果を処理してCPU71に出力する出力回路(図示せず)とを主に備えている。
ステアリングセンサ装置63aは、ステアリング63の操作量を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、ステアリング63の回転角を検出する角度センサ(図示せず)と、その角度センサの検出結果を処理してCPU71に出力する出力回路(図示せず)とを主に備えている。
なお、本実施の形態では、各角度センサが電気抵抗を利用した接触型のポテンショメータとして構成されている。また、CPU71は、各センサ装置61a,62a,63aから入力された各角度センサの検出結果(操作量)を時間微分して、各ペダル61,62の踏み込み速度およびステアリング63の回転速度を算出する。
ワイパスイッチセンサ装置64aは、ワイパスイッチ64の操作状態を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、ワイパスイッチ64の操作状態(操作位置)を検出するポジショニングセンサ(図示せず)と、そのポジショニングセンサの検出結果を処理してCPU71に出力する出力回路(図示せず)とを主に備えている。
省燃費モードスイッチセンサ装置65aは、省燃費モードスイッチ65の操作状態を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、省燃費モードスイッチ65の操作状態(操作位置)を検出するポジショニングセンサ(図示せず)と、そのポジショニングセンサの検出結果を処理してCPU71に出力する出力回路(図示せず)とを主に備えている。
省燃費運転支援装置84は、燃費を抑制するための運転を支援する装置であり、アクセルペダル61に反力を発生させる反力装置(図示せず)と、運転者に警告を発する警告装置(図示せず)とを主に備えて構成されている。CPU71は、省燃費モードスイッチセンサ65aから入力された省燃費モードスイッチ65の操作状態(操作位置)がオンである場合に、アクセルペダルセンサ装置61aにより検出されたアクセルペダル61の操作量に応じて、反力装置によりアクセルペダル61に反力を発生させると共に警告装置により運転者に警告を発する。
ナビゲーション装置85は、GPSを利用して車両1の現在位置を取得すると共に、車両1の現在位置から目的地までの走行経路を案内するための装置であり、GPS衛星から電波を受信して車両1の現在位置を取得する位置取得部85aと、地図データを取得する地図データ取得部85bと、その地図データ取得部85bにより取得した地図データ及び位置取得部85aにより取得した車両1の現在位置に基づいて目的地までの走行経路を導出する走行経路導出部(図示せず)と、その走行経路導出部により導出した目的地までの走行経路を映像や音声などにより案内する案内部(図示せず)とを主に備えている。
また、このナビゲーション装置85は、燃費を抑制するための運転を支援する省燃費運転支援装置としての機能を兼ね備えており、地図データ取得部85bにより取得した地図データ及び後述するVICS(登録商標)装置により取得した渋滞情報に基づいて車両1の加減速が少なくなるような目的地までの走行経路を走行経路導出部により導出可能に構成されている。
天気情報ラジオ装置86は、いわゆるFM文字多重放送(FM電波にのせたデジタル信号により文字情報を提供する放送)を利用して天気情報を取得すると共に、その取得した天気情報をCPU71に出力するための装置であり、デジタル信号を受信する受信部(図示せず)と、その受信部により受信したデジタル信号を処理して天気情報を取得する取得部(図示せず)と、その取得部により取得した天気情報を処理してCPU71に出力する出力回路(図示せず)とを主に備えている。CPU71は、天気情報ラジオ装置86から入力された天気情報およびナビゲーション装置85により取得した車両1の現在位置に基づいて、車両1の現在位置付近における天気情報を取得する。
外気温度センサ装置87は、車両1の車外の温度(外気温度)を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、外気温度を検出する温度センサ(図示せず)と、その温度センサの検出結果を処理してCPU71に出力する出力回路(図示せず)とを主に備えている。
図3に示す他の入出力装置90として、本実施の形態では、VICS装置を備えている。VICS装置は、VICSシステム(VICSセンターで編集・処理された各種情報をFM文字多重放送や道路上の発信器からリアルタイムに送信するシステム)を利用して交通情報を取得するための装置であり、信号を受信する受信部(図示せず)と、その受信部により受信した信号を処理して交通情報を取得する取得部(図示せず)と、その取得部により取得した交通情報を処理してCPU71に出力する出力回路(図示せず)とを主に備えている。CPU71は、VICS装置から入力された交通情報およびナビゲーション装置85により取得した車両1の現在位置に基づいて、車両1の現在位置付近における渋滞情報や道路情報(例えば、冬季規制であるかなど)を取得する。
なお、図3に示す他の入出力装置90としては、その他に、例えば、雨量を検出するための雨量センサや路面の状態を非接触で検出する光学センサなどが例示される。
次いで、図5を参照して、カウント処理について説明する。図5は、カウント処理を示すフローチャートである。この処理は、車両用制御装置100の電源が投入されている間、CPU71によって繰り返し(本実施の形態では1秒間隔で)実行される処理であり、アクセルペダル61、ブレーキペダル62又はステアリング63の急操作が所定の時間内(本実施の形態では10秒以内)に何回行われたかをカウントするものである。
CPU71は、カウント処理に関し、まず、アクセルペダル61の操作量が省燃費モードでの上限閾値A3(図4参照)以上であるか否かを判断する(S11)。その結果、アクセルペダル61の操作量が省燃費モードでの上限閾値A3以上であると判断される場合には(S11:Yes)、アクセルペダル61の急操作が行われたものとし、計数カウンタ73cの値を1つカウントアップして(S14)、S15の処理に移行する。
一方、S11の処理の結果、アクセルペダル61の操作量は省燃費モードでの上限閾値A3以上でない(上限閾値A3よりも小さい)と判断される場合には(S11:No)、次いで、ブレーキペダル62の操作量が省燃費モードでの上限閾値B3(図4参照)以上であるか否かを判断する(S12)。その結果、ブレーキペダル62の操作量が省燃費モードでの上限閾値B3以上であると判断される場合には(S12:Yes)、ブレーキペダル62の急操作が行われたものとし、計数カウンタ73cの値を1つカウントアップして(S14)、S15の処理に移行する。
一方、S12の処理の結果、ブレーキペダル62の操作量は省燃費モードでの上限閾値B3以上でない(上限閾値B3よりも小さい)と判断される場合には(S12:No)、次いで、ステアリング63の操作量が省燃費モードでの上限閾値S3(図4参照)以上であるか否かを判断する(S13)。その結果、ステアリング63の操作量が省燃費モードでの上限閾値S3以上であると判断される場合には(S13:Yes)、ステアリング63の急操作が行われたものとし、計数カウンタ73cの値を1つカウントアップして(S14)、S15の処理に移行する。
一方、S13の処理の結果、ステアリング63の操作量は省燃費モードでの上限閾値S3以上でない(上限閾値S3よりも小さい)と判断される場合には(S13:No)、次いで、計時カウンタ73bの値を1つカウントアップし(S15)、その計時カウンタ73bの値が所定値に達したか否かを判断する(S16)。その結果、計時カウンタ73bの値が所定値に達したと判断される場合には(S16:Yes)、計時カウンタ73b及び計数カウンタ73cの値をゼロクリアして(S17)、このカウント処理を終了する。
一方、計時カウンタ73bの値が所定値に達していないと判断される場合には(S16:No)、S17の処理をスキップして、このカウント処理を終了する。なお、本実施の形態では、S16の処理において判断の基準となる計時カウンタ73bの値(所定値)が10とされている。即ち、カウント処理は、上述したように1秒間隔で繰り返し実行される処理であるので、S16の処理では、10秒経過したか否かが判断される。
次いで、図6を参照して、キャンバ制御処理について説明する。図6は、キャンバ制御処理を示すフローチャートである。この処理は、車両用制御装置100の電源が投入されている間、CPU71によって繰り返し(例えば、0.2秒間隔で)実行される処理であり、車輪2のキャンバ角を制御することで、グリップ性能の確保と省燃費化との両立を図るものである。
CPU71は、キャンバ制御処理に関し、まず、省燃費モードスイッチ65がオンであるか、即ち、省燃費運転支援装置84が作動しているか否かを判断する(S21)。その結果、省燃費モードスイッチ65はオンでない(オフである)と判断される場合には(S21:No)、省燃費運転支援装置84は作動しておらず、運転者が燃費の良い運転を意識していない可能性がある。よって、この場合には(S21:No)、アクセルペダル61、ブレーキペダル62又はステアリング63の急操作が行われ、車両1が急加速、急制動または急旋回する恐れがあると考えられるので、通常モード処理(S30)を実行して、このキャンバ制御処理を終了する。
なお、通常モード処理(S30)では、アクセルペダル61、ブレーキペダル62及びステアリング63の操作量に対して通常モードでの閾値(図4参照)に基づいて車輪2のキャンバ角を制御し、後述する省燃費モード処理(S50)よりも遅いタイミングでキャンバ角の制御を解除することで、グリップ性能の確保を優先して図る。
一方、S21の処理の結果、省燃費モードスイッチ65がオンであると判断される場合には(S21:Yes)、省燃費運転支援装置84が作動しており、運転者が燃費の良い運転を意識していると考えられる。よって、この場合には(S21:Yes)、各ペダル61,62又はステアリング63の急操作が行われることは少なく、車両1が急加速、急制動または急旋回する恐れは低いと考えられるので、次いで、ワイパスイッチ64がオンであるか、即ち、ワイパが作動しているか否かを判断する(S22)。その結果、ワイパスイッチ64がオンであると判断される場合には(S22:Yes)、現在の天候が降雨や降雪を伴うものであり、路面が濡れていたり雪が積もっている可能性がある。よって、この場合には(S22:Yes)、路面の摩擦係数が低く、車両1がスリップする恐れがあると考えられるので、通常モード処理(S30)を実行して、このキャンバ制御処理を終了する。
一方、S22の処理の結果、ワイパスイッチ64はオンでない(オフである)と判断される場合には(S22:No)、現在の天候が降雨や降雪を伴うものでなく、車両1がスリップする恐れは低いと考えられるので、次いで、外気温度が所定値以下であるか否かを判断する(S23)。その結果、外気温度が所定値以下であると判断される場合には(S23:Yes)、路面が凍結しており、路面の摩擦係数が低くなっている可能性がある。また、路面が凍結していなくても、車輪2のトレッドが柔軟性を失いグリップ力が低下している可能性がある。よって、この場合には(S23:Yes)、車両1がスリップする恐れがあると考えられるので、通常モード処理(S30)を実行して、このキャンバ制御処理を終了する。なお、本実施の形態では、S23の処理において判断の基準となる温度(所定値)がセ氏零度とされている。
一方、S23の処理の結果、外気温度は所定値以下でない(所定値よりも高い)と判断される場合には(S23:No)、路面は凍結しておらず、また、車輪2のトレッドも柔軟性を保っており、車両1がスリップする恐れは低いと考えられるので、次いで、天気情報が雨または雪であるか否かを判断する(S24)。その結果、天気情報が雨または雪であると判断される場合には(S24:Yes)、ワイパスイッチ64がオンでなくても、現在の天候が降雨や降雪を伴うものであり、路面が濡れていたり雪が積もっている可能性がある。また、現在の天候が降雨や降雪を伴うものでなくても、その後、天候が変化する、或いは、雨や雪は既に止んでいるが、路面が濡れていたり雪が積もっている可能性がある。よって、この場合には(S24:Yes)、車両1がスリップする恐れがあると考えられるので、通常モード処理(S30)を実行して、このキャンバ制御処理を終了する。
一方、S24の処理の結果、天気情報は雨または雪でないと判断される場合には(S24:No)、降雨や降雪の影響を受ける心配がなく、車両1がスリップする恐れは低いと考えられるので、次いで、道路情報が冬季規制であるか、即ち、大雨や積雪などに起因する通行規制が行われているか否かを判断する(S25)。その結果、道路情報が冬季規制であると判断される場合には(S25:Yes)、大雨や積雪などに起因する通行規制が行われており、例えば、走行予定の路面(又は、走行中の路面)に雪が積もっている、或いは、土砂などが路面に流出している可能性がある。よって、この場合には(S25:Yes)、路面の摩擦係数が低く、車両1がスリップする恐れがあると考えられるので、通常モード処理(S30)を実行して、このキャンバ制御処理を終了する。
一方、S25の処理の結果、道路情報は冬季規制でないと判断される場合には(S25:No)、大雨や積雪などに起因する通行規制は行われておらず、車両1がスリップする恐れは低いと考えられるので、次いで、路面の摩擦係数が所定値以下であるか否かを判断する(S26)。その結果、路面の摩擦係数が所定値以下であると判断される場合には(S26:Yes)、車両1がスリップする恐れがあると考えられるので、通常モード処理(S30)を実行して、このキャンバ制御処理を終了する。
一方、S26の処理の結果、路面の摩擦係数は所定値以下でない(所定値よりも大きい)と判断される場合には(S26:No)、車両1がスリップする恐れは低いと考えられるので、計数カウンタ73cの値が所定値以上であるか否かを判断する(S27)。その結果、計数カウンタ73cの値が所定値以上であると判断される場合には(S27:Yes)、アクセルペダル61、ブレーキペダル62又はステアリング63の急操作が所定の時間内(本実施の形態では10秒以内)に頻繁に行われており、運転者が危険な運転を行っていると考えられる。よって、この場合には(S27:Yes)、車両1が急加速、急制動または急旋回する恐れがあると考えられるので、通常モード処理(S30)を実行して、このキャンバ制御処理を終了する。なお、本実施の形態では、S27の処理において判断の基準となる計数カウンタ73cの値(所定値)が5とされている。
一方、S27の処理の結果、計数カウンタ73cの値は所定値以上でない(所定値よりも小さい)と判断される場合には(S27:No)、運転者が安全運転を行っており、車両1が急加速、急制動または急旋回する恐れは低いと考えられるので、省燃費モード処理(S50)を実行して、このキャンバ制御処理を終了する。
なお、省燃費モード処理(S50)では、アクセルペダル61、ブレーキペダル62及びステアリング63の操作量に対して省燃費モードでの閾値(図4参照)に基づいて車輪2のキャンバ角を制御し、通常モード処理(S30)よりも早いタイミングでキャンバ角の制御を解除することで、省燃費化を優先して図る。
以上のように、本実施の形態では、S26の処理において、実際の路面の摩擦係数に基づいて車両1がスリップする恐れがあるかを判断すると共に、S22からS25の処理において各判断を行うことで車両1がスリップする恐れがあるかを推定する。これにより、例えば、接地荷重センサ装置82が故障して実際の路面の摩擦係数を取得することができなくても、車両1がスリップする恐れがあるかを推定できるので、フェールセーフ機能を確保することができる。
次いで、図7を参照して、通常モード処理(S30)について説明する。図7は、通常モード処理(S30)を示すフローチャートである。この処理は、上述したように、省燃費モード処理(S50)よりも遅いタイミングでキャンバ角の制御を解除することで、グリップ性能の確保を優先して図るものである。
CPU71は、通常モード処理(S30)に関し、まず、キャンバフラグ73aがオンであるか、即ち、車輪2のキャンバ角を制御中であるか否かを判断する(S31)。その結果、キャンバフラグ73aがオンであると判断される場合には(S31:Yes)、S37の処理に移行する。
一方、S31の処理の結果、キャンバフラグ73aはオンでない(オフである)と判断される場合には(S31:No)、キャンバ角を制御中でなく、車輪2のキャンバ角が定常角となっている。よって、この場合には(S31:No)、アクセルペダル61の操作量が通常モードでの上限閾値A1(図4参照)以上であるか否かを判断する(S32)。その結果、アクセルペダル61の操作量が通常モードでの上限閾値A1以上であると判断される場合には(S32:Yes)、車両1の加速度合いが比較的大きく、グリップ性能の確保が必要であると考えられるので、キャンバ角を制御して車輪2にネガティブキャンバを付与すると共に(S35)、キャンバフラグ73aをオンして(S36)、この通常モード処理(S30)を終了する。その結果、車輪2にネガティブキャンバが付与されることで、第1トレッド21の接地面積が増加する。これにより、第1トレッド21の高グリップ性を発揮させて、グリップ性能を確保することができる。なお、本実施の形態では、S35の処理において車輪2に付与するネガティブキャンバのキャンバ角が5度とされている。
一方、S32の処理の結果、アクセルペダル61の操作量は通常モードでの上限閾値A1以上でない(上限閾値A1よりも小さい)と判断される場合には(S32:No)、車両1の加速度合いが比較的小さく、グリップ性能の確保は不要であると考えられるので、キャンバ角を制御することなく、次いで、ブレーキペダル62の操作量が通常モードでの上限閾値B1(図4参照)以上であるか否かを判断する(S33)。その結果、ブレーキペダル62の操作量が通常モードでの上限閾値B1以上であると判断される場合には(S33:Yes)、車両1の制動度合いが比較的大きく、グリップ性能の確保が必要であると考えられるので、キャンバ角を制御して車輪2にネガティブキャンバを付与すると共に(S35)、キャンバフラグ73aをオンして(S36)、この通常モード処理(S30)を終了する。
一方、S33の処理の結果、ブレーキペダル62の操作量は通常モードでの上限閾値B1以上でない(上限閾値B1よりも小さい)と判断される場合には(S33:No)、車両1の制動度合いが比較的小さく、グリップ性能の確保は不要であると考えられるので、キャンバ角を制御することなく、次いで、ステアリング63の操作量が通常モードでの上限閾値S1(図4参照)以上であるか否かを判断する(S34)。その結果、ステアリング63の操作量が通常モードでの上限閾値S1以上であると判断される場合には(S34:Yes)、車両1の旋回度合いが比較的大きく、グリップ性能の確保が必要であると考えられるので、キャンバ角を制御して車輪2にネガティブキャンバを付与すると共に(S35)、キャンバフラグ73aをオンして(S36)、この通常モード処理(S30)を終了する。
一方、S34の処理の結果、ステアリング63の操作量は通常モードでの上限閾値S1以上でない(上限閾値S1よりも小さい)と判断される場合には(S34:No)、車両1の旋回度合いが比較的小さく、グリップ性能の確保は不要であると考えられるので、キャンバ角を制御することなく、この通常モード処理(S30)を終了する。その結果、車輪2のキャンバ角が定常角に維持されることで、第2トレッド22の低転がり抵抗を発揮させて、省燃費化を図ることができる。
これに対し、S31の処理の結果、キャンバフラグ73aがオンであると判断される場合には(S31:Yes)、キャンバ角を制御中であり、車輪2にネガティブキャンバが付与されている。よって、この場合には(S31:Yes)、アクセルペダル61の操作量が通常モードでの下限閾値A2(図4参照)以下であるか否かを判断する(S37)。その結果、アクセルペダル61の操作量が通常モードでの下限閾値A2以下であると判断される場合には(S37:Yes)、車両1の加速度合いが比較的小さく、グリップ性能の確保は不要であると考えられるので、キャンバ角の制御を解除して車輪2のキャンバ角を定常角に復帰すると共に(S40)、キャンバフラグ73aをオフして(S41)、この通常モード処理(S30)を終了する。その結果、車輪2のキャンバ角が定常角に復帰されることで、第2トレッド22の接地面積が増加する。これにより、第2トレッド22の低転がり抵抗を発揮させて、省燃費化を図ることができる。
一方、S37の処理の結果、アクセルペダル61の操作量は通常モードでの下限閾値A2以下でない(下限閾値A2よりも大きい)と判断される場合には(S37:No)、車両1の加速度合いが比較的大きく、グリップ性能の確保が必要であると考えられるので、キャンバ角の制御を解除することなく、次いで、ブレーキペダル62の操作量が通常モードでの下限閾値B2(図4参照)以下であるか否かを判断する(S38)。その結果、ブレーキペダル62の操作量が通常モードでの下限閾値B2以下であると判断される場合には(S38:Yes)、車両1の制動度合いが比較的小さく、グリップ性能の確保は不要であると考えられるので、キャンバ角の制御を解除して車輪2のキャンバ角を定常角に復帰すると共に(S40)、キャンバフラグ73aをオフして(S41)、この通常モード処理(S30)を終了する。
一方、S38の処理の結果、ブレーキペダル62の操作量は通常モードでの下限閾値B2以下でない(下限閾値B2よりも大きい)と判断される場合には(S38:No)、車両1の制動度合いが比較的大きく、グリップ性能の確保が必要であると考えられるので、キャンバ角の制御を解除することなく、次いで、ステアリング63の操作量が通常モードでの下限閾値S2(図4参照)以下であるか否かを判断する(S39)。その結果、ステアリング63の操作量が通常モードでの下限閾値S2以下であると判断される場合には(S39:Yes)、車両1の旋回度合いが比較的小さく、グリップ性能の確保は不要であると考えられるので、キャンバ角の制御を解除して車輪2のキャンバ角を定常角に復帰すると共に(S40)、キャンバフラグ73aをオフして(S41)、この通常モード処理(S30)を終了する。
一方、S39の処理の結果、ステアリング63の操作量は通常モードでの下限閾値S2以下でない(下限閾値S2よりも大きい)と判断される場合には(S39:No)、車両1の旋回度合いが比較的大きく、グリップ性能の確保が必要であると考えられるので、キャンバ角の制御を解除することなく、この通常モード処理(S30)を終了する。その結果、車輪2がネガティブキャンバに維持されることで、第1トレッド21の高グリップ性を発揮させて、グリップ性能を確保することができる。
次いで、図8を参照して、省燃費モード処理(S50)について説明する。図8は、省燃費モード処理(S50)を示すフローチャートである。この処理は、上述したように、通常モード処理(S30)よりも早いタイミングでキャンバ角の制御を解除することで、省燃費化を優先して図るものである。
なお、省燃費モード処理(S50)では、通常モード処理(S30)に対して、車輪2のキャンバ角を制御する閾値が異なる。具体的には、通常モード処理(S30)では、通用モードでの閾値(図4参照)に基づいて車輪2のキャンバ角を制御したが、省燃費モード処理(S50)では、省燃費モードでの閾値(図4参照)に基づいて車輪2のキャンバ角を制御する。
CPU71は、省燃費モード処理(S50)に関し、まず、通常モード処理(S30)と同様に、キャンバフラグ73aがオンであるか、即ち、車輪2のキャンバ角を制御中であるか否かを判断する(S51)。その結果、キャンバフラグ73aがオンであると判断される場合には(S51:Yes)、S57の処理に移行する。
一方、S51の処理の結果、キャンバフラグ73aはオンでない(オフである)と判断される場合には(S51:No)、アクセルペダル61の操作量が省燃費モードでの上限閾値A3(図4参照)以上であるか否かを判断する(S52)。その結果、アクセルペダル61の操作量が省燃費モードでの上限閾値A3以上であると判断される場合には(S52:Yes)、キャンバ角を制御して車輪2にネガティブキャンバを付与すると共に(S55)、キャンバフラグ73aをオンして(S56)、この省燃費モード処理(S50)を終了する。
一方、S52の処理の結果、アクセルペダル61の操作量は省燃費モードでの上限閾値A3以上でない(上限閾値A3よりも小さい)と判断される場合には(S52:No)、キャンバ角を制御することなく、次いで、ブレーキペダル62の操作量が省燃費モードでの上限閾値B3(図4参照)以上であるか否かを判断する(S53)。その結果、ブレーキペダル62の操作量が省燃費モードでの上限閾値B3以上であると判断される場合には(S53:Yes)、キャンバ角を制御して車輪2にネガティブキャンバを付与すると共に(S55)、キャンバフラグ73aをオンして(S56)、この省燃費モード処理(S50)を終了する。
一方、S53の処理の結果、ブレーキペダル62の操作量は省燃費モードでの上限閾値B3以上でない(上限閾値B3よりも小さい)と判断される場合には(S53:No)、キャンバ角を制御することなく、次いで、ステアリング63の操作量が省燃費モードでの上限閾値S3(図4参照)以上であるか否かを判断する(S54)。その結果、ステアリング63の操作量が省燃費モードでの上限閾値S3以上であると判断される場合には(S54:Yes)、キャンバ角を制御して車輪2にネガティブキャンバを付与すると共に(S55)、キャンバフラグ73aをオンして(S56)、この省燃費モード処理(S50)を終了する。
一方、S54の処理の結果、ステアリング63の操作量は省燃費モードでの上限閾値S3以上でない(上限閾値S3よりも小さい)と判断される場合には(S54:No)、キャンバ角を制御することなく、この省燃費モード処理(S50)を終了する。
これに対し、S51の処理の結果、キャンバフラグ73aがオンであると判断される場合には(S51:Yes)、アクセルペダル61の操作量が省燃費モードでの下限閾値A4(図4参照)以下であるか否かを判断する(S57)。その結果、アクセルペダル61の操作量が省燃費モードでの下限閾値A4以下であると判断される場合には(S57:Yes)、キャンバ角の制御を解除して車輪2のキャンバ角を定常角に復帰すると共に(S60)、キャンバフラグ73aをオフして(S61)、この省燃費モード処理(S50)を終了する。
一方、S57の処理の結果、アクセルペダル61の操作量は省燃費モードでの下限閾値A4以下でない(下限閾値A4よりも大きい)と判断される場合には(S57:No)、キャンバ角の制御を解除することなく、次いで、ブレーキペダル62の操作量が省燃費モードでの下限閾値B4(図4参照)以下であるか否かを判断する(S58)。その結果、ブレーキペダル62の操作量が省燃費モードでの下限閾値B4以下であると判断される場合には(S58:Yes)、キャンバ角の制御を解除して車輪2のキャンバ角を定常角に復帰すると共に(S60)、キャンバフラグ73aをオフして(S61)、この省燃費モード処理(S50)を終了する。
一方、S58の処理の結果、ブレーキペダル62の操作量は省燃費モードでの下限閾値B4以下でない(下限閾値B4よりも大きい)と判断される場合には(S58:No)、キャンバ角の制御を解除することなく、次いで、ステアリング63の操作量が省燃費モードでの下限閾値S4(図4参照)以下であるか否かを判断する(S59)。その結果、ステアリング63の操作量が省燃費モードでの下限閾値S4以下であると判断される場合には(S59:Yes)、キャンバ角の制御を解除して車輪2のキャンバ角を定常角に復帰すると共に(S60)、キャンバフラグ73aをオフして(S61)、この省燃費モード処理(S50)を終了する。
一方、S59の処理の結果、ステアリング63の操作量は省燃費モードでの下限閾値S4以下でない(下限閾値S4よりも大きい)と判断される場合には(S59:No)、キャンバ角の制御を解除することなく、この省燃費モード処理(S50)を終了する。
ここで、図9を参照して、通常モード処理(S30)により車輪2のキャンバ角を制御するタイミングと、省燃費モード処理(S50)により車輪2のキャンバ角を制御するタイミングとの違いについて説明する。
図9は、アクセルペダル61、ブレーキペダル62及びステアリング63の操作量と車輪2のキャンバ角を制御するタイミングとの関係を示したグラフである。なお、図9において、実線Nは通常モード処理(S30)に、実線Eは省燃費モード処理(S50)に、それぞれ対応する。
図9に示すように、キャンバ角を制御して車輪2にネガティブキャンバを付与するタイミングは、通常モード処理(S30)と省燃費モード処理(S50)とが同じタイミングであるのに対し、キャンバ角の制御を解除して車輪2のキャンバ角を定常角に復帰するタイミングは、通常モード処理(S30)と省燃費モード処理(S50)とが異なるタイミングとされており、省燃費モード(S50)が通常モード処理(S30)よりも早いタイミングとされている。
以上説明したように、本実施の形態によれば、省燃費運転支援装置84が作動している状態では、省燃費運転支援装置84が作動していない状態に対して第2トレッド22の低転がり抵抗を早期に発揮させることができ、省燃費化を優先して図ることができる。
一方、省燃費運転支援装置84が作動していない状態では、省燃費運転支援装置84が作動している状態に対して第2トレッド22の低転がり抵抗を発揮させるタイミングを遅延させて、グリップ性能の確保を優先して図ることができる。
このように、本実施の形態によれば、省燃費運転支援装置84が作動しているかに応じてキャンバ角を制御するタイミングを変更することで、単にグリップ性能の確保と省燃費化との両立を図るのみでなく、グリップ性能の確保と省燃費化との両立を効率良く図ることができる。
また、省燃費運転支援装置84が作動しているかに加え、車両1の周辺における周辺状況(天候、外気温度、道路情報および路面の摩擦係数)に応じてキャンバ角を制御するタイミングを変更することで、グリップ性能の確保と省燃費化との両立をより一層効率良く図ることができる。
更に、省燃費運転支援装置84が作動しているかに加え、運転者が操作する操作部材(アクセルペダル61、ブレーキペダル62及びステアリング63)の操作状態(操作頻度)に応じてキャンバ角を制御するタイミングを変更することで、グリップ性能の確保と省燃費化との両立をより一層効率良く図ることができる。
次いで、図10から図12を参照して、第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、図7に示す通常モード処理(S30)において、アクセルペダル61、ブレーキペダル62又はステアリング63の操作量が通常モードでの下限閾値以下であると判断される場合にキャンバ角の制御を解除したが、第2実施の形態では、ブレーキペダル62又はステアリング63の操作量が通常モードでの下限閾値以下であると判断される状態で所定の時間が経過した後にキャンバ角の制御を解除するように構成されている。
なお、第1実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。また、第2実施の形態では、第1実施の形態における車両1を車両用制御装置200によって制御する場合を例に説明する。
図10は、第2実施の形態における車両用制御装置200の電気的構成を示したブロック図である。車両用制御装置200は、図10に示すように、CPU71、ROM72及びRAM273を備え、それらがバスライン74を介して入出力ポート75に接続されている。また、入出力ポート75には、タイマ288等の装置が接続されている。
RAM273は、制御プログラムの実行時に各種のデータを書き換え可能に記憶するためのメモリであり、図10に示すように、キャンバフラグ73a、計時カウンタ73b、計数カウンタ73c及び計時フラグ273dが設けられている。
計時フラグ273dは、後述するタイマ288により計時を行っている状態であるか否かを示すフラグであり、CPU71は、この計時フラグ273dがオンの場合に、計時中であると判断する。なお、計時フラグ273dは、車両用制御装置200の電源が投入された時点でオフされる。
タイマ288は、時間を計測するための計時装置であり、時間を計測する計時部(図示せず)と、その計時部により計測した時間を処理してCPU71に出力する出力回路(図示せず)とを主に備えている。
次いで、図11を参照して、第2実施の形態における通常モード処理(S230)について説明する。図11は、第2実施の形態における通常モード処理(S230)を示すフローチャートである。この処理は、キャンバ制御処理(図6参照)において、第1実施の形態における通常モード処理(S30)に代えて実行される処理である。
CPU71は、第2実施の形態における通常モード処理(S230)に関し、アクセルペダル61の操作量が通常モードでの下限閾値A2(図4参照)以下であると判断される場合(S37:Yes)、ブレーキペダル62の操作量が通常モードでの下限閾値B2(図4参照)以下であると判断される場合(S38:Yes)又はステアリング63の操作量が通常モードでの下限閾値S2(図4参照)以下であると判断される場合(S39:Yes)に、計時フラグ273dがオンであるか、即ち、タイマ288により計時中であるか否かを判断する(S240)。その結果、計時フラグ273dはオンでない(オフである)と判断される場合には(S240:No)、タイマ288により計時を開始すると共に(S241)、計時フラグ273dをオンして(S242)、この通常モード処理(S230)を終了する。
一方、S240の処理の結果、計時フラグ273dがオンであると判断される場合には(S240:Yes)、計時中であるので、S241及びS242の処理をスキップして、この通常モード処理(S230)を終了する。
次いで、図12を参照して、タイマ処理について説明する。図12は、タイマ処理を示すフローチャートである。この処理は、車両用制御装置100の電源が投入されている間、CPU71によって繰り返し(例えば、0.2秒間隔で)実行される処理であり、所定の時間(本実施の形態では5秒)が経過した後にキャンバ角の制御を解除するものである。
CPU71は、タイマ処理に関し、まず、計時フラグ273dがオンであるか、即ち、タイマ288により計時中であるか否かを判断する(S271)。その結果、計時フラグ273dがオンであると判断される場合には(S271:Yes)、計時中であるので、次いで、所定の時間が経過したか否かを判断する(S272)。
一方、S271の処理の結果、計時フラグ273dはオンでない(オフである)と判断される場合には(S271:No)、S272以降の処理をスキップして、このタイマ処理を終了する。なお、本実施の形態では、S272の処理において判断の基準となる時間(所定の時間)が5秒とされている。また、S272の処理の結果、所定の時間は経過していないと判断される場合にも(S272:No)、このタイマ処理を終了する。
S272の処理の結果、所定の時間が経過したと判断される場合には(S272:Yes)、アクセルペダル61の操作量が通常モードでの上限閾値A1(図4参照)以上であるか否か、ブレーキペダル62の操作量が通常モードでの上限閾値B1(図4参照)以上であるか否か、ステアリング63の操作量が通常モードでの上限閾値S1(図4参照)以上であるか否か、をそれぞれ判断する(S273、S274、S275)。その結果、アクセルペダル61、ブレーキペダル62及びステアリング63の操作量がいずれも通常モードでの上限閾値以上でない(上限閾値よりも小さい)と判断される場合には(S273:No、S274:No及びS275:No)、キャンバ角の制御を解除して車輪2のキャンバ角を定常角に復帰すると共に(S276)、キャンバフラグ73aをオフする(S277)。そして、タイマ288による計時を終了すると共に(S278)、計時フラグ273dをオフして(S279)、このタイマ処理を終了する。その結果、車輪2のキャンバ角が定常角に復帰されることで、第2トレッド22の接地面積が増加する。これにより、第2トレッド22の低転がり抵抗を発揮させて、省燃費化を図ることができる。
一方、S273、S274又はS275の処理の結果、アクセルペダル61、ブレーキペダル62又はステアリング63の操作量のいずれか1つでも通常モードでの上限閾値以上であると判断される場合には(S273:Yes、S274:Yes又はS275:Yes)、計時を開始してから所定の時間が経過するまでの間に車両1の加速度合い、制動度合い又は旋回度合いが比較的大きくなり、グリップ性能の確保が必要となったと考えられるので、キャンバ角の制御を解除することなく、タイマ288による計時を終了すると共に(S278)、計時フラグ277dをオフして(S279)、このタイマ処理を終了する。その結果、車輪2がネガティブキャンバに維持されることで、第1トレッド21の高グリップ性を発揮させて、グリップ性能を確保することができる。
次いで、図13及び図14を参照して、第3実施の形態について説明する。第1実施の形態では、図7に示す通常モード処理(S30)において、アクセルペダル61、ブレーキペダル62又はステアリング63の操作量が通常モードでの下限閾値以下であると判断される場合にキャンバ角の制御を解除したが、第3実施の形態では、アクセルペダル61、ブレーキペダル62又はステアリング63の操作量が通常モードでの下限閾値以下であると判断される状態で、それらアクセルペダル61、ブレーキペダル62又はステアリング63の操作量の所定の時間内における平均の操作量(以下「平均操作量」と称す)が所定の操作量以下となった後にキャンバ角の制御を解除するように構成されている。
なお、第1実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。また、第3実施の形態では、第1実施の形態における車両1を車両用制御装置300によって制御する場合を例に説明する。
図13は、第3実施の形態における車両用制御装置300の電気的構成を示したブロック図である。車両用制御装置300は、図13に示すように、CPU71、ROM72及びRAM373を備え、それらがバスライン74を介して入出力ポート75に接続されている。
RAM373は、制御プログラムの実行時に各種のデータを書き換え可能に記憶するためのメモリであり、図13に示すように、キャンバフラグ73a、計時カウンタ73b、計数カウンタ73c及び平均操作量メモリ373dが設けられている。
平均操作量メモリ373dは、アクセルペダル61、ブレーキペダル62及びステアリング63の所定の時間内における平均操作量をそれぞれ記憶するためのメモリであり、CPU71は、アクセルペダルセンサ装置61a、ブレーキペダルセンサ装置62a及びステアリングセンサ装置63aから入力されたアクセルペダル61、ブレーキペダル62及びステアリング63の各操作量の所定の時間内(本実施の形態では5秒間)における平均をそれぞれ算出して平均操作量メモリ373dに記憶する。なお、CPU71は、各平均操作量を1秒毎に算出すると共に、1秒毎に平均操作量メモリ373dの内容を更新する。
次いで、図14を参照して、第3実施の形態における通常モード処理(S330)について説明する。図14は、第3実施の形態における通常モード処理(S330)を示すフローチャートである。この処理は、キャンバ制御処理(図6参照)において、第1実施の形態における通常モード処理(S30)に代えて実行される処理である。
CPU71は、第3実施の形態における通常モード処理(S330)に関し、アクセルペダル61の操作量が通常モードでの下限閾値A2(図4参照)以下であると判断される場合(S37:Yes)、ブレーキペダル62の操作量が通常モードでの下限閾値B2(図4参照)以下であると判断される場合(S38:Yes)又はステアリング63の操作量が通常モードでの下限閾値S2(図4参照)以下であると判断される場合(S39:Yes)に、平均操作量メモリ373eに記憶されている平均操作量が所定の操作量以下であるか否かを判断する(S340)。
具体的には、アクセルペダル61の操作量が通常モードでの下限閾値A2以下であると判断される場合には(S37:Yes)、平均操作量メモリ373dに記憶されているアクセルペダル61の平均操作量が所定の操作量以下であるか否かを判断する(S340)。なお、本実施の形態では、判断の基準となるアクセルペダル61の平均操作量(所定の操作量)が20%とされている。
また、ブレーキペダル62の操作量が通常モードでの下限閾値B2以下であると判断される場合には(S38:Yes)、平均操作量メモリ373dに記憶されているブレーキペダル62の平均操作量が所定の操作量以下であるか否かを判断する(S340)。なお、本実施の形態では、判断の基準となるブレーキペダル62の平均操作量(所定の操作量)が20%とされている。
また、ステアリング63の操作量が通常モードでの下限閾値S2以下であると判断される場合には(S39:Yes)、平均操作量メモリ373dに記憶されているステアリング63の平均操作量が所定の操作量以下であるか否かを判断する(S340)。なお、本実施の形態では、判断の基準となるステアリング63の平均操作量(所定の操作量)が20度とされている。
S340の処理の結果、平均操作量メモリ373dに記憶されている平均操作量が所定の操作量以下であると判断される場合には(S340:Yes)、車両1の加速度合い、制動度合い及び旋回度合いが比較的小さく、グリップ性能の確保は不要であると考えられるので、キャンバ角の制御を解除して車輪2のキャンバ角を定常角に復帰すると共に(S341)、キャンバフラグ73aをオフして(S342)、この通常時モード処理(S330)を終了する。その結果、車輪2のキャンバ角が定常角に復帰されることで、第2トレッド22の接地面積が増加する。これにより、第2トレッド22の低転がり抵抗を発揮させて、省燃費化を図ることができる。
一方、S340の処理の結果、平均操作量メモリ373dに記憶されている平均操作量が所定の操作量以下でない(所定の操作量よりも大きい)と判断される場合には(S340:No)、未だ車両1の加速度合い、制動度合い又は旋回度合いが比較的大きく、グリップ性能の確保が必要であると考えられるので、キャンバ角の制御を解除することなく、この通常モード処理(S330)を終了する。その結果、車輪2がネガティブキャンバに維持されることで、第1トレッド21の高グリップ性を発揮させて、グリップ性能を確保することができる。
次いで、図15を参照して、第4実施の形態について説明する。第1実施の形態では、省燃費運転支援装置84によりアクセルペダル61に反力を発生させると共に運転者に警告を発することで燃費を抑制するための運転が支援されたが、第4実施の形態では、車両1の加減速が少なくなるような目的地までの走行経路(以下「省燃費経路」と称す)をナビゲーション装置85により案内することで燃費を抑制するための運転が支援されるように構成されている。
図15は、第4実施の形態におけるキャンバ制御処理を示すフローチャートである。この処理は、第1実施の形態におけるキャンバ制御処理(図6参照)に代えて実行される処理である。
CPU71は、第4実施の形態におけるキャンバ制御処理に関し、まず、省燃費経路を案内中であるか、即ち、車両1の加減速が少なくなるような目的地までの走行経路をナビゲーション装置85により案内している状態であるか否か(ナビゲーション装置85が作動しているか否か)を判断する(S421)。その結果、省燃費経路を案内中でないと判断される場合には(S421:No)、運転者が燃費の良い運転を意識していない可能性がある。よって、この場合には(S411:No)、アクセルペダル61、ブレーキペダル62又はステアリング63の急操作が行われ、車両1が急加速、急制動または急旋回する恐れがあると考えられるので、通常モード処理(S30)を実行して、このキャンバ制御処理を終了する。
一方、S421の処理の結果、省燃費経路を案内中であると判断される場合には(S421:Yes)、運転者が燃費の良い運転を意識していると考えられる。よって、この場合には(S421:Yes)、各ペダル61,62又はステアリング63の急操作が行われることは少なく、車両1が急加速、急制動または急旋回する恐れは低いと考えられるので、次いで、車両1の現在位置が省燃費経路上に位置しているか否かを判断する(S422)。その結果、車両1の現在位置は省燃費経路上に位置していないと判断される場合には(S422:No)、省燃費経路から外れて走行しており、各ペダル61,62又はステアリング63の急操作が行われる可能性がある。よって、この場合には(S422:No)、車両1が急加速、急制動または急旋回する恐れがあると考えられるので、通常モード処理(S30)を実行して、このキャンバ制御処理を終了する。
一方、S422の処理の結果、車両1の現在位置が省燃費経路上に位置していると判断される場合には(S422:Yes)、省燃費経路上を走行しており、各ペダル61,62又はステアリング63の急操作が行われることは少ないと考えられる。よって、この場合には(S422:Yes)、車両1が急加速、急制動または急旋回する恐れは低いと考えられるので、次いで、第1実施の形態におけるキャンバ制御処理と同様に、S22以降の処理を実行する。
このように、本実施の形態によれば、省燃費運転支援装置としてのナビゲーション装置85が作動しているか、即ち、省燃費経路を案内しているかに加え、車両1の現在位置が省燃費経路上に位置しているかに応じてキャンバ角を制御するタイミングを変更することで、グリップ性能の確保と省燃費化との両立をより一層効率良く図ることができる。
次いで、図16及び図17を参照して、第5実施の形態について説明する。第1実施の形態では、制御対象である車両1が、左右の前輪2FL,2FR及び左右の後輪2RL,2RRを含む全ての車輪2のキャンバ角をキャンバ角調整装置44により調整可能に構成される場合を説明したが、第2実施の形態における車両501は、左右の後輪502RL,502RRのみのキャンバ角がキャンバ角調整装置544により調整可能とされ、左右の前輪502FL,502FRについてはキャンバ角の調整を行わない構成とされている。
また、第1実施の形態では、制御対象である車両1が、左右の前輪2FL,2FR及び左右の後輪2RL,2RRを含む全ての車輪2が同じ構成とされる場合を説明したが、第5実施の形態における車両501は、左右の前輪502FL,502FRと左右の後輪502RL,502RRとが異なる構成とされている。
更に、第1実施の形態では、車輪2に2種類のトレッド面を設ける場合を説明したが、第5実施の形態では、車輪502に1種類のトレッド面のみが設けられている。なお、上記各実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図16は、第5実施の形態における車両用制御装置500が搭載される車両501を模式的に示した模式図である。まず、車両501の概略構成について説明する。
図16に示すように、車両501は、複数の車輪502を備え、その車輪502は、車両501の前方側(矢印F方向側)に位置する左右の前輪502FL,502FRと、車両501の後方側(矢印B方向側)に位置する左右の後輪502RL,502RRとから構成されている。
車輪502は、左右の前輪502FL,502FRが互いに同じ形状および特性に構成されると共に、左右の後輪502RL,502RRが互いに同じ形状および特性に構成されている。また、左右の前輪502FL,502FRは、そのトレッドの幅(図16左右方向の寸法)が、左右の後輪502RL,502RRのトレッドの幅よりも広い幅に設定されている。なお、左右の前輪502FL,502FRのトレッドと左右の後輪502RL,502RRのトレッドとは同じ特性に構成されている。
また、車輪502は、左右の前輪502FL,502FRが懸架装置504によって車体フレームBFに連結される一方、左右の後輪502RL,502RRが懸架装置4によって車体フレームBFに連結されている。なお、懸架装置504は、左右の前輪502FL,502FRのキャンバ角を調整する機能が省略されている点(即ち、図2に示す懸架装置4において、FRアクチュエータ44FRによる伸縮機能が省略されている点)を除き、その他の構成は懸架装置4と同じ構成であるので、その説明は省略する。
このように、第5実施の形態における車両501は、左右の後輪502RL,502RRのトレッドの幅が、左右の前輪502FL,502FRのトレッドの幅よりも狭くされているので、前輪502FL,502FRの路面に対する摩擦係数を、後輪502RL,502RRの路面に対する摩擦係数よりも大きくすることができる。その結果、制動力の向上を図ることができる。また、左右の前輪502FL,502FRが駆動輪とされる本実施の形態においては、加速性能の向上を図ることができる。
一方、左右の後輪502RL,502RRの転がり抵抗を、左右の前輪502FL,502FRの転がり抵抗よりも小さくすることができるので、その分、省燃費化を図ることができる。また、左右の後輪502RL,502RRにキャンバ角を付与することができるので、横力を発生させて、旋回性能の向上を図ることができる。その結果、走行性能の向上を図ることができる。即ち、走行性能の向上とは、上記第1から第4実施の形態における第1トレッド21の高グリップ特性により得られる性能の向上に限られるものではなく、本実施の形態のように、横力の発揮による性能の向上も含む趣旨である。
車両用制御装置500は、上述したように構成される車両501の各部を制御するための装置であり、例えば、各ペダル61,62やステアリング63の操作状態に応じてキャンバ角調整装置544(図16参照)を作動させることで、左右の後輪502RL,502RRのキャンバ角を制御する。
次いで、図17を参照して、車両用制御装置500の詳細構成について説明する。図17は、第5実施の形態における車両用制御装置500の電気的構成を示したブロック図である。
車両用制御装置500は、第1実施例における車両用制御装置100に対し、第2実施の形態における計時フラグ273dと、第3実施の形態における平均操作量メモリ373dとを加えた構成とされている。また、入出力ポート75には、第1実施の形態における各種入出力装置(例えば、車輪駆動装置3等)の内の、キャンバ角調整装置44及びキャンバ角センサ装置80に代えて、キャンバ角調整装置544及びキャンバ角センサ装置580を設けると共に、第2実施の形態におけるタイマ288を更に接続した構成とされている。
キャンバ角調整装置544は、左右の後輪502RL,502RRのキャンバ角をそれぞれ調整するための装置であり、左右の後輪502RL,502RRにキャンバ角を付与する合計2個のRL,RRアクチュエータ44RL,44RRと、それら各アクチュエータ44RL,44RRをCPU71からの指示に基づいて駆動制御する駆動制御回路(図示せず)とを主に備えている。
キャンバ角センサ装置580は、左右の後輪502RL,502RRのキャンバ角を検出すると共に、その検出結果をCPU71に出力するための装置であり、左右の後輪502RL,502RRのキャンバ角をそれぞれ検出する合計2個のRL,RRキャンバ角センサ80RL,80RRと、それら各キャンバ角センサ80RL,80RRの検出結果を処理してCPU71に出力する出力回路(図示せず)とを主に備えている。
即ち、第5実施の形態におけるキャンバ角調整装置54及びキャンバ角センサ装置580は、第1実施の形態におけるキャンバ角調整装置4及びキャンバ角センサ装置80の一部(左右の前輪502FL,502FRに対応する部分)を省略して構成されている。
以上のように構成された第5実施の形態における車両用制御装置500によれば、車両501を、上述した第1実施の形態から第4実施の形態の場合と同様に、制御することができる。
例えば、第5実施の形態における車両用制御装置500により、車両501を、第1実施の形態と同様に制御する場合には、通常モード処理(S30、図7参照)におけるS35、S45の処理、及び、省燃費モード処理(S50、図8参照)におけるS55、S60の処理のみを変更し、他の処理は第1実施の形態の場合と同様とする。
即ち、通常モード処理(S30、図7参照)のS35の処理において、第1実施の形態では、キャンバ角を制御して全ての車輪2にネガティブキャンバを付与したが、第5実施の形態では、キャンバ角を制御して左右の後輪502RL,502RRにネガティブキャンバを付与する。これにより、左右の後輪502RL,502RRにネガティブキャンバが付与されることで、横力を発揮させて、操縦安定性の向上を図ることができる。
また、通常モード処理(S30、図7参照)のS40の処理において、第5実施の形態では、ネガティブキャンバが付与された左右の後輪502RL,502RRのキャンバ角を解除して、かかる左右の後輪502RL,502RRのキャンバ角を定常角に復帰させる。これにより、左右の後輪502RL,502RRの転がり抵抗を小さくして、省燃費化を図ることができる。
同様に、省燃費モード処理(S50、図8参照)のS55の処理において、第1実施の形態では、キャンバ角を制御して全ての車輪2にネガティブキャンバを付与したが、第5実施の形態では、キャンバ角を制御して左右の後輪502RL,502RRにネガティブキャンバを付与する。これにより、左右の後輪502RL,502RRにネガティブキャンバが付与されることで、横力を発揮させて、操縦安定性の向上を図ることができる。
また、省燃費モード処理(S50、図8参照)のS60の処理において、第5実施の形態では、ネガティブキャンバが付与された左右の後輪502RL,502RRのキャンバ角を解除して、かかる左右の後輪502RL,502RRのキャンバ角を定常角に復帰させる。これにより、左右の後輪502RL,502RRの転がり抵抗を小さくして、省燃費化を図ることができる。
なお、第5実施の形態では、通常モード処理のS35及び省燃費モード処理のS55の処理において左右の車輪502RL,502RRに付与するネガティブキャンバのキャンバ角が5度とされている。
このように、第5実施の形態における車両用制御装置500により、車両501を、第1実施の形態と同様に制御することで、省燃費運転支援装置84が作動している状態では、省燃費運転支援装置84が作動していない状態に対して、左右の後輪502RL,502RRの転がり抵抗を早期に小さくすることができ、省燃費化を優先して図ることができる。
一方、省燃費運転支援装置84が作動していない状態では、省燃費運転支援装置84が作動している状態に対して左右の後輪502RL,502RRの転がり抵抗を小さくするタイミングを遅延させて、走行性能の確保(即ち、ネガティブキャンバの付与)を優先して図ることができる。
また、例えば、第5実施の形態における車両用制御装置500により、車両501を、第2実施の形態と同様に制御する場合には、第1実施の形態における処理に代えて実行される処理、即ち、通常モード処理(S230、図11参照)におけるS35の処理、及び、タイマ処理(図12参照)におけるS276の処理を変更し、他の処理は第1実施の形態および第2実施の形態の場合と同様である。
即ち、通常モード処理(S230、図11参照)のS35の処理において、第5実施の形態では、キャンバ角を制御して左右の後輪502RL,502RRにネガティブキャンバを付与する。これにより、左右の後輪502RL,502RRにネガティブキャンバが付与されることで、横力を発揮させて、操縦安定性の向上を図ることができる。
また、タイマ処理(図12参照)のS276の処理において、第5実施の形態では、ネガティブキャンバが付与された左右の後輪502RL,502RRのキャンバ角を解除して、かかる左右の後輪502RL,502RRのキャンバ角を定常角に復帰させる。これにより、左右の後輪502RL,502RRの転がり抵抗を小さくして、省燃費化を図ることができる。
また、例えば、第5実施の形態における車両用制御装置500により、車両501を、第3実施の形態と同様に制御する場合には、第1実施の形態における処理に代えて実行される処理、即ち、通常モード処理(S330、図14参照)におけるS35、S341の処理を変更し、他の処理は第1実施の形態および第3実施の形態の場合と同様である。
即ち、通常モード処理(S330、図14参照)のS35の処理において、第5実施の形態では、キャンバ角を制御して左右の後輪502RL,502RRにネガティブキャンバを付与する。これにより、左右の後輪502RL,502RRにネガティブキャンバが付与されることで、横力を発揮させて、操縦安定性の向上を図ることができる。
また、通常モード処理(S330、図14参照)のS341の処理において、第5実施の形態では、ネガティブキャンバが付与された左右の後輪502RL,502RRのキャンバ角を解除して、かかる左右の後輪502RL,502RRのキャンバ角を定常角に復帰させる。これにより、左右の後輪502RL,502RRの転がり抵抗を小さくして、省燃費化を図ることができる。
また、例えば、第5実施の形態における車両用制御装置500により、車両501を、第4実施の形態と同様に制御する場合は、第1実施の形態と同様に制御する場合と同様である。
次いで、図18から図20を参照して、第6実施の形態について説明する。第1実施の形態では、制御対象である車両1が、第1トレッド21及び第2トレッド22の2種類のトレッドを備える場合を説明したが、第6実施の形態における車両601は、第1トレッド621、第2トレッド622及び第3トレッド623の3種類のトレッドを備えて構成されている。なお、上記各実施の形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図18は、第6実施の形態における車両用制御装置600が搭載される車両601を模式的に示した模式図であり、図19は、第6実施の形態における懸架装置4の正面図である。まず、車両601の概略構成について説明する。
図18及び図19に示すように、車両601は、複数の車輪602を備え、その車輪602は、車両601の前方側(矢印F方向側)に位置する左右の前輪602FL,602FRと、車両601の後方側(矢印B方向側)に位置する左右の後輪602RL,602RRとから構成されている。
車輪602は、第1トレッド621、第2トレッド622及び第3トレッド623の3種類のトレッドを備え、各車輪602において、第1トレッド621が車両601の内側に配置されると共に、第3トレッド623が車両601の外側に配置され、第2トレッド622が第1トレッド621と第3トレッド623との間に配置されている。
なお、本実施の形態では、第1トレッド621、第2トレッド622及び第3トレッド623の幅(図18左右方向の寸法)が同一の幅に構成されている。但し、第1トレッド621の外径および第3トレッド623の外径は、第2トレッド622から離間するに従って漸次縮径するように構成されている。よって、キャンバ角が0度(定常角)の状態では、第1トレッド621及び第3トレッド623の少なくともショルダー側の一部は路面との間に隙間を有している。
第1トレッド621、第2トレッド622及び第3トレッド623は、第2トレッド622が第1トレッド621及び第3トレッド623よりも硬度の高い材料により構成され、第1トレッド621が第2トレッド622に比してグリップ力の高い特性(高グリップ性)に構成される一方、第2トレッド622が第1トレッド621に比して転がり抵抗の小さい特性(低転がり抵抗)に構成されている。また、第3トレッド623は、少なくとも第2トレッド622に比して、グリップ力の高い特性に構成され、第2トレッド622は、少なくとも第3トレッド623に比して、転がり抵抗の小さい特性(低転がり抵抗)に構成されている。
車両用制御装置600は、上述したように構成される車両601の各部を制御するための装置であり、例えば、各ペダル61,62やステアリング63の操作状態に応じてキャンバ角調整装置44を作動させることで、車輪602(左右の前輪602FL,602RR及び左右の後輪502RL,502RR)のキャンバ角を制御する。
例えば、図19に示すように、右の前輪602FRに対応する懸架装置4を代表例として説明する。FRアクチュエータ44FRが伸縮駆動されると、車輪602がキャンバ軸45を中心軸として揺動駆動され、車輪602に所定のキャンバ角が付与される。
よって、例えば、FRアクチュエータ44FRが収縮駆動されることで、キャンバ角が制御され、車輪602にネガティブキャンバが付与されると、車両601の内側に配置される第1トレッド621の接地面積が増加すると共に、第2トレッド622の接地面積が減少する。これにより、第1トレッド621の高グリップ性を発揮させて、グリップ性能を確保することができる。
同様に、FRアクチュエータ44FRが伸長駆動されることで、キャンバ角が制御され、車輪602にポジティブキャンバが付与されると、車両601の外側に配置される第3トレッド623の接地面積が増加すると共に、第2トレッド622の接地面積が減少する。これにより、第3トレッド623の高グリップ性を発揮させて、グリップ性能を確保することができる。
一方、FRアクチュエータ44FRが上述した状態から伸長駆動または収縮駆動されることで、キャンバ角が制御され、車輪602のキャンバ角が0度に設定される(即ち、キャンバ角の制御が解除され、車輪602のキャンバ角が定常角に復帰される)と、車両601の内側または外側に配置される第1トレッド621または第3トレッド623の接地面積が減少すると共に、それらの中央に配置される第2トレッド622の接地面積が増加する。これにより、第2トレッド622の低転がり抵抗を発揮させて、省燃費化を図ることができる。
図20は、第6実施の形態における車両用制御装置600の電気的構成を示したブロック図である。車両用制御装置600は、第1実施例における車両用制御装置100に対し、第2実施の形態における計時フラグ273dと、第3実施の形態における平均操作量メモリ373dとを加えた構成とされている。また、入出力ポート75には、第1実施の形態における各種入出力装置(例えば、車輪駆動装置3等)に対し、第2実施の形態におけるタイマ288を更に接続した構成とされている。
以上のように構成された第6実施の形態における車両用制御装置600によれば、車両601を、上述した第1実施の形態から第4実施の形態の場合と同様に、制御することができる。即ち、第1実施の形態から第4実施の形態において、車輪2にネガティブキャンバを付与する処理については、これに代えて、車輪602にネガティブキャンバを付与する処理を実行すれば良く、また、第1実施の形態から第4実施の形態において、車輪2のキャンバ角を定常角に復帰させる処理については、これに代えて、車輪602のキャンバ角を定常角に復帰させる処理を実行すれば良い。
なお、上述したように、第6実施の形態において、車輪602にネガティブキャンバを付与する処理については、これに代えて、車輪602にポジティブキャンバを付与する処理を実行しても良い。この場合、旋回内輪と旋回外輪とに、異なる方向のキャンバ角を付与しても良い。例えば、旋回内輪にポジティブキャンバを付与し、旋回外輪にネガティブキャンバを付与する形態が例示される。
ここで、図6に示すフローチャート(キャンバ制御処理)において、請求項1記載の選択状態判断手段としてはS21の処理が、省燃費制御手段としてはS50の処理が、請求項3記載の周辺状況判断手段としてはS22からS26の処理が、請求項5記載の操作状態判断手段としてはS27の処理が、それぞれ該当する。また、図7に示すフローチャート(通常モード処理)において、請求項1記載のキャンバ角制御手段としてはS35及びS40の処理が、図8に示すフローチャート(省燃費モード処理)において、請求項1記載のキャンバ角制御手段としてはS55及びS60の処理が、図11に示すフローチャート(通常モード処理)において、請求項1記載のキャンバ角制御手段としてはS35の処理が、図12に示すフローチャート(タイマ処理)において、請求項1記載のキャンバ角制御手段としてはS276の処理が、図14に示すフローチャート(通常モード処理)において、請求項1記載のキャンバ角制御処理としてはS35及びS341の処理が、それぞれ該当する。また、図15に示すフローチャート(キャンバ制御処理)において、請求項1記載の選択状態判断手段としてはS421の処理が、省燃費制御手段としてはS50の処理が、請求項3記載の周辺状況判断手段としてはS22からS26の処理が、請求項5記載の操作状態判断手段としてはS27の処理が、請求項6記載の位置判断手段としてはS422の処理が、それぞれ該当する。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施の形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
上記第1から第4実施の形態および第6実施の形態では、キャンバ角の制御を解除して車輪2,602のキャンバ角を定常角(本実施の形態では0度)に復帰することで、第2トレッド22,622の接地面積を増加させて、第2トレッド22,622の低転がり抵抗を発揮させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、キャンバ角を制御して車輪2,602にポジティブキャンバを付与することで、第2トレッド22,622の接地面積を増加させて、第2トレッド22,622の低転がり抵抗を発揮させるように構成しても良い。即ち、定常角をポジティブキャンバ(例えば、キャンバ角が1度のポジティブキャンバ)としても良い。なお、この場合には、閾値マップ72aにおける下限閾値を車輪2,622にポジティブキャンバを付与する閾値として使用する。
また、キャンバ角を制御して車輪2,622にネガティブキャンバを付与することで、第2トレッド22,622の接地面積を増加させて、第2トレッド22,622の低転がり抵抗を発揮させるように構成しても良い。即ち、定常角をネガティブキャンバ(例えば、キャンバ角が1度のネガティブキャンバ)としても良い。例えば、車輪2,622にキャンバ角が5度のネガティブキャンバを付与した後、そのネガティブキャンバよりも小さい角度のネガティブキャンバ(例えば、1度)のキャンバ角を付与する構成としても良い。
なお、請求項1記載の第1のキャンバ角とは、上記各実施の形態における定常角に対応する。よって、請求項1記載の第1のキャンバ角は、ポジティブキャンバ及びネガティブキャンバのみならず、キャンバ角が0度の場合も含む趣旨である。
上記各実施の形態では、閾値マップ72aにおいて、アクセルペダル61、ブレーキペダル62及びステアリング63の操作量に対する通常モードでの上限閾値と省燃費モードでの上限閾値とがいずれも等しくなるように規定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、通常モードでの上限閾値が省燃費モードでの上限閾値よりも小さくなるように規定して、通常モード処理では省燃費モード処理よりも早いタイミングで車輪2のキャンバ角を制御するように構成しても良い。
これにより、第1から第4実施の形態および第6実施の形態においては、省燃費運転支援装置84が作動していない状態では、省燃費運転支援装置84が作動している状態に対して第1トレッド21,621の高グリップ性を早期に発揮させることができ、グリップ性能の確保を優先して図ることができる。一方、省燃費運転支援装置84が作動している状態では、省燃費運転支援装置84が作動していない状態に対して第1トレッド21,621の高グリップ性を発揮させるタイミングを遅延させて、省燃費化を優先して図ることができる。
同様に、第5実施の形態においては、省燃費運転支援装置84が作動していない状態では、省燃費運転支援装置84が作動している状態に対して、車輪502にネガティブキャンバを付与することにより得られる性能(横力)を早期に発揮させることができ、旋回性能の確保を優先して図ることができる。一方、省燃費運転支援装置84が作動している状態では、省燃費運転支援装置84が作動していない状態に対して、車輪502のネガティブキャンバを付与することにより得られる性能(横力)を発揮させるタイミングを遅延させて、省燃費化を優先して図ることができる。
上記各実施の形態では、省燃費運転支援装置84又はナビゲーション装置85により燃費を抑制するための運転が支援される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の省燃費運転支援装置を採用することは当然可能である。他の省燃費運転支援装置としては、例えば、アクセルペダルセンサ装置61aにより検出されたアクセルペダル61の操作量が燃費の良いとされる所定の操作量の範囲内である場合に運転者に報知する装置や車輪駆動装置3による車輪2の回転駆動力を運転者の指示に応じて所定の割合で抑制する装置などが例示される。
上記各実施の形態では説明を省略したが、キャンバ制御処理において、車両1が走行予定の経路に関する情報をナビゲーション装置85により取得し、その情報が所定の条件を満たす場合に、通常モード処理(S30,S230,S330)を実行するように構成しても良い。所定の条件としては、例えば、走行予定の経路が所定半径以下のカーブとなっている場合、走行予定の経路にあるカーブが所定半径以上のカーブであるが坂路である場合、走行予定の経路にあるカーブが所定半径以上のカーブであるが摩擦係数が所定値以下である場合などが例示される。これにより、カーブへの進入前に予め通常モード処理(S30,S230,S330)に移行することができるので、応答遅れを生じさせることなく、グリップ性能を確保することができる。
上記各実施の形態では、キャンバ制御処理において、S22からS25の処理のいずれか1つの判断において車両1がスリップする恐れは低いと考えられる場合に、省燃費モード処理(S50)を実行する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、S22からS25の処理の少なくとも2つ以上の判断において車両1がスリップする恐れは低いと考えられる場合に、省燃費モード処理(S50)を実行するように構成しても良い。これにより、車両1がスリップする恐れがあるかを精度良く判断することができるので、グリップ性能の確保と省燃費化との両立をより一層効率良く図ることができる。
上記各実施の形態では、キャンバ角を制御して車輪2に付与するネガティブキャンバのキャンバ角を固定値(本実施の形態では5度)とする場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、車両1の走行状態や路面の状態に応じて車輪2に付与するネガティブキャンバのキャンバ角を決定するように構成しても良い。
なお、車両1の走行状態としては、例えば、アクセルペダル61、ブレーキペダル62又はステアリング63の操作量が、路面の状態としては、路面の摩擦係数が、それぞれ例示される。これにより、グリップ性能の確保と省燃費化との両立をより一層効率良く図ることができる。
上記各実施の形態では、キャンバ制御処理において、省燃費モード処理(S50)を実行するための条件として、S21からS27の処理、S421及びS422の処理を挙げたが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の処理を実行することは当然可能である。他の処理としては、例えば、車輪2がスリップしているかを判断する処理、車両1の対地速度が所定値以上であるかを判断する処理などが例示される。
上記各実施の形態では、請求項1記載の選択状態判断手段の例として、S21及びS421の処理を挙げたが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の処理を実行することは当然可能である。
上記第5実施の形態では、左右の後輪502RL,502RRを、左右の前輪502FL,502FRよりも低転がり抵抗とするための手法として、左右の後輪502RL,502RRのトレッドの幅を、左右の前輪502FL,502FRのトレッドの幅よりも小さくする手法を一例として説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の手法を採用しても良い。
例えば、他の手法としては、左右の後輪502RL,502RRのトレッドを、左右の前輪502FL,502FRのトレッドよりも硬度の高い材料から構成し、左右の前輪502FL,502FRのトレッドを左右の後輪502RL,502RRのトレッドよりもグリップ力の高い特性(高グリップ性)とする一方、左右の後輪502RL,502RRのトレッドを左右の前輪502FL,502FRのトレッドよりも転がり抵抗の小さい特性(低転がり抵抗)とする第1の手法、左右の後輪502RL,502RRのトレッドのパターンを、左右の前輪502FL,502FRのトレッドのパターンよりも低転がり抵抗のパターンとする(例えば、左右の後輪502RL,502RRのトレッドのパターンをラグタイプ又はブロックタイプとし、左右の後輪502RL,502RRのトレッドのパターンをリブタイプとする)第2の手法、左右の後輪502RL,502RRの空気圧を、左右の前輪502FL,502FRの空気圧よりも高圧とする第3の手法、左右の後輪502RL,502RRのトレッドの厚み寸法を、左右の前輪502FL,502FRのトレッドの厚み寸法よりも小さい(薄い)寸法とする第4の手法、或いは、これら第1から第4の手法および第5実施の形態における手法(トレッドの幅を異ならせる手法)の一部または全部を組み合わせる第5の手法、が例示される。
上記第5実施の形態では、左右の後輪502RL,502RRのトレッドの幅を、左右の前輪502FL,502FRのトレッドの幅よりも小さくする場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、左右の後輪502RL,502RRのトレッドの幅を、左右の前輪502FL,502FRのトレッドの幅と同じ大きさとしても良い。この場合でも、かかる構成に上述した第1から第5の手法の一部または全部を組み合わせることで、左右の後輪502RL,502RRを、左右の前輪502FL,502FRよりも低転がり抵抗とすることができる。よって、操縦安定性と省燃費化との両立を図ることができる。
上記各実施の形態では、その説明を省略したが、各実施の形態における車両1,501,601の車輪2,502,602の一部または全部を、他の実施の形態における車輪2,502,602の一部または全部と置換しても良い。例えば、第5実施の形態における車両501において、その左右の後輪502RL,502RRを、第1実施の形態における左右の後輪2RL,2RRに置換しても良い。この場合、車両501に取り付ける左右の後輪2RL,2RRのトレッドの幅(第1トレッド21及び第2トレッド22を合わせた幅)は、左右の前輪502FL,502FRのトレッドの幅よりも小さい(狭い)ことが好ましい。グリップ性能の確保と省燃費化との両立を図ることができるからである。
また、上記第5実施の形態では、左右の後輪502RL,502RRのトレッドの幅が、左右の前輪502FL,502FRのトレッドの幅よりも小さく(狭く)される場合を説明したが、これに加え、左右の後輪502RL,502RRのトレッドの幅を次のように構成することが好ましい。即ち、タイヤ幅L([mm])をタイヤ外径R([mm])で除した値(L/R)を0.1より大きく、かつ、0.4より小さくすることが好ましく(0.1<L/R<0.4)、0.1より大きく、かつ、0.3より小さくすることが更に好ましい(0.1<L/R<0.3)。操縦安定性を確保しつつ、転がり抵抗を小さくして、省燃費化の向上を図ることができるからである。なお、トレッドの幅は、リム幅よりも大きくタイヤ幅よりも小さな値となる。
上記第5実施の形態では、左右の後輪502RL,502RRのトレッドの幅を、左右の前輪502FL,502FRのトレッドの幅よりも狭く構成する場合を説明した。この場合の左右の後輪502RL,502RRのトレッドの幅の設定方法について説明する。図21は、懸架装置4に支持された後輪1502RL,1502RRの正面図であり、図22は、懸架装置4に支持された後輪502RL,502RRの正面図である。なお、これら図21及び図22は、図2に対応する正面図であり、右車輪側のみを図示すると共に、懸架装置4の図示が簡略化されている。また、図21及び図22では、車体Bの外形を通る鉛直線(矢印U−D方向線、図2参照)を外形線S(即ち、車両501の全幅を示す線)として二点鎖線を用いて図示している。
後輪1502RL,1502RRは、上記第5実施の形態で説明した前輪502FL,502FRと同じ寸法に構成された車輪である。ここで、車両501は、前後の全車輪502を懸架装置504により支持する既存の車両に対し、後輪側の懸架装置504にのみRL,RRモータ44RL,44RRによる伸縮機能を追加して懸架装置4とすることで構成された車両である。よって、車両501は、図21(a)に示すように、少なくともキャンバ角が定常角(=0°)においては、後輪1502RL,1502RRを外形線Sから外側に突出させない(即ち、保安基準を満たす)ように装着可能とされている。
しかしながら、後輪1502RL,1502RRのキャンバ角を調整する制御を行う場合には、図21(b)に示すように、後輪1502RL,1502RRが外形線Sを越えて外側へ突出し、保安基準を満たすことができないという問題点があった。そのため、後輪1502RL,1502RRのキャンバ角を調整可能な範囲が限定され、十分な角度のキャンバ角を付与することができないため、キャンバスラストを十分に得ることができないという問題点があった。
この場合、懸架装置4自体の配設位置を車両501の内側(図21(a)右側)へ移動させることで、キャンバ角の調整可能範囲を確保することも考えられるが、車両501に大幅な構造の変更を加えることが必要となるため、コストが嵩み、現実的でない。一方、後輪1502RL,1502RRのホイールオフセットを車輪中心線Cから車両501の外側(図21(a)左側)に移動させることで、車両501への構造の変更を行うことなく、比較的大きな角度のキャンバ角を後輪1502RL,1502RRに付与することが可能となる。しかしながら、この場合には、ホイールオフセットの分だけ、後輪1502RL,1502RR自体が車両501の内側へ移動することとなるので、車体Bとの干渉が避けられない。
そこで、本願出願人は、図22に示すように、後輪502RL,502RRのタイヤ幅Wlを狭くすることで、既存の車両(車両501)に大幅な構造の変更を加えることを不要とし、かつ、保安基準を満たしながら、キャンバ角の調整可能範囲を十分に確保して、キャンバスラストを十分に発揮させることを可能とする構成に想到した。
後輪502RL,502RRのタイヤ幅Wlの設定方法について、図21から図23を参照して説明する。図23は、懸架装置4に支持された車輪の正面図を模式的に図示した模式図であり、キャンバ角θのネガティブキャンバが付与された状態が図示されている。
図23に示すように、車輪の幅寸法をタイヤ幅Wと、直径をタイヤ径Rと、タイヤ中心線(車輪中心線)Cからホイール座面Tまでの距離をホイールオフセットAと、それぞれ規定する。この場合、車輪が外側へ最も突出する位置であるタイヤ外側端Mから、車輪の回転軸とホイール座面Tとの交点である原点Oまでの水平方向の距離である距離Lは次のように算出される。
即ち、図23に示すように、車輪の回転軸と車輪の外側面との交点である位置Pと原点Oとを結ぶ距離は、タイヤ幅Wの半分の値からホイールオフセットAを除算した値(W/2−A)となるので、位置Pから原点Oまでの水平方向の距離である距離Jは、三角比の関係から、J=(W/2−A)・cosθとなる。
一方、位置Pとタイヤ外側端Mとを結ぶ距離は、タイヤ径Rの半分の値(R/2)となるので、タイヤ外側端Kから位置Pまでの水平方向の距離である距離Kは、三角比の関係から、K=(R/2)・sinθとなる。
よって、距離Lは、距離Jと距離Kとの和であるので、これらを加算して、L=(W/2−A)・cosθ+(R/2)・sinθとなる。この関係式をタイヤ幅Wでまとめると、W=2A−R・tanθ+2L/cosθとなる。
車輪のタイヤ外側端Mが車両501の外形線Sを越えて外側へ突出せず、保安基準を満たすためには、距離Lが、原点Oから外形線Sまでの水平方向の距離である距離Z(図21(b)及び図22(b)参照)より小さくなれば良い。よって、タイヤ幅Wを定める上記の式に対し、距離Lの最大値(即ち、距離Z)と、車輪に付与するキャンバ角θの最大値(例えば、3°)とを当てはめることで、車輪のタイヤ幅Wの最大値を決定することができる。
即ち、図21に示す後輪1502RL,1502RRについては、タイヤ外側端Mが外形線Sを越えて外側に突出しないための最大のキャンバ角をθwとすると、そのタイヤ幅Wwは、W=2A−R・tanθw+2Z/cosθwとなり、図22に示す後輪502RL,502RRについては、タイヤ外側端Mが外形線Sを越えて外側に突出しないための最大のキャンバ角をθlとすると、そのタイヤ幅Wlは、W=2A−R・tanθl+2Z/cosθlとなる。
なお、各車輪のトレッドの幅は、タイヤ幅Wを越えない範囲に設定される。なお、タイヤ幅Wの最小値は、タイヤ外側端Mをホイール座面Tよりも内側へ配置できないことから、ホイールオフセットAの2倍の値となる。
以上のように、タイヤ幅Wを定める上記の式によれば、車輪のタイヤ幅W(即ち、トレッドの幅)を狭くすることで、車輪に付与するキャンバ角θの最大値を大きくすることができる。即ち、上記各実施の形態で説明したように、後輪502RL,502RRのトレッドの幅(タイヤ幅W)を、前輪502FL,502FRのトレッドの幅よりも狭くすることで、既存の車両(車両501)に大幅な構造の変更を加えることを不要とし、かつ、保安基準を満たしつつ、後輪502RL,502RRにおけるキャンバ角の調整可能範囲を確保して、キャンバスラストを十分に発揮させることができる。
なお、この場合には、前輪502FL,502FRのトレッドの幅を広くすることができるので、制動力の向上を図ることができる。特に、前輪2FL,2FRが駆動輪とされる本実施の形態においては、加速性能の向上を図ることができる。一方、後輪502RL,502RRのトレッドの幅を、左右の前輪2FL,2FRのトレッドの幅よりも狭くすることで、これら後輪502RL,502RRの転がり抵抗を、前輪2FL,2FRの転がり抵抗よりも小さくすることができ、その分、省燃費化を図ることができる。
<その他>
技術的思想1記載の車両用制御装置は、車輪と、その車輪のキャンバ角を調整するキャンバ角調整装置を備えた車両に用いられるものであり、前記キャンバ角調整装置を作動させて、前記車輪のキャンバ角を制御するキャンバ角制御手段と、省燃費モードが選択されているかを判断する選択状態判断手段と、その選択状態判断手段により前記省燃費モードが選択されていると判断される場合に、前記選択状態判断手段により前記省燃費モードが選択されていないと判断される場合とは異なるタイミングで、前記キャンバ角制御手段により前記車輪のキャンバ角を制御する省燃費制御手段と、を備えている。
技術的思想2記載の車両用制御装置は、技術的思想1記載の車両用制御装置において、前記キャンバ角制御手段は、前記キャンバ角調整装置を作動させて、前記車輪にネガティブキャンバを付与する。
技術的思想3記載の車両用制御装置は、技術的思想2記載の車両用制御装置において、前記キャンバ角制御手段は、前記キャンバ角調整装置を作動させて、前記車輪に、第1のキャンバ角と、その第1のキャンバ角よりも絶対値が大きなキャンバ角であってネガティブキャンバとなる第2のキャンバ角とを付与する。
技術的思想4記載の車両用制御装置は、技術的思想3記載の車両用制御装置において、前記省燃費制御手段は、前記選択状態判断手段により前記省燃費モードが選択されていると判断される場合に、前記選択状態判断手段により前記省燃費モードが選択されていないと判断される場合よりも早いタイミングで、前記第1のキャンバ角となるように、前記キャンバ角制御手段により前記車輪のキャンバ角を制御する。
技術的思想5記載の車両用制御装置は、技術的思想1記載の車両用制御装置において、前記車輪は、第1トレッドと、その第1トレッドに対して前記車両の内側または外側に配置される第2トレッドと、を備え、前記第1トレッドが前記第2トレッドに比してグリップ力の高い特性に構成されると共に、前記第2トレッドが前記第1トレッドに比して転がり抵抗の小さい特性に構成され、前記キャンバ角制御手段は、前記第1トレッドの接地面積または前記第2トレッドの接地面積が増加するように、前記キャンバ角調整装置を作動させて前記車輪のキャンバ角を制御する。
技術的思想6記載の車両用制御装置は、技術的思想5記載の車両用制御装置において、前記省燃費制御手段は、前記選択状態判断手段により前記省燃費モードが選択されていると判断される場合に、前記選択状態判断手段により前記省燃費モードが選択されていないと判断される場合よりも早いタイミングで、前記第2トレッドの接地面積が増加するように、前記キャンバ角制御手段により前記車輪のキャンバ角を制御する。
技術的思想7記載の車両用制御装置は、技術的思想1から6のいずれかに記載の車両用制御装置において、前記車両の周辺における周辺状況を判断する周辺状況判断手段を備え、前記省燃費制御手段は、前記選択状態判断手段により前記省燃費モードが選択されていると判断され、且つ、前記周辺状況判断手段により前記車両の周辺における周辺状況が所定の条件を満たしていると判断される場合に、前記選択状態判断手段により前記省燃費モードが選択されていないと判断される場合とは異なるタイミングで、前記キャンバ角制御手段により前記車輪のキャンバ角を制御する。
技術的思想8記載の車両用制御装置は、技術的思想1から7のいずれかに記載の車両用制御装置において、運転者が操作する操作部材の操作状態を判断する操作状態判断手段を備え、前記省燃費制御手段は、前記選択状態判断手段により前記省燃費モードが選択されていると判断され、且つ、前記操作状態判断手段により前記操作部材の操作状態が所定の条件を満たしていると判断される場合に、前記選択状態判断手段により前記省燃費モードが選択されていないと判断される場合とは異なるタイミングで、前記キャンバ角制御手段により前記車輪のキャンバ角を制御する。
技術的思想9記載の車両用制御装置は、技術的思想1から8のいずれかに記載の車両用制御装置において、前記車両は、記車両の現在位置を取得する位置取得手段と、地図データを取得する地図データ取得手段と、を有し、前記位置取得手段により取得された前記車両の現在位置および前記地図データ取得手段により取得された前記地図データに基づいて前記車両の加減速が少なくなるような目的地までの走行経路を省燃費経路として案内可能に構成される省燃費運転支援装置を備え、前記車両の現在位置が前記省燃費経路上に位置しているかを判断する位置判断手段を備え、前記省燃費制御手段は、前記選択状態判断手段により前記省燃費モードが選択されていると判断され、且つ、前記位置判断手段により前記車両の現在位置が前記省燃費経路上に位置していると判断される場合に、前記選択状態判断手段により前記省燃費運転支援装置による前記運転の支援が選択されていないと判断される場合とは異なるタイミングで、前記キャンバ角制御手段により前記車輪のキャンバ角を制御する。
<効果>
技術的思想1記載の車両用制御装置によれば、キャンバ角制御手段によりキャンバ角調整装置を作動させて車輪のキャンバ角を制御することができるので、車輪のキャンバ角を第1の状態とし、例えば、車輪に横力を発生させる、或いは、高グリップ性のトレッドの接地面積を増加させることで、操縦安定性の向上を図ることができる一方、車輪のキャンバ角を第2の状態とし、第1のキャンバ角よりも車輪のキャンバ角を小さくする、或いは、低転がり抵抗のトレッドの接地面積を増加させることで、相対的に転がり抵抗を減少させて、省燃費化を図ることができる。
このように、本発明の車両用制御装置によれば、キャンバ角制御手段によりキャンバ角調整装置を作動させて車輪のキャンバ角を制御することで、キャンバ角を第1の状態とすることにより得られる性能(横力の発揮)と、キャンバ角を第2の状態とすることにより得られる性能(低転がり抵抗)との2つの性能を発揮させることができ、横力の発揮による操縦安定性の確保と低転がり抵抗による省燃費化との両立を図ることができる。
また、本発明の車両用制御装置によれば、省燃費制御手段は、選択状態判断手段により省燃モードが選択されていると判断される場合に、省燃費モードが選択されていないと判断される場合とは異なるタイミングで、キャンバ角制御手段により車輪のキャンバ角を制御するので、省燃費モードが選択されているかに応じてキャンバ角を制御するタイミングを変更することができる。
ここで、省燃費モードが選択されている状態では、通常、運転者が燃費の良い運転を意識しており、車両が急加速、急制動または急旋回する恐れは低いと考えられるので、省燃費モードが選択されていない状態に対してキャンバ角を制御するタイミングを変更することで、キャンバ角を第2の状態とすることにより得られる性能(低転がり抵抗)を早期に発揮させることが可能となり、省燃費化を優先して図ることができる。
一方、省燃費モードが選択されていない状態では、運転者が燃費の良い運転を意識していない可能性があり、車両が急加速、急制動または急旋回する恐れがあると考えられるので、省燃費モードが選択されている状態に対してキャンバ角を制御するタイミングを変更することで、キャンバ角を第1の状態とすることにより得られる性能(横力の発揮)を早期に発揮させることが可能となり、操縦安定性の確保を優先して図ることができる。
このように、本発明の車両用制御装置によれば、省燃費モードが選択されているかに応じてキャンバ角を制御するタイミングを変更することで、単に操縦安定性の確保と省燃費化との両立を図るのみでなく、走行性能の確保と省燃費化との両立を効率良く図ることができるという効果がある。
技術的思想2記載の車両用制御装置によれば、技術的思想1記載の車両用制御装置の奏する効果に加え、キャンバ角制御手段は、キャンバ角調整装置を作動させて、車輪にネガティブキャンバを付与するので、操縦安定性の向上を図ることができるという効果がある。
技術的思想3記載の車両用制御装置によれば、技術的思想2記載の車両用制御装置の奏する効果に加え、キャンバ角制御手段は、キャンバ角調整装置を作動させて、車輪に、第1のキャンバ角と、その第1のキャンバ角よりも絶対値が大きなキャンバ角であってネガティブキャンバとなる第2のキャンバ角とを付与することができるので、車輪に第2のキャンバ角を付与することで、車輪に横力を発生させて、操縦安定性の向上を図ることができる一方、その第2のキャンバ角よりも絶対値が小さなキャンバ角である第1のキャンバ角を車輪に付与することで、相対的に転がり抵抗を減少させて、省燃費化を図ることができる。
このように、本発明の車両用制御装置によれば、キャンバ角制御手段によりキャンバ角調整装置を作動させて車輪のキャンバ角を制御することで、車輪のキャンバ角をネガティブ方向へ大きくする(即ち、車輪に第2のキャンバ角を付与する)ことにより得られる性能(横力の発揮)と、それよりもキャンバ角を小さくする(即ち、車輪に第1のキャンバ角を付与する)ことにより得られる性能(低転がり抵抗)との2つの性能を発揮させることができ、操縦安定性の確保と省燃費化との両立を図ることができる。
技術的思想4記載の車両用制御装置によれば、技術的思想3記載の車両用制御装置の奏する効果に加え、省燃費制御手段は、選択状態判断手段により省燃費モードが選択されていると判断される場合に、省燃費モードが選択されていないと判断される場合よりも早いタイミングで、車輪のキャンバ角が第1のキャンバ角となるように、キャンバ角制御手段により車輪のキャンバ角を制御するので、省燃費モードが選択されている状態では、省燃費モードが選択されていない状態に対してキャンバ角を小さくする(即ち、車輪に第1のキャンバ角を付与する)ことにより得られる性能(低転がり抵抗)を早期に発揮させることができ、省燃費化を優先して図ることができる。
一方、省燃費モードが選択されていない状態では、省燃費モードが選択されている状態に対してキャンバ角を小さくする(即ち、車輪に第1のキャンバ角を付与する)ことにより得られる性能(低転がり抵抗)を発揮させるタイミングを遅延させて、操縦安定性の確保を優先して図ることができる。
これにより、走行性能の確保と省燃費化との両立を効率良く図ることができるという効果がある。
技術的思想5記載の車両用制御装置によれば、技術的思想3記載の車両用制御装置の奏する効果に加え、キャンバ角制御手段によりキャンバ角調整装置を作動させて第1トレッドの接地面積が増加するように車輪のキャンバ角を制御することで、第1トレッドの高グリップ性を発揮させて、グリップ性能の向上による安定性を確保することができる。一方、第2トレッドの接地面積が増加するように車輪のキャンバ角を制御することで、第2トレッドの低転がり抵抗を発揮させて、省燃費化を図ることができる。
このように、本発明の車両用制御装置によれば、キャンバ角制御手段によりキャンバ角調整装置を作動させて車輪のキャンバ角を制御することで、第1トレッドの特性により得られる性能(高グリップ性)と第2トレッドの特性により得られる性能(低転がり抵抗)との2つの性能を発揮させることができ、走行性能の確保と省燃費化との両立を図ることができる。
技術的思想6記載の車両用制御装置によれば、技術的思想5記載の車両用制御装置の奏する効果に加え、省燃費制御手段は、選択状態判断手段により省燃費モードが選択されていると判断される場合に、省燃費モードが選択されていないと判断される場合よりも早いタイミングで、第2トレッドの接地面積が増加するように、キャンバ角制御手段により車輪のキャンバ角を制御するので、省燃費モードが選択されている状態では、省燃費モードが選択されていない状態に対して第2トレッドの低転がり抵抗を早期に発揮させることができ、省燃費化を優先して図ることができる。
一方、省燃費モードが選択されていない状態では、省燃費モードが選択されている状態に対して第2トレッドの低転がり抵抗を発揮させるタイミングを遅延させて、グリップ性能の確保を優先して図ることができる。
これにより、走行性能の確保と省燃費化との両立を効率良く図ることができるという効果がある。
技術的思想7記載の車両用制御装置によれば、技術的思想1から6のいずれかに記載の車両用制御装置の奏する効果に加え、省燃費制御手段は、選択状態判断手段により省燃費モードが選択されていると判断され、且つ、周辺状況判断手段により車両の周辺における周辺状況が所定の条件を満たしていると判断される場合に、省燃費モードが選択されていないと判断される場合とは異なるタイミングで、キャンバ角制御手段により車輪のキャンバ角を制御するので、省燃費モードが選択されているかに加え、車両の周辺における周辺状況に応じてキャンバ角を制御するタイミングを変更することができる。
即ち、省燃費モードが選択されている状態であっても、車両の周辺における周辺状況に起因して車両がスリップする恐れがあると考えられる場合には、周辺状況に応じてキャンバ角を制御するタイミングを変更することで、キャンバ角の付与による横力を早期に発揮させることが可能となり、操縦安定性の確保を優先して図ることができる。
一方、周辺状況に影響を受ける心配がなく車両がスリップする恐れは低いと考えられる場合には、周辺状況に応じてキャンバ角を制御するタイミングを変更することで、キャンバ角の調整による低転がり抵抗を早期に発揮させることが可能となり、省燃費化を優先して図ることができる。
これにより、操縦安定性の確保と省燃費化との両立をより一層効率良く図ることができるという効果がある。
技術的思想8記載の車両用制御装置によれば、技術的思想1から7のいずれかに記載の車両用制御装置の奏する効果に加え、省燃費制御手段は、選択状態判断手段により省燃費モードが選択されていると判断され、且つ、操作状態判断手段により操作部材の操作状態が所定の条件を満たしていると判断される場合に、省燃費モードが選択されていないと判断される場合とは異なるタイミングで、キャンバ角制御手段により車輪のキャンバ角を制御するので、省燃費モードが選択されているかに加え、運転者が操作する操作部材の操作状態に応じてキャンバ角を制御するタイミングを変更することができる。
即ち、省燃費モードが選択されている状態であっても、運転者が危険な運転を行っており、車両が急加速、急制動または急旋回する恐れがあると考えられる場合には、操作部材の操作状態に応じてキャンバ角を制御するタイミングを変更することで、キャンバ角の付与による横力を早期に発揮を早期に発揮させることが可能となり、操縦安定性の確保を優先して図ることができる。
一方、運転者が安全運転を行っており、車両が急加速、急制動または急旋回する恐れは低いと考えられる場合には、操作部材の操作状態に応じてキャンバ角を制御するタイミングを変更することで、キャンバ角の調整による低転がり抵抗を早期に発揮させることが可能となり、省燃費化を優先して図ることができる。
これにより、操縦安定性の確保と省燃費化との両立をより一層効率良く図ることができるという効果がある。
技術的思想9記載の車両用制御装置によれば、技術的思想1から8のいずれかに記載の車両用制御装置の奏する効果に加え、省燃費制御手段は、選択状態判断手段により省燃費モードが選択されていると判断され、且つ、位置判断手段により車両の現在位置が省燃費経路上に位置していると判断される場合に、省燃費モードが選択されていないと判断される場合とは異なるタイミングで、キャンバ角制御手段により車輪のキャンバ角を制御するので、省燃費モードが選択されているか、即ち、車両の加減速が少なくなるような目的地までの走行経路を省燃費経路として案内しているかに加え、車両の現在位置が省燃費経路上に位置しているかに応じてキャンバ角を制御するタイミングを変更することができる。
即ち、省燃費モードが選択されている状態(省燃費経路を案内している状態)であっても、車両の現在位置が省燃費経路上に位置せず、省燃費経路から外れて走行している場合には、車両が急加速、急制動または急旋回する恐れがあると考えられるので、車両の現在位置が省燃費経路上に位置している場合に対してキャンバ角を制御するタイミングを変更することで、キャンバ角の付与による横力を早期に発揮を早期に発揮させることが可能となり、操縦安定性の確保を優先して図ることができる。
一方、車両の現在位置が省燃費経路上に位置しており、省燃費経路上を走行している場合には、車両が急加速、急制動または急旋回する恐れは低いと考えられるので、車両の現在位置が省燃費経路上に位置していない場合に対してキャンバ角を制御するタイミングを変更することで、キャンバ角の調整による低転がり抵抗を早期に発揮させることが可能となり、省燃費化を優先して図ることができる。
これにより、操縦安定性の確保と省燃費化との両立をより一層効率良く図ることができるという効果がある。