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JP5325864B2 - 潜熱蓄熱床材 - Google Patents
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JP5325864B2 - 潜熱蓄熱床材 - Google Patents

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Description

本発明は潜熱蓄熱床材に関し、特に通常の床材と同様に施工できかつ室内を恒温化できるようにしたものに関する。
従来より、蓄熱材を封入した容器を内部の空洞に内蔵した潜熱蓄熱建材は知られており、特許文献1に示されるものでは、蓄熱材の容器が樹脂フィルム等で構成され、特許文献2のものでは、蓄熱材の容器は合成樹脂シート等で構成されている。
特開2000−283481号公報 特開2005−9829号公報
ところで、潜熱蓄熱材は温度に応じた相変化による体積変化があり、凝固時には体積が減少する。そのため、特許文献1及び2に示されているように、蓄熱材を容器に封入して床材の空洞に収容していると、凝固時に潜熱蓄熱材の体積が減少したとき、その容器と床材の空洞部内壁面との間に隙間ができてしまい、この隙間によって熱移動が妨げられて潜熱蓄熱材の応答性が低下するという問題が生じる。
また、容器がポリプロピレン等の剛性があるものである場合、その容器内で潜熱蓄熱材との間に空隙ができるので、やはり同様の問題が生じる。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもので、その目的は、蓄熱床材における潜熱蓄熱材の配置構造に工夫を凝らすことにより、蓄熱床材の隙間による熱移動の妨げをなくして潜熱蓄熱材の応答性を向上させるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、潜熱蓄熱材を伝熱材料からなる包袋状の容器に収容して床材本体下面の凹部内に収容するとともに、その容器をクッション材によって凹部の内底面に押し付けるようにした。
具体的には、請求項1の発明では、室内の床下地上に施工される潜熱蓄熱床材であって、施工時に室内空間と反対側の面となる下面に凹部が形成された床材本体と、この床材本体の凹部内に該凹部の内底面に伝熱可能に接着された状態で収容され、潜熱蓄熱材が充填された伝熱材料からなる可撓性を有する包袋状容器と、この容器を上面が凹部の内底面に伝熱可能に押し付けられて該凹部の内底面と容器との間に隙間が生じないように付勢するクッション材とを備えていることを特徴とする。
この請求項1の発明では、床材本体下面の凹部に、潜熱蓄熱材が充填された伝熱材料からなる可撓性を有する包袋状容器が収容され、その容器が凹部の内底面に接触されかつクッション材により上方に付勢されて凹部の内底面に押し付けられて、該凹部の内底面と容器との間に隙間が生じないようになっているので、凹部の内底面と容器との間に隙間が生じることはなく、容器内の潜熱蓄熱材もクッション材により凹部の内底面に対し伝熱状態に維持され、これらによって容器内の潜熱蓄熱材と床材表面との間の熱移動がスムーズに行われ、潜熱蓄熱材の応答性を向上させることができる。その結果、熱源を利用せずとも室内空間の温度を恒温化して省エネルギー性を高めることができる。
また、潜熱蓄熱床材は、床材本体下面の凹部に包袋状容器を一体的に収容したものであるので、通常の床材と同様にして施工することができる。
請求項2の発明では、上記潜熱蓄熱材は空気が入らないように包袋状容器に封入されていることを特徴とする。
この請求項2の発明では、潜熱蓄熱材は空気が入らないように包袋状容器に封入されていることから、ゲル化された潜熱蓄熱材が冷却されて固体化し潜熱蓄熱材容量が減った場合も、空気が入っていないので、蓄熱材と容器の間に空気層がなく、包袋容器が変形して、さらに床材の凹部に押し付けられているので、容器内の潜熱蓄熱材と床材表面との間の熱移動がスムーズに行われ、潜熱蓄熱材の応答性を向上させることができる。
請求項3の発明では、上記床材本体に複数の凹部が床材本体の長さ方向及び幅方向に並んで形成され、床材本体は、凹部以外の位置で切断可能であることを特徴とする。
この請求項3の発明では、複数の凹部が床材本体の長さ方向及び幅方向に並んで形成されているので、この凹部以外の部分で床材の踏み込み強度を確保することができ、使用者が踏んだときの沈み込み等の違和感をなくすことができる。
また、凹部以外の部分で床材本体が切断可能であるので、その切断によって床材を任意の寸法に調整できるとともに、潜熱蓄熱材を破損することもない。すなわち、特許文献1及び2に示されるものでは、床材にヒータユニットの配線や温冷水の配管も内蔵されているので、その床材を必要とする寸法に切断することはできないが、請求項2の発明では、そのような問題は生じない。
このとき、床材の裏面側に切断可能な部位(又は切断不可能な部位)が識別できるように印刷等でマーキングされていることが望ましい。
請求項4の発明では、潜熱蓄熱材は容器内面に接着されていることを特徴とする。
この請求項4の発明では、潜熱蓄熱材を容器に常時密着させて蓄放熱特性を最大限、活かすことができる。
以上説明したように、請求項1の発明によると、床材本体下面に凹部を形成して、その内部に、潜熱蓄熱材が充填された伝熱材料からなる可撓性を有する包袋状容器を凹部の内底面に接触された状態で収容するとともに、その容器を上面が凹部の内底面に伝熱可能に押し付けられて凹部の内底面と容器との間に隙間が生じないように付勢するクッション材を設けたことにより、凹部の内底面と容器との間に隙間が生じることはなく、容器内の潜熱蓄熱材もクッション材により凹部の内底面に対し伝熱状態に維持され、潜熱蓄熱材の応答性を向上させることができ、室内空間の温度を恒温化して省エネルギー性を高めることができる。
請求項2の発明によると、潜熱蓄熱材は空気が入らないように包袋状容器に封入したことにより、潜熱蓄熱材の応答性を向上させることができる。
請求項3の発明によると、床材本体に複数の凹部を床材本体の長さ方向及び幅方向に並んで形成し、床材本体を凹部以外の位置で切断可能としたことにより、凹部以外の部分で床材の踏み込み強度を確保して、使用者の違和感をなくすことができるとともに、凹部以外の部分での床材本体の切断によって潜熱蓄熱材を破損することなく床材を任意の寸法に調整できる。
請求項4の発明によると、潜熱蓄熱材を容器内面に接着したことにより、潜熱蓄熱材を容器に常時密着させて蓄放熱特性を最大限に活かすことができる。
図1は、本発明の実施形態に係る潜熱蓄熱床を分解した状態で裏側から見て示す斜視図である。 図2は潜熱蓄熱床材の断面図である。 図3は床材本体を裏面から見た平面図である。 図4は、本発明の実施例及び比較例に対する寒熱繰り返し試験の結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
図1及び図2は本発明の実施形態に係る潜熱蓄熱床材Aを示し、この床材Aは例えば室内の床下地B(図2参照)の上に施工されるもので、床材本体1を有する。この床材本体1は、例えば幅303mm、長さ1818mm、厚さ12mmの矩形板状のもので、例えば合板やMDF、或いは大建工業(株)製の商品名「ダイライト」等の無機質系板材等、通常に床材として用いられる材料が用いられる。
図3に示すように、床材本体1の下面、つまり施工時に室内空間と反対側の面には、例えば12(複数)の一定深さ(例えば8mm)の矩形状の凹部6,6,…が床材本体1の長さ方向及び幅方向に略等間隔に並んで形成されている。これらの凹部6,6,…は、床材本体1の四周縁部及び凹部6,6間に所定幅を残すように形成されており、床材本体1は凹部6以外の位置で後述する蓋材15と共に切断可能とされている。図3の破線は切断位置Lを例示している。
上記各凹部6内にはそれぞれ包袋状容器8が収容されている。この包袋状容器8は、凹部6よりも少し小さい矩形状の大きさで厚さの薄い(例えば8mm)可撓性のあるパック(袋)であり、例えばアルミニウム等の伝熱材料からなり、その内部には潜熱蓄熱材11が充填されている。パックに封入されるため、マイクロカプセル化されていない潜熱蓄熱材11やゲル化された潜熱蓄熱材等も使用することができる。この容器8の伝熱材料としては、アルミニウムの他に例えばポリエチレンやポリオレフィン等を用いることができるが、充填する潜熱蓄熱材11と反応しないものを用いる必要がある(潜熱蓄熱材11としてのパラフィンはオレフィン等と反応する)。また、PET及びポリエチレンの複合体にアルミニウムを蒸着したものを用いることができる。
上記容器8は、上面が床材本体1の凹部6内に該凹部6の内底面6aと伝熱可能に接着された状態で収容されている。
上記潜熱蓄熱材11としては、例えばn−オクタデカン、n−ヘキサデカンが主原料のノルマルパラフィンが用いられる。このノルマルパラフィンは、融点が23〜28℃のもので、基本的に融点よりも低い温度で固体となり、融点よりも高い温度で液体となる。この潜熱蓄熱材11としてのノルマルパラフィンは略そのまま容器8としてのアルミニウムパックに詰められて使用され、温度変化に応じて固体・液体と相変化する。ノルマルパラフィンの比重は約0.8である。
ノルマルパラフィン以外の潜熱蓄熱材11としては、無機水和塩(塩化カルシウム六水和塩、硫酸ナトリウム十水和塩等)、脂肪酸類(パルミチン酸、ミリスチン酸等)、芳香族炭化水素化合物(ベンゼン、p−キシレン等)、エステル化合物(パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル等)、アルコール類(ステアリルアルコール等)、ポリアルキレングリコール等を使用することができる。
さらに、上記各凹部6内には、上記包袋状容器8の下側(凹部6の開口側)にクッション材13が収容されている。このクッション材13は、その上側に位置する上記容器8を該容器8の上面が凹部6の内底面6aに伝熱可能に押し付けられるように付勢するものであり、この実施形態では、例えばウレタン等の発泡樹脂やラテックス系樹脂やゴム系樹脂等の軟質樹脂等からなり厚さが3mm程度の薄板形状のものが用いられる。
尚、クッション材13は、上記付勢機能があるものであれば、その材料や形状はどのようなものであってもよい。
また、プラスチックダンボール、硬質樹脂発泡体等のクッション性のない断熱材と上記クッション性を有する薄板形状のクッション材13を組み合わせて、該容器8の上面が凹部6の内底面6aに伝熱可能に押し付けられるように付勢するようにしてもよい。
そして、床材本体1の下面には、床材本体1と同じ大きさの蓋材15が床材本体1下面全体に亘り一体的に接着固定されており、この蓋材15により各凹部6の開口が凹部6内に容器8及びクッション材13を収容した状態で封閉されている。この蓋材15は例えばクラフト紙ガラスクロスラミネート板等からなる。
したがって、この実施形態においては、潜熱蓄熱床材Aは床下地B上に、通常一般の床材と同様にして例えばウレタン系等の接着剤を用いて接着固定されて施工される。
その場合、潜熱蓄熱床材Aは潜熱蓄熱材11を充填した包袋状容器8が床材本体1の各凹部6内に収容されて一体化されたものであるので、この潜熱蓄熱床材Aを特別な施工法ではなくて通常の床材と同様の施工法で床下地B上に施工すればよく、その施工が容易となる。
また、潜熱蓄熱床材Aは床材本体1下面の凹部6,6,…の各々に、潜熱蓄熱材11が充填された伝熱材料からなる可撓性を有する包袋状容器8が収容され、その容器8が凹部6の内底面6aに接着されかつクッション材13により上方に付勢されて凹部6の内底面6aに押し付けられているので、凹部6の内底面6aと容器8との間に隙間が生じることはない。しかも、容器8内の潜熱蓄熱材11もクッション材13により凹部6の内底面6aに対し伝熱状態に維持される。これらによって容器8内の潜熱蓄熱材11と床材Aの表面(上面)との間の熱移動がスムーズに行われ、潜熱蓄熱材11の応答性を向上させることができる。また、潜熱蓄熱材11は包袋状容器8内に該容器8の内面に接着されて収容されているので、潜熱蓄熱材11を容器8に常時密着させて蓄放熱特性をさらに高めることができる。よって、別途の熱源を利用せずとも室内空間の温度を恒温化して省エネルギー性を高めることができる。
さらに、潜熱蓄熱材11はそのまま包袋状容器8に充填され、マイクロカプセルとする必要がないので、低コストで単位重量当たり大きな潜熱量を見込むことができ、潜熱蓄熱床材Aを薄くて軽いものとすることができる。
また、上記複数の凹部6,6,…は床材本体1の下面に床材本体1の長さ方向及び幅方向に並んで形成されているので、この凹部6以外の部分で床材Aの踏み込み強度を確保することができ、使用者が踏んだときの沈み込み等の違和感をなくすことができる。しかも、凹部6以外の部分で床材本体1が切断可能であるので、その切断によって床材Aを任意の寸法に調整でき、その際に潜熱蓄熱材を破損することもない。
次に、具体的に実施した実施例について説明する。
(実施例1)
図2に示す構造の潜熱蓄熱床材を作製した。床材本体は厚さ12mmの尺角サイズの合板であり、その凹部の深さは8mmである(床材本体上面と凹部内底面との厚さは4mm)。包袋状容器は、PETとポリエチレンの複合体にアルミニウムを蒸着したものである。潜熱蓄熱材としてはパラフィン(融点25℃)を用い、クッション材は厚さ2.5mmのダンプレートを用いた。
(実施例2)
床材本体は熱伝導率が合板よりも高いMDFであり、その厚さは12mmで、凹部の深さは8mmである。その他の構成は実施例1と同じである。
(比較例1)
実施例1において、クッション材を除いたものである。それ以外は実施例1と同じである。
(比較例2)
通常の合板製の床材であり、凹部、その内部の潜熱蓄熱材収容の包袋、クッション材等は設けられていない。
(寒熱繰り返し試験)
各実施例及び各比較例の各試験体を恒温恒湿槽に入れ、最初に15℃の試験開始温度で4時間養生した後、(1)15℃で2時間の保持、(2)その後に2時間かけて40℃に昇温、(3)この40℃で2時間保持、(4)その後に2時間かけて20℃に降温、を複数回繰り返した(図4の「恒温恒湿槽内温度」参照)。
そして、この各試験体の表面に熱電対を貼り、表面温度を測定した。試験体の裏面(凹部開口側面)と木口面は断熱材で断熱し、熱移動は試験体の表面(床材表面)のみからとなるようにした。
その試験の結果を図4に示す。この図4を見ると、比較例2は槽内温度と同様の温度変動を示している。また、実施例1、2及び比較例1は比較例2と比較して温度の一定となる部分があり、表面温度の恒温化を確認できた。その恒温化の効果は実施例2、実施例1、比較例1の順で高くなっており、このことから、表面の熱伝導率が高い方が性能が良く、クッション材のない比較例1では、室温を意図する温度帯に保てないことが判る。
本発明は、通常の床材と同様に施工できかつ室内を恒温化できる潜熱蓄熱床材が得られるので、極めて有用であり、産業上の利用可能性が高い。
A 潜熱蓄熱床材
B 床下地
1 床材本体
L 切断位置
6 凹部
6a 内底面
8 包袋状容器
11 潜熱蓄熱材
13 クッション材

Claims (4)

  1. 室内の床下地上に施工される潜熱蓄熱床材であって、
    施工時に室内空間と反対側の面となる下面に凹部が形成された床材本体と、
    上記床材本体の凹部内に該凹部の内底面に伝熱可能に接触された状態で収容され、潜熱蓄熱材が充填された伝熱材料からなる可撓性を有する包袋状容器と、
    上記容器を上面が凹部の内底面に伝熱可能に押し付けられて該凹部の内底面と容器との間に隙間が生じないように付勢するクッション材とを備えていることを特徴とする潜熱蓄熱床材。
  2. 請求項1において、
    潜熱蓄熱材は空気が入らないように包袋状容器に封入されていることを特徴とする潜熱蓄熱床材。
  3. 請求項1又は2において、
    床材本体に複数の凹部が床材本体の長さ方向及び幅方向に並んで形成され、
    床材本体は、凹部以外の位置で切断可能であることを特徴とする潜熱蓄熱床材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つにおいて、
    潜熱蓄熱材は容器内面に接着されていることを特徴とする潜熱蓄熱床材。
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