JP5327112B2 - 内燃機関のピストン構造 - Google Patents
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Description
ピストン2とシリンダ13との気密性を保持するために、ピストン2の上部の外周部に配設したリング溝にピストンリング22が嵌合されている。
燃料と空気が予混合された予混合ガスが燃焼室3に吸引され、ピストン2で圧縮した時期に、点火プラグ14にて着火し火炎が燃焼室に火炎伝播して予混合ガスが燃焼して、ピストン2を押し下げて内燃機関としての出力をとりだしている。
また、シリンダブロック12には燃焼室3を構成する部分を冷却するウォータジャケット16が形成されている。
クレビス部23に侵入した予混合ガスは圧縮された状態で維持され、隙間が狭く火炎伝播がされ難く、燃焼され難いので、ピストン2の排気行程時に排気ガスと一緒に未燃焼ガスHCとして燃焼室3から排出される。
未燃焼ガスHCは光化学スモッグや酸性雨の原因になるので、大気への排出量の削減が求められている。
ところが、図9の(イ)及び(ロ)に示すように、トップランド20の高さを大きくするとトップランド20の強度は増大(イ)するが、当該部のクレビス部23は大きくなりHCの排出量は多くなる(ロ)。逆に、トップランド20の高さを小さくすると強度は小さくなる(イ)が、HC排出量は減少する(ロ)背反関係の不具合がある。
尚、トップランド20の高さを変えるピストンに関する技術の一例として、以下の特許文献1が存在する。
これは、スキッシュ流SFを形成するための棚部なので、ピストン上死点ではシリンダヘッドとのギャップが僅かになるようにトップランドを厚くしてある。
従って、スキッシュ形成部の面積及び体積も大きくなり、クレビス部23(図8参照)の容積も大きくなり、未燃焼ガスHC排出量が増加する。
更に、燃焼室から排出されるHCを減少させる効果を有している。
また、前記ピストンの頂面には前記第1トップランドの山形形状がスラスト、反スラスト方向に沿って前記ピストンの直径全域にわたり延設されているので、ピストンピンの軸線方向に位置する第2トップランド部の高さを減少させて、燃焼室から排出されるHCを減少させる効果を有すると共に、ピストンの重量軽減による内燃機関の出力アップと、材料費軽減によるコスト低減が可能となり、クレビス部)の全体容積を少なくすることにより、排出ガスの環境負荷低減効果を有する。
但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
尚、従来技術と変わらない部材及び箇所は従来技術と同じ符号を使用する。
図1は本発明の第1参考例における、ピストン5の模式的な形状を示し、(A)はピストン5のピストンピン51の軸線方向視を示し、(B)はその側面視を示す。
ピストン5はシリンダブロック12(図8参照)内に形成されたシリンダ13(図8参照)内を摺動するもので、その頂面59とシリンダヘッド11(図8参照)とで燃焼室3(図8参照)を形成している。
シリンダヘッド11に設けられた吸気ポート(図示省略)から、燃料と空気とを予混合した吸気ガスがシリンダ13内に供給され、ピストン5によって圧縮され、点火プラグ14にて爆発的に燃焼される。
特に、トップリング55はコンプレッションリングと称され、燃焼室3内の予混合ガスの圧縮及び予混合ガスの燃焼圧力の気密を保持する作用をしている。
従って、ピストン5のトップリング54と頂面59との間の部分、所謂トップランド52のスラスト/反スラスト方向に位置する第1トップランド53を爆発行程によってシリンダ13側を押圧した作用力の反作用力に応じた強度を有する高さM1(図1参照)になっている。ピストンピン51の軸線方向に沿ったトップランド52の部分に位置する第2トップランド54は燃焼室3における予混合ガスの圧縮行程時と爆発行程時には特に強い圧力でシリンダ13の側壁に当接しないので、第1トップランド53の高さM1より小さくして、爆発行程時に頂面59へ作用する圧力に耐えることができる高さN1になっている。
第1トップランド53をスラスト/反スラスト方向視において台形状の高さM1と上辺幅Kは爆発行程によって、ピストン5の第1トップランド53がピストンピン51を中心にシリンダ13に衝突し、その衝突力によるシリンダ13側からの反作用力に応じた強度と、第2トップランド54の高さN1からトップランド52の全体強度を考慮しながら決めればよい。
このような形状にすることにより、クレビス部23(図8参照)の容量を小さくして、
排気行程時に排気ガスと一緒に未燃焼ガスHCが燃焼室3からの排出量を減少できる。
熱伝導率の高い金属材541はピストンピン51の軸線方向両端部の第2トップランド部54に鋳込まれている。形状はピストン5の外周に沿い、半径方向に幅Pを有し、円弧状に且つ、第1トップランド53の近傍まで延在している。
これにより、第2トップランド54部分の熱はピストン5全体に速やかに伝わり、トップランド52の高蓄熱を防止して、ピストン5全体の耐久性を確保することができる。
熱伝導率の高い金属材としてはアルミ青銅、ネパール黄銅、リン青銅等が考えられる。
この場合、ピストン5の製造方法に特殊な操作を必要としないので、ピストン5のコスト上昇を抑制できる効果を有する。
尚、第2トップランド54の冷却構造においては、上述の方法を適宜併用することで、更に効果的な冷却ができ、第2トップランド54の高さを少なくして、クレビス部23の容積を減少させることができる。
また、トップランド52の高さをシリンダ13側からの反力に応じた高さに抑制し且つ、ピストン5の外周に沿った山形形状としたので重量を軽減できると共に、シリンダからの反力がピストン5の外周部全体に滑らかに伝わり高応力の発生を防止する効果を有している。
本実施形態は、ピストン6のトップランド62部分の形状が変わる以外第1参考例と同じなので、トップランド61部分の形状以外の説明は省略する。
図2は本発明の第1実施形態にかかる説明図であり、(A)はピストンピンの軸線方向視で、(B)は(A)の側面視及び(C)は(B)のZ矢視図を示す。
ピストン6のトップランド62のスラスト/反スラスト方向に位置する第1トップランド63は爆発行程によってシリンダ13側を押圧した作用力の反作用力に応じた強度を有する高さM2(図2参照)に抑制している。第1トップランド63はピストン6のスラスト/反スラスト方向視において台形状をなし、スラスト/反スラスト方向に沿って、ピストン6の直径略全域に亘って(図C参照)配設されている。
台形形状の上辺の高さM2と長さPは爆発行程によって、ピストン6の第1トップランド63がピストンピン61を中心にシリンダ13に衝突し、その衝突力によるシリンダ13側からの反作用力に応じた強度と、第2トップランド64の高さN2からトップランド62の全体強度を考慮しながら決めればよい。
また、ピストンピン孔61の軸線方向に沿った部分に位置する第2トップランド64は燃焼室3における予混合ガスの圧縮行程時と爆発行程時には特に強い圧力でシリンダ13の側壁に当接しないので、第1トップランド53の高さM2より小さくして、爆発行程時に頂面69へ作用する圧力に耐えることができる程度の高さN2になっている。
尚、第2トップランド64の熱対策については、第1参考例と同じなので省略する。
従って、既述の通り、クレビス部23の全体容積を少なくして未燃焼HC排出量減少と、ピストン6軽量化による出力向上、コスト低減が可能となる。
更に、スラスト側(ピストンが上死点直後にシリンダ側から受ける側圧方向)から反スラスト側にむけ高さMを減少させてもよい。
これは、ピストンが上死点直後とは燃焼行程(爆発的燃焼)が始まった直後で、上死点前の側圧方向から反転して、シリンダ13に当たるため、シリンダ13からの反力が一番高い。従って、反スラスト側は、スラスト側に比較してシリンダ13側からの反力が小さいので、高さMを減少させることが可能となる。
この結果、更に、クレビス部23の全体容積縮小、ピストン6の重量軽減が可能となる。
本実施形態は、第1実施形態に対し、第1トップランド73のスラスト/反スラスト方向視の山形形状が異なるのみなので、該山形形状の説明を行い、他の部分は第1実施形態に同じなので説明を省略する。
図3は本発明の第2実施形態にかかる説明図であり、(A)はピストンピンの軸線方向視で、(B)は(A)の側面視及び(C)は(B)のZ矢視図を示す。
第1トップランド73の山形形状の頂辺幅Qは第1実施形態の頂辺幅Pより小さくし、高さM3>M2として、トップランド72の強度を維持している。頂辺幅Qから第2トップランド74へ接続する傾斜部は円弧状の凹形状〔図3(B)〕参照に形成されている。
これは、既述の効果に加え、予混合された吸気ガスをピストン7が圧縮する際に、予混合ガスのタンブル流を助長させて、より効果的な燃焼を促進させ、出力向上及び省燃費を得ることができる。
台形形状の上辺の高さM3と長さZは爆発行程によって、ピストン7の第1トップランド73がピストンピン71を中心にシリンダ13に衝突し、その衝突力によるシリンダ13側からの反作用力に応じた強度と、第2トップランド74の高さN3からトップランド62の全体強度を考慮しながら決めればよい。
本参考例は第1参考例に対し、トップランド82の第1トップランド83の高さM4がピストン8のスラスト側(ピストンが上死点直後にシリンダ側から受ける側圧方向)にのみ配置したものである。
即ち、図4は本発明の第2参考例にかかる説明図であり、(A)はピストンピンの軸線方向視で、(B)は(A)の側面視及び(C)は(B)のZ矢視図を示す。
トップランド82における第1トップランド83はピストン8の外周部でスラスト方向に位置する部分に外周部に沿って半径方向に幅Sを有して、シリンダ13からの作用する反力が一番大きい部分を円弧状に形成した突出形成部831を配設している。該突出形成部831の突出上面から第2トップランド841の上面へと滑らかに変化し、ピストンピン81の軸線方向視において台形状をなしている。
第1トップランド83の該台形状の高さM4と上辺幅Rは爆発行程によって作用するシリンダ13側からの反作用力に応じた強度と、第2トップランド84の高さN4等からトップランド82の全体強度を考慮しながら決めればよい。
熱伝導率の高い金属材841はトップランド82の第1トップランド83部分を除いたピストン8の外周部に円弧状に配設されている。
配設する金属材料としては、第1参考例と同様の部材を使用する。
さらに、オイルジェットで冷却する場合には、ピストン8の内側空間部で、第2トップランド84の裏側に相当する部分に他の部分より多く冷却オイルを吹付けることで、トップランド82の高蓄熱を防止して、ピストン8全体の耐久性を確保することができる。
2 ピストン
3 燃焼室
4 右側集合排気管
5 ピストン
6 ピストン
9 オイルジェットノズル
11 シリンダヘッド
13 シリンダ
20 トップランド
23 クレビス部
52 トップランド
53 第1トップランド
54 第2トップランド
59 頂面
62 トップランド
63 第1トップランド
64 第2トップランド
69 頂面
72 トップランド
73 第1トップランド
74 第2トップランド
79 頂面
531 突出部
541 熱伝導率の高い金属材
Claims (4)
- 内燃機関のシリンダブロックに形成されるシリンダと、該シリンダ内部を摺動するピストンと、該ピストンの頂部に対向して配設されたシリンダヘッドと、前記ピストン上部の側面外周に形成されたリング溝に嵌入するピストンリングとで燃焼室を構成する内燃機関の燃焼室構造において、
前記ピストンのスラスト、反スラスト方向に位置する第1トップランド部の前記ピストンリングから前記ピストンの頂部までのトップランド高さを、前記ピストンピン方向の部位である第2トップランド部より高くすると共に、第1トップランド部のスラスト、反スラスト方向視が山形形状とし、
前記ピストンの頂面には前記第1トップランドの山形形状が前記スラスト、反スラスト方向に沿って前記ピストンの直径全域にわたり延設されていることを特徴とする内燃機関の燃焼室構造。 - 前記第2トップランド部には前記ピストンの母材より熱伝導率の高い材料を配設したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃焼室構造。
- 前記第2トップランド部の前記シリンダとの対向面は表面粗さが他の部分より面粗さを緻密にしたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃焼室構造。
- 前記ピストン内空部の前記第2トップランドの裏側部分には冷却用オイルジェットの噴出量を他の部分より多くしたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃焼室構造。
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