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JP5327440B2 - キャリッジ、該キャリッジを備えた記録装置 - Google Patents
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JP5327440B2 - キャリッジ、該キャリッジを備えた記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録装置に往復動可能に支持されるキャリッジ、該キャリッジを備えた記録装置に関する。
インクジェットプリンタ等の記録装置においては、記録ヘッドのヘッド面と被記録材の記録面との間隔を高精度に規定することが高画質な記録を実現する上で重要な要素の一つとなる。そのため、被記録材を支持するプラテン等の支持面と記録ヘッドのヘッド面との間隔(いわゆるプラテンギャップ。以下略して「PG」と言う。)を自動的に切り換える機構(以下、「APG切換機構」と言う。)を備えた記録装置が公知である。被記録材の種類や厚み等に応じてPGを切り換えることによって、被記録材の種類や厚み等にかかわらず、記録ヘッドのヘッド面と被記録材の記録面との間隔を高精度に規定することができる。
従来のAPG切換機構は、キャリッジを往復動可能に支持しているキャリッジガイド軸等のキャリッジ支持構造全体を上下動させることで、ヘッド面と交差する方向へキャリッジを変位させ、それによってPGを切り換える構造が一般的に採用されていた(例えば、特許文献1を参照)。しかし近年、インクジェットプリンタ等の記録装置は、さらなる高速化及び高画質化を実現するために記録ヘッドが大型化してきており、それに伴ってキャリッジも大型化して重量が増加する傾向にある。そのため、キャリッジ及びその支持構造全体を上下動させる従来のAPG切換機構では、ヘッドユニットを含むキャリッジ全体の重量及びキャリッジガイド軸等の重量の全てを充分な剛性を持って支えつつ、それらを高精度に上下動させる必要があることから、機構全体が大掛かりにならざるを得ない。つまりキャリッジ支持構造全体を上下動させるAPG切換機構では、記録ヘッドの大型化に起因して記録装置の大型化やコストの大幅な増加が生ずる虞がある。
このような課題を解決可能な従来技術の一例としては、キャリッジ内部にAPG切換機構を設けた記録装置が公知である(例えば、特許文献2を参照)。この従来技術に係るキャリッジは、メインキャリッジとサブキャリッジとからなる二体構造を有し、メインキャリッジにフローティング状態で支持されたサブキャリッジにヘッドユニットが搭載されており、ヘッド面と交差する方向へサブキャリッジを変位させてPGを切り換える機構がキャリッジ内部に設けられている。このようにキャリッジ内部にAPG切換機構を設けることによって、前記のような記録装置の大型化やコストの大幅な増加が生ずる虞を低減させることができる。
また、インクジェットプリンタ等の記録装置において、高精度な記録を実現する上では、キャリッジの往復動方向に対して記録ヘッドのノズル列が略直交する位置関係となるように、記録ヘッドのヘッド面に沿う回転方向における傾き角度(以下、単に「傾き角度」と言う。)を製造工程において調整する機構が不可欠となる。そのため、例えば上記の特許文献2に開示されているキャリッジは、サブキャリッジの傾き角度を調整する機構として、サブキャリッジに摺接する調整用偏心カムがメインキャリッジに設けられている。具体的には、この調整用偏心カムの回転位置を調整することによって、サブキャリッジの傾き角度を調整することができ、それによってサブキャリッジに搭載されている記録ヘッドの傾き角度を調整することができる構造になっている(特許文献2の明細書の段落0087、0088、図23の「ヘッド角度調節用偏心カム272」に関する記載部分を参照)。
特開平10−211748号公報 特開2004−268340号公報
しかしながら、特許文献2に開示されているキャリッジは、PGを切り換える度に調整用偏心カムのカム面にサブキャリッジが摺接しながら変位するため、それによってPGを切り換える度に調整用偏心カムのカム面が徐々に摩耗してしまう。また、調整用偏心カムのカム面(曲面)とサブキャリッジの側面(平坦面)とは、その摺接面の形状から略線接触するため、調整用偏心カムのカム面の摺接部分が局所的に摩耗して急速に摩耗が進行する虞がある。このようなことから特許文献2に開示されているキャリッジは、調整用偏心カムのカム面の摩耗によって、記録ヘッドの傾き角度が徐々にずれていって記録精度が低下してしまう虞がある。
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、APG切換機構及び記録ヘッドの傾き角度を調整するための機構をキャリッジ内部に設けた記録装置において、記録ヘッドの傾き角度が徐々にずれていって記録精度が低下してしまう虞を低減させることにある。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様は、記録ヘッドを有するヘッドユニットが搭載され、記録装置に往復動可能に支持されるキャリッジにおいて、前記記録ヘッドのヘッド面と交差する方向へ前記ヘッドユニットを変位させる変位機構と、前記ヘッド面に沿う回転方向における前記ヘッドユニットの傾き角度を調整するための傾き角度調整機構と、を備え、前記傾き角度調整機構は、前記ヘッドユニットの変位に対して前記ヘッドユニットと摺接し、前記ヘッドユニットの傾き角度を規定する摺接部材と、前記摺接部材と係合して前記摺接部材の位置を調整するための調整用偏心カムと、を有している、ことを特徴としたキャリッジである。
このように、調整用偏心カムとヘッドユニットとの間に摺接部材を介在させることによって、調整用偏心カムのカム面がヘッドユニットに直接摺接しないようにすることができる。それによってヘッドユニットが変位するときに調整用偏心カムのカム面が摩耗することを防止することができる。また摺接部材は、特定の形状に限定されないので、ヘッドユニットと面接触で摺接させることが可能である。それによって、摺接部分に作用する摩擦力が摺接面全体に分散されるので、ヘッドユニットが変位するときの摺接部材の摩耗を極めて小さくすることができる。したがって、摺接部材の摩耗に起因して生ずる記録ヘッドの傾き角度のずれは極めて小さくなる。
これにより本発明の第1の態様に記載のキャリッジによれば、APG切換機構及び記録ヘッドの傾き角度を調整するための機構をキャリッジ内部に設けた記録装置において、記録ヘッドの傾き角度が徐々にずれていって記録精度が低下してしまう虞を低減させることができるという作用効果が得られる。
本発明の第2の態様は、前述した第1の態様に記載のキャリッジにおいて、前記摺接部材は、前記調整用偏心カムの材料より耐摩耗性が高い材料で成形されており、前記調整用偏心カムは、前記摺接部材の材料より成形収縮率が小さい材料で成形されている、ことを特徴としたキャリッジである。
射出成形等による部品成形に使用される材料において、耐摩耗性が高い材料は、一般的に成形収縮率が大きく部品精度が出ないため、部品精度が要求される調整用偏心カムの材料としては採用できない場合が多い。他方、成形収縮率が小さく調整用偏心カムに要求される部品精度を出すことが可能な材料は、一般的に耐摩耗性が低い場合が多い。つまり、射出成形等による部品成形に使用される材料において、耐摩耗性と部品精度とは、相容れない性質である場合が多い。
したがって、例えば従来技術のように調整用偏心カムのカム面にヘッドユニットを直接摺接させる構造では、調整用偏心カムのカム面の摩耗を低減させることを成形材料の選定によって実現するのは容易ではない。また、例えば硬い金属材料等で調整用偏心カムを成形すれば、高い耐摩耗性を有する調整用偏心カムを高精度に製造することは可能である。しかし、このような調整用偏心カムは極めて高価なものとなってしまうため、一般的な記録装置においては、コスト的な面で現実的ではなく採用できない。
このようなことから本発明においては、調整用偏心カムとヘッドユニットとの間に摺接部材を介在させる構造を採用することに加えて、さらに摺接部材は、調整用偏心カムの材料より耐摩耗性が高い材料で成形し、調整用偏心カムは、摺接部材の材料より成形収縮率が小さい材料で成形するのが好ましい。それによって、記録ヘッドの傾き角度をより高精度に調整することができるとともに、摺接部材の摩耗をより低減して摺接部材の摩耗に起因して生ずる記録ヘッドの傾き角度のずれをより小さくすることができる。したがって本発明の第2の態様に記載のキャリッジによれば、記録ヘッドの傾き角度が徐々にずれていって記録精度が低下してしまう虞をより低減させることができるという作用効果が得られる。
本発明の第3の態様は、前述した第1の態様又は第2の態様に記載のキャリッジにおいて、前記摺接部材の位置を調整後に固定するための固定機構を備えている、ことを特徴としたキャリッジである。
このような特徴によれば、摺接部材の位置を調整後に固定することができるので、調整時のヘッドユニットの傾き角度をより安定的かつ強固に保持することができる。
本発明の第4の態様は、前述した第1〜第3の態様のいずれかに記載のキャリッジにおいて、前記摺接部材は、回動可能に軸支されており、前記調整用偏心カムが係合する部分と回動軸との間の部分で前記ヘッドユニットと摺接する、ことを特徴としたキャリッジである。
このような特徴によれば、調整用偏心カムが係合する部分から回動軸までの長さとヘッドユニットが摺接する部分から回動軸までの長さとの比率に応じて、調整用偏心カムの回転位置を調整して記録ヘッドの傾き角度を調整する際の分解能を高めることができる。したがって本発明の第4の態様に記載のキャリッジによれば、記録ヘッドの傾き角度をより高精度に調整することが可能になるという作用効果が得られる。
本発明の第5の態様は、前述した第1〜第4の態様のいずれかに記載のキャリッジを備えた記録装置である。
本発明の第5の態様に記載の記録装置によれば、記録装置において、前述した第1〜第4の態様のいずれかに記載の発明による作用効果を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<インクジェットプリンタの概略構成>
まず、本発明に係る「記録装置」としてのインクジェットプリンタ50の概略構成について、図1〜図4を参照しながら説明する。
図1は、インクジェットプリンタ50の要部斜視図であり、図2は、その一部を拡大図示した要部斜視図である。図3は、インクジェットプリンタ50の要部側面図であり、図4は、その一部を拡大図示した要部斜視図である。
インクジェットプリンタ50は、「被記録材」としての記録紙(図示省略)をインクジェットプリンタ50の内部へ給送する自動給送装置70を備えている。またインクジェットプリンタ50は、記録紙の記録面にインクを噴射する5つの記録ヘッド621〜625を備えている。さらにインクジェットプリンタ50は、記録紙に対して記録ヘッド621〜625を相対的に主走査方向Xへ走査させる手段としてキャリッジ61を備えている。さらにインクジェットプリンタ50は、記録ヘッド621〜625に対して記録紙を相対的に副走査方向Yへ走査させる手段として搬送駆動ローラ51、搬送従動ローラ52、排出駆動ローラ54及び排出従動ローラ55を備えている。
自動給送装置70は、給送用トレイ71、左エッジガイド72、右エッジガイド73、トレイカバー74及び給送用ローラ(図示せず)を備えている。
給送用トレイ71は、複数の記録紙が積重された状態で載置されて収容される。左エッジガイド72及び右エッジガイド73は、給送用トレイ71に積重された記録紙の主走査方向Xの載置位置を規制するガイド部材である。トレイカバー74は、給送用トレイ71の上部を開閉可能に設けられた多段スライド構造の蓋体である。給送用トレイ71に積重された記録紙は、最上位にある記録紙が給送用ローラの外周面に当接し、その給送用ローラの回転により、搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52との当接部分に先端が到達する位置まで給送される。
搬送駆動ローラ51は、表面に高摩擦被膜が施されており、図示していない搬送用モータの回転駆動力が伝達されて回転する。搬送従動ローラ52は、揺動可能に軸支された従動ローラホルダ521の先端に回転自在に軸支されている。従動ローラホルダ521は、ねじりコイルばね522のばね力によって、搬送従動ローラ52が搬送駆動ローラ51に当接する方向へ付勢されている。自動給送装置70により給送された記録紙は、搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52とで挟持され、搬送駆動ローラ51の駆動回転によってプラテン53上を副走査方向Yへ搬送される。
キャリッジ61は、第1軸受部611が主ガイド軸56に支持され、第2軸受部612が副ガイド軸57に支持された状態で、主走査方向Xへ往復動可能に配設されている。またキャリッジ駆動用モータ63の駆動プーリ631と従動プーリ(図示せず)との間には、主走査方向Xに沿って無端ベルト64が掛架されており、その無端ベルト64の一部がキャリッジ61に連結されている。キャリッジ61は、キャリッジ駆動用モータ63を双方向回転させることによって主走査方向Xへ往復動する。
記録ヘッド621〜625は、各々のヘッド面62aがプラテン53の支持面531に対面するようにキャリッジ61に搭載されている。記録ヘッド621〜615は、インクを噴射するための多数の噴射ノズルがヘッド面62aに配設されており(図示せず)、5本のインク流路を有するインクチューブ81を経由してインクタンク部80からインクが供給される。またキャリッジ61に実装されている駆動回路基板(図示せず)には、図示していないマイコン制御回路を有する制御装置からFFC82を介して、記録ヘッド621〜625の駆動信号が出力される。インクチューブ81及びFFC82は、キャリッジ61の往復動を妨げないように可撓性を有する材料で形成されており、一定の余長をもって弛んだ状態で配設されている。インクチューブ81及びFFC82は、接続部材84によりキャリッジ61に接続されるとともに、キャリッジ61が往復動する際にばたつかないように、ホルダ部材83でインクジェットプリンタ50の筐体フレームに支持されている。
プラテン53上の記録紙は、キャリッジ61が主走査方向Xへ往復動しながら記録ヘッド621〜625のヘッド面62aから記録面にインクを噴射してドットを形成する動作と、搬送駆動ローラ51の駆動回転により所定の搬送量で副走査方向Yへ搬送する動作とが交互に繰り返されることによって記録が実行される。そしてインク噴射後の記録紙は、排出駆動ローラ54と排出従動ローラ55とで挟持され、排出駆動ローラ54の駆動回転により搬送方向YFへ搬送されて排出スタッカ58へ排出される。これらの一連の記録制御は前記の制御装置により実行される。
<本発明に係るキャリッジの構造>
つづいて本発明に係るキャリッジ61の構造について、図5〜図11を参照しながら説明する。
図5は、キャリッジ61の要部斜視図であり、図6は、キャリッジ61の要部平面図である。図7は、ヘッドユニット10及びAPG切換機構20を図示した要部斜視図であり、図8は、その要部側面図である。
ここで、記録ヘッド621〜625のヘッド面62aと交差する方向をZ方向(符号Zで示した方向)とし、記録ヘッド621〜625のヘッド面62aに沿う所定方向をX方向(主走査方向Xと同じ方向)とし、記録ヘッド621〜625のヘッド面62aに沿ってX方向と交差する方向をY方向(副走査方向Yと同じ方向)とする。
本発明に係るキャリッジ61は、ヘッドユニット10とAPG切換機構20を備えている。ヘッドユニット10は、5つの記録ヘッド621〜625が並設されて搭載されている。APG切換機構20は、Z方向へ変位可能にヘッドユニット10を支持するとともに、キャリッジ61に対して相対的にZ方向へモータの回転駆動力でヘッドユニット10を変位させることによって、記録紙の厚み等に応じてPGを自動的に切り換えるための「変位機構」である。
APG切換機構20は、第1〜第4偏心カム21〜24と、4つのコイルばね11〜14を有している。第1〜第4偏心カム21〜24は、Z方向にヘッドユニット10を支持する。コイルばね11〜14は、ヘッドユニット10を第1〜第4偏心カム21〜24へ付勢する。より具体的には、第1〜第4偏心カム21〜24は、同じカムプロフィールを有する同形状の偏心カムであり、ヘッドユニット10の上面側にカム面が当接した状態でヘッドユニット10を上面側から支持する。4つのコイルばね11〜14は、ヘッドユニット10とキャリッジ61との間に縮設され、ヘッドユニット10を第1〜第4偏心カム21〜24へ付勢する。
第1偏心カム21及び第2偏心カム22は、第1回転軸25に同位相に設けられた同形状の偏心カムである。第1回転軸25は、キャリッジ61の内側に軸支されている。第1偏心カム21及び第2偏心カム22は、記録ヘッド621〜625よりY方向の一方側(下流側)の部分でヘッドユニット10を支持する。さらに第1偏心カム21は、記録ヘッド621〜625よりX方向の一方側(左側)の部分でヘッドユニット10を支持し、第2偏心カム22は、記録ヘッド621〜625よりX方向の他方側(右側)の部分でヘッドユニット10を支持する。
第3偏心カム23及び第4偏心カム24は、第2回転軸26に同位相に設けられた同形状の偏心カムである。第2回転軸26は、キャリッジ61の内側に軸支されている。第3偏心カム23及び第4偏心カム24は、記録ヘッド621〜625よりY方向の他方側(上流側)の部分でヘッドユニット10を支持する。さらに第3偏心カム23は、記録ヘッド621〜625よりX方向の一方側(左側)の部分でヘッドユニット10を支持し、第4偏心カム24は、記録ヘッド621〜625よりX方向の他方側(右側)の部分でヘッドユニット10を支持する。
APG切換機構20は、第1〜第4偏心カム21〜24のそれぞれのカム面により構成されるヘッドユニット10の支持面を、キャリッジ61に対して相対的にZ方向へ変位させる機構を有している。より具体的には、モータ(図示せず)の回転駆動力で第1回転軸25及び第2回転軸26を同じ回転量で同じ回転方向へ回転させるための歯車31〜35が設けられている。歯車31は、第1回転軸25に回転伝達可能に取り付けられており、歯車33と噛合している。歯車32は、第2回転軸26に回転伝達可能に取り付けられており、歯車35と噛合している。歯車33〜35は、キャリッジ61の外側面に軸支されており、歯車33と歯車35は、ともに歯車34と噛合している。
したがって、歯車31〜35のいずれかをモータの回転駆動力で回転させることによって、同じ回転量で同じ回転方向へ第1回転軸25及び第2回転軸26を回転させることができる。それによって、キャリッジ61に対して相対的にヘッドユニット10がZ方向へ変位し、第1〜第4偏心カム21〜24のカムプロフィールに応じてPGを切り換えることができる。この歯車31〜35のいずれかを回転させるためのモータは、例えばキャリッジ61に実装して良い。あるいは、歯車31〜35のいずれかを回転させるためのモータをインクジェットプリンタ50の本体側に配設し、所定の停止位置(ホームポジション等)にキャリッジ61が停止した状態にあるときだけ、そのモータの回転駆動力で回転する歯車が歯車31〜35のいずれかと噛合するようにしても良い。
<本発明に係る「傾き角度調整機構」の構造>
つづいて、本発明に係る「傾き角度調整機構」の構造について、図9〜図12を参照しながら説明する。
図9は、ヘッドユニット10の要部斜視図であり、図10は、その一部を拡大図示した平面図である。図11は、キャリッジ61の要部側面図である。図12は、調整用偏心カム28の斜視図である。
本発明に係るキャリッジ61は、キャリッジ61に対する記録ヘッド621〜625の主走査方向X及び副走査方向Yの位置決め、並びにキャリッジ61に対する記録ヘッド621〜625のヘッド面62aに沿う回転方向の傾き角度(Z方向軸の回転角度)を調整するための「傾き角度調整機構」を備えている。「傾き角度調整機構」は、摺接部材27、調整用偏心カム28及び「固定機構」としての固定ねじ29で構成される。
摺接部材27は、ヘッドユニット10の変位に対してヘッドユニット10と摺接し、ヘッド面62aに沿う回転方向のヘッドユニット10の傾き角度を規定する部材である。摺接部材27は、支持軸部271でキャリッジ61に回動可能に軸支されている。ヘッドユニット10は、斜めに配設されたコイルばね12及び14のばね力によって摺接部材27へ付勢されている。ヘッドユニット10のX方向の側面15は、摺接部材27のX方向規制面273と当接する。ヘッドユニット10のY方向の側面に設けられた当接部16は、摺接部材27のY方向規制面274と当接する。それによって、キャリッジ61に対する主走査方向X及び副走査方向Yの記録ヘッド621〜625の位置決めがなされる。
尚、記録ヘッド621〜625と記録紙との主走査方向Xにおける相対的な位置関係は、例えばキャリッジ61の移動位置に対するインク噴射タイミングを調整することでも微調整が可能である。また、記録ヘッド621〜625と記録紙との副走査方向Yにおける相対的な位置関係は、例えば記録紙の搬送制御において記録開始位置を調整することでも微調整可能である。そのため、キャリッジ61に対する記録ヘッド621〜625の主走査方向X及び副走査方向Yの相対的な位置精度は、厳密な意味で高い位置精度は要求されない。
キャリッジ61に対する記録ヘッド621〜625のヘッド面62aに沿う回転方向の傾き角度(Z方向軸の回転角度)は、摺接部材27の回動角度を調整することによって調整することができる。調整用偏心カム28は、摺接部材27と係合して摺接部材27の回動角度を調整するための部材である。固定ねじ29は、摺接部材27の長孔272に挿通された状態でキャリッジ61に設けられたねじ穴(図示せず)に螺合しており、摺接部材27の位置を調整後に固定するためのねじである。
調整用偏心カム28は、回動軸部281でキャリッジ61に回動可能に軸支される。回動軸部281には、偏心カム部282が一体的に形成されている。偏心カム部282のカム面は、摺接部材27のカム当接部275に当接する。L字形の係合部283は、キャリッジ61に設けられた扇形の長溝に係合する。凸部285は、キャリッジ61に等間隔に複数並べて設けられている凹部614のいずれかに係合して、調整用偏心カム28の回動位置の位置決めをするためのものである。作業者は、つまみ部284を引っ張って凸部285とキャリッジの凹部614との係合を解除した状態で、調整用偏心カム28を符号Aで示した方向へ回動させることができる。
摺接部材27は、調整用偏心カム28を符号Aで示した方向へ回動させることによって、符号Bで示した方向へ回動する。したがって摺接部材27の回動位置は、調整用偏心カム28の回動位置を調整することによって調整することができる。また摺接部材27は、調整用偏心カム28が係合するカム当接部275と回動軸部281との間の部分に、ヘッドユニット10のY方向の側面に設けられた当接部16が当接している。したがって、回動軸部281を回動中心として摺接部材27が回動すると、ヘッドユニット10は、カム当接部275の変位量の略半分の変位量で回動することになる。それによって、調整用偏心カム28の略2倍の分解能で、記録ヘッド621〜625のヘッド面62aに沿う回転方向の傾き角度を調整することが可能になる。そして調整後は、固定ねじ29で摺接部材27の回動位置を固定することによって、摺接部材27の回動位置を固定することができ、それによって記録ヘッド621〜625のヘッド面62aに沿う回転方向の傾き角度を適切な角度で安定的かつ強固に保持することができる。
以上説明したように、本発明に係る「傾き角度調整機構」は、調整用偏心カム28とヘッドユニット10との間に摺接部材27を介在させることによって、調整用偏心カム28のカム部282のカム面がヘッドユニット10に直接摺接しないようにすることができる。それによってヘッドユニット10がZ方向へ変位するときに調整用偏心カム28のカム部282のカム面が摩耗することを防止することができる。また摺接部材27は、特定の形状に限定されないので、図示の如くヘッドユニット10と面接触で摺接させることが可能である。それによって、ヘッドユニット10がZ方向へ変位するときの摺接部材27の摩耗を極めて小さくすることができるので、この摺接部材27の摩耗に起因して生ずる記録ヘッド621〜625の傾き角度のずれは極めて小さくなる。したがって、記録ヘッド621〜625の傾き角度が徐々にずれていって記録精度が低下してしまう虞を低減させることができる。
また本発明に係るキャリッジ61においては、摺接部材27を調整用偏心カム28の材料より耐摩耗性が高い材料で成形し、調整用偏心カム28を摺接部材27の材料より成形収縮率が小さい材料で成形するのが好ましい。それによって、記録ヘッド621〜625の傾き角度をより高精度に調整することができるとともに、摺接部材27の摩耗に起因して生ずる記録ヘッド621〜625の傾き角度のずれをより小さくすることができる。摺接部材27の材料としては、例えばPOM(ポリアセタール樹脂)等の耐摩耗性材料や金属材料を用いるのが好ましい。他方、調整用偏心カム28の材料としては、ABS樹脂、ポリアリレート、変性PPE等の成形収縮率が小さい材料を用いるのが好ましい。
尚、本発明は、上記説明した実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
インクジェットプリンタの要部斜視図。 インクジェットプリンタの一部を拡大図示した要部斜視図。 インクジェットプリンタの要部側面図。 インクジェットプリンタの一部を拡大図示した要部斜視図。 キャリッジの要部斜視図。 キャリッジの要部平面図。 ヘッドユニット及びAPG切換機構を図示した要部斜視図。 ヘッドユニット及びAPG切換機構を図示した要部側面図。 ヘッドユニットの要部斜視図。 ヘッドユニットの一部を拡大図示した平面図。 キャリッジの要部側面図。 調整用偏心カムの斜視図。
符号の説明
10 ヘッドユニット、20 APG切換機構、21〜24 第1〜第4偏心カム、
25 第1回転軸、26 第2回転軸、27 摺接部材、28 調整用偏心カム、29 固定ねじ、31〜35 歯車、36〜39 第1〜第4偏心ブッシュ、50 インクジェットプリンタ、51 搬送駆動ローラ、52 搬送従動ローラ、53 プラテン、54 排出駆動ローラ、55 排出従動ローラ、56 主ガイド軸、57 副ガイド軸、61 キャリッジ、621〜625 記録ヘッド、70 自動給送装置、80 インクタンク部、X 主走査方向、X方向、Y 副走査方向、Y方向、Z Z方向

Claims (5)

  1. 記録ヘッドを有するヘッドユニットが搭載され、記録装置に往復動可能に支持されるキャリッジにおいて、
    前記記録ヘッドのヘッド面と交差する方向へ前記ヘッドユニットを変位させる変位機構と、前記ヘッド面に沿う回転方向における前記ヘッドユニットの傾き角度を調整するための傾き角度調整機構と、を備え、
    前記傾き角度調整機構は、前記ヘッドユニットの変位に対して前記ヘッドユニットと摺接し、前記ヘッドユニットの傾き角度を規定する摺接部材と、
    前記摺接部材と係合して前記摺接部材の位置を調整するための調整用偏心カムと、を有し
    前記摺接部材は、前記キャリッジに回動可能に軸支されている、ことを特徴としたキャリッジ。
  2. 請求項1に記載のキャリッジにおいて、
    前記摺接部材は、前記調整用偏心カムの材料より耐摩耗性が高い材料で成形されており、
    前記調整用偏心カムは、前記摺接部材の材料より成形収縮率が小さい材料で成形されている、ことを特徴としたキャリッジ。
  3. 請求項1又は2に記載のキャリッジにおいて、前記摺接部材の位置を調整後に固定するための固定機構を備えている、ことを特徴としたキャリッジ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のキャリッジにおいて、当該キャリッジに回動可能に軸支されている前記摺接部材は、前記調整用偏心カムが係合する部分と回動軸との間の部分で前記ヘッドユニットと摺接する、ことを特徴としたキャリッジ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のキャリッジを備えた記録装置。
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