JP5327982B2 - エラストマー組成物及びエアバッグ装置の収納カバー - Google Patents
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Description
すなわち、オレフィン系エラストマーは、比較的安価で耐候性、耐熱性に優れるものの柔軟性、耐スクラッチ性に劣る。
ポリウレタンエラストマーは、耐スクラッチ性に優れるものの、柔軟性、耐候性に劣り、かつ高価であるという欠点を有している。
また、軟質ポリ塩化ビニルは、比較的安価であり耐候性、耐スクラッチ性に優れるものの、低温での柔軟性、リサイクル性に劣るという欠点を有している。
エアバッグ装置は、高速移動中の乗員の前面に取付けられ、衝突によって衝突感知装置が作動すると、ガス発生器から瞬間的にガスが発生し、ガス発生器、収納カバー及び取付具によって囲まれて形成される空間内に折畳まれて収納されているエアバッグにガスが充填され、エアバッグに充填されたガスの圧力により収納カバーが展開し、展開によって得た開口部からエアバッグが乗員の前面に向けて瞬間的に放出、膨張することにより、乗員を座席側に拘束し、その結果乗員が操縦装置や計器盤等に衝突して負傷することを防ぐものである。
従って、エアバッグ装置の収納カバーは、衝突事故等が発生しガス発生器が作動した際には乗員を傷つける危険性のある破片を飛散することなく確実に展開し、バッグを瞬間的に放出するものでなくてはならない。
また、比較的低分子量の2種類の水素添加スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体を主体とする熱可塑性エラストマー組成物(例えば、特許文献8参照。)、高分子量の水素添加スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体と、比較的低分子量の水素添加スチレン−共役ジエン系ブロック共重合体とを主体とする熱可塑性エラストマー組成物がエアバッグ装置収納カバー用途に用いられる旨(例えば、特許文献9参照。)が提案されている。
また、特許文献4、5に開示されているエアバッグ収納カバーは、補強用ナイロン系ネットを使用しているため、展開時に開裂部以外に亀裂が生じたり、カバーの一部が飛散したりするといった問題は解決されているものの、成形時に補強用ネットを組み込むのに時間がかかり、また補強用ネットの位置がずれる等の問題があり、生産性に劣るという欠点を有している。
特許文献7に開示されているカバーは、乗員に適度に柔軟な感触を与え、広い温度範囲で適応可能であるという点では好ましいが、表面の耐傷付性(耐スクラッチ性)が悪いため、射出成形した後に表面を塗装する必要があり、コスト高であるという問題を有している。
すなわち、本発明は下記の通りである。
(a)下記(a−1)及び(a−2)に示す水添ブロック共重合を含む水添ブロック共
重合体混合物:100質量部と、
(a−1):
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAを少なくとも2個と、
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBを少なくとも1個と、を有するブロ
ック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体であって、数平均分子量が2
00000を超え400000以下であり、前記重合体ブロックAの含有量が15〜40
質量%である水添ブロック共重合体:10〜60質量部
(a−2):
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAを少なくとも1個と、
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBを少なくとも1個と、を有するブロ
ック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体であって、数平均分子量が3
0000を超え140000以下であり、前記重合体ブロックAの含有量が10〜25質
量%であり、水素添加前の前記共役ジエン化合物中のビニル結合量が50モル%を超え60モル%以下、かつ、ASTM D1238に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgの条件で求めたメルトフローレート値(MFR)が0.1g/10分以上30g/10分未満である水添ブロック共重合体:40〜90質量部
(b)ASTM D1238に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgの条件で求め
たメルトフローレート値(MFR)が5g/10分以上100g/10分以下のポリプロ
ピレン系樹脂:30〜125質量部と、
(c)炭化水素オイル:0〜60質量部と、
を含有するエラストマー組成物。
また、本発明によれば、上記特性を有するエラストマー組成物を用いたことにより、優れた耐スクラッチ性、外観特性、低温カバー展開性能に優れたエアバック装置の収納カバーが得られる。
(a)下記(a−1)及び(a−2)に示す水添ブロック共重合を含む水添ブロック共重合体混合物:100質量部と、
(a−1):
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAを少なくとも2個と、
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBを少なくとも1個と、を有するブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体であって、数平均分子量が200000を超え400000以下であり、前記重合体ブロックAの含有量が15〜40質量%である水添ブロック共重合体:10〜60質量部
(a−2):
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAを少なくとも1個と、
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBを少なくとも1個と、を有するブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体であって、数平均分子量が30000を超え140000以下であり、前記重合体ブロックAの含有量が10〜25質量%であり、水素添加前の前記共役ジエン化合物中のビニル結合量が40〜60モル%、かつ、ASTM D1238に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgの条件で求めたメルトフローレート値(MFR)が0.1g/10分以上30g/10分未満である水添ブロック共重合体:40〜90質量部
(b)ASTM D1238に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgの条件で求めたメルトフローレート値(MFR)が5g/10分以上100g/10分以下のポリプロピレン系樹脂:30〜125質量部と、
(c)炭化水素オイル:0〜60質量部と、
を含有するエラストマー組成物である。
以下、各成分について説明する。
(a)成分である水添ブロック共重合体混合物は、後述する(a−1)及び(a−2)の水添ブロック共重合体の混合物である。
なお、本実施形態において、「主体とする」とは、重合体ブロック中の該当モノマー単位の割合が50質量%以上であることを意味し、好ましくは70質量%以上であることを意味する。例えば、「ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA」とは、重合体ブロック中のビニル芳香族化合物単位の割合が50質量%以上、好ましくは70質量%以上であることを意味する。
水添ブロック共重合体(a−1)は、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAを少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBを少なくとも1個とを有するブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体であって、数平均分子量が200000を超え400000以下であり、前記重合体ブロックAが15〜40質量%である水添ブロック共重合体である。
また、上記のように前記重合体ブロックAは、水添ブロック共重合体(a−1)の15〜40質量%であり、好ましくは20〜35質量%である。
水添ブロック共重合体(a−1)の数平均分子量が200000以下であると、本実施形態におけるエラストマー組成物の強度、耐熱性が低下する傾向にあり、一方、水添ブロック共重合体(a−1)の数平均分子量が400000を超えると、エラストマー組成物の成形加工性(流動性)が低下し、また成形品の外観が悪化する(フローマークの発生)傾向にある。
また、重合体ブロックAが水添ブロック共重合体(a−1)の15質量%未満であると、エラストマー組成物の強度、耐熱性が低下する傾向にあり、一方、重合体ブロックAが水添ブロック共重合体(a−1)の40質量%を超えると、エラストマー組成物の耐スクラッチ性、柔軟性が低下し、また成形加工性、低温特性が低下する傾向にある。
水添ブロック共重合体(a−2)は、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAを少なくとも1個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBを少なくとも1個とからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体である。
水添ブロック共重合体(a−2)は、数平均分子量が30000を超え140000以下である。
前記重合体ブロックAが、水添ブロック共重合体(a−2)の10〜25質量%を構成し、水素添加前の共役ジエン化合物中のビニル結合量が40〜60モル%である。
また、水添ブロック共重合体(a−2)は、ASTM D1238に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgの条件で求めたメルトフローレート値(MFR)が0.1g/10分以上30g/10分未満である。
また、上記のように前記重合体ブロックAは、水添ブロック共重合体(a−2)の10〜25質量%であり、好ましくは12〜20質量%である。
水添ブロック共重合体(a−2)の数平均分子量が30000以下であると、エラストマー組成物の強度、耐熱性が低下する傾向にあり、一方、水添ブロック共重合体(a−2)の数平均分子量が140000を超えると、エラストマー組成物の成形加工性(流動性)が低下し、また成形品の外観が悪化する(フローマークの発生)傾向にある。
また、重合体ブロックAが水添ブロック共重合体(a−2)の10質量%未満であると、エラストマー組成物の強度、耐熱性が低下する傾向にあり、一方、重合体ブロックAが水添ブロック共重合体(a−2)の25質量%を超えると、エラストマー組成物の耐スクラッチ性、柔軟性が低下する傾向にある。
結晶融解熱量(ΔH)が0.5J/g以上であると、本実施形態のエラストマー組成物の脆化温度が高くなり低温特性が悪化する傾向にある。
結晶融解熱量(ΔH)は、DSC(示差走査熱量測定:differential scanning calorimeter)法によって求められる。
このような観点から、本発明者らは、水添ブロック共重合体の結晶を消失させることにより、エラストマーとしての性能が向上し、この水素添加ブロック共重合体を含有する組成物において優れた物性バランスが発現することを期待して検討を行った。
しかしながら、結晶が消失する1,2−ビニル結合量が60モル%以上の範囲では、この水素添加ブロック共重合体を含有する組成物の脆化温度を低くすることができず、低温条件下で優れた特性が要求される用途に不向きであることが判明した。
その結果、驚くべきことに、本来結晶を有する、1,2−ビニル結合量が40〜60モル%の範囲において、結晶融解熱量が上記特定の値未満の水添ブロック共重合体は、結晶を有しないか、あるいは有していても結晶化度が極めて小さく、その水添ブロック共重合体を含有する組成物は、物性バランスが著しく向上されたものであることを本発明者らは発見した。
具体的には、反応器内の最高温度と最低温度の差である温度幅(ΔT)が20℃以下であると最終的に得られる水素添加ブロック共重合体の結晶融解熱量(ΔH)が低下する。
また、反応器内温度のピーク温度を90℃以下とすることが好ましい。反応器内温度のピーク温度を90℃以下に、また、反応器内の温度幅(ΔT)を20℃以下にするためには、反応熱を冷却により取り除く必要がある。
ピーク温度が90℃を超える、あるいは温度幅(ΔT)が20℃を超えると結晶融解熱量(ΔH)が増加して、最終的に得られるエラストマー組成物の脆化温度が高くなり、低温特性が悪化する傾向にある。
より好ましい範囲としては、反応器内温度のピーク温度が85℃以下、温度幅(ΔT)が15℃以下である。更に好ましい範囲としては、反応器内温度のピーク温度が80℃以下、温度幅(ΔT)が10℃以下である。
MFRが0.1g/10分未満であると、エラストマー組成物の成形加工性が悪化する傾向にあり、30g/10分以上であるとエラストマー組成物の伸びが低減する傾向にある。
分子量分布が5を超えるとエラストマー組成物において、実用上十分な強度、耐熱性が得られないおそれがある。
GPC分析では標準ポリスチレンで作成した検量線を用い、数平均分子量及び重量平均分子量を計算できる。
水添ブロック共重合体(a−1)が10質量部未満であると、エラストマー組成物の強度、耐熱性が低下する傾向にあり、水添ブロック共重合体(a−1)が60質量部を超えると、エラストマー組成物の成形加工性(流動性)が低下し、また成形品の外観が悪化する(フローマークが発生する)傾向にある。
水添ブロック共重合体(a−1)は上述の構造を有するものであれば、その製造方法を制限するものではなく、例えば、特公昭40−23798号公報に記載された方法と同様に、リチウム触媒を用いて不活性溶媒中で、水素添加前のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を合成できる。
水素添加方法としては、例えば、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特開昭60−220147号公報、特開昭61−33132号公報、特開昭62−207303号公報に記載された方法等が挙げられる。
その際の共役ジエン化合物に由来する脂肪族二重結合は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上が水素添加され、一方、ビニル芳香族化合物に由来する芳香族二重結合は、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満が水素添加されるように調整する。上記水添ブロック共重合体の水素添加率については、赤外線分光分析や核磁気共鳴分析により容易に測定できる。
水添ブロック共重合体(a−2)は、例えば、特公昭40−23798号公報に記載された方法と同様に、リチウム触媒を用いて不活性溶媒中で、水素添加前のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を合成できる。
水添ブロック共重合体(a−2)の結晶融解熱量(ΔH)については、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBを重合する際の、反応器内温度のピーク温度及び反応器内の最高温度と最低温度との差を特定範囲することにより、調整できる。
具体的には、反応器内の最高温度と最低温度との差である温度幅(ΔT)が20℃以下であると最終的に得られる水素添加ブロック共重合体の結晶融解熱量(ΔH)が低下する。
また、反応器内温度のピーク温度は90℃以下とすることが好ましい。
反応器内温度のピーク温度を90℃以下に、また、反応器内の温度幅(ΔT)を20℃以下にするためには、反応熱を冷却により取り除く必要がある。
上記のようにして合成した水素添加前のビニル芳香族化合物引く共役ジエン化合物ブロック共重合体に対して水素添加する方法としては、例えば、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特開昭60−220147号公報、特開昭61−33132号公報、特開昭62−207303号公報に記載された方法等が挙げられる。
その際、共役ジエン化合物に由来する脂肪族二重結合は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上が水素添加され、一方、ビニル芳香族化合物に由来する芳香族二重結合は、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満が水素添加されるように調整する。
上記水添ブロック共重合体の水素添加率については、赤外線分光分析や核磁気共鳴分析により容易に測定できる。
(b)成分は、ポリプロピレン系樹脂である。
エラストマー組成物にポリプロピレン系樹脂を含有することにより、耐熱性及び成形性が向上する。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体及び/又はプロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンとの共重合体が適用できる。
プロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンとの共重合体の場合、共重合体中のα−オレフィンとしてはエチレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げられる。また、α−オレフィンの割合は30質量%以下であることが好ましい。
これらのポリプロピレン系樹脂は、従来公知の方法で製造でき、例えば、チーグラー・ナッタ型触媒を用いて合成する方法等を用いることができる。
ポリプロピレン系樹脂(b)のMFRが5g/10分未満であると、エラストマー組成物の溶融粘度が高く成形加工性(流動性)が低下し、また成形品の外観が悪化する(フローマークの発生)傾向にある。
また、MFRが100g/10分を超えるとエラストマー組成物の強度、耐熱性が低下する傾向にある。
ポリプロピレン系樹脂(b)の曲げ弾性率が800MPa未満であると、エラストマー組成物の硬さ及び耐熱性が低下する傾向にある。
ポリプロピレン系樹脂(b)の配合量が30質量部未満であると、エラストマー組成物の耐熱性、成形加工性(流動性)が低下し、また成形品の外観が悪化する(フローマークが発生する)傾向にあり、一方、ポリプロピレン系樹脂(b)の配合量が125質量部を超えると、エラストマー組成物の柔軟性が低下する傾向にある。
(c)成分は、炭化水素オイルである。
エラストマー組成物中に炭化水素オイルを含有させることにより、エラストマー組成物の柔軟性及び加工性が向上する傾向にある。
炭化水素オイルとしては、非芳香族系の鉱物油、液状もしくは低分子量の合成軟化剤が好ましい。
非芳香族系の鉱物油としては、一般に知られているパラフィン系オイル及びナフテン系オイルを使用できるが、特に、芳香族環成分が10質量%以下のパラフィン系オイルが好ましい。
炭化水素オイルの配合量は、上述した(a)水素添加ブロック共重合体混合物を100質量部としたとき0〜60質量部であるものとし、好ましくは5〜50質量部、より好ましくは10〜40質量部である。
炭化水素オイルの配合量が60質量部を超えると、エラストマー組成物の耐スクラッチ性及び耐熱性が低下する傾向にある。
本実施形態のエラストマー組成物は、必要に応じてオレフィン系エラストマー状重合体を含んでいてもよい。
オレフィン系エラストマー状重合体としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブチレン共重合体、エチレン−ブチレン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びその加水分解物、エチレンとアクリル酸エステルとの共重合体、エチレンとメタクリル酸エステルとの共重合体、エチレン−アクリル酸アイオノマー、塩素化ポリエチレン、プロピレン−ブチレン共重合体、プロピレン−ヘキセン共重合体、プロピレン−オクテン共重合体、プロピレンとアクリル酸エステルとの共重合体、プロピレンとメタクリル酸エステルとの共重合体及び塩素化ポリプロピレン等のエチレン又はプロピレンとこれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体;エチレン−ノルボルネン共重合体等の環状オレフィン系重合体;ポリブテン系重合体等が挙げられる。
なお、上記オレフィン系エラストマー状重合体には、上述した(b)成分のポリプロピレン系樹脂に含まれるものは除かれる。
また、メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル等の、炭素数1〜24のアルコールやグリシジルアルコール等とメタクリル酸とのエステルが挙げられる。
官能基変性重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン/ブタジエン共重合体及びその水素添加物の官能基変性物、オレフィン系重合体の官能基変性重合体等が挙げられる。
また、官能基の位置としては、重合体末端に結合されているものや、ポリマー分子鎖中にグラフトされているものが挙げられる。
官能基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、イソシアネート基、シラノール基等が挙げられる。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、水酸化マグネシウム、マイカ、硫酸バリウム、ケイ酸(ホワイトカーボン)、酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。
安定剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、りん系熱安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系UV吸収剤等が挙げられる。
滑剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸エステル、ステアリン酸の金属塩等が挙げられる。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料が挙げられる。
前記シリコンオイルは、25℃での動粘度が90cst以上のものが好ましい。
難燃剤としては、例えば、臭素化合物や塩素化合物等のハロゲン系化合物、りん系化合物、無機系化合物が挙げられる。塩素系化合物としては、例えば、塩素化ポリエチレン、パークロロシクロペンタデカン等が挙げられ、臭素化合物としては、例えば、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモジフェニルオキサイド、ポリジブロモフェニレンオキサイド、ジブロモエチルジブロモシクロヘキサン、テトラブロモビスフェノール誘導体、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、2,2−ビス(4−ヒドロキシー3,5−ジブロモフェニル)プロパン、トリブロモスチレン、ヘキサブロモシクロドデカン、臭素化エポキシ樹脂、芳香族臭素化合物、臭素化ポリスチレン等が挙げられ、りん系化合物としては、例えば、トリスクロロエチルホスフェート、トリストリブロモフェニルホスフェート、トリストリブロモネオペンチルホスフェート、芳香族縮合リン酸エステル、ハロゲン含有縮合リン酸エステル、ポリリン酸アンモニウム、メラミンリン酸塩、赤りん系難燃剤、無機系化合物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、硼酸亜鉛、硼酸バリウム等の金属酸化物、炭酸カルシウム、クレー、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
本実施形態のエラストマー組成物の製造方法としては、重合体成分をブレンドするために従来知られている方法を使用できる。
最も均質なブレンド物を得るためには、通常使われているミキシングロール、ニーダー、バンバリーミキサー及び押出機のような各種の混練機を使用して溶融混練する方法が好ましい方法として挙げられる。
溶融混練する前段階として、所定の配合物を、ヘンシェルミキサー、タンブラー、リボンブレンダーのような混合機を用いて予めドライブレンドし、その混合物を溶融混練することにより均質なエラストマー組成物を得ることができる。
溶融混練の操作方法としては、特に制限はないが、例えば、水添ブロック共重合体混合物(a)、ポリプロピレン系樹脂(b)、炭化水素オイル(c)及びその他の所定の成分の配合物を溶融混練する方法、又は水添ブロック共重合体混合物(a)と炭化水素オイル(c)及び/又はその他の成分を予め混合しておき、後工程で(b)ポリプロピレン系樹脂を添加し、これを溶融混練する方法がある。
本実施形態のエラストマー組成物の成形方法としては、射出成形、押出成形、圧縮成形等のいずれも適用できるが、特に、成形性に優れているため射出成形が好ましい。
射出成形を行う場合は、通常のプラスチック用の成形機を用いることができ、これにより短時間で射出成形品が得られる。
本実施形態のエラストマー組成物は、エアバック装置の収納カバー用の材料として好適である。
エアバッグ装置の収納カバーは、射出成形法により製造できる。
具体的には、エラストマー組成物をエアバッグ装置の収納カバー形成用の所定の金型を備えた射出成形機に供給し、射出成形することにより短時間でエアバッグ装置の収納カバーを製造できる。
また、本実施形態のエラストマー組成物は熱安定性に優れるため、スプルー部及びランナー部に残存するエラストマー組成物を、次のラインで再利用できるという利点を有している。
また、エアバッグ装置の収納カバーが確実に展開し、エアバッグを瞬間的に放出できるようにするためには、収納カバーには、あらかじめ設計された所定のティアラインを設けておくことが好ましい。
ティアラインは、乗客の位置、エアバッグ装置の設置位置、バッグの放出方向、該カバーの形状等を考慮し、H字状,U字状等に設計される。またティアラインは破断予定部分に対応してV字状溝、U字状溝等を形成し、他の部分より肉厚を薄くすることが好ましい。
複合する場合には、射出複層成形法や接着剤を用いて接着する方法が用いることができるが、本実施形態のエラストマー組成物は、外観特性、耐傷付き性に優れているので、表皮材として好適である。
(1)硬度[−]
JIS K6301に準拠し、Aタイプ、23℃で測定した。
(2)引張強さ[MPa]
JIS K6301に準拠し、3号ダンベル、試料は2mm厚のプレスシートを用いて測定した。
(3)伸び[%]
JIS K6301に準拠し、3号ダンベル、試料は2mm厚のプレスシートを用いて測定した。
(4)曲げ弾性率[MPa]
JIS K7203に準拠し、曲げ速度2mm/minで測定した。
(5)引き裂き強度[MPa]
JIS K6252に準拠し、切り込みなし、アングル型、試料は2mm厚のプレスシートを用いて測定した。
(6)メルトフローレート(MFR)[g/10分]
ASTM D1238に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgで測定した。
(7)耐傷付き性、光沢保持率[%]
後述する実施例及び比較例のエラストマー組成物を用いて、射出成形法により平滑な表面を具備する平板を成形した。
平板を水平に置き、荷重40g/cm2を加えた綿布を置き、100回往復させた。その摩擦面の光沢度をJIS K7105の方法で測定し(E1)、摩擦前の光沢度(E0)からの保持率;(E1/E0)×100(%)を求めた。
後述する実施例及び比較例のエラストマー組成物を用いて、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製、商品名:EF120S18A)により、厚み5mm、破断予定部分(ティアライン)の肉厚が0.5mm、ヒンジ部分の肉厚が2.5mmの運転席用のエアバッグ装置の収納カバーを、下記の条件にて成形した。
シリンダー温度は、C1(射出成形機前段部):180℃、C2(射出成形機中段部):190℃、C3(後段射出部):190℃、ノズル温度:200℃、射出速度:低速、金型温度:40℃
その成形体を目視により、フローマーク、艶等の外観観察を行い、良好なものを○、若干不良なものを△、不良なものを×とした。
後述する実施例及び比較例のエラストマー組成物を用いて収納カバーを成形した。
続いて、鉄製の取り付け金具(リテーナー)にエアバッグと収納カバーを取り付け、さらにガス発生器を取り付けてエアバッグ装置を組み立てた。
次に、このエアバッグ装置を展開温度である−40℃の空気恒温槽に入れ、内温が安定してからさらに1時間放置した。その後、エアバッグ装置を取り出し、架台に取り付け通電し展開した。このとき通電は、恒温槽から取り出してから1分以内に行った。
収納カバーが破断片を発生することなく破断予定部分の95%以上でのみ開裂し、エアバッグが展開すれば展開性は○(良い)として評価した。若干予定外の部分が開裂し、少量の破片が散乱した場合は△(普通)、開裂が不良なものは×(悪い)とした。
後述する(a−1)、(a−2)の数平均分子量を、GPC〔装置:東ソー HLC−8220、カラム:TSKgel SuperH−RC×2本〕で測定した。
溶媒にはテトラヒドロフランを用い、測定条件は、温度35℃で行った。
数平均分子量は、既知の市販の標準ポリスチレンを用いて作成した検量線を使用し、ポリスチレン換算した数平均分子量として求めた。
(a−1)、(a−2)のスチレン含有量は、紫外分光光度計(島津製作所製、UV−2450)を用いて測定した。
(12)1,2−ビニル結合量及び水素添加率
(a−1)、(a−2)の1,2−ビニル結合量、水素添加率は、核磁気共鳴装置(BRUKER社製、DPX−400)を用いて測定した。
(13)結晶融解熱量(ΔH)
(a−2)の結晶融解熱量(ΔH)は、PERKIN−ELMER社製7Series Thermal Analysis Systemを用い、10℃/minの昇温速度でDSCカーブを測定し、ピーク面積を求めることにより算出した。
DSCカーブ測定用の水素添加ブロック共重合体のサンプルは、溶融成形後、十分に結晶化を促進させたものを用いた。
下記において、Aは、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックであり、Bは、 共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックである。
〔(a−1)成分〕
((a−1)−1)
A−B−Aの構造を有し、数平均分子量270000、スチレン含有量31質量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が38モル%、ポリブタジエン部の水素添加率99%の、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体を、下記のようにして合成した。
n−ブチルリチウムを重合開始剤として0.05phr(per hundred rubber)添加し、シクロヘキサン溶媒中で、テトラメチルエチレンジアミンを1,2−ビニル結合量調節剤として0.3当量/リチウム添加し、反応器内の温度を60℃と設定し、スチレンとブタジエンをスチレン、ブタジエン、スチレンの順にアニオンブロック共重合することにより、スチレン−ブタジエンブロック共重合体を断熱重合した。
次に、得られたスチレン−ブタジエンブロック共重合体に、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリドとn−ブチルリチウムを水素添加触媒として、水素圧5kg/cm2、温度70℃で水素添加を行った。
A−B−Aの構造を有し、数平均分子量290000、スチレン含有量28質量%、水素添加前のポリイソプレン部の1,4−結合量が94モル%、3,4−結合量が6モル%、ポリイソプレン部の水素添加率99%の、水添スチレン−イソプレンブロック共重合体を、下記のようにして合成した。
n−ブチルリチウムを重合開始剤として0.047phr(per hundred rubber)添加し、シクロヘキサン溶媒中で、テトラメチルエチレンジアミンを0.05当量/リチウム添加しスチレンとイソプレンをスチレン、イソプレン、スチレンの順にアニオンブロック共重合することにより、スチレン−イソプレンブロック共重合体を断熱重合した。
次に、得られたスチレン−ブタジエンブロック共重合体に、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリドとn−ブチルリチウムを水素添加触媒として、水素圧5kg/cm2、温度70℃で水素添加を行った。
A−B−Aの構造を有し、数平均分子量260000、スチレン含有量30質量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が18モル%、ポリブタジエン部の水素添加率99%の、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体を、下記のようにして合成した。
n−ブチルリチウムを重合開始剤として0.046phr(per hundred rubber)添加し、シクロヘキサン溶媒中で、テトラメチルエチレンジアミンを0.12当量/リチウム添加しスチレンとブタジエンをスチレン、ブタジエン、スチレンの順にアニオンブロック共重合することにより、スチレン−ブタジエンブロック共重合体を断熱重合した。
次に、得られたスチレン−ブタジエンブロック共重合体に、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリドとn−ブチルリチウムを水素添加触媒として、水素圧5kg/cm2、温度70℃で水素添加を行った。
((a−2)−1)
A−B−Aの構造を有し、数平均分子量85000、スチレン含有量21質量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が51モル%、ポリブタジエン部の水素添加率99%、MFRが12g/10分、結晶融解熱量ΔHが0.03J/gの、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体を下記のように合成した。
n−ブチルリチウムを重合開始剤として0.125phr(per hundred rubber)添加し、シクロヘキサン溶媒中で、テトラメチルエチレンジアミンを1,2−ビニル結合量調節剤として0.45当量/リチウム添加し、スチレンとブタジエンをスチレン、ブタジエン、スチレンの順にアニオンブロック共重合することにより、スチレン−ブタジエンブロック共重合体を重合した。
ブタジエンの重合時には反応熱を取り除くため冷却を行い、反応器内温度のピーク温度を78℃に制御した。
また、ブタジエンの重合中の反応器内の最高温度と最低温度との差である温度幅(ΔT)を8℃に制御した。
ピーク温度を下げる場合、また、温度幅(ΔT)を狭くする場合には、冷却とともにブタジエン単量体の反応系における濃度を低下させる、ブタジエン単量体の供給速度を減らす等の手法を用いた。
次に、得られたスチレン−ブタジエンブロック共重合体に、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリドとn−ブチルリチウムを水素添加触媒として、水素圧5kg/cm2、温度70℃で水素添加を行った。
重合開始剤の使用量を0.109phrに変え、添加スチレン量を変えた。その他の条件は、上記(a−2)−1と同様の方法により、A−B−Aの構造を有し、数平均分子量102000、スチレン含有量18質量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が52モル%、ポリブタジエン部の水素添加率99%、MFRが4.3g/10分、結晶融解熱量(ΔH)が0.02J/gの、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体を製造した。
テトラメチルエチレンジアミンを1,2−ビニル結合量調節剤として0.50当量/リチウム添加した。その他の条件は、上記(a−2)−2と同様の方法により、A−B−Aの構造を有し、数平均分子量101000、スチレン含有量18質量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が56モル%、ポリブタジエン部の水素添加率99%、MFRが4.5g/10分、結晶融解熱量(ΔH)が0.01J/gの、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体を製造した。
重合開始剤の使用量を0.110phrに、1,2−ビニル結合量調節剤の使用量を0.34当量/リチウムに変え、ブタジエン重合中の温度幅(ΔT)を20℃とした。その他の条件は、上記(a−2)−1と同様の方法により、A−B−Aの構造を有し、数平均分子量99000、スチレン含有量20質量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が35モル%、ポリブタジエン部の水素添加率99%、MFRが3.3g/10分、結晶融解熱量(ΔH)が1.13J/gの、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体を製造した。
重合開始剤の使用量を0.067phrに変えた。その他の条件は、上記(a−2)−1と同様の方法により、A−B−Aの構造を有し、数平均分子量170000、スチレン含有量21質量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が47モル%、ポリブタジエン部の水素添加率99%、結晶融解熱量(ΔH)が0.02J/gの、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体を製造した。なお、MFRについては、流動せず、測定できなかった。
重合開始剤の使用量を0.115phrに変え、テトラメチルエチレンジアミンを1,2−ビニル結合量調節剤として0.80当量/リチウム添加し、反応器内ピーク温度を73℃にした。
その他の条件は、上記(a−2)−1と同様の方法により、A−B−Aの構造を有し、数平均分子量92000、スチレン含有量21質量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が65モル%、ポリブタジエン部の水素添加率99%、結晶融解熱量(ΔH)が0.01J/g、MFRが7.6g/10分である、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体を製造した。
重合開始剤の使用量を0.117phrに変え、テトラメチルエチレンジアミンを1,2−ビニル結合量調節剤として0.44当量/リチウム添加した。
その他の条件は、上記(a−2)−4と同様の方法により、A−B−Aの構造を有し、数平均分子量88000、スチレン含有量20質量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が43モル%、ポリブタジエン部の水素添加率99%、結晶融解熱量(ΔH)が0.65J/g、MFRが6.8g/10分である、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体を製造した。
重合開始剤の使用量を0.115phrに変え、テトラメチルエチレンジアミンを1,2−ビニル結合量調節剤として0.66当量/リチウム添加し、ブタジエン重合中の温度幅(ΔT)を45℃、反応器内ピーク温度を95℃とした。
その他の条件は、上記(a−2)−1と同様の方法により、A−B−Aの構造を有し、数平均分子量91000、スチレン含有量20質量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が51モル%、ポリブタジエン部の水素添加率99%、MFRが5.7g/10分、結晶融解熱量(ΔH)が0.71J/gの、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体を製造した。
重合開始剤の使用量を0.115phrに変え、テトラメチルエチレンジアミンを1,2−ビニル結合量調節剤として0.5当量/リチウム添加し、ブタジエン重合中の温度幅(ΔT)を18℃とした。
その他の条件は、上記(a−2)−1と同様の方法により、A−B−Aの構造を有し、数平均分子量90000、スチレン含有量20質量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が51モル%、ポリブタジエン部の水素添加率99%、MFRが7.4g/10分、結晶融解熱量(ΔH)が0.15J/gの、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体を製造した。
重合開始剤の使用量を0.112phrに変え、テトラメチルエチレンジアミンを1,2−ビニル結合量調節剤として0.42当量/リチウム添加し、ブタジエン重合中の温度幅(ΔT)を6℃とした。
その他の条件は、上記(a−2)−1と同様の方法により、A−B−Aの構造を有し、数平均分子量95000、スチレン含有量20質量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が45モル%、ポリブタジエン部の水素添加率99%、MFRが4.1g/10分、結晶融解熱量(ΔH)が0.13J/gの、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体を製造した。
重合開始剤の使用量を0.112phrに変え、テトラメチルエチレンジアミンを1,2−ビニル結合量調節剤として0.46当量/リチウム添加し、ブタジエン重合中の温度幅(ΔT)を18℃とした。
その他の条件は、上記(a−2)−1と同様の方法により、A−B−Aの構造を有し、数平均分子量93000、スチレン含有量20質量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が47モル%、ポリブタジエン部の水素添加率99%、MFRが5.1g/10分、結晶融解熱量(ΔH)が0.25J/gの、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体を製造した。
重合開始剤の使用量を0.124phrに変え、テトラメチルエチレンジアミンを1,2−ビニル結合量調節剤として0.78当量/リチウム添加し、ブタジエン重合中の温度幅(ΔT)を34℃、反応器内ピーク温度を90℃とした。
その他の条件は、上記(a−2)−1と同様の方法により、A−B−Aの構造を有し、数平均分子量84000、スチレン含有量20質量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が55モル%、ポリブタジエン部の水素添加率99%、MFRが5.6g/10分、結晶融解熱量(ΔH)が0.33J/gの、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体を製造した。
重合開始剤の使用量を0.115phrに変え、テトラメチルエチレンジアミンを1,2−ビニル結合量調節剤として0.36当量/リチウム添加し、ブタジエン重合中の温度幅(ΔT)を5℃とした。
その他の条件は、上記(a−2)−1と同様の方法により、A−B−Aの構造を有し、数平均分子量89000、スチレン含有量20質量%、水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が36モル%、ポリブタジエン部の水素添加率99%、MFRが8.2g/10分、結晶融解熱量(ΔH)が0.16J/gの、水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体を製造した。
日本ポリケム社製、MA03(ホモポリプロピレン、MFR25g/10分、曲げ弾性率1300MPa)を用いた。
出光興産製、パラフィン系オイル:ダイアナプロセスオイルPW−90(動粘度;90cSt)を用いた。
下記表3に示す(a−1)、(a−2)、上述した(b)、(c)を用いて、これらを水添ブロック共重合体(a−1)25質量部、水添ブロック共重合体(a−2)40質量部、ポリオレフィン系樹脂(b)50質量、炭化水素オイル(c)20質量部の配合割合とし、ヘンシェルミキサーでブレンドした。
その後、45mm径の同方向二軸押出機を用いて220℃の条件で溶融混練し、エラストマー組成物のペレットを得た。
次に、このエラストマー組成物のペレットを射出成形して複数の運転席用エアバッグ装置の収納カバーを得た。これを上記試験法にて評価した。
エラストマー組成物の物性と、成型品(エアバック装置の収納カバー)の評価結果を下記表3に示す。
下記表4に示す(a−1)、(a−2)、上述した(b)、(c)を用いて、これらを水添ブロック共重合体(a−1)25質量部、水添ブロック共重合体(a−2)40質量部、ポリオレフィン系樹脂(b)50質量、炭化水素オイル(c)20質量部の配合割合とし、ヘンシェルミキサーでブレンドした。
その後、45mm径の同方向二軸押出機を用いて220℃の条件で溶融混練し、エラストマー組成物のペレットを得た。
次に、このエラストマー組成物のペレットを射出成形して複数の運転席用エアバッグ装置の収納カバーを得た。これを上記試験法にて評価した。
エラストマー組成物の物性と、成型品(エアバック装置の収納カバー)の評価結果を下記表4に示す。
比較例1においては、(a−2)−5の分子量が大きすぎ、エラストマー組成物の成型品は、外観特性、成型加工性、低温カバー展開性能において、実用上良好な評価が得られなかった。
比較例2においては、(a−2)−6の、水素添加前の共役ジエン化合物中のビニル結合量が65モル%と高すぎるため、エラストマー組成物の耐傷付性が実用上劣ったものとなり、引張強度、曲げ弾性率についても、実用上十分な特性が得られなかった。さらには、エラストマー組成物の成型品においては低温カバー展開性能が劣った結果となった。
実施例10においては、(a−2)−7の、ブタジエン重合中の温度幅(ΔT)が大きく、エラストマー組成物の成型品において、実施例1〜9と比較すると、外観特性が劣った結果となった。特に結晶融解熱量(ΔH)が大きいため、低温カバー展開性能において、若干劣った結果となった。
実施例11においては、(a−2)−8の、ブタジエン重合中の温度幅(ΔT)が大きく、エラストマー組成物の成型品において、実施例1〜9と比較すると、外観特性が劣った結果となった。特に結晶融解熱量(ΔH)が大きいため、エラストマー組成物の成型品において低温カバー展開性能において、若干劣った結果となった。
比較例3においては、(a−2)−13の、水素添加前の共役ジエン化合物中のビニル結合量が36モル%と少なすぎ、また、結晶融解熱量(ΔH)が高いため、エラストマー組成物の耐傷付性において実用上十分な特性が得られず、また、成型品においては、低温カバー展開性能が劣った結果となった。
Claims (6)
- (a)下記(a−1)及び(a−2)に示す水添ブロック共重合を含む水添ブロック共
重合体混合物:100質量部と、
(a−1):
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAを少なくとも2個と、
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBを少なくとも1個と、を有するブロ
ック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体であって、数平均分子量が2
00000を超え400000以下であり、前記重合体ブロックAの含有量が15〜40
質量%である水添ブロック共重合体:10〜60質量部
(a−2):
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAを少なくとも1個と、
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBを少なくとも1個と、を有するブロ
ック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体であって、数平均分子量が3
0000を超え140000以下であり、前記重合体ブロックAの含有量が10〜25質
量%であり、水素添加前の前記共役ジエン化合物中のビニル結合量が50モル%を超え60モル%以下、かつ、ASTM D1238に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgの条件で求めたメルトフローレート値(MFR)が0.1g/10分以上30g/10分未満である水添ブロック共重合体:40〜90質量部
(b)ASTM D1238に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgの条件で求め
たメルトフローレート値(MFR)が5g/10分以上100g/10分以下のポリプロ
ピレン系樹脂:30〜125質量部と、
(c)炭化水素オイル:0〜60質量部と、
を含有するエラストマー組成物。 - 前記水添ブロック共重合体(a−2)の結晶融解熱量(ΔH)が、0.5J/g未満で
ある請求項1に記載のエラストマー組成物。 - 前記水添ブロック共重合体(a−2)の結晶融解熱量(ΔH)が、0.1J/g未満で
ある請求項1又は2に記載のエラストマー組成物。 - 前記水添ブロック共重合体(a−1)の水素添加前の前記共役ジエン化合物中のビニル結合量が40モル%未満である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエラストマー組成物。
- 前記ポリプロピレン系樹脂(b)は、曲げ弾性率が800MPa以上の、プロピレンの
単独重合体及び/又はプロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィンとの共重合体である請
求項1乃至4のいずれか一項に記載のエラストマー組成物。 - 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエラストマー組成物により形成されているエア
バッグ装置の収納カバー。
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