JP5328189B2 - パターンを有する塗工膜の製造方法 - Google Patents
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Description
このような問題を解決するために、これまで、粘着剤層面に空気の流通経路を設け、粘着シートの貼付時に、空気をこの流通経路を介して逃がし、空気の留まりが残留しないようにすることが種々試みられている。例えば独立した多数の小凸部を散点状に配置した粘着剤層を有する粘着加工シート(例えば、特許文献1参照)、複数の凸部と、隣接する凸部間に溝部を形成した粘着剤層を有する粘着シート(例えば、特許文献2参照)などが開示されている。しかしながら、これらの技術を用いて粘着剤層に凹凸状のパターンを形成するには操作がやっかいで、作業性が悪いなどの問題があった。
さらに、支持体上に設けられた粘着剤層表面に、微細形状を有する粘着テープの製造方法であって、支持体の表面に粘着剤を塗布し、該塗布層が流動状態にある間に、前記支持体の粘着剤を塗布した面とは反対側の面に、凹凸パターンを有するロールを接触させることにより、粘着剤層表面に微細形状を有する粘着テープを製造する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。この方法は、支持体の裏面側に凹凸パターンを有するロールを接触させて粘着剤を乾燥させて、粘着剤層表面に微細形状を形成させる方法である。
このような要求に対処するために、例えばエンボス加工と印刷加工を組み合わせて、基材表面に施された印刷模様と同調整合するエンボス凹凸模様を付与して、立体感を有する化粧材を製造する方法が知られている。
しかしながら、この方法においては、型ロール又は型板などにより付与した凹凸の型と、化粧基材上の任意の模様とを同調整合させることが極めて困難であり、しばしば、化粧基材上の任意の模様との整合のはずれた化粧材が製造され、著しく品質の安定性に欠けるものであった。また、所定形状の凹凸を付与する型ロール又は型板などの製造のために、コスト高になるのを避けられないという問題もあった。
このような問題を解決するために、例えば(a)基材表面に熱可塑性樹脂を含む塗料を塗布して塗料層を形成する工程、(b)上記塗料層を上記樹脂の軟化温度以上に加熱して樹脂軟化塗膜層を形成する工程、(c)上記軟化した塗膜層の一部を選択的に加熱して軟化状態に保つと共にその他の部分を冷却固化させることにより上記軟化部分に凹部を形成する工程、及び(d)上記塗膜層の軟化部分を固化させて上記凹部を固定する工程を含む化粧材の製造方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、この方法は、塗料樹脂の軟化点以上に加熱する必要があるという欠点があった。
前記艶消し剤としては、光を散乱する性質を有するタイプのもの、あるいは、自身は塗膜中では、透明だが、保護層表面に凹凸を形成して、表面の光の反射率を変えるタイプの粒子が使用される。後者のタイプの方が、透明性が維持される上、光の入射角度や観測角度を変えても、光の反射の変化が少ないので、表面が擦れて変形したときにもその部分の艶の変化が少なく、擦れた跡が残りにくい利点がある。具体的には、マイカ、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイソウ土、ケイ砂、あるいはシラスバルーンのような中空体粒子などの無機系粒子や、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂等の合成樹脂の粒子を艶消し剤として用い、必要な艶の程度に応じて艶調整層形成用塗料中に添加したものを塗布することにより、艶調整層を作製することができる。なお、艶調整層を設けずに、前記保護層中に、上述の艶消し剤を含有させ、保護層自体に艶調整機能を付与することも、よく行われている。
しかしながら、このような艶消し剤を用いた場合、表面に艶消し剤の粒子による凹凸が形成されるため、表面粗度が大きく、きめの細かい表面が得られにくいという問題があった。また、所望の艶消し性を付与するためには、艶消し剤の使用量を多くしなければならない場合があり、その結果、耐擦傷性や隣接する層との密着性などの他の物性が低下することがあるなどの問題もあった。
従来の艶調整層あるいは艶調整機能が付与された保護層においては、塗膜形成性成分である樹脂マトリクス自体には、艶消し性がほとんどないため、どうしても前述で指摘した問題が生じるのを避けられない。したがって、塗膜形成性成分である樹脂マトリクス自体に、透明性(絵柄層などの視認性)を損なわずに、艶消し機能を付与することが望まれていた。
このような問題を解決するために、これまで種々のディスプレイに対して、様々な防眩処置がとられている。その一つとして、例えば液晶表示体における偏光板に使用されるハードコートフィルムや各種ディスプレイ保護用ハードコートフィルムなどに対し、その表面を粗面化する防眩処理が施されている。このハードコートフィルムの防眩処理方法としては、一般に、ハードコート層形成用のハードコート剤にフィラーを混入し、コート層表面に露出させる方法がとられている。しかしながら、フィラーとして、通常のシリカ粒子を用いた場合、コート剤中での均質な分散が難しく、シリカ粒子の沈降や、凝集などが生じ、安定した防眩性ハードコート層を形成することは困難である。
このような塗工液にフィラーを分散させて、塗工膜表面に露出させる方法は、分散状態、乾燥条件などにおいて技術的な課題が多く、また塗工液のレオロジー特性に左右されるため、材料設計に時間がかかることも問題点として挙げられる。
すなわち、本発明は、
[1]基材上に、液状媒体を含む塗工液を塗布してウェット塗膜を形成したのち、該ウェット塗膜の表面から所定の距離をおいて、所定形状の凹凸状パターンが設けられた冷却板を、その凹凸状パターンが該塗膜面に対面するようにして、略平行に配設し、且つ、ウェット塗膜表面と冷却板の凸部先端との距離を0.1〜5mmとして、該塗膜中の液状媒体を蒸散させることにより、塗膜表面に所定形状の凹凸状パターンを、前記冷却板の凹凸状パターンに対応して、前記ウェット塗膜における表面温度の高い部分を凹部とし、表面温度が低い部分を凸部として形成することを特徴とする、パターンを有する塗工膜の製造方法、
[2]液状媒体を含む塗工液が、水又は有機溶媒を含む塗工液である上記[1]項に記載のパターンを有する塗工膜の製造方法、
[3]冷却板の表面温度が5〜20℃である上記[1]又は[2]項に記載のパターンを有する塗工膜の製造方法、
[4]基材の背面側を加熱する上記[1]〜[3]項のいずれかに記載のパターンを有する塗工膜の製造方法、
[5]加熱板を基材の裏面に接触させて加熱する上記[4]項に記載のパターンを有する塗工膜の製造方法、
[6]加熱板が、所定形状の凹凸状パターンを有する加熱板である上記[5]項に記載のパターンを有する塗工膜の製造方法、及び
[7]冷却板と加熱板の表面温度の差が、20〜70℃である上記[5]又は[6]項に記載のパターンを有する塗工膜の製造方法、
を提供するものである。
[塗工液]
本発明のパターンを有する塗工膜の製造方法において用いられる塗工液としては、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂又は活性エネルギー線重合性化合物を基本成分として含み、さらに必要に応じて架橋剤、粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、カップリング剤、難燃剤、着色剤、光安定剤、レベリング剤、消泡剤などを含む塗工液が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記熱可塑性エラストマー(ゴム状弾性体を含む)としては、例えばスチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー、天然ゴム、共役ジエン系合成ゴムなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記熱硬化性樹脂としては、例えば炭素−炭素二重結合やグリシジル基を有するアクリレート系重合体、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの熱硬化性樹脂は、通常硬化剤が使用される。この硬化剤としては、例えば有機過酸化物、アゾ化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリアミン類、酸無水物類、イミダゾール類やジシアンジアミド、ルイス酸、ホルムアルデヒドなどが挙げられ、使用する熱硬化性樹脂の種類に応じて適宜選択される。
前記活性エネルギー線重合性化合物(電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線などを照射することにより、架橋、硬化する重合性化合物)としては、例えば活性エネルギー線重合性プレポリマー及び/又は活性エネルギー線重合性モノマーを挙げることができる。上記活性エネルギー線重合性プレポリマーには、ラジカル重合型とカチオン重合型があり、ラジカル重合型の活性エネルギー線重合性プレポリマーとしては、例えばポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリオールアクリレート系などが挙げられる。
一方、カチオン重合型の活性エネルギー線重合性プレポリマーとしては、エポキシ系樹脂が通常使用される。このエポキシ系樹脂としては、例えばビスフェノール樹脂やノボラック樹脂などの多価フェノール類にエピクロルヒドリンなどでエポキシ化した化合物、直鎖状オレフィン化合物や環状オレフィン化合物を過酸化物などで酸化して得られた化合物などが挙げられる。
また、活性エネルギー線重合性モノマーとしては、例えば2官能以上の多官能アクリレート類を挙げることができる。
前記活性エネルギー線重合性化合物には、所望により光重合開始剤が加えられる。この光重合開始剤としては、活性エネルギー線重合性のプレポリマーやモノマーの中でラジカル重合型の光重合性プレポリマーや光重合性モノマーに対しては、例えばベンゾイン類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、α−ヒドロキシケトン類、α−アミノケトン類、α−ジケトン類、α−ジケトンジアルキルアセタール類、アントラキノン類、チオキサントン類などが挙げられる。
また、カチオン重合型の光重合性プレポリマーに対する光重合開始剤としては、例えば芳香族スルホニウムイオン、芳香族オキソスルホニウムイオン、芳香族ヨードニウムイオンなどのオニウムと、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロアルセネートなどの陰イオンとからなる化合物が挙げられる。なお、活性エネルギー線として電子線を用いる場合には、光重合開始剤は用いなくてもよい。
本発明においては、用途に応じて様々な種類の塗工液を使用することができ、例えば粘着剤用塗工液、光学用ハードコート形成用塗工液、艶調整層形成用塗工液などを用いることが可能である。
後で説明する本発明の方法により、例えば粘着剤用塗工液を用いた場合には、粘着剤層表面に、凹凸状の微細パターンが形成されるので、被着体に貼付する場合、空気の流通経路ができ、空気の留まりが生じにくくなり、貼付性が良好となる。
艶調整層形成用塗工液を用いた場合には、塗膜表面に、凹凸状の微細パターンが形成され、光の乱反射により、艶調整効果が発揮されるため、化粧シートや壁紙などに用いることができる。
光学用ハードコート形成用塗工液を用いた場合には、塗膜表面に、凹凸状の微細パターンが形成されるため、防眩性ハードコート層などに用いることができる。
本発明において用いられる塗工液は、液状媒体を含み、該液状媒体については特に制限はなく、当該塗工液に含まれる樹脂成分や重合性化合物の種類に応じて、水及び各種有機溶媒の中から適宜選択することができる。有機溶媒としては、例えばヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、塩化メチレン、塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル、エチルセロソルブなどのセロソルブ系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤等を挙げることができる。
当該塗工液の濃度に特に制限はないが、本発明の効果が好適に発揮される点から、温度23℃における粘度が、10〜3500mPa・s程度、好ましくは、50〜3000mPa・s、より好ましくは、100〜2500mPa・sになるような濃度が好適である。
本発明の方法において用いられる基材については特に制限はなく、例えば紙基材、プラスチックフィルムやプラスチックシート、金属箔、金属シートなどが挙げられ、用途に応じて適宜選択することができる。これらの基材は、単独で用いてもよく、紙同士、あるいはプラスチックフィルムやプラスチックシート同士などの同種の素材の複合体、紙とプラスチックフィルムやプラスチックシートなどの異種の素材の複合体など、任意の素材を組み合わせた積層シートを用いることもできる。
前記紙基材としては、例えば薄葉紙、クラフト紙、コート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙、和紙、チタン紙、リンター紙、板紙、石膏ボード用原紙、予め紙間の強化の目的で樹脂を含浸してなる樹脂含浸紙、紙の表面に塩化ビニル樹脂層を設けたビニル壁紙原反などが挙げられる。
金属箔、又は金属シートとしては、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス鋼、又は銅等の素材からなるものが使用される。
本発明においては、前記基材の厚さに特に制限はなく、用途に応じて広い範囲、例えば20μmないし10mm程度の範囲で適宜選択される。
基材として、プラスチックフィルムやプラスチックシートを用いる場合、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材の種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。また、プライマー処理を施すこともできる。
(ウェット塗膜の形成)
本発明のパターンを有する塗工膜の製造方法においては、まず、液状媒体を含む前述した塗工液を塗布してウェット塗膜を形成する。
基材上に、当該塗工液を塗布する方法としては、従来公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いることができる。この際、ウェット塗膜の厚さが、乾燥後で、通常3〜200μm、好ましくは5〜150μm、より好ましくは10〜100μmになるように塗布する。
このようにして形成されたウェット塗膜に対して、以下に示す操作を施し、該ウェット塗膜中の液状媒体を蒸散させることにより、塗膜表面に所定形状の凹凸状パターンを形成させる。
すなわち、ウェット塗膜の表面から所定の距離をおいて、所定形状の凹凸状パターンが設けられた冷却板を、その凹凸状パターンが該塗膜面に対面するようにして、略平行に配設し、該塗膜中の液状媒体を蒸散させることにより、塗膜表面に前記冷却板の凹凸に対応する凹凸状パターンを形成させる。
<パターン形成機構>
ウェット塗膜の表面近傍に所定形状の凹凸状パターンが設けられた冷却板を配設し、かつ該塗膜中の液状媒体を蒸散させることにより、上記冷却板の凹凸に対応する凹凸状パターンが、塗膜表面に形成される機構としては、次のことが推測される。
流体の自由表面に温度差があると、表面張力に差が生じ、表面張力の大きな方(低温側)に流体表面が引張られるために流れ、いわゆるマランゴニ対流が生じる。
ウェット塗膜の表面近傍に所定形状の凹凸状パターンを有する冷却板を配設することにより、該冷却板の形状に対応して、ウェット塗膜表面に温度差が生じる。その結果、表面温度が高い所から低い所に流れようとする駆動力が発生し、表面温度の高い部分が凹部を、低い部分が凸部を形成すると推測される。
本発明で用いる所定形状の凹凸状パターンを有する冷却板における凸部の形状については特に制限はなく、円柱状、楕円柱状、長円柱状、多角柱状などを挙げることができる。また、各凸部は幾何学的に配列していてもよいし、模様状に配列していてもよく、ランダムに配列していてもよい。凸部の高さ(凹部底面から凸部先端までの距離)は、通常0.05〜100mm程度、好ましくは1〜5mmであり、また、円柱状の場合、その断面直径は、通常0.3〜4.0mm程度、好ましくは0.5〜3.5mmであり、凸部間のピッチ(隣接する凸部の中心点と中心点との距離)は、通常0.5〜6.0mm、好ましくは0.7〜5.0mmである。また、隣接する凸部と凸部との間の最短距離は、通常0.2〜6.0mm程度、好ましくは0.5〜5.0mmである。例えば、平面視した場合、図1に示すような凸部間のピッチ(送りピッチ)と、凸部の列の間隔(型ピッチ)を有し、60°チドリ配列状に並んだ凸部パターンなどが適当である。
また、当該冷却板として、孔あけ加工したものも用いることができる。孔の形状に特に制限はなく、円、楕円、長円、多角形状などを挙げることができる。この孔の配列については、前記凸部と同様に、幾何学的に配列していてもよいし、模様状に配列していてもよく、ランダムに配列していてもよい。また、該孔が円の場合、孔の直径は、通常0.3〜4.0mm程度、好ましくは0.5〜3.5mmであり、孔間のピッチ(隣接する孔の中心点と中心点との距離)は、通常0.5〜6.0mm、好ましくは0.7〜5.0mmである。また、隣接する孔と孔との間の最短距離は、通常0.2〜6.0mm程度、好ましくは0.5〜5.0mmである。例えば、図1に示すような孔間のピッチ(送りピッチ)と、孔の列の間隔(型ピッチ)を有し、60°チドリ配列状に並んだ孔パターンなどが適当である。
この孔あき冷却板は、他の熱伝導性金属板上に設置して使用することができる。この場合、孔あき部が凹部となり、その他の部分が凸部となる。
本発明においては、前記冷却板は、その凹凸状パターンがウェット塗膜に対面するようにして、略平行に配設される。ウェット塗膜面と冷却板の凸部先端との距離は、冷却板としての効果の面から、0.1〜5mmが好ましく、0.5〜1.5mmがより好ましい。
また、冷却板の表面温度は、効果の面から、5〜20℃が好ましく、10〜15℃がより好ましい。
ウェット塗膜形成後から、当該冷却板を該ウェット塗膜面近傍に配設するまでの時間は、塗工液中の液状媒体の種類や膜厚にもよるが、通常0〜30秒間程度である。30秒を超えると、塗布層表面が固化してしまい、所定のパターン形状が得られなくなる場合がある。
本発明においては、ウェット塗膜面近傍に、前述した冷却板を配設すると共に、基材の背面側を加熱することが好ましい。この加熱方法に特に制限はないが、加熱板を基材の裏面に接触させて行う方法が有利である。当該加熱板の形状に特に制限なく、平板状であってもよく、凹凸状パターンを有するものであってもよい。凹凸状パターンを有する場合、その形状としては、前述の冷却板で示したものを挙げることができる。また、当該加熱板の材質については、前述の冷却板と同様である。
当該加熱板を基材の裏面に接触させる場合、図2の断面模式図で示されるように、冷却板3の凸部3a及び凹部3bに対応して、それぞれ加熱板4の凸部4a及び凹部4bを基材1の裏面に接触させることが好ましい。これにより、加熱板4の凸部4aが接触している部分に対応する塗膜2表面の表面温度が気化熱により下がるため、より効果的に塗膜の表面温度差を設けることができ、その結果形成する凹凸パターンが一層明瞭となる。
なお、図2は、基材上に設けられたウェット塗膜の近傍に冷却板を配設すると共に、基材の裏面に加熱板を接触させた状態を示す断面模式図である。
この場合、冷却板と加熱板の表面温度の差は冷却板の凹凸に対応する凹凸状パターン形成性の観点から、20〜70℃が好ましく、40〜60℃がより好ましい。
このようにして、冷却板の凹凸に対応する凹凸状パターンを有する塗工膜が得られるが、本発明においては、前記塗工膜に、必要に応じてさらにエネルギーを印加して、該塗工膜を硬化させることができる。例えば活性光線硬化型重合性化合物を含む塗工液を用いた場合、前記のようにして、表面に凹凸状パターンを有する乾燥塗工膜を形成したのち、これに紫外線や電子線などの活性光線を照射して硬化樹脂膜を形成させる。この硬化樹脂膜の表面には、前記乾燥塗工膜の表面に設けられた凹凸状パターンが、そのまま残る。
また、熱エネルギー硬化型樹脂を含む塗工液を用いた場合、前記のようにして、表面に凹凸状パターンを有する乾燥塗工膜又は熱硬化塗工膜を形成したのち、これらに熱エネルギーを印加し、完全熱硬化させることもできる。この完全熱硬化樹脂膜の表面には、前記の乾燥塗工膜又は熱硬化塗工膜の表面に設けられた凹凸状パターンが、そのまま残る。
本発明の方法においては、基材上に設けられた液状媒体を含むウェット塗膜表面近傍に、所定形状の凹凸状パターンが設けられた冷却板を配設すると共に、好ましくは該基材の裏面に加熱板を接触させ、前記ウェット塗膜中の液状媒体を蒸散させることにより、乾燥塗工膜表面の所定位置に、該冷却板の凹凸に対応する凹凸状パターンを形成することができる。
このように、本発明によれば、塗工膜表面に、異物や汚れなどをもたらすことなく、塗工膜表面の所定位置に正確に、かつ簡単な手段により、所定形状の凹凸状パターンを、フィラーを用いないで形成することができる。
このようにして製造された表面に凹凸状パターンを有する塗工膜は、例えば粘着剤層、光学用ハードコート層、化粧材における艶調整層や立体感付与層などとして有用である。
実施例1
厚さ1mmのアルミニウム板に、孔径0.75mmの丸孔を深さ1mm、送りピッチ1mm、型ピッチ0.9mmで60°チドリ配列状に加工を施し、冷却板として用いた。
上記冷却板は、ペルチェ式温調プレート[タコタ電気工業社製「TKG−311−100」]上に設置し、冷却板の表面温度が10℃に保たれるように温度を制御した。
また、加熱板としてペルチェ式温調プレート(前出)を用い、加熱板の表面温度が70℃に保たれるように、温度を制御した。冷却板と加熱板の表面温度差ΔTは60℃である。
一方、アクリル酸エステル系共重合体[東洋インキ製造社製、商品名「BPS5750」、固形分45.5質量%]100質量部をトルエン50質量部で希釈し、固形分濃度30.3質量%の粘着剤塗工液を調製した。この塗工液の温度23℃における粘度は、1000mPa・sであった。
次に、基材として厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム[東レ社製、商品名「ルミラーT−60」]上に、前記粘着剤塗工液を、ウェット厚さが100μm(乾燥後の厚さ約30μm)になるようにナイフコータで塗布して、塗布層を形成したのち、直ちに10℃に保持された冷却板を、ウェット塗膜表面から1mmの位置に設置すると共に、70℃に保持された加熱板を、基材フィルムの裏面側に3分間接触させて粘着剤塗工膜を形成させた。電子顕微鏡[キーエンス社製「VHX−100」、35倍]観察の結果、粘着剤塗工膜の表面に、冷却板の孔パターンに対応した凹凸状パターンが形成されていた。図3に、この凹凸状パターンの拡大写真図を示す。また、第1表に操作条件及び結果を示す。
実施例1において、加熱板の表面温度が50℃に保たれるように温度を制御(冷却板と加熱板の表面温度差ΔT=40℃)した以外は、実施例1と同様にして粘着剤塗工膜を形成させた。電子顕微鏡(前出)観察の結果、粘着剤塗工膜の表面に、冷却板の孔パターンに対応した凹凸状パターンが形成されていた。第1表に操作条件及び結果を示す。
厚さ1mmのアルミニウム板に、孔径3mmの丸孔を深さ1mm、送りピッチ4mm、型ピッチ3.6mmで60°チドリ配列状に加工を施し、冷却板として用いた。
上記冷却板は、ペルチェ式温調プレート(前出)上に設置し、冷却板の表面温度が20℃に保たれるように温度を制御した。
また、加熱板としてペルチェ式温調プレート(前出)を用い、加熱板の表面温度が40℃に保たれるように、温度を制御した。冷却板と加熱板の表面温度差ΔTは20℃である。
次に、実施例1と同様にして、粘着剤塗工液を調製し、基材のPETフィルム上にウェット塗膜を形成したのち、直ちに、20℃に保持された冷却板を、ウェット塗膜表面から1mmの位置に設置すると共に40℃に保持された加熱板を、基材フィルムの裏面側に3分間接触させて粘着剤塗工膜を形成させた。電子顕微鏡(前出)観察の結果、粘着剤塗工膜の表面に、冷却板の孔パターンに対応した凹凸状パターンが形成されていた。第1表に操作条件及び結果を示す。
実施例3において、加熱板として、冷却板と同じ形状の孔あきアルミニウム板を、ペルチェ式温調プレート(前出)上に設置したものを用いた以外は、実施例3と同様にして、粘着剤塗工膜を形成させた。電子顕微鏡(前出)観察の結果、粘着剤塗工膜の表面に、冷却板の孔パターンに対応した凹凸状パターンが形成されていた。第1表に操作条件及び結果を示す。
厚さ1mmのアルミニウム板に、孔径3mmの丸孔を深さ1mm、送りピッチ4mm、型ピッチ3.6mmで60°チドリ配列状に加工を施し、冷却板として用いた。
上記冷却板は、ペルチェ式温調プレート(前出)上に設置し、冷却板の表面温度が10℃に保たれるように温度を制御した。
また、加熱板としてペルチェ式温調プレート(前出)を用い、加熱板の表面温度が70℃に保たれるように、温度を制御した。冷却板と加熱板の表面温度差ΔTは60℃であった。
次に、基材として厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム[東レ社製、商品名「ルミラーT−60」]上に、紫外線硬化型ウレタンアクリレート樹脂[トクシキ社製、商品名「HCA150Dクリア」、固形分70質量%]を、ウェット厚さが100μm(乾燥後の厚さが約70μm)になるようにナイフコータで塗布して、ウェット塗膜を形成した後、直ちに10℃に保持された冷却板をウェット塗膜表面から1mmの位置に配置すると共に、70℃に保持された加熱板を基材の裏面側に3分間接触させ、さらに紫外線(光量230mJ/cm2)を照射してハードコート塗工膜を形成させた。
電子顕微鏡(前出)観察の結果、ハードコート塗工膜の表面に、冷却板の孔パターンに対応した凹凸状パターンが形成されていた。第1表に操作条件及び結果を示す。
実施例1において、冷却板を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして粘着剤塗工膜を形成させた。電子顕微鏡(前出)観察の結果、表面に凹凸状パターンは形成されていなかった。第1表に操作条件及び結果を示す。
1)塗工膜表面の凹凸差は、下記のようにして測定した。
非接触型3次元光干渉式表面粗さ計[日本ビーコ社製、名称「Wyko NT1100」]を用いて、ANSI/ASME B46.1に基づく最大高さRtを測定した。
最大高さRtは、山の高さと谷の深さの和を示す。
2 塗膜
3 冷却板
3a 冷却板の凸部
3b 冷却板の凹部
4 加熱板
4a 加熱板の凸部
4b 加熱板の凹部
Claims (7)
- 基材上に、液状媒体を含む塗工液を塗布してウェット塗膜を形成したのち、該ウェット塗膜の表面から所定の距離をおいて、所定形状の凹凸状パターンが設けられた冷却板を、その凹凸状パターンが該塗膜面に対面するようにして、略平行に配設し、且つ、ウェット塗膜表面と冷却板の凸部先端との距離を0.1〜5mmとして、該塗膜中の液状媒体を蒸散させることにより、塗膜表面に所定形状の凹凸状パターンを、前記冷却板の凹凸状パターンに対応して、前記ウェット塗膜における表面温度の高い部分を凹部とし、表面温度が低い部分を凸部として形成することを特徴とする、パターンを有する塗工膜の製造方法。
- 液状媒体を含む塗工液が、水又は有機溶媒を含む塗工液である請求項1に記載のパターンを有する塗工膜の製造方法。
- 冷却板の表面温度が5〜20℃である請求項1又は2に記載のパターンを有する塗工膜の製造方法。
- 基材の背面側を加熱する請求項1〜3のいずれかに記載のパターンを有する塗工膜の製造方法。
- 加熱板を基材の裏面に接触させて加熱する請求項4に記載のパターンを有する塗工膜の製造方法。
- 加熱板が、所定形状の凹凸状パターンを有する加熱板である請求項5に記載のパターンを有する塗工膜の製造方法。
- 冷却板と加熱板の表面温度の差が、20〜70℃である請求項5又は6に記載のパターンを有する塗工膜の製造方法。
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