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JP5328231B2 - 車両用駆動モータユニット - Google Patents
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JP5328231B2 - 車両用駆動モータユニット - Google Patents

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Description

本発明は、車両用駆動モータユニットに関するものである。
従来から、軸線周りに回転自在に支持されるとともに、永久磁石が配設されたロータ部と、ロータ部の周囲に対向配置されるとともに、コイルが巻回されたステータ部とを備えた永久磁石電動機を備えた車両用駆動モータユニットが知られている。車両用駆動モータユニットの構成例として、電動モータのロータシャフトの回転を減速機を介してディファレンシャルギヤに伝達し、該ディファレンシャルギヤの一対の出力軸の一方をロータシャフトの内部に配置したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の車両用駆動モータユニットでは、車幅方向右側の電動モータ収納室と車幅方向左側のミッション収納室とが隔壁で区画されており、電動モータで駆動される潤滑油ポンプから電動モータ収納室およびミッション収納室に供給された潤滑油が、隔壁の下部を貫通する潤滑油連通路を通して相互に行き来できるようになっている。
特開2005−278319号公報
ところで、上述した特許文献1の車両用駆動モータユニットでは、ロータシャフトが高速回転する際に、潤滑油によりロータシャフトの周面に設けられているベアリングを潤滑させる必要があり、そのための潤滑油通路が形成されている。しかしながら、特許文献1の潤滑油通路の構造では、ギヤケースとモータケースとの間の内圧差により潤滑油の循環不具合が発生したり、潤滑油が高温部に長時間停滞することによる劣化や、油切れが発生する虞があった。
一方、潤滑油の油量を増加させれば、熱マスが増えて劣化が抑制でき、油切れは防止できるが、潤滑油の量が多すぎると、モータケース傾斜時(例えば、悪路走行時)に潤滑油がロータの回転抵抗とならないようにモータケースの容積を大きくする必要性が生じ、車両のエンジンルーム(モータルーム)内の部品レイアウトが困難になったり、車両の重量が増加してしまうという問題があった。
そこで、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、モータケースを大型化することなく、かつ、各回転部材の潤滑性能を確実に確保することができる車両用駆動モータユニットを提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、モータ(例えば、実施形態におけるモータ11)が収容され、該モータのステータ部(例えば、実施形態におけるステータ25)が固定される略円筒状の壁部(例えば、実施形態における壁部18f)を備えたモータハウジング(例えば、実施形態におけるモータセンターケース18)と、前記壁部の内周部において該壁部の周方向に沿うように環状に形成され、前記モータを冷却する冷却媒体が循環する冷却ジャケット(例えば、実施形態におけるウォータジャケット55)と、前記モータに潤滑油を供給する潤滑油ポンプ(例えば、実施形態における潤滑油ポンプ61)と、該潤滑油ポンプからの潤滑油を循環させる潤滑油通路(例えば、実施形態における潤滑油連通路14a〜14f,16a〜16i,18a〜18c,20a〜20f)と、を備える車両用駆動モータユニット(例えば、実施形態における車両用駆動モータユニット10)において、前記潤滑油通路を構成する潤滑油往路(例えば、実施形態における潤滑油供給通路18a)および潤滑油復路(例えば、実施形態における潤滑油戻り通路18b)が、環状に形成された前記冷却ジャケットの径方向外側で、前記モータハウジングの壁部内に形成されており、前記潤滑油通路と前記モータハウジングの内部空間との間を連通するブリーザ通路(例えば、実施形態におけるブリーザ通路18d)が、前記冷却ジャケットの径方向外側で、前記モータハウジングの壁部内に形成されていることを特徴としている。
請求項2に記載した発明は、前記潤滑油通路と、前記モータが収容されている前記モータハウジングの内部空間との間を連通する油面高さ調整通路(例えば、実施形態における潤滑油連通孔18c)が形成されていることを特徴としている。
請求項に記載した発明は、前記潤滑油往路を通過した潤滑油が、前記モータのロータ回転軸支承部(例えば、実施形態におけるボールベアリング30)へ供給され、該ロータ回転軸支承部を潤滑した後の潤滑油が前記潤滑油復路へ案内されるように構成されていることを特徴としている。
請求項1に記載した発明によれば、モータハウジングに潤滑油往路および潤滑油復路からなる潤滑油専用の潤滑油通路を形成したことにより潤滑油の循環効率を向上させることができる。また、潤滑油通路がモータハウジング内に形成されているため、従来のモータハウジングの外側に潤滑油の連通配管を設ける場合と比較して、車両用駆動モータユニットの大型化を抑制することができる。また、潤滑油通路をモータハウジングの壁部内で冷却ジャケットの径方向外側に形成したため、潤滑油を冷却ジャケットの冷媒と効率的に熱交換させることができ、潤滑油の温度上昇を低減させることができる。したがって、潤滑油により各回転部材の潤滑性能を確実に確保することができる。さらに、潤滑油通路は、モータハウジングの壁部に軸方向に沿った貫通孔を形成するだけでよいため、製造工程を複雑化させることなく、効率的に製造することができる。
また、モータハウジング内に収容されたモータの両側にそれぞれ空間が形成され、それぞれの空間内を連通している潤滑油の循環および油面高さ調整をスムーズに行わせる必要があるが、ブリーザ通路を形成することにより、それぞれの空間内の圧力差を略均一にし易くなる。また、それぞれの空間内には、ロータによる潤滑油の飛沫により、潤滑油ミストを含むブリージングエアが充満するが、ブリーザ通路をモータハウジングの壁内部で冷却ジャケットの径方向外側に形成したため、ブリージングエアを冷却ジャケットの冷媒と効率的に熱交換させることができ、該ブリーザ通路で潤滑油とエアとを効果的に分離させてミスト化を抑制させることができる。したがって、潤滑油の油量の最適化を図ることができ、モータハウジングの大型化を抑制することができる。
請求項2に記載した発明によれば、モータハウジング内に収納されたモータの両側にそれぞれ空間が形成され、それぞれの空間内には潤滑油が貯留されるが、油面高さ調整通路を形成することにより、潤滑油の油面の高さを均一に保持し易くなる。また、それぞれの空間内に貯留される潤滑油は、モータのステータ部により受熱されるが、油面高さの調整通路をモータハウジングの壁部内で冷却ジャケットの径方向外側に形成したため、潤滑油を冷却ジャケットの冷媒と効率的に熱交換させることができ、潤滑油の温度上昇による劣化を抑制させることができる。したがって、潤滑油の油量の最適化を図ることができ、モータハウジングの大型化を抑制することができる。
請求項に記載した発明によれば、ロータ回転軸支承部に積極的に潤滑油を供給することができるため、ロータ回転軸支承部を効率的に冷却させることができ、ロータ回転軸支承部の潤滑性能を確実に確保することができる。
次に、本発明の実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。なお、本実施形態における各装置の取付方向や位置を示す定義は、車両進行方向を前方とし、車両進行方向に向かって右方向及び左方向を定義するものとする。
図1、図3に示すように、車両用駆動モータユニット10は、モータ11と、減速機12と、ディファレンシャルギヤ13とを一体に備えており、その外郭は車幅方向左端に位置するミッションケース14と、ミッションケース14の右端にボルト15で結合されるモータ/ミッションケース16と、モータ/ミッションケース16の右端にボルト17で結合される略円筒形状のモータセンターケース18と、モータセンターケース18の右端にボルト19で結合されるモータサイドケース20と、モータサイドケース20の右端にボルト21で結合されるセンターシャフトベアリングサポート22と、ミッションケース14の内面にボルト23で結合されるインターミディエイトケース24とで構成されている。モータ11は、モータ/ミッションケース16、モータセンターケース18およびモータサイドケース20の内部に収納され、減速機12およびディファンレンシャルギヤ13は、ミッションケース14およびモータ/ミッションケース16の内部に収納される。
モータ11は、モータセンターケース18の内周面に焼き嵌めにより嵌合固定されたステータ25と、ステータ25の内部に軸方向を中心に回転自在に配置されたロータ26とで構成されている。ステータ25は、磁性板材が複数積層されて構成されており、円周方向に配置された複数のステータコア27と、ステータコア27に巻回された複数のコイル28とで構成されている。また、ロータ26は、モータ/ミッションケース16およびモータサイドケース20にそれぞれボールベアリング29,30で回転自在に支持されたロータシャフト31と、ロータシャフト31に固定された積層鋼板よりなるロータコア32と、ロータコア32の外周部に埋設された複数の永久磁石33とで構成されている。ロータコア32には、それを軸方向に貫通する複数の貫通孔32aが形成されている。
また、モータセンターケース18の壁部18fにはステータ25の周面に沿うようにウォータジャケット55が設けられている。ウォータジャケット55に冷媒を流すことにより、モータ11からの発熱を吸熱することができるとともに、潤滑油供給通路18aおよび潤滑油戻し通路18bを通過する潤滑油と熱交換して、潤滑油の温度を低くすることができるように構成されている。
減速機12は、ミッションケース14およびモータ/ミッションケース16にそれぞれローラベアリング34およびボールベアリング35で支持された減速機シャフト36を備えており、減速機シャフト36には第2減速ギヤ37、パーキングギヤ38およびファイナルドライブギヤ39が設けられている。そして、ロータシャフト31の左端に設けた第1減速ギヤ40が減速機シャフト36の第2減速ギヤ37に噛合し、減速機シャフト36のファイナルドライブギヤ39がディファレンシャルギヤ13のファイナルドリブンギヤ41に噛合するように構成されている。
ディファレンシャルギヤ13は、ミッションケース14およびインターミディエイトケース24にそれぞれテーパローラベアリング42,43を介して回転自在に支持されたディファレンシャルケース44と、ディファレンシャルケース44にピニオンピン45を介して回転自在に支持された一対のディファレンシャルピニオン46,46と、これらのディファレンシャルピニオン46,46の両方に同時に噛合する一対のディファレンシャルサイドギヤ47,47とを備えており、ディファレンシャルケース44の外周にファイナルドリブンギヤ41が固定されている。
左側のディファレンシャルサイドギヤ47に右端をスプライン結合された左ドライブシャフト48が、ディファレンシャルケース44およびミッションケース14を貫通して車幅方向左側に延出している。また、右側のディファレンシャルサイドギヤ47に左端をスプライン結合されたセンターシャフト49が、ディファレンシャルケース44、ミッションケース14および中空のロータシャフト31の内部を貫通して車幅方向右側に延出している。また、センターシャフトベアリングサポート22にボールベアリング50を介して右端を支持されたセンターシャフト49に、右ドライブシャフト51がスプライン結合されている。
したがって、モータ11を駆動させると、そのロータシャフト31のトルクが第1減速ギヤ40→第2減速ギヤ37→減速機シャフト36→ファイナルドライブギヤ39→ファイナルドリブンギヤ41→ディファレンシャルケース44→ディファレンシャルピニオン46,46→ディファレンシャルサイドギヤ47,47に伝達され、車両の旋回状態などに応じて、左ドライブシャフト48とセンターシャフト49および右ドライブシャフト51とに所定の比率で配分される。
次に、モータ11、減速機12およびディファレンシャルギヤ13の潤滑系を説明する。
図5に示すように、モータ11、減速機12およびディファレンシャルギヤ13に潤滑油を供給する潤滑油ポンプ61はトロコイドポンプで構成され、モータ/ミッションケース16の左側面に形成した円形のポンプ室16a(図5参照)に回転自在に支持されるアウターロータ62と、アウターロータ62の内歯に噛合する外歯を有するインナーロータ63と、インナーロータ63を回転自在に支持するポンプシャフト64と、モータ/ミッションケース16の左側面にボルト65で固定されてポンプ室16aを閉塞するポンプカバー66とを備えており、右端がモータ/ミッションケース16に支持されたポンプシャフト64はポンプカバー66に設けたボールベアリング67を貫通し、その左端に設けられたポンプ駆動ギヤ68が第1減速ギヤ40に噛合している。
潤滑油ポンプ61の吸入ポート16bは、モータ/ミッションケース16に設けた潤滑油吸入通路16cおよびストレーナ69を介して、モータ/ミッションケース16およびミッションケース14の底部の潤滑油貯留室71に連通する(図1参照)。潤滑油ポンプ61の吐出ポート16dは、モータ/ミッションケース16に設けた潤滑油吐出通路16eと、リリーフバルブ70とを介してモータ/ミッションケース16およびミッションケース14の底部の潤滑油貯留室71に連通するとともに、パイプ材よりなる潤滑油通路72およびインターミディエイトケース24に形成した潤滑油供給通路24aを介してディファレンシャルケース44の右端を支持するテーパローラベアリング43に連通している(図3参照)。
図1に戻り、潤滑油ポンプ61の吐出ポート16dからモータ/ミッションケース16の内部を上方に延びる高圧潤滑油供給通路16f(図4参照)は、中空の減速機シャフト36の内部に形成した潤滑油供給通路36aを通過して、ミッションケース14の潤滑油供給通路14a,14bに連通している。潤滑油供給通路14aに分岐した潤滑油は、潤滑油供給パイプ73から吐出され、ファイナルドライブギヤ39およびファイナルドリブンギヤ41の噛合部、ボールベアリング35およびボールベアリング29を潤滑して潤滑油貯留室71に戻される。また、潤滑油供給通路14bに分岐した潤滑油は、ローラベアリング34およびディファレンシャルギヤ13を潤滑した後に潤滑油貯留室71に戻され、また潤滑油供給通路14bから潤滑油供給通路14cに分岐した潤滑油は、左側のテーパローラベアリング42を潤滑して潤滑油貯留室71に戻される。なお、高圧潤滑油供給通路16fは、途中で分岐してボールベアリング29へ潤滑油を供給する潤滑油供給通路16nが形成されている。
また、モータ/ミッションケース16の高圧潤滑油供給通路16fの上端から分岐する潤滑油供給通路16gは、モータセンターケース18の壁部18f内に形成された潤滑油供給通路18aから、モータサイドケース20の壁部内に形成された潤滑油供給通路20a、20b、20cを経て、ロータシャフト31の右端を支持するボールベアリング30を潤滑した後、モータサイドケース20の壁部内に形成された潤滑油戻し通路20d,20e、モータセンターケース18の壁部18f内に形成された潤滑油戻し通路18b、モータ/ミッションケース16の壁部内に形成された潤滑油戻し通路16i、ミッションケース14の壁部内に形成された潤滑油戻し通路14fおよび開口14gを介して潤滑油貯留室71に戻される。また、モータサイドケース20の潤滑油供給通路20cから分岐した潤滑油供給通路20fは、センターシャフトベアリングサポート22に形成された潤滑油供給通路22aを経てセンターシャフト49の右端を支持するボールベアリング50を潤滑した後、潤滑油戻し通路20dに合流して潤滑油貯留室71に戻される(図6参照)。
図3に戻り、モータ/ミッションケース16、モータセンターケース18およびモータサイドケース20で区画された電動モータ収納室74は、モータ11のステータ25およびロータ26により右室74aおよび左室74bに仕切られている。ロータコア32に形成された貫通孔32aにより右室74aおよび左室74bは相互に連通しているが、ロータ26が高速回転する運転中には貫通孔32aを潤滑油が実質的に通過できなくなる。そこで、モータセンターケース18の壁部18f内に形成した潤滑油連通孔18cにより、右室74aおよび左室74bが相互に連通している(図2参照)。また、モータセンターケース18の潤滑油連通孔18cの左端は、モータ/ミッションケース16およびミッションケース14で区画されたミッション収納室75の下部(潤滑油貯留室71)に、モータ/ミッションケース16およびミッションケース14に形成した潤滑油連通路16h,14dおよび開口14eを介して連通している。
図6に示すように、モータ11のレゾルバ76は、ロータシャフト31の右端に設けられた円板状のレゾルバロータ77と、その外周を囲むようにボルト78でモータサイドケース20に固定された複数のレゾルバコイル79とで構成されている。レゾルバロータ77の外周には複数の凹部および凸部(不図示)が交互に形成されており、それら凹凸部とレゾルバコイル79との間のエアギャップの大きさを磁気的に検出することで、モータ11の回転位置を検出することができる。
ロータシャフト31の外周に嵌合するレゾルバロータ77は、その軸方向両側に圧入された一対のストッパ80,81に挟まれて固定されており、その左側のストッパ80の外周に突設した円形のフランジ80aが、ボルト78でモータサイドケース20に共締めされた円環状の磁気シールド82の内周に僅かな隙間を存して対向配置されている。磁気シールド82は、モータ11が発生する磁気が、レゾルバコイル79に作用して検出精度に影響を与えるのを防止するためのもので、モータ11とレゾルバコイル79との間を遮るように配置されている。
ロータシャフト31の右端をモータサイドケース20に支持するボールベアリング30は、複数のボール30aを支持するインナーレース30bおよびアウターレース30cを備えており、インナーレース30bとアウターレース30cとの間に潤滑油の流通を阻止するシールド30dが設けられている。したがって、モータサイドケース20の潤滑油供給通路20cから供給された潤滑油は、ボールベアリング30のシールド30dと、ストッパ80のフランジ80aと、磁気シールド82とによって区画された第1油室83に保持されてボールベアリング30を効果的に潤滑することができる。そして、ボールベアリング30を潤滑した潤滑油は、モータサイドケース20に形成された連通孔20jを通過して、潤滑油戻し通路20dへ導かれる。
また、ボールベアリング30のシールド30dから漏れる微量の潤滑油は、電動モータ収納室74の右室74aに貯留されて、モータセンターケース18の潤滑油連通路18cを介して、ミッションケース14の下部にある潤滑油貯留室71まで循環している。さらに、センターシャフトベアリングサポート22の潤滑油供給通路22aから供給された潤滑油は、ストッパ80のフランジ80aと、磁気シールド82と、センターシャフト49およびセンターシャフトベアリングサポート22間に配置されたシール部材84とによって区画された第2油室85に保持され、ボールベアリング50を効果的に潤滑することができる。
次に、電動モータ収納室74およびミッション収納室75のブリージングについて説明する。
図3に示すように、第2油室85は、モータサイドケース20のブリーザ通路20g,20hに連通し、電動モータ収納室74の右室74aはブリーザ通路20iを介してブリーザ通路20hに連通し、さらにブリーザ通路20hはモータセンターケース18のブリーザ通路18dおよびモータ/ミッションケース16のブリーザ通路16jを介してミッション収納室75の上部である第1ブリーザ室86に連通している。第1ブリーザ室86の上方には小容積の第2ブリーザ室87が形成され、第1、第2ブリーザ室86,87は連通孔16mで連通し、第2ブリーザ室87はブリーザパイプ88を介して外気に連通している。また、電動モータ収納室74の左室74bとミッション収納室75とは、モータ/ミッションケース16に形成された連通孔16kを介して連通している。
また、潤滑油供給通路18a、潤滑油戻し通路18b、潤滑油連通孔18cおよびブリーザ通路18dは、モータセンターハウジング18の壁部18f内に円周方向に離間して形成されている(図2参照)。
次に、上記構成を備えた本実施形態の潤滑作用およびブリージング作用について説明する。
モータ11のロータシャフト31に設けた第1減速ギヤ40に噛合するポンプ駆動ギヤ68により潤滑油ポンプ61のポンプシャフト64が回転すると、アウターロータ62およびインナーロータ63間に形成した作動室の容積が連続的に変化し、潤滑油貯留室71の潤滑油が潤滑油吸入通路16cおよび吸入ポート16bを介して吸入され、吐出ポート16dからモータ/ミッションケース16の内部に形成された高圧潤滑油供給通路16fを上方に向かって略直線状に延ばしたため、その高圧潤滑油供給通路16fを短くかつ単純な形状にして潤滑油の流通抵抗を減少させ、潤滑油ポンプ61の駆動負荷を低減することができる。しかも、高圧潤滑油供給通路16fの上端近傍から二股に分岐させた潤滑油を電動モータ収納部74側およびミッション収納部75側の被潤滑部に重力で供給するため、貯留した潤滑油を撥ね上げて被潤滑部に供給する場合に比べてエネルギーロスを最小限に抑えることができるだけでなく、必要最小限の量の潤滑油で電動モータ収納部74側およびミッション収納部75側の被潤滑部を均等に潤滑することができる。
モータ11により駆動される潤滑油ポンプ61から吐出された潤滑油の一部は、ミッション収納室75に供給されて各ギヤや各ベアリングを潤滑・冷却した後、ミッションケース14およびモータ/ミッションケース16の底部の潤滑油貯留室71に戻される。また、潤滑油ポンプ61から吐出された潤滑油の他の一部は、電動モータ収納室74に供給されて各ベアリングやモータ11を潤滑・冷却した後、電動モータ収納室74の底部に戻される。このとき、電動モータ74の右室74aおよび左室74bは潤滑油連通孔18cを介して連通しているため、右室74aおよび左室74bの潤滑油レベル(高さ)L(図3参照)は略同一になる。また、電動モータ収納室74の底部とミッション収納室75の潤滑油貯留室71とは潤滑油連通路16h,14dおよび開口14eを介して連通しているため、電動モータ収納室74の潤滑油レベルとミッション収納室75の潤滑油貯留室71の潤滑油レベルとは略同一になる。
このように電動モータ収納室74およびミッション収納室75が潤滑油連通路16h,14dで相互に連通するため、潤滑油の行き来が可能になり、電動モータ収納室74を潤滑油サーバとして利用することで油面管理を安定させることができる。
また、第1油室83、第2油室85とミッション収納室75とが潤滑油戻し通路20d,20e,18b,16i,14fで連通しているため、第1油室83、第2油室85からミッション収納室75への潤滑油回収を安定させ、各部の潤滑油の配分を適正化することができる。
また、ボールベアリング30,50を潤滑した潤滑油が電動モータ収納室74に流入するとロータ26による潤滑油の攪拌抵抗が増加する問題があるが、第1油室83と電動モータ収納室74との間をボールベアリング30で仕切り、かつ、そのボールベアリング30に潤滑油の流通を低減するシールド30dを設けたため、第1油室83から電動モータ収納室74への潤滑油の流入を確実に低減することができる。しかも、第2油室85と第1油室83との間をレゾルバ76の磁気シールド82を利用して遮蔽したため、第2油室85から第1油室83を経て電動モータ収納室74に流入する潤滑油の量も減少させることができ、ロータ26による潤滑油の攪拌抵抗を一層効果的に減少させることができる。
さらに、第2油室85の上部は、ブリーザ通路20gに連通しているため、第2油室85において潤滑油とエアとを効果的に分離することができる。
また、相互に連通する第1、第2油室83,85のブリージングエアは、ブリーザ通路20g→ブリーザ通路20h→ブリーザ通路18d→ブリーザ通路16jの経路でミッション収納室75の上部の第1ブリーザ室86に連通する。また、電動モータ収納室74の右室74aのブリージングエアは、ブリーザ通路20i→ブリーザ通路18d→ブリーザ通路16jの経路でミッション収納室75の上部の第1ブリーザ室86に連通する。また、電動モータ収納室74の左室74bのブリージングエアは、モータ/ミッションケース16を貫通する連通孔16kを通過してミッション収納室75の上部の第1ブリーザ室86に連通する。
上述のようにして電動モータ収納室74から第1ブリーザ室86に供給されたブリージングエアは、ミッション収納室75において発生したブリージングエアと合流し、そこから連通孔16mを通過して第2ブリーザ室87に供給され、そこでブリージングエアに含まれる潤滑油ミストが最終的に分離されて重力で潤滑油貯留室71に戻され、第2ブリーザ室87からエアだけブリーザパイプ88を介して大気に放出される。
以上のように、モータ/ミッションケース16で仕切られた電動モータ収納室74およびミッション収納室75のうち、電動モータ収納室74をモータ11のロータ26を挟んでミッション収納室75側の左室74bとミッション収納室75と反対側の右室74aとに区画し、左室74bをモータ/ミッションケース16に形成した連通孔16kを介してミッション収納室75に連通させ、右室74aおよび第1、第2油室83,85をモータサイドケース20、モータセンターケース18およびモータ/ミッションケース16の壁部内に形成したブリーザ通路20g,20h,20i,18d,16jを介してミッション収納室75の上部の第1ブリーザ室86に連通させ、第1ブリーザ室86を連通孔16mを介して第2ブリーザ室87に連通させ、さらに第2ブリーザ室87をブリーザパイプ88を介して大気に連通させたため、ミッション収納室75の一部である第1、第2ブリーザ室86,87で電動モータ収納室74およびミッション収納室75の両方において発生したブリージングエアから潤滑油ミストを分離することができ、電動モータ収納室74およびミッション収納室75にそれぞれブリーザ装置を設ける場合に比べて、ブリーザ装置の構造を簡素化することができる。また、電動モータ収納室74において発生したブリージングエアは、モータのロータ26による潤滑油の飛沫、およびステータ25の発熱により潤滑油がミスト化され易いが、ブリーザ通路18dをモータセンターケース18の壁部18f内でウォータジャケット55の径方向外側に形成したため、ブリージングエアをウォータジャケット55の冷媒と効率的に熱交換させることができ、ブリージングエアから潤滑油ミストを効果的に分離させてミスト化を抑制することができる。したがって、潤滑油の油量の最適化を図ることができ、モータセンターケース18(車両用駆動モータユニット10)の大型化を抑制することができる。
また、モータセンターケース18の壁部18fに潤滑油供給通路18aおよび潤滑油戻り通路18bからなる潤滑油専用の潤滑油通路を形成したことにより潤滑油の循環効率を向上させることができる。また、潤滑油通路がモータセンターケース18内に形成されているため、従来のモータハウジングの外側に潤滑油の連通配管を設ける場合と比較して、車両用駆動モータユニット10の大型化を抑制することができる。また、潤滑油通路をモータセンターケース18の壁部18f内でウォータジャケット55の径方向外側に形成したため、潤滑油をウォータジャケット55の冷媒と効率的に熱交換させることができ、潤滑油の温度を低減させることができる。したがって、潤滑油により各回転部材の潤滑性能を確実に確保することができる。さらに、潤滑油通路は、モータセンターケース18の壁部18fに軸方向に沿った貫通孔を形成するだけでよいため、製造工程を複雑化させることなく、効率的に製造することができる。
さらに、モータセンターケース18内に収納されたモータ11の両側にそれぞれ空間(右室74a,左室74b)が形成され、それぞれの空間内には潤滑油が貯留されて、潤滑油の循環および油面高さ調整により圧力差が生じるが、ブリーザ通路18dおよび潤滑油連通孔18cを形成することにより、潤滑油の油面の高さを均一に保持し易くなる。したがって、潤滑油の油量の最適化を図ることができ、モータセンターケース18(車両用駆動モータユニット10)の大型化を抑制することができる。また、潤滑油連通孔18cをモータセンターケース18の壁部18f内でウォータジャケット55の径方向外側に形成したため、潤滑油をウォータジャケット55の冷媒と効率的に熱交換させることができ、電動モータ収納室74の右室74a、左室74bに貯留される潤滑油の温度を低減させることができる。したがって、ステータ25により受熱された潤滑油の温度上昇による劣化を抑制させることができ、潤滑油により各回転部材の潤滑性能を確実に確保することができる。
そして、上述のように構成することで潤滑油ポンプ61から離れた位置にある各回転部材(ボールベアリング30,50)に積極的に潤滑油を供給することができるため、ボールベアリング30,50を効率的に冷却させることができ、ボールベアリング30,50の潤滑性能を確実に確保することができる。
尚、本発明は上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な構造や形状などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、電動モータ収納室を車幅方向右側に配置し、ミッション収納室を車幅方向左側に配置しているが、その位置関係を逆にしてもよく、また、電動モータ収納室およびミッション収納室を車体前後方向に配置してもよい。
本発明の実施形態における車両用駆動モータユニットの縦断面図である。 図1のA−A線矢視図である。 図2のB−B線に沿う断面図である。 図1のC−C線矢視図である。 図1のD部拡大図である。 図1のE部拡大図である。
符号の説明
10…車両用駆動モータユニット 11…モータ 14a〜14f…潤滑油連通路(潤滑油通路) 16a〜16i…潤滑油連通路(潤滑油通路) 18…モータセンターケース 18a…潤滑油供給通路(潤滑油通路、潤滑油往路) 18b…潤滑油戻り通路(潤滑油通路、潤滑油復路) 18c…潤滑油連通孔(潤滑油通路、油面高さ調整通路) 18f…壁部 20a〜20f…潤滑油連通路(潤滑油通路) 25…ステータ 30…ボールベアリング(ロータ回転軸支承部) 55…ウォータジャケット(冷却ジャケット) 61…潤滑油ポンプ

Claims (3)

  1. モータが収容され、該モータのステータ部が固定される略円筒状の壁部を備えたモータハウジングと、
    前記壁部の内周部において該壁部の周方向に沿うように環状に形成され、前記モータを冷却する冷却媒体が循環する冷却ジャケットと、
    前記モータに潤滑油を供給する潤滑油ポンプと、該潤滑油ポンプからの潤滑油を循環させる潤滑油通路と、を備える車両用駆動モータユニットにおいて、
    前記潤滑油通路を構成する潤滑油往路および潤滑油復路が、環状に形成された前記冷却ジャケットの径方向外側で、前記モータハウジングの壁部内に形成されており、
    前記潤滑油通路と前記モータハウジングの内部空間との間を連通するブリーザ通路が、前記冷却ジャケットの径方向外側で、前記モータハウジングの壁部内に形成されていることを特徴とする車両用駆動モータユニット。
  2. 前記潤滑油通路と前記モータが収容されている前記モータハウジングの内部空間との間を連通する油面高さ調整通路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動モータユニット。
  3. 前記潤滑油往路を通過した潤滑油が、前記モータのロータ回転軸支承部へ供給され、該ロータ回転軸支承部を潤滑した後の潤滑油が前記潤滑油復路へ案内されるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用駆動モータユニット。
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