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JP5328866B2 - ガスマニホールド、リソグラフィ装置用モジュール、リソグラフィ装置、及びデバイス製造方法 - Google Patents
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JP5328866B2 - ガスマニホールド、リソグラフィ装置用モジュール、リソグラフィ装置、及びデバイス製造方法 - Google Patents

ガスマニホールド、リソグラフィ装置用モジュール、リソグラフィ装置、及びデバイス製造方法 Download PDF

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Description

[0001] 本発明は、ガスマニホールド、リソグラフィ装置用モジュール、リソグラフィ装置、及びデバイス製造方法に関する。
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが与えられる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
[0003] ICの製造では、マイクロプロセッサの速度、メモリ実装密度、及びマイクロ電子部品の低電力消費量の継続的向上により、リソグラフィ装置によりパターニングデバイスから基板へと転写されるパターンのサイズが継続的に低減されてきた。しかし、集積回路のサイズが低減され、その密度が高まると共に、対応するパターニングデバイスのパターンのCD(クリティカルディメンション)はリソグラフィ装置の解像度の限界に近付いている。リソグラフィ装置の解像度は、装置が反復的に基板上に露光することができる最小フィーチャとして定義される。リソグラフィ装置の解像度限度を拡大するために、解像度向上技術として知られる様々な技術が投入されてきた。
[0004] 解像度を向上させる技術の1つは軸外照明である。この技術によって、パターニングデバイスは選択された直角ではない角度で放射ビームが照射され、それによって解像度が向上し、焦点深度及び/又はコントラストを増大させることによりプロセス寛容度を向上させることができる。オブジェクト面であるパターニングデバイス面での角度分布は、リソグラフィ装置の光学装置の瞳面の空間分布に対応する。通常は、瞳面内の空間分布の形状は、照明モードと呼ばれている。既知の照明モードの1つは、光軸上の従来のゼロ次スポットがリング形の強度分布に変化する環状モードである。別のモードは、光軸上にない幾つかのスポット又はビームが生成される多重極照明モードである。多重極照明モードの例としては、2つの極を備える二重極モードと、4つの極を備える四重極モードがある。
[0005] 二重極及び四重極モードなどの照明モードでは、瞳面内の極のサイズは瞳面の全面と比較すると極めて小さくすることができる。その結果、基板を露光するために使用されるすべての放射は、これらの極の位置でのみ瞳面、又はその近傍で様々な光学素子を横切る。1つ又は複数の光学素子(例えば、1つ又は複数のレンズ)を横切る放射の一部は1つ又は複数の素子によって吸収される。それによって放射ビームにより1つ又は複数の素子が不均一に加熱され、その結果、1つ又は複数の素子の屈折率の局部的な変化と変形が生ずる。1つ又は複数の素子の屈折率の局部的な変化と変形の結果、投影システムによってレジスト層に投影される空間像に歪みが生ずる。
[0006] 参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする米国特許第7,525,640号明細書は解決策を提案している。この解決策では、光学コンポーネントは放射ビームの経路に対して横向きに経路内に備えられる。光学コンポーネントは局部的に光学素子を加熱するように構成された個別にアドレス可能な電気加熱デバイスを有する第1のプレートを備えている。光学素子の屈折率は、その温度を局部的な位置で変化させることにより変更可能である。光学コンポーネントは更に、第1のプレートと平行な更に別のプレートを備えている。平行な2つのプレートの間にガス流が供給される。これによって、光学部材内の熱伝達が放射ビームに対して垂直な方向で低減する。そうでなければ、熱は伝導により光学部材内で高温の位置から低温の位置へと伝達し、それが達成可能な屈折率の変化勾配を緩慢にすることがある。さらに、周囲温度よりも低い温度でガスを供給することで、二面補正(すなわち加熱と冷却)を達成できる。
[0007] 例えば、リソグラフィ装置の光学コンポーネントの平行な2つのプレート間に供給されるガス流を安定させる1つ又は複数の措置が講じられるガスマニホールドを提供することが望まれる。
[0008] 一態様によれば、リソグラフィ装置の光学コンポーネントの実質的に平行な2つのプレート間にガス流を誘導するガスマニホールドであって、ガス流をガスマニホールドに供給する入口と、ガス流を降圧する入口の下流のディフューザと、ディフューザから流出するガス流を整流する、入口の下流の整流装置と、ガス流がそれを貫流する断面積を低減する、整流装置の下流のコントラクタと、ガス流を2つのプレートに供給する、コントラクタの下流の出口とを備えるガスマニホールドが提供される。
[0009] 一態様によれば、デバイス製造方法であって、投影システムを使用してパターン化放射ビームを基板のターゲット部分に投影するステップと、放射ビームの経路に対して横向きに、且つ経路内に配置された実質的に平行な2つのプレートを使用して放射ビームの光路長を局部的に変更し、プレートの少なくとも1つが局部的に加熱されるステップと、ディフューザ、整流装置、コントラクタを通して、及び2つのプレートの間にガスを供給するステップとを含むデバイス製造方法が提供される。
[0010] 対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
[0011]本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を示す図である。 [0012]平行な2つのプレートを備えるリソグラフィ装置の光学コンポーネントの斜視図である。 [0013]本発明の実施形態のガスマニホールド、光学コンポーネント、及びガス流経路を示す図である。 [0014]収縮面積比が異なるコントラクタの温度変化を示すグラフである。 [0015]整流装置を有するガスマニホールドと、これを有さないガスマニホールドとの光路長変化を示すグラフである。 [0016]負圧をかけるための開口部を有するガスマニホールドと、これを有さないガスマニホールドとの温度変化を示すグラフである。 [0017]ガスマニホールドの壁部に使用し得る突起部の概略図である。 [0018]ガスマニホールドの壁に存在する突起部の効果を示すグラフである。 [0019]ヘリウム供給システムの概略図である。
[0020] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、
[0021] − 放射ビームB(例えばUV放射又はDUV放射又はEUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
[0022] − パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
[0023] − 基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
[0024] − パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSとを備える。
[0025] 照明システムは、放射の誘導、整形、又は制御を行うための、屈折、反射、反射屈折、磁気、電磁気、静電気型等の光学コンポーネント、又はその任意の組合せなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
[0026] 支持構造MTはパターニングデバイスを保持する。支持構造MTは、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持構造MTは、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造MTは、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造MTは、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0027] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0028] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
[0029] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
[0030] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
[0031] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のパターニングデバイステーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ又は複数の他のテーブルを露光に使用している間に1つ又は複数のテーブルで予備工程を実行することができる。
[0032] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
[0033] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するように構成されたアジャスタADを備えていてもよい。通常、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調整することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。放射源SOと同様、イルミネータILは、リソグラフィ装置の一部を形成すると考えてもよいし、又は考えなくてもよい。例えば、イルミネータILは、リソグラフィ装置の一体化部分であってもよく、又はリソグラフィ装置とは別の構成要素であってもよい。後者の場合、リソグラフィ装置は、イルミネータILをその上に搭載できるように構成することもできる。任意選択として、イルミネータILは着脱式であり、別に提供されてもよい(例えば、リソグラフィ装置の製造業者又は別の供給業者によって)。
[0034] 放射ビームBは、支持構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えば、マスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターニングされる。パターニングデバイスMAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPWと位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ又は容量センサ)の助けを借りて、基板テーブルWTは、例えば、様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めできるように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めできる。一般に、支持構造MTの移動は、第1のポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(スクライブレーンアライメントマークとして周知である)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイを設ける状況では、パターニングデバイスアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
[0035] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
[0036] 1.ステップモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
[0037] 2.スキャンモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに与えられるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分Cの(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
[0038] 3.別のモードでは、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0039] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0040] 放射ビームの強度分布は、実質的にすべての放射ビームの放射がそれを通って瞳面を横切る瞳面の断面の一部を画定する複数の極を備えてもよい。以下の説明では、瞳面内の放射ビームの強度分布は照明モードと呼ばれる。ある実施形態では、強度分布は二重極照明モード(2極)である。ある実施形態では、強度分布は四重極照明モード(4極)である。
[0041] 放射ビームが光学素子(例えば、屈折レンズ)を横切ると、放射ビームの小部分が素子によって吸収される。素子による放射ビームの吸収により、素子の加熱が生ずる。素子が加熱されると、吸収位置での素子の屈折率の変化、及び変形が生ずる。放射ビームが素子を均一に横切る位置にある素子の場合は、この吸収の結果、素子が均一に加熱され、屈折率が均一に変化する。これは特に非平行素子(例えば、凸面又は凹面素子)の場合に悪影響を生ずることがある。瞳面、又はその近傍に位置する素子の場合は、放射ビームがそれを通って素子を横切る素子の断面部分は、適用される照明モードによって左右される。二重極又は四重極などの照明モードの場合、素子は素子の表面にわたって不均一に放射を吸収し、素子の屈折率の不均一な変化及び変形を引き起こす。投影システム内の1つ又は複数の素子の屈折率の局部的な変化と変形の結果、素子を横切る放射ビームの異なる部分の光路長が変化する。光路長の差異の変化により、基板レベルにおいて放射ビームの一部を空間像中に再結合させるようになり、それが放射ビームの再結合部分の間の光路長の差異によって、パターニングデバイスレベルにおいてオブジェクト画像に対して歪められる。この差異によって悪影響を受ける結像パラメータの例は、視野位置に依存する焦点オフセットである。
[0042] 図2は、平行な2つのプレート52、54を備える光学コンポーネント50のある実施形態を示す。少なくとも1つの平行なプレート52は、例えば蛇行導体などの導体の形態の電気加熱デバイス53を備えている。電気加熱デバイス53は、制御ユニット80に電気的に接続され、互いに分離されている。制御ユニット80は、既知の時間多重化アドレス技術を利用して9つの電気加熱デバイスの各々の連続する電気加熱デバイスをアドレスし、関連する光学素子内に所望の熱量を生成する。光学コンポーネント50は任意の数の電気加熱デバイスを備えてもよい。これによって光学コンポーネント50は、投影ビームPBの断面内の局部的に温領域と冷領域とを生成することができる。これにより、(投影ビームPBが光学素子の局部領域を通過する結果)光学素子の加熱をオフセットすることによって、光学素子の他の個所での加熱に抗することができる。
[0043] 放射ビームPBに対する垂直方向での光学コンポーネント50内の熱伝達は最小限であることが望ましい。そのために、矢印68で示すように、光学コンポーネント50内において放射ビームPBと実質的に平行な方向での熱伝達が生ずるように、プレート52及び54によって閉じ込められたチャネル66が配置されている。これは、例えばフィルタ処理された周囲空気などの(超高純度)ガス、又は実質的にN又はHeを含むガスのようないずれかの別の不活性ガスなどの流体を、矢印67で示すように供給源からチャネル66を通って誘導することによって達成される。ある実施形態では、ガスは光学コンポーネント50内よりも低温に保たれる。通常は、チャネル66は光学コンポーネント50のサイズに匹敵するX及びY方向の寸法と、10mm未満のZ方向の高さとを有する。(図3に示す)ガス供給源14と光学装置との間に配置された既知の温度制御デバイスを用いて、ガスの温度を実質的に一定に保ってもよい。循環ループを作動可能にすることによりガスを再利用してもよく、光学コンポーネントを通過した後のガスはガス供給源14に戻される。
[0044] 二面補正を可能にし、光学コンポーネント全体を所定の平均温度に保つため、冷却パワーバイアスが用いられる。これは毎分数百リッターの(超高純度の)冷却ガス流によって供給される。ガスは図3に示すガスマニホールド10を介して供給される。ガスは入口12を介してガスマニホールド10に供給される。ガスはガス供給源14から入口に供給される。ガス供給源14と入口12との間のホース内のガスの流速は、許容されるある特定の上限に制限される。
[0045] 平行な2つのプレート52、54の間のガス流の乱流は、波面の安定性を、またそれにより光学コンポーネント50の機能を損なうことがある。図3に示すように、ガスマニホールド10は入口12の下流にディフューザ16を備えている。ディフューザ16は、(数バール)降圧するために有孔(金属)プレートの形態であってもよい。これにより上流側の圧力が高く保たれ、それによりガス供給源14からの流速が低い高圧ガスが可能になる。さらに、ディフューザ16により、その下流側のディフューザ16の外側の断面積にわたって実質的に均一なガス流量が得られる。
[0046] ディフューザ16の下流には整流装置18がある。整流装置18はすべてのガスが実質的に平行な方向に流れるようにガス流を整える。整流装置18は流れ方向に垂直な乱流を制動する。整流装置18は、スパン方向の温度変調の大きさ又は発生を低減することによって性能を向上させる。整流装置18は、ガスが貫流する複数の通路を備えている。一実施形態では、整流装置18の開口比(通路と材料の断面比)は0.5以上、望ましくは0.55以上、更には0.6以上である。ある実施形態では、整流装置はハニカム流れ整流装置である。ハニカム流れ整流装置の場合は、開口比は通常0.5〜0.6であり、穴径は比較的小さい。通路の水力直径Dに対する整流装置18を通る通路の最適な長さLは通常5〜15、望ましくは8〜12である。水力直径(通路の断面積の4倍を通路の外周長で除算した)は0.5〜1.5mmである。ハニカム流れ整流装置は断面が六角形の通路を有している。
[0047] ある実施形態では、流路面積にわたる1つ又は複数の透過膜(例えば、布)を整流装置18の上流又は下流(又は両方)に備えてもよい。このような透過膜は、ディフューザ16のように流速プロファイルをより均一にするのに役立つが、ディフューザのような大幅な降圧は生じない。
[0048] 整流装置18の下流にはコントラクタ20がある。コントラクタ20は、これを通って流れるガス流に乱流がある場合はその強さを低減する。これはガスの流速が高まり、相対速度変動が低減する結果であり、又、ボルテックスチューブの伸長として知られる現象によるものでもある。ボルテックスチューブの伸長は、より大きい流れ構造の崩壊を促進する。ガス流が貫流するコントラクタ20の断面積は、更に下流になるほど縮小する。これによってガス流中に乱流がある場合はその強さを低減する。
[0049] ある実施形態では、コントラクタ20は平面コントラクタである。すなわち、収縮は一方向(z方向)でしか行われず、流れ方向に垂直な直交方向(図示のようにx方向)では収縮しない。これは、z方向でのコントラクタ20のサイズが下流では更に低減することを意味している。x方向でのサイズは変化しない。平面コントラクタ20には、3Dコントラクタよりもスペースを取らないという利点がある。ある実施形態では、コントラクタ20はx方向にも収縮してもよい(すなわち3Dコントラクタとなる)。
[0050] 入口部22がコントラクタの下流に設けられている。ある実施形態では、入口部22は一定の断面形状を有している。ある実施形態では、入口部22は、流れを更に安定させる役割を果たすために、(z軸に)収斂する上下の(平坦な)プレートを有している。ディフューザ16、整流装置18、コントラクタ20、及び入口部22の下流のガスマニホールドの端部に出口24が設けられている。出口24は光学コンポーネント50に接続されている。次に、ガス流はチャネル66へと流入する。
[0051] 4〜6の収縮比(コントラクタ20の出口側の断面積に対するコントラクタ20の入口側の断面積の比率)を用いてもよい。この結果、少なくとも軸対称の収縮では乱流を最大限に低減し得る。しかし、図2のガスマニホールドの平面収縮は、収縮比1.5〜3、又は2〜3とより良好に動作し得る。図4のグラフはこのことを示している。図4では、左側のグラフは、(x軸上の)位置に応じた(y軸上の)温度変化を示している。入口部22の出口側24の上部、底部、及び中央部の位置での(ガス流方向に対して直角方向の)ガスマニホールドの幅にわたる温度変化が示されている。平均温度も示されている。上のグラフは収縮比5のコントラクタのグラフであるのに対して、下のグラフは収縮比2のコントラクタでの結果を示す。より低い収縮比を用いることの付加的な利点は、ガスマニホールド内で占めるスペースが少なく、装置のz方向での全寸法が小さく保たれることである。
[0052] 図4では、上のグラフの温度変化は、中央部で約0.8°であるのに対して、下のグラフでは同じ部分での変化はより0.1°に近い。このことは、収縮比2のコントラクタを使用すると、収縮比5のコントラクタの場合よりも良好に動作することを示している。
[0053] 図5は、ガスマニホールド10内に整流装置18を設けることの効果を示している。このグラフは、(図4と同様に)y軸上の光路長の変化と、x軸上の位置との関係を示している。図5の左側には、整流装置18を使用しないガスマニホールド10の結果が示されている。図5の右側には、ハニカム整流装置の水力直径が0.9mmで、ディフューザ16の下流の長さが12mmであること以外は同様の場合の結果が示されている。グラフから分かるように、光路長の変動の大きさは、整流装置のパラメータが未だ最適化されていないにも関わらず整流装置があることにより大幅に低減される。
[0054] ディフューザ16、整流装置18、及びコントラクタ20を有する上記のガスマニホールドを使用した2つのプレート52、54の間のガス流の向上は顕著である。しかし、流量が極めて高流量の場合はガス流中に依然として乱流が存在し、ゲルトラー渦及びクレバノフモードなどの基本的な流れの不安定性が依然として存在し得る。これらの不安定性の結果、光学領域に流れ方向を向く光位相ストリーク(スパン方向の光路長変調)が生ずる。これによって光学コンポーネント50の機能が制約される。ストリークの存在は、冷却ガス中にあるスパン方向の温度変調によることがある。この変調は、ガスマニホールドを通るガスの流路を画定するガスマニホールド10の壁の近傍でガス中に発生する渦流の条痕によるものである。この結果、壁での熱吸収が不均一になる。
[0055] レイノルズ数(Re)が過渡段階又は低乱流段階(Reが4,000〜6,000)にある場合、且つ攪乱のレベルが条痕を誘発し、その成長を可能にするのに十分に高いが、コヒーレント構造の破壊を引き起こすほど高くはない場合に、このタイプの流れにストリークの形成が生じ得る。しかし、ガスマニホールド10の境界条件及び冷却力要件は、空気又は同類のガスが冷媒として使用される場合、上記の過渡段階又は低乱流段階のレイノルズ数を生じるような形状と流速とを必要とする。後述のように、これらの問題に対処するために、ガスマニホールド10に更なる措置を講じることができる。
[0056] ストリークの存在の問題に対処する措置の1つは、コントラクタ20から発する攪乱を除去することである。これは、例えばコントラクタ20の出口側に開口部100を設けることによって達成可能である。負圧源102によって開口部100に負圧が加えられる。負圧はガスマニホールド10の壁、特にコントラクタ20の壁からのガスの境界層の除去を促進する。代替的に又は追加的に開口部100を入口部22の壁、又は入口部22の出口側に設けてもよい。入口部22の位置で、開口部100は攪乱の増幅を継続的に遅延させ、それによってストリーク形成を防止、又は低減するであろう。
[0057] 開口部100はガスマニホールドの幅にわたって(例えば、ガス流の方向に対して垂直な方向に)延在するスリット又は複数の穴の形態であってよい。ある実施形態では、開口部100はスリットの形態であって、均一な幅を有する。
[0058] ある実施形態では、吸引力は開口部100に接続された数百パスカル程度、例えば200〜1,000パスカルの負圧源によって発生される。これはコントラクタ20の端部に発生する境界層を除去し、それにより、ガスマニホールド10内で発生する攪乱が入口部22内で、又は2つのプレート52と54との間のギャップでストリーク形成を誘発する前に攪乱を除去する効果がある。
[0059] ある実施形態では、スリット形の開口部100の長さ方向に沿った負圧は均一である。開口部100を通るガス流量はガスマニホールド10を通る流れの数パーセント、例えば1〜10%の範囲である。
[0060] 図6は、(300Paの負圧を発生する)負圧102に接続された開口部100を設けたガスマニホールド10と、これを設けないガスマニホールド10によって生じる結果の差異を示す。このグラフは、図4及び図5と同じ形式で結果を示しており、開口部100を設けた場合の下のグラフの温度変化は、上記開口部がない場合(上のグラフ)と比較して改善を示していることが明確に分かる。
[0061] ある実施形態では、ガスマニホールド10の壁の一部、例えばガス流経路を画定するコントラクタ20及び/又は入口部22の壁の一部を有孔壁110として設けることができる。負圧は負圧源112によりガス流とは反対側の有孔壁110の側に加えることができる。有孔壁により発生する負圧には、ガス流の境界層を安定させる効果がある。これはガスマニホールド10内のストリーク形成を軽減し、更には防止することに役立つ。有孔壁110を流路の片側又は両側の1つ又は複数の離散的位置に設けてもよく、又はすべてをコントラクタ20及び/又は入口部22の長さ方向に沿って設けてもよい。
[0062] 有孔壁110を有孔部材から構成してもよく、又は内部に穴の配列を設けた部材から構成してもよい。400μm以下、例えば200μm(又はそれ以下)の穴径、及び/又は4mm以下、又は2mm(以下)のピッチが適切である。このような実施形態に関するこれ以上の情報は、各々、参照によりその全体を本明細書に組み込むものとするD.G.MacManus及びJ.A.Eaton共著「吸引孔に誘発される流れ場の測定及び分析」、J.Fluid Mech、第417巻47〜75ページ(2000年)、J.Goldsmith著「分離された穴又は単一の穴列への吸気の層状吸気臨界パラメータ」Northrop Aircraft Report no BLC−95(1957年)、及びD.G.MacManus及びJ.A.Eaton共著「離散境界層吸気測定及び予測の流体物理学」、J.Fluid Mech、第417巻47〜75ページ(2000年)に記載されている。
[0063] 一実施形態では、有孔壁110、又はその近傍で流れ方向のせん断応力を検知するためのセンサ114が備えられる。コントローラ116は、(例えば、フィードバック又はフィードフォワードで)この情報を用いて、(例えば、1つ又は複数のバルブの切り換えにより)負圧源112を制御することができる。このアクティブ制御の実施形態(過圧の生成も含み得る)では、光学的ストリーク制御を達成し得る。センサ、及びこのような手段を組み込んだシステムの例は、各々、参照によりその全体を本明細書に組み込むものとするA.Elofssn、M.Kawakami、P.H.Alfredsson共著「平面ポアズイユ流中の流れ方向ストリークの安定性実験」、Physics of Fluids、第11巻4号(1999年)、及びF.Lundell及びP.H.Alfredsson共著「流れ方向のストリーク制御実験」、European Jounal of Mechanics B/Fluids、第22巻279〜290ページ(2003年)に記載されている。
[0064] ある実施形態では、ガスマニホールド10は振動によりマニホールド内のガスに攪乱を誘発するように構成されている。このようにして、動的平衡を達成でき、ストリークの形成を抑制及び/又は防止することができる。一実施形態では、振動は受動的に導入され、別の実施形態では、振動は能動的に誘発される。
[0065] 振動を受動的に導入する実施形態では、ガスマニホールド10の1つ又は複数の壁(又は1つ又は複数の壁の一部)、例えばコントラクタ20及び/又は入口部22の壁が(剛性とは逆に)可撓性、又は柔軟に形成される。このアイデアは、各々、参照によりその全体を本明細書に組み込むものとするP.W.Capenter、C.Davies、及びA.D.Lucey共著「流体力学及び撓み壁」、CURRENT SCIENCE、第79巻第6号(2000年9月25日)、及びJ.Hoepffner、A.Bottaro、及びJ.Favier共著「撓み壁の間のチャネル流れ中の非モーダルエネルギー増幅メカニズム」Jounal of Fluid Mechanics(2009年)に記載されている。壁の振動は壁を通過する流れによって誘発される。振動は境界層に付加的な攪乱をもたらし、それが、最終的にはストリーク形成をもたらす波動の増幅プロセスを妨げる。代替的に又は追加的に、境界層内にある攪乱がストリーク形成を誘発する前にこの攪乱を効果的に減衰するように可撓壁を構成してもよい。一実施形態では、可撓壁は例えばゴム(例えば、ラテックス、シリコンなど)、バイトンフルオロエラストマー、フルオロエラストマー、PFAフルオロポリマー、テフロンフルオロポリマー、スチレン−ブタジエンゴム、複合材などのポリマー材料からなっている。壁の剛性は、マニホールド内をガスが流れると振動形成をもたらすように選択される。参照により全体を本明細書に組み込むものとするCarpenter著「撓み壁間の平面チャネル流の不安定性」JFM、1997年、パートI及びIIは、壁の剛性の選択方法について考察している。ある実施形態では、壁のばね剛性は約1×10−4〜1×10−3N/m、曲げ剛性は約1×10−5〜1×10−4Nm、及び面積密度は1×10−3〜2×10−2kg/mである。
[0066] 能動的実施形態では、壁、又は壁の一部、又はx−y面にある両方の壁のz方向に振動を誘発するアクチュエータ120を備えてもよい。壁の振動は、特に境界層の遷移領域で流れの性状に大きく影響する。例えば、参照により全体を本明細書に組み込むものとするM.R.Jovanovic著「小振幅で横方向に振動する壁に因るチャネル流れ中の乱流抑制」、Phys.Fluids、第20巻、014101(2008年)を参照されたい。アクチュエータを下記の式を満足するように構成するものとする。
W=2αsin(ωt)
但し、Wは壁の速度、αは振幅スケーリング係数、及びωは周波数である。最適な攪乱制御のために、ω=Ω*v/δとなるようにωを選択するものとする。但し、vはガスの動粘度、Ωは周波数スケーリング係数であり約17.6に等しく、δはチャネル幅の半分に等しい。これはωは約10〜20Hz又は15Hzであることを意味する。同時に、振動の振幅は流入速度の約2〜5%であるものとする(言い換えると、αは流速の約0.01〜0.025倍である)。
[0067] ある実施形態では、ガス流の流路を画定するガスマニホールド10の壁に細長い複数の突起部が設けられている。例えば、コントラクタ20及び/又は入口部22の壁に細長い複数の突起部を設けることができる。細長い複数の突起部は、ストリーク形成を防ぐか、又はストリークが形成されるとその干渉性を低減する。これは過度の付加的な乱流を誘発しないか、又は冷却力にさほど影響しない。図7は、入口部22の壁に形成された複数の突起部を概略的に示している。入口部22の壁は間隔Dによって離間されている。
[0068] 突起部はガス流の方向に細長く延在している。突起部の断面は三角形である。しかし、どのような形状を使用してもよい。突起部が存在することで流れ方向の渦流が弱まり、スパン方向の温度変調の形成を抑制する。これは、突起部先端での二次渦流の効果によるものである。突起部の高さh(例えば、突起部が流路内に突起する量)は0.2〜1.0mmであり、突起部間のピッチsは0.5〜2.0mmである。二次渦流の動きは流れ方向の渦流を効果的に弱め、それによって渦流の増幅を低減、又は防止する。これについては参照により全体を本明細書に組み込むものとするS.J.Lee及びS.H.Lee共著「リブレット面上方に乱流境界層の流れ場解析」、Exp in Fluids、第30巻、153〜166ページ(2001年)に詳細に記載されている。
[0069] リブレット間隔s+=suτ/vは10〜20が、又、hは0.5s〜1sが最適である。s+の定義で、vはガスの動粘度であり、uτはせん断速度である。後者は(τw/ρ)0.5として定義される。但し、τwは壁のせん断応力であり、ρはガス密度である。ガスマニホールド10の場合、これによりsは約1mm、及びhは約0.5mmの突起部の幾何形状が生じる。
[0070] 突起部が比較的小さい場合(例えば、s=1mm、h=0.5mm)、スパン方向の温度変調の抑制を達成できる。より粗い突起部(例えば、s=2mm、h=1mm)は、それ自体の断面形状が重なる傾向がある。通常、sは0.5mm〜2.0mm、hは0.25mm〜1mmでよい。
[0071] 図8は突起部の効果を示している。条件は図4と同じである。上のグラフは突起部がない場合のものである。下のグラフは微小(例えば、最適)な突起部の場合であり、中央のグラフの結果は粗い突起部のものである。グラフから分かるように、温度変化の振幅は突起部を用いることによって低減される。
[0072] 上述のように、位相リップルを招くストリークの形成は特定範囲のレイノルズ数、すなわちReが約6000(平面ポアズイユ流の場合)である乱流遷移のおおよその理論値で最も強い。
[0073] 空気による所望の冷却力の達成には流速が速いことが必要であり、それが上述のように遷移レイノルズ数を誘発する。流速を低減して同じ冷却力を得るために、熱伝導率がより高い別のガスを用いることができる。この特性に関するもっとも有力な2つの候補はヘリウムと水素であり、後者は別の特性があるため除外してもよい。
[0074] ヘリウムの熱伝導率は空気の約6倍であり、それはヘリウムによって冷却力が6倍高まることを意味する。このことは、ヌセルト数(Nu)が対流と伝導による熱伝達の比率であることを想起すれば推論できる。
Figure 0005328866

但し、hは対流による熱伝達係数、kは媒質の熱伝導率、Lは特性長である。ナセル数が同じである場合、光学コンポーネント50が必要とする対流による熱伝達は、熱伝導率と比例して上昇することは明らかである。
[0075] Gnielinskiの式をやや修正した式を用いた計算により、レイノルズ数とヌセルト数との間に線形関係又は略線形関係が生じた。ここで、それがヌセルト数の計算に明確に存在するため、プラントル数の差は僅か約5%であり、別のガス特性の著しい差異に鑑みてこの差は一次近似では無視できることに留意されたい。したがって、対流による熱伝達係数とレイノルズ数との間には線形関係があり、ひいては拡張すれば、(別の特性の大幅に大きい差異に鑑みて、約10%の力学的粘度の差異を無視すれば)質量流が存在する。
Figure 0005328866

但し、ρは流体密度であり、Vは速度であり、Dは水力直径であり、μは力学的粘度(dynamic viscosity)であり、vは動粘度(kinematic viscosity)であり、
Figure 0005328866

は質量流量であり、Aは流路面積である。
[0076] 空気の代わりにヘリウムを使用することで、質量流量(又は、等価にレイノルズ数)を大幅に低減でき、しかも同時に、チャネルの幾何形状が同じ場合、冷却力要件を満たすことが可能になる(5倍高いヘリウムの比熱容量が媒質のグラム当たりの熱吸収の増大に抗する)。それによって流れの様式は大幅に安定したものになり、不安定性は大幅に目立たなくなる。その結果、スパン方向の温度変調の振幅は大幅に縮小する。更に、ヘリウムの屈折率が温度依存性は空気よりも大幅に低いので、あらゆる温度リップルは大幅に低い光学位相リップルに移行する。
[0077] ヘリウムの欠点はヘリウムに関連するコストであり、この問題を解決するため、供給システムは再循環式にすることができよう。図9は、このようなシステムの極めて基本的な略図を示しており、システム安全機構又はシステム制御機構は示されていない。
[0078] 図9は、ヘリウムガス供給源200、圧力調整器210、及びヘリウム供給源を再循環システムに送って不可避の漏れを補償するチェックベン220を含むシステムを概略的に示している。超高純度条件の確保に役立つために、ヘリウムが供給される位置の下流に再循環用浄化装置240が備えられている。過圧逃がし弁250、並びに質量流量コントローラ260が備えられている。質量流量コントローラ260の下流には、ガスがガスマニホールド10に供給される前に粒子フィルタ265が実装される。光学コンポーネント50から流出するガスを捕捉するために捕捉デバイスが備えられ、次いでガスは過圧逃がし弁270、圧力調整に使用できる可変絞り280、及び圧縮機290を通して流路230を循環し続け、再循環浄化装置240に戻る。
[0079] 上記の機能のいずれも別の機能と共に使用でき、本願に含まれる明確に記載した組み合わせだけではないことが理解されよう。更に、本明細書には屈折光学素子が最も多く記載されているが、本明細書の記載はそれと共に、又はその代りに反射光学素子に応用してもよい。
[0080] ある実施形態では、リソグラフィ装置の光学コンポーネントの実質的に平行な2つのプレートの間にガスを向けるガスマニホールドが備えられる。ガスマニホールドは入口、ディフューザ、整流装置、コントラクタ、及び出口を備えている。入口はガスマニホールドにガス流の方向を供給するためにある。ディフューザはガス流の圧力を降下するために入口の下流にある。整流装置はディフューザから流出するガス流を整流するために入口の下流にある。コントラクタは、ガス流が通過する断面積を縮減するために整流装置の下流にある。出口はガス流を2つのプレートに供給するためにコントラクタの下流にある。
[0081] コントラクタは平面コントラクタでよい。コントラクタの収縮比は1.5〜3でよい。
[0082] 整流装置の開口比は0.5以上、0.55以上、又は0.6以上でよい。整流装置にはガスが貫流する複数の通路を備えてもよい。
[0083] 複数の通路の水力直径と長さの比は5〜15、又は8〜12でよい。通路の水力直径は0.5〜1.5mmでよい。通路の断面は六角形でよい。
[0084] ガスマニホールドには更に、コントラクタと出口との間に、断面形状が実質的に一定の通路を設けた入口部を設けてもよい。
[0085] 振動によってガス中に攪乱を誘発するようにガスマニホールドの壁を構成してもよい。壁はポリマー材料からなっていてもよい。壁は、ガス流がマニホールドに流入すると振動が形成されるようなばね剛性、曲げ剛性、及び/又は面積密度を有していてもよい。
[0086] ガスマニホールドには更に、振動を生成するためのアクチュエータを備えてもよい。10〜20Hzの周波数で振動するようにガスマニホールドを構成してもよい。振動のメーター当たりの振幅がメーター/秒あたりのガス流速度の0.01〜0.025倍になるようにガスマニホールドを構成してもよい。
[0087] ガスマニホールドには更に、ガスマニホールドの壁に開口部を設けてもよい。ガスマニホールドの壁からのガス境界層の除去を促進する負圧をかけるように開口部を構成してもよい。開口部はコントラクタの出口側にあってよい。開口部は均一な幅のスリットの形態でよく、ガスマニホールドを横切ってガス流方向に対して垂直方向に延在してもよい。開口部は、ガスマニホールドを横切ってガス流方向に対して垂直方向に延在する複数の穴の形態でもよい。
[0088] ガスマニホールドには更に、開口部に取り付ける負圧供給源を備えてもよい。負圧は200〜1000Paを生成する負圧でよい。
[0089] ガスマニホールドには更に、ガス流路を画定する有孔壁を備えてもよい。有孔壁はガス流とは反対側に負圧をかけてもよい。有孔壁の中には直径が400μm以下、及び/又はピッチが4mm以下の複数の穴を設けてもよい。有孔壁はコントラクタの一部であってもよく、及び/又はコントラクタの下流にあってもよい。
[0090] ガスマニホールドには更に、有孔壁に取り付けた負圧供給源を備えてもよい。
[0091] ガスマニホールドには更に、有孔壁で、又はその近傍で流れ方向のせん断応力を検知するように構成されたセンサを備えてもよい。ガスマニホールドには更に、センサからの信号に従って負圧供給源を制御するように構成されたコントローラを備えてもよい。
[0092] ガスマニホールドは更に、ガス流路を画定する壁に細長い複数の突起部を設けてもよい。突起部はガス流の方向に細長く延在してもよい。
[0093] 壁はコントラクタの一部であってもよく、及び/又はコントラクタの下流にあってもよい。
[0094] 突起部は0.2〜1.0mmだけ流路内に突起し、及び/又は0.5〜2.0mmのピッチを有していてもよい。
[0095] ある実施形態では、リソグラフィ装置の光学コンポーネントの実質的に平行な2つのプレートの間にガス流を供給するモジュールが提供される。上述のように、モジュールはガスマニホールドを備えている。
[0096] モジュールには更に、2つのプレートの間に誘導されるガスを入口に供給するガス供給源を備えてもよい。ガス供給源はヘリウム供給源であってもよい。
[0097] モジュールには更に、2つのプレートの間から流出するガスを捕捉するように構成された捕捉デバイスを備えてもよい。
[0098] モジュールには更に、捕捉デバイスにより捕捉されたガスを入口に供給するように構成された再循環デバイスを備えてもよい。
[0099] ある実施形態では、投影システム、実質的に平行な2つのプレート、及びガスマニホールド又はモジュールを備えるリソグラフィ装置が提供される。投影システムは、パターン化放射ビームを基板のターゲット部分に投影するように構成されている。実質的に平行な2つのプレートは放射ビームに対して横向きに、且つ放射ビームの経路内に配置される。プレートの少なくとも1つは、プレートを局部的に加熱するように構成された、個別にアドレス可能な電気加熱デバイスを備えている。上述のガスマニホールド又はモジュールは、ガス流を2つのプレートの間に誘導するためのものである。
[00100] ある実施形態では、投影システムを使用してパターン化放射ビームを基板のターゲット部分に投影するステップを含むデバイス製造方法が提供される。方法は更に、放射ビーム対して横向きに、且つ放射ビームの経路内に配置された実質的に平行な2つのプレートを利用して放射ビームの光路長を局部的に変更するステップを含み、プレートの少なくとも1つは局部的に加熱される。方法は更に、ディフューザ、整流装置、コントラクタを通してガスを2つのプレートの間に供給するステップを含む。
[00101] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[00102] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
[00103] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折及び反射光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組み合わせを指す。
[00104] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明の実施形態は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ又は複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に記憶したデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。さらに機械読み取り式命令は、2つ以上のコンピュータプログラムで実現することができる。2つ以上のコンピュータプログラムを、1つ又は複数の異なるメモリ及び/又はデータ記憶媒体に記憶することができる。
[00105] 上述したコントローラは、信号を受信、処理及び送信するのに適切な任意の構成を有することができる。例えば、各コントローラは、上述した方法の機械読み取り式命令を含むコンピュータプログラムを実行するために、1つ又は複数のプロセッサを含んでよい。コントローラは、このようなコンピュータプログラムを記憶するデータ記憶媒体及び/又はこのような媒体を受信するハードウェアを含んでよい。
[00106] 本発明の1つ又は複数の実施形態は、任意の液浸リソグラフィ装置に、特に液浸液が槽の形態で提供されるか、基板の局所的な表面領域のみに提供されるか、基板及び/又は基板テーブル上に閉じ込められないかにかかわらず、上述したタイプに適用することができるが、それに限定されない。閉じ込められない構成では、液浸液は基板及び/又は基板テーブルの表面上に流れることができ、したがって実質的に基板テーブル及び/又は基板の覆われていない表面全体が濡れる。このように閉じ込められていない液浸システムでは、液体供給システムが液浸液を閉じ込めることができない、又はある割合の液浸液閉じ込めを提供することができるが、実質的に液浸液の閉じ込めを完成しない。
[00107] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。それ故、下記に示す特許請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。

Claims (15)

  1. リソグラフィ装置の光学コンポーネントの実質的に平行な2つのプレート間にガス流を誘導するガスマニホールドであって、
    ガス流をガスマニホールドに供給する入口と、
    前記ガス流を降圧する前記入口の下流のディフューザと、
    前記ディフューザから流出する前記ガス流を整流する、前記入口の下流の整流装置と、
    前記ガス流がそれを貫流する断面積を低減する、前記整流装置の下流のコントラクタと、
    前記ガス流を前記2つのプレートに供給する、前記コントラクタの下流の出口と、
    を備えるガスマニホールド。
  2. 前記コントラクタが平面コントラクタである、請求項1に記載のガスマニホールド。
  3. 前記コントラクタの収縮比が1.5〜3である、請求項1又は2に記載のガスマニホールド。
  4. 前記整流装置の開口比が0.5以上である、請求項1乃至3のいずれかに記載のガスマニホールド。
  5. 前記整流装置が、ガスが通過する複数の通路を備える、請求項1乃至4のいずれかに記載のガスマニホールド。
  6. 前記コントラクタと前記出口との間に、断面形状が実質的に一定の通路を設けた入口部を更に備える、請求項1乃至5のいずれかに記載のガスマニホールド。
  7. 前記ガスマニホールドの壁が、振動によって前記マニホールド内のガスの攪乱を誘発するように構成された、請求項1乃至6のいずれかに記載のガスマニホールド。
  8. 前記ガスマニホールドの壁からのガス境界層の除去を促進する負圧をかけるように構成された開口部を前記ガスマニホールドの前記壁に更に備える、請求項1乃至7のいずれかに記載のガスマニホールド。
  9. 前記ガス流の流路を画定する有孔壁を更に備える、請求項1乃至8のいずれかに記載のガスマニホールド。
  10. 前記ガス流の流路を画定する壁に、細長い複数の突起部を更に備える、請求項1乃至9のいずれかに記載のガスマニホールド。
  11. リソグラフィ装置の光学コンポーネントの実質的に平行な2つのプレートの間にガス流を供給するモジュールであって、請求項1乃至10のいずれかに記載のガスマニホールドを備えるモジュール。
  12. 前記2つのプレートの間に誘導されるガスを前記入口に供給するガス供給源を更に備える、請求項11に記載のモジュール。
  13. 前記2つのプレートの間から流出するガスを捕捉するように構成された捕捉デバイスを更に備える、請求項11から12のいずれかに記載のモジュール。
  14. リソグラフィ装置であって、
    パターン化放射ビームを基板のターゲット部分に投影するように構成された投影システムと、
    前記放射ビームの経路に対して横向きに、且つ該経路内に配置された実質的に平行な2つのプレートであって、前記プレートの少なくとも1つが、前記プレートを局部的に加熱するように構成された個別にアドレス可能な電気加熱デバイスを備えるプレートと、
    ガス流を前記2つのプレートの間に誘導する、請求項1から10のいずれか一項に記載のガスマニホールド、又は請求項11から14のいずれか一項に記載のモジュールと、
    を備えるリソグラフィ装置。
  15. デバイス製造方法であって、
    投影システムを使用してパターン化放射ビームを基板のターゲット部分に投影するステップと、
    前記放射ビームの経路に対して横向きに、且つ該経路内に配置された実質的に平行な2つのプレートを使用して前記放射ビームの光路長を局部的に変更し、前記プレートの少なくとも1つが局部的に加熱されるステップと、
    ディフューザ、整流装置、コントラクタをこの順に通して、及び前記2つのプレートの間にガスを供給するステップと、
    を含むデバイス製造方法。
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