第1の発明は、磁性材で構成され水を収容する容器と、この容器の外周と底面に設置した断熱材と、この断熱材の外側に設置し前記容器を誘導加熱する加熱コイルと、この加熱コイルに交流電流を供給するインバータと、前記容器内の水温を検知する温度センサと、この温度センサの検知温度を入力しあらかじめ定められたシーケンスに従い前記インバータに駆動信号を出力する制御手段とを備えたものであり、容器を誘導加熱により加熱し、かつ、加熱コイルに対向している個所も含め容器の外周を断熱材で包むことにより、加熱中、保温中とも容器外に伝わる熱を殆どなくすることができて熱効率を向上することができ、かつ、器体内部の温度上昇を抑制することができて使用電子部品のコストアップを少なくすることができる。
また、第1の発明は、インバータより加熱コイルに供給される交流電流の電流値を切り替える加熱量切替手段を備え、制御手段は、温度センサの検知温度により、あらかじめ定められたシーケンスに従い前記インバータに駆動信号を出力するとともに、保温時の加熱量を低く抑える必要のあるときは、前記加熱量切替手段に加熱量の切り替え信号を出力するようにし、保温時の水温のリプルを低く抑えたものであり、加熱量切替手段により、加熱量を低下させることができ、保温時の湯温のリプルを少なくすることができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、インバータを冷却するファンと、このファンを駆動するファン駆動手段とを備え、前記ファン駆動手段は、加熱量切替手段により加熱コイルに供給される交流電流値が大きいときにファンを駆動し、それ以外のときはファンを休止させるようにしたものであり、ファンによりインバータの温度上昇を抑えることができるとともに、加熱コイルに供給される交流電流値が大きいとき以外にはファンを休止させるので、保温動作時にはファンを休止し、騒音をなくすことができる。また、容器の外周を断熱材で包んでいるので、ファンが動作し器体内部に風が吹き抜ける加熱中および保温中に、熱を殆ど容器外に逃がすことなく、熱効率が改善することができ、かつ、器体内部の温度上昇が抑制されて、使用電子部品の耐熱性を無闇に上げる必要がなく、使用電子部品のコストアップを少なくすることができる。
第3の発明は、上記第1の発明において、インバータを冷却するファンと、このファンを駆動するファン駆動手段と、インバータの温度を検知するインバータ温度センサと、閾値温度を設定する閾値温度設定手段とを備え、前記ファン駆動手段は、前記インバータ温度センサの検知温度が前記閾値温度設定手段により設定される閾値温度を超過しているとき、ファンを駆動するようにしたものであり、インバータの温度が閾値温度を超過しているときのみ、ファンを駆動することにより、騒音の発生時間を短くすることができる。
第4の発明は、上記第1の発明において、加熱コイルへ通電開始後の経過時間を計時するタイマー手段と、閾値時間を設定する閾値時間設定手段と、前記タイマー手段の計時時間が前記閾値時間設定手段により設定される閾値時間に満たない間にインバータより前記加熱コイルに供給される交流電流値を低減させて加熱量を低く抑える加熱量低減手段と、温度上昇勾配の上限値を設定する上限値設定手段と、空炊きを検知する空炊き検知手段とを備え、前記空炊き検知手段は、前記タイマー手段の計時時間が前記閾値時間設定手段により決定される閾値時間未満の間に温度センサの温度上昇勾配値が前記上限値設定手段により設定される温度上昇勾配の上限値を超過する場合、空炊きと判断して前記加熱コイルへの通電を停止することにより、容器の加熱コイルに対向した底面の温度の急上昇を抑え、容器および容器内面のフッ素の損傷を防ぐようにしたものであり、加熱コイルへの通電開始後一定時間の間、加熱量を低減し、その間に温度センサの温度上昇勾配値を観測して空炊きを検知し、加熱を停止することにより、温度センサ近傍に水滴が付着し、空炊き検知が遅れた場合でも、容器の加熱コイルに対向した底面の温度の急上昇を抑えることができ、容器自身や、特に容器内面のフッ素の損傷を防ぐことができる。
第5の発明は、上記第1の発明において、加熱コイルへ通電開始後の経過時間を計時するタイマー手段と、閾値時間を設定する閾値時間設定手段と、前記タイマー手段の計時時間が前記閾値時間設定手段により設定される閾値時間に満たない間にインバータより前記加熱コイルに供給される交流電流値を低減させて加熱量を低く抑える加熱量低減手段と、閾値温度を設定する閾値温度設定手段と、空炊きを検知する空炊き検知手段とを備え、前記空炊き検知手段は、前記タイマー手段の計時時間が前記閾値時間設定手段により決定される閾値時間未満の間に、温度センサの検知温度が前記閾値温度設定手段により設定される閾値温度を超過する場合、空炊きと判断して前記加熱コイルへの通電を停止することにより、容器の加熱コイルに対向した底面の温度の急上昇を抑え、容器および容器内面のフッ素の損傷を防ぐようにしたものであり、加熱コイルへの通電開始後一定時間の間、加熱
量を低減し、その間に温度センサの検知温度を観測して空炊きを検知し、加熱を停止することにより、温度センサ近傍に水滴が付着し、空炊き検知が遅れた場合でも、容器の加熱コイル対向部の温度の急上昇を抑えることができ、容器自身や、特に容器内面のフッ素の損傷を防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における電気湯沸かし器のシステム構成図を示し、図2は、同電気湯沸かし器のインバータの回路図を示すものである。
図1に示すように、容器1は、器体2の内部に収納し、水を収容するもので、磁性材料で構成し、この容器1の外周、すなわち外周側面と底面に断熱材3を貼り付けている。加熱コイル4は、容器1を誘導加熱するもので、容器1の底部に貼り付けた断熱材3の下面に設置し、容器1と加熱コイル4との間に断熱材3が介在しても容器1を誘導加熱できるようにしている。温度センサ5は、容器1内の水温を検知するもので、容器1の底面中央部の突起部に設置している。蓋6は、器体2にヒンジで開閉自在に取り付けている。制御ユニット7は、マイコンなどの電子回路を搭載し、加熱コイル4への通電を制御し、湯沸かし動作を行うようにしている。ポンプ8は、出湯スイッチ9を押すことにより動作し、容器1内の水を水管10を通して吐出するようにしている。
インバータ11は、加熱コイル4に交流電流を供給するもので、図2に示すように構成している。商用電源12から供給された電源電流をダイオードブリッジ13で全波整流し、インダクタ14を介して、平滑用コンデンサ15を充電する。パワートランジスタ16は、平滑用コンデンサ15から加熱コイル4への通電をオン・オフし、駆動用IC17は、このパワートランジスタ16のゲートに駆動信号を出力する。
共振用コンデンサ18は、パワートランジスタ16がオフしているときに、加熱コイル4に誘起した電流にて充電されるものであり、還流ダイオード19は、パワートランジスタ16に並列に接続している。駆動用IC17は、加熱コイル4の両端の電圧をそれぞれ抵抗20、21と抵抗22、23で分圧した電圧を比較し、それをタイミング信号としてパワートランジスタ16に駆動信号を出力する。
加熱コイル4の交流電流値フィードバック回路24は、インバータ11の駆動用IC17のフィードバック入力端子17bに接続し、商用電源12からインバータ11に供給する電源電流をカレントトランス(図示せず)で検出し、検出した電圧を整流、平滑し、その電圧を駆動用IC17のフィードバック入力端子17bにフィードバックするようにしている。
駆動用IC17は、フィードバック入力端子17bの電圧が規定値より小さいとき、パワートランジスタ16への駆動信号パルスのパルス幅を大きくし、インバータ11から加熱コイル4へ供給される交流電流値を増加させ、フィードバック入力端子17bの電圧が規定値より大きいとき、パワートランジスタ16への駆動信号パルスのパルス幅を小さくし、インバータ11から加熱コイル4へ供給される交流電流値を減少させる。この動作により、インバータ11から加熱コイル4に供給される交流電流値は一定に維持される。
加熱量切替手段25は、インバータ11より加熱コイル4に供給される交流電流の電流値を切り替えるもので、その出力を交流電流値フィードバック回路24に入力し、高い加熱量が必要な場合、駆動用IC17のフィードバック端子17bの電圧を低下させること
により、駆動用IC17から出力されるパワートランジスタ16への駆動信号パルスのパルス幅を大きくし、インバータ11から加熱コイル4へ供給される交流電流値を増加させ、加熱量を大きくする。逆に、保温動作等、加熱量を低く抑える必要のあるときは、駆動用IC17のフィードバック端子17bの電圧を上昇させることにより、駆動用IC17から出力されるパワートランジスタ16への駆動信号パルスのパルス幅を小さくし、インバータ11から加熱コイル4へ供給される交流電流値を減少させ、加熱量を小さくする。
制御手段26は、温度センサ5の検知温度を入力し、あらかじめ定められたシーケンスに従ってインバータ11に駆動信号を出力し、駆動用IC17の入力端子17aに入力するとともに、加熱量切替手段25に加熱量の切り替え信号を出力するようにしている。
なお、加熱量切替手段25、制御手段26などはマイクロコンピュータ(図示せず)で構成し、インバータ11とともに制御ユニット7を構成している。入力手段27は使用者が操作するもので、出湯スイッチ9の他、出湯スイッチや再沸騰スイッチ(いずれも図示せず)で構成し、蓋部4の前方に設けている。また、表示手段28はLED、LCDなどで構成し、電気湯沸かし器の状態を表示するものである。
上記構成において動作、作用を説明する。使用者が、容器1へ水を入れ、商用電源12に接続すると、制御手段26は、加熱量切替手段25を介して加熱コイル4に供給する交流電流値を高く設定する。つづいて、制御手段26は、駆動用IC17に駆動信号を出力してインバータ11を動作させ、加熱コイル4に交流電流を供給して高い加熱量にて加熱が始まる。
図3は、本実施の形態の電気湯沸かし器の要部電圧、電流波形を示すもので、(a)は加熱コイル4の電流波形、(b)はパワートランジスタ16のコレクタ電圧波形、(c)はインバータ11の駆動信号波形を示すものである。以下、図3を参照しながらインバータ11の動作を説明する。
駆動用IC17より駆動信号が出力され、パワートランジスタ16の駆動入力がハイのとき(時刻t1からt2の間)、パワートランジスタ16は導通し、平滑用コンデンサ15より、加熱コイル4、パワートランジスタ16の順で電流が流れる。
図3の時刻t2にて駆動用IC17からの駆動信号が停止し、パワートランジスタ16の駆動入力がローとなると、パワートランジスタ16は休止し、容器1を流れる誘導電流により、今度は逆に加熱コイル4に誘起した電流は、共振コンデンサ18を充電する(時刻t2からt3の間)。
やがて、加熱コイル4に誘起した電流が減少し、時刻t3にてゼロになると、今度は、電流の向きが変わり、共振コンデンサ18より加熱コイル4へ電流が流れ出すようになる(時刻t3からt4の間)。
パワートランジスタ16のコレクタの電圧は、パワートランジスタ16が導通している区間(時刻t1からt2の間)では0V、加熱コイル4に誘起した電流により、共振コンデンサ18が充電されている区間(時刻t2からt3の間)では上昇し、共振コンデンサ18より加熱コイル4へ電流が流れ出す区間(時刻t3からt4の間)では減少する。
パワートランジスタ16のコレクタ電圧がグランド電圧になって以降、駆動用IC17が加熱コイル4両端の電圧をそれぞれ抵抗20、21と抵抗22、23で分圧した電圧を比較し、それをタイミング信号としてパワートランジスタ16に駆動信号を出力するまでの区間(時刻t4からt5の間)は、還流用ダイオード19を通して電流が流れる。
つぎに、図4を参照しながら湯沸かし時の動作を説明する。利用者が、容器1へ注水したときの水温T1が25℃であり、その直後に商用電源12より通電が開始されると、上述のように、高い加熱量で容器1内の水が加熱され、水温が急速に上昇していく。
容器1内の水が加熱され、温度センサ5の検知温度が、図4の時刻t0にて保温設定温度T2(本実施の形態では90℃)近くになると、制御手段26は、加熱量切替手段25を介して加熱コイル4に供給する交流電流値を低く設定する。
つづいて、制御手段26は、図4の時刻t0以前のように、温度センサ5の検知温度が保温設定温度より低いとき、インバータ11を介して加熱コイル4に交流電流を供給し、容器1内の水を加熱し、図4の時刻t0以後のように、温度センサ5の検知温度が保温設定温度より高いときは、インバータ11を休止し、加熱コイル4への交流電流の供給は行われない。
保温動作時は、上述のように、加熱量を低く設定されており、容器1内の水温のリプルを低く抑えることができる。
これにより、容器1内のお湯を保温温度に保温することができる。利用者が操作部にある給湯スイッチを押した場合、制御手段26はポンプ8に駆動信号を出力し、ポンプ8が動作して水管10を通して容器1内のお湯を吐出することができる。
以上のように、本実施の形態においては、水を収容する容器1の外周に断熱材3を設置し、この断熱材3の外側に加熱コイル4を設置し、この加熱コイル4にインバータ11により交流電流を供給して容器1を誘導加熱し、容器1内の水温を温度センサ5により検知し、この温度センサ5の検知温度を制御手段26に入力し、この制御手段26よりあらかじめ定められたシーケンスに従いインバータ11に駆動信号を出力するよう構成したので、容器1を誘導加熱により加熱し、かつ、加熱コイル4に対向している容器1の底面も含め容器1の外周を断熱材3で包むことにより、加熱中、保温中とも容器1外に伝わる熱を殆どなくすることができて熱効率を向上することができ、かつ、器体2内部の温度上昇を抑制することができて使用電子部品のコストアップを少なくすることができる。
また、インバータ11より加熱コイル4に供給される交流電流の電流値を切り替える加熱量切替手段25を備え、制御手段26は、あらかじめ定められたシーケンスに従いインバータ11に駆動信号を出力するとともに、加熱量切替手段25に加熱量の切り替え信号を出力するようにしたので、加熱量切替手段25により、加熱量を低下させることができ、保温時の湯温のリプルを少なくすることができる。
なお、本実施の形態において、加熱量切替手段25を設けなかった場合、高い加熱量で保温動作が行われ、保温動作時の湯温のリプルはやや大きくなる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における電気湯沸かし器のシステム構成図を示すものである。
図5に示すように、ファン29は、制御ユニット7の下方に設置し、制御ユニット7上に装着したインバータ11を構成する電子部品を冷却するものである。ファン駆動手段30は、ファン29を駆動するもので、加熱量切替手段25、制御手段26などを構成するマイクロコンピュータ(図示せず)内にプログラムの形で存在し、加熱量切替手段25が加熱コイル4に供給する交流電流値を高く設定しているときに、ファン29に駆動信号を
出力してファン29を駆動し、低く設定しているときには、駆動信号を出力しないでファン29を休止させるようにしている。他の構成は上記実施の形態1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
上記構成において動作、作用を説明する。なお、インバータ11の動作は、上記実施の形態1の動作と同じであるので、説明を省略する。
使用者が、容器1へ水を入れ、商用電源12に接続すると、制御手段26は、加熱量切替手段25を介して加熱コイル4に供給する交流電流値を高く設定する。
つづいて、制御手段26は、駆動用IC17に駆動信号を出力し、インバータ11を動作させ、加熱コイル4に交流電流を供給して高加熱量にて加熱が始まる。
ファン駆動手段30は、加熱量切替手段25により加熱コイル4に供給する交流電流値が高く設定されると同時に、ファン29へ駆動信号を出力する。ファン29は、ファン駆動手段30からの駆動信号を受けて動作し、制御ユニット7上に装着されたインバータ11を構成する電子部品を冷却する。
ファン29が動作すると、器体2内部に風が吹きぬけ、容器1の外側に装着された断熱材3にも風が当たるが、断熱材3の断熱効果により容器1内の熱は殆ど逃げない。
容器1内の水が加熱され、温度センサ5の検知温度が保温設定温度近くになると、制御手段26は、加熱量切替手段25を介して加熱コイル4に供給する交流電流値を低く設定する。すると、ファン駆動手段30は、加熱量切替手段25により加熱コイル4に供給する交流電流値が低く設定されたため、ファン29へ駆動信号を停止する。ファン駆動手段30より駆動信号が来なくなったため、ファン29は動作を停止する。
つづいて、制御手段26は、温度センサ5の検知温度が保温設定温度より低いとき、インバータ11を介して加熱コイル4に交流電流を供給し、容器1内の水を加熱する。一方、温度センサ5の検知温度が保温設定温度より高いとき、インバータ11を休止し、加熱コイル4への交流電流の供給は行われない。これにより、容器1内のお湯は保温設定温度に保温される。
この保温動作においては、加熱コイル4に供給される交流電流は低い値であることと、その供給が間欠的なものであるため、インバータ11の発熱は大きくなく、ファン29が動作しなくても、制御ユニット7上に装着された電子部品の温度は大きく上昇しない。
以上のように、本実施の形態においては、インバータ11を冷却するファン29と、このファン29を駆動するファン駆動手段30とを備え、ファン駆動手段30は、加熱量切替手段26により加熱コイル4に供給される交流電流値が大きいときにファン29を駆動し、それ以外のときはファン29を休止させるようにしたので、ファン29によりインバータ11の温度上昇を抑えることができるとともに、加熱コイル4に供給される交流電流値が大きいとき以外にはファン29を休止させるので、保温動作時にはファン29を休止し、騒音をなくすことができる。また、容器1の加熱コイル4に対向している底面も含め容器1の外周を断熱材3で包んでいるので、ファン29が動作し器体2内部に風が吹き抜ける加熱中および保温中に、熱を殆ど容器1外に逃がすことなく、熱効率が改善することができ、かつ、器体2内部の温度上昇が抑制されて、使用電子部品の耐熱性を無闇に上げる必要がなく、使用電子部品のコストアップを少なくすることができる。
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3における電気湯沸かし器のシステム構成図を示すものである。
図6に示すように、インバータ温度センサ31は、インバータ11の温度を検知するもので、制御ユニット7のインバータ11を構成する電子部品に熱結合するように貼り付けている。このインバータ温度センサ31は、通常、パワートランジスタ16の近傍に装着する。インバータ温度検知手段32は、インバータ温度センサ31の出力電圧を受け、インバータ11の温度を算出するようにしている。閾値温度設定手段33は、閾値温度を設定するもので、設定した閾値温度をインバータ温度検知手段32の出力とともにファン駆動手段30に入力している。
ファン駆動手段30は、インバータ温度検知手段32の検知温度が、閾値温度設定手段33により設定される閾値温度を超過しているとき、ファン29へ駆動信号を出力してファン29を駆動し、インバータ11を構成する電子部品を冷却するようにしている。
なお、ファン駆動手段30、インバータ温度検知手段32、閾値温度設定手段33は、加熱量切替手段25、制御手段26などとともにマイクロコンピュータ(図示せず)で構成している。他の構成は上記実施の形態1または2と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
上記構成において動作、作用を説明する。なお、インバータ11の動作は、上記実施の形態1の動作と同じであるので、説明を省略する。
使用者が、容器1へ水を入れ、商用電源12に接続すると、制御手段26は、加熱量切替手段25を介して、加熱コイル4に供給する交流電流値を高く設定する。
つづいて、制御手段26は、インバータ11の駆動用IC17に駆動信号を出力し、インバータ11を動作させ、加熱コイル4に交流電流を供給し、高加熱量にて加熱が始まる。高加熱量の加熱のため、加熱コイル4に供給される交流電流値が高く、したがって、インバータ11を構成する電子部品も負荷電流が大きく、このため、その発熱も多く、インバータ11を構成する電子部品の温度が急激に上昇する。
すると、インバータ11を構成する電子部品に熱結合するように貼り付けたインバータ温度センサ31の出力電圧が上昇し、インバータ温度検知手段32が算出する温度値も上昇し、その温度が閾値温度設定手段33により設定される閾値温度以上の場合、ファン駆動手段30は、ファン29へ駆動信号を出力し、ファン29を駆動する。ファン29が発生する風により、インバータ11を構成する電子部品が冷却され、電子部品の温度は、その耐熱温度に対して余裕を持った値に飽和する。
一般的に、閾値温度設定手段33により設定される閾値温度は50℃程度である。加熱コイル4に供給する交流電流が高い値に設定され、かつ、ファン29が動作した状態で、インバータ11を構成する電子部品の温度が飽和したときの温度は、パワートランジスタ16の温度が80℃程度となるようにファン29の動作回転数を設定する。
ファン29が動作すると、器体2の内部に風が吹きぬけ、容器1の外側に装着された断熱材3にも風があたるが、断熱材3の断熱効果により容器1内の熱は殆ど逃げない。
容器1内の水が加熱され、温度センサ5の検知温度が保温温度近くになると、制御手段26は、加熱量切替手段25を介して加熱コイル4に供給する交流電流値を低く設定する。
つづいて、制御手段26は、温度センサ5の検知温度が保温設定温度より低いとき、インバータ11を介して加熱コイル4に交流電流を供給して容器1内の水を加熱し、温度センサ5の検知温度が保温設定温度より高いときは、インバータ11を休止し、加熱コイル4への交流電流の供給は行われない。これにより、容器1内のお湯は、保温温度に保温される。
この保温動作においては、加熱コイル4に供給される交流電流値は低い値であることと、その供給が間欠的なものであるため、インバータ11の発熱は大きくなく、ファン29が動作していると、制御ユニット7上に装着されたインバータ11を構成する電子部品の温度は急激に低下する。
すると、インバータ11を構成する電子部品に熱結合するように貼り付けられたインバータ温度センサ31の出力電圧が低下し、インバータ温度検知手段32が算出する温度値も下降する。その温度が閾値温度設定手段33により設定される閾値温度以下となった段階で、ファン駆動手段30はファン29への駆動信号を停止し、ファン29は動作を停止する。
この保温動作においては、加熱コイル4に供給される交流電流は低い値であることと、その供給が間欠的なものであるため、インバータ11の発熱は大きくなく、ファン29が動作しなくても制御ユニット7上に装着された電子部品の温度は大きく上昇しない。
以上のように、本実施の形態においては、インバータ11を冷却するファン29と、このファン29を駆動するファン駆動手段30と、インバータ11の温度を検知するインバータ温度センサ31と、閾値温度を設定する閾値温度設定手段33とを備え、ファン駆動手段30は、インバータ温度センサ31の検知温度が閾値温度設定手段33により設定される閾値温度を超過しているとき、ファン29を駆動するようにしたので、インバータ11の温度が閾値温度を超過しているときのみ、ファン29を駆動することにより、騒音の発生時間を短くすることができる。
(実施の形態4)
図7は、本発明の実施の形態4における電気湯沸かし器のシステム構成図を示すものである。
図7に示すように、タイマー手段34は、使用者が容器1へ水を入れ、商用電源12に接続して加熱コイル4への通電開始後の経過時間を計時するものである。加熱量低減手段35は、タイマー手段34の計時時間が閾値時間を設定する閾値時間設定手段36により設定される閾値時間に満たない間にインバータ11より加熱コイル4に供給される交流電流値を低減させて加熱量を低く抑えるようにしている。
空炊き検知手段37は、温度センサ5の出力を入力し、容器1の空炊きを検知するものである。上限値設定手段38は、温度センサ5により検知した温度の温度上昇勾配の上限値を設定するものである。ここで、空炊き検知手段37は、タイマー手段34の計時時間が閾値時間設定手段36により決定される閾値時間未満の間に温度センサ5の温度上昇勾配値が上限値設定手段38により設定される温度上昇勾配の上限値を超過する場合、空炊きと判断して加熱コイルへの通電を停止するようにしている。
なお、タイマー段34、加熱量低減手段35、閾値時間設定手段36、空炊き検知手段37、上限値設定手段38は、制御手段26とともにマイクロコンピュータ(図示せず)で構成している。他の構成は上記実施の形態1〜3と同じであり、同一符号を付して説明
を省略する。
上記構成において図8を参照しながら動作、作用を説明する。使用者が容器1へ水を入れ、商用電源12に接続して動作を開始すると、ステップS1にて空炊き検知手段37は、制御手段26、加熱量低減手段35を介して加熱コイル4に供給する交流電流値を低く設定する。つづいて、ステップS2にて、制御手段26は駆動用IC17に駆動信号を出力してインバータ11を駆動し、加熱コイル4に交流電流を供給し、低加熱量にて加熱が始まる。つぎに、ステップS3にて計時時間tを初期化し、ステップS4にてtを1秒ごとにインクリメントし、タイマー手段34が通電開始後からの計時時間tの計時をはじめる。
ついでステップS5に進み、空炊き検知手段37は、温度センサ5の検知温度を読み取り、ステップS6にてその温度上昇勾配値を算出する。ステップS7にて温度上昇勾配値が上限値設定手段38により設定される温度上昇勾配の上限値を超過するかどうかを判断し、超過している場合は空炊きと判断してステップS8に進み、制御手段26を介して加熱コイル4への通電を停止する。
ステップS7にて温度上昇勾配値が上限値設定手段38により設定される温度上昇勾配の上限値を超過していない場合はステップS9に進み、タイマー手段34が計時する通電開始後からの経過時間tを閾値時間設定手段22により設定された閾値時間と比較する。通電開始後からの経過時間tが閾値時間を超過していない場合はステップS4に戻り、超過している場合はステップS10に進み、空炊き検知手段37は、制御手段26、加熱量低減手段35を介して加熱コイル4に供給する交流電流値を高く設定する。
以降、インバータ11は、加熱コイル4に供給する交流電流値を高く設定した状態で、温度センサ5が保温温度に達するまでの間、加熱コイル4への交流電流の供給を継続し、容器1内の水を加熱する。
もし、加熱コイル4への通電開始直後より、インバータ11の出力が高く設定され、加熱コイル4に供給される交流電流値が高いままであると、たまたま、容器1の温度センサ5取り付け部近傍に水滴を残したまま、容器1内の他の部分に水がなく空炊き状態の場合、容器1の加熱コイル4に対向した部分の温度は、熱量を吸収する水が存在しないため、瞬時に上昇する一方、温度センサ5は、容器1の温度センサ5取り付け部近傍の水滴に熱量を吸収され、検知温度の上昇が遅れる。
やがて、容器1の温度センサ5取り付け部近傍の水滴が蒸発した後、温度センサ5の検知温度の温度上昇勾配値が上限値設定手段38により設定される温度上昇勾配の上限値を超過し、空炊き検知手段37が加熱コイル4への電流供給を停止するが、このときすでに、容器1の加熱コイル4に対向した部分の温度は異常に高くなっており、容器1を損傷し、特に容器1内面にフッ素皮膜が塗布されている場合、そのフッ素皮膜が著しく損傷してしまう。
本実施の形態のように、通電開始後の経過時間が閾値時間内である間、加熱コイル4に供給される交流電流値を低く抑えるようにすると、その間に、温度センサ5取り付け部近傍の水滴が蒸発し、引き続いて、空炊き検知手段37が温度センサ5の温度上昇勾配値が上限値設定手段38により設定される温度上昇勾配の上限値を超過していることを検知して空炊きと判断し、制御手段26により加熱コイル4への通電を停止することで、もし空炊きの状態となっていても、加熱コイル4に供給される交流電流値は低い設定であり、容器1の発熱量は小さく、容器1の加熱コイル4に対向した部分の温度上昇は低く抑えられ、容器1やその内面に塗布されたフッ素皮膜の損傷は、発生しない。
以上のように、本実施の形態においては、加熱コイル4へ通電開始後の経過時間を計時するタイマー手段34と、閾値時間を設定する閾値時間設定手段36と、タイマー手段34の計時時間が閾値時間設定手段36により設定される閾値時間に満たない間にインバータ11より加熱コイル4に供給される交流電流値を低減させて加熱量を低く抑える加熱量低減手段35と、温度上昇勾配の上限値を設定する上限値設定手段38と、空炊きを検知する空炊き検知手段37とを備え、空炊き検知手段37は、タイマー手段34の計時時間が閾値時間設定手段36により決定される閾値時間未満の間に温度センサ5の温度上昇勾配値が上限値設定手段38により設定される温度上昇勾配の上限値を超過する場合、空炊きと判断して加熱コイル4への通電を停止するようにしたので、加熱コイル4への通電開始後一定時間の間、加熱量を低減し、その間に温度センサ5の温度上昇勾配値を観測して空炊きを検知し、加熱を停止することにより、空炊きの状態で、かつ、温度センサ5近傍に水滴が付着し、空炊き検知が遅れた場合でも、容器1の加熱コイル4に対向した底面の温度の急上昇を抑えることができ、容器1自身や、特に容器1内面のフッ素の損傷を防ぐことができる。
(実施の形態5)
図9は、本発明の実施の形態5における電気湯沸かし器のシステム構成図を示すものである。
図9に示すように、空炊き検知手段37は、タイマー手段34の計時時間が閾値時間設定手段36により決定される閾値時間未満の間に、温度センサ5の検知温度が閾値温度設定手段39により設定される閾値温度を超過する場合、空炊きと判断して加熱コイル4への通電を停止するようにしている。
なお、タイマー段34、加熱量低減手段35、閾値時間設定手段36、空炊き検知手段37、閾値温度設定手段39は、制御手段26とともにマイクロコンピュータ(図示せず)で構成している。他の構成は上記実施の形態4と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
上記構成において図10を参照しながら動作、作用を説明する。使用者が容器1へ水を入れ、商用電源12に接続して動作を開始すると、ステップS11にて空炊き検知手段37は、制御手段26、加熱量低減手段35を介して加熱コイル4に供給する交流電流値を低く設定する。つづいて、ステップS12にて、制御手段26は駆動用IC17に駆動信号を出力してインバータ11を駆動し、加熱コイル4に交流電流を供給し、低加熱量にて加熱が始まる。つぎに、ステップS13にて計時時間tを初期化し、ステップS14にてtを1秒ごとにインクリメントし、タイマー手段34が通電開始後からの計時時間tの計時をはじめる。
ついでステップS15に進み、空炊き検知手段37は、温度センサ5の検知温度を読み取り、ステップS16にて、その検知温度が閾値温度設定手段39により設定される閾値温度を超過するかどうかを判断し、超過している場合は空炊きと判断してステップS17に進み、制御手段26を介して加熱コイル4への通電を停止する。
ステップS16にて温度センサ5の検知温度が閾値温度を超過していない場合はステップS18に進み、タイマー手段34が計時する通電開始後からの経過時間tを閾値時間設定手段22により設定された閾値時間と比較する。通電開始後からの経過時間tが閾値時間を超過していない場合はステップS14に戻り、超過している場合はステップS19に進み、空炊き検知手段37は、制御手段26、加熱量低減手段35を介して加熱コイル4に供給する交流電流値を高く設定する。
以降、インバータ11は、加熱コイル4に供給する交流電流値を高く設定した状態で、温度センサ5が保温温度に達するまでの間、加熱コイル4への交流電流の供給を継続し、容器1内の水を加熱する。
もし、加熱コイル4への通電開始直後より、インバータ11の出力が高く設定され、加熱コイル4に供給される交流電流値が高いままであると、たまたま、容器1の温度センサ5取り付け部近傍に水滴を残したまま、容器1内の他の部分に水がなく空炊き状態の場合、容器1の加熱コイル4に対向した部分の温度は、熱量を吸収する水が存在しないため、瞬時に上昇する一方、温度センサ5は、容器1の温度センサ5取り付け部近傍の水滴に熱量を吸収され、検知温度の上昇が遅れる。
やがて、容器1の温度センサ5取り付け部近傍の水滴が蒸発した後、温度センサ5の検知温度が閾値温度設定手段39により設定される閾値温度を超過し、空炊き検知手段37が加熱コイル4への電流供給を停止するが、このときすでに、容器1の加熱コイル4に対向した部分の温度は異常に高くなっており、容器1を損傷し、特に容器1内面にフッ素皮膜が塗布されている場合、そのフッ素皮膜が著しく損傷してしまう。
本実施の形態のように、通電開始後の経過時間が閾値時間内である間、加熱コイル4に供給される交流電流値を低く抑えるようにすると、その間に、温度センサ5取り付け部近傍の水滴が蒸発し、引き続いて、空炊き検知手段37が、温度センサ5の検知温度が閾値温度設定手段39により設定される閾値温度を超過していることを検知して空炊きと判断し、制御手段26により加熱コイル4への通電を停止することで、もし空炊きの状態となっていても、加熱コイル4に供給される交流電流値は低い設定であり、容器1の発熱量は小さく、容器1の加熱コイル4に対向した部分の温度上昇は低く抑えられ、容器1やその内面に塗布されたフッ素皮膜の損傷は、発生しない。
以上のように、本実施の形態においては、加熱コイル4へ通電開始後の経過時間を計時するタイマー手段34と、閾値時間を設定する閾値時間設定手段36と、タイマー手段34の計時時間が閾値時間設定手段36により設定される閾値時間に満たない間にインバータ11より加熱コイル4に供給される交流電流値を低減させて加熱量を低く抑える加熱量低減手段35と、閾値温度を設定する閾値温度設定手段39と、空炊きを検知する空炊き検知手段37とを備え、空炊き検知手段37は、タイマー手段34の計時時間が閾値時間設定手段36により決定される閾値時間未満の間に、温度センサ5の検知温度が閾値温度設定手段39により設定される閾値温度を超過する場合、空炊きと判断して加熱コイル4への通電を停止するようにしたので、加熱コイル47への通電開始後一定時間の間、加熱量を低減し、その間に温度センサ5の検知温度を観測して空炊きを検知し、加熱を停止することにより、温度センサ5近傍に水滴が付着し、空炊き検知が遅れた場合でも、容器1の加熱コイル4に対向した底面の温度の急上昇を抑えることができ、容器1自身や、特に容器1内面のフッ素の損傷を防ぐことができる。