JP5332882B2 - 半導体発光素子 - Google Patents
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Description
また、他の公報記載の従来技術として、III族窒化物半導体で構成されたp型半導体層の上に、p型コンタクト層を介して形成された正電極を備える半導体発光素子において、この正電極を、酸化物からなる第1の半導体膜、第1の半導体膜の上に形成される金属膜、酸化物からなり金属膜の上に形成される第2の半導体膜にて構成するものが知られている(特許文献2参照)。
また、透明導電層が金属酸化物としてさらに亜鉛酸化物を含むことを特徴とすることができる。
さらに、基板がサファイア単結晶で構成されることを特徴とすることができる。
また、導電層がIII族窒化物半導体層と非接触に形成されることを特徴とすることができる。
さらに、金属層と被覆層とが非接触に配置されることを特徴とすることができる。
そして、透明導電層、金属層および導電層のいずれか一層は、III族窒化物半導体層の面に沿って形成される上面と上面の周縁部からIII族窒化物半導体層に向かって傾斜する傾斜面とを備えていることを特徴とすることができる。
図1は本実施の形態が適用される半導体発光素子(発光ダイオード)1の断面模式図の一例を示しており、図2は図1に示す半導体発光素子1を図1に示すII方向からみた平面模式図の一例を示しており、図3は半導体発光素子を構成する積層半導体層の断面模式図の一例を示している。
図1に示すように、半導体発光素子1は、透明基板の一例としての基板110と、基板110上に積層される中間層120と、中間層120上に積層される下地層130とを備える。また、半導体発光素子1は、下地層130上に積層されるn型半導体層140と、n型半導体層140上に積層される発光層150と、発光層150上に積層されるp型半導体層160とを備える。なお、以下の説明においては、必要に応じて、これらn型半導体層140、発光層150およびp型半導体層160を、まとめて積層半導体層100と呼ぶ。
このように、本実施の形態の半導体発光素子1は、一方の面側に第1の電極170および第2の電極180が形成された構造を有している。
<基板>
基板110としては、III族窒化物半導体結晶が表面にエピタキシャル成長される基板であれば、特に限定されず、各種の基板を選択して用いることができる。ただし、本実施の形態の半導体発光素子1は、後述するように、基板110側から光を取り出すようにフリップチップ実装されることから、発光層150から出射される光に対する光透過性を有していることが好ましい。したがって、例えば、サファイア、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウムアルミニウム、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化リチウムガリウム、酸化リチウムアルミニウム、酸化ネオジウムガリウム、酸化ランタンストロンチウムアルミニウムタンタル、酸化ストロンチウムチタン、酸化チタン等からなる基板110を用いることができる。
また、上記材料の中でも、特に、C面を主面とするサファイアを基板110として用いることが好ましい。サファイアを基板110として用いる場合は、サファイアのC面上に中間層120(バッファ層)を形成するとよい。
積層半導体層100は、例えば、III族窒化物半導体からなる層であって、図1に示すように、基板110上に、n型半導体層140、発光層150およびp型半導体層160の各層が、この順で積層されて構成されている。
また、図3に示すように、n型半導体層140、発光層150及びp型半導体層160の各層は、それぞれ、複数の半導体層から構成してもよい。さらにまた、積層半導体層100は、さらに下地層130、中間層120を含めて呼んでもよい。ここで、n型半導体層140は、電子をキャリアとする第1の導電型にて電気伝導を行うものであり、p型半導体層160は、正孔をキャリアとする第2の導電型にて電気伝導を行うものである。
なお、積層半導体層100は、MOCVD法で形成すると結晶性の良いものが得られるが、スパッタ法によっても条件を最適化することで、MOCVD法よりも優れた結晶性を有する半導体層を形成できる。以下、順次説明する。
中間層120は、多結晶のAlxGa1-xN(0≦x≦1)からなるものが好ましく、単結晶のAlxGa1-xN(0≦x≦1)のものがより好ましい。
中間層120は、上述のように、例えば、多結晶のAlxGa1-xN(0≦x≦1)からなる厚さ0.01〜0.5μmのものとすることができる。中間層120の厚みが0.01μm未満であると、中間層120により基板110と下地層130との格子定数の違いを緩和する効果が十分に得られない場合がある。また、中間層120の厚みが0.5μmを超えると、中間層120としての機能には変化が無いのにも関わらず、中間層120の成膜処理時間が長くなり、生産性が低下する虞がある。
中間層120は、基板110と下地層130との格子定数の違いを緩和し、基板110の(0001)面(C面)上にc軸配向した単結晶層の形成を容易にする働きがある。したがって、中間層120の上に単結晶の下地層130を積層すると、より一層結晶性の良い下地層130が積層できる。なお、本発明においては、中間層形成工程を行なうことが好ましいが、行なわなくても良い。
また、中間層120をなすIII族窒化物半導体の結晶は、成膜条件をコントロールすることにより、六角柱を基本とした集合組織からなる柱状結晶(多結晶)とすることも可能である。なお、ここでの集合組織からなる柱状結晶とは、隣接する結晶粒との間に結晶粒界を形成して隔てられており、それ自体は縦断面形状として柱状になっている結晶のことをいう。
下地層130としては、AlxGayInzN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)を用いることができるが、AlxGa1-xN(0≦x<1)を用いると結晶性の良い下地層130を形成できるため好ましい。
下地層130の膜厚は0.1μm以上が好ましく、より好ましくは0.5μm以上であり、1μm以上が最も好ましい。この膜厚以上にした方が結晶性の良好なAlxGa1-xN層が得られやすい。
下地層130の結晶性を良くするためには、下地層130は不純物をドーピングしない方が望ましい。しかし、p型あるいはn型の導電性が必要な場合は、アクセプター不純物あるいはドナー不純物を添加することができる。
図3に示すように、第1の半導体層の一例としてのn型半導体層140は、nコンタクト層140aとnクラッド層140bとから構成されるのが好ましい。なお、nコンタクト層140aはnクラッド層140bを兼ねることも可能である。また、前述の下地層130をn型半導体層140に含めてもよい。
nコンタクト層140aは、第2の電極180を設けるための層である。nコンタクト層140aとしては、AlxGa1-xN層(0≦x<1、好ましくは0≦x≦0.5、さらに好ましくは0≦x≦0.1)から構成されることが好ましい。
また、nコンタクト層140aにはn型不純物がドープされていることが好ましく、n型不純物を1×1017〜1×1020/cm3、好ましくは1×1018〜1×1019/cm3の濃度で含有すると、第2の電極180との良好なオーミック接触を維持できる点で好ましい。n型不純物としては、特に限定されないが、例えば、Si、GeおよびSn等が挙げられ、好ましくはSiおよびGeが挙げられる。
nコンタクト層140aの膜厚は、0.5〜5μmとされることが好ましく、1〜3μmの範囲に設定することがより好ましい。nコンタクト層140aの膜厚が上記範囲にあると、半導体の結晶性が良好に維持される。
nクラッド層140bの膜厚は、特に限定されないが、好ましくは0.005〜0.5μmであり、より好ましくは0.005〜0.1μmである。nクラッド層140bのn型ドープ濃度は1×1017〜1×1020/cm3が好ましく、より好ましくは1×1018〜1×1019/cm3である。ドープ濃度がこの範囲であると、良好な結晶性の維持および発光素子の動作電圧低減の点で好ましい。
また、nクラッド層140bは、n側第1層とn側第2層とが交互に繰返し積層された構造を含んだものであってもよく、GaInNとGaNとの交互構造又は組成の異なるGaInN同士の交互構造であることが好ましい。
n型半導体層140の上に積層される発光層150としては、単一量子井戸構造あるいは多重量子井戸構造などを採用することができる。
図3に示すような、量子井戸構造の井戸層150bとしては、Ga1-yInyN(0<y<0.4)からなるIII族窒化物半導体層が通常用いられる。井戸層150bの膜厚としては、量子効果の得られる程度の膜厚、例えば1〜10nmとすることができ、好ましくは2〜6nmとすると発光出力の点で好ましい。
また、多重量子井戸構造の発光層150の場合は、上記Ga1-yInyNを井戸層150bとし、井戸層150bよりバンドギャップエネルギーが大きいAlzGa1-zN(0≦z<0.3)を障壁層150aとする。井戸層150bおよび障壁層150aには、設計により不純物をドープしてもしなくてもよい。
図3に示すように、第2の半導体層の一例としてのp型半導体層160は、通常、pクラッド層160aおよびpコンタクト層160bから構成される。また、pコンタクト層160bがpクラッド層160aを兼ねることも可能である。
pクラッド層160aは、発光層150へのキャリアの閉じ込めとキャリアの注入とを行なう層である。pクラッド層160aとしては、発光層150のバンドギャップエネルギーより大きくなる組成であり、発光層150へのキャリアの閉じ込めができるものであれば特に限定されないが、好ましくは、AlxGa1-xN(0<x≦0.4)のものが挙げられる。
pクラッド層160aが、このようなAlGaNからなると、発光層150へのキャリアの閉じ込めの点で好ましい。pクラッド層160aの膜厚は、特に限定されないが、好ましくは1〜400nmであり、より好ましくは5〜100nmである。
pクラッド層160aのp型ドープ濃度は、1×1018〜1×1021/cm3が好ましく、より好ましくは1×1019〜1×1020/cm3である。p型ドープ濃度が上記範囲であると、結晶性を低下させることなく良好なp型結晶が得られる。
また、pクラッド層160aは、複数回積層した超格子構造としてもよく、AlGaNとAlGaNとの交互構造又はAlGaNとGaNとの交互構造であることが好ましい。
p型不純物(ドーパント)を1×1018〜1×1021/cm3の濃度、好ましくは5×1019〜5×1020/cm3の濃度で含有していると、良好なオーミック接触の維持、クラック発生の防止、良好な結晶性の維持の点で好ましい。p型不純物としては、特に限定されないが、例えば好ましくはMgが挙げられる。
pコンタクト層160bの膜厚は、特に限定されないが、0.01〜0.5μmが好ましく、より好ましくは0.05〜0.2μmである。pコンタクト層160bの膜厚がこの範囲であると、発光出力の点で好ましい。
次に、第1の電極170の構成について詳細に説明する。
第1の電極170は、p型半導体層160上に積層される第1導電層171と、この第1導電層171上に積層される反射層172(金属層とも呼ぶ)と、この反射層172上に積層される第2導電層173と、p型半導体層160に対しこれら第1導電層171、反射層172および第2導電層173を覆うように設けられる被覆層174とを有している。
図1に示すように、p型半導体層160の上には第1導電層171が積層されている。
図2に示すように平面視したときに、第1導電層171(図1参照)は、第2の電極180を形成するために、エッチング等の手段によって一部が除去されたp型半導体層160の上面160cの周縁部を除くほぼ全面を覆うように形成されているが、このような形状に限定されるわけでなく、隙間を開けて格子状や樹形状に形成してもよい。ただし、図2において、第1導電層171は、第2導電層173の背面側に形成されているため、その背後に隠れている。
これらの材料を、この技術分野でよく知られた慣用の手段で設けることによって、第1導電層171を形成できる。また、第1導電層171を形成した後に、第1導電層171の透明化と更なる低抵抗化とを目的とした熱アニールを施す場合もある。
例えば、六方晶構造のIn2O3結晶を含むIZOを第1導電層171として使用する場合、エッチング性に優れたアモルファスのIZO膜を用いて特定形状に加工することができ、さらにその後、熱処理等によりアモルファス状態から結晶を含む構造に転移させることで、アモルファスのIZO膜よりも透光性の優れた電極に加工することができる。
例えば、IZO中のZnO濃度は1〜20質量%であることが好ましく、5〜15質量%の範囲であることが更に好ましい。10質量%であると特に好ましい。
また、IZO膜の熱処理温度は、500℃〜1000℃が好ましい。500℃未満の温度で熱処理を行なった場合、IZO膜を十分に結晶化できない恐れが生じ、IZO膜の光透過率が十分に高いものとならない場合がある。1000℃を超える温度で熱処理を行なった場合には、IZO膜は結晶化されているが、IZO膜の光透過率が十分に高いものとならない場合がある。また、1000℃を超える温度で熱処理を行なった場合、IZO膜の下にある半導体層を劣化させる恐れもある。
特に、前述のように、熱処理によって結晶化したIZO膜は、アモルファス状態のIZO膜に比べて、p型半導体層160との密着性が良いため、本発明の実施形態において大変有効である。また、熱処理によって結晶化したIZO膜は、アモルファス状態のIZO膜に比べて、抵抗値が低下することから、半導体発光素子1を構成した際に、順方向電圧VFを低減できる点でも好ましい。
図1に示すように、第1導電層171の上には反射層172が積層されている。
図2に示すように平面視したときに、反射層172(図1参照)は、第1導電層171の全域を覆うように形成されている。また、反射層172は、第1導電層171上に形成され、p型半導体層160上には形成されないようになっている。すなわち、p型半導体層160と反射層172とが直接接触しないように構成されている。ただし、図2において、反射層172は、上述した第1導電層171と同様、第2導電層173の背面側に形成されているため、その背後に隠れている。
なお、本実施の形態では、反射層172として、Ag単体を用いているが、Agを含む合金を使用するようにしてもかまわない。
図1に示すように、反射層172の上には第2導電層173が積層されている。
図2に示すように平面視したときに、第2導電層173は、反射層172の全域を覆うように形成されている。また、第2導電層173は、反射層172上に形成され、p型半導体層160上には形成されないようになっている。すなわち、p型半導体層160と第2導電層173とが直接接触しないように構成されている。
図1に示すように、第2導電層173の上面および第1導電層171、反射層172および第2導電層173の側面には被覆層174が形成されている。
図2に示すように平面視したときに、被覆層174は、第1導電層171、反射層172および第2導電層173の全域を覆うように形成されている。また、被覆層174は、その端部がp型半導体層160と接するようになっている。
第2の電極180については、公知な材料や構造、形状を採用することができ、例えば第1の電極170と同じ構成を採用することもできる。したがって、第2の電極180を単層で構成してもよいし、複数の材料を重ね合わせた積層で構成してもよい。
図1に示すように、保護層190は、第1の電極170の一部および第2の電極180の一部を除いてこれら第1の電極170および第2の電極180を覆うように積層されている。保護層190は、例えばSiO2等の材料で構成されており、外部から水等が第1の電極170および第2の電極180に浸入するのを抑制することでこれらを保護する機能を有している。
図4は、図1に示す半導体発光素子1を配線基板10に実装した発光装置の構成の一例を示す図である。
配線基板10の一方の面には、正電極11と負電極12とが形成されている。
そして、配線基板10に対し、図1に示す半導体発光素子1の上下を反転させた状態で、正電極11には第1の電極170(具体的には被覆層174)を、また、負電極12には第2の電極180を、それぞれはんだ20を用いて電気的に接続すると共に機械的に固定している。このような配線基板10に対する半導体発光素子1の接続手法は、一般にフリップチップ接続と呼ばれるものである。フリップチップ接続においては、配線基板10からみて、半導体発光素子1の基板110が発光層150よりも遠い位置に置かれる。
配線基板10の正電極11および負電極12を介して、半導体発光素子1に正電極11から負電極12に向かう電流を流すと、半導体発光素子1では、第1の電極170からp型半導体層160、発光層150およびn型半導体層140を介して第2の電極180に向かう電流が流れ、発光層150は基板110側および第1の電極170側に向けて青色光を出力する。なお、このとき、第1の電極170では、被覆層174、第2導電層173、反射層172および第1導電層171を介して電流が流れ、p型半導体層160には、面上において均一化された状態の電流が供給される。
図5は、半導体発光素子1の製造工程の一例を示すフローチャートである。
半導体発光素子1は、基板110上に中間層120を形成する中間層形成工程(ステップ101)と、中間層120上に下地層130を形成する下地層形成工程(ステップ102)と、下地層130上にn型半導体層140を形成するn型半導体層形成工程(ステップ103)と、n型半導体層140上に発光層150を形成する発光層形成工程(ステップ104)と、発光層150上にp型半導体層160を形成するp型半導体層形成工程(ステップ105)と、p型半導体層160側からエッチングを行ってn型半導体層140に半導体層露出面140cを形成する半導体層露出面形成工程(ステップ106)と、p型半導体層160上に第1導電層171を形成する第1導電層形成工程(ステップ107)と、第1導電層171上に反射層172を形成する反射層形成工程(ステップ108)と、反射層172上に第2導電層173を形成する第2導電層形成工程(ステップ109)と、これら第1導電層171、反射層172および第2導電層173を覆うように被覆層174を形成する被覆層形成工程(ステップ110)と、保護層190を形成する保護層形成工程(ステップ111)とによって製造される。
<中間層形成工程>
まず、サファイア基板等の基板110を用意し、前処理を施す。前処理としては、例えば、スパッタ装置のチャンバ内に基板110を配置し、中間層120を形成する前にスパッタするなどの方法によって行うことができる。具体的には、チャンバ内において、基板110をArやN2のプラズマ中に曝す事によって上面を洗浄する前処理を行なってもよい。ArガスやN2ガスなどのプラズマを基板110に作用させることで、基板110の上面に付着した有機物や酸化物を除去することができる。
スパッタ法によって、単結晶構造を有する中間層120を形成する場合、チャンバ内の窒素原料と不活性ガスの流量に対する窒素流量の比を、窒素原料が50%〜100%、望ましくは75%となるようにすることが望ましい。
また、スパッタ法によって、柱状結晶(多結晶)を有する中間層120を形成する場合、チャンバ内の窒素原料と不活性ガスの流量に対する窒素流量の比を、窒素原料が1%〜50%、望ましくは25%となるようにすることが望ましい。なお、中間層120は、上述したスパッタ法だけでなく、MOCVD法で形成することもできる。
次に、中間層120を形成した後、中間層120の上面に、単結晶の下地層130を形成する。下地層130は、スパッタ法で形成してもよく、MOCVD法で形成してもよい。
下地層130の形成後、nコンタクト層140a及びnクラッド層140bを積層してn型半導体層140を形成する。nコンタクト層140a及びnクラッド層140bは、スパッタ法で形成してもよく、MOCVD法で形成してもよい。
発光層150の形成は、スパッタ法、MOCVD法のいずれの方法でもよいが、特にMOCVD法が好ましい。具体的には、障壁層150aと井戸層150bとを交互に繰り返して積層し、且つ、n型半導体層140側およびp型半導体層160側に障壁層150aが配される順で積層すればよい。
また、p型半導体層160の形成は、スパッタ法、MOCVD法のいずれの方法でもよい。具体的には、pクラッド層160aと、pコンタクト層160bとを順次積層すればよい。
第1の電極170の形成に先立ち、公知のフォトリソグラフィーの手法によってパターニングして、所定の領域の積層半導体層100の一部をエッチングしてnコンタクト層140aの一部を露出させ、半導体層露出面140cを形成させる。
マスクで半導体層露出面140cをカバーして、エッチング除去せずに残したp型半導体層160上に、スパッタ法などの公知の方法を用いて第1導電層171を形成し、その後、例えば酸素雰囲気下において700℃で熱処理を施して第1導電層171の結晶性を高める。
なお、p型半導体層160上に先に第1導電層171を形成した後、第1導電層171を形成した状態で、所定の領域の第1導電層171および積層半導体層100の一部をエッチングすることで半導体層露出面140cを形成するようにしてもよい。なお、この場合においても、第1導電層171の形成を行った後、熱処理を施して第1導電層171の結晶性を高めることが好ましい。
マスクで半導体層露出面140cを引き続きカバーしたまま、p型半導体層160上に積層された第1導電層171上に、スパッタ法などの公知の方法を用いて反射層172を形成する。
なお、反射層形成工程は、上記第1導電層形成工程とは別に行うことが好ましい。これは、第1導電層形成工程では、上述したように熱処理が行われるためである。より具体的に説明すると、仮にp型半導体層160に第1導電層171および反射層172を形成した状態で熱処理を行うと、反射層172を構成するAgが、第1導電層171内に拡散してしまい、反射層172における反射率が低下するおそれがあるためである。
マスクで半導体層露出面140cを引き続きカバーしたまま、第1導電層171上に積層された反射層172上に、スパッタ法などの公知の方法を用いて第2導電層173を形成する。
なお、反射層形成工程および第2導電層形成工程は、例えばスパッタ法にて連続して1バッチで行うことが好ましく、この場合には、反射層172の構成材料と第2導電層173の構成材料とをそれぞれターゲットとしてスパッタ装置にセットしておき、成膜プロセスの最中にターゲットおよび雰囲気を変更することで、連続的に形成することが好ましい。
また、第2導電層形成工程の後には、熱処理を行わないことが好ましい。これは、第1導電層171に積層された反射層172の上に第2導電層173を形成した状態で熱処理を行うと、反射層172を構成するAgが、第1導電層171あるいは第2導電層173に拡散し、反射層172における反射率が低下するおそれがあるためである。
第2の電極180は第1の電極170と同じ構造とし、上述した半導体層露出面形成工程にて半導体層露出面140cを形成した後に、双方の電極を同時に形成することが可能である。また、第2の電極180として、公知の構造の電極を第1の電極170の形成工程の前、後、もしくは途中に形成することも可能である。
マスクで半導体層露出面140cを引き続きカバーしたまま、p型半導体層160の上面160cに積層された第1導電層171、反射層172および第2導電層173に、スパッタ法を用いて、金属からなる被覆層174を積層し、p型半導体層160との間で、第1導電層171、反射層172及び第2導電層173を完全に被覆する。例えば、被覆層174として、ニッケル層、プラチナ層および金層を順次積層する。
なお、被覆層形成工程は、上述した第2導電層形成工程とは別に行うことが好ましい。この場合には、p型半導体層160の上面160cに第1導電層171、反射層172および第2導電層173が形成された状態でスパッタ装置等の成膜装置から取り出されることになるが、反射層172が第2導電層173で覆われているため、取り出し後に反射層172が大気中に晒されにくくなり、反射層172の劣化を抑制することができる。
半導体露出面140cをカバーするマスクを除去した後、例えばSiO2からなる保護層190を、図1のように上面及びエッチング側面に形成する。なお、第1の電極170の一部領域および第2の電極180の一部領域を露出させるためには、例えば保護層190を形成する前にレジストの塗布を形成しておくようにしてもよいし、保護層190を形成した後にドライエッチング等を用いて露出領域を形成するようにしてもよい。
このようにして、半導体発光素子1が得られる。
図6は、本実施の形態が適用される半導体発光素子1の断面模式図の他の一例を示している。この半導体発光素子1の基本構成は図1に示したものとほぼ同様であるが、第1の電極170の断面形状に特徴がある。
<第1工程>
まず、図7(a)に示すように、例えばAZ5200NJ(製品名:AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)などレジストを用いて、p型半導体層160の上面160c上に不溶性レジスト部21を形成する。
<第2工程>
まず、図9(a)に示すように、第1工程に準じて、例えばAZ5200NJ(製品名:AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製)などレジストを用いて、第1導電層171、反射層172および第2導電層173からなる3層構造体と、p型半導体層160の上面160cとを覆うように不溶性レジスト部31を形成する。
本発明者は、第1の電極170の構成材料を異ならせた半導体発光素子1の製造を行い、各半導体発光素子1から出力される光量に基づいて、各半導体発光素子1における反射層172の劣化について評価を行った。なお、ここでは、各半導体発光素子1の構造を、図1または図6に示すものとした。
一方、比較例1〜3では、第1層として厚さ1000ÅのPt(白金)を、第2層として厚さ3000ÅのAu(金)を、それぞれ用いた。
各実施例および各比較例に示した電極構造をそれぞれ有する半導体発光素子1(ドミナント波長は460nmの発光素子構造)を準備し、常温(20℃)、並びにN2雰囲気下であって200℃、300℃および400℃のそれぞれの温度において、10分間保持した後、各半導体発光素子1の順方向電圧(Vf)の測定と発光出力(Po)の測定とを行った。
Claims (7)
- 基板と、
通電により発光する発光層を含んで前記基板に積層され、当該発光層から出射される光を、前記基板を介して外部に出力するIII族窒化物半導体層と、
前記発光層から出射される光に対する光透過性および導電性を有する金属酸化物で構成され、前記III族窒化物半導体層の前記基板とは逆側に積層される透明導電層と、
銀または銀を含む合金で構成され、前記発光層から前記透明導電層を介して入射する光を反射する金属層と、
導電性を有する金属酸化物で構成され、前記金属層に積層されて外部との電気的な接続に用いられる導電層と、
導電性を有する金属で構成され、積層される前記透明導電層と前記金属層と前記導電層とを、前記III族窒化物半導体層に対し覆うように設けられる被覆層と
を有する半導体発光素子。 - 前記透明導電層が前記金属酸化物としてインジウム酸化物を含むことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
- 前記透明導電層が前記金属酸化物としてさらに亜鉛酸化物を含むことを特徴とする請求項2記載の半導体発光素子。
- 前記基板がサファイア単結晶で構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の半導体発光素子。
- 前記導電層が前記III族窒化物半導体層と非接触に形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の半導体発光素子。
- 前記金属層と前記被覆層とが非接触に配置されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の半導体発光素子。
- 前記透明導電層、前記金属層および前記導電層のいずれか一層は、前記III族窒化物半導体層の面に沿って形成される上面と当該上面の周縁部から当該III族窒化物半導体層に向かって傾斜する傾斜面とを備えていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の半導体発光素子。
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