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JP5337073B2 - 電流−電圧非直線抵抗体およびその製造方法 - Google Patents
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電流−電圧非直線抵抗体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、サージプロテクトデバイス(SPD)や低電圧系統避雷器に適用する酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする電流−電圧非直線抵抗体およびその製造方法に関する。
一般に、電力系統を異常電圧から保護するために、避雷器やサージアブソーバなどの過電圧保護装置が用いられている。この避雷器やサージアブソーバは、正常な電圧下において絶縁特性を示す一方、異常電圧が印加されたときに低抵抗特性を示す非直線抵抗体を有しており、過電圧の抑制に有効である。この電流−電圧非直線抵抗体は、例えば、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、これに副成分として、Bi、Co、MnO、Sb、NiOが添加されたものを原料とし、混合、造粒、成形し、焼結されたセラミック体である(例えば、特許文献1参照。)。この焼結体の側面には、サージ吸収時に側面からのフラッシュ・オーバを防止するために、電気絶縁材料による絶縁層が形成されている。
また、最近における、例えばパーソナルコンピュータなどの電子機器においては、高機能化および高集積化に伴って、サージ耐量が低下する傾向にある。そのため、これらの電子機器において、雷サージ被害が増加しており、電力や通信網に大きな影響を与えている。このような中、サージプロテクトデバイス(SPD)などの低電圧系統のサージ吸収装置の需要が年々増加している。この低電圧系統のサージ吸収装置においても、その優れた非直線抵抗特性により、酸化亜鉛を主成分とする電流−電圧非直線抵抗体が用いられている。
サージプロテクトデバイスには、誘導雷(8/20μs)のみでなく、直撃雷(10/350μs)のような長波尾の大電流を吸収する性能が要求される。そのため、電流−電圧非直線抵抗体において、高いサージ耐量特性が求められる。サージ耐量特性を向上させるためには、電流−電圧非直線抵抗体の単位体積当たりの抵抗値を低くすることが有効である。しかしながら、例えば100Vクラスの低電圧系統に200V/mmクラスの電流−電圧非直線抵抗体を用いると、厚さを1〜3mm程度まで薄くしなければならない。そのため、機械的強度が低下し、製造が困難となることに加えて、サージ耐量特性が低下する。そこで、電流−電圧非直線抵抗体の低抵抗化が要求される。
電流−電圧非直線抵抗体を低抵抗化するために、例えば、酸化亜鉛を主成分として、Bi、TiO、Co、MnO、NiO、TeOなどの副成分の含有量が限定された電流−電圧非直線抵抗体が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この電流−電圧非直線抵抗体では、抵抗値が低く、かつ優れたサージ耐量特性が得られる。
また、酸化亜鉛を主成分として、Bi、TiO、Sbが添加された電流−電圧非直線抵抗体において、焼成工程の一定温度における昇温速度範囲を限定することにより、抵抗値が低く、動作開始電圧のバラツキが小さい電流−電圧非直線抵抗体が得られる技術が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
また、サージ吸収装置の長期信頼性を得るために、電流−電圧非直線抵抗体においては、サージ耐量特性の向上が求められるとともに、優れた寿命特性が求められている。
特公平4−25681号公報 特開2003−109806号公報 特許第3251134号公報
しかしながら、電流−電圧非直線抵抗体を低抵抗化するために、上記した従来の電流−電圧非直線抵抗体ように、TiOなどの酸化亜鉛粒子の粒成長を促進させる成分を添加したり、または焼成パターンを制御したりすることによって、酸化亜鉛粒子の異常な粒成長などを生じることがある。そのため、焼結体中の結晶粒径が大きくばらつき、十分なサージ耐量特性を得ることは困難であった。また、結晶粒径がばらつくことにより、寿命特性や非直線特性も劣化してしまう。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、低抵抗化が図れるとともに、非直線抵抗特性、サージ耐量および課電寿命特性に優れた電流−電圧非直線抵抗体およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、酸化亜鉛を主成分とし、副成分として、ビスマス、アンチモン、マンガン、コバルト、ニッケルを含んだ混合物の焼結体を備える電流−電圧非直線抵抗体において、前記混合物が、アンチモンをSbに換算して0.2〜0.8mol%、コバルトをCoに換算して0.2〜1.5mol%、マンガンをMnOに換算して0.1〜1mol%、ニッケルをNiOに換算して0.3〜2mol%を含み、かつビスマスを、ビスマスのアンチモンに対するmol%相対比が、それぞれの酸化物に換算して、1.5≦Bi/Sb≦4.5の関係を満たすように含み、前記焼結体中の酸化亜鉛粒子の平均粒径が25μm以上であり、かつ前記焼結体中の酸化亜鉛粒子の粒度分布に基づく標準偏差が前記酸化亜鉛粒子の平均粒径の20%以下であり、前記混合物の平均粒径が0.5μm以下であり、前記混合物の粒度分布に基づく標準偏差が前記混合物の平均粒径の75%以下であることを特徴とする電流−電圧非直線抵抗体が提供される。
また、本発明の一態様によれば、酸化亜鉛を主成分とし、副成分として、ビスマス、アンチモン、マンガン、コバルト、ニッケルを含んだ混合物の焼結体を備える電流−電圧非直線抵抗体の製造方法において、アンチモンをSbに換算して0.2〜0.8mol%、コバルトをCoに換算して0.2〜1.5mol%、マンガンをMnOに換算して0.1〜1mol%、ニッケルをNiOに換算して0.3〜2mol%を含み、かつビスマスを、ビスマスのアンチモンに対するmol%相対比が、それぞれの酸化物に換算して、1.5≦Bi/Sb≦4.5の関係を満たすように含む前記混合物、および前記混合物の含有率が30〜60重量%となるように有機溶剤を湿式粉砕装置に投入し、前記混合物の平均粒径が0.5μm以下、かつ前記混合物の粒度分布に基づく標準偏差が前記混合物の平均粒径の75%以下となるように前記混合物を粉砕しながら混合し、スラリーを作製する粉砕工程と、前記スラリーを噴霧して、粒径が70〜130μmの造粒粉を形成する造粒粉形成工程と、前記造粒粉に所定の圧力を負荷して所定の形状を有する成形体を形成する成形工程と、前記成形体を350〜500℃の第1の温度に加熱し、所定時間前記第1の温度を維持して前記有機溶剤を除去する第1の加熱工程と、前記有機溶剤が除去された成形体を900〜1300℃の第2の温度に加熱し、所定時間前記第2の温度を維持して焼成する第2の加熱工程と、前記焼成された成形体を冷却し、前記成形体の温度が750℃以下における冷却速度を25〜100℃/時で冷却する冷却工程とを具備することを特徴とする電流−電圧非直線抵抗体の製造方法が提供される。
本発明によれば、低抵抗化が図れるとともに、非直線抵抗特性、サージ耐量および課電寿命特性に優れた電流−電圧非直線抵抗体およびその製造方法を提供することができる。
本発明に係る電流−電圧非直線抵抗体10の断面を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る電流−電圧非直線抵抗体10の断面を示す図である。
図1に示すように、本発明に係る電流−電圧非直線抵抗体10は、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成分としてビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)を含んだ混合物の焼結体20を備えている。また、焼結体20を構成するための混合物は、アンチモンをSbに換算して0.2〜0.8mol%、コバルトをCoに換算して0.2〜1.5mol%、マンガンをMnOに換算して0.1〜1mol%、ニッケルをNiOに換算して0.3〜2mol%を含み、かつビスマスを、ビスマスのアンチモンに対するmol%相対比が、それぞれの酸化物に換算して、1.5≦Bi/Sb≦4.5の関係を満たすように含んでいる。
さらに、焼結体20中の酸化亜鉛粒子の平均粒径は、25μm以上であり、かつ焼結体20中の酸化亜鉛粒子の粒度分布に基づく標準偏差は、酸化亜鉛粒子の平均粒径の20%以下である。
また、電流−電圧非直線抵抗体10は、焼結体20の側面を被覆する絶縁層30と、焼結体20の上下面に形成された電極40を備えている。
コバルトの含有量をCoに換算して0.2〜1.5mol%としたのは、Coは、主にスピネル粒子中に固溶して非直線抵抗特性を大きく向上させるために有効な成分であるため、含有量が0.2mol%よりも少ない場合には、この非直線抵抗特性を向上させる効果を十分に得ることができないからである。また、含有量が1.5mol%を超える場合には、焼結体20の内部における絶縁成分が多くなり、エネルギ耐量が悪化するからである。
マンガンの含有量をMnOに換算して0.1〜1mol%としたのは、MnOは、主にスピネル粒子中に固溶して非直線抵抗特性を大きく向上させるために有効な成分であるため、含有量が0.1mol%よりも少ない場合には、この非直線抵抗特性を向上させる効果を十分に得ることができないからである。また、含有量が1mol%を超える場合には、焼結体20の内部における絶縁成分が多くなり、熱安定性が悪化するからである。
ニッケルの含有量をNiOに換算して0.3〜2mol%としたのは、NiOは、主にスピネル粒子中に固溶して非直線抵抗特性を大きく向上させるために有効な成分であるため、含有量が0.3mol%よりも少ない場合には、この非直線抵抗特性を向上させる効果を十分に得ることができないからである。また、含有量が2mol%を超える場合には、焼結体20の内部における絶縁成分が多くなり、エネルギ耐量が悪化するからである。
アンチモンの含有量をSbに換算して0.2〜0.8mol%としたのは、Sbは、酸化亜鉛とスピネル粒子を形成して焼結中の酸化亜鉛粒子の粒成長を抑制し、均一化する働きを有し、非直線抵抗特性を向上させる効果を有する成分であるため、含有量が0.2mol%よりも少ない場合には、この非直線抵抗特性を向上させる効果を十分に得ることができないからである。また、含有量が0.8mol%を超える場合には、焼結体20の内部における絶縁成分が多くなり、高抵抗化され、かつサージ耐量特性が悪化するからである。
ビスマスのアンチモンに対するmol%相対比を、それぞれの酸化物に換算して、1.5≦Bi/Sb≦4.5の関係を満たすようにビスマスを含有することで、焼結体20中の酸化亜鉛粒子の粒成長を促進する効果を有するビスマスを、粒成長を抑制する効果を有するアンチモンより多く含有することができる。そのため、非直線抵抗体の焼結性が向上し、電流−電圧非直線抵抗体10を低抵抗化することができる。このビスマスのアンチモンに対するmol%相対比(Bi/Sb)が1.5より小さい場合には、十分な低抵抗化ができず、4.5を超える場合には、酸化亜鉛粒子の異常な粒成長が生じ、優れた非直線特性およびサージ耐量特性を得ることができない。
なお、混合物における上記した副成分以外の残部は、酸化亜鉛(ZnO)で構成される。
また、電流−電圧非直線抵抗体10を構成する焼結体20中の酸化亜鉛粒子の平均粒径は、25μm以上にすることで、十分に低抵抗化される。なお、酸化亜鉛粒子の平均粒径が大きくなり過ぎると、非直線性が悪化し、かつ製造が困難となる理由から、酸化亜鉛粒子の平均粒径の上限値を40〜50μm程度とすることが好ましい。
また、電流−電圧非直線抵抗体10を構成する焼結体20中の酸化亜鉛粒子の粒度分布に基づく標準偏差を酸化亜鉛粒子の平均粒径の20%以下にすることで、酸化亜鉛の粒子径が均一化されるため、焼結体20中の微細構造が均質化される。そのため、局所的な導電パスの偏りがなくなり、優れた非直線抵抗特性、サージ耐量および課電寿命特性を得ることができる。
ここで、焼結体20中の酸化亜鉛粒子の平均粒径は、焼結体20の内部を切り出し、その切り出した試料を鏡面研摩し、走査型電子顕微鏡(SEM)で反射電子像を観察して求められる。具体的には、複数の試料を切り出し、各試料について、異なる視野で数箇所のSEM写真を、例えば1000倍の倍率で撮り、例えば500〜1000個の酸化亜鉛粒子の粒径を測定することで、焼結体20中の酸化亜鉛粒子の平均粒径を求めることができる。また、標準偏差は、上記したように、測定された平均粒径から得られる焼結体20中の酸化亜鉛粒子の粒度分布に基づいて算出される。なお、例えば、酸化亜鉛粒子、スピネル粒子、酸化ビスマス層、気孔などは、反射電子像における観察写真の色あいにより識別することができる。
また、酸化亜鉛、ビスマス、アンチモン、マンガン、コバルト、ニッケルを含んだ混合物の平均粒径は、0.5μm以下とすることが好ましい。混合物の平均粒径を0.5μm以下にすることで、原料が均一に分散し、焼結体20中の酸化亜鉛粒子の粒成長を抑制する効果を有するスピネル粒子やその他の原料が微細構造全体に均一に分散される。そのため、焼成過程において酸化亜鉛粒子の粒成長が均一に進むために、局所的な通電パスの偏りがなくなり、優れた非直線抵抗特性およびサージ耐量を有する電流−電圧非直線抵抗体10が得られる。一方、混合物の平均粒径が0.5μmを超えると、酸化亜鉛粒子の異常な粒成長による局所的な通電パスの偏りが生じやすくなる。なお、混合物の平均粒径は、小さいほど好ましいが、混合物を粉砕する際の作製上の限界により、混合物の平均粒径の下限値は、0.05μm程度となる。
ここで、混合物の平均粒径は、例えば、湿式のレーザ回折・散乱式の粒度分布測定装置を用いて測定される。また、上記した平均粒径は、メディアン径における平均粒径である。
また、混合物の粒度分布に基づく標準偏差は、混合物の平均粒径の75%以下であることが好ましい。混合物の粒度分布に基づく標準偏差を混合物の平均粒径の75%以下にすることで、原料が均一に分散し、焼成過程における酸化亜鉛粒子の粒成長が均一に進み、焼結体20中の酸化亜鉛粒子の粒径が均一化される。これによって、優れた、非直線抵抗特性およびサージ耐量を有する電流−電圧非直線抵抗体10を得ることができる。一方、混合物の粒度分布に基づく標準偏差が混合物の平均粒径の75%を超えると、焼結体20中の酸化亜鉛粒子の粒径が均一化され難くなり、局所的な通電パスの偏りが生じやすくなる。ここで、標準偏差は、上記した粒度分布測定装置で測定された混合物の粒度分布に基づいて求められる。
焼結体20の側面を被覆する絶縁層30は、例えば、電気絶縁材料であるガラスフリットなどの無機絶縁物などで構成される。この絶縁層30は、焼結体20の側面に、例えば、上記した電気絶縁材料を塗布または吹き付けし、熱処理を施すことで形成される。なお、絶縁層30の厚さは、絶縁性能および機械的強度の観点から、0.05〜0.2mm程度に形成されることが好ましい。
焼結体20の上下面に形成された電極40は、例えば、電気導電性を有する、アルミニウムや銀などの材料で構成される。電極40は、焼結体20の上下面に、例えば、上記した導電性材料を溶射などすることで形成される。なお、電極40の厚さは、焼結体との接着性の観点から、0.05〜0.15mm程度に形成されることが好ましい。
ここで、本発明に係る電流−電圧非直線抵抗体10は、例えば、直径が20〜150mm、厚さが1〜50mmの円柱状の形状を有している。なお、電流−電圧非直線抵抗体10の形状は、これに限られるものではない。
また、本発明に係る電流−電圧非直線抵抗体10においては、1mAの商用周波の電流を通電したときの電圧であるバリスタ電圧(V1mA)が100V/mm以下とすることができる。
次に、本発明に係る電流−電圧非直線抵抗体10の製造方法について説明する。
まず、アンチモンをSbに換算して0.2〜0.8mol%、コバルトをCoに換算して0.2〜1.5mol%、マンガンをMnOに換算して0.1〜1mol%、ニッケルをNiOに換算して0.3〜2mol%を含み、かつビスマスを、ビスマスのアンチモンに対するmol%相対比が、それぞれの酸化物に換算して、1.5≦Bi/Sb≦4.5の関係を満たすように含み、残部が酸化亜鉛(ZnO)となるように秤量し、混合物を作製する。
続いて、作製された混合物、およびこの混合物の含有率が30〜60重量%となるように調整された有機溶剤を湿式粉砕装置に投入する。そして、混合物の平均粒径が0.5μm以下となるように混合物を粉砕しながら混合し、スラリーを作製する。有機溶剤として、例えば、水とポリビニルアルコールなどの有機バインダを混合したものなどが用いられる。
ここで、湿式粉砕装置として、例えば、直径が0.05〜0.3mmのジルコニアビーズを用いた循環方式の装置などが用いられる。また、湿式粉砕装置におけるベッセル内のビーズ充填率を35〜95%とし、攪拌用ロータの周速を500〜1500rpm、循環流量を5〜50L/minの条件で作動させることができる。
続いて、作製されたスラリーを回転円盤方式または加圧ノズル方式により、噴霧して造粒して造粒粉を作製する。ここで、造粒粉の粒径は70〜130μmとすることが好ましい。なお、この際の粒径は、前述したレーザ回折・散乱式の粒度分布測定装置などを用いて測定される。ここで、造粒粉の粒径を70〜130μmとするのが好ましいのは、成形性がよく、緻密な成形体を得ることができるからである。
得られた造粒粉を、例えば油圧式のプレス成形機によって、円柱状に成形し、成形体を作製する。
続いて、この成形体を、第1の温度である、350〜500℃の温度に加熱し、この温度に、例えば、1〜3時間維持して有機溶剤を除去する。
続いて、成形体を、第2の温度である、900〜1300℃の温度に加熱し、この温度に、例えば、2時間以上維持して焼成する。なお、焼成は、例えば、トンネル式の連続炉を使用して、アルミナやムライトなどの耐火物容器に成形体を設置して行われる。また、第1の温度から第2の温度までの加熱速度は、被焼成物内の温度均一性と焼成プロセスリードタイムの観点から、50〜200℃/時であることが好ましい。
第2の温度の維持時間経過後、焼成された成形体を室温となるまで冷却する。この冷却工程において、成形体の温度が750℃以下における冷却速度を25〜100℃/時とすることが好ましい。成形体の温度が750℃以下における冷却速度を25〜100℃/時とすることで、より優れた、非直線特性および課電寿命特性を有する電流−電圧非直線抵抗体10を得ることができる。一方、冷却速度が、25℃/時より遅くなると、非直線特性が低下する傾向にあり、100℃/時より速くなると、課電寿命特性が低下する傾向にある。この冷却工程を経て、焼結体20が得られる。
ここで、上記した冷却工程において室温まで冷却された焼結体20を、第3の温度である、350〜700℃の温度で、10〜40時間加熱することが好ましい。この加熱工程を経ることで、より優れたエネルギ耐量特性を有する電流−電圧非直線抵抗体10を得ることができる。一方、加熱温度が350℃より低くい場合には、エネルギ耐量特性の向上が得られず、加熱温度が700℃を超える場合には、課電寿命特性が悪化する。また、加熱時間が10時間より短い場合には、エネルギ耐量特性の向上が得られず、加熱時間が40時間を超える場合には、課電寿命特性およびエネルギ耐量特性が悪化する。
第3の温度の維持時間経過後、加熱された焼結体を室温となるまで冷却する。この冷却工程における冷却速度は、特に限定されない。
上記加熱工程を経て、室温まで冷却された焼結体20の側面に、前述した無機絶縁物を塗布または吹き付け、300〜500℃の温度で、1〜5時間熱処理して、絶縁層30を形成する。
さらに、焼結体20の上下両端面を研磨し、この研磨面に、前述した導電性材料を、例えば溶射などして、電極40を形成する。
なお、絶縁層30を形成する工程および電極40を形成する工程を行う順番は、特に限定されるものではなく、いずれを先に行ってもよい。
このように、上記した工程を経ることで、電流−電圧非直線抵抗体10が作製される。
上記したように、本発明に係る電流−電圧非直線抵抗体10およびその製造方法によれば、焼結体20中の酸化亜鉛粒子の粒成長を促進する効果を有するビスマスが、粒成長を抑制する効果を有するアンチモンより多く含有されるため、非直線抵抗体の焼結性が向上し、低抵抗化を図ることができる。さらに、本発明に係る電流−電圧非直線抵抗体10およびその製造方法によれば、焼成過程(第2の温度による加熱工程)において、酸化亜鉛粒子の粒成長が均一に進むため、酸化亜鉛粒子の異常な粒成長による局所的な通電パスの偏りがなくなり、優れた、非直線抵抗特性、サージ耐量および課電寿命特性を得ることができる。
次に、本発明に係る電流−電圧非直線抵抗体10が優れた特性を有することを以下に具体的に説明する。
(混合物におけるビスマスおよびアンチモンの組成比の影響)
ここでは、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成分としてビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)を含んだ混合物における、ビスマスのアンチモンに対するmol%相対比が、電流−電圧非直線抵抗体の特性に及ぼす影響について説明する。
表1には、試料1〜試料11の電流−電圧非直線抵抗体における、混合物を構成する各成分を酸化物に換算した含有量(mol%)、ビスマスおよびアンチモンの酸化物のmol%相対比(Bi/Sb)、混合物の平均粒径、バリスタ電圧(V1mA)、非直線性係数(V10kA/V1mA)、課電寿命係数(K)および限界吸収エネルギを示す。なお、表1において、*印は本発明の範囲外である試料を示す比較例である。
Figure 0005337073
まず、主成分として酸化亜鉛(ZnO)を用いた。副成分として、酸化マンガン(MnO)、酸化ニッケル(NiO)をそれぞれ0.5mol%、酸化コバルト(Co)を1mol%、アルミニウムを水酸化アルミニウム(Al)水溶液にし、0.005mol%とし、酸化ビスマス(Bi)と三酸化アンチモン(Sb)を表1に示す試料1〜試料11の値となるように調整した。なお、残部は、酸化亜鉛である。
上記したように調整した混合物、およびこの混合物の含有率が40重量%となるように調整された、水および有機バインダを循環方式の湿式粉砕装置に投入した。また、湿式粉砕装置において、ジルコニアビーズの粒径、ベッセル内のビーズ充填率、攪拌用ロータの周速、循環流量、混合時間を調整して、混合物の平均粒径が、0.4μmとなるように粉砕を行った。この湿式粉砕装置における粉砕および混合処理によって、均一に混合されたスラリーを得た。
ここで、混合物の平均粒径は、湿式粉砕装置から採取された混合物を、湿式のレーザ回折・散乱式の粒度分布測定装置を用いて測定した。また、この平均粒径は、メディアン径における平均粒径である。
続いて、このスラリーをスプレードライヤで、粒径が80μmとなるように噴霧造粒した。得られた造粒粉を、油圧式のプレス成形機によって、直径が100mm、厚さが40mmの円柱状の成形体とした。
続いて、この成形体を500℃の温度に加熱し、この温度に2時間維持して有機溶剤である有機バインダなどを除去した。
次に、成形体を、1150℃の温度に加熱し、この温度に3時間維持して焼成した。なお、焼成は、トンネル式の連続炉を使用して、ムライトの耐火物容器に成形体を設置して行った。また、500℃から1150℃の各焼成温度にするまでの加熱速度を100℃/時とした。
焼成温度の維持時間経過後、焼成された成形体を冷却した。ここで、成形体の温度が750℃以下における冷却速度を100℃/時とした。この冷却工程を経て、焼結体を得た。
続いて、冷却された成形体である焼結体の側面に、ガラスフリットを塗布し、500℃の温度で、2時間熱処理して、絶縁層を形成した。さらに、焼結体の上下両端面を研磨し、この研磨面に、アルミニウムを溶射して電極を形成し、電流−電圧非直線抵抗体を得た。
得られた試料1〜試料11の電流−電圧非直線抵抗体について、バリスタ電圧(V1mA)、非直線抵抗特性、課電寿命特性およびサージ耐量を評価した。
バリスタ電圧(V1mA)は、1mAの商用周波の電流を通電したときの電圧であり、JEC0202−1994に準じて各試料におけるバリスタ電圧(V1mA)を測定した。このバリスタ電圧(V1mA)の値が小さいほど、低抵抗化が図れていることを示す。
非直線抵抗特性の評価では、各試料において、上記したバリスタ電圧(V1mA)と、8×20μsインパルス電流を10kA流したときの電圧(V10kA)とを測定し、これらの比(V10kA/V1mA)を非直線性係数として評価した。この非直線性係数の値が小さいほど、非直線抵抗特性が優れていることを示す。
課電寿命特性の評価では、各試料において、上記したバリスタ電圧(V1mA)を、大気中で、かつ温度が120℃の雰囲気下で3000時間印加し、印加前後における、バリスタ電圧(V1mA)を印加したときの漏れ電流(IR)の変化率を測定した。そして、3000時間印加前における漏れ電流(IR0h)に対する3000時間印加後における漏れ電流(IR3000h)の比((IR3000h)/(IR0h))を課電寿命係数(K)として評価した。この課電寿命係数が1より小さい場合に、電流−電圧非直線抵抗体の課電寿命特性が優れていることを示す。
サージ耐量の評価では、各試料において、限界吸収エネルギ耐量試験を行った。限界吸収エネルギ耐量試験では、各試料に対して、4×10μsの波形の雷インパルスエネルギを500J/ccから放電エネルギ量を20J/ccずつ増加させながら、電気的に破壊するまで10分間隔で印加した。そして、破壊する直前の吸収されたエネルギを限界吸収エネルギ(J/cc)とした。この限界吸収エネルギ(J/cc)が大きいほどサージ耐量に優れていることを示す。
なお、上記した各評価試験では、各電流−電圧非直線抵抗体を10ピース作製し、10ピースについて試験を行い、その平均値を用いて評価を行った。
表1に示すように、本発明に係る電流−電圧非直線抵抗体である試料1〜試料5では、いずれの試料も、バリスタ電圧(V1mA)が100V/mm以下であり、低抵抗化が図れていることがわかった。また、試料1〜試料5は、優れた、非直線抵抗特性および課電寿命特性を有するとともに、試料6〜試料11に比べて、限界吸収エネルギが高く、優れたサージ耐量を有することがわかった。
(焼結体中の酸化亜鉛粒子の平均粒径等の影響)
ここでは、焼結体中の酸化亜鉛粒子の平均粒径および焼結体中の酸化亜鉛粒子の粒度分布に基づく標準偏差が、電流−電圧非直線抵抗体の特性に及ぼす影響について説明する。
表2には、本発明に基づく電流−電圧非直線抵抗体における、酸化亜鉛粒子の粒径条件、バリスタ電圧(V1mA)、非直線性係数(V10kA/V1mA)、課電寿命係数(K)および限界吸収エネルギを示す。ここでは、上記した試料1〜試料11を用いて各評価を行った。
Figure 0005337073
試料1〜試料11の電流−電圧非直線抵抗体について、焼結体中の酸化亜鉛粒子の平均粒径(μ)および焼結体中の酸化亜鉛粒子の粒度分布に基づく標準偏差(σ)を測定した。
ここで、焼結体中の酸化亜鉛粒子の平均粒径は、焼結体の内部を切り出し、その切り出した試料を鏡面研摩し、走査型電子顕微鏡(SEM)で反射電子像を観察して求めた。具体的には、各試料について、3つの試料を切り出し、この切り出した各試料について、異なる視野で5箇所のSEM写真を、1000倍の倍率で撮り、酸化亜鉛粒子の断面内において引ける最も長い辺を粒径として、約500個の酸化亜鉛粒子について測定し、平均粒径を求めた。また、標準偏差は、測定された平均粒径から得られる焼結体中の酸化亜鉛粒子の粒度分布に基づいて算出した。
表2に示すように、本発明に係る電流−電圧非直線抵抗体である試料1〜試料5においては、焼結体中の酸化亜鉛粒子の平均粒径が25μm以上で、かつ焼結体中の酸化亜鉛粒子の粒度分布に基づく標準偏差が酸化亜鉛粒子の平均粒径の20%以下となっていた。また、これらの試料1〜試料5においては、上記したように、低抵抗化が図れ、優れた、非直線抵抗特性および課電寿命特性を有するとともに、試料6〜試料11に比べて、限界吸収エネルギが高く、優れたサージ耐量を有することがわかった。
(混合物の平均粒径の影響)
ここでは、電流−電圧非直線抵抗体の焼結体を構成するための、混合物の平均粒径が、電流−電圧非直線抵抗体の特性に及ぼす影響について説明する。
前述した試料2を作製するために用いた同様の組成成分を有する混合物、およびこの混合物の含有率が40重量%となるように調整された、水および有機バインダを循環方式の湿式粉砕装置に投入し、粉砕および混合を行った。また、湿式粉砕装置において、ジルコニアビーズの粒径、ベッセル内のビーズ充填率、攪拌用ロータの周速、循環流量、混合時間を異ならせることにより、4種類のスラリーを得た。
ここで、4種類のスラリー中の混合物の平均粒径は、それぞれ0.3μm、0.5μm、0.6μm、0.7μmであった。平均粒径は、湿式のレーザ回折・散乱式の粒度分布測定装置を用いて測定した。また、この平均粒径は、メディアン粒径における平均粒径である。
続いて、各スラリーを用いて、前述した試料2を作製する工程と同じ工程を経て、4種類の焼結体を得た。
続いて、前述した試料2を作製する工程と同じ工程を経て、各焼結体の側面に絶縁層を形成し、各焼結体の上下両端面に電極を形成し、4種類の電流−電圧非直線抵抗体を得た。ここで、得られた4種類の電流−電圧非直線抵抗体をそれぞれ試料12〜試料15とする。
次に、試料2、試料12〜試料15について、バリスタ電圧(V1mA)および非直線抵抗特性を評価した。なお、これらの評価における実験条件や実験方法は、試料2について行った実験条件や実験方法と同じとした。なお、上記した各評価試験では、各電流−電圧非直線抵抗体を10ピース作製し、10ピースについて試験を行い、その平均値を用いて評価を行った。
表3は、試料2、試料12〜試料15の混合物の平均粒径、バリスタ電圧(V1mA)、非直線性係数(V10kA/V1mA)および限界吸収エネルギを示す。
Figure 0005337073
表3に示すように、混合物の平均粒径が小さくなるに伴い、非直線係数(V10kA/V1mA)が小さくなることがわかった。また、特に、混合物の平均粒径が0.5μm以下となる条件では、低抵抗化が図られるとともに、非直線性係数(V10kA/V1mA)が小さくなり、優れた非直線抵抗特性を有する電流−電圧非直線抵抗体が得られることがわかった。
(混合物の粒度分布に基づく標準偏差の影響)
ここでは、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成分としてビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)を含んだ混合物の粒度分布に基づく標準偏差が、電流−電圧非直線抵抗体の特性に及ぼす影響について説明する。
上述した試料2を作製するために用いた同様の成分を有する混合物、およびこの混合物の含有率が40重量%となるように調整された、水および有機バインダを循環方式の湿式粉砕装置に投入し、粉砕および混合を行った。また、湿式粉砕装置において、ジルコニアビーズの粒径、ベッセル内のビーズ充填率、攪拌用ロータの周速、循環流量、混合時間を異ならせることにより、混合物の平均粒径が、0.4μmとなるように粉砕を行うとともに、混合物の粒度分布に基づく標準偏差(σ)の混合物の平均粒径(μ)に対する割合(σ/μ)の異なる7種類の均一に混合されたスラリーを得た。
ここで、混合物の平均粒径は、湿式のレーザ回折・散乱式の粒度分布測定装置を用いて測定した。また、この平均粒径は、メディアン粒径における平均粒径である。また、標準偏差は、上記した粒度分布測定装置で測定された混合物の粒度分布に基づいて求めた。
以後の電流−電圧非直線抵抗体を作製する工程は、各スラリーを用いて、前述した試料2を作製する工程と同じ工程を経て、7種類の焼結体を得た。
続いて、前述した試料2を作製する工程と同じ工程を経て、各焼結体の側面に絶縁層を形成し、各焼結体の上下両端面に電極を形成し、7種類の電流−電圧非直線抵抗体を得た。ここで、得られた7種類の電流−電圧非直線抵抗体をそれぞれ試料16〜試料22とする。
得られた試料16〜試料22の電流−電圧非直線抵抗体について、バリスタ電圧(V1mA)および非直線抵抗特性を評価した。なお、バリスタ電圧(V1mA)および非直線抵抗特性の評価における実験条件や実験方法は、前述した試料2について行った実験条件や実験方法と同じとした。なお、上記した各評価試験では、各電流−電圧非直線抵抗体を10ピース作製し、10ピースについて試験を行い、その平均値を用いて評価を行った。
表4には、試料16〜試料22の電流−電圧非直線抵抗体における、混合物の条件(混合物の平均粒径(μ)、標準偏差(σ)および(σ/μ))、バリスタ電圧(V1mA)および非直線性係数(V10kA/V1mA)を示す。
Figure 0005337073
表4に示すように、混合物の粒度分布に基づく標準偏差(σ)の混合物の平均粒径(μ)に対する割合(σ/μ)が小さくなるに伴い、非直線性係数(V10kA/V1mA)が小さくなることがわかった。特に、(σ/μ)が75%以下となる試料では、低抵抗化が図られるとともに、非直線性係数(V10kA/V1mA)が小さくなり、優れた非直線抵抗特性を有する電流−電圧非直線抵抗体が得られることがわかった。これは、混合物の粒度分布に基づく標準偏差(σ)の混合物の平均粒径(μ)に対する割合(σ/μ)を75%以下とすることで、原料が均一に分散し、焼結体中の酸化亜鉛粒子の粒径が均一化されたために得られた結果であると考えられる。
(焼成後の冷却工程における冷却速度の影響)
ここでは、冷却工程において、成形体の温度が750℃以下における冷却速度が、電流−電圧非直線抵抗体の特性に及ぼす影響について説明する。
上述した試料2を作製した同様の方法で、直径が100mm、厚さが40mmの円柱状の成形体を作製した。
続いて、この成形体を500℃の温度に加熱し、この温度に2時間維持して有機溶剤である有機バインダなどを除去した。
次に、成形体を、1150℃の温度に加熱し、この温度に3時間維持して焼成した。焼成温度の維持時間経過後、焼成された成形体を冷却する過程において、成形体の温度が750℃以下における冷却速度を、10℃/時、25℃/時、50℃/時、100℃/時、120℃/時、200℃/時とし、6種類の焼結体を作製した。なお、冷却速度を100℃/時としたものが、前述した試料2に相当する。
続いて、前述した試料2を作製する工程と同じ工程を経て、各焼結体の側面に絶縁層を形成し、各焼結体の上下両端面に電極を形成し、6種類の電流−電圧非直線抵抗体を得た。ここで、得られた6種類の電流−電圧非直線抵抗体のうち、試料2以外の試料をそれぞれ試料23〜試料27とする。
次に、試料2、試料23〜試料27について、非直線抵抗特性および課電寿命特性の評価試験を行った。なお、非直線抵抗特性および課電寿命特性の評価における実験条件や実験方法は、上述した試料2について行った実験条件や実験方法と同じとした。なお、上記した各評価試験では、各電流−電圧非直線抵抗体を10ピース作製し、10ピースについて試験を行い、その平均値を用いて評価を行った。
表5には、試料2、試料23〜試料27の電流−電圧非直線抵抗体における、焼成された成形体を冷却する過程での成形体の温度が750℃以下における冷却速度、混合物の非直線性係数(V10kA/V1mA)および課電寿命係数(K)を示す。
Figure 0005337073
表5に示すように、750℃以下における冷却速度を速くすると、非直線性係数(V10kA/V1mA)が小さくなる傾向にあるが、課電寿命係数が増加することがわかった。特に、750℃以下における冷却速度が、25〜100℃/時の範囲で、優れた、非直線抵抗特性および課電寿命特性が得られることがわかった。
(冷却工程後の熱処理の影響)
ここでは、焼成された成形体を冷却工程で冷却して形成された焼結体の加熱処理が、電流−電圧非直線抵抗体の特性に及ぼす影響について説明する。
上述した試料2を作製した同様の方法で、直径が100mm、厚さが40mmの円柱状の成形体を作製した。
続いて、この成形体を500℃の温度に加熱し、この温度に2時間維持して有機溶剤である有機バインダなどを除去した。
次に、成形体を、1150℃の温度に加熱し、この温度に3時間維持して焼成した。焼成温度の維持時間経過後、焼成された成形体を冷却する過程において、成形体の温度が750℃以下における冷却速度を100℃/時で室温まで冷却した。
続いて、冷却された焼結体を10の加熱条件(加熱温度(第3の温度)、加熱時間)において加熱した。
各加熱条件で加熱された焼結体を室温まで冷却した。そして、前述した試料2を作製する工程と同じ工程を経て、各焼結体の側面に絶縁層を形成し、各焼結体の上下両端面に電極を形成し、10種類の電流−電圧非直線抵抗体を得た。ここで、得られた10種類の電流−電圧非直線抵抗体をそれぞれ試料28〜試料37とする。
表6には、試料2および試料28〜試料37の電流−電圧非直線抵抗体における、加熱条件、混合物の課電寿命係数(K)および限界吸収エネルギを示す。なお、試料2は、上述したとおり、焼成後の熱処理は行われていない。
Figure 0005337073
表6に示すように、加熱時間を一定の25時間とした場合、加熱温度が350〜700℃の間で、優れた課電寿命特性を維持しつつ、優れたサージ耐量特性が得られることがわかった。また、加熱温度を一定の550℃とした場合、加熱時間が10〜40時間の間で、優れた課電寿命特性を維持しつつ、優れたサージ耐量特性が得られることがわかった。
以上、本発明を一実施の形態により具体的に説明したが、本発明はこれらの実施の形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
10…電流−電圧非直線抵抗体、20…焼結体、30…絶縁層、40…電極。

Claims (4)

  1. 酸化亜鉛を主成分とし、副成分として、ビスマス、アンチモン、マンガン、コバルト、ニッケルを含んだ混合物の焼結体を備える電流−電圧非直線抵抗体において、
    前記混合物が、アンチモンをSbに換算して0.2〜0.8mol%、コバルトをCoに換算して0.2〜1.5mol%、マンガンをMnOに換算して0.1〜1mol%、ニッケルをNiOに換算して0.3〜2mol%を含み、かつビスマスを、ビスマスのアンチモンに対するmol%相対比が、それぞれの酸化物に換算して、1.5≦Bi/Sb≦4.5の関係を満たすように含み、
    前記焼結体中の酸化亜鉛粒子の平均粒径が25μm以上であり、かつ前記焼結体中の酸化亜鉛粒子の粒度分布に基づく標準偏差が前記酸化亜鉛粒子の平均粒径の20%以下であり、
    前記混合物の平均粒径が0.5μm以下であり、
    前記混合物の粒度分布に基づく標準偏差が前記混合物の平均粒径の75%以下であることを特徴とする電流−電圧非直線抵抗体。
  2. 1mAの商用周波の電流を通電したときの電圧であるバリスタ電圧(V 1mA )が100V/mm以下であることを特徴とする請求項1記載の電流−電圧非直線抵抗体。
  3. 酸化亜鉛を主成分とし、副成分として、ビスマス、アンチモン、マンガン、コバルト、ニッケルを含んだ混合物の焼結体を備える電流−電圧非直線抵抗体の製造方法において、
    アンチモンをSb に換算して0.2〜0.8mol%、コバルトをCo に換算して0.2〜1.5mol%、マンガンをMnOに換算して0.1〜1mol%、ニッケルをNiOに換算して0.3〜2mol%を含み、かつビスマスを、ビスマスのアンチモンに対するmol%相対比が、それぞれの酸化物に換算して、1.5≦Bi /Sb ≦4.5の関係を満たすように含む前記混合物、および前記混合物の含有率が30〜60重量%となるように有機溶剤を湿式粉砕装置に投入し、前記混合物の平均粒径が0.5μm以下、かつ前記混合物の粒度分布に基づく標準偏差が前記混合物の平均粒径の75%以下となるように前記混合物を粉砕しながら混合し、スラリーを作製する粉砕工程と、
    前記スラリーを噴霧して、粒径が70〜130μmの造粒粉を形成する造粒粉形成工程と、
    前記造粒粉に所定の圧力を負荷して所定の形状を有する成形体を形成する成形工程と、
    前記成形体を350〜500℃の第1の温度に加熱し、所定時間前記第1の温度を維持して前記有機溶剤を除去する第1の加熱工程と、
    前記有機溶剤が除去された成形体を900〜1300℃の第2の温度に加熱し、所定時間前記第2の温度を維持して焼成する第2の加熱工程と、
    前記焼成された成形体を冷却し、前記成形体の温度が750℃以下における冷却速度を25〜100℃/時で冷却する冷却工程と
    を具備することを特徴とする電流−電圧非直線抵抗体の製造方法。
  4. 前記焼成された成形体を前記冷却工程で冷却して形成された焼結体を350〜700℃の第3の温度に加熱し、10〜40時間の間、前記第3の温度を維持して加熱する第3の加熱工程をさらに具備することを特徴とする請求項3記載の電流−電圧非直線抵抗体の製造方法。
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