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JP5339381B2 - 光学読取方法 - Google Patents
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Description

本発明は、情報記録媒体あるいは管理対象物に印刷されたバーコード又はQRコード等の情報パターンを読み取る光学読取方法に関する。
近年、各種物品、各種プリペイドカードあるいは通行カード等の管理にバーコードあるいはQRコード等の情報パターンを印刷し、光学読取装置を用いて読み取ることによって、管理や認証チェックが行われている。これらの情報パターンに、偽造防止手段を施し、それを光学読取システムにより読み取り、情報パターンが偽造されたものであるか否かを判別するセキュリティシステムが種々提案されている。
例えば、蛍光体を含有した非可視インクによりバーコード等の非可視の情報パターンを印刷し、該情報パターンに半導体レーザを照射して蛍光体を励起させ、蛍光体から発する蛍光を受光して非可視の情報パターンから情報を光学読取装置で読み取るセキュリティシステムが実施されている。この場合、情報パターンは読み取り時以外には非可視で存在を気づかれることがない。読み取りの際には、情報パターンの蛍光体は半導体レーザダイオードの発光スペクトルの波長に対し、発光スペクトルの波長が長波長側に遷移する。半導体レーザダイオードの発光スペクトルは波長の幅が狭いので、半導体レーザダイオードの発光スペクトルと蛍光体の発光スペクトルの波長のピークが離れ、蛍光体の発光スペクトルのみを読み取ることができる。このため、特殊な光学フィルタを受光素子の前に使用すると、レーザにより蛍光体マーク(情報パターン)を照射しながら、受光素子で蛍光のみを受光し蛍光体マークの情報を読み取ることができる。このセキュリティシステムでは、蛍光体マークが偽造され難いこと及び蛍光体マークを読み取る技術が偽造され難いことから、セキュリティを持たせることができる。
しかし、上記セキュリティシステムでは、光源として半導体レーザダイオードを使用しているので、光学読取装置の光源の駆動回路が複雑かつ大型になり、コストが高いという欠点を有している。
そこで、小型でかつ低価格の光学読取装置を必要とする場合、光源として半導体レーザダイオードより部品価格が安価で駆動回路規模の小さい通常の発光ダイオードの使用が検討される。
しかしながら、レーザに替えて発光ダイオードより発光する励起光のスペクトルで蛍光体マーク(情報パターン)を照射しながら、受光素子で蛍光を受光し蛍光体マークの情報を読み取る場合、レーザとは異なって発光ダイオードより発光する励起光のスペクトルの幅が広いため、蛍光体の発光スペクトルと一部重なってしまう。そのため、光学フィルタで両方の光を分離することが困難となり、光学読取装置に誤判定が生じるおそれがある。
このような発光スペクトルの重複を避けるためには、使用する蛍光体ならびに発光ダイオードの種類を選ばなければならないが、このため光源の選択範囲が制限されてしまうという欠点を有している。
そこで、小型化が可能で、コストの安価な光学読取システムが提案されている(特許文献1)。この光学読取システムは、非可視インクで印刷された印刷層を光学的に読み取るものであり、蛍光体がネオジウムを賦活元素として添加した無機酸化物からなる。蛍光体を励起する発光素子の発光中心波長と印刷層からの蛍光を受光する受光素子の受光可能な波長領域とが重なってしまうことを解消し、誤判定が生じるおそれを無くしている。
なお、特許文献2には、金属粒子を含む光データ担体において、照射の吸収の結果としての熱膨張に起因したデータ担体の体積の増加が、吸収する光の長い波長へのシフトの原因となることが開示されている。
特開平6−274677号公報 特開2008−512807号公報
しかしながら、本発明者が、特許文献1の蛍光体非可視インクを用いた印刷層(情報パターン)の情報を光学的に読み取り、テストしたところ、読み取り不能が生じることが多かった。これは、特許文献1の技術では、非可視インクを用いた情報の読取時に、励起光から発光の波長領域が離れかつ光の強い発光を得ることができないためと思料された。
そこで、本発明者は、特許文献1と同様に発光ダイオードの光を励起光として採用でき小型化が可能でコストの安価な光学読取システムとすることができ、さらに特許文献1とは別の方法により励起光で励起される印刷層(情報パターン)からの発光を受光でき励起光の受光を回避できる、印刷層及び光学読取方法について、鋭意に探索した。
さらに、本発明者は、特許文献2の熱膨張による波長の長波長側へのシフトに着目し、読取時における励起光の受光の回避に利用することで、一段階高いセキュリティを得るための思索を積み重ねた。
本発明は、上記事情にかんがみ案出されたもので、その目的とするところは、情報記録媒体あるいは管理対象物にバーコードやQRコード等の非可視の情報パターンを印刷し、情報パターンを肉眼認識できない取り扱いを補償すると共に、情報パターンの存在に気付いても情報パターンの情報を解読できる光学読取装置の悪意の開発が極めて困難であり、高いセキュリティシステムを実現でき、あるいは高い品質保証を与える非可視のトレイサビリティを実現できる光学読取方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の光学読取方法は、情報記録媒体あるいは管理対象物にコア/シェル型の半導体量子ドットを含有する非可視インクにより非可視の情報パターンが印刷され、該情報パターンに前記半導体量子ドットのバンドギャップよりもエネルギーが高い励起光線を照射すると共に前記半導体量子ドットを熱膨張又は熱収縮させ、かつ該熱膨張又は熱収縮した該半導体量子ドットから、長波長側に遷移する波長又は短波長側に遷移する波長を有する発光を行わせ、該遷移した波長の中の長波長側部分又は短波長側部分に感度を有する光センサで前記発光を受光し前記情報パターンを読み取ること、を特徴とする。
この構成によれば、情報記録媒体(あるいは管理対象物)に非可視の情報パターンを印刷し、読み取り時にコア/シェル型の半導体量子ドットを熱膨張又は熱収縮させて励起し、そのときに発光する長波長または短波長側に遷移する波長の光を受光し情報の解読を行う。このため、読み取り時以外には非可視の情報パターンの存在を気付かれることない。読み取り時には、コア/シェル型の半導体量子ドットが強い発光を行い、熱膨張又は熱収縮によってその発光の波長が遷移し、その波長を解読可能な光学読取装置を用いることで、情報が解読される。
必要に応じ、前記半導体量子ドットに熱線もしくは高熱又は冷熱を与えることにより前記半導体量子ドットを熱膨張又は熱収縮させることが有効である。
コア/シェル型の半導体量子ドットは、(1)CdSe/ZnSであるか、(2)ZnSeナノ粒子にTeを加えたものをコアとし、ZnSナノ粒子をシェルとしているものであるか、(3)Mnイオンを含んだZnSナノ粒子をコアとしているものであるか、(4)ZnSナノ粒子をコアとしているものであるか、(5)Zn−In−Ag−S系半導体ナノ粒子をコアとしているものであるか、(6)シリコンナノ粒子をコアとしているものであることが好ましい。
上記構成によれば、情報記録媒体あるいは管理対象物に非可視の情報パターンを印刷し、読み取りの際には発光波長領域が遷移しかつ光の強い発光を実現させることができるので、情報パターンを肉眼認識できない取り扱いを補償すると共に、遷移した波長を解読できる光学読取装置によって情報パターンの確実な情報解読を行うことができる。通常の安価なシリコン系フォトダイオード等の受光素子を用いて感度良く検出できることに加え、リーダーの模倣が難しいので、高いセキュリティあるいは品質保証を与えるシステムを実現できる光学読取方法を実現でき、クレジットカード、キャッシュカード、テレホンカード、IDカード、学生証、スタンプカード、ポイントカード等の偽造、変造、改ざんを防止できるとともに、システムの小型化、省スペース化が可能であり、あるいは非可視のトレイサビリティを実現できる。
図1は第1の実施形態の光学読取方法を説明するための概念図である。 図2は室温の半導体量子ドットを励起して発光する光の波長と強さの関係を示すグラフである。 図3は半導体量子ドットを熱膨張させて励起して発光する光の波長と強さの関係を示すグラフである。 図4は第2の実施形態の光学読取方法に係り、半導体量子ドットを熱収縮させて励起して発光する光の波長と強さの関係を示すグラフである。
10 情報記録カード
11 情報記録媒体
12 情報パターン
13 発光ダイオード
14 光センサ
15 情報判定部
以下、本発明の光学読取方法の実施形態について図面を参照して説明する。
〔第1の実施形態〕
はじめに、光学読取方法を実施するための構成を説明する。図1は、この実施形態の光学読取方法を説明するための概念図である。図1において、情報記録カード10は、情報記録媒体(あるいは管理対象物でもよい)11と、該情報記録媒体11に印刷された非可視のバーコード、あるいはQRコード等の情報パターン12とからなる。
情報記録媒体11は、例えばカード本体であり、酸化チタン等の白色顔料を分散、保持した塩化ビニール系シート等から構成され、赤外線、可視光線、及び紫外線を反射する性質を有している。情報記録媒体11は、例えばキャッシュカード、各種プリペイドカード、テレホンカード、通行カード、健康保険証等が適用される。
情報パターン12は、情報記録媒体あるいは管理対象物にコア/シェル型の半導体量子ドットを含有する非可視インクにより非可視の情報パターンが印刷されている。
ここで非可視とは、眼で見ることがほぼできないことを指し、眼で見ることが不可能な不可視のものを含む。非可視のインクや情報パターン12としては、略透明であるもの、可視光を反射しにくいもの、情報パターン12を形成する部分の地色、例えば該情報記録媒体11と略同一の色であるものなどがある。
コア/シェル型とは、内側の材質のコアを、外側の材質のシェル(殻)で覆った型をいい、量子ドットとは半導体などのナノメートルサイズの微細な粒子である。この実施形態ではCdSe/ZnSeのコア/シェル型の半導体量子ドットを用いている。CdSe/ZnSのコア/シェル型の半導体量子ドットを用いると、トルエン等で良好に分散できて凝集が起こらず、非可視インクとしての使用が良好で、情報パターンを良好に印刷できる。
情報パターン12は、この半導体量子ドットを分散保持する透明なバインダとを含有する非可視インクによりセキュリティ情報が非可視の情報パターン12として印刷され、隠蔽膜(不図示)で隠蔽され、脱落不能とされる。
この実施形態の光学読取方法は、励起光H1を発光する安価な電子部品である発光ダイオード13と、励起により発光する光線H2を受光する安価な電子部品である光センサ14と、情報判定部15とを有する光学読取装置(符号なし)とを用いる。発光ダイオード13は、セキュリティ情報に励起光H1を照射するように設けられ、光センサ14は、情報パターン12に含まれるコア/シェル型の半導体量子ドットが励起されて発光する光線H2を受光するように設けられる。情報パターン12から情報を読み取るためには、発光ダイオード13及び光センサ14の位置関係が固定されたまま、情報パターン12を有する情報記録カード10が発光ダイオード13及び光センサ14に対して相対的かつ直線的に走査移動される必要があり、この走査移動は、光学読取装置に具備された機械機構によるものであっても、手動操作によるものであっても、どちらでも良い。
発光ダイオード13は、情報パターン12に含まれるコア/シェル型の半導体量子ドットのバンドギャップよりもエネルギーが高い励起光H1を発光するものである。励起光H1は、照射により情報パターン12に含まれるコア/シェル型の半導体量子ドットを励起させると共に、情報パターン12を加熱して半導体量子ドットの熱膨張も起こさせるものである。このため、発光ダイオード13の励起光H1を必要に応じて集光レンズを介して集光し情報パターン12に照射するように構成される。また、発光ダイオード13については、高出力のものを選択し、あるいは複数使用して照射し、あるいは、赤外線を発光する発光ダイオードと紫外線を発光する発光ダイオードとを併用するものとする。
光センサ14は、例えばフォトダイオードを用いることができる。この光センサ14は、コア/シェル型の半導体量子ドットを含む情報パターン12が熱膨張した状態で長波長側にシフトして発光する光の長波長側部分の波長に感度を有している必要がある。
具体的には、図2に示すように、CdSe/ZnSeのコア/シェル型の半導体量子ドットは、熱膨張しない状態で励起されると、粒径が異なる毎に波長が異なる複数の可視光線を発光する。それに対して、図3に示すように、熱膨張した状態で励起されると、長波長側に大きく遷移した粒径が異なる毎に波長が異なる複数の可視光線を発光する。したがって、図3において、図2に示す波長領域から長波長側に外れた範囲Yで示す波長領域に感度を有する光センサ14を用いるものとする。なお、コア/シェル型の半導体量子ドットのコア粒子が単一の粒子径からなる場合にも、同じ関係になるものとする。
ここでは、情報パターン12が加熱される前の温度及び加熱された後の温度が情報パターン12に向けた放射温度センサで測定でき、かつ加熱される前の温度(例えば15℃〜30℃)から加熱された後の温度(例えば60℃〜85℃)までの時間を計測できるようになっていて、光センサ14は、温度上昇にかかる時間を経過の時点で光センサ14が発光する光の長波長側部分の波長を受光し得るものとする。
情報判定部15は、光センサ14が受光した電気信号(矩形信号)を増幅し情報パターン12のコード情報を光学的に読み取るように構成される。
この実施形態の光学読取方法では、情報パターン12を有する情報記録媒体11が所定位置に載置され又は送り込まれると、発光ダイオード13が発光し、情報パターン12に対して、半導体量子ドットのバンドギャップよりもエネルギーが高い励起光H1を照射する。励起光H1は半導体量子ドットを励起させると共に、情報パターン12を加熱し半導体量子ドットを熱膨張させる。熱膨張した半導体量子ドットは、熱膨張しない場合の該半導体量子ドットから発光する波長(図2)に比べると、図3に示す長波長側に遷移する波長を有する発光を行う。CdSe/ZnSeのコア/シェル型の半導体量子ドットは特に得られる発光が強い。この発光は、長波長側部分Yに感度を有する光センサ14で受光する。情報判定部15は受光した信号をパターン化し、情報パターン12を読み取り得るか否か、さらに情報パターン12がデータベースに記録されているデータと照合して一致しているか否かにより、情報パターン12の真贋を判定する。
この実施形態によれば、情報パターン12を通常の安価な発光ダイオード13の発光によって励起することができ、かつ半導体量子ドットから強い光の発光を実現させることができる(量子サイズ効果)から、通常の安価なシリコン系フォトダイオード等の受光素子で感度良く検出できる。
情報記録媒体あるいは管理対象物にバーコードやQRコード等の非可視の情報パターンを印刷し、該情報パターンが肉眼認識されない取扱いを補償する一方で、万一IT技術に熟知した悪意を有する者・組織が、仮に情報記録媒体の表面の印刷膜の微小な盛り上がりから情報パターンの存在に気付いたとしても、インクの模倣製造が難しく、さらに情報パターンの発光源がコア/シェル型の半導体量子ドットであるものと分析し、それに基づいて該半導体量子ドットの通常励起によって発光する光を受光して情報解読を行える光学読取装置を開発しても、該光学読取装置によっては情報パターンの情報解読が行えない。
光学読取装置について、長波長領域に遷移した発光に感度を有する光センサを用いて情報解読を行う構成なので、光学読取装置の模倣製作が難しく、高いセキュリティを有する光学読取方法を実現できる。
情報パターンの発光源であるコア/シェル型の半導体量子ドットを熱膨張が伴うように励起し、そのときに長波長側に遷移して発光する光の中の長波長側部分に感度を有する光センサで該発光を受光して情報解読を行う構成であるから、特殊な光学読取装置を用いることで、はじめて情報解読ができるものであり、一段と高いセキュリティあるいは品質保証を与えるシステムを実現できる。
なお、この実施形態の変更態様として、前記半導体量子ドットを熱膨張させるための加熱手段が設けられていてもよい。例えば、加熱手段として情報記録カード10の下部、情報パターン12が印刷されている裏側に情報記録カードに高熱を与え、情報パターン12の半導体量子ドットを熱膨張させるための電気ヒータが設けられていてもよい。また、加熱手段として情報パターン12に対して熱線(赤外線など)を照射する手段が設けられていてもよい。
〔第2の実施形態〕
この実施形態は、半導体量子ドットを熱収縮させ、かつ該熱収縮した該半導体量子ドットから、短波長側に遷移する波長を有する発光を行わせ、該遷移した波長の中の短波長側部分に感度を有する光センサで前記発光を受光し前記情報パターンを読み取る構成である。なお、第1の実施形態と重複する部分については同符号を付して説明を省略する。
この実施形態では、前記半導体量子ドットに冷熱を与えることにより半導体量子ドットを熱収縮させる冷却手段(不図示)が設けられている。ここでは、冷却手段は情報パターン12に対して0℃〜−10℃の空気を吹き掛けて、情報パターン12を0℃前後まで冷却し、情報パターン12の半導体量子ドットを熱収縮させるものである。なお、情報パターン12や情報記録カード11を破損しない範囲でさらに低温の空気や低温のガスを吹き付ける手段を設けてもよい。光センサは、図2に示す波長領域から短波長側に外れた範囲である図4に示すYaで示す波長領域に感度を有するものを用いるものとする。
この実施形態では、情報パターン12を有する情報記録媒体10が所定位置に載置され又は送り込まれると、冷却手段が情報パターン12を冷却し、半導体量子ドットを熱収縮させる。そして、発光ダイオード13が発光し、情報パターン12に対して半導体量子ドットのバンドギャップよりもエネルギーが高い励起光H1を照射する。熱収縮した半導体量子ドットは、熱収縮しない場合の該半導体量子ドットから発光する波長(図2)に比べ、図4に示す短波長側に遷移する波長を有する発光を行う。この発光は、長波長側部分Yaに感度を有する光センサで受光する。情報判定部15は受光した信号をパターン化し、情報パターン12を読み取り得るか否か、さらに情報パターン12がデータベースに記録されているデータと照合して一致しているか否かにより、情報パターン12の真贋を判定する。
この実施形態によれば、情報パターン12の発光源であるコア/シェル型の半導体量子ドットを熱収縮が伴うように励起し、そのときに短波長側に遷移して発光する光の中の短波長側部分に感度を有する光センサで該発光を受光して情報解読を行う構成であるから、特殊な光学読取装置を用いることで、はじめて情報解読ができるものであり、一段と高いセキュリティあるいは品質保証を与えるシステムを実現できる。
〔その他の実施形態〕
本発明は、上記の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々、設計変更した形態を技術的範囲に含むものである。上記の実施形態では、CdSe/ZnSeのコア/シェル型の半導体量子ドットを用いたが、以下のようなコア/シェル型の半導体量子ドットを用いた非可視インクによりセキュリティ情報が印刷されても良い。
半導体量子ドットは、ZnSeナノ粒子をコアに用いても良く、ZnSナノ粒子をコアに用いても良い。例えば、
(1)ZnSeナノ粒子にTeを加えたものをコアとし、ZnSナノ粒子をシェルとする、コア/シェル型の半導体量子ドットを用いても良い。
(2)コア/シェル型の半導体量子ドットが、Mnイオンを含んだZnSナノ粒子をコアとする、コア/シェル型の半導体量子ドットを用いても良い。
(3)Zn2+,In3+,Agを含むチオール錯体を熱分解することにより、In3+,AgがドープされたZnSナノ粒子(Zn(1−2x)InAgS)であるコア/シェル型の半導体量子ドットを用いても良い。
(4)コアがMnイオンを含んだZnSナノ粒子であるコア/シェル型の半導体量子ドットを用いても良い。
(5)また、Zn−In−Ag−S系半導体ナノ粒子をコアとするコア/シェル型の半導体量子ドットを用いても良い。
(6)エルビウムの熱膨張率は、20℃において、7.6×10−6/℃であり、これは、20℃において、2.5×10−6/℃であるシリコンの熱膨張率の約3倍に当たる。このため、エルビウムを採用することは、膨張による波長のシフトを実現する上で最も好ましい。この場合、シリコンナノ粒子との組み合わせのコア/シェル型の半導体量子ドットとするのが好ましい。
これには、シリコンナノ粒子をコアとしエルビウムナノ粒子をシェルとするものと、エルビウムをコアとしシリコンナノ粒子をシェルとするものの2通りが含まれる。
シリコンナノ粒子をコアとしエルビウムナノ粒子をシェルとする場合には、シリコンナノ粒子は、1.9nm〜4.3nmとし、エルビウムナノ粒子は、1.9nm〜4.3nmとするのが好ましい。
なお、シリコンナノ粒子をコアとしエルビウムナノ粒子をシェルとした半導体量子ドットについては、該半導体量子ドットを水中に分散して22℃〜90℃の範囲で水温を温めてから、波長325nmの励起光を照射すると、半導体量子ドットから波長720〜740nmの発光が得られることが確認されている。
また、エルビウムナノ粒子をコアとし、シリコンナノ粒子をシェルとする場合には、エルビウムナノ粒子は、1.9nm〜4.3nmとし、シリコンナノ粒子は、1.9nm〜4.3nmとするのが好ましい。
なお、エルビウムナノ粒子をコアとし、シリコンナノ粒子をシェルとした半導体量子ドットについては、該半導体量子ドットを水中に分散して22℃〜90℃の範囲で水温を温めてから、波長325nmの励起光を照射すると、半導体量子ドットから波長720〜740nmの強い発光が得られることが確認されている。
また、表面に酸素をドーピングさせたシリコンナノ粒子、あるいは内部が酸化している酸化シリコンナノ粒子をコア又はシェルに用い、エルビウムをシェル又はコアに用いたコア/シェル型の半導体量子ドットとすると、一層強い光を放射するので好ましい。
さらに、シリコンナノ粒子をコアとするコア/シェル型の半導体量子ドットは、複数の炭化水素基がシリコンナノ粒子内のそれぞれのSi原子と結合し、Si原子の表面が炭化水素基で覆われたものを用いてもよい。この半導体量子ドットは、発光波長及び発光効率の低下を防止され、紫外線励起により可視光を発光することができる。またMgSiとSiCl(四塩化珪素)との反応条件により粒径を調整することができるので好ましい。
本発明は、各種カードの真贋判定に利用できる他に、製品アイテムを追跡するトレイサビリティの非可視情報の読み取りに利用できる。なお、本発明は、半導体レーザダイオードを励起光の光源とすることを排除するものではない。また、非可視の情報パターンの印刷の上に又は一側近傍に並べて、通常の可視インクでバーコードやQRコード等の可視の情報パターンを印刷し、光学読取装置が非可視の情報パターンを光学読取するだけでなく、可視の情報パターンを光学読取する場合も、本発明に含まれる。
本発明はカードや証明書の偽造、変造、改ざんを防止できるとともに、システムの小型化、省スペース化が可能であり、あるいは非可視のトレイサビリティを実現でき、情報保持の必要とされる分野に広く貢献できるものである。

Claims (10)

  1. 情報記録媒体あるいは管理対象物にコア/シェル型の半導体量子ドットを含有する非可視インクにより非可視の情報パターンが印刷され、該情報パターンに前記半導体量子ドットのバンドギャップよりもエネルギーが高い励起光線を照射すると共に前記半導体量子ドットを熱膨張又は熱収縮させ、かつ該熱膨張又は熱収縮した該半導体量子ドットから、長波長側に遷移する波長又は短波長側に遷移する波長を有する発光を行わせ、該遷移した波長の中の長波長側部分又は短波長側部分に感度を有する光センサで前記発光を受光し前記情報パターンを読み取ること、を特徴とする光学読取方法。
  2. 前記半導体量子ドットに熱線もしくは高熱又は冷熱を与えることにより前記半導体量子ドットを熱膨張又は熱収縮させることを特徴とする請求項1に記載の光学読取方法。
  3. 前記コア/シェル型の半導体量子ドットが、CdSe/ZnSであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学読取方法。
  4. 前記コア/シェル型の半導体量子ドットが、ZnSeナノ粒子にTeを加えたものをコアとし、ZnSナノ粒子をシェルとすることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学読取方法。
  5. 前記コア/シェル型の半導体量子ドットが、Mnイオンを含んだZnSナノ粒子をコアとすることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学読取方法。
  6. 前記コア/シェル型の半導体量子ドットが、ZnSナノ粒子をコアとすることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学読取方法。
  7. 前記コア/シェル型の半導体量子ドットが、Zn−In−Ag−S系半導体ナノ粒子をコアとすることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学読取方法。
  8. 前記コア/シェル型の半導体量子ドットが、シリコンナノ粒子をコアとすることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学読取方法。
  9. 前記コア/シェル型の半導体量子ドットが、エルビウムをシェルとすることを特徴とする請求項8に記載の光学読取方法。
  10. 前記コア/シェル型の半導体量子ドットが、エルビウムをコアとし、シリコンナノ粒子をシェルとすることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学読取方法。
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