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JP5346463B2 - 封止用エポキシ樹脂組成物を用いた半導体装置 - Google Patents
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本発明は、封止用エポキシ樹脂組成物を用いた半導体装置、特にLQFP(Lowprofile Quad Flat Package)型の半導体装置に関するものである。
従来、半導体チップなどの電子部品の封止材としてセラミックや熱硬化性樹脂組成物が一般に用いられている。中でも、エポキシ樹脂組成物は経済性と性能のバランスの点で優れた封止材であり、たとえば、近年の電子機器の小型化、薄型化にともない主流になりつつある表面実装型パッケージの封止材としてエポキシ樹脂組成物が広く用いられている(特許文献1、2参照)。
表面実装型パッケージにおける半導体チップの樹脂封止は、金属のリードフレーム上に半導体チップを搭載し、半導体チップとリードフレームをボンディングワイヤなどを用いて電気的に接続し、成形金型を用いて半導体チップ全体とリードフレームの一部をエポキシ樹脂組成物などの封止材で封止することにより行われるのが一般的である。
また、半導体チップを封止することにより製造された半導体装置には、その識別をするためにマーキングが施されるのが通常であるが、この際のマーキング方法としては、インク捺印やレーザー加工が一般に適用されている。しかし近年では、大量生産に適しており低コストでもあるレーザーマーキングが主流になっている。
封止用エポキシ樹脂組成物の着色剤としてはカーボンブラックが汎用されているが、カーボンブラックはレーザーマーキング性、すなわちレーザーマーキングによる発色が良好であることが知られている。
特開2004−156052号公報 特開平9−40756号公報
しかしながら、近年では半導体装置の小型化や多ピン化が進み、これに伴いリード間、パッド間、ワイヤー間などのピッチ間距離が小さくなってきている。そして、このようなピッチ間距離が小さいファインピッチの半導体装置、特にLQFP型の半導体装置に用いる封止用エポキシ樹脂組成物において、カーボンブラックなどの導電性物質を着色剤として使用すると、半導体装置にリーク不良が発生するようになった。
このリーク不良を防止するために、着色剤として非導電性カーボンなどの非導電性物質を用いることが検討されているが、非導電性カーボンを用いた場合、レーザーマーキング性や耐湿信頼性が低下するという問題点があった。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、鮮明なレーザーマーキングが可能であり、リード間、パッド間、ワイヤー間などのピッチ間距離が小さいLQFP型の半導体装置であっても電気特性が低下することがなく、しかも耐湿信頼性に優れた封止用エポキシ樹脂組成物を用いたLQFP型の半導体装置を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明のLQFP(Lowprofile Quad Flat Package)型の半導体装置は、エポキシ樹脂としてo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂、無機充填材として溶融シリカを含有し、カーボンブラックおよび非導電性カーボンブラックを含有せず、かつ、着色剤として有機アジン系染料を含有する封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体チップが封止されていることを特徴とする。
本発明によれば、着色剤として有機アジン系染料を使用した封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体チップが封止されているので、鮮明なレーザーマーキングが可能である。さらに、カーボンブラックおよび非導電性カーボンブラックを配合しないようにしたので、リード間、パッド間、ワイヤー間などのピッチ間距離が小さいLQFP型の半導体装置であっても電気特性が良好であり、しかも耐湿信頼性に優れている。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限なく使用することができる。このようなエポキシ樹脂の具体例としては、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ブロム含有エポキシ樹脂、ナフタレン環を有するエポキシ樹脂などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において、硬化剤としては、フェノール性水酸基を有する硬化剤が好ましく用いられる。フェノール性水酸基を有する硬化剤としては、多価フェノール化合物、多価ナフトール化合物などが挙げられる。多価フェノール化合物の具体例としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂などが挙げられる。多価ナフトール化合物の具体例としては、ナフトールアラルキル樹脂などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フェノール性水酸基を有する硬化剤の配合量は、好ましくは、フェノール性水酸基とエポキシ基との当量比(OH当量/エポキシ当量)が0.5〜1.5となる量であり、より好ましくは当量比が0.8〜1.2となる量である。当量比が当該範囲外であると、封止用エポキシ樹脂組成物の硬化特性が低下し、あるいは成形後の耐湿性が低下する場合がある。
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物には、硬化促進剤を配合することができる。このような硬化促進剤の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスフィン等の有機ホスフィン類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン等の第三級アミン類などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤の配合量は、エポキシ樹脂と硬化剤の合計量に対して0.1〜5質量%が好ましい。硬化促進剤の配合量が過少であると、硬化促進作用が不十分となる場合があり、硬化促進剤の配合量が過剰であると、硬化特性が低下する場合がある。
本発明において、無機充填材としては、特に制限なく適宜のものを用いることができるが、その具体例としては、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
無機充填材の配合量は、封止用エポキシ樹脂組成物の全量に対して好ましくは60〜93質量%である。無機充填材の配合量が過少であると、熱伝導性、熱膨張率などの特性が低下する場合がある。一方、無機充填材の配合量が過剰であると、成形時の流動性と金型充填性が低下する場合がある。
本発明では、着色剤として有機アジン系染料を使用する。ここでアジンとは、6原子複素環内において異原子が2個以上であり、かつ、その内の1個は窒素原子であるものの総称である。本発明で用いられる有機アジン系染料は、アジン環を1個または2個以上有する化合物である。このような有機アジン系染料として、市販されているものを使用することができる。
有機アジン系染料の配合量は、封止用エポキシ樹脂組成物全量に対して好ましくは5質量%以下、より好ましくは0.2〜5質量%である。当該配合量が過少であるとレーザーマーキング時の発色性が悪くなる。一方、当該配合量が過剰であると硬化性が低下し、成形性に悪影響を与える場合がある。
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内において、上記以外の成分を配合することができる。このような成分の具体例としては、ステアリン酸、モンタン酸、モンタン酸エステル、リン酸エステル等の離型剤、メルカプトシラン、グリシドキシシラン、アミノシラン等のシランカップリング剤、三酸化アンチモン等の難燃剤、シリコーン可とう剤などが挙げられる。
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、上記のエポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材、有機アジン系染料、および必要に応じて他の成分を配合してミキサー、ブレンダーなどを用いて十分均一に混合し、次いで熱ロールやニーダーなどを用いて加熱状態にて溶融混合し、室温に冷却した後、粉砕することにより製造することができる。なお、本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、取り扱いを容易にするために、成形条件に合うような寸法と質量を有するタブレットとしてもよい。
本発明の半導体装置は、上記のようにして得られた封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体チップを封止することにより製造することができる。この封止には、トランスファー成形、コンプレッション成形、インジェクション成形などの従来より用いられている成形方法を適用することができる。
トランスファー成形を適用する場合、たとえば、ICチップ、LSIチップなどの半導体チップを搭載したリードフレームを成形金型のキャビティに配置した後、キャビティに封止用エポキシ樹脂組成物を充填し、これを加熱下にて硬化させることで、半導体チップを封止用エポキシ樹脂組成物で封止した半導体装置を製造することができる。
トランスファー成形を適用する場合、たとえば、金型温度170〜180℃、成形時間30〜120秒に設定することができるが、金型温度、成形時間およびその他の成形条件は、封止用エポキシ樹脂組成物の配合組成などに応じて適宜に変更すればよい。
本発明の半導体装置の具体例としては、リードフレーム上に半導体チップを固定し、ボンディングパッドなどの半導体チップの端子部と、リードフレームのリード部とをワイヤボンディングやバンプで接続した後、本発明の封止用エポキシ樹脂組成物を用いてトランスファー成形などにより封止してなる、DIP(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J-lead package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)、LQFP(Lowprofile Quad Flat Package)などが挙げられる。
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、カーボンブラックおよび非導電性カーボンブラックを含有していないので、リード間、パッド間、ワイヤー間などのピッチ間距離が小さいものであっても電気特性が低下することがなく、また、着色剤として有機アジン系染料を使用しているので、耐湿信頼性にも優れている。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、表1に示す配合量は質量部を表す。
表1に示す各配合成分を、表1に示す割合で配合し、ブレンダーで30分間混合して均一化した後、90℃に加熱したニーダーで混練溶融させて押し出し、冷却後、粉砕機で所定粒度に粉砕して粒状の封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
得られた実施例1〜3、および比較例1〜3の封止用エポキシ樹脂組成物について、次の評価を行った。
[レーザーマーキング性]
封止用エポキシ樹脂組成物を用いて温度175℃にて成形して得られたDIP−16ピン成形品をレーザーマーキングし、印字性を目視にて確認した。マーキングには、COレーザー(波長10.6μm、レーザー出力 15W)、およびYAGレーザー(波長 1.06μm、レーザー出力 10W)を使用した。
[耐湿信頼性]
3μmのアルミ配線TEG(Test Element Group:試験用半導体チップ)を用い、封止用エポキシ樹脂組成物により封止成形したDIP−16ピン成形品について、130℃、85RH%、30Vの条件下にて、TEGのアルミ配線に不良が発生するまでの経過時間により耐湿信頼性を評価した。
[電気特性]
封止用エポキシ樹脂組成物により封止成形したLQFP−208pin(28mm×28mm)におけるリーク電流の有無を確認した。
評価結果を表1に示す。
Figure 0005346463
表1より、着色剤として有機アジン系染料を配合し、かつ、カーボンブラックおよび非導電性カーボンブラックを配合しなかった実施例1〜3では、COレーザーおよびYAGレーザーのいずれを用いた場合にもレーザーマーキング性が良好であり、さらに耐湿信頼性も有していた。また、リーク電流の発生もみられなかった。
一方、着色剤としてカーボンブラックを配合した比較例1では、LQFPにリーク電流が発生した。
また、着色剤として非導電性カーボンブラックを配合した比較例2では、レーザーマーキング性が悪く、さらに耐湿信頼性が大幅に低下した。
また、有機アジン系染料を配合したが、非導電性カーボンブラックを共に配合した比較例3では、COレーザーマーキング性が悪く、さらに耐湿信頼性が低下した。

Claims (1)

  1. エポキシ樹脂としてo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂、無機充填材として溶融シリカを含有し、カーボンブラックおよび非導電性カーボンブラックを含有せず、かつ、着色剤として有機アジン系染料を含有する封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体チップが封止されていることを特徴とするLQFP(Lowprofile Quad Flat Package)型の半導体装置。
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