JP5346541B2 - ワイピングテープおよびワイピング方法 - Google Patents
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Description
ものである。
本発明者の検討によると、磁気ディスク表面の汚染物質の中に糸くずが含まれており、この糸くずが、ワイピング工程で使用されるワイピングテープ由来の糸であることが明らかになった。すなわち、磁気ディスク表面の汚染物質をワイピング工程によって除去するに際し、ワイピングテープから糸くずが脱落して磁気ディスク表面に付着し、磁気ディスク表面を汚染させていることが明らかになった。
(1)本発明のワイピングテープは、ディスク表面の汚れを拭き取るワイピングテープであって、ナイロンの不織布からなる支持体と、該支持体の表面を被覆するコーティング層とを有し、前記コーティング層は、支持体としてナイロンの不織布の拭き面側となる表面に、アクリル樹脂を塗布し、乾燥することによって形成したコーティング層であり、前記不織布を構成する布の糸径が0.1〜3μmの範囲内であり、前記コーティング層の厚さが0.5μm〜10μmの範囲内であることを特徴とする。
(2)本発明のワイピングテープにおいて、前記固体の層の上に、パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物を含む液体潤滑層が形成されてなることを特徴とする。
(3)本発明のワイピングテープは、実質的に研磨力を有さないことを特徴とする。
(4)本発明のワイピングテープは、前記ディスクが、非磁性基板の主面に下地層と中間層と磁性層と保護層と潤滑層が成膜された磁気ディスクであり、前記磁気ディスクの表面側に前記コーティング層側あるいは前記液体潤滑層側を押し当てた状態で前記磁気ディスクの回転とともに前記磁気ディスクの表面を拭き取るワイピングに用いられることを特徴とする。
また、本発明のワイピング方法によれば、ワイピングテープを構成する不織布の支持体からの糸くずの脱落を、拭き面側の表面に形成された厚さ0.5μm〜10μmのコーティング層でもって抑えることができ、脱落した糸くずによるディスク表面の汚染を抑えつつ、ディスクの表面を清浄化することができる。
(ワイピングテープ)
まず、本発明のワイピングテープの実施形態について説明する。
図1は、本発明のワイピングテープの実施形態を示す縦断面図である。
本発明のワイピングテープ1は、磁気ディスク10の表面に対して相対走行させつつ、その拭き面S(コーティング層の表面)を磁気ディスク10の表面に押し当てることにより、磁気ディスク10の表面に存在する汚染物質を除去し、表面を清浄化するものである。
図1に示すように、このワイピングテープ1は、支持体2と、該支持体2上に設けられたコーティング層3を有している。
支持体2を構成する糸2aとしては、特に限定されず、例えば、ナイロン(ポリアミド系樹脂)、ポリエステル、又はポリプロピレンよりなる極細繊維等が使用される。
これらの極細繊維は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用しても構わない。
支持体の糸径Lがこのような範囲とされていることにより、ワイピングテープ1は優れた払拭効果を発揮することができる。
コーティング層3は、樹脂を主成分とし、厚さが0.5μm〜10μmの固体の層である。そして、コーティング層3は、支持体2の表面に、該表面に露出する糸2a表面を被覆するように設けられており、その表面に、糸2aの形状や糸の折り目によって形成された凹凸を反映した凹凸が形成されている。このワイピングテープ1は、このように表面に形成された凹凸により、磁気ディスク10の表面に存在する汚染物質を払拭し、除去する。なお、以下の説明では、このコーティング層3の表面、もしくは、コーティング層3の表面に後述する液体潤滑剤層を設けた場合にはその表面を、「拭き面S」と称する場合がある。
コーティング層3がこのような厚さで設けられていることにより、磁気ディスク10のワイピング工程を行った際に、支持体2からの糸くずの飛散を確実に防止することが可能となる。その結果、磁気ディスク10の表面に、磁気ヘッドの浮上走行の障害となる汚染物質(糸くず)が付着するのを確実に防止することが可能となる。
なお、樹脂またはその前駆体は、溶媒に溶解して樹脂液材とし、これを支持体2上に塗布するようにしてもよい。これにより、塗布に供される樹脂塗料を、好適な粘度に調整することができる。
図2は、本発明のワイピング方法で用いられるワイピング装置の一例を示す模式図、図3は、本発明のワイピング方法によってワイピングされる磁気ディスクの一例を示す縦断面図である。
本発明のワイピング方法では、磁気ディスク10の表面に、ワイピングテープ1の拭き面S(コーティング層の表面(液体潤滑剤層を設けた場合にはその表面))を押し当てて拭くことによって、磁気ディスク10表面の汚れを除去する。
図3に示す磁気ディスク10は、非磁性基板11の両方の主面に、下地層12、中間層13、磁性層14、保護層15が順次積層され、最上層に潤滑剤層16が設けられて概略構成されている。
さらに、非磁性基板11は、アルミ材料またはガラス材料等からなる基体と、この基体表面にNiP、NiP合金、又は他の合金から選ばれる1種以上からなる膜を、メッキ、スパッタ法等の方法により蒸着させて形成した表面層とから構成されたものであっても良い。
また、下地層12を多層構造の非磁性下地層とする場合には、非磁性下地層を構成する層の内、少なくとも1層を上記Cr合金又はCrで構成することができる。
また、非磁性下地層は、NiAl系合金、RuAl系合金、又はCr合金(Ti,Mo,Al,Ta,W,Ni,B,Si及びVの群から選ばれる1種もしくは2種以上とCrとからなる合金)で構成することもできる。
また、非磁性下地層を多層構造とする場合には、非磁性下地層を構成する各層の内、少なくとも1層をNiAl系合金、RuAl系合金、又は上記Cr合金で構成することができる。
なお、本実施形態の磁気ディスクでは、さらに、磁性層を2種以上の層よりなる積層構造としてもよい。
次に、本発明のワイピング方法に用いられるワイピング装置の一例について、図2を参照しながら説明する。
プ1a、1bと、ワイピングテープ走行系22と、ワイピングテープ押圧手段23とを有している。
磁気ディスク回転駆動機構21は、図示しないスピンドルモータによって回転駆動され
るスピンドル24と、スピンドル24の中心に取り付けられた磁気ディスク保持機構25
とを有している。磁気ディスク保持機構25には、磁気ディスク10の中心が装着され、
磁気ディスク10が保持される。磁気ディスク保持機構25に磁気ディスク10が保持さ
れた状態で、スピンドル24が回転駆動されると、磁気ディスク10がスピンドル24の
回転方向および回転数に応じて回転操作される。
クの走査方向が、後述する第1のガイドロール26と第2のガイドロール27との間を走
行する第1のワイピングテープ1aの走行方向(図2中矢印Ra方向)、および、第5のガイドロール30と第6のガイドロール31との間を走行する第2のワイピングテープ1bの走行方向(図2中矢印Rb方向)と逆方向となるような回転方向(図2中矢印r方向)で、磁気ディスク10を回転操作するように構成されている。
このワイピング装置20は、その拭き面Sが、磁気ディスク10の一方の主面10aと対向するように走行する第1のワイピングテープ1aと、その拭き面Sが、磁気ディスク10の他方の主面10bと対向するように走行する第2のワイピングテープ1bとを有している。
第5のガイドロール30〜第8のガイドロール33は、それぞれ、磁気ディスク10を挟んで、第1のガイドロール26〜第4のガイドロール29と左右対称となるように配設されている。
そのような第1のワイピングテープ押圧手段23aおよび第2のワイピングテープ押圧手段23bとしては、例えば、樹脂や織布等よりなるパッドや、ゴムローラ等の押圧部材を有し、これら押圧部材をワイピングテープの裏面に当接させ、ワイピングテープ1a、1bを磁気ディスク10側に押圧するように構成されたもの等が挙げられる。
まず、第1のワイピングテープ走行系22aおよび第2のワイピングテープ走行系22bに、それぞれ、第1のワイピングテープ1aおよび第2のワイピングテープ1bを掛け渡す。
また、磁気ディスク10を、磁気ディスク保持機構25に装着し、保持させる。
なお、図2(a)に示すように、このワイピング装置20では、初期状態では、第1のワイピングテープ押圧手段23aおよび第2のワイピングテープ押圧手段23bの各パッド36、37が、ワイピングテープ1a、1bから離れた位置(待機状態)となっている。
また、第5のガイドロール30と第6のガイドロール31との間を走行する第2のワイピングテープ1bは、その拭き面Sが、磁気ディスク10の他方の主面10bと対向し、磁気ディスク10のトラックの走査方向と逆方向に走行する。
次に、本発明のワイピング方法によって払拭処理された磁気ディスクが適用される磁気記録再生装置の一例について説明する。
図4は、この磁気記録再生装置の一例を示す概略構成図である。
この磁気記録再生装置80は、本発明のワイピング方法によって払拭処理された磁気ディスク10と、磁気ディスク10を回転駆動する媒体駆動部81と、磁気ディスク10に情報を記録するとともに記録された情報を再生する磁気ヘッド82と、磁気ヘッド27を磁気記録媒体30に対して相対移動させるヘッド駆動部83と、記録再生信号処理系84とを備えている。記録再生信号処理系84は、入力されたデータを処理し、得られた記録信号を磁気ヘッド82に送出するとともに、磁気ヘッド82からの再生信号を処理し、得られたデータを出力するように構成されている。
「磁気ディスクの製造」
洗浄済みのガラス基板(HOYA社製、外形2.5インチ)を、DCマグネトロンスパッタ装置(アネルバ社製 商品名C−3010)の成膜チャンバ内に収容して、到達真空度1×10−5Paとなるまで成膜チャンバ内を排気した。
そして、このガラス基板上に、DCスパッタリング法を用いて、軟磁性層としてFeCoB、中間層としてRu、磁性層として70Co−5Cr−15Pt−10SiO2合金の順に薄膜を積層した。それぞれの層の膜厚は、FeCoB軟磁性層は600Å、Ru中間層は100Å、磁性層は150Åとした。
次いで、ディッピング法により、パーフルオロポリエーテルからなる潤滑剤層を形成した。
以上の工程により、ガラス基板上に各層が成膜された磁気ディスクを得た。
(実施例1)
支持体としてナイロン100%の不織布(単繊維径(糸径):2μm、目付量:90g/m2)を用意した。そして、この不織布の拭き面側となる表面に、アクリル系樹脂を約2μmの厚さで塗布し、乾燥することによってコーティング層を形成した。
以上の工程により、ワイピングテープを得た。
コーティング層の表面に、パーフルオロポリエーテルを約0.01μmの厚さで塗布することによって液体潤滑層を形成した以外は、前記実施例1と同様にしてワイピングテープを得た。
支持体の表面に、コーティング層を形成しない以外は前記実施例1と同様にしてワイピングテープを得た。
以上のようにして製造された各ワイピングテープを、図2に示すワイピング装置にセットし、前述のようにして製造された磁気ディスク1000枚について、ワイピング処理を行った。ここで、磁気ディスクの回転数は300rpm、ワイピングテープの送り速度は10mm/秒、ワイピングテープを磁気ディスクに押し当てる際の押圧力は98mN、処理時間は5秒間とした。
そして、ワイピング処理が行われた各磁気ディスクについて、テスター(表面試験装置)を用いて汚染状況を評価した。汚染状況は、糸くず(約0.5μm程度以上の大きさもの)の残留が観察されたディスクの枚数をカウントすることによって評価した。その結果を以下の表1に示す。表1において固体層厚の単位はμm、糸くずの付着数は1枚あたりの数で示す。
Claims (5)
- ディスク表面の汚れを拭き取るワイピングテープであって、
ナイロンの不織布からなる支持体と、
該支持体の表面を被覆するコーティング層とを有し、
前記コーティング層は、前記支持体としてナイロンの不織布の拭き面側となる表面に、アクリル樹脂を塗布し、乾燥することによって形成したコーティング層であり、前記コーティング層の厚さが0.5μm〜10μmの範囲内であることを特徴とするワイピングテープ。 - 前記コーティング層の上に、パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物を含む液体潤滑層が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載のワイピングテープ。
- 前記ワイピングテープは、実質的に研磨力を有さないことを特徴とする請求項1または2に記載のワイピングテープ。
- 前記ディスクが、非磁性基板の主面に下地層と中間層と磁性層と保護層と潤滑層が成膜された磁気ディスクであり、前記不織布を構成する布の糸径が0.1〜3μmの範囲内であり、前記磁気ディスクの表面側に前記コーティング層側あるいは前記液体潤滑層側を押し当てた状態で前記磁気ディスクの回転とともに前記磁気ディスクの表面を拭き取るワイピングに用いられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のワイピングテープ。
- 回転しているディスクの表面にワイピングテープの表面を押し当てた状態で、前記ワイピングテープを前記ディスクの表面に対して相対走行させることにより、前記ディスク表面の汚れを拭き取るディスクのワイピング方法であって、
前記ワイピングテープとして、前記請求項1〜4の何れか1項に記載のワイピングテープを用いることを特徴とするワイピング方法。
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