以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置としての複写機の一例を示す概略構成図である。図1において、符号100は複写機本体、符号200はそれを載せる給紙テーブル、符号300は複写機本体100上に取り付けるスキャナ、符号400は更にその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。この複写機は、タンデム型で中間転写(間接転写)方式を採用する電子写真複写機である。
複写機本体100には、その中央に、像担持体としての中間転写体であるベルトからなる中間転写ベルト10が設けられている。この中間転写ベルト10は、3つの支持回転体としての支持ローラ14,15,16に掛け渡されており、図中時計回り方向に回転移動する。これらの3つの支持ローラのうちの第2支持ローラ15の図中左側には、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去する中間転写ベルトクリーニング装置17が設けられている。
また、3つの支持ローラのうちの第1支持ローラ14と第2支持ローラ15との間に張り渡したベルト部分には、そのベルト移動方向に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成部18が並べて配置されたタンデム型画像形成部20が対向配置されている。本実施形態においては、第2支持ローラ15を駆動ローラとしている。また、タンデム型画像形成部20の上方には、潜像形成手段としての露光装置21が設けられている。
一方、中間転写ベルト10を挟んでタンデム型画像形成部20の反対側には、第2の転写手段としての2次転写装置22が設けられている。この2次転写装置22においては、2つのローラ23間に記録材搬送部材としてのベルトである2次転写ベルト24が掛け渡されている。この2次転写ベルト24は、中間転写ベルト10を介して第3支持ローラ16に押し当てられるように設けられている。この2次転写装置22により、中間転写ベルト10上の画像を記録材であるシートに転写する。
また、この2次転写装置22の図中左方には、シート上に転写された画像を定着する定着装置25が設けられている。この定着装置25は、定着ベルト26に加圧ローラ27が押し当てられた構成となっている。上述した2次転写装置22には、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備わっている。
もちろん、2次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置しても良く、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて持たせることが難しくなる。また、本実施形態では、このような2次転写装置22及び定着装置25の下に、上述したタンデム型画像形成部20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28も設けられている。
前記複写機を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。又は、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
その後、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動する。他方、コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動する。次いで、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。
そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光を更に反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
この原稿読取りに並行して、図示しない駆動源である駆動モータで駆動ローラ15を回転駆動させる。これにより、中間転写ベルト10が図中時計回り方向に移動するとともに、この移動に伴って残り2つの支持ローラ(従動ローラ)14,16が連れ回り回転する。
また、これと同時に、個々の画像形成部18において潜像担持体としての感光体ドラム40Y,40M,40C,40Kを回転させ、各感光体ドラム上に、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の色別情報を用いてそれぞれ露光現像し、単色のトナー画像(顕像)を形成する。
そして、各感光体ドラム40Y,40M,40C,40K上のトナー画像を中間転写ベルト10上に互いに重なり合うように順次転写して、中間転写ベルト10上に合成カラー画像を形成する。
このような画像形成に並行して、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
又は、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と2次転写装置22との間にシートを送り込み、2次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を転写する。
画像転写後のシートは、2次転写ベルト24で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。又は、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
なお、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルトクリーニング装置17で、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム型画像形成部20による再度の画像形成に備える。ここで、レジストローラ49は一般的には接地されて使用されることが多いが、シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
この複写機を用いて、黒のモノクロコピーをとることもできる。その場合には、図示しない手段により、中間転写ベルト10を感光体ドラム40Y,40M,40Cから離れるようにする。これらの感光体ドラム40Y,40M,40Cは、一時的に駆動を止めておく。黒用の感光体ドラム40Kのみが中間転写ベルト10に接触させ、画像の形成と転写を行う。
次に、本発明の特徴部分である、中間転写ベルト10の駆動制御について説明する。
本実施形態の複写機では、中間転写ベルト10を一定速度で移動させる必要がある。しかし、実際には、ベルトの厚みにより、そのベルト移動速度に変動が生じる。中間転写ベルト10のベルト移動速度が変動すると、実際のベルト移動位置が目標とするベルト移動位置からずれてしまい、感光体ドラム40Y,40M,40C上の各トナー画像の先端位置が中間転写ベルト10上でずれて色ずれが発生する。
また、ベルト移動速度が相対的に速いときに中間転写ベルト10上に転写されたトナー画像部分は本来の形状よりもベルト周方向に引き延ばされた形状となり、逆に、ベルト移動速度が相対的に遅いときに中間転写ベルト10上に転写されたトナー画像部分は本来の形状よりもベルト周方向に縮小された形状となる。この場合、最終的にシート上に形成された画像には、そのベルト周方向に対応する方向に周期的な画像濃度の変化(バンディング)が表れる。
そこで、本発明では、中間転写ベルト10を高い精度で一定速度に維持するようにした。以下、中間転写ベルト10を高い精度で一定速度に維持する構成及び動作について説明する。なお、以下の説明は、中間転写ベルト10に限られるものではなく、広く駆動制御がなされるベルトについて同様である。
図2に中間転写ベルト10の主要部品の構成図を示す。転写駆動ローラ15の軸15aは転写駆動モータMの回転軸Maのギアに噛合する減速ギアNa,Nbを介して駆動ギアNと接続され、転写駆動モータMを回転駆動することにより転写駆動モータMの駆動速度に比例して回転する。転写駆動ローラ15が回転することによって中間転写ベルト10が駆動され、中間転写ベルト10が駆動されることによって従動ローラ14が回転する。本実施形態では従動ローラ14の軸14a上に図示しないエンコーダが配置され、従動ローラ14の回転速度をエンコーダで検出することによって転写駆動モータMの速度制御を行っている。
また、本実施形態では、転写駆動ローラ15の目標回転速度を予め設定し、当該目標回転速度に対し実際のエンコーダの回転検出速度が同一となる様にPLL制御(速度制御)を行っている。なお、PLL制御するにあたり、検出速度変動に対する制御の追従性を向上させるために、制御ゲインをかけて制御を行っている。
前記の制御を行うことにより、中間転写ベルト10の速度変動を最小限とすることが可能となり、色ずれの発生を抑制している。
ただし、エンコーダを用いたPLL制御では、前述したように制御ゲインをかけて転写駆動モータMの駆動速度を制御するため、ベルト厚みによって検出誤差が発生すると、誤差を増幅して転写駆動モータMを駆動してしまうという現象が発生する。すなわち、ベルト厚み量の変動によって転写ベルトの速度変動が発生し、色ずれが発生する。
この色ずれ発生の現象の詳細を、従来例においても触れたが、図4を用いて説明する。
転写駆動モータMを一定速度で駆動したときに、中間転写ベルト10が理想的に速度変動なく搬送されていても、中間転写ベルト10の厚い部分が従動軸14に巻き付いていると、中間転写ベルト10の従動実効半径が増加して、一定時間あたりの従動軸14の回転角変位量は低下する。これは、ベルト搬送速度低下として検出される。また、中間転写ベルト10の薄い部分が巻き付いていると、従動軸14の回転角変位量は増加して、ベルト搬送速度の増加として検出される。
以下の説明では、分かり易くするため、駆動ローラの角速度を変動させて、ベルト速度を一定とした場合について図5を用いて説明する。
図5のAは、駆動ローラ15を一定の回転角速度で回転させた場合のベルト搬送速度を示したグラフである。Cは駆動ローラ15を一定の回転角速度で回転させた場合の従動ローラ14の回転角速度である。B’はベルトを一定の搬送速度で回転させたときの従動ローラ14の回転角速度である。Ejは、図4に示す従動ローラ14におけるベルトの実効厚み変動である。Edは、動ローラ15におけるベルトの実効厚み変動である。
図5から分かるように、駆動ローラ15を一定の回転角速度で回転した場合の従動ローラ14の回転角速度であるCは、ベルトを一定の搬送速度で回転したときの従動ローラ14の回転角速度変動B’と、駆動ローラ15を一定の回転角速度で回転した場合のベルト搬送速度であるAとを重畳したものである。
また、ベルト速度が一定と仮定した場合、駆動ローラ14における回転角速度は、図5に示す波形Aとπだけ位相τがずれた波形となる。このときの従動ローラにおける回転角速度は、図5に示す波形B’となる。駆動ローラにおける回転角速度(波形Aとπずれた波形)と従動ローラにおける回転角速度(波形B’)との差分は、図5のCの波形(駆動ローラ15を一定回転させたときの従動ローラ14の回転角速度)となる。
前記説明では、分かり易くするために、ベルト速度が一定と仮定した場合について説明したが、上述のように駆動ローラ15における回転角速度から従動ローラ14における回転角速度を差し引けば、図5のCの波形(駆動ローラ15を一定回転させたときの従動ローラ14の回転角速度)が得られる。
つまり、駆動ローラ軸の回転角速度が変動していても、従動ローラ軸の回転角速度から駆動ローラ軸の回転角速度を差し引くことによって、駆動ローラ軸を一定に回転させたときと同様にベルト厚み変動に起因した変動成分を得ることができる。
前記のように従動ローラ軸14aの回転角速度及び駆動ローラ軸15aの回転角速度(角変位)の変動を計測したデータから、ベルト厚み変動による従動ローラ14の回転角速度(角変位)変動を算出する。そして、この算出データから、ベルトが一定搬送速度となる従動ローラ14の制御目標値を設定し、この目標値と従動ローラ側ロータリエンコーダの出力値と比較して駆動制御する。
これはμm単位の実際の転写ベルト10の厚みを計測してそれを制御パラメータとするのではなく、ベルト厚みの影響で発生するrad単位のエンコーダの検出角変位誤差を制御パラメータとするものである。
前記のように駆動ローラ15とエンコーダの出力結果から制御パラメータを生成するので、実機でも制御パラメータを生成することが可能であり、ベルトの厚みを計測するための計測装置が必要なく非常に安価で構成することが可能となる。
なお、実際のエンコーダの出力結果には、ベルト厚みによる検出角変位誤差だけではなく、駆動ローラ及びその他の構成要素の変動及び回転偏芯成分が重畳して出力される。そのため、その中から従動ローラ14の影響成分のみを抽出する処理が行われ、抽出した結果を検出角変位誤差の制御パラメータとしている。
図3に従動ローラ14とエンコーダの詳細図を示す。エンコーダ501(図6参照)はディスク401、発光素子402、受光素子403、圧入ブッシュ404,405から構成されている。ディスク401は従動ローラ14と接する右下ローラ66の軸上に圧入ブッシュ404,405を圧入することで固定され、従動ローラ14の回転と同時に回転するようになっている。また、ディスク401には円周方向に数百単位の分解能で光を透過するスリットを有していて、その両側に発光素子402と受光素子403を配置し、従動ローラ14の回転量に応じてパルス状のON/OFF信号を得ている。このパルス状のON/OFF信号を用いて従動ローラ14の移動角(以下、角変位と称す)を検出することにより、転写駆動モータMの駆動量を制御している。
図6は、本実施形態に係る複写機の駆動制御装置のブロック図である。
図6において、転写駆動モータMの角変位信号とエンコーダ501の検出角変位信号は、制御コントローラ部502に入力される。なお、本実施形態では転写駆動モータとしてDCブラシレスモータを使用しており、転写駆動モータMの角変位信号は、モータのロータの回転速度を検出しているFG信号を用いているが、FG信号に限らずモータ軸上に取り付けられたエンコーダなどを使用しても良い。
この制御コントローラ部502は、駆動モータMの角変位信号(Motor FG Pulse)とエンコーダ501の検出角変位信号のパルス数(Encoder Pulse)をカウントするパルスカウント部503、各々のパルスカウント値の差を算出する減算部505、高周波ノイズを除去するためのローパスフィルタ506、ローパスフィルタ後の減算結果をダウンサンプリングして更にベルト1周分のダウンサンプリング結果を1次格納するデータ間引きメモリ508、ベルト1周分のダウンサンプリング結果からベルト厚み変動成分を抽出する位相・振幅演算部510、算出された位相及び振幅値から補正値を算出してテーブル展開する補正テーブル演算部513、及び補正テーブルから補正値を読み出してモータに与えるパルス信号を生成するパルス生成部516から主に構成されている。
パルスカウント部503は、駆動モータMの角変位信号とエンコーダ501の検出角変位信号のパルス数をカウントする処理を行っている。パルスのカウントはハードウェア的にパルスのエッジを検出し、エッジの入力回数を計測するものである。このときモータFGとエンコーダの分解能が異なるため、乗算部504で分解能を合わせるための定数を乗算する。
その後、各々のカウント結果から減算部505で差分値を算出する。本実施形態では内部に4msタイマ517を有しており、4msタイマ517のタイミングで各パルスカウンタ値を参照している。差分した結果は、4ms周期でローパスフィルタ部506のメモリに格納される。なお、差分値を算出するタイミングは本実施形態では4msとしているが、高速サンプリングが可能であれば、量子誤差が少なくなるため、これに限ったものではない。差分値を算出するタイミングはモータFG及びエンコーダの分解能とベルト回転速度から決定されるパルスの発生周期と、内部メモリの確保可能な容量で決定される。
各々の出力には、ローラ回転周期変動、駆動ギア周期変動、ベルト厚み変動によるベルト周期変動成分が含まれているため、ローパスフィルタ部506では、4ms毎にサンプリングした差分値から移動平均処理によりベルト厚み以外の周期変動成分を除去する。本実施形態ではベルト周期成分に比較的近い駆動ローラの周期変動成分を除去するために、駆動ローラ2周分の差分値を格納可能なメモリを用意して移動平均処理を行っている。これは後述する位相値及び振幅値を算出する際に、ベルトの周期変動に近い変動成分が重畳していると演算誤差が発生するからで、この誤差を排除するために、事前に駆動ローラの周期変動成分を除去する処理を行う。
移動平均処理後のデータは、同期タイマ519で40ms毎に間引いて、ベルト1周分のデータをデータ間引きメモリ508に1次格納する。なお、データの間引き周期に関して、移動平均処理では量子化誤差を少なくするため4msでの比較的早い周期でのサンプリングを行ったが、位相及び振幅値演算ではベルト1周の位相値及び振幅値の算出を行う用途のため、他の変動成分が重畳していないデータであればそれほど多くのデータ数は必要ない。そのため本実施形態では移動平均処理したデータを更に40ms周期で間引いてデータ間引きメモリ508に保持する処理を行っている。
また、次処理の位相・振幅処理510では、位相値を算出するために転写ベルト10の基準となる位置管理が必要となる。そのため転写ベルト10上に基準マークを取り付け、センサで基準位置を検出しながらデータをサンプリングすることによって基準位置の管理が可能となるが、本実施形態では4msタイマでパルスカウント値を参照して、差分値の演算を開始したタイミングを仮想の基準位置とし、以降は4msのカウント量でベルトの周回数と基準位置を認識する処理を行っている。
データ間引きメモリ508にベルト1周分のデータが格納された後、前述したように位相・振幅演算処理部510で、基準位置での位相値と最大振幅値の演算が行われる。位相及び振幅演算は、転写ベルト10の周期変動成分の高次成分まで演算することが可能であり、本実施形態では1〜3次成分までの値の算出を行っている。
演算方法は直交検波処理で行う。直交検波処理の基本概念を以下に示す。一般的に時間領域で周期的に変化する波形は、波形の周期をTとおくと、
基本周波数 f0 = 1/T
基本角周波数 ω0 = 2πf0
となり、離散データはフーリエ級数として
のように表すことができる。
の式で各成分を求めることができる。なお、式(2)において、a0は直流成分、an及びbnは角周波数がnω0のcos波とsin波の振幅であり、
の式を得ることができる。
前記式(3)において、rn、φnは、各々第n次高調波の振幅及び位相を示している。
振幅値及び位相値を算出する場合は、まず式(2)を用いてデータ間引きメモリ508に格納されたデータ間引き処理後の離散データに対して、計測時の転写ベルト1周の周波数fと各離散データのデータサンプリング時間tからsinとcosの演算を行い、その累積値から振幅anとbnを算出し、式(3)を用いて振幅rnと位相φnを算出する。
前記演算結果には駆動軸15の誤検出分と従動軸14の誤検出分が重畳されている。そのため最終的に転写ユニット(2次転写装置22)のメカレイアウトによって一意に決定される変換係数を用いて振幅値の補正を行い、従動軸14の誤検出分への換算を行う。そして、従動軸14で誤検出される成分の1〜3次成分までの位相及び振幅値を演算後、sin関数を用いて各成分の合成波を算出し、補正テーブル演算部513でベルト1周分の補正テーブルの演算を行う。
補正テーブル演算部513で補正テーブルを演算後、パルス生成部516で転写駆動モータMに出力するパルス信号を生成する。その際、補正テーブル513からベルトの移動位置に応じてメモリの参照アドレスを切り換えながら値をリードする。このメモリが特許請求の範囲にいう第1及び第2の保持手段に対応する。補正テーブル演算部513で演算された値は、4ms周期でのモータFGとエンコーダカウント値の差分値であることから、この値を周波数に換算して本来の基準周波数に加算することで駆動モータMに与える周波数を決定し、当該周波数から周期パルス信号を生成することにより駆動モータMに与えるパルス信号の生成を行っている。
以上の動作を周回毎に繰り返すことで、モータFGとエンコーダ出力からベルトの厚み変動による従動ローラの誤検出分を抽出し、誤検出分を制御目標周波数とすることによって結果的にDCモータのPLL制御が動作し、ベルトを等速に動作させることが可能となる。
なお、図6において、符号511,515は加算器、符号507,509,512,514はベルト位置カウンタ518からのカウント位置に応じて動作し、接続方向を選択するスイッチである。
また、位相・振幅演算処理部510で演算された結果は、随時所定周回分の演算結果を図示しない揮発性メモリに格納して、これらの平均値を算出して、補正テーブルの生成を行っている。図8はこの制御の制御結果の一例を示す図である。平均値を用いないで補正テーブルの演算を行うと、用紙とベルトの搬送速度の差、及び外乱による突発変動により、演算結果にばらつきが生じ、この影響でベルト厚み以外の変動成分を制御に反映してしまい、図のように周回の切り替わりで、制御ずれが出る場合がある。そのため、これらの影響を最小限とする目的で過去数周回分の平均値を用いて補正を行っている。なお、本実施形態では過去2〜5周分の平均値を用いているが、随時制御値を検出し、反映する方式のため、平均する周回数が多過ぎると位相値が実際のベルトの位置と乖離してしまう状態が発生し、それが制御誤差となる。そのため、適度な周回数の平均値とする必要がある。
また、予期しない大きな外乱変動が発生し、演算された位相値及び振幅値が、図9に示すように前周回までの値と大きく異なる場合、これに比例して制御誤差が大きくなり、ベルトの走行変動が発生する場合がある。そのため本実施形態では、不揮発性メモリに閾値を持ち、位相・振幅演算処理部510で演算された結果と格納値が前記閾値内にあるときのみ、補正テーブルを生成するようにしている。これにより突発的な変動で誤制御する可能性が軽減される。
なお、振幅値の変動がない場合を想定すると、図10(a)に示すように位相値が60°ずれた場合で、制御を行わない状態と同じだけの位置ずれが発生する。また、図10(b)に示すように180°ずれた場合で2倍の位置ずれとなり、更に位相値の変動がないものとすると、図10(b)のように振幅値が2倍ずれた場合で、制御を行わない状態と同じだけの位置ずれが発生する。
そのため本実施形態では、閾値の値として前周回とのずれ量が位相値で90°以上、振幅値で2倍以上を閾値として制御を行っている。なお、閾値に関しては、これに限らず、製品の規格値で決められている最大色ずれ量などから、ベルトの最大変動許容値を定め、この値元に許容される位相変動値と振幅変動値を閾値としても良い。
図7は、本実施形態における転写駆動モータMの制御系及び制御対象のハードウェア構成を示すブロック図である。この制御系は、前記エンコーダ501の出力信号に基づいて転写駆動モータMの駆動パルスをデジタル制御する制御系である。この制御系は、CPU601、RAM602、ROM603、IO制御部604、転写駆動モータ駆動I/F部606、ドライバ607、検出IO部608から構成されている。
前記CPU601は外部装置610から入力される画像データの受信及び制御コマンドの送受信制御をはじめ、本画像形成装置全体の制御を行っている。また、ワーク用として用いるRAM602及びプログラムを格納するROM603、IO制御部604はバスを介して相互に接続され、CPU601からの指示によりデータのリードライト処理及び各負荷を駆動するモータ、クラッチ、ソレノイド、センサなど各種の動作を実行する。
転写駆動モータIF606は、CPU601からの駆動指令により、ドライバ607に対して駆動パルス信号の駆動周波数を指令する指令信号を出力する。この周波数に応じてドライバ607によりPLL制御が行われ、転写駆動モータMが回転駆動される。
エンコーダ501の出力及びモータMのFG信号は、検出用IO部608に入力される。検出IO部608は、エンコーダ501及びモータMのFGの出力パルスを処理してデジタル数値に変換する。またこの検出用IO部608では、出力パルスを計数するカウンタを備えている。そして、このカウンタのカウントした数値は、バス609を介してCPU601に送られる。
前記転写駆動モータ駆動用IF部606は、前記CPU601から送られてきた駆動周波数の指令信号に基づいて、パルス状の制御信号を生成する。
前記ドライバ607は、PLL制御用IC及びパワー半導体素子(例えばトランジスタ)等で構成されている。このドライバ607は、前記転写駆動モータ駆動用IF部606から出力されたパルス状の制御信号とエンコーダ501から出力される従動ローラ(軸)14の回転情報に基づいて、従動ローラ(軸)14の回転角速度が制御信号と位相及び速度が同一となるようにPLL制御が行われる。更にPLL制御によって生成されたパルス周波数に応じて転写駆動モータMに相信号を印加する。この結果、従動ローラ(軸)14は、CPU601から出力される所定の駆動周波数で駆動制御される。これにより、ディスク401の角変位が目標角変位に従うように追従制御され、従動ローラ(軸)14が所定の角速度で等角速度回転する。ディスク401の角変位は、エンコーダ501と検出IO部608により検出され、CPU601に取り込まれ、制御が繰り返される。
RAM602はROM603に格納されているプログラムを実行する際のワークエリアとして使用される機能の他に、前述したようにエンコーダ501と転写駆動モータMのFG信号の差分値からノイズ成分を除去するためのローパスフィルタ用のデータ格納エリア、及び間引いたデータを格納するエリア、更に補正値を格納するエリアとして使用される。RAM602は揮発性メモリのため、位相及び振幅値など次のベルト起動で使用するパラメータはEEPROMなどの図示しない不揮発性メモリに格納しておき、電源ON時もしくは転写駆動モータ起動時にSIN関数もしくは近似式を用いて、転写ベルト10一周期分のデータをRAM602上に展開する。
これはEEPROMなどの不揮発性メモリは、デバイスの特性上書き込み/読み出しのアクセス回数制限があり、ベルト回転毎にアクセスを行うと、製品寿命分持たないためである。
実際の転写ベルト10の厚みは、その製造工程に左右される要素が大きいが、ほとんど場合、sin状となっていて、特に転写ベルト1周分の全ての検出角変位誤差データを持っておく必要もなく、計測時に基準位置からの位相と振幅を算出し、このデータから検出角変位誤差データを算出しても十分同等のデータとして扱える。そのため、制御周期毎の検出角変位誤差データを、不揮発性メモリに格納しておく必要がなく、前記位相及び振幅パラメータのみでベルト厚みによる検出角変位誤差データを生成することができる。それ故、揮発性メモリのみのエリアだけ用意すれば制御可能となる。ベルト厚みによる検出角変位誤差データは、電源ON時もしくは転写駆動モータ起動時に生成される。
図11は本実施形態における補正動作の動作手順を示すフローチャートである。前記動作を図10及び図11を用いて説明する。
図11において、まず、印刷動作開始などにより中間転写ベルト10の回転要求があるかどうかを監視しておき(ステップS1)。中間転写ベルト10の回転要求があった場合に(ステップS1−Y)、不揮発性メモリに格納されている位相値及び振幅値の過去数周分の平均値(X,Y)を用いて、ベルト厚み補正用の補正テーブルを算出する(ステップS2)。補正テーブルを算出した後、中間転写ベルトを回転させ、補正動作を行うと同時に、エンコーダとモータFGのサンプリングを行い、サンプリングしたデータに対して移動平均処理とデータの間引き処理を行い、間引いた後のデータをメモリに格納する処理を行う(ステップS3)。その後、中間転写ベルト10の停止要求を監視しつつ(ステップS4)、中間転写ベルト10が1周した場合には(ステップS5−Y)、不揮発性メモリに格納された間引きデータから位相値及び振幅値(Xn,Yn)を算出し、一時、揮発性メモリに格納する(ステップS6)。
その後、今回算出した位相(Xn)と揮発性メモリに格納されている位相の平均値(X)の減算値を閾値(P)と比較し(ステップS7)、閾値(P)よりも小さい場合は、揮発性メモリに格納されている過去数周分の位相値及び振幅値(Xn,Yn)からそれぞれの平均値(X,Y)を算出し(ステップS8)、閾値(P)よりも大きい場合は平均を算出せずに前周回で使用した平均値(X,Y)を用いて、次の周で使用する補正テーブルの算出を行う(ステップS9)。これは、閾値(P)よりも大きい場合はイレギュラーな場合を想定しているので、今回算出した値は使用せずに、過去数周分の位相値及び振幅値(Xn,Yn)からの平均値(X,Y)を算出することを意味する。
その後、再びステップS4〜S9の動作を繰り返し、中間転写ベルト10の停止要求があった場合に(ステップS4−Y)、中間転写ベルト10の停止処理を行う(ステップS10)。中間転写ベルト10が停止した後に、位相値及び振幅値の平均値(X,Y)を不揮発性メモリに格納する(ステップS11)。
以上の制御の繰り返しにより、ベルト回転時に過去数周分の位相値及び振幅値の平均値を使用して補正テーブルを算出するので、突発的な位相のずれとベルトの走行変動を抑制し、中間転写ベルト10の搬送速度を一定とすることが可能となる。また、このように制御することにより、突発的なベルトの走行変動によって発生する画像の濃度ムラを抑制することが可能となる。
また、ステップS7では、今回抽出した位相値Xnとテーブルから読み出した過去数周分の位相値の平均値Xとを比較し、その比較結果と閾値との関係からステップS8の処理とするか、ステップS9の処理とするかが選択されているが、振幅値Yn,Yも合わせて比較し、その結果を後段に使用することもできる。ただし、制御には位相値のずれが回転制御上大きな要素となるので、位相値だけの判断で十分である。
なお、本発明に対する実施形態として、タンデム型画像形成装置における中間転写ベルトの駆動制御についての例を挙げたが、搬送ベルトによって搬送される記録用紙(シート状記録媒体)に直接転写する直接転写方式のタンデム型画像形成装置にも、あるいは、これらの形式の画像形成装置に限らず感光体ベルトを用いた画像形成装置における駆動制御にも同様に適用でき、同様の効果を奏する。
本実施形態では露光光源としてレーザ光を使用しているが、これに限ったものではなく、例えばLEDアレイ等でも良い。
以上のように、本実施形態によれば、エンドレスベルトを従動ローラに取り付けたエンコーダで制御する際に,用紙搬送・突発変動による制御誤差の影響を最小限とし、ベルト厚みによって発生する速度変動のみを抽出することにより、ベルトの搬送速度を一定とする制御にすることが可能となり、良好なフィードバック制御を行うことができる。
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが対象となることは言うまでもない。