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JP5347461B2 - 試料分析装置及び試料分析方法 - Google Patents
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Description

本発明は、試料分析装置及び試料分析方法に関し、特に、X線を用いて試料を分析する試料分析装置及び試料分析方法に関する。
半導体MOS(Metal Oxide Semiconductor)デバイスを代表とする電子デバイスまたは磁気デバイスには、各種の薄膜が使用されている。薄膜の均一性(膜厚、密度、表面界面凹凸、膜応力、磁化分布など)と、デバイス性能や信頼性は緊密に関係しており、これらを詳細に分析することは、デバイスの高性能化や高信頼性を実現するための重要な要素となっている。
薄膜評価方法として、X線反射を利用した反射率法やX線散乱を利用した小角散乱法があり、X線が照射された部分の平均的な膜厚や密度や凹凸の分析が可能であった。また、表面の均一性を観察する手法としてSEM(Scanning Electron Microscope)やAFM(Atomic Force Microscope)という表面分析法がある。
特開2000−35408号公報 特開昭61−116380号公報
しかし、反射率法や小角散乱法では、X線照射面内の局所的な均一性を分析することはできず、SEMやAFMでは、界面など試料内部の均一性を評価することはできなかった。
本発明者は、試料の構造の均一性を評価する手段として、位相がほぼ揃った干渉性のX線(以下コヒーレントX線という)を試料に照射し、散乱X線のスペックルパターン(強度分布)を分析する手法を提案している(特願2007−283057)。
しかし、散乱X線の強度分布から、試料の表面凹凸などを評価するための実イメージ(実空間データ)に変換しようとする場合、位相に関する情報が失われているため、位相を復元するための長時間の繰り返し計算が必要になる。
上記の点を鑑みて、本発明者は、簡単にX線の強度分布から実イメージに変換して、試料の表面や界面の局所的な均一性を評価可能な試料分析装置及び試料分析方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、以下のような構成を有する試料分析装置が提供される。この試料分析装置は、X線反射ミラーと、試料及び前記X線反射ミラーに干渉性のX線を照射するX線照射部と、前記試料からの第1の反射X線と、前記X線反射ミラーからの第2の反射X線とが重なるように、前記試料または前記X線反射ミラーの前記X線に対する入射角または入射位置を制御する制御部と、重なった前記第1の反射X線と前記第2の反射X線との干渉によるX線強度分布を検出する検出部と、前記X線強度分布を実空間データに変換する演算処理部と、を有する。
簡単にX線の強度分布から実イメージに変換して、試料の表面や界面の局所的な均一性を評価できる。
以下、本実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の試料分析装置の構成を示す図である。
試料分析装置1は、測定対象の試料2に併置されたX線反射ミラー3、X線照射部4、入射角/入射位置調整部5,6、制御部7、検出部8、演算処理部9、真空チャンバ10、コリメータ11を有している。
図2は、試料の一例を示す断面図である。
試料2は、たとえば、半導体基板2aと半導体基板2a上に形成されたSiO2(酸化シリコン)膜などの薄膜2bである。また、試料2として、複数層の薄膜2bが積層された多層膜構造のものを用いてもよい。本実施の形態の試料分析装置1は、このような試料2の薄膜2bの表面や界面を分析する。
図3は、X線反射ミラーの一例を示す斜視図である。
本実施の形態の試料分析装置1において、X線反射ミラー3は、たとえば、中央部に開口部3aを有し、試料2の表面を露出させるようにして、試料2を囲うような形状としている。また、X線反射ミラー3は、試料2の表面よりも凹凸が少ないものを用いる。たとえば、鏡面研磨したSi(シリコン)結晶が用いられる。
X線照射部4は、試料2及びX線反射ミラー3にコヒーレントX線を照射する。X線照射部4は、たとえば、波長が軟X線または硬X線の波長領域であるX線管球からのX線、放射光などを、微少なピンホールによってコリメートしてコヒーレントX線として照射する。また、X線照射部4は、上記波長領域である短波長レーザや自由電子レーザを発生させてコヒーレントX線として照射してもよい。
入射角/入射位置調整部5,6は、たとえば、ゴニオメータや移動ステージなどにより実現される。
入射角/入射位置調整部5は、制御部7の制御のもと、試料2の角度や位置を調整して、コヒーレントX線の試料2への入射角や入射位置を調整する。
入射角/入射位置調整部6は、制御部7の制御のもと、X線反射ミラー3の角度や位置を調整して、コヒーレントX線のX線反射ミラー3への入射角や入射位置を調整する。
制御部7は、入射角/入射位置調整部5,6を制御し、コヒーレントX線の試料2またはX線反射ミラー3への入射角または入射位置をそれぞれ調整させ、試料2及びX線反射ミラー3からの反射X線が重なるようにする。
なお、試料2への入射角は、分析感度も考慮して調整する。たとえば、試料2が多層膜構造である場合、入射角を変えることにより、ある膜の表面または界面からの反射強度が強く(あるいは弱く)なる。そこで、分析感度を向上させたい膜の表面または界面からの反射強度が強くなるように、試料2の構造に応じてシミュレーションにより入射角を決定する。
検出部8は、試料2からの反射X線とX線反射ミラー3からの反射X線が重なってできる干渉X線の強度分布を検出する。検出部8は、たとえば、0次元検出器、1次元検出器または2次元検出器であり、たとえば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサである。また、フォトダイオードアレイ、位置敏感比例係数管(PSPC:Position Sensitive Proportional Counter)、イメージングプレートなどを用いてもよい。
なお、図示を省略しているが、試料分析装置1は、検出部8の位置を調整する調整機構を有しており、たとえば、2次元検出器を用いる場合には、干渉X線の中心が検出面の中央にくるように検出部8の位置が調整される。
演算処理部9は、検出部8で検出された干渉X線の強度分布に対してフーリエ変換または逆フーリエ変換を行い、試料2の測定領域の実イメージに変換する。
制御部7と演算処理部9は、たとえば、1つまたは複数のコンピュータにより実現可能である。
真空チャンバ10は、試料2、X線反射ミラー3及び検出部8を含む分析領域を覆い、試料2の分析中に、大気の揺らぎなどによりX線の干渉性が低下するのを防止するために設けられている。図示しない排気ポンプによって、真空チャンバ10内が排気される。
コリメータ11は、照射するコヒーレントX線のサイズを成型する。
以下、上記の試料分析装置1を用いた試料分析方法を説明する。
まず、真空チャンバ10内を、図示しない排気ポンプにより、たとえば、10E-3〜10E-8Torr程度に排気し、X線照射部4により試料2及びX線反射ミラー3にコヒーレントX線を照射する。
図4は、コヒーレントX線の入射角や入射位置を調整する様子を示す図である。
試料2、X線反射ミラー3、制御部及び検出部8のみ図示しており、その他の構成については図示を省略している。
試料2及びX線反射ミラー3は、図1の制御部7によって、Z軸方向の位置とコヒーレントX線15a,15bに対する入射角θ1,θ2を制御され、反射X線16a,16bが重なるように調整される。検出部8は、干渉X線を効率よく検出できるように、2θ1の位置に調整される。
なお、図1で示したX線照射部4や、真空チャンバ10自体をX,Y,Z軸方向で調整し、コヒーレントX線15a,15bが、試料2及びX線反射ミラー3に照射されるように、位置合わせを行うようにしてもよい。
図5は、入射角θ1>θ2とした場合における反射X線による干渉の様子を示す図である。
以下では、検出部8として2次元検出器を用いた場合について示している。
入射角θ1>θ2とした場合には、試料2に入射されるコヒーレントX線17a,17bによる反射X線18a,18bは、図5において、試料2の左側のX線反射ミラー3に入射されるコヒーレントX線17c,17dによる反射X線18c,18dと重なる。検出部8の検出面において、試料2からの反射X線18a,18b及びX線反射ミラー3からの反射X線18c,18dが入射される領域8aでは干渉X線が検出される。領域8aの外周の領域8bは、試料2からの反射X線18a,18bが入射されない領域であり、分析には用いない。
図6は、入射角θ1<θ2とした場合における反射X線による干渉の様子を示す図である。
入射角θ1<θ2とした場合には、試料2に入射されるコヒーレントX線19a,19bによる反射X線20a,20bは、図6において、試料2の右側のX線反射ミラー3に入射されるコヒーレントX線19c,19dによる反射X線20c,20dと重なる。検出部8の検出面において、試料2からの反射X線20a,20b及びX線反射ミラー3からの反射X線20c,20dが入射される領域8cでは干渉X線が検出される。領域8cの外周の領域8dは、試料2から反射X線20a,20bが入射されない領域であり、分析には用いない。
なお、入射角θ1,θ2を調整する以外にも、コヒーレントX線に対する試料2のあおり角を調整することで、試料2からの反射X線と、X線反射ミラー3からの反射X線とを干渉させるようにしてもよい。
図7は、試料のあおり角φ≠0とした場合における反射X線による干渉の様子を示す図である。
たとえば、試料2をコヒーレントX線21a,21b,21c,21dの入射方向に対して、右側にあおり角φで傾けた場合、反射X線22a,22b,22c,22dは右側に曲がる。このとき、図7中で、試料2の右側のX線反射ミラー3に照射されたコヒーレントX線21e,21fによる反射X線22e,22fが、試料2からの反射X線22a,22b,22c,22dと重なり、干渉を起こす。これにより、検出部8の検出面において、領域8eでは、干渉X線が検出される。領域8eの外周の領域8fは、干渉X線が検出されない領域で、分析には用いない。
図5〜図7で示したように、本実施の形態の試料分析装置1では、X線反射ミラー3として、試料2を囲うような形状のものを用いることで、試料2の周囲のX線反射ミラー3で反射したX線を利用でき、試料2からの反射X線と干渉させる調整が容易になる。
なお、図5〜図7では、検出部8として2次元検出器を用いた場合について説明したが、図5〜図7の検出面(特に領域8a,8c,8e)をカバーするように、0次元検出器や1次元検出器をスキャンして干渉X線を検出するようにしてもよい。
図8は、検出部で検出した干渉X線の強度分布の一例を示す図である。
ここでは、図5〜図7で示した検出部8の検出面で検出された、x軸方向の干渉X線の強度分布を示している。y軸方向の干渉X線の強度分布も同様に検出される。
横軸がx軸方向における位置(μm)で、縦軸が検出強度(a.u.)である。
ここで得られる強度分布は、X線反射ミラー3からの反射X線を参照波としたホログラムである。
演算処理部9は、検出部8で検出した干渉X線の強度分布を取得して、それを逆フーリエ変換し、実空間データに変換する。たとえば、試料2の表面の凹凸を分析する場合、2次元検出器の検出位置(xd,yd)での検出強度をI(xd,yd)とすると、試料2の表面の位置(Xs,Ys)における高さZs(Xs,Ys)は、Zs(Xs,Ys)=IFFT(I(xd,yd))となる。
“IFFT”は、強度I(xd,yd)に対する逆高速フーリエ変換を表している。なお、ここでは、干渉成分を変換するものであるため、逆フーリエ変換の代わりに、フーリエ変換を行っても、同じ結果が得られる。
図9は、逆フーリエ変換によって得られた試料の凹凸分布の例である。
横軸が試料2上での位置Xs、縦軸が高さZsである。このように、実空間データに変換することで、どの位置にどのような凹凸が生じているか、容易に評価できる。
なお、2次元データを用いた場合には、2次元逆フーリエ変換により凹凸の2次元分布が得られる。
このように、本実施の形態の試料分析装置1では、試料2からの反射X線と、X線反射ミラー3からの反射X線とを重ね合わせて干渉させ、干渉X線の強度分布(ホログラム)を検出する。このホログラムを逆フーリエ変換することによって、長期間の繰り返し計算を行うことなく、簡単に実イメージに再現して試料2の表面や界面を評価できる。
なお、上記では、特に外場を変えずに試料2の表面の均一性を評価する場合について説明したが、温度、磁場、電場または圧力などの外場を変化させて、そのときの試料2の表面や界面の密度などの均一性を分析するようにしてもよい。
図10は、温度、磁場、電場または圧力を変化させて測定を行う試料分析装置の構成を示す図である。
図1で示した試料分析装置1と同様の構成要素については同一符号を付している。
図10で示す試料分析装置1aは、試料2に対して、熱、磁場、電場または圧力を加える外場印加部31を有している。
外場印加部31は、たとえば、He(ヘリウム)クライオスタット、ヒータ、ランプ、永久磁石、電磁石、超電導電磁石、高圧電源、パルス発生装置などであり、制御部7によって制御される。
温度を変化させて行う測定は、たとえば、結晶構造の変化や、強誘電体の強誘電ドメインの変化を分析するために行われる。
外場印加部31は、制御部7の制御のもと真空チャンバ10内を、低温状態(たとえば、4K)または高温状態(たとえば、1300K)にする。このとき、検出部8で検出した干渉X線の強度分布を、たとえば、逆フーリエ変換により実イメージに変換する。
これにより、温度による結晶構造の変化や強誘電ドメインの変化に起因した試料2の表面や界面の凹凸の変化や、強誘電ドメインのばらつきなどを、実イメージで分析することができる。つまり、試料2のどの位置で強誘電ドメインが変化しているかを分析することができる。
磁場を変化させて行う測定は、たとえば、磁気ドメインの変化や、磁性の変化(キューリー温度、ネール温度)を分析するために行われる。
外場印加部31は、制御部7の制御のもと、試料2に、たとえば、0〜10Teslaの磁場を印加する。このとき、検出部8で検出した干渉X線の強度分布を実イメージに変換することで、磁場印加による磁気ドメインや磁性の変化が、試料2のどの位置で起こっているかを分析することができる。
電圧を変化させて行う測定は、たとえば、強誘電体の強誘電ドメインの変化を分析するために行われる。
外場印加部31は、制御部7の制御のもと、試料2に、たとえば、±10KVの電圧を印加する。このとき、検出部8で検出した干渉X線の強度分布を実イメージに変換することで、電圧印加による強誘電ドメインの変化が、試料2のどの位置で起こっているかを分析することができる。
このほかにも、試料2に応力を印加してその影響を検討するために、検出した干渉X線の強度分布を実イメージに変換して分析するようにしてもよい。
以上、複数の実施の形態に基づき、本件の試料分析装置及び試料分析方法について説明してきたが、これらは一例にすぎず、上記の記載に限定されるものではない。
たとえば、X線反射ミラー3として、上記の説明では、試料2を囲うような形状のものを用いた場合について述べたが、試料2の周囲を取り囲むように複数のミラーを配置し、それぞれ入射角や入射位置を調整できるようにしてもよい。ただし、コヒーレントX線が試料2とX線反射ミラー3に同時に照射されるように、試料2に近接して配置されていることが望ましい。
本実施の形態の試料分析装置の構成を示す図である。 試料の一例を示す断面図である。 X線反射ミラーの一例を示す斜視図である。 コヒーレントX線の入射角や入射位置を調整する様子を示す図である。 入射角θ1>θ2とした場合における反射X線による干渉の様子を示す図である。 入射角θ1<θ2とした場合における反射X線による干渉の様子を示す図である。 試料のあおり角φ≠0とした場合における反射X線による干渉の様子を示す図である。 検出部で検出した干渉X線の強度分布の一例を示す図である。 逆フーリエ変換によって得られた試料の凹凸分布の例である。 温度、磁場、電場または圧力を変化させて測定を行う試料分析装置の構成を示す図である。
符号の説明
1 試料分析装置
2 試料
3 X線反射ミラー
4 X線照射部
5,6 入射角/入射位置調整部
7 制御部
8 検出部
9 演算処理部
10 真空チャンバ
11 コリメータ

Claims (5)

  1. 試料を囲う形状であるX線反射ミラーと、
    前記試料及び前記X線反射ミラーに干渉性のX線を照射するX線照射部と、
    前記試料からの第1の反射X線と、前記X線反射ミラーからの第2の反射X線とが重なるように、前記試料または前記X線反射ミラーの前記X線に対する入射角または入射位置を制御する制御部と、
    重なった前記第1の反射X線と前記第2の反射X線との干渉によるX線強度分布を検出する検出部と、
    前記X線強度分布を実空間データに変換する演算処理部と、
    を有することを特徴とする試料分析装置。
  2. 前記試料、前記X線反射ミラー及び前記検出部を含む分析領域は、真空チャンバで覆われていることを特徴とする請求項1に記載の試料分析装置。
  3. 前記試料に対して熱、磁場、電場または圧力を加える外場印加部を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の試料分析装置。
  4. 前記試料は、1または複数の膜を有し、前記制御部は、分析感度を上げたい前記膜の表面または界面からの反射強度が高くなるように前記試料に対する前記入射角を制御することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の試料分析装置。
  5. 試料と前記試料を囲う形状であるX線反射ミラーに干渉性のX線を照射し、
    前記試料からの第1の反射X線と、前記X線反射ミラーからの第2の反射X線とが重なるように、前記試料または前記X線反射ミラーの前記X線に対する入射角または入射位置を制御し、
    重なった前記第1の反射X線と前記第2の反射X線との干渉によるX線強度分布を検出し、
    前記X線強度分布を実空間データに変換することを特徴とする試料分析方法。
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