JP5347490B2 - 感圧転写シートおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1は、グリセリン脂肪酸エステル、天然多糖類、乳化剤、食用色素、食用乾性油、および水を含む、スクリーン印刷等に用いる可食性インクを開示する。
特許文献2は、基材上に、硬化油および可食性ワックスと可食性色素を含む塗工剤を塗布してなる食品用感圧転写材を開示する。
そこで本発明は、食品等の基材を破損することなく、線太りの抑制された転写画像を得ることのできる感圧転写シートを提供することを課題とする。
前記可食性色素組成物層が、油脂、可食性色素、および転写性改質剤を含み、
前記転写性改質剤として、モノエステルのモル含有率が25%以下であるショ糖脂肪酸エステルを含む、感圧転写シートが提供される。
(1)基材上に、油脂、可食性色素、転写性改質剤、および水を含み、前記転写性改質剤がモノエステルのモル含有率が25%以下であるショ糖脂肪酸エステルである組成物を塗布する工程;および
(2)得られた組成物層を乾燥する工程;
を含む感圧転写シートの製造方法が提供される。
油脂、可食性色素、転写性改質剤、および水を含み、
前記転写性改質剤として、モノエステルのモル含有率が25%以下であるショ糖脂肪酸エステルを含み、
前記ショ糖脂肪酸エステルを1〜10質量部、油脂を20〜50質量部、可食性色素を5〜40質量部、および水を10〜40質量部含む、感圧転写シートの可食性色素組成物層形成用の組成物が提供される。
基材としては、加圧転写時の筆記性が良好であることから、紙を使用することが好ましいが、紙と同様の筆記性を有するように加工したプラスチック(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等)フィルム、または金属(アルミニウム等)箔も用いることができる。紙の場合は、人体への安全性という観点から、蛍光物質の検出されない紙であることが好ましい。各種の安定性、必要な耐性および性能(剥離性、接着性等)を得るために、基材には、オーバーコートまたはアンダーコートのような任意の前処理が行なわれていてもよい。
さらに基材は、可食性色素組成物層が形成された後のカールが実質的に無視できるものであること、すなわち中央部と周辺部との高さの差が5mm以内であることが好ましい。
ショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖の水酸基と脂肪酸とがエステル結合した化合物であり、1分子中のエステル結合数に応じて、モノエステルからポリエステルまで、様々なエステル化度の化合物が存在する。本発明において、ショ糖脂肪酸エステルとは、それら異なるエステル化度のエステルの混合物であってもよい。
ここで、「転写性」とは加圧転写性であり、主として、加圧転写に際し線太りを抑制して、鮮明な画像を転写できる性質をいう。線太りを抑制するとは、加圧転写された線幅がじか書きの場合の線幅に対し200%以内であることを意味する。
こうした系において、改質剤としてショ糖脂肪酸エステルを添加した場合には、ショ糖脂肪酸エステルのアルキル鎖も油脂のアルキル鎖に絡み合うことになるが、改質剤のショ糖部分は親水性であることから、ビヒクルである油脂とは反発しあうこととなり、系全体として絡み合いの程度は下がると考えられる。そして、この絡み合いの程度を下げるために1分子中の脂肪酸の結合数が多いほうが有利であることを発明者らは見いだした。
[数1]
|η*|=G*/ω=(G’2+G”2)1/2/ω
好ましい複素粘度の絶対値の具体例として、25℃、10.0Hzにおける複素粘度の絶対値|η*|は50.0Pa・s以下であることが好ましく、10.0Pa・s以下であることがより好ましい。ここで、複素粘度の絶対値とは、レオメーターで測定した粘度|η*|(Pa・s)のことをいう。
つまり、貯蔵弾性率G’は、加圧した際の変形しにくさの指標と捉えることが可能であり、変形が起こるということは加えられた圧力が組成物層にきちんとかかっていることの証である。したがって、大きすぎる貯蔵弾性率は、転写画像の質を低下させる一因となると考えられ、G’の値は大きすぎない方が好ましい。具体的な数値の例として、25℃、10.0Hzにおける貯蔵弾性率G’は、3,000Pa以下であることが好ましく、300Pa以下であることがより好ましい。
脂肪酸としては、飽和脂肪酸のほか、不飽和脂肪酸であってもよいし、ヒドロキシ酸であってもよく、ヒドロキシ酸の場合は、以下に記載するように縮合酸であってもよい。さらに脂肪酸の炭化水素基またはヒドロキシ炭化水素基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。
より詳細には、オクタン酸(カプリル酸)、デカン酸(カプリン酸)、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、オレイン酸、リシノール酸、ポリリシノール酸などを好適例として挙げられる。
油脂は、常温(25℃)で固体である油脂と、液状である油脂とに分けられるが、印刷時の流動性と転写層の安定的固着とを両立させる観点から、前者の25℃で固体である油脂が、油脂全体の15質量%以上50質量%以下を占めることが好ましい。
なかでも、本願における転写性改質剤との組み合わせにおいては、パーム油、大豆硬化油、および蜜蝋からなる群より選ばれた1種類、または2種類以上の混合物を用いることが好ましい。
これらは、合成着色料(合成可食性色素)および天然着色料(天然可食性色素)に大別される場合と、有色色素と白色色素に大別される場合とがある。
レシチンとしては、大豆レシチン等の植物レシチン、および卵黄レシチンなど、通常食品分野に使用できるレシチンを配合することができる。
レシチンを含む場合の配合量は、0.01〜2質量%程度であることが好ましく、0.5〜1.5質量%であることがより好ましい。
上記の必須成分に加え、組成物層は、消泡剤、増粘剤、可塑剤、分散剤、乳化剤、酸化防止剤、防腐剤等の物性改善補助剤を適量含有することもできる。
たとえば、湯煎により50〜70℃に加温しながらショ糖脂肪酸エステルと油脂を溶融させた後、可食性色素を分散させ、加温を継続しながら得られた分散物に水を添加し、乳化させる方法が挙げられる。
組成物層は、基材全体に形成されてもよいし、任意の絵柄あるいは文字として部分的に形成されてもよい。
得られた感圧転写シートは、上記の基材と組成物層のほかに、任意でさらに離型層、接着層などを含む構成であってもよい。
組成物層が基材全体に形成された感圧転写シートの場合は、筆記具等で任意の絵柄を描いて転写させるようにするが、予め絵柄等として組成物層が形成されている場合は、これをそのまま擦って転写させるようにすることができる。
<実施例1>
ショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ(株)製S−070、モノエステルのモル含有率約0%)11部、パーム油精製加工油脂(太陽油脂(株)製PFK)8部、大豆硬化油(太陽油脂(株)製大豆極度硬化油)4部、密蝋((株)セラリカ野田製 晒蜜蝋 高酸)4部、オクタン酸デカン酸トリグリセリド(日清製油(株)製O.D.O.)57部、レシチン((株)J−オイルミルズ製JレシチンCLO)0.5部を湯煎(50〜60℃)で加熱しながら混合した。加熱を続けながら、得られた混合物に黄色4号アルミレーキ(ダイワ化成(株)製食用黄色4号アルミニウムレーキ)20部、二酸化チタン(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製二酸化チタン)20部、および炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)製コロカルソ−EX)30部を加えて混合し、さらにイオン交換水46部を滴下して乳化させた。
得られたW/O型エマルション組成物を、120線のスクリーン版により、紙(日本製紙(株)製KFD、厚み77μm)に塗布し、乾燥させて、乾燥後厚み10μmの可食性色素組成物層が形成された感圧転写シートを得た。
ショ糖脂肪酸エステルの種類を表1に示すように変更したほかは、上記実施例1と同様にして感圧転写シートを得た。なお、使用したショ糖脂肪酸エステルは全て三菱化学フーズ(株)製である。
実施例1のS−070を使用する組成において、イオン交換水を添加しないようにしたほかは実施例1と同様に組成物を形成し、以降は同様にして基材に塗布して感圧転写シートを得た。
実施例3のS−370を使用する組成において、レシチンを添加しないようにしたほかは実施例3と同様に組成物を形成し、以降は同様にして基材に塗布して感圧転写シートを得た。
気温25℃、相対湿度40%に保たれた恒温恒湿室において、得られた感圧転写シートを明治製菓(株)製「明治ミルクチョコレート」(モース硬度0.8)の上に載せ、テスター産業(株)製クレメンス型引掻き硬度試験機の試験台の上に固定し、鉛筆硬さHB、筆記速度2mm/秒、荷重250g重の条件で、線幅0.40mm(じか書きの線幅)の直線を描いた。
転写された線状画像をウルトラミクロトーム(LKB BROMMA社製、2088ULTROTOME V)により観察し、線状画像の線幅を測定した。転写画像の太り具合を、じか書きの場合の線幅に対する%で評価した。
5:ムラが無く、充分に濃い。
4:少しムラがあるが、充分に濃い。
3:少しムラがあり、少し薄い。
2:ムラが多く、少し薄い。
1:ムラが多く、非常に薄い。
上記評価が4以上であれば、実用品として合格レベルであるが、3以下のものは実用品としては使用に適さない。
以上の結果を、表2に示す。
得られた各W/O型エマルション組成物(実施例5以外)または組成物(実施例5)の変位0.0001rad/s、25℃、10Hzにおける複素粘度(η*)、および貯蔵弾性率(G’)を、ティー・エイ・インスツルメント社製レオメーター「AR−G2」を用いて測定した。
その結果、実施例の組成物ではいずれも、25℃、10.0Hzにおける貯蔵弾性率G’は、3,000Pa以下であり、25℃、10.0Hzにおける複素粘度の絶対値|η*|は50Pa・s以下であった。
Claims (12)
- 基材と、前記基材上に形成された可食性色素組成物層とを備えた感圧転写シートであって、
前記可食性色素組成物層が、油脂、可食性色素、および転写性改質剤を含み、
前記転写性改質剤として、モノエステルのモル含有率が20%以下であるショ糖脂肪酸エステルを含む、感圧転写シート。 - 前記可食性色素組成物層が、さらにレシチンを含む、請求項1記載の感圧転写シート。
- 前記可食性色素組成物層が、モノエステルのモル含有率が20%以下であるショ糖脂肪酸エステル、油脂、可食性色素、および水を含む組成物を前記基材に塗布して形成されたものである、請求項1または2記載の感圧転写シート。
- 前記ショ糖脂肪酸エステルが、質量平均炭素数8〜20の脂肪酸のエステルである、請求項1〜3のいずれか1項記載の感圧転写シート。
- 前記油脂において、25℃で固体である油脂が油脂全体の15〜50質量%を占める、請求項1〜4のいずれか1項記載の感圧転写シート。
- 前記25℃で固体である油脂が、パーム油、大豆硬化油、および蜜蝋からなる群より選ばれた1種類、または2種類以上の混合物である、請求項5記載の感圧転写シート。
- 前記油脂において、中鎖脂肪酸トリグリセリドが油脂全体の50〜85質量%を占める、請求項1〜6のいずれか1項記載の感圧転写シート。
- JIS K5600−5−4(ISO/DIN 15184)に示される引っかき硬度(鉛筆法)試験方法において、鉛筆硬さをHBとした場合に、荷重が100〜500g以下に相当する圧力を加えた際に転写が可能である、請求項1〜7のいずれか1項記載の感圧転写シート。
- 下記の工程を含む感圧転写シートの製造方法:
(1)基材上に、油脂、可食性色素、転写性改質剤、および水を含み、前記転写性改質剤がモノエステルのモル含有率が20%以下であるショ糖脂肪酸エステルである組成物を塗布する工程;および
(2)得られた組成物層を乾燥する工程。 - 請求項1〜8のいずれか1項記載の感圧転写シートを用いて形成された画像を備える食品。
- 前記食品が、チョコレートまたはチューインガムである、請求項10記載の食品。
- 油脂、可食性色素、転写性改質剤、および水を含み、
前記転写性改質剤として、モノエステルのモル含有率が20%以下であるショ糖脂肪酸エステルを含み、
前記ショ糖脂肪酸エステルを1〜10質量%、油脂を20〜50質量%、可食性色素を5〜40質量%、および水を10〜40質量%含む、感圧転写シートの可食性色素組成物層形成用の組成物。
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