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JP5350864B2 - 鋸 - Google Patents
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JP5350864B2 - 鋸 - Google Patents

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本発明は、鋸挽きで生じる挽き粉を鋸挽き動作を利用して除去するという鋸において、鋸挽き動作が水平方向の時だけではなく、鉛直方向を含むいかなる方向であっても支障なく機能する鋸に関するものである。
手挽鋸によって木材や合板等を切断する際、通常は予め対象木材等表面に切断線を描いておく(いわゆる「墨付け」)。ところが切断作業中に必ず生じる挽き粉は、該切断線上付近に堆積してゆき精確な切断作業を阻害しがちである。そこで作業者は、挽き粉堆積箇所に息を吹きかけ切断線を露呈させるという作業を繰り返し行なうこととなっていた。
この作業は、単に煩雑であるというばかりでなく、堆積した挽き粉箇所に顔面を近づけてなされる作業であるため、対象材が例えばある種の新建材だと、粉塵中に仮に有害物質が含まれていたならばそれを吸引してしまうこととなってしまう。これは、連日長時間作業に携わる者にとっては深刻なことであるし、日曜大工的な頻度の作業であっても健康上好ましからざる状況であると言える。
そこで以前出願人は、こうした事態を解消する方策として、特許文献1に示す如き発明を提案した。これは、柄部に中空部を形成するとともに、該中空部内に、柄部の動きにともなって中空部内を自由に移動し得る移動子を内蔵させ、かつ、中空部の前方部からは、その先端が鋸刃方向に向けた形の空気噴き出し口を形成する一方、中空部の後方部には、空気透通孔を形成した、という鋸柄構造である。
こうした構造であるので、鋸刃を前後動させると、柄部が往復運動することとなり、中空部内の移動子はその慣性モーメントによって、見かけ上、柄部の移動方向とは逆方向に移動することになる。この時中空部内の空気は移動子により分画されているので、該移動子が内部空間を前後動すると、空気噴き出し口から空気が、交互に吐出・吸引されることになる。
特開昭60−137601号公報
この柄構造を有する鋸によって鋸挽きをする場合、鋸を水平方向に往復運動させた時には移動子は概ね中空部内を振動運動することになる。しかし、実際の鋸挽き動作というものは、水平方向の前後動のみではなく、斜め運動、場合によっては鉛直運動ということがしばしばある。
典型例が、「挽き回し鋸」である。この鋸は、曲線切り・孔あけ等に用いられる鋸であり通常、幅が狭く肉厚で、先端にゆくに従って細くなり、歯も細かくなっている。そしてこの鋸の切断動作は、鉛直方向が基本である。
既述した特許文献1の構造を、挽き回し鋸に代表される鋸挽き作業に適用した場合、内蔵されている移動子は、自重で中空部内を下降してゆく傾向にある。従って、往復運動の振幅が小さい場合には、移動子が中空部下端位置に留まり噴き出し口から吐出される空気量がほとんど確保できないという事態に陥ることとなっていた。
更に、中空部内を往復運動する移動子は、大きなストロークで鋸挽きをすると内部空間の両端位置に衝突する構造となっており、発生する衝突音や手に伝わる衝突の衝撃を不快に感じる使用者も、少数ではあるが確認している。
そこで本発明者は、この点に鑑み鋭意研究の結果遂に理想的な構造を完成させたものでありその特徴とするところは、鋸柄内部にシリンダー状中空部が形成され、又、該中空部にはピストン状移動子を内蔵し、該中空部の鋸刃側端部からはその先端が鋸刃方向に向く空気噴き出し口を、該中空部の反対側端部又はその近傍位置には空気透通孔が形成されてなる鋸であって、該移動子は、鋸柄側に一端が固定された弾性体によって支持されている点にある。
本発明は、中空部にある移動子が自重で下降して、空気噴き出し口から吐出される充分な空気量が得られなくなる、という問題を解消し、また、移動子が中空部両端に衝突して大きな音が発生することがないようにしたものである。これは、移動子を、鋸柄側に一端が固定された弾性体によって支持することでなし得る。
本発明に係る鋸は、「鋸刃」と「鋸柄」とによって構成される手挽き鋸である。この中で「鋸刃」部分に関しては、替え刃式であるか否か、或いは、両刃なのか片刃なのか、等々については何ら限定するものではない。但しその構造上の特徴から、「挽き回し鋸」に適用すると特に好ましいものであると言える。
「鋸柄」は、内部に「シリンダー状中空部」が形成されている。「シリンダー状」であるので、少なくとも「移動子」の可動域では断面が等しく、湾曲していない。その意味で鋸柄の外観は、いわゆる「ピストル形」の柄は好ましくなく、直状の柄が好ましい。
シリンダー状中空部の内部には「移動子」が内蔵される。この移動子は、ピストン状部材である。即ち、中空部内を摺動しながら往復運動するものであって、自身によって中空部の内部空間を、鋸刃側空間と他端側空間に分画する部材である。但し、分画された二つの空間相互が常時遮断気密されているものである必要はなく、逆止弁構造を介して他端側空間の空気は鋸刃側空間に流入し得る(鋸刃側空間の空気は他端側空間に移動しない)ように構成されていても良いものとする。
シリンダー状中空部はまた、その一端(鋸刃側空間の端部)には「空気噴き出し口」、他端(他端側空間の端部近傍)には「空気透通孔」が設けられ、大気と通じる。従って、移動子が鋸刃側に移動した場合には、鋸刃側空間にある空気は空気噴き出し口から外部に放出されることになる。本発明においては、この空気噴き出し口の先端が鋸刃方向に向いているので、切断作業中に鋸刃が挽き粉を発生させた時には、該挽き粉を吹き払うということになる。
逆に、移動子が他端側(鋸刃側と反対側)に移動した場合には、基本的には他端側空間にある空気は空気噴き出し口から外部に放出されることになる。但し、移動子が弁構造を具備したタイプのものの場合には、他端側空間にある空気の一部は鋸刃側空間にも流入するので、空気噴き出し口からの流入量は少なくなる。空気噴き出し口からの流入量が少なくなるということは、鋸刃側空間内に挽き粉が入り込みにくくなるということを意味するので、移動子の長時間にわたるスムーズな摺動に好適に貢献する。
なお、空気噴き出し口の開口部近傍に適当な逆止弁構造を配置して、該口を経由して外気が鋸刃側空間に導入されることがないようにするという方策もあり得る。
本発明において、中空部内に内蔵される移動子は、鋸柄側に一端が固定された弾性体によって支持されている。即ち、シリンダー状中空部の両端のいずれか片方(又は双方)と移動子とが、弾性体によって支持接続されている。
「支持」の形態は、中空部の長手方向を鉛直に置いた時に、移動子を上から吊り下げる形であっても、移動子を下から支える形であっても、或いは、上から吊り下げると共に下からも支えるという形であっても良いものとする。
また「弾性体」の詳細に関しても特に限定するものではない。ゴム糸、コイルバネ、等々を適宜採用すれば良い。
本発明に係る鋸は、以下述べる如き効果を有する極めて高度な発明である。
(1) 手挽き鋸において木材上に必然的に発生する挽き粉を、他の動力源を必要とせず手挽き動作を利用して吹き飛ばすことができる。
(2) 顔面を近づけて吹き飛ばすという従来動作が不必要になるため、作業性が向上するばかりでなく、作業者が挽き粉を吸引してしまう可能性も激減する。
(3) 内蔵される移動子はこれを支持する弾性体の存在により、鋸の位置がどのような場合でも中空部内に宙づりになり、吐出に必要な空気を鋸刃側空間に確保できる。
(4) 移動子が宙づりとなっているので、往復動作の際にどちらかの端部に移動子が衝突して不快な異音を発生するという事態には至りにくい。
本発明に係る鋸の一例の概略断面図である。 (a)(b)は、本発明に係る鋸の作用を概略的に示すいずれも要部断面図である。 移動子の支持形態に関する本発明の他の例を示す要部概略断面図である。 移動子の構造に関する本発明の他の例を示す要部概略断面図である。
図1は、本発明に係る鋸1(以下「本発明鋸1」という)の一例の概略断面図である。図より明らかなように本例の本発明鋸1は、一般に「挽き回し鋸」と呼ばれる鋸の中の替え刃式鋸であり、鋸刃2と鋸柄3とに分離構成されるものである。替え刃式であるので、ボルト4によって鋸刃2と鋸柄3とを連結するものであるが、これに限らず固定一体式のものであっても良い。
また、鋸柄3内部には中空部5が形成されており、この中空部5には、コイルバネ6にて吊持される形で、ピストンとして機能する移動子7が内蔵されている。ここで、移動子7で分画される上下の空間をそれぞれ、鋸刃側空間51と他端側空間52と呼ぶものとする。鋸刃側空間51と他端側空間52はいずれも密閉された空間ではなく、鋸刃側空間51は空気噴き出し口53を通じて、他端側空間52は空気透通孔54を通じて、大気と連通している。この中、空気噴き出し口53は、鋸刃側空間51下端から延出するノズル状のパイプであるので、空気吐出時には鋸刃2周辺に向けて空気が吐出されることとなる。図示した状態では、本発明鋸1は静止しており、従って移動子7の自重でコイルバネ6は伸びているものの、移動子7も静止していて空気の出入りはない。
鋸挽き作業時には、本発明鋸1は往復運動することになる。本例の本発明鋸1は挽き回し鋸であるので、鋸挽き動作は鉛直方向に沿ってなされるのが基本となっている。また、挽き回し鋸による典型的な作業である円形孔の作成を例に採ってみると、作業はまず、予め被加工木材Wに刻設された孔H(ドリル孔等)に鋸刃2を差し込むところから始まる。差し込んだ後の状態を図2(a)に示す。
続いて本発明鋸1を引き上げる。中空部5の内壁を摺動しコイルバネ6によって吊持されている移動子7には自身の質量に由来する慣性があるので、引き上げ時の加速度によってコイルバネ6は更に伸びることになる。この状態を図2(b)に示す。
同図(a)の状態と比較すると、鋸刃側空間51は小さくなっており、元々この空間にあった空気は、移動子7に押し出される形で空気噴き出し口53から外部に排出される。そして、他端側空間52内には空気透通孔54から外部の空気が流入する。
そして引き上げられた本発明鋸1は、次には下げられるので、今度はコイルバネ6が同図(a)の状態よりも縮み、空気の流入・排出が同図(b)の状態と逆の形で成されることになる。
以後鋸挽き作業中は、中空部5内を移動子7が上下動する形で、空気噴き出し口53からの空気の吐出・吸引が繰り返される。
図3は、本発明の他の例を示すものである。これまでの例では、移動子7はコイルバネ6によって上部から吊り下げられる、という形で中空部5に配置されていたが、本例では上下ともに弾性体が配置されている。弾性体としては、コイルバネであっても良いが図ではゴム糸61を使用している。本発明者が実験した限りにおいては、弾性体を移動子7の上下に配置した方が、衝突音の発生頻度・音量が小さく、好適であった。
なお本発明鋸1をこれまで「挽き回し鋸」として説明してきたが、これに限定されるわけではなく、その他の通常の鋸においても適用可能な構造である。その場合、鋸の往復動は鋸刃を下方に配した鉛直方向以外に、水平方向、斜め方向、或いは鋸刃を上方にした鉛直方向の場合もあり得る。そこで鋸の往復動がどうであれ、空気噴き出し口53から確実に空気が吐出され、且つ又移動子7の衝突に由来する音や衝撃を軽減する、という効果を発揮させるためには、ゴム糸の場合には図4の如く、移動子7を上下双方から支持してやる必要があるという意味で、コイルバネの方がより好ましいと言える。
図4は、本発明の更に他の例を示すもので、移動子7の内部に上下に貫通する透孔71と、この透孔71を塞ぐ弁72とを具備している。この弁72は、他端側空間52内の空気は鋸刃側空間51へ通過させるが、鋸刃側空間51から他端側空間52への空気の移動は遮断するという性質の逆流防止弁(逆止弁)である。従って、移動子7が上昇し鋸刃側空間51を広げる時に、弁72を通過して他端側空間52内の空気があり、空気噴き出し口53から吸引しなければならない空気量が減少することになる。
更に、図示した如く空気噴き出し口53の端部近傍位置に、外気流入を遮断するノズル弁55を配置するようにしても良い。この場合、移動子7が下降し鋸刃側空間51が縮む時には空気は空気噴き出し口53から排出されるが、移動子7が上昇し鋸刃側空間51が広がる時には、移動子7内の透孔71部分のみから空気が導入されることになる。従って中空部5内に入り込む挽き粉の量は激減し、空気噴き出し口53の詰まりや移動子7の摺動動作の不具合といった挽き粉を由来とする支障発生の危険性軽減が期待できる。
但し、移動子7に設ける弁72、或いは空気噴き出し口53に設けるノズル弁55の存在は、本発明に必須のものではない。弁構造を付帯しない構造には、シンプルであってコストの低減化も図りやすいといった利点はある。
1 本発明に係る鋸
2 鋸刃
3 鋸柄
4 ボルト
5 中空部
51 鋸刃側空間
52 他端側空間
53 空気噴き出し口
54 空気透通孔
55 ノズル弁
6 コイルバネ
61 ゴム糸
7 移動子
71 透孔
72 弁
W 被加工木材
H 孔

Claims (1)

  1. 鋸柄内部にシリンダー状中空部が形成され、又、該中空部にはピストン状移動子を内蔵し、該中空部の鋸刃側端部からはその先端が鋸刃方向に向く空気噴き出し口を、該中空部の反対側端部又はその近傍位置には空気透通孔が形成されてなる鋸であって、該移動子は、鋸柄側に一端が固定された弾性体によって支持されているものであることを特徴とする鋸。
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