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JP5354520B2 - コク味付与機能を有する新規ペプチド組成物 - Google Patents
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JP5354520B2 - コク味付与機能を有する新規ペプチド組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、食品に添加して風味を増強し、コク、脂肪感、濃厚感、乳感などを付与するこ
とのできる新規組成物ならびにそれに関連する発明に関する。
ペプチドは、それ自体の味についてはあまり報告されていないが、他の味質成分との相乗
効果があることは知られている。代表的なものとして、1、うまみ 2、酸味 3、塩な
どがある。
1、については、旨み成分のイノシン酸ナトリウム(IMPと略)、グアニル酸ナトリウム
(GMPと略)、アミノ酸との相乗効果があり、旨みを引き出すことが知られている。非特
許文献1には、鶏肉蛋白質由来のペプチドがIMP存在下で厚みのある美味なうま味を有す
ると報告されている。また非特許文献2には、チーズ由来のペプチドで分子量1000以下の
4〜5残基数の水溶性ペプチドがチーズのコクに寄与していることが報告されている。また
非特許文献3には、小麦グルテン由来の分子量500〜1000のペプチドが煮干だし汁
の旨味を増強することが報告されている。
2、については、調理された豚肉蛋白質由来のペプチドには、酸味抑制や塩味の増強に寄
与していると報告されている(非特許文献4)。
3、については、魚醤油由来のペプチドが、塩味を増強することが報告されている(非特
許文献5)。
ペプチドが味にコク・厚みに寄与していることは報告されており、酵母エキスに含まれる
呈味寄与物質として厚味付与ペプチドが同定されている(非特許文献6)。ペプチドのう
ま味のエンハンス効果については、畜肉・植物などに含まれるペプチドにおいて報告され
ている。特許文献1には、酵母エキス由来のペプチドが、旨みを増強させ、飲食品に優れ
たコク味及び濃厚感付与効果があることは報告されているが、ペプチドの組成やその構造
は明らかにされていなかった。このように、うま味を持続させ、コク・厚みを付与する有
用な新規組成物の開発が望まれていた。
Biosci. Biotechnol. Biochem、Vol.63 No.3 p555〜559、1999 J.Daily Sci、Vol.90 No.11 p4966〜4973、2007 Biosci.Biotechnol. Biochem、Vol.68 No.8 p1657〜1662、2004 日本家政学会誌、Vol.45 No.7 p615〜620、1994 FISHERIES SCIENCE ,14 p921-928、2002 日本味と匂学会誌、Vol.14 No.1 p9-20、2007 特開2005−245438号公報 特開2005-245438号公報
食品のうま味を持続させ、増強させる組成物、及び製造方法、並びにそれを含有する食品
素材の提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、旨み成分、特に核酸系旨味成分と当該テトラペプチドを
用いることで課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。旨味成分を単独で用い
るよりも、旨味を増強し、コクが増すことを見出し、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、1、配列番号1Leu-Met-Lys-Pro(LMKP)で表されるテトラペプチド、配列
番号2 Ile-Lys-Gln-Asp(IKQD)で表されるテトラペプチド、配列番号3 Ala-Gln-Pro-Ala(
AQPA)で表されるテトラペプチド、配列番号4 Ala-Gln-Pro-Thr(AQPT)で表されるテトラペ
プチド、もしくはその誘導体又はそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種以
上を含有する組成物、2、配列番号1〜4のテトラペプチドと核酸系呈味成分が含まれる
組成物、3、コク味を付与機能させるために使用される、請求項1又は2の組成物、を提供
する。
本発明に使用する組成物は、LMKP或いはIKQD或いは AQPA或いはAQPTの少なくとも1種を含
むテトラペプチドを0.0001重量%以上含有したものであり、0.01重量%以上含有したものが
好ましい。
本明細書において、コク味とは、一般的に濃厚感、力強さ、動物性の味、うま味、持続性
、広がり、深みなどに関連するものを示す。本発明に用いられる核酸系旨味成分とは、5
´-グアニル酸および5´-イノシン酸を言う。
本発明のペプチドは、酵母に比較的多く含まれている。酵母としては、パン酵母、ビール
酵母、トルラ酵母などを挙げることができ、中でもトルラ酵母に多く含まれている。
本発明に用いられるペプチドは、公知の方法により作製され得る。例えば、本発明のペプ
チドは、化学合成方法(例えば、固相法(例えばFmac法)で得ることもできる。また、本
発明のペプチドを構成するアミノ酸は、L体であってもD体であってもよいが、好ましくは
L体である。
さらに本発明のペプチドは、目的のアミノ酸配列を含むタンパク質のアミノ酸配列中から
、目的のアミノ酸配列からなるペプチドをプロテアーゼ処理等の公知の手段によって切り
出すことによっても調製され得る。例えば、LMKP配列を含むタンパク質としては、表1の
ようなパン酵母由来のタンパク質があげられる。その他、LMKPの配列を含む食物ならどれ
でもよい、トルラ酵母由来のタンパク質を基質とすることが好ましい。
(表1)
Figure 0005354520
当業者は、プロテアーゼの配列特異性等を考慮して、目的のアミノ酸配列を含むタンパク
質のアミノ酸配列中から、目的のアミノ酸配列からなるペプチドを切り出すために適切な
中性プロテアーゼ(Bacillus subtilis由来)を適宜選択し得る。例えば、上記パン酵母
由来の配列からLMKP配列を切り出すためには、中性プロテアーゼ(EC3.4.24.4)を使用す
ることが挙げられる。市販のプロテアーゼとしては、エンド型プロテアーゼである、プロ
テアーゼN「アマノ」Gが挙げられる。中性プロテアーゼ(EC3.4.24.4)は、酵素濃度が低
いと疎水性アミノ酸のアミノ基側のペプチド結合を特異的に加水分解する。
タンパク質をプロテアーゼで加水分解する場合に用いられる反応条件は、特に制限されず
、技術常識に従って当業者により適宜選択され得る。例えば、市販のプロテアーゼの場合
には、その使用説明書に従って反応条件を選択することができる。一般的には、30〜80℃
、好ましくは40℃〜70℃の反応温度が使用され得る。また一般的には、2〜30時間、好ま
しくは3〜24時間の反応時間が使用され得る。反応pHとしては、使用するプロテアーゼ
の至適pH付近であることが好ましい。反応停止手段についても、特に制限はなく、公知
の手段を用いることができる。例えば、85℃で15分間加熱や100℃で5分間加熱等の加熱処
理等が挙げられる。
プロテアーゼによる加水分解処理後には、公知の手段によって精製することにより、目的
のペプチドを得ることができる。公知の手段としては、強酸性イオン交換処理やオクタデ
シルシリカ(ODC)樹脂などが利用され得る。一例としてプロテアーゼ処理後のペプチド
水溶液をODS樹脂に吸着させて任意の濃度の有機溶媒(例えば、アセトニトリル等)で溶
出することにより、目的のペプチドを精製することができる。また、プロテアーゼ処理後
のペプチド水溶液を強酸性イオン交換樹脂に吸着させて、約0.18〜0.25M塩濃度の溶出液
(塩化ナトリウム、塩化カリウム)により、目的のペプチドを精製することもできる。
このように、天然のタンパク質をプロテアーゼで加水分解して得られるペプチドは、化学
合成方法で製造する場合よりもコスト面から有利となる。さらに、天然のタンパク質をプ
ロテアーゼで加水分解して得られるペプチドは、生体に対してより安全であると考えられ
る。従って、このようにして得られたペプチドは、生体への適用に対して高い安全性が求
められる食品などに好適に使用され得る。
本発明のペプチドの誘導体は、Fmac法により固相合成法(L.A.Carpino,G.Y.Han, J.Am.Ch
em.Sci.,92,5748(1970))等に従って、当該分野で公知の方法により作製され得る。
本発明において、上述のような特定ペプチド類は、1種単独で使用しても、また2種以上を
任意に組み合わせて使用してもよい。
本発明の組成物に配合する特定ペプチド類の配合量は、本願効果を奏し得る限り特に限定
されないが、通常は食品組成物に対して0.00001〜50重量%程度とするのが良い。特に0.00
1〜1重量%配合することが好ましい。
本発明のペプチド類と核酸呈味成分との配合重量比は、本願効果を奏し得る限り特に制限
されないが、通常は、核酸系呈味成分(5´-グアニル酸および5´-イノシン酸)1重量部
に対して特定ペプチド類が0.0001〜1000重量部、好ましくは0.001〜100重量部、より好ま
しくは0.01〜10重量部である。この配合比あれば扱いやすく、他の成分に配合しやすい。
使用もしくは配合できる食品の例としては、油脂食品、ベーカリー製品、製菓類、めん類
、米加工品、小麦加工品、とうもろこし加工品、豆(大豆・小豆等)加工品、穀物(蕎麦
、ひえ、あわ、きび)加工品、乳製品、スープ類、飲料、調味料類、畜肉加工品、水産加
工品、調理・惣菜、健康食品、低カロリー食品、アレルギー患者用食品、乳児用食品、老
人用食品、美容食品、薬用食品等が挙げられ、さらにはそれらの冷凍食品、レトルト食品
、インスタント食品、缶詰等が挙げられる。
上記油脂食品の例としては、マーガリン、ショートニング、ホイップクリーム、クリーム
、サラダオイル、カスタードクリーム、ディップクリーム、ファットスプレッド、マヨネ
ーズ、タルタルソース、ドレッシング、揚油等が挙げられる。
上記ベーカリー製品の例としては、パン、食パン、菓子パン、惣菜パン、フランスパン、
クロワッサン、パイ、カステラ、スポンジケーキ、バターケーキ、シュー菓子、ワッフル
、蒸しパン、発酵菓子等が挙げられる。
上記製菓類の例としては、スナック菓子、ドーナッツ、ビスケット、クラッカー、饅頭、
和菓子、ようかん、最中、ういろう、団子、大福餅、キャンデー、ガム、チョコレート、
飴、アイスクリーム、ソフトクリーム、シャーベット、アイスキャンデー、ラクトアイス
、氷菓、ゼリー、プリン、デザート、トッピング等が挙げられる。
上記米加工品の例としては、米飯類(冷凍米飯、無菌米飯等を含む)、おにぎり、にぎり
鮨、巻き鮨、ちらし鮨、餅、炒飯、ピラフ、お茶漬け、ドリア、ビーフン、あられ、せん
べい等が挙げられる。
上記小麦加工品の例としては、シリアル、うどん、ピザ、パスタ、ほうとう、中華そば、
焼きそば、ちゃんぽん、お好み焼き、もんじゃ焼き、ピロシキ、饅頭、カップ麺及びその
具等が挙げられる。
上記とうもろこし加工品の例としては、コーンフレーク、コーンスナック、ポップコーン
等が挙げられる。
上記大豆加工品の例としては、豆腐、豆乳、豆乳飲料、湯葉、油揚げ、厚揚げ、がんも
どき、あん、みそ、各種豆料理等が挙げられる。
上記穀物(蕎麦、ひえ、あわ、きび)加工品、農産物(ジャガイモ・サツマイモ・サトイ
モ・トロロイモ等)加工品の例としては、蕎麦、ポテトチップ、スイートポテト、ポテト
フライ、各種いも料理等が挙げられる。
上記乳製品の例としては、牛乳、加工乳、ヨーグルト、乳清飲料、乳酸菌飲料、バター、
チーズ、コーヒーホワイトナー等が挙げられる。
上記スープ類としては、ポタージュスープ、コンソメスープ、シチュー、味噌汁、お吸い
物、雑煮、カレー等が挙げられ、これらの具材の中に添加してもよい。あるいは、グルト
ンのように、これらのスープ類に直接添加する食品中に添加してもよい。
上記飲料の例としては、清涼飲料水、炭酸飲料水、コーラ、ジュース、果汁、野菜ジュー
ス、トマトジュース、シェーク、日本酒、ビール、発泡酒、洋酒、ワイン、果実酒、カク
テル、茶、紅茶、コーヒー、カフェオレ、ウーロン茶、青汁、ミネラルウオーター、水等
が挙げられる。
上記調味料類の例としては、醤油、魚醤(いかなご醤油、いわし醤油、塩汁、ナンプラー
等)、味噌、ジャム、ソース、ウスターソース、トマトソース、トマトケチャップ、トマ
トペースト、トマトピューレ、チリソース、たれ、胡椒、トウガラシ、ニンニク、ショウ
ガ、食酢、ラー油、タバスコ、食塩、各種香辛料等が挙げられる。
上記畜肉加工品の例としては、ハンバーグ、ソーセージ、サラミソーセージ、ハム、ミー
トボール、肉団子、肉まん、餃子、シュウマイ、各種肉料理等が挙げられる。
上記水産加工品の例としては、かまぼこ、さつま揚げ、つみれ、練り製品等が挙げられる
上記健康食品または薬用食品の例としては、サプリメント、錠剤、ドリンク剤、スポーツ
ドリンク等が挙げられる。
食品への配合する場合は、その目的に応じて配合量を決めればよいが、例えば食品の全体
量に対して0.0001〜50重量%、特に0.001〜1重量%配合することが好ましい。
本発明の組成物は、前記ペプチドもしくはその誘導体またはそれらの塩が例えば、食品分
野等において通常使用される担体、基材、および添加剤等を本発明の目的を達成する範囲
内で適宜配合して調製することができる。担体としては、例えば糖類(グルコース、マル
トース、マンニトール、乳糖、脱脂粉乳、デキストリン等)、セルロース類(例えば、ヒ
ドロキシプロピルセルトース、メチルセルロース、結晶性セルロース)、水難溶性ガム類
(例えば、アラビアガム、トラガントガム等)、架橋ビニル重合体、脂質類等が1種また
は2種以上組み合わせて用いられ得る。特に風味向上に好ましいのはDEの高いデキストリ
ン、脱脂粉乳である。
使用もしくは配合できる飼料の例としては、家畜用飼料、ペット用飼料、魚介類用飼料、
養殖魚用飼料があげられる。
飼料へ配合する場合は、その目的に応じて配合量を決めればよいが、例えば飼料の全体量
に対して0.01〜10重量%、特に0.01〜0.5重量%配合することが好ましい。
本発明のテトラペプチドを食品、医薬品、飼料などに使用する場合、更に、摂取した場合
に身体に何らかの生理活性を与える物質を配合してもよい。例えば、アミノ酸、ペプチド
、脂質、多糖類、オリゴ糖類、タンパク質、糖質、食物繊維、酵素成分等が挙げられる。
これらの生理活性を与える物質の具体的な例としては、高度不飽和脂肪酸(EPA・DHA)、
血清コレステロールを調節する植物ステロール、およびそのエステル化物、ジアシルグリ
セロール、γリノレン産、αリノレン酸、リノール酸、共役リノール酸等の不飽和脂肪酸
、ビートファイバー、コーンファイバー、サイリウム種皮、茶ポリフェノール、レシチン
、かつお節ペプチド、イワシペプチド、カゼインデカペプチド、大豆分離蛋白質等、乳酸
菌、グルコン酸、オリゴ糖。その他、クロレラ、スピルリナ、プロポリス、キチン、キト
サン、デオキシリボ核酸、リボ核酸、霊芝、アガリクス、銀杏葉エキス、らかん果、ウコ
ン、ガルシニア、コラーゲン、ブルーベリー、アロエ、ノコギリヤシ、カプサイチン、ル
テイン、β-クリプトキサンチン、レニン、タウリン、カゼイン、コラーゲン、グルコサ
ミン、カゼインホスホペプチド、テアニン、ギャバ、アスパルテーム、キシリトール、リ
カルデント、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、フコインダン、コンドロイチン、ヒア
ルロン産、セルロース、ペプチン、難消化デキストリン、グルコマンナン、イヌリン、フ
ラクタン、シクロフラクタン、ジフラクトース、レバン、ムチン、フラボノイド、ポリフ
ェノール、カテキン、タンニン、アントシアニン、ルチン、ケルセチン、大豆イソフラボ
ン、大豆サポニン、大豆グロブリン、クロロゲン酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、カプサ
イシン、ゴマリグナンアリシン、カフェイン、クロロフィル、納豆キナーゼ、βラクトグ
ロブリン、植物発酵酵素、メバロン酸、葉緑素、ローヤルゼリー、高麗人参、プルーン、
カモミール、タイム、セージ、ペパーミント、レモンパーム、マロウ、オレガノ、ビタミ
ン類、カルシウム含有化合物等のカルシウム強化材、鉄含有化合物等の鉄分強化剤、必須
ミネラルを含有するミネラル強化材、さらには動植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分
等の天然由来成分の生理活性成分等が挙げられる。
配合できるビタミン類としては、食品添加物中で強化剤として挙げられているものを使用
することができ、例えばビタミンB12、葉酸、パントテン酸、ナイアシン、ビオチン、ビ
タミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、これらの誘導体、油脂コーティングしたビ
タミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸、ナイアシン、
ビオチン、ビタミンC、コエンザイムQ10などがある。ビタミン類の誘導体の具体例は、ビ
タミンB1としてチアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイル
チアミン硝酸塩、チアミン硫酸塩、ジベンゾイルチアミン、ビタミンB2としてリボフラビ
ン酪酸エステル、リボフラビン5´-リン酸エステルナトリウムなど、ビタミンB6としてピ
リドキシン塩酸塩、ビタミンCとしてL-アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L-アスコ
ルビン酸ナトリウムなどが挙げられる。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって
限定されるものではない。
(実施例1) (1)酵母菌体からの酵素処理キャンディダ・ウチルスKLS−0582(FERM
P-7396)の10%菌体懸濁液1000mlを硫酸でpH3.5に調整し、60℃、30分間処理した後、遠
心分離で菌体を回収し水で洗浄した。本菌体を水で菌体濃度10%に調整、懸濁した後、90
度、30分間加熱し、菌体内酵素を完全に失活させ、40℃、pH7.0で細胞壁溶解酵素(ツ
ニカーゼ大和化成製)0.5gを加え4時間反応した。遠心分離により菌体残渣を除去し、得
られた上澄液をpH5に調整し、リボヌクレアーゼアマノD(天野エンザイム製)0.1gを加
え、65℃で4時間反応、次いでデアミナーゼ(天野エンザイム製)0.3gを加え50℃で4時間
反応した。反応終了後、反応液を加熱し添加した酵素を失活させた後、濃縮、スプレード
ライ、酵母エキス30gを得た。 本酵母エキスは、5´‐GMP5.5重量%、5´‐IMP5.5重量%
を含有していた。また、酵母エキス中のペプチドの含有量は92.7重量%(全アミノ酸量:1
7.8重量%、遊離アミノ酸量:1.3重量%)であった。
本発明ペプチドの分画と各分画物の官能試験(1)ペプチドの分取方法 5重量%の上記記
載の酵母エキス水溶液100mlをODS樹脂(Chromatorex,100-200mesh,富士シリシア化学製)
カラム(124ml)に添加し、水100ml→5%EtOH 200ml→10% EtOH 200ml→100%EtOH 200mlの
順にステップワイズ溶出し、200ml毎に分画した。通液条件は、カラム25℃、流速5ml/min
。 核酸含量がほぼ完全に除去されたペプチド10% EtOHで溶出される画分(10%EtOH画分)
200mlをロータリーエバポレーターにより濃縮乾固し、50mlまで濃縮した。濃縮液をゲル
ろ過樹脂(Sepahadex G-25,Amersham Bioscience製)カラム(195ml)に添加し、蒸留水
にて溶出し、10ml毎に440mlまで分画した。通液条件として、カラム温度25℃、流速10 ml
/min。分画物について波長280nmの吸光値を測定し、図1のクロマトグラムとなった。ク
ロマトグラムを基に、溶出液0〜180mlをG1画分、180〜220mlをG2画分、220〜320ml をG3
画分とした。分子量の測定は、表2に示した条件にて行った。図2に表2の条件で測定した標品と10%EtOH画分のクロマトグラムを示した。標品の保持時間から、G1画分は数万〜700、G2画分は700〜400、G3画分は400未満であると推定された。
表2に分子量測定の条件を示す。
(表2)
Figure 0005354520
表3に、酵母エキスの全体量に占める各画分の割合(重量/重量%)を示す。
(表3)
Figure 0005354520
表4に、10%EtOH画分の全体に占めるG1〜G3画分の割合(重量/重量%)を示す。
(表4)
Figure 0005354520
各画分の官能評価試験ヌクレオチドとの相乗効果試験5´-グアニル酸Na(5´-GMP、ヤマ
サ醤油社製)200ppm溶液に対して、上記の分画物を固形分換算で400ppmになるように添加
した。パネラー5名により官能評価を行った。5´-GMP溶液のみ喫飲した場合をコントロ
ールとして、後味のコクの強さを指標に評価した。表5における記号の意味は、以下のと
おりである:×;コントロール以下、△;コントロールと同程度、○;コントロールより
後味のコク味が強い、◎;コントロールより後味のコク味が非常に強い。G2画分添加区で
は、5´-グアニル酸の旨味を感じてから、しばらく味が残り、ひろがりがあるものであっ
た。
(表5)
Figure 0005354520
(1)G2画分のペプチドの精製と同定G2画分を逆相高速液体クロマトグラフィーにより、280nmで検出された4種のピークを分取した。(2)G2画分のペプチドの同定G2画分中のピークについて、エドマン分解法によりペプチドシーケンスに供し、それぞれの配列を決定した。Leu-Met-Lys-Pro、Ile-Lys-Gln-Asp、Ala-Gln-Pro-Thr 、Ala-Gln-Pro-Alaがであった。G2画分中に、それぞれ0.057重量%、0.024重量%、0.001重量%、0.002重量%含まれていた。
(図1)
Figure 0005354520
(図2)
Figure 0005354520
本発明により、旨味を増強し、濃厚感を付与する有用な新規組成物が提供される。本発明
の組成物は、旨み成分を増強するために使用することができ、飲食品への少量の添加で旨
みを持続させ、増強することができる。本発明の新規テトラペプチド組成物は、それ自体
は無味でありながら、食品に添加するだけでコク、脂肪感、濃厚感を付与することができ
る。

Claims (3)

  1. 配列番号1で表されるテトラペプチド、配列番号2で表されるテトラペプチド、配列番号3で表されるテトラペプチド及び配列番号4で表されるテトラペプチドを含有する組成物。
  2. 配列番号1〜4のテトラペプチドを含有する請求項1の組成物と核酸系呈味成分が含まれる組成物。
  3. コク味を付与させるために使用される、請求項1又は2の組成物。
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