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JP5355349B2 - レーザースクライブ装置 - Google Patents
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本発明は、太陽電池モジュールのセルの回路パターン形成時等に使用されるレーザースクライブ装置に関する。
レーザー光を照射することによって被加工物に溝を形成するレーザースクライブ装置が、基板の分割溝の形成や、薄膜太陽電池のパターン加工に利用されている。レーザースクライブ装置は、被加工物を載置するステージ、被加工物にレーザー光を照射するレーザー光源、被加工物に照射されるレーザー光の照射位置を走査する走査機構を備える。
このようなレーザースクライブ装置では、加工時に被加工物から発生する発塵物が、レーザー光の光学系に付着したり、被加工物に付着したりするといった問題を生じる。そこで、発塵物の付着を低減するために、レーザー光を照射する光学系と被加工物との間のレーザー光に向かって気体を噴出する技術が、例えば特許文献1に開示されている。
また、レーザースクライブを行った後に、エアーブローや真空吸引により発塵物を除去する技術が、例えば特許文献2に開示されている。また、照射部分の近傍で発塵物を吸引するとともに、吸引方向に発塵物を拡散させるためにガスを吹き付ける技術が、例えば特許文献3に開示されている。
特開平11−58050号公報 特開2001−196610号公報 国際公開第2008/143042号
しかしながら、上記従来の技術によれば、気体の噴出により発塵物を加工溝から吹き飛ばしているが、加工溝から吹き飛ばされた発塵物が基板表面に付着してしまう。また、被加工物から発生した発塵物を吸引する場合にも、吸引部から離れた領域に飛散してしまった発塵物が、基板表面に再度付着してしまう場合がある。
例えば、太陽電池モジュールでは、ガラス基板の上に透明電極が形成され、レーザースクライブにより回路パターンが形成される。その上に光電変換層が形成され、光電変換層の回路パターンをレーザースクライブにより形成する。最後に光電変換層の上に裏面電極を形成し、レーザースクライブにより裏面電極をパターニングして太陽電池モジュールが完成する。
ここで、透明電極にレーザースクライブを行う際に、基板表面に発塵物が付着すると、次工程における光電変換層の形成後の洗浄時に、異物上の光電変換層が透明電極層の発塵物ごと脱落し、部分的に透明電極が基板表面に露出される箇所ができてしまう。この露出部分では、次工程の裏面電極形成時に、透明電極上に直接裏面電極が形成されることになり短絡する。そのため、製品の歩留まりが低下するという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、レーザースクライブ時に発生する発塵物の基板表面への付着を低減して、太陽電池モジュール等の製造における歩留まりの向上を図ることのできるレーザースクライブ装置を得ることを目的としている。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、レーザー光源からのレーザー光を走査させて被加工物をレーザースクライブするレーザースクライブ装置であって、被加工物へのレーザー光の照射位置近傍に向けて、レーザー光の走査方向の両側から気流を噴出する気流噴出ノズルと、被加工物へのレーザー光の照射位置の近傍で気流を吸引する吸引ノズルと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、気流噴出ノズルから噴出される気流により形成される層流の壁で発塵物の飛散を抑え、吸引ノズルで発塵物を吸引して除去するので、発塵物の基板表面への付着を低減して、太陽電池モジュール等の製造における歩留まりの向上を図ることができるといった効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1に係るレーザースクライブ装置の概略構成を示す図である。 図2は、気流噴出ノズル部分を拡大した部分拡大斜視図である。 図3は、気流噴出ノズル部分を拡大した部分拡大側面図である。 図4は、吸引ノズル部分を拡大した部分拡大斜視図である。 図5は、吸引ノズル部分を拡大した部分拡大側面図である。 図6は、本発明の実施の形態2に係るレーザースクライブ装置の気流噴出ノズル、吸引ノズルを説明するための部分斜視図である。 図7は、気流噴出ノズルの先端部分を示す平面図である。
以下に、本発明にかかるレーザースクライブ装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るレーザースクライブ装置の概略構成を示す図である。レーザースクライブ装置20は、被加工物である薄膜太陽電池のガラス基板1を載置するステージ10、載置されたガラス基板1にレーザー光2を照射するレーザー光源11、レーザー光2の照射位置を走査する走査機構(図示せず)を備える。ガラス基板1は加工する膜面(加工面)を下側に向けてステージ10上に保持される。レーザー光2は膜面の反対面側から照射される。
薄膜太陽電池においてシリコンを主成分とする光電変換膜を加工するには、YAGの2倍高調波のパルスレーザなどの可視レーザーをレーザー光源11として用いるのが好適である。パルスでレーザー光2を照射しながら走査することで、ガラス基板1上の透明電極膜5などに連続した溝が形成される。
ガラス基板1の加工面側となるステージ10の下部には、気流噴出ノズル3と吸引ノズル4とが設けられている。レーザー光2を照射すると同時に気流噴出ノズル3からガラス基板1にガスを吹き付け、吸引ノズル4から吸引を行う。気流噴出ノズル3には、ガス供給源13からガスが供給される。ガス供給源13は、例えば、窒素ガスなどを供給するガスボンベや、圧縮空気を供給するコンプレッサーなどである。
吸引ノズル4には排気ポンプ15が接続される。吸引ノズル4と排気ポンプ15との間に、発塵物の粒子を補足するフィルターを備えてもよい。このように、レーザースクライブ装置20は、ガス供給源13や排気ポンプ15などの気流発生装置と、これらと接続される各ノズル3,4による気流制御構造を備える。
図2は、気流噴出ノズル3部分を拡大した部分拡大斜視図である。図3は、気流噴出ノズル3部分を拡大した部分拡大側面図である。
気流噴出ノズル3は、レーザー光2の照射位置近傍に向かって集中するように、走査方向の両側から気流を吹き付ける構造となっている。具体的には、気流噴出ノズル3からの気流の噴出方向が、レーザー光2と平行な方向に対して、レーザー光2の照射位置側に傾いた方向となるように、気流噴出ノズル3が設けられている。気流噴出ノズル3の噴出口3aは、走査方向6に平行に延びた形状をなしている。噴出口3aからは整流された気流が噴出される。気流噴出ノズル3は、レーザー光2の走査とともに移動し、レーザー光2の照射位置近傍に気流を吹き付けることができるようになっている。また、それぞれの気流噴出ノズル3から噴出される気流の中心は、レーザー光2の照射位置の中心からわずかに手前側に向かうようにされている。これにより、形成される溝エッジ部に気流が当たるように調整される。また吸引ノズル4は、レーザー光2の照射位置よりも走査方向6の手前側に配置される。また、吸引ノズル4は、レーザー光2の走査とともに移動し、レーザー光2の照射位置近くで吸引を行うことができるようになっている。
図3に示すように、走査方向6の両側からの気流は、レーザー光2の照射位置の付近でぶつかり合って基板に平行な成分が打ち消し合い、レーザー光2の照射位置の付近でガラス基板1の表面に対して垂直な方向に、ガラス基板1から離れる気流が発生する。レーザースクライブによりレーザー光2の照射位置で発生する発塵物8は、この気流とともにガラス基板1表面から離される。そして、ガラス基板1から離れる気流と発塵物8は、走査方向6の手前側に配置された吸引ノズル4によって吸引される。
本実施の形態1では、レーザー光2は透明なガラス基板1を通過して、レーザー光2が射出する側の面を加工する。加工箇所で生じる発塵物8は、ガラス基板1から離れる気流によって、ガラス基板1表面から離され、吸引ノズル4によって吸引されるので、レーザー光2の光学系への発塵物8の付着を抑えることができる。また、吸引ノズル4は、ガラス基板1からのレーザー光2の射出面側に配置されるので、吸引ノズル4がガラス基板1を加工する前のレーザー光2を遮ることがない。したがって、吸引ノズル4を配置する位置の自由度を高めることができる。
また、本実施の形態1では、気流噴出ノズル3の角度を変更可能にしている。これにより、気流噴出ノズル3からの気流の噴出方向同士がなす角度θが変更可能となる。角度θを調整することで、例えば、レーザースクライブにより形成される溝の幅を変更した場合にも、より確実に溝エッジ部に気流を当てることができ、発塵物8の効率的な吸引を実現することができる。なお、角度θとしては60〜120度程度が好ましい。
図3に示すように、気流噴出ノズル3からの気流の中心線が、ガラス基板1の表面と交差する位置は、形成される溝のエッジよりも少し外側となるのが好ましい。たとえば0.03〜0.1mm程度の幅の溝を形成する場合、溝のエッジから0.1〜0.3mm程度、外側に離れた位置となることが好ましい。また、気流噴出ノズル3の先端とガラス基板1表面との間隔は、気流があまり拡散しないように十分に近いことが望ましく、たとえば3〜10mm程度とすることが好ましい。
図4は、吸引ノズル4部分を拡大した部分拡大斜視図である。図5は、吸引ノズル4部分を拡大した部分拡大側面図である。吸引ノズル4は、気流噴出ノズル3から噴出される気流のほとんどを吸引できるように、吸引量調整バルブ14により吸引力が調整される。吸引ノズル4からの吸引力を強くしすぎると、周囲から発塵物8以外のゴミを呼び込み、ガラス基板1表面へのゴミの付着を招くおそれがある。そこで、吸引ノズル4からの吸引力は、気流噴出ノズル3から噴出されるすべての気流を吸引できる吸引力よりも少し強いぐらいの吸引力に調整されることが好ましい。
このような構成にすることで、気流噴出ノズル3から噴出される整流された気流のうち、ガラス基板1に向かう気流によって、レーザー光2の照射位置を両側から囲む層流の壁を形成することができる。この層流の壁により、レーザースクライブによって発生する発塵物8を層流の壁内に閉じ込めて、ガラス基板1の表面に飛散するのを抑えることができる。また、上述したように、気流噴出ノズル3から噴出される気流のうち、ガラス基板1から離れる気流によって、層流の壁内に閉じ込めた発塵物8を、ガラス基板1から離して、確実に吸引ノズル4で吸引して除去することができる。このように、ガラス基板1の表面への発塵物8の付着を抑えることで、基板洗浄時の光電変換層の剥離を大幅に低減できることから、短絡による歩留まりの低下を抑制することができる。なお、走査方向6の両側からではなく、単に一方側から気流を噴出させた場合には、発塵物8を閉じ込めることができないため、発塵物8の飛散を抑えることは難しく、発塵物8がガラス基板1の表面に付着しやすくなる。
また、図示していないが、気流噴出ノズル3からの気流の流れをより安定化させるために気流噴出ノズル3に、整流板を組み合わせたノズルを用いてもよい。さらに気流の摩擦による帯電を防止するために気流噴出ノズル3に導入される気体に帯電防止処理を行っておくとなおよい。また、本実施の形態1では、吸引ノズル4を気流噴出ノズル3よりもレーザー光2の走査方向6に対する手前側に配置した構成を示したが、吸引ノズル4がレーザー光2の走査方向6に対する奥側に配置されていても構わない。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2に係るレーザースクライブ装置21の気流噴出ノズル23、吸引ノズル24を説明するための部分斜視図である。図7は、気流噴出ノズル23の先端部分を示す平面図である。実施の形態1と同様の構成には、同様の符号を付し、詳細な説明は省略する。また、図6ではステージやガス供給源等の図示を省略している。実施の形態2では、図7に示すように、気流噴出ノズル23の先端である噴出口23aは、平行スリット部(第1噴出口)23bと円弧部(第2噴出口)23cとを備える。平行スリット部23bは、レーザー光2の走査方向6の両側に走査方向6と平行に延びた形状を呈する。円弧部23cは、半円弧形状を呈し、平行スリット部23bの間に設けられる。平行スリット部23bと円弧部23cとは一体に連結されており、噴出口23aは、1の噴出口となっている。平行スリット部23bと円弧部23cとにより、噴出口23aは、全体として平面視においてU字型形状を呈する。
平行スリット部23bは、実施の形態1と同様に、ガラス基板1の表面に向けて、整流された気流を噴出する。平行スリット部23bは、円弧部23cと連結されており角度調整が難しいため、あらかじめワーク加工溝のエッジ部に気流が当たりやすい噴出方向となるように噴出方向や設置角度が設定されている。また、円弧部23cからは、レーザー光2の照射位置に対する走査方向6の奥側から、レーザー光2の照射位置近傍に向けて気流が噴出される。より具体的には、円弧部23cからは、円弧の中心側へ向かった気流が噴出される。また、加工溝のエッジ部に適切に気流を当てるために、気流噴出ノズル3のヘッド部とワークとのギャップが調整できるようになっている。
平行スリット部23bは、レーザー光2の走査方向6の両側に走査方向6と平行に延びるので、実施の形態1と同様に発塵物8を層流の壁内に閉じ込めて、ガラス基板1の表面に付着することを抑えることができる。また、円弧部23cから噴出される気流によっても層流の壁が形成される。この円弧部23cからの気流によって形成される層流の壁により、平行スリット部23bからの気流によって形成される層流の壁の間から発塵物が飛散するのを防いで、より確実に層流の壁内に発塵物を閉じ込めることができる。また、吸引ノズル24を、レーザー光2の照射位置に対してレーザー光2の走査方向6の手前側、すなわち円弧部23cからの気流によって形成される層流の壁の反対側に配置することで、層流の壁に囲まれていない部分から飛散する発塵物も吸引ノズル24で確実に吸引して除去することができる。
このように、レーザースクライブによって発塵した発塵物が、層流の壁内に閉じ込められて除去されるため、ガラス基板等の被加工物の表面への発塵物の付着を防止できる。また、発塵物に起因する基板洗浄時の光電変換層の剥離を大幅に低減できるために、短絡による歩留まり低下を抑制することができる。
なお、本実施の形態2では、気流噴出ノズル23の噴出口23a形状をU字型としているが、円弧部23cに相当する部分を直線形状として、噴出口23aの形状を全体としてコの字型としても構わない。また、平行スリット部23bと円弧部23cとを一体に形成しているが、それぞれを分離させて形成しても構わない。
また、円弧部23cを走査方向6に対して手前側に配置してもよい。この場合、吸引ノズル24を走査方向に対して奥側に設けることで、層流の壁に囲まれていない部分から飛散する発塵物も吸引ノズル24で確実に吸引して除去することができる。
以上のように、本発明に係るレーザースクライブ装置は、被加工物のレーザースクライブに有用であり、特に、発塵物を除去しながらのレーザースクライブに適している。
1 ガラス基板(被加工物)
2 レーザー光
3 気流噴出ノズル
3a 噴出口
4 吸引ノズル
5 透明電極膜
6 走査方向
8 発塵物
10 ステージ
11 レーザー光源
13 ガス供給源
14 吸引量調整バルブ
15 排気ポンプ
20,21 レーザースクライブ装置
23 気流噴出ノズル
23a 噴出口
23b 平行スリット部(第1噴出口)
23c 円弧部(第2噴出口)
24 吸引ノズル

Claims (6)

  1. レーザー光源からのレーザー光を走査させて被加工物をレーザースクライブするレーザースクライブ装置であって、
    前記被加工物の前記レーザー光が照射される面の反対面側に、
    前記レーザー光の照射位置近傍に向けて、前記レーザー光の走査方向の両側から気流を噴出する気流噴出ノズルと、
    前記被加工物へのレーザー光の照射位置の近傍に設けられて、前記走査方向の両側から噴出した前記気流の間で気流を吸引する吸引ノズルと、を備え
    前記気流噴出ノズルおよび前記吸引ノズルは、前記被加工物に対して、前記レーザー光の走査とともに移動することを特徴とするレーザースクライブ装置。
  2. 前記気流噴出ノズルは、気流の噴出方向が、前記レーザー光と平行な方向に対して前記レーザー光の照射位置側に傾くように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のレーザースクライブ装置。
  3. 前記気流噴出ノズルからの気流の噴出方向を変更可能であることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザースクライブ装置。
  4. 前記気流噴出ノズルは、
    前記レーザー光の走査方向の両側から前記レーザー光の照射位置近傍に向けて気流を噴出する第1噴出口と、
    前記レーザー光の照射位置に対する前記レーザー光の走査方向の手前側および奥側の少なくとも一方側から、前記レーザー光の照射位置近傍に向けて気流を噴出する第2噴出口と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のレーザースクライブ装置。
  5. 前記第1噴出口と前記第2噴出口とが連結されて1の噴出口を形成することを特徴とする請求項4に記載のレーザースクライブ装置。
  6. 前記第2噴出口は、円弧状の形状をなすことを特徴とする請求項5に記載のレーザースクライブ装置。
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