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JP5356288B2 - 架空送電線の仮設構造及び仮設工法 - Google Patents
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JP5356288B2 - 架空送電線の仮設構造及び仮設工法 - Google Patents

架空送電線の仮設構造及び仮設工法 Download PDF

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Description

本発明は、鉄塔を介して配線される架空送電線の張り替え工事、または既設鉄塔の建て替え工事或いは新築工事の際に、既設の架空送電線に代わる送電線を仮設するための架空送電線の仮設構造及び仮設工法に関する。
一般的な架空送電線100は、図16に示すように、地上に設置された複数の鉄塔101を介して支持され、変電所102(或いは発電所、電力供給先など)間を接続する態様で配線される。このような架空送電線路104(架空送電線100および鉄塔101によって構成される)の老朽化が生じた場合、この架空送電線路104の改築工事が行われる。
この架空送電線100の張り替え工事および/または既設の鉄塔101の建て替え或いは新築工事は、図17に示すように、既設の鉄塔101の横、すなわち現有敷地外の他の敷地に仮設鉄塔101aを新築し、この仮設鉄塔101aに仮設の架空送電線100aを張り、仮設の架空送電線路103(仮ルート)を確保してから行われる。この仮ルート103を確保することで、電力供給の停止を最小限に留めている。
その後、既設の架空送電線100および/または既設の鉄塔101を撤去して、新たな鉄塔および架空送電線を同一敷地内に建設する。
一方、市街地化の進展した地域では、上述した鉄塔101aの建て替え用の敷地を確保することが困難な場合がある。そのために、FJ(Faraway Jumper)工法が開発された(例えば、特許文献1参照)。このFJ工法では、上述した架設鉄塔101aの建設を行わずに、所定の1つの既設鉄塔の近辺に仮設の鉄柱またはコンクリート柱を建設し、既設の架空送電線同士を接続しているジャンパ線をこの仮設の鉄柱またはコンクリート柱へと引き回すことにより行われる。これにより、裸線であるジャンパ線と鉄塔との距離を十分に引き離し、鉄塔部分での架空送電線の張り替え作業スペースおよび安全性を確保している。このFJ工法は、鉄柱またはコンクリート柱を建設する敷地とジャンパ線の引き回しに必要な敷地が確保できれば施工が可能であるため、上述した図17に示す工法のように、広大な敷地を確保する必要がない点で優れている。
特開平11−18225号公報
しかしながら、上述したFJ工法では、1つの鉄塔においてジャンパ線を引き回して作業するものであるため、老朽化した架空送電線の張り替えを行うことはできても、既設の鉄塔自体を建て替えることは困難であった。そのために、FJ工法とセットで、既設鉄塔を包み込みながら新鉄塔を建設する包み込み工法も開発されているが、作業スペースが限られてしまうため、作業性が悪く、鉄塔建て替えスケジュールが長期間必要となってしまう。また、複数の鉄塔をそれぞれ建て替えようとした場合、それぞれの鉄塔についてFJ工法と包み込み工法をセットで行う必要があるため、工事費用が高くなってしまう。
さらに、FJ工法だけを行うにしても、図17に示す工法と比較して、確保する敷地面積は小さくてすむものの、鉄柱またはコンクリート柱を建設するための敷地、およびジャンパ線の引き回しに必要な敷地は確保しなければならず、市街地化された土地での敷地面積の確保が困難な場合がある。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、既設の架空送電線路の改築に必要な敷地面積をより小さくし、かつ、従来に比べて鉄塔建て替えを短期間で行うことができる架空送電線の仮設構造及び仮設工法を提供するためのものである。
上述課題を解決するため、本発明は、鉄塔の上部に架設された既設の架空送電線路に代わる仮設の架空送電線路を構成するための架空送電線の仮設構造であって、既設の架空送電線に代わって電力を送電するための絶縁性を有する電力ケーブルを、既設の架空送電線路の敷地内に間隔を開けて配置された柱部材間に架設したことを特徴とする。
また、前記電力ケーブルは、導体がアルミニウム若しくはアルミニウム合金で形成されている。
さらに、前記柱部材を、既設の鉄道路線の敷地内または高速道路の側溝或いは側壁に設置することもできる。
また、前記既設の架空送電線から分岐して前記鉄塔本体に沿って下方に向けて配線される絶縁性を有する縦電力ケーブルを、前記鉄塔の敷地内または架空送電線路の敷地内で前記電力ケーブルと接続してもよい。
さらに、前記鉄塔から架空送電線の配線方向へ延出する腕金を設け、この腕金から下方に向け配線されると共に前記架空送電線から分岐する態様で接続される縦母線を、前記鉄塔の敷地内または架空送電線路の敷地内で前記電力ケーブルと接続してもよい。
さらにまた、前記腕金には、前記縦母線の上端部を支持し、前記縦母線と前記腕金とを絶縁するためのポリマー碍子を設けるようにしてもよい。
他方、既設の架空送電線路に代わる架空送電線の仮設工法であって、既設の架空送電線に代わって電力を送電するための絶縁性を有する電力ケーブルを、既設の架空送電線路の敷地内に間隔を開けて配置された柱部材間に架設することを特徴とする。
また、上記工法であって、前記柱部材を、既設の鉄道路線の敷地内または高速道路の側溝或いは側壁に設置することもできる。
さらに、上記工法であって、既設の鉄塔の上部に架設された前記架空送電線から分岐して前記鉄塔本体に沿って下方に向けて配線される絶縁性を有する縦電力ケーブルを、前記鉄塔の敷地内または架空送電線路の敷地内で前記電力ケーブルと接続してもよい。
さらにまた、上記工法であって、前記鉄塔から架空送電線の配線方向へ延出する腕金から、下方に向け配線されると共に前記架空送電線から分岐する態様で接続される縦母線を、前記鉄塔の敷地内または架空送電線路の敷地内で前記電力ケーブルと接続してもよい。
本発明に係る架空送電線の仮設構造及び仮設工法では、既設の架空送電線に代わって電力を送電するための絶縁性を有する電力ケーブルを、既設の架空送電線路の敷地内に間隔を開けて配置された柱部材間に架設しているので、仮設の架空送電線路を確保する際に柱部材等を建設するための新たな敷地を確保する必要性を少なくすることができる。そのため、従来工法と比べて、用地費、資材費、工事費を削減することができる。
また、仮設の架空送電線路を確保することができるので、既設の架空送電線の撤去のみならず、鉄塔の改築、新築工事を効率よく安全に行うことができる。そのため、従来工法に比べて、これらの改造、改築工事を短期間で行うことができる。
本発明の実施の形態に係る架空送電線の仮設構造の全体概要を示す平面図である。 仮設の電力ケーブルを支持している柱の正面図である。 仮設の電力ケーブルを支持している柱の他の実施形態の正面図である。 仮設の電力ケーブルを支持している柱の他の実施形態の正面図である。 電力ケーブルの断面図であって、(A)はアルミの芯線を使用したもの、(B)は3つのケーブルを1本にまとめたものである。 図1に示す既設鉄塔を架空送電線の配線方向と直角な方向から見た正面図であって、ジャンパ線から分岐した電力ケーブルを鉄塔下側に引き回した状態を示す図である。 図6の上相腕金部付近においてジャンパ線から電力ケーブルが分岐する部分を拡大して示す正面図である。 図6に示す鉄塔の側面図である。 図6の他の実施例であって、鉄塔を架空送電線の配線方向と直角な方向から見た正面図である。 図9に示す鉄塔の側面図である。 図9に示す鉄塔上部の腕金と電力ケーブルとの接続部の拡大図である。 図6のさらに他の実施例であって、鉄塔を架空送電線の配線方向と直角な方向から見た正面図である。 図12に示す鉄塔の側面図である。 地上架台での電力ケーブルの固定方法を示す概要図である。 図14に示す電力ケーブルを地上架台の上で接続した状態を示す概要図である。 既設の架空送電線路を上側から見た平面図である。 既設の架空送電線を新設鉄塔に張り替えた状態を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る架空送電線の仮設構造及び仮設工法について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本実施の形態では、一実施例として、3相交流を送電する構造について説明する。
本実施の形態における架空送電線の仮設構造1は、図1に示す既設の架空送電線2で構成された既設の架空送電線路7の代替として仮設の電力ケーブル10を配線して、仮設の送電路8を構築するための構造である。この構造を採用することで、仮設の送電路8で従来通りに電力を供給しつつ、既設の架空送電線路7を撤去して張り替えると共に、既設鉄塔を撤去し、改築(或いは新築)することができる。
既設の架空送電線2は、図1の両端に位置する変電所3(或いは発電所、電力供給の目的地など)間を、複数の鉄塔4に支持されて配線されている。なお、本実施例における既設の架空送電線路7は、66KV以上の電力を送電するものである。
仮設の電力ケーブル10は、鉄塔4の両側(図1において鉄塔4を挟む紙面上側と紙面下側)に配設された複数の柱部材11によって架設されている。この柱部材11は、既設の鉄塔4および既設の架空送電線2を建設する際に必要となる現有敷地内に、既設の架空送電線路7に沿って間隔を開けて複数個建てられている。また、柱部材11を、既設の鉄道路線の敷地内にある構造部上に設置したり、高速道路の側溝、側壁などに設置することで、新たな敷地を確保せずに仮設の送電路8を構成することもできる。
この柱部材11は、図2に示すように、コンクリート等で作られたコンクリート柱であり、鉄塔4の高さと比較して、低く形成されている(図5参照)。すなわち、電力ケーブル10の配線路の高さを既設の架空送電線2の配線高さよりも低くすることで、既設の架空送電線2の撤去・張り替え作業のための作業スペースを柱部材11の上方で確保している。
柱部材11は、上下に延びるコンクリート製の柱本体部12と、この柱本体部12の上部に設けられ、配線される電力ケーブル10を上側で支持するためのケーブル支持部13とで構成されている。なお、架空送電線2は、一般的に3相交流を送電しているため、電力ケーブル10も3本(図2において、符号10a、10b、10cで示す)配線されている。
図3および図4は、柱部材11の他の実施例を示している。図3に示す柱部材21は、2本のコンクリート製の柱本体部22と、電力ケーブル10を上側で支持するためのケーブル支持部23とで構成されている。この柱部材21は、柱本体部22の数を2本で構成することによって、電力ケーブル10の重量等を考慮して下方への耐荷重を向上させたものである。また、支持荷重を大きくすることで、電力ケーブル10の支持点間の距離を長くすることができる。
一方、図4に示す柱部材31は、トラス構造を有する鉄塔で構成された柱本体部32と、電力ケーブル10を上側で支持するためのケーブル支持部33とで構成されている。この柱部材31は、組立済みのトラス構造鉄塔であるため、設置、撤去時の作業性がよく、工期短縮に効果的である。
上述した電力ケーブル10(10a、10b、10c)は、図5(A)に示すように、外側が絶縁被覆(例えば、架橋ポリエチレンビニルシースなど)で覆われた絶縁ケーブルであり、その芯線14にアルミニウムが使用されている。この芯線14の外周は、絶縁体15で覆われており、さらにその外周を遮蔽銅テープ16で被覆されている。
通常の電力ケーブルは、伝導率を向上させるために芯線に銅が用いられるが、本実施例における電力ケーブル10は、電力ケーブル10の軽量化を図るためにアルミニウムまたはアルミニウム合金を使用している。すなわち、電力ケーブル10は、絶縁被覆で覆われている分だけ、裸電線である架線よりも重くなる。そのため、送電路における柱部材11(21、31)に作用する負荷を小さくするため、または、柱部材11の支持点間距離を大きくするために電力ケーブル10の軽量化を図っている。
ここで、一般に使用される架空送電線(ACSR410mm×2導体)の特性は、電流容量1116(A)、質量3346(kg/km)である。上述した架空送電線の代替品である電力ケーブルは、この架空送電線と同等電流容量の絶縁ケーブルから選定することが好ましい。
この電線と等価な電流容量を有する電力ケーブルを選定すると、芯線が銅導体の場合では、断面積1000mm、電流容量1120(A)、質量19800(kg/km)がある。
これに対し、アルミニウム導体の場合では、断面積1600mm、電流容量1170(A)、質量17000(kg/km)がある。
すなわち、銅導体の場合とアルミニウム導体の場合とを比較すると、アルミニウム導体の方が軽量化されることが分かる。
また、弛度(送電線のたるみのことをいい、送電において一般に「弛度」と呼ぶのは、電線支持点と電線のなす曲線の最低点との高さの差をいう。支持点が同じ高さの場合は、弛度は中間点での高さの差となる)を検討すると、架空送電線の弛度張力は、径間長30mで弛度1.5mの状態に架線した場合、銅導体の場合の最悪時張力は1920kgf、アルミニウム導体の場合の最悪時張力は1810kgfである。すなわち、アルミニウム導体の電力ケーブルは、銅導体の場合に比べて約14%の張力だけ小さくすることが可能であり、柱部材11(21、31)の強度を減少させること、または柱部材11間の距離を大きくすることが可能になる。
なお、上述の弛度張力計算における負荷条件は、高温季において、温度15℃、風圧100kgf/mであり、低温季において、温度15℃、風圧50kgf/m、着氷雪厚さ6mm(比重0.9)である。
一方、図5(B)に示すように、図5(A)の3つの電力ケーブル10(10a、10b、10c)をラッシングワイヤ17で束ねたトリブレックス形電力ケーブル18を使用することもできる。この使用状態の一例は、図4に示してある。
図6は、図1に示す鉄塔4を架空送電線2の配線方向と直角な方向から見た正面図である。また、図7は、図6の電力ケーブルの分岐部分を拡大して示す図、図8は、図6の側面図である。
架空送電線2(上側から符号2a、2b、2cで示す)は、鉄塔4から既設の架空送電線路7とほぼ直角な方向へ延びる3本の腕金4a、4b、4c(図8参照)の先端部に、碍子5を介して支持されている。また、図6に示す左右の架空送電線2(2a、2b、2c)は、裸線であるジャンパ線6によって電気的に接続されており、このジャンパ線6によって一方の架空送電線から他方の架空送電線へ電力が送電されるようになっている。
腕金4a、4b、4cのそれぞれの先端部には、図6〜図8に示すように、ポリマー碍子41がそれぞれ懸架されている。このポリマー碍子41の下側には、分岐スリーブ42が取り付けられている。このポリマー碍子41は、それぞれの腕金4a、4b、4cと分岐スリーブ42を絶縁するためのものである。
分岐スリーブ42は、図7に示すように、略T字形状をなしており、上側の水平部分に形成された挿通穴(図示せず)にジャンパ線6が挿通される。また、略T字形状の下側の垂直部分には、各相に対応する縦電力ケーブル40(40a、40b、40c)の上側端部が取り付けられる。これにより、ジャンパ線6で送られている電力は、分岐スリーブ42を介して、縦電力ケーブル40へと送られることになる。
縦電力ケーブル40(40a、40b、40c)の上側端部には、ボルトなどの締結部材で固定される接続端子(図示せず)と、この接続端子の外側を覆う絶縁部材とがそれぞれ設けられている。この絶縁部材は、上述した接続端子と分岐スリーブ42の接続部分との接続後、その接続部分を絶縁するように被覆される。
また、縦電力ケーブル40(40a、40b、40c)は、鉄塔4に沿って上下に配線されている。縦電力ケーブル40(40a、40b、40c)の下側端部は、鉄塔4の敷地内に設けられた地上架台部44の上で電力ケーブル10(10a、10b、10c)と接続される。これにより、縦電力ケーブル40で送られる電力は、電力ケーブル10へと送られるようになる。
なお、上述した縦電力ケーブル40(40a、40b、40c)についても、電力ケーブル10と同様に、芯線にアルミニウムを用いたものを使用することができる。また、この縦電力ケーブル40(40a、40b、40c)は、電力ケーブル10とは異なり、軽量化および弛度をあまり考慮する必要がないので、芯線に銅を用いたものを使用してもよい。
図9は、図6の他の実施例であって、鉄塔50を架空送電線2の配線方向と直角な方向から見た正面図である。また、図10は、図9の側面図、図11は、図9に示す架空送電線2と縦母線52との接続部の拡大図である。
図9及び図10に示す鉄塔50には、上相腕金4aよりも上側に、上相腕金4aと直交する方向(架空送電線2の配線方向と平行な方向であって、既設の架空送電線路7に沿う方向)へ延びる上部腕金51が設けられている。この上部腕金51は、図10に示すように、架空送電線2の配線方向と直角な方向に間隔を開けて2つ設けられている。
この上部腕金51の先端部には、間隔を開けて3つのポリマー碍子41が懸架されている。この3つのポリマー碍子41には、縦母線52(52a、52b、52c)の上側端部が上部腕金51と絶縁された状態でそれぞれ取り付けられている。この縦母線52は、ポリマー碍子41から鉄塔50が延在する上下方向に沿って下方向に配線され、下側に位置する地上架台部44に接続される。この縦母線52は、縦電力ケーブル40(40a、40b、40c)とは異なり、裸線で構成されている。
上述した上部腕金51が延在する長さは、縦母線52(詳細は後述する)と鉄塔50との絶縁距離が十分に確保できる程度に確保する。より詳細には、縦母線52が風等によって振れたとしても鉄塔50に接触しない長さに形成されている。同様に、3つのポリマー碍子41の間隔も、それぞれの縦母線同士が接触しないように決定されている。
縦母線52aと架空送電線2aとは、図9〜図11に示すように、接続線53aによって電気的に接続されている。より詳細には、図11に示すように、接続線53aの両端には接続金具56がそれぞれ取り付けられており、これらの接続金具56をそれぞれ縦母線52aと架空送電線2aに固定することによって、両線52a、2aを電気的に接続している。この接続金具56は、ボルト等の締結部材によって容易に両線52a、2aに着脱することができる。これにより、架空送電線2aで送られる電力を、接続線53aを介して縦母線52aに送ることができるようにしている。
同様に、縦母線52bと架空送電線2bについても、接続線53bによって電気的に接続され、縦母線52cと架空送電線2cについても、接続線53cによって電気的に接続され、それぞれに電力が送ることができるようにしている。
地上架台部44は、図9に示すように、鉄塔50の敷地内ではないが、架空送電線路2の架線に必要な敷地内(図9では、鉄塔50の上部腕金51の延在方向における横であって、配線経路の敷地内)に設けられている。この地上架台部44には、縦母線52(52a、52b、52c)に対応する3つの碍子54が設けられている。この碍子54は、縦母線52と地上架台部44とを絶縁するためのものである。この碍子54で絶縁された縦母線52は、電力ケーブル10(10a、10b、10c)と端部同士が接続される。この接続部分は、絶縁部材55によって覆うことにより、絶縁性を確保している。
図12は、図6のさらに他の実施例であって、鉄塔60を架空送電線2の配線方向と直角な方向から見た正面図である。また、図13は、図12の側面図である。
図12に示す鉄塔60には、架空送電線2を支持するための既設の腕金4a、4b、4cと直交する方向(架空送電線2の配線方向と平行な方向であって、架空送電線路に沿う方向)へ延びる3つの支持腕金61a、61b、61cが設けられている。これらの支持腕金61a、61b、61cは、上下に間隔を開けて配置されており、その位置は、支持腕金61の先端部が3本の架空送電線2a、2b、2cの付近にくるようになっている。
これらの支持腕金61a、61b、61cの先端部には、ポリマー碍子41がそれぞれに懸架されている。このポリマー碍子41のそれぞれには、縦母線62a、62b、62cの上側端部が各支持腕金と絶縁された状態でそれぞれ取り付けられている。この縦母線62は、ポリマー碍子41から鉄塔50が延在する上下方向に沿って下方向に配線され、下側に位置する地上架台部44に接続される。この縦母線62は、縦電力ケーブル40(40a、40b、40c)とは異なり、裸線で構成されている。
なお、縦母線62と架空送電線2とは、接続金具56および接続線53a、53b、53cを用いて、図11に示す構造と同じ構造で電気的に接続されている。また、地上架台部44での接続についても、碍子54および絶縁部材55を用いて、図9に示す構造と同じ構造で電気的に接続されている。
本発明の実施の形態に係る架空送電線の仮設構造及び仮設工法によれば、仮設の架空送電線路7で使用される架空送電線2に代わって電力を送電するための絶縁性を有する電力ケーブル10(10a、10b、10c)を、既設の架空送電線路7の敷地内に間隔を開けて配置された柱部材11(21、31)間に架設しているので、柱部材11(21、31)を建設するための新たな敷地を確保する必要性を少なくすることができる。そのため、従来工法と比べて、用地費、資材費、工事費を削減することができる。
さらに、仮設の架空送電線路7を確保することができるので、既設の架空送電線2(2a、2b、2c)の撤去のみならず、鉄塔4の改築、新築工事を効率よく安全に行うことができる。そのため、従来工法に比べて、これらの改造、改築工事を短期間で行うことができる。
また、電力ケーブル10(10a、10b、10c)は、導体がアルミニウム若しくはアルミニウム合金で形成されているので、電力ケーブル10を軽量化することができ、支持する柱部材11(21、31)に作用する荷重を軽減することができる。他方、この電力ケーブル10は、弛度張力が高いので、隣り合う柱部材11(21、31)の間隔を長くすることによって、柱部材11(21、31)を建築するための必要本数を少なくすることができる。また、柱部材11(21、31)を建設するのに必要な敷地を新たに確保する必要性を少なくすることができる。
さらに、柱部材11(21、31)を、既設の鉄道路線の敷地内または高速道路の側溝或いは側壁に設置しているので、柱部材11(21、31)を建設するための新たな敷地を確保する必要性を少なくすることができる。そのため、従来工法と比べて、用地費、資材費、工事費を削減することができる。
また、鉄塔4に対する絶縁被覆を有し、既設の鉄塔4の上部に架設された架空送電線2(2a、2b、2c)から分岐して鉄塔4本体に沿って下方向に向けて配線される絶縁性を有する縦電力ケーブル40(40a、40b、40c)を、鉄塔4の敷地内または既設の架空送電線路7の敷地内で電力ケーブル10(10a、10b、10c)と接続しているので、縦電力ケーブル40と電力ケーブル10との接続に、新たな敷地を確保する必要がない。そのため、用地確保のための費用を削減することができる。
また、絶縁性を有する縦電力ケーブル10を使用しているので、鉄塔4の近くで架空送電線2から分岐させて鉄塔4に沿わせて下方に向けて配線することができ、分岐および配線に必要なスペ−スを小さくすることができる。これにより、作業スペースを大きく確保することができる。
さらに、鉄塔50(または、60)から架空送電線2の配線方向へ延出する腕金51、(または、61a、61b、61c)を設け、この腕金51(または、61a、61b、61c)から下側に向けて延在し、架空送電線2と接続される縦母線52a、52b、52c(または、62a、62b、62c)を配線し、この縦母線52a、52b、52c(または、62a、62b、62c)を鉄塔4の敷地内または架空送電線路7の敷地内で電力ケーブル10(10a、10b、10c)と接続しているので、縦母線52a、52b、52c(または、62a、62b、62c)と電力ケーブル10との接続に、新たな敷地を確保する必要がない。そのため、用地確保のための費用を削減することができる。
さらにまた、縦母線52a、52b、52c(または、62a、62b、62c)は、腕金51、(または、61a、61b、61c)に懸架されるポリマー碍子41を介して取り付けられているので、碍子の中でも特に軽量な特徴を有するポリマー碍子41によって、腕金51、(または、61a、61b、61c)に重量による負荷をかけないようにすることができる。特に、縦母線52a、52b、52c(または、62a、62b、62c)は裸線であるため、鉄塔50(または、60)との距離を十分に確保するために、突出長さを大きくする必要がある。そのため、片持ち梁の先端部分に作用する負荷を小さくすることで、構造強度を必要以上に大きく確保する必要がなくなり、腕金51、(または、61a、61b、61c)の費用を低減させることができる。
以上、本発明の実施の形態に係る架空送電線の仮設構造及び仮設工法について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、図1に示すように、仮設の架空送電線路8における電力ケーブル10(10a、10b、10c)を、既設の架空送電線路7における架空送電線2(2a、2b、2c)にほぼ沿わせて構成しているが、柱部材11(21、31)の建設し易い立地等を考慮した場合、架空送電線2に沿わせる必要はない。すなわち、柱部材11(21、31)は、現有敷地内であって新たに用地確保する必要がない場所に建設すれば良く、これにより配線経路が湾曲した経路となったとしても問題はない。
また、本実施の形態では、縦電力ケーブル40(40a、40b、40c)と電力ケーブル10(10a、10b、10c)との接続は、地上架台部44で行うようにしているが、縦電力ケーブル40を設けずに、電力ケーブル10をそのまま分岐スリーブ42まで延長させるようにしてもよい。このとき、地上架台部44では、図14に示すように、電力ケーブル10を支持するための支持金具70a、70bに電力ケーブル10を固定して、固定部71a、71bを構成する。
さらに、縦電力ケーブル40と電力ケーブル10とを接続する際には、図15に示すように、上述した固定部71a、71bの間に両線10、40を接続するための配線接続部72を設けてあってもよい。これにより、両線10、40の接続部分に引張力や曲げ力等が作用しないようにすることができる。
1 架空送電線の仮設構造
2 既設の架空送電線
3 変電所
4 鉄塔
4a、4b、4c 腕金
5 碍子
6 ジャンパ線
7 既設の架空送電線路
8 仮設の送電路
10(10a、10b、10c) 仮設の電力ケーブル
11、21、31 柱部材
12、22、32 柱本体部
13、23、33 ケーブル支持部
14 芯線
15 絶縁体
16 遮蔽銅テープ
17 ラッシングワイヤ
18 トリブレックス形電力ケーブル
40(40a、40b、40c) 縦電力ケーブル
41 ポリマー碍子
42 分岐スリーブ
43 絶縁部材
44 地上架台部
50 鉄塔
51 上部腕金
52(52a、52b、52c) 縦電力ケーブル
53a、53b、53c 接続線
54 碍子
55 絶縁部材
56 接続金具
60 鉄塔
61a、61b、61c 追加腕金
62(62a、62b、62c) 縦電力ケーブル
70a、70b 支持金具
71a、71b 固定部
72 配線接続部
100 架空送電線
100a 仮設の架空送電線
101 既設の鉄塔
101a 新規の鉄塔
102 変電所
103 仮設の架空送電線路
104 既設の架空送電線路

Claims (10)

  1. 鉄塔の上部に架設された既設の架空送電線路に代わる、仮設の架空送電線路を構成するための架空送電線の仮設構造であって、
    既設の架空送電線に代わって電力を送電するための絶縁性を有する電力ケーブルを、既設の架空送電線路の敷地内に間隔を開けて配置された柱部材間に架設したことを特徴とする架空送電線の仮設構造。
  2. 前記電力ケーブルは、導体がアルミニウム若しくはアルミニウム合金で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の架空送電線の仮設構造。
  3. 前記柱部材を、既設の鉄道路線の敷地内または高速道路の側溝或いは側壁に設置したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の架空送電線の仮設構造。
  4. 前記既設の架空送電線から分岐して前記鉄塔本体に沿って下方に向けて配線される絶縁性を有する縦電力ケーブルを、前記鉄塔の敷地内または架空送電線路の敷地内で前記電力ケーブルと接続したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の架空送電線の仮設構造。
  5. 前記鉄塔から架空送電線の配線方向へ延出する腕金を設け、この腕金から下方に向け配線されると共に前記架空送電線から分岐する態様で接続される縦母線を、前記鉄塔の敷地内または架空送電線路の敷地内で前記電力ケーブルと接続したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の架空送電線の仮設構造。
  6. 前記腕金には、前記縦母線の上端部を支持し、前記縦母線と前記腕金とを絶縁するためのポリマー碍子が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の架空送電線の仮設構造。
  7. 既設の架空送電線路に代わる架空送電線の仮設工法であって、
    既設の架空送電線に代わって電力を送電するための絶縁性を有する電力ケーブルを、既設の架空送電線路の敷地内に間隔を開けて配置された柱部材間に架設することを特徴とする架空送電線の仮設工法。
  8. 前記柱部材を、既設の鉄道路線の敷地内または高速道路の側溝或いは側壁に設置することを特徴とする請求項7に記載の架空送電線の仮設工法。
  9. 既設の鉄塔の上部に架設された前記架空送電線から分岐して前記鉄塔本体に沿って下方に向けて配線される絶縁性を有する縦電力ケーブルを、前記鉄塔の敷地内または架空送電線路の敷地内で前記電力ケーブルと接続することを特徴とする請求項7または請求項8記載の架空送電線の仮設工法。
  10. 前記鉄塔から架空送電線の配線方向へ延出する腕金から、下方に向け配線されると共に前記架空送電線から分岐する態様で接続される縦母線を、前記鉄塔の敷地内または架空送電線路の敷地内で前記電力ケーブルと接続することを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1つに記載の架空送電線の仮設工法。
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