以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
(実施の形態1)
本実施の形態の半導体装置およびその製造工程を図面を参照して説明する。図1〜図14は、本発明の一実施の形態である半導体装置、例えばMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を有する半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
本実施の形態の半導体装置を製造するには、まず、図1に示されるように、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどからなる半導体基板(半導体ウエハ)1を用意(準備)する。それから、半導体基板1の主面に素子分離領域2を形成する。素子分離領域2は酸化シリコンなどからなり、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法またはLOCOS(Local Oxidization of Silicon )法などにより形成することができる。
次に、半導体基板1のnチャネル型MISFETを形成する領域にp型ウエル3aを形成し、半導体基板1のpチャネル型MISFETを形成する領域にn型ウエル3bを形成する。p型ウエル3aは、例えばホウ素(B)などのp型の不純物をイオン注入することなどによって形成することができ、n型ウエル3bは、例えばリン(P)またはヒ素(As)などのn型の不純物をイオン注入することなどによって形成することができる。
次に、半導体基板1の主面(すなわちp型ウエル3aおよびn型ウエル3bの表面)にゲート絶縁膜4を形成する。ゲート絶縁膜4は、例えば薄い酸化シリコン膜などからなり、例えば熱酸化法などによって形成することができる。
次に、図2に示されるように、p型ウエル3aのゲート絶縁膜4上にゲート電極5aを形成し、n型ウエル3bのゲート絶縁膜4上にゲート電極5bを形成する。ゲート電極5a,5bは、例えば多結晶シリコン膜(ドープトポリシリコン膜)などからなる。ゲート電極5a,5bを形成するには、例えば、まず半導体基板1上に多結晶シリコン膜を形成する。それから、フォトレジスト膜(図示せず)をマスクとして用いてこの多結晶シリコン膜のnチャネル型MISFETを形成する領域にリン(P)またはヒ素(As)などのn型の不純物をイオン注入して低抵抗のn型半導体膜とし、他のフォトレジスト膜(図示せず)をマスクとして用いてこの多結晶シリコン膜のpチャネル型MISFETを形成する領域にホウ素(B)などのp型の不純物をイオン注入して低抵抗のp型半導体膜とする。そして、この多結晶シリコン膜をフォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いてパターニングすることにより、ゲート電極5a,5bを形成することができる。
次に、p型ウエル3aのゲート電極5aの両側の領域にリン(P)などのn型の不純物をイオン注入して、低不純物濃度のn−型半導体領域6aを形成し、またn型ウエル3bのゲート電極5bの両側の領域にホウ素(B)などのp型の不純物をイオン注入して、低不純物濃度のp−型半導体領域6bを形成する。
次に、ゲート電極5a,5bの側壁上に、例えば酸化シリコンなどからなるサイドウォール(サイドウォールスペーサ、側壁絶縁膜)7を形成する。サイドウォール7は、例えば、半導体基板1上に酸化シリコン膜を堆積し、この酸化シリコン膜を異方性エッチング(エッチバック)することによって形成することができる。
次に、p型ウエル3aのゲート電極5aおよびサイドウォール7の両側の領域にリン(P)などのn型の不純物をイオン注入することにより、n+型半導体領域8a(ソース、ドレイン)を形成する。また、n型ウエル3bのゲート電極5bおよびサイドウォール7の両側の領域にホウ素(B)などのp型の不純物をイオン注入することにより、p+型半導体領域(ソース、ドレイン)8bを形成する。n+型半導体領域8aはn−型半導体領域6aよりも不純物濃度が高く、p+型半導体領域8bは、p−型半導体領域6bよりも不純物濃度が高い。
次に、ゲート電極5a,5b、n+型半導体領域8aおよびp+型半導体領域8bの表面を露出させ、例えばニッケル(Ni)膜のような金属膜を堆積して熱処理することによって、図3に示されるように、ゲート電極5a,5b、n+型半導体領域8aおよびp+型半導体領域8bの表面に、それぞれ金属シリサイド層9を形成する。これにより、n+型半導体領域8aおよびp+型半導体領域8bの拡散抵抗や、コンタクト抵抗などを低抵抗化することができる。その後、未反応の金属膜(ニッケル膜)は除去する。
本実施の形態では、金属シリサイド層9は、微細化による低抵抗化の要求から、コバルトシリサイドではなく、ニッケルシリサイドからなることが好ましい。金属シリサイド層9をニッケルシリサイド層とすることで、金属シリサイド層9の抵抗をより低くすることができ、n+型半導体領域8aおよびp+型半導体領域8bの拡散抵抗や、コンタクト抵抗などをより低減できる。但し、ニッケルシリサイドは、コバルトシリサイドなどと比べて耐熱性が低く、約500℃で相転移を起こす。このため、金属シリサイド層9の形成後には、約500℃以下の熱処理しか許容できなくなる。
このようにして、半導体基板1のp型ウエル3aにnチャネル型のMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)Qnが形成され、半導体基板1のn型ウエル3bにpチャネル型のMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)Qpが形成される。
次に、図4に示されるように、半導体基板1上に、ゲート電極5a,5bおよびサイドウォール7を覆うように、窒化シリコンなどからなる絶縁膜(エッチングストッパ膜、第5絶縁膜)10と酸化シリコンなどからなる絶縁膜(層間絶縁膜、第1絶縁膜)11とを下から順に形成(堆積)する。この際、MISFETQn,Qpが形成された半導体基板1の主面上に絶縁膜10を形成してから、絶縁膜10上に絶縁膜11を形成するが、ゲート電極5a,5b間(のスペース)が絶縁膜11で埋められるように、絶縁膜11を形成する。絶縁膜10の膜厚(堆積膜厚、半導体基板1の主面に垂直な方向の膜厚)は、絶縁膜11の膜厚(堆積膜厚、半導体基板1の主面に垂直な方向の膜厚)よりも薄い。絶縁膜11は層間絶縁膜として機能する絶縁膜であり、絶縁膜10は、絶縁膜11にコンタクトホールを形成する際のエッチングストッパ膜として機能する絶縁膜である。絶縁膜10と絶縁膜11とは、両者のエッチング速度を異ならせることができる材料により形成されており、絶縁膜10は絶縁膜11と異なる材料の絶縁膜(好ましくは窒化シリコン膜)により形成されている。
本実施の形態では、絶縁膜11は、シリコン(Si)と酸素(O)とを(構成元素として)含有する絶縁体膜であり、好ましくはシリコン(Si)と酸素(O)とを主成分とし、より好ましくは酸化シリコン(SiOx)膜である。なお、酸化シリコン膜は、典型的には二酸化シリコン(SiO2)膜であるが、本実施の形態では、化学量論比(SiO2)からSi(シリコン)とO(酸素)の原子比(原子数比)がずれている場合も、酸化シリコン膜に含むものとする。
絶縁膜11におけるSi(シリコン)とO(酸素)の組成比、すなわち絶縁膜11におけるSi(シリコン)とO(酸素)の原子数比(O原子数/Si原子数)は、1.5以上であることが好ましい。この場合、絶縁膜11は、酸素(O)含有量がシリコン(Si)含有量に対して原子数比で1.5倍以上となる。また、絶縁膜11の組成をSiOxで表記すると、このSiOxにおけるxは1.5以上(x≧1.5)となる。
また、絶縁膜11が、更に微量の炭素(C)を含有することもできるが、絶縁膜11におけるSi(シリコン)とC(炭素)の組成比、すなわち絶縁膜11におけるSi(シリコン)とC(炭素)の原子数比(C原子数/Si原子数)は、0.05以下であることが好ましい。この場合、絶縁膜11は、炭素(C)含有量がシリコン(Si)含有量に対して原子数比で5%以下となる。また、絶縁膜11の組成をSiOxCyで表記すると、このSiOxCyにおけるxは1.5以上(x≧1.5)でyは0.05以下(y≦0.05)となる。
また、絶縁膜11は、更に水素(H)を含有することもできる。
近年、微細化に伴いMISFETのゲート電極間の間隔が狭くなってきており、ゲート電極間スペースを埋めるように形成すべき絶縁膜11としては、埋め込み性が良好な絶縁膜を用いることが望まれる。プラズマCVD(CVD:Chemical Vapor Deposition)法で形成した絶縁膜は、埋め込み性が低く、狭いゲート電極間スペースを埋めきれずにボイドが発生する可能性があるので、本実施の形態では、絶縁膜11として、プラズマCVD法で形成した絶縁膜を用いない。それに対して、O3−TEOS酸化膜のように熱CVD法で形成した絶縁膜や、SOG膜のように塗布法で形成した絶縁膜は、ゲート電極間スペースなどの埋め込み性が良好なことから、本実施の形態では、これら埋め込み性が良好な絶縁膜を絶縁膜11として用いる。すなわち、本実施の形態では、絶縁膜11は、ゲート電極間の狭いスペースを埋め込み可能な絶縁膜(埋め込み性の高い絶縁膜、リフロー性の高い絶縁膜)からなり、プラズマCVD法ではなく、熱CVD法または塗布法を用いて形成することが好ましく、より好ましくはO3−TEOS酸化膜またはSOG(Spin On Glass)膜とすることができる。絶縁膜11に用いるSOG膜としては、例えばポリシラザン系のSOG膜を用いることができる。SOG膜は塗布後にアニール(熱処理)するが、この塗布後のアニール温度は400℃〜500℃である。ポリシラザン系SOG膜では、N(窒素)成分を酸化させるためにアニールは酸化雰囲気で行う。
なお、O3−TEOS酸化膜とは、O3(オゾン)およびTEOS(Tetraethoxysilane:テトラエトキシシラン)を原料ガス(ソースガス)として用いて熱CVD法により形成した酸化シリコン膜である。成膜時の基板温度は400℃〜500℃である。
上記のように、本実施の形態では、好ましくは金属シリサイド層9をニッケルシリサイド層としている。このため、上記のように、金属シリサイド層9を構成するニッケルシリサイドの耐熱性(約500℃)の制限が生じる。従って、絶縁膜11を熱CVD法で成膜する場合は、成膜温度(基板温度)を500℃(すなわち金属シリサイド層9を構成するニッケルシリサイドの相転移温度)以下にし、絶縁膜11を塗布法で成膜する場合は、塗布後のアニール温度(塗布膜を硬化するための熱処理温度)を500℃(すなわち金属シリサイド層9を構成するニッケルシリサイドの相転移温度)以下にすることが好ましい。
次に、図5に示されるように、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法などを用いて、絶縁膜11の上面を平坦化する。なお、絶縁膜11を成膜した段階で絶縁膜11の平坦性が高ければ、この絶縁膜11の平坦化処理を省略することもできる。
次に、図6に示されるように、絶縁膜11上に形成したフォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクとして用いて絶縁膜11および絶縁膜10を順次ドライエッチングすることにより、絶縁膜10,11にコンタクトホール(第1開口部、開口部、孔、貫通孔)12を形成する。コンタクトホール12は、絶縁膜10および絶縁膜11からなる積層膜に形成され、ゲート電極5a,5b、n+型半導体領域8aおよびp+型半導体領域8bの上部などに形成される。コンタクトホール12の底部では、半導体基板1の主面の一部、例えばn+型半導体領域8aおよびp+型半導体領域8bの一部やゲート電極5a,5bの一部などが露出される。
コンタクトホール12を形成するためのドライエッチング工程では、まず、絶縁膜10よりも絶縁膜11をドライエッチングしやすいエッチング条件で絶縁膜11をエッチングして絶縁膜10をエッチングストッパとして機能させ、それから、絶縁膜11よりも絶縁膜10をドライエッチングしやすいエッチング条件で絶縁膜10をエッチングして絶縁膜10,11を貫通するコンタクトホール12を形成する。コンタクトホール12を形成するために絶縁膜11をエッチングする際に絶縁膜10をエッチングストッパとして用いることで、その掘り過ぎにより基板領域に損傷を与えたり、加工寸法精度が劣化したりすることを回避することができる。このため、絶縁膜10を形成することが好ましいが、不要であれば、絶縁膜10の形成を省略することもできる。絶縁膜10を形成した場合には、コンタクトホール12は、絶縁膜10と絶縁膜11とからなる積層膜に形成されるが、絶縁膜10の形成を省略した場合には、コンタクトホール12は絶縁膜11に形成される。
次に、図7に示されるように、コンタクトホール12内に、タングステン(W)膜または銅(Cu)膜などの導電体からなるプラグ(導体部、第1導体部)13を形成する。プラグ13は、絶縁膜10,11に形成されたコンタクトホール12内に埋め込まれた導体部(第1導体部)である。プラグ13は、例えば、コンタクトホール12の内部(側壁および底部)を含む絶縁膜11上に導電性バリア膜(バリア導体膜)13aを形成した後、主導体膜13bを導電性バリア膜13a上にコンタクトホール12内を埋めるように形成し、絶縁膜11上の不要な主導体膜13bおよび導電性バリア膜13aをCMP法またはエッチバック法などによって除去することにより形成することができる。主導体膜13bおよび導電性バリア膜13aを研磨する際には、研磨の選択性が悪く、絶縁膜11の上部が一緒に削れる場合もある。導電性バリア膜13aは、チタン膜、窒化チタン膜あるいはそれらの積層膜などからなり、主導体膜13bは、例えばタングステン(W)膜または銅(Cu)膜などからなる。このように、プラグ13は、銅(Cu)またはタングステン(W)を主成分とする主導体膜13bと、主導体膜13bの側壁および底部を覆う導電性バリア膜13aとを有している。
次に、図8に示されるように、プラグ13が埋め込まれた絶縁膜11上に絶縁膜(第2絶縁膜)14を形成する。
上記のように、絶縁膜11には、プラズマCVD法で形成した絶縁膜は用いず、熱CVD法で形成した絶縁膜(O3−TEOS酸化膜)や塗布法で形成した絶縁膜(SOG膜)のように埋め込み性が高い絶縁膜を用いる。しかしながら、このような埋め込み性が高い絶縁膜は、プラズマCVD法で形成した絶縁膜に比べて緻密さが低くSi(シリコン)原子の数密度が小さくなり、吸湿性が高くなるため、成膜した段階で吸湿しており、水分含有量が高くなりやすい。絶縁膜11の成膜工程の後、本実施の形態とは異なり、例えば800℃以上の高温でアニールすれば、絶縁膜11は緻密になってSi原子の数密度が大きくなり吸湿しにくくなるが、金属シリサイド層9を構成するニッケルシリサイドの耐熱性(約500℃)の制限があるため、これはできない。このため、絶縁膜11上に、絶縁膜11に接するように耐湿性が低い膜を形成すると、その膜と絶縁膜11との界面が電気的に弱くなって絶縁破壊経路となり、絶縁破壊耐性が低下する可能性がある。
このため、本実施の形態では、プラグ13が埋め込まれた絶縁膜11上に絶縁膜14を形成するが、この絶縁膜14は、電気特性と耐湿性に優れた膜とするため、プラズマCVD法により形成することが好ましい。
絶縁膜14は、シリコン(Si)と酸素(O)とを(構成元素として)含有する絶縁体膜であるが、シリコン(Si)と酸素(O)とを主成分とすることが好ましく、より好ましくは酸化シリコン(SiOx)膜または酸窒化シリコン(SiON)膜である。ここで、酸窒化シリコン膜(SiON)膜は、シリコン(Si)と酸素(O)とを主成分としこれに窒素(N)が導入された絶縁体膜である。
絶縁膜14におけるSi(シリコン)とO(酸素)の組成比、すなわち絶縁膜14におけるSi(シリコン)とO(酸素)の原子数比(O原子数/Si原子数)は、1.5以上であることが好ましい。この場合、絶縁膜14は、酸素(O)含有量がシリコン(Si)含有量に対して原子数比で1.5倍以上となる。また、絶縁膜14の組成をSiOx(絶縁膜14が酸化シリコン膜の場合に対応)またはSiOxNy(絶縁膜14が酸窒化シリコン膜の場合に対応)で表記すると、このSiOxまたはSiOxNyにおけるxは1.5以上(x≧1.5)となる。
絶縁膜14を、窒素(N)を含有しない酸化シリコン(SiOx)膜とすれば、絶縁膜14の誘電率を低くでき、後述する配線20間の寄生容量を低減することができる。また、絶縁膜14をシリコン(Si)と酸素(O)と窒素(N)とを含有する酸窒化シリコン(SiON)膜とする場合は、絶縁膜14におけるSi(シリコン)とN(窒素)の組成比、すなわち絶縁膜14におけるSi(シリコン)とN(窒素)の原子数比(N原子数/Si原子数)は、0.2以下であることが好ましい。この場合、絶縁膜14は、窒素(N)含有量がシリコン(Si)含有量に対して原子数比で20%以下となる。また、絶縁膜14の組成をSiOxNyで表記すると、このSiOxNyにおけるxは1.5以上(x≧1.5)でyは0.2以下(y≦0.2)となる。絶縁膜14におけるSi(シリコン)とN(窒素)の原子数比(N原子数/Si原子数)を0.2以下とすることで、窒素(N)を導入したことによる絶縁膜14の誘電率の増加を抑制して、後述する配線20間の寄生容量を低減することができる。
また、絶縁膜14が、更に微量の炭素(C)を含有することもできるが、絶縁膜14におけるSi(シリコン)とC(炭素)の組成比、すなわち絶縁膜14におけるSi(シリコン)とC(炭素)の原子数比(C原子数/Si原子数)は、0.05以下であることが好ましい。この場合、絶縁膜14は、炭素(C)含有量がシリコン(Si)含有量に対して原子数比で5%以下となる。また、絶縁膜14の組成をSiOxCyで表記すると、このSiOxCyにおけるxは1.5以上(x≧1.5)でyは0.05以下(y≦0.05)となる。
また、絶縁膜14は、更に水素(H)を含有することもできる。
上記のように、プラズマCVD法で形成した絶縁膜(ここでは絶縁膜14)は、熱CVD法または塗布法で形成した絶縁膜(ここでは絶縁膜11)に比べて、狭いスペースの埋め込み性は劣るが、緻密で膜中のSi(シリコン)原子の数密度が大きな膜となり、それによって吸湿性が低くかつ耐湿性が高くなる。絶縁膜14は、絶縁膜11の平坦な上面上に形成されるので、埋め込み性は問題とならず、水分含有量が高くなりやすい絶縁膜11上を、絶縁膜11よりもSi(シリコン)原子の数密度が大きく耐湿性に優れた絶縁膜14で覆うことができる。このため、絶縁膜11と絶縁膜14の界面は電気的に弱くならず、絶縁破壊経路が生成されるのを防止でき、絶縁破壊耐性を向上することができる。
また、絶縁膜14の膜厚が薄すぎると、絶縁膜14を設けたことによる絶縁破壊耐性の向上効果が小さくなる。このため、絶縁膜14の膜厚(堆積膜厚、半導体基板1の主面に垂直な方向の膜厚)は、10nm以上であることがより好ましく、これにより、絶縁膜14を設けたことによる絶縁破壊耐性の向上効果を的確に得ることができる。また、絶縁膜14の膜厚が厚すぎると、後述する配線20の厚みが変動しやすくなる。このため、絶縁膜14の膜厚(堆積膜厚、半導体基板1の主面に垂直な方向の膜厚)は、後述する配線20の厚み(半導体基板1の主面に垂直な方向の膜厚)の1/3以下であることがより好ましく、これにより、後述する配線20の厚みの変動を的確に防止できる。また、形成すべき配線(後述する配線20)の厚みにもよるが、絶縁膜14の膜厚(堆積膜厚)は、例えば10〜50nm程度とすることができる。
このように、本実施の形態では、絶縁膜14(第2絶縁膜)は、絶縁膜11(第1絶縁膜)よりも、Si(シリコン)原子の数密度が大きな膜である。ここで、Si(シリコン)原子の数密度とは、単位体積当たりのSi(シリコン)原子の数に対応する。従って、絶縁膜14は、絶縁膜11よりも、単位体積当たりのSi(シリコン)原子の数が大きいと言うこともできる。
絶縁膜11,14のようにシリコン(Si)および酸素(O)を主成分とする絶縁膜の場合、Si(シリコン)原子の数密度が小さいほど、膜の緻密さが低くなり、吸湿性(水分の吸収しやすさ)が高くなる。このSi(シリコン)原子の数密度が小さいほど吸湿性(水分の吸収しやすさ)が高くなるという関係は、シリコン(Si)と酸素(O)とで構成される酸化シリコン(SiOx)膜の場合はもちろん、シリコン(Si)と酸素(O)と窒素(N)とで構成される酸窒化シリコン(SiON)膜の場合にも、膜中のSi(シリコン)とN(窒素)の原子数比(N原子数/Si原子数)が0.2以下であれば、成り立つ。また、酸化シリコン膜同士を比べた場合、酸窒化シリコン膜同士を比べた場合、あるいは酸化シリコン膜と酸窒化シリコン膜とを比べた場合のいずれであっても、酸窒化シリコン膜中のSi(シリコン)とN(窒素)の原子数比(N原子数/Si原子数)が0.2以下であれば、上記のSi(シリコン)原子の数密度が小さいほど吸湿性(水分の吸収しやすさ)が高くなるという関係は成り立つ。また、絶縁膜11,14の一方または両方が、更に微量(膜中のSi(シリコン)とC(炭素)の原子数比(C原子数/Si原子数)が0.05以下程度)の炭素(C)を含有する場合でも、上記のSi(シリコン)原子の数密度が小さいほど吸湿性(水分の吸収しやすさ)が高くなるという関係は成り立つ。従って、本実施の形態では、絶縁膜14は絶縁膜11よりもSi(シリコン)原子の数密度が大きい膜であり、絶縁膜14は絶縁膜11よりも吸湿性が低い膜である。
また、絶縁膜11,14のようにシリコン(Si)および酸素(O)を主成分とする絶縁膜は、フッ酸(HF)によりエッチングされ得るが、Si(シリコン)原子の数密度が小さいほど(従って吸湿性が高いほど)、フッ酸によるエッチング速度が大きくなる(ウェットエッチングされ易くなる)。このため、絶縁膜11,14のようにシリコン(Si)および酸素(O)を主成分とする絶縁膜の場合、フッ酸によるエッチング速度が大きい(速い)ほど、よりSi(シリコン)原子の数密度が小さく、吸湿性が高い膜であると判断することができる。このため、フッ酸によるエッチング速度を比べることで、絶縁膜11と絶縁膜14のどちらがよりSi(シリコン)原子の数密度が大きく吸湿性が低い膜であるかを判別することができる。本実施の形態では、絶縁膜14(第2絶縁膜)は絶縁膜11(第1絶縁膜)よりもSi(シリコン)原子の数密度が大きく吸湿性が低い膜であるので、フッ酸によるエッチングを行った場合、フッ酸によるエッチング速度は、絶縁膜11(第1絶縁膜)よりも絶縁膜14(第2絶縁膜)の方が小さく(遅く)なる。すなわち、O3−TEOS酸化膜やSOG膜(絶縁膜11)よりも、プラズマCVD法で形成した酸化シリコン膜または酸窒化シリコン膜(絶縁膜14)の方が、Si(シリコン)原子の数密度が大きく、フッ酸によるエッチング速度が小さな膜であり、吸湿性が低い。
次に、絶縁膜14上に絶縁膜(第3絶縁膜、エッチングストッパ膜)15を形成する。それから、絶縁膜15上に絶縁膜16(第4絶縁膜、層間絶縁膜)を形成する。
絶縁膜15は、その上層の絶縁膜16に配線形成用の溝や孔(後述する開口部17)をエッチングにより形成する際に、その掘り過ぎにより下層に損傷を与えたり、加工寸法精度が劣化したりすることを回避するために形成される。すなわち、絶縁膜15は、その上層の絶縁膜絶縁膜16をエッチングする際にエッチングストッパ(エッチングストッパ膜)として機能することができる。このため、絶縁膜15と絶縁膜16とは、互いに異なる材料膜により構成され、エッチング速度が異なり得る材料膜により構成される。
絶縁膜16をエッチングする際に絶縁膜15をエッチングストッパとして機能させるには、絶縁膜16に対するエッチング選択比が高い(例えばエッチング選択比が3以上の)絶縁膜を絶縁膜15として用いることが好ましい。このようなエッチング選択比が高い材料として窒化シリコン(SiN)と炭化シリコン(SiC)系材料とが考えられるが、窒化シリコンは誘電率が高く(例えば比誘電率k=7〜8)、配線間の寄生容量を高めてしまうので、それよりも誘電率が低い(例えば比誘電率k=3.5〜5程度の)炭化シリコン(SiC)系材料を絶縁膜15に用いることが、高エッチング選択比および低誘電率を実現できるので好ましい。
しかしながら、炭化シリコン系材料膜は、酸化シリコン膜に比べてリーク電流が大きく絶縁耐圧が低いのに加えて、更に耐湿性が弱く(低く)、吸湿により電気特性が劣化し易いという性質を有している。このため、水分含有量が多くなりやすい絶縁膜11に炭化シリコン系材料膜が直接的に接していると、その界面が電気的に弱くなり、絶縁破壊経路となる可能性がある。
そこで、本実施の形態では、水分含有量が多くなりやすい絶縁膜11上には、絶縁膜11よりもSi(シリコン)原子の数密度が大きく、吸湿性が低くかつ耐湿性に優れた絶縁膜14を形成し、この絶縁膜14上に絶縁膜15を形成することで、絶縁膜15に耐湿性が弱い炭化シリコン系材料を用いたとしても、水分含有量が多くなりやすい絶縁膜11に絶縁膜15が直接接しないようにしている。従って、絶縁膜15に炭化シリコン系材料膜を用いても、耐湿性が弱いことに起因した問題が生じるのを防止することができる。
このため、本実施の形態では、絶縁膜15は、炭化シリコン(SiC)系材料膜、すなわちシリコン(Si)と炭素(C)とを(構成元素として)含有する絶縁体膜である。絶縁膜15を構成する炭化シリコン(SiC)系材料は、シリコン(Si)と炭素(C)を主成分とすることが好ましいが、シリコン(Si)および炭素(C)以外に、水素(H)、窒素(N)、酸素(O)が含まれていても良い。従って、絶縁膜15として、Si(シリコン)と炭素(C)とで構成されるSiC膜(炭化シリコン膜)、Si(シリコン)と炭素(C)と窒素(N)とで構成されるSiCN膜(炭窒化シリコン膜)、またはSi(シリコン)と炭素(C)と酸素(O)とで構成されるSiCO膜を用いることができる。ここで、SiCN膜は、シリコン(Si)と炭素(C)とを主成分としこれに窒素(N)が導入された絶縁体膜であり、SiCO膜は、シリコン(Si)と炭素(C)とを主成分としこれに酸素(O)が導入された絶縁体膜である。このように絶縁膜15に炭化シリコン(SiC)系材料を用いることで、絶縁膜15の誘電率(比誘電率)を、窒化シリコンの誘電率(比誘電率)よりも低くすることができる。
絶縁膜16は、層間絶縁膜として機能し、シリコン(Si)と酸素(O)とを(構成元素として)含有する絶縁体膜である。絶縁膜16が、低誘電率材料(いわゆるLow−K絶縁膜、Low−K材料)からなる低誘電率絶縁膜であれば、隣接配線間の寄生容量を低減できるので、より好ましい。なお、低誘電率絶縁膜(Low−K絶縁膜)とは、パッシベーション膜に含まれる酸化シリコン膜(たとえばTEOS(Tetraethoxysilane)酸化膜)の誘電率よりも低い誘電率を有する絶縁膜を例示できる。一般的には、TEOS酸化膜の比誘電率(ε=4.1〜4.2程度)よりも低い比誘電率を有する絶縁膜(絶縁材料)を、低誘電率絶縁膜(低誘電率材料)と言う。
上記低誘電率材料としては、有機ポリマー系材料とシリカ系材料がある。このうち、主成分としてSiを含まない有機ポリマーは変形しやすく、変形しにくい配線部に応力が集中して断線しやすいという欠点がある。そこで、Si(シリコン)とO(酸素)を主成分とするシリカ系材料が主に用いられる。本実施の形態では、絶縁膜16に低誘電率材料を用いる場合には、このシリカ系材料(シリカ系低誘電率材料)を用いる。
上記シリカ系低誘電率材料としては、例えば、Si−F、Si−CH3を含むものがある。Si−F系材料はSiOFまたはFSG(Fluorinated Silica Glass)、Si−CH3系材料はSiOCまたはOSG(Organo Silica Glass)、と一般的に呼ばれ、比誘電率はそれぞれ3.5〜3.8、2.1〜3.3程度である。一般的な成膜方法を、以下で説明する。Si−F系材料はプラズマCVD法で形成される。原料ガスの主成分は、Si含有成分(SiH4、TEOS(Tetraethoxysilane)等)、酸化剤(O2、N2O等)、及びF含有成分(SiF4、CF4等)であり、基板温度は350〜400℃である。Si−CH3系材料は、回転塗布法でもCVD法でも形成できる。回転塗布法に用いるのは、Si−O含有成分(TEOS等)とSi−CH3含有成分(MTES(Monomethyltriethoxysilane)やDMDES(Dimethyldiethoxysilane)等)のアルコール溶液等から合成したオリゴマー溶液である。これを基板に回転塗布し、400〜450℃で加熱硬化する。CVD法で形成する場合、原料ガスの主成分は、Si−CH3含有成分(3MS(Trimethylsilane)、TMCTS(Tetramethylcyclo-tetrasiloxanes)等)、酸化剤(O2、CO2等)等であり、基板温度は350〜400℃である。
また、絶縁膜16に上記のような低誘電率材料を用いれば(すなわち絶縁膜16を酸化シリコン膜よりも低い誘電率を有する絶縁膜とすれば)、隣接配線間の寄生容量を低減できるが、絶縁膜16として、Si(シリコン)とO(酸素)とで構成される酸化シリコン(SiOx)膜、またはSi(シリコン)とO(酸素)とN(窒素)とで構成される酸窒化シリコン(SiON)膜を用いることもできる。ここで、酸窒化シリコン膜(SiON)膜は、シリコン(Si)と酸素(O)とを主成分としこれに窒素(N)が導入された絶縁体膜である。従って、絶縁膜16は、シリコン(Si)と酸素(O)とを含有する絶縁膜であるが、シリコン(Si)および酸素(O)以外に、窒素(N)、炭素(C)、フッ素(F)、水素(H)が含まれていても良い。
このように、絶縁膜16は、シリコン(Si)と酸素(O)とを含有し、好ましくはシリコン(Si)と酸素(O)を主成分とし、より好ましくは、酸化シリコン膜、酸窒化シリコン膜、または酸化シリコン膜よりも低い誘電率を有する絶縁膜(低誘電率絶縁膜)である。絶縁膜16として低誘電率絶縁膜を用いる場合は、上記のようにSi(シリコン)とO(酸素)を主成分とするシリカ系低誘電率材料を用いる。
絶縁膜16におけるSi(シリコン)とO(酸素)の組成比、すなわち絶縁膜16におけるSi(シリコン)とO(酸素)の原子数比(O原子数/Si原子数)は、1.0以上であることが好ましい。この場合、絶縁膜16は、酸素(O)含有量がシリコン(Si)含有量に対して原子数比で1.0倍以上となり、換言すれば、絶縁膜16は、酸素(O)含有量がシリコン(Si)含有量以上となる。また、絶縁膜16の組成をSiOx(絶縁膜16が酸化シリコン膜の場合に対応)、SiOxFy(絶縁膜16がフッ素を含有するシリカ系低誘電率材料膜の場合に対応)またはSiOxCy(絶縁膜16が炭素を含有するシリカ系低誘電率材料膜の場合に対応)と表記すると、このSiOx、SiOxFyまたはSiOxCyにおけるxは1.0以上(x≧1.0)となる。また、比誘電率を低く(例えば3.3以下に)するためには、上記SiOxCyにおけるyは0.5以上(y≧0.5)とするのが好ましい。
また、本実施の形態では、上記のように、絶縁膜16をエッチングする際に炭化シリコン(SiC)系材料からなる絶縁膜15をエッチングストッパとして用いる。このため、絶縁膜15のエッチング選択比(絶縁膜15をエッチングストッパとして絶縁膜16をエッチングする際のエッチング条件での絶縁膜16のエッチング速度を絶縁膜15のエッチング速度で割った値)を高める必要がある。絶縁膜16はシリコン(Si)と酸素(O)を主成分としているので、絶縁膜15が酸素(O)を含有していない場合、すなわち、絶縁膜15としてSiC膜(炭化シリコン膜)またはSiCN膜(炭窒化シリコン膜)を用いた場合には、絶縁膜15のエッチング選択比を高めて、エッチングストッパとしての十分なエッチング選択比を確保することができる。従って、絶縁膜16をエッチングする際に絶縁膜15をエッチングストッパとして充分に機能させることができる。
一方、絶縁膜15が酸素(O)を含有している場合、すなわち、絶縁膜15としてSiCO膜を用いる場合には、酸素(O)の含有率が大きすぎるとエッチングストッパとしての充分なエッチング選択比が得られない可能性があるため、絶縁膜15におけるSi(シリコン)とO(酸素)の組成比、すなわち絶縁膜15におけるSi(シリコン)とO(酸素)の原子数比(O原子数/Si原子数)を1.0未満とすることが好ましい。この場合、絶縁膜15は、酸素(O)含有量がシリコン(Si)含有量に対して原子数比で1.0倍未満となり、換言すれば、絶縁膜15は、酸素(O)含有量がシリコン(Si)含有量未満となる。また、酸素を含有する場合の絶縁膜15の組成をSiCxOyで表記すると、このSiCxOyにおけるyは1.0未満(y<1.0)となる。このため、絶縁膜15が酸素(O)を含有している場合でも、絶縁膜15におけるSi(シリコン)とO(酸素)の原子数比(O原子数/Si原子数)は、絶縁膜16におけるSi(シリコン)とO(酸素)の原子数比(O原子数/Si原子数)よりも小さくなる。このようにすることで、絶縁膜15のエッチング選択比を高めて、エッチングストッパとして必要なエッチング選択比を確保することができ、絶縁膜16をエッチングする際に絶縁膜15をエッチングストッパとして機能させることができる。
従って、絶縁膜15は、シリコン(Si)と炭素(C)とを主成分として必ず含有するが、窒素(N)や酸素(O)は含んでいなくとも良いので、絶縁膜15におけるSi(シリコン)とO(酸素)の組成比、すなわち絶縁膜15におけるSi(シリコン)とO(酸素)の原子数比(O原子数/Si原子数)は、ゼロ以上1.0未満となる。すなわち、絶縁膜15は、酸素(O)含有量がシリコン(Si)含有量に対して原子数比でゼロ以上1.0倍未満となり、換言すれば、絶縁膜15は、酸素(O)含有量がシリコン(Si)含有量未満となる。また、絶縁膜15の組成をSiCxNyOzで表記すると、このSiCxNyOzにおけるzはゼロ以上1.0未満(0≦z<1.0)となる。
また、上記のように、絶縁膜11,14は炭素(C)を含有していないか、含有していても微量(絶縁膜11,14におけるSi(シリコン)とC(炭素)の原子数比(C原子数/Si原子数)は0.05以下)であるのに対して、絶縁膜15は炭素(C)を主成分として含有している。このため、絶縁膜11,14と絶縁膜15とで炭素(C)含有量を比べると、絶縁膜11,14が炭素(C)を含有している場合であっても、絶縁膜11,14におけるSi(シリコン)とC(炭素)の原子数比(C原子数/Si原子数)は、絶縁膜15におけるSi(シリコン)とC(炭素)の原子数比(C原子数/Si原子数)よりも小さい。また、絶縁膜11,14と絶縁膜15とで酸素(O)含有量を比べると、絶縁膜15が酸素(O)を含有している場合(絶縁膜15がSiCO膜の場合)であっても、絶縁膜15におけるSi(シリコン)とO(酸素)の原子数比(O原子数/Si原子数)は、絶縁膜11,14におけるSi(シリコン)とO(酸素)の原子数比(O原子数/Si原子数)よりも小さい。
また、絶縁膜15のエッチングストッパとしての機能と、窒化シリコンよりも誘電率(比誘電率)が低いという炭化シリコン(SiC)系材料の利点とを考慮すると、絶縁膜15におけるSi(シリコン)とC(炭素)の組成比、すなわち絶縁膜15におけるSi(シリコン)とC(炭素)の原子数比(C原子数/Si原子数)を0.5以上とすることが好ましい。この場合、絶縁膜15は、炭素(C)含有量がシリコン(Si)含有量に対して原子数比で0.5倍以上となる。また、絶縁膜15の組成をSiCx(絶縁膜15がSiC膜の場合に対応)、SiCxNy(絶縁膜15がSiCN膜の場合に対応)またはSiCxOy(絶縁膜15がSiCO膜の場合に対応)で表記すると、このSiCx、SiCxNyまたはSiCxOyにおけるxは0.5以上(x≧0.5)となる。
また、絶縁膜16は、酸化シリコン膜または酸窒化シリコン膜の場合は、炭素(C)を含有していないか、含有していても微量(例えば膜中のSi(シリコン)とC(炭素)の原子数比(C原子数/Si原子数)が0.05以下程度)であるが、炭素(C)を含有するシリカ系低誘電率材料膜の場合(絶縁膜16がSiOC膜の場合)には、炭素(C)をある程度の量(例えばシリコン原子と同量程度)含有することができる。しかしながら、絶縁膜15と絶縁膜16とで酸素(O)含有量を比べた場合には、絶縁膜15が酸素(O)を含有している場合(絶縁膜15がSiCO膜の場合)であっても、絶縁膜15におけるSi(シリコン)とO(酸素)の原子数比(O原子数/Si原子数)は、絶縁膜16におけるSi(シリコン)とO(酸素)の原子数比(O原子数/Si原子数)よりも小さい。これにより、絶縁膜16をエッチングする際に絶縁膜15をエッチングストッパとして機能させることができる。
また、形成すべき配線(後述する配線20)の厚みにもよるが、絶縁膜15の膜厚(堆積膜厚)は、例えば10〜60nm程度とすることができ、絶縁膜16の膜厚(堆積膜厚)は、例えば50〜150nm程度とすることができる。
次に、絶縁膜16上に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストパターン(フォトレジストパターン)RP1を形成する。
次に、図9に示されるように、レジストパターンRP1をエッチングマスクとして用いて、絶縁膜16をエッチング(ドライエッチング)することで、絶縁膜16を選択的に除去して絶縁膜16に開口部(配線開口部)17を形成する。この際、絶縁膜15よりも絶縁膜16をドライエッチングしやすいエッチング条件で絶縁膜16をエッチングして下層の絶縁膜15をエッチングストッパ(エッチングストッパ膜)として機能させる。開口部17の底部では絶縁膜15が露出される。
次に、レジストパターンRP1をエッチングマスクとして用いて、絶縁膜16の開口部17の底部の絶縁膜15,14をエッチング(ドライエッチング)して選択的に除去する。この際、絶縁膜16よりも絶縁膜14,15をドライエッチングしやすいエッチング条件で絶縁膜15および絶縁膜14をエッチングする。これにより、絶縁膜14,15,16に開口部(配線開口部)17を形成する。開口部17の底部では、プラグ13の上面(の少なくとも一部)が露出される。その後、レジストパターンRP1を除去する。これにより、図10の構造が得られる。
また、設計上は、プラグ13の上面全部が開口部17の平面内に含まれるように、絶縁膜14,15,16に開口部17が形成される。しかしながら、実際には、フォトリソグラフィの合わせ誤差などに起因して、開口部17とプラグ13の合わせずれが発生する可能性がある。この合わせずれがあってもプラグ13の上面の全てが開口部17の底部で露出するようにするには、ずれ量を見込んで開口部17の寸法をあらかじめ大きく設計しておけばいいが、その分半導体装置のチップサイズが大きくなる点が問題である。そこで、電気的接続に十分な接触面積が得られることを条件に、プラグ13の上面の一部が開口部17内に露出せずに、平面的に見て外側にはみ出すことを許容するのが一般的である。図10では、プラグ13のうち、プラグ13dは、上面の全部が開口部17の底部で露出しているが、プラグ13cは、上面の一部だけが開口部17の底部で露出している。
次に、図11に示されるように、半導体基板1の主面上の全面(すなわち開口部17の底部および側壁上を含む絶縁膜16上)に、例えばタンタル(Ta)膜、窒化タンタル(TaN)膜あるいはこれらの積層膜などからなる厚さ50nm程度の比較的薄い導電性バリア膜(バリア導体膜)18を形成する。導電性バリア膜18の成膜には、スパッタリング法やCVD法などを用いることができる。導電性バリア膜18は、例えば後述の主導体膜19の銅の拡散を抑制または防止する機能、および主導体膜19と絶縁膜(絶縁膜14〜16)との密着性を向上させる機能などを有している。このような導電性バリア膜18の材料としては、上記タンタル系材料に代えて、銅と殆ど反応しない窒化タングステン(WN)または窒化チタン(TiN)などのような高融点金属窒化物を用いることもできる。また、導電性バリア膜18の材料として、高融点金属窒化物にシリコン(Si)を添加した材料や、銅と反応し難い、チタン(Ti)、タングステン(W)、チタンタングステン(TiW)合金などのような高融点金属を用いることもできる。また、導電性バリア膜18としては、上記材料膜の単体膜だけでなく積層膜を用いることもできる。
次に、導電性バリア膜18上に、開口部17内を埋める(満たす)ように、例えば厚さ800〜1600nm程度の相対的に厚い銅からなる主導体膜19を形成する。主導体膜19は、例えばスパッタリング法またはめっき法などを用いて形成することができる。また、主導体膜19は銅を主成分とする導体膜、例えば銅または銅合金(Cuを主成分とし、例えばMg,Ag,Pd,Ti,Ta,Al,Nb,ZrまたはZnなどを含む)により形成することができる。また、導電性バリア膜18上に、相対的に薄い銅(または銅合金)などからなるシード膜をスパッタリング法などによって形成し、その後、シード膜上に相対的に厚い銅(または銅合金)などからなる主導体膜19をめっき法などによって形成することもできる。その後、例えば非酸化性雰囲気(例えば水素雰囲気)中において半導体基板1に対して熱処理を施すことにより主導体膜19の結晶粒を成長させる。
次に、図12に示されるように、主導体膜19および導電性バリア膜18を例えばCMP法によって、絶縁膜16の上面が露出するまで研磨する。絶縁膜16上の不要な導電性バリア膜18および主導体膜19を除去し、配線開口部としての開口部17内に導電性バリア膜18および主導体膜19を残すことにより、図5に示されるように、相対的に薄い導電性バリア膜18と相対的に厚い主導体膜19とからなる配線(第1層配線、最下層配線、第1配線)20を開口部17内に形成する。配線20は、絶縁膜14,15,16の開口部17内に埋め込まれた配線(埋め込み配線)であり、その底部の一部がプラグ13(の上面)に接することで、プラグ13と電気的に接続されている。配線20は、プラグ13を介してn+型半導体領域(ソース、ドレイン)8a、p+型半導体領域(ソース、ドレイン)8bあるいはゲート電極5a,5bなどと電気的に接続されている。CMP法の代わりにエッチング(電解エッチングなど)により、不要な導電性バリア膜18および主導体膜19を除去することもできる。
また、本実施の形態では、上記図10を参照して説明したように、開口部17とプラグ13の合わせずれを許容しており、プラグ13の上面の少なくとも一部が開口部17から露出して配線20と接していれば良い。このため、プラグ13のうちのプラグ13dは、上面全部が開口部17から露出して配線20に接しているが、プラグ13のうちのプラグ13cは、上面の一部だけが開口部17の底部で露出して配線20と接し、上面の他の部分上は、絶縁膜14(絶縁膜14,15,16の積層膜)で覆われた状態となっている。すなわち、プラグ13cの上面は、一部が配線20と平面的に重なって配線20と接し、他の一部上は絶縁膜14(絶縁膜14,15,16の積層膜)で覆われた状態となっている。このように場合には、このプラグ13cと、このプラグ13cに接続された配線20aに隣接する配線20bとの間の距離が、配線20aと配線20bとの間隔(配線20の最近接間隔)よりも近くなってしまい、近接したプラグ13cと配線20bとの間で絶縁破壊が生じ易くなる。しかしながら、本実施の形態では、水分含有量が多くなりやすい絶縁膜11と耐湿性が弱い絶縁膜15との間に絶縁膜14を介在させることにより、プラグ13cと配線20bとの間に電気的に弱い絶縁破壊経路が形成されるのを防止できるので、たとえプラグ13cと配線20bとの間が近接したとしても、プラグ13cと配線20bとの間で絶縁破壊が生じるのを防止できる。
また、プラグ13は銅(Cu)またはタングステン(W)などを主成分とする主導体膜13bを有し、絶縁膜14はシリコン(Si)と酸素(O)とを含有する絶縁膜(好ましくは酸化シリコン膜または酸窒化シリコン(SiON)膜)からなるが、プラグ13が銅(Cu)を含有する場合(主導体膜13bが銅(Cu)を主成分とする場合)は、絶縁膜14が、酸窒化シリコン(SiON)膜であることが好ましい。これは、開口部17とプラグ13の合わせずれにより、プラグ13cの上面の一部が、絶縁膜14(絶縁膜14,15,16の積層膜)で覆われた状態となった場合、プラグ13が銅(Cu)を含有していると(主導体膜13bが銅(Cu)を主成分にしていると)、プラグ13(の主導体膜13b)中の銅(Cu)が絶縁膜14中に拡散する可能性があるためである。シリコン(Si)と酸素(O)と窒素(N)とを含有する酸窒化シリコン(SiON)膜は、銅に対するバリア性(銅の拡散を抑制または防止する機能)を有している。このため、プラグ13が銅(Cu)を含有する場合は、絶縁膜14を酸窒化シリコン(SiON)膜とすれば、たとえ開口部17とプラグ13の合わせずれにより、プラグ13cの上面の一部が絶縁膜14(絶縁膜14,15,16の積層膜)で覆われた状態となったとしても、プラグ13中の銅(Cu)が絶縁膜14中に拡散するのを抑制または防止することができる。これにより、プラグ13cと配線20bとの間で絶縁破壊が生じるのを、的確に防止できる。
また、プラグ13が銅(Cu)を含有し、絶縁膜14を酸窒化シリコン(SiON)膜とする場合、絶縁膜14におけるSi(シリコン)とN(窒素)の組成比、すなわち絶縁膜14におけるSi(シリコン)とN(窒素)の原子数比(N原子数/Si原子数)は、0.01以上であることが好ましい。この場合、絶縁膜14は、窒素(N)含有量がシリコン(Si)含有量に対して原子数比で1%以上となる。また、絶縁膜14の組成をSiOxNyで表記すると、このSiOxNyにおけるyは0.01以上(y≧0.01)となる。これにより、絶縁膜14の銅に対するバリア性を高めて、プラグ13cと配線20bとの間で絶縁破壊が生じるのを、より的確に防止できる。
また、絶縁膜14中の窒素(N)含有率が高すぎると、絶縁膜14の誘電率が高くなって配線20間の寄生容量が増大する。このため、プラグ13が銅(Cu)を含有し、絶縁膜14を酸窒化シリコン(SiON)膜とする場合、絶縁膜14におけるSi(シリコン)とN(窒素)の組成比、すなわち絶縁膜14におけるSi(シリコン)とN(窒素)の原子数比(N原子数/Si原子数)は、0.01以上でかつ0.2以下であることが更に好ましい。この場合、絶縁膜14は、窒素(N)含有量がシリコン(Si)含有量に対して原子数比で1%以上20%以下となる。また、絶縁膜14の組成をSiOxNyで表記すると、このSiOxNyにおけるyは0.01以上0.2以下(0.01≦y≦0.2)となる。これにより、絶縁膜14の銅に対するバリア性の向上によるプラグ13cと配線20bとの間の絶縁破壊耐性の向上効果と、配線20間の寄生容量の低減効果の両立を図ることができる。
また、プラグ13が銅(Cu)を含まない場合、例えばプラグ13を構成する主導体膜13bがタングステン(W)を主成分とする場合には、プラグ13からの銅の拡散を気にする必要がないので、絶縁膜14として、酸化シリコン(SiOx)膜と酸窒化シリコン(SiON)膜のどちらを用いてもよいが、誘電率を考慮して、酸化シリコン(SiOx)膜を用いることがより好ましい。酸窒化シリコン(SiON)膜よりも酸化シリコン(SiOx)膜の方が誘電率を低くできるので、絶縁膜14に酸化シリコン(SiOx)膜を用いることで、配線20間の寄生容量をより低減できる。
次に、半導体基板1をプラズマCVD装置の処理室内に配置し、アンモニアガスを導入してプラズマ電源を印加することにより、半導体基板1(特に配線20が露出するCMP面)に対して、アンモニア(NH3)プラズマ処理を施す。あるいは、N2ガスおよびH2ガスを導入して、N2/H2プラズマ処理を施す。このような還元性プラズマ処理により、CMPで酸化された銅配線表面の酸化銅(CuO、Cu2O、CuO2)を銅(Cu)に還元し、更に、窒化銅(CuN)層が配線20の表面(ごく薄い領域)に形成される。
それから、図13に示されるように、半導体基板1の主面の全面上(すなわち配線20の上面上を含む絶縁膜16上)に絶縁膜21を形成する。絶縁膜21は、銅配線のバリア絶縁膜として機能する。従って、絶縁膜21は、配線20の主導体膜19中の銅が、後で形成される絶縁膜(層間絶縁膜)22中に拡散するのを抑制または防止する。絶縁膜21は、銅に対するバリア性に優れた(銅の拡散を抑制または防止する機能が高い)材料膜を用いることが好ましく、例えば窒化シリコン(SiN)膜、炭化シリコン(SiC)膜または炭窒化シリコン(SiCN)膜を用いることが好ましく、例えばプラズマCVD法などによって形成することができる。
また、酸窒化シリコン(SiON)膜も、銅(Cu)の拡散を抑制または防止する機能を有している。このため、絶縁膜16として酸窒化シリコン(SiON)膜を用いれば、すなわち絶縁膜16がシリコン(Si)と酸素(O)と窒素(N)とを含有していれば、絶縁膜22だけでなく絶縁膜16にも銅(Cu)の拡散を抑制または防止する機能をもたせることができ、隣接する配線20間の絶縁膜16と絶縁膜21との界面に絶縁破壊経路が形成されるのを更に抑制または防止することができる。これにより、配線の信頼性をより向上させることができる。
次に、絶縁膜21上に、絶縁膜(層間絶縁膜)22、絶縁膜(エッチングストッパ膜)23および絶縁膜(層間絶縁膜)24を順に形成する。絶縁膜(層間絶縁膜)22,24は、上記絶縁膜16と同様の材料により形成することができ、絶縁膜(エッチングストッパ膜)23は、上記絶縁膜15と同様の材料により形成することができる。
次に、図14に示されるように、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法などを用いて絶縁膜21〜24をドライエッチングすることなどによって、配線開口部すなわち、配線20に達する開口部(ビア)30および開口部(配線溝)31を形成する。開口部31は、絶縁膜24および絶縁膜23を選択的に除去することにより形成されている。開口部30は、開口部31の底部において絶縁膜22および絶縁膜21を選択的に除去することにより形成されている。開口部30の底部では、配線20の上面が露出される。
次に、開口部30の底部で露出する配線20(下層銅配線)の表面に形成された酸化銅を除去して配線20の露出した上面を清浄化(クリーニング)する処理を行う。これは、例えば水素(H2)プラズマ処理のような還元性プラズマ処理により、銅配線表面の酸化銅(CuO、Cu2O、CuO2)を銅(Cu)に還元することにより行うことができる。
次に、半導体基板1の主面上の全面に(すなわち、開口部30および開口部31の底面および側壁上を含む絶縁膜24上に)、導電性バリア膜18と同様の材料(例えば窒化チタン)からなる薄い導電性バリア膜(バリア導体膜)32を同様の手法を用いて形成する。導電性バリア膜32は、導電性バリア膜18と同様の機能を有し、例えば後述の主導体膜33の銅の拡散を抑制または防止する機能、および主導体膜33と絶縁膜(絶縁膜21〜24)との密着性を向上させる機能などを有している。
次に、導電性バリア膜32上に、開口部30および開口部31内を埋める(満たす)ように、上記主導体膜19と同様の材料(銅)からなる主導体膜33を同様の手法を用いて形成する。その後、例えば非酸化性雰囲気(例えば水素雰囲気)中において半導体基板1に対して熱処理を施すことにより主導体膜33の結晶粒を成長させる。
次に、主導体膜33および導電性バリア膜32を例えばCMP法によって、絶縁膜24の上面が露出するまで研磨する。絶縁膜24上の不要な導電性バリア膜32および主導体膜33を除去し、配線開口部としての開口部30,31内に導電性バリア膜32および主導体膜33を残すことにより、相対的に薄い導電性バリア膜32と相対的に厚い主導体膜33とからなる配線(第2層配線)34を、開口部(配線溝)31および開口部(ビア)30からなる配線開口部内に形成する。配線34は、開口部(配線溝)31に埋め込まれた導電性バリア膜32と主導体膜33とからなる配線部と、開口部(ビア)31に埋め込まれた導電性バリア膜32と主導体膜33とからなるビア部とを有しており、配線34の配線部は、配線34のビア部を介して、下層配線である配線20と電気的に接続されている。
その後、図13および図14の工程と同様の工程を必要に応じて繰り返して、第3層配線以降の上層配線を形成することができるが、ここではその図示および説明は省略する。
本実施の形態の半導体装置においては、図15などに示されるように、半導体基板1の主面に、MISFETQn,QpのようなMISFETを含む半導体素子が形成されており、半導体素子(MISFETQn,Qpなど)が形成された半導体基板1の主面上に、絶縁膜10,11(第1絶縁膜)が形成されている。この絶縁膜11(第1絶縁膜)は、MISFETのような半導体素子が形成された半導体基板1の主面上に、MISFETのゲート電極間(ここではゲート電極5a,5b間)を埋めるように形成されている。絶縁膜10,11にはコンタクトホール12(第1開口部)が形成されており、コンタクトホール12内にはプラグ13(第1導体部)が埋め込まれている。プラグ13の底部は、MISFETのソース領域、ドレイン領域またはゲート電極と電気的に接続されている。絶縁膜11上に絶縁膜14が形成され、絶縁膜14上に絶縁膜15が形成され、絶縁膜15上に絶縁膜16が形成されている。絶縁膜14は、絶縁膜11よりもSi(シリコン)原子の数密度が大きな膜であり、絶縁膜11よりも吸湿性が低い。絶縁膜11と絶縁膜15とは直接接しておらず、間に絶縁膜14が介在している。絶縁膜14,15,16には、開口部17(配線開口部)が形成されており、開口部17内には配線20(第1配線)が埋め込まれている。開口部17の底部でプラグ13(の上面)の少なくとも一部が露出されており、配線20はプラグ13と接して電気的に接続されている。配線20は、半導体基板1上に形成された複数の配線層のうちの最下層の配線層からなる。各絶縁膜10,11,14,15,16を構成する材料については、上述しているので、ここではその説明は省略する。
また、絶縁膜15は、開口部17(配線開口部)を形成するために絶縁膜16をエッチングする際のエッチングストッパ膜であり、エッチング選択比を高め得る材料膜とすることが好まく、絶縁膜16は層間絶縁膜として機能するので、誘電率を低くできる材料膜とすることが好ましい。このため、好ましくは、絶縁膜16の誘電率は、絶縁膜15の誘電率よりも低い。また、製造された半導体装置において、絶縁膜16の膜厚が、絶縁膜15の膜厚よりも厚く、かつ絶縁膜14の膜厚よりも厚いことが好ましい。絶縁膜14,15,16のうち、低誘電率化が容易な絶縁膜16を最も厚くすることで、隣接する配線20間の寄生容量を効率的に低減できる。ここで、絶縁膜14,15,16の各膜厚は、半導体基板1の主面に垂直な方向の膜厚に対応する。
次に、本実施の形態の効果について、より詳細に説明する。
図15は、本発明者が検討した第1の比較例の半導体装置の製造工程中の要部断面図であり、本実施の形態の図12に相当するものである。図16〜図18は、本発明者が検討した第2の比較例の半導体装置の製造工程中の要部断面図であり、それぞれ本実施の形態の図6、図7および図12に相当するものである。
図15の第1の比較例は、本実施の形態とは異なり、絶縁膜14の形成を省略して、プラグ13が埋め込まれた絶縁膜11上にエッチングストッパ膜としての絶縁膜15と層間絶縁膜としての絶縁膜16とを形成し、絶縁膜15,16に開口部17およびそれを埋める配線20を形成している。それ以外は、本実施の形態と同様にして製造されている。
本実施の形態、第1および第2の比較例では、半導体基板1の主面にMISFETQn,Qpのような半導体素子を形成した後、半導体基板1の主面上に層間絶縁膜として絶縁膜11を形成している。上記のように、ゲート電極間のスペースを埋めるように形成すべき絶縁膜11としては、埋め込み性が良好な絶縁膜を用いることが望まれる。このため、埋め込み性が良好な、O3−TEOS酸化膜のように熱CVD法で形成した絶縁膜や、SOG膜のように塗布法で形成した絶縁膜を、絶縁膜11として用いる。しかしながら、埋め込み性が高い絶縁膜は、プラズマCVD法で形成した絶縁膜に比べて緻密さが低くSi(シリコン)原子の数密度が小さくなり、吸湿性が高くなるため、成膜した段階で水分含有量が高くなりやすい。特に、金属シリサイド層9をニッケルシリサイド層とした場合には、ニッケルシリサイドの耐熱性(約500℃)の制限のため、絶縁膜11の成膜後に高温(例えば800℃以上)のアニール(熱処理)を行えず、アニールによる絶縁膜11の吸湿性改善(吸湿性を低下させること)は困難である。このため、絶縁膜11の吸湿性が高い状態のままで、その後の工程が行われ、絶縁膜11上に他の絶縁膜が形成されることになる。
図15の第1の比較例では、本実施の形態とは異なり、絶縁膜14を形成することなく、プラグ13が埋め込まれた絶縁膜11上にエッチングストッパ膜としての絶縁膜15を形成しているが、上記のように、絶縁膜15に炭化シリコン(SiC)系材料を用いると、高エッチング選択比および低誘電率を実現できるが、絶縁膜15の耐湿性が弱くなり、吸湿により電気特性が劣化し易くなる。
図15の第1の比較例のように、水分含有量が多くなりやすい絶縁膜11に、耐湿性が低い絶縁膜15が直接的に接していると、その界面(第1の比較例における絶縁膜11と絶縁膜15との界面)が電気的に弱くなり、銅配線中の銅(Cu)の拡散が無くとも、この界面を介して絶縁破壊しやすいことが、本発明者の検討で分かった。すなわち、図15の点線で囲まれた部分101の絶縁膜11と絶縁膜15の界面で、絶縁破壊しやすくなることが分かった。
また、図15の第1の比較例でも、本実施の形態と同様に、開口部17とプラグ13の合わせずれを許容しており、プラグ13のうちのプラグ13cは、上面の一部だけが開口部17の底部で露出して配線20と接し、上面の他の部分上は、絶縁膜15,16の積層膜で覆われた状態となっている。このように場合には、このプラグ13cと、このプラグ13cに接続された配線20aに隣接する配線20bとの間の距離が、配線20aと配線20bとの間隔(配線20の最近接間隔)よりも近くなってしまい、近接したプラグ13cと配線20bとの間で絶縁破壊が生じ易くなる。このため、図15の第1の比較例では、近接したプラグ13cと配線20bとの間で、図15の点線で囲まれた部分101の絶縁膜11と絶縁膜15の界面を経由して、絶縁破壊しやすくなっていることが、本発明者の検討により分かった。
そこで、第1の比較例および本実施の形態とは異なり、エッチングストッパ膜としての絶縁膜15に、耐湿性に優れた窒化シリコン膜を用いることも考えられるが、この場合、絶縁膜の誘電率が高くなり、隣接する配線20間の寄生容量を高めてしまう。
また、第1の比較例および本実施の形態とは異なり、エッチングストッパ膜としての絶縁膜15の形成を省略することも考えられる。しかしながら、エッチングストッパ膜としての絶縁膜15を無くすと、エッチング量の変動や配線溝のパターン依存性により配線形成用の溝(開口部17)の深さが変動し、配線抵抗や配線間容量のばらつき増大や、プラグ13と配線20の電気的接触の信頼性低下を招き、半導体装置の製造歩留まりが低下する可能性がある。このため、絶縁膜16の下にはエッチングストッパ膜としての絶縁膜15を形成することが望ましい。
そこで、図16の第2の比較例のように、水分含有量が多くなりやすい絶縁膜11を形成した後、この絶縁膜11上に、プラズマCVD法で形成した酸化シリコン膜のような耐湿性が高い絶縁膜114を形成し、その後、絶縁膜114,11,10にコンタクトホール112(本実施の形態のコンタクトホール12に相当するもの)を形成することが考えられる。その後、第2の比較例では、図17に示されるように、コンタクトホール112を埋込むプラグ113(本実施の形態のプラグ13に相当するもの)を形成してから、図18に示されるように、プラグ113が埋め込まれた絶縁膜114上に、絶縁膜14が形成されること無く絶縁膜15,16が形成されて、絶縁膜15,16に開口部17および配線20が形成される。このため、本実施の形態では、図12などに示されるように配線20が埋め込まれた開口部17は絶縁膜14,15,16に形成(開口)されているのに対して、第2の比較例では、図18に示されるように、配線20が埋め込まれた開口部17は絶縁膜15,16に形成されているが絶縁膜114には形成(開口)されていない。
図16〜図18の第2の比較例では、水分含有量が多くなりやすい絶縁膜11と耐湿性が低い絶縁膜15との間には、耐湿性が高い絶縁膜114が介在しており、絶縁膜11と絶縁膜15とは直接的に接していない。すなわち、耐湿性が低い絶縁膜15は、水分含有量が多くなりやすい絶縁膜11とは接していない。このため、上記図15の第1比較例のように、絶縁膜11と絶縁膜15との界面が電気的に弱くなってこの界面を介して絶縁破壊するのを防止することができる。
しかしながら、図16〜図18の第2の比較例では、絶縁膜10,11,114にコンタクトホール112を形成してプラグ113を埋め込む必要がある。本実施の形態および図15の第1の比較例では、絶縁膜10,11にコンタクトホール12を形成すればよいのに比べて、図16〜図18の第2の比較例では、絶縁膜10,11,114にコンタクトホール112を形成するため、絶縁膜114の膜厚の分だけ、コンタクトホール112の深さが深くなる。しかも、プラグ113形成時のプラグ113用導体膜(本実施の形態の主導体膜13bおよび導電性バリア膜13aに相当するもの)の研磨(CMP)工程で、研磨の選択性が悪いことにより絶縁膜114の上部が一緒に削れた場合にも、図17のように絶縁膜11の全面上に絶縁膜114が残るようにするには、図16に示されるように、コンタクトホール112形成時の絶縁膜114の膜厚はかなり厚くしておく必要がある。また、研磨の均一性を考慮しても図17のように絶縁膜11の上面が絶対に露出しないようにするには、図16に示されるように、コンタクトホール112形成時の絶縁膜114の膜厚はかなり厚くする必要がある。
このため、本実施の形態および図15の第1の比較例のコンタクトホール12に比べて第2の比較例のコンタクトホール112の方が深さが深く、アスペクト比が大きくなる。絶縁膜にコンタクトホールおよびプラグを形成する場合、絶縁膜の膜厚が厚くなり、コンタクトホールの深さが深くなる(コンタクトホールのアスペクト比が大きくなる)ほど、コンタクトホールの加工不良やコンタクトホール内へのプラグ用導体膜の埋め込み不良が発生する可能性が高くなる。このため、本実施の形態や図15の第1の比較例に比べて、コンタクトホールおよびプラグを形成する絶縁膜の膜厚が厚い図16〜図18の第2の比較例は、半導体装置の製造歩留まりが低下してしまう。
それに対して、本実施の形態では、絶縁膜10,11にコンタクトホール12を形成してそこにプラグ13を埋め込んでいる。すなわち、本実施の形態では、コンタクトホール12は絶縁膜10,11に形成されているが、絶縁膜14にはコンタクトホール12は形成されていない。このため、絶縁膜10,11,114にコンタクトホール112を形成する図16〜図18の第2の比較例に比べて、本実施の形態では、絶縁膜114が不要な分、コンタクトホール12を形成する絶縁膜の厚み(本実施の形態では絶縁膜10,11の合計膜厚に対応)を薄くすることができる。従って、本実施の形態では、コンタクトホール12を形成するためのドライエッチング工程で、コンタクトホール12の形成不良が生じるのを防止でき、またコンタクトホール12内へのプラグ用導体膜(導電性バリア膜13aおよび主導体膜13b)の埋め込み不良が生じるのを防止でき、半導体装置の製造歩留まりを向上することができる。
更に、本実施の形態では、プラグ13が埋め込まれた絶縁膜11上に、絶縁膜14を形成し、絶縁膜14上に絶縁膜15,16を形成し、これら絶縁膜14,15,16に配線開口部(開口部17)を形成して配線20を埋め込んでいる。上記のように、絶縁膜11は水分含有量が多くなりやすく、絶縁膜15は耐湿性が低いが、本実施の形態では、絶縁膜11と絶縁膜15との間には絶縁膜14が介在しており、絶縁膜11と絶縁膜15とが接しないようにしているので、水分含有量が多くなりやすい絶縁膜11と、耐湿性が低い絶縁膜15とが、直接的に接するのを防止することができる。
そして、本実施の形態では、絶縁膜11と絶縁膜15との間に介在する絶縁膜14を、プラズマCVD法で形成することで絶縁膜11よりもSi(シリコン)原子の数密度が大きな膜とし、それによって、絶縁膜14を吸湿性が低くかつ耐湿性に優れた絶縁膜にしている。このため、水分含有量が高くなりやすい絶縁膜11上を、絶縁膜11よりもSi(シリコン)原子の数密度が大きく耐湿性に優れた絶縁膜14で覆うことで、絶縁膜11と絶縁膜14の界面は電気的に弱くならず、絶縁膜11と絶縁膜14の界面を介して絶縁破壊するのを防止することができる。また、耐湿性が低い絶縁膜15を、絶縁膜11よりもSi(シリコン)原子の数密度が大きく吸湿性が低い絶縁膜14上に形成することで、絶縁膜15と絶縁膜14の界面は電気的に弱くならず、絶縁膜15と絶縁膜14の界面を介して絶縁破壊するのを防止することができる。すなわち、電気的に弱くなって絶縁破壊経路となってしまう界面(絶縁膜界面)が形成されるのを防止できる。従って、配線20間の絶縁破壊耐性を向上でき、配線の信頼線を向上させ、半導体装置の信頼性を向上することができる。
また、本実施の形態は、上述したように、たとえ開口部17とプラグ13の合わせずれによってプラグ13cと配線20bの間が配線20の最近接間隔(配線20aと配線20bの間隔)よりも近くなったとしても、絶縁膜11と絶縁膜15の間に絶縁膜14を設けたことにより、近接したプラグ13cと配線20bの間に電気的に弱い絶縁破壊経路が形成されるのを防止でき、プラグ13cと配線20bの間の絶縁破壊耐性を向上できる。このため、プラグおよび配線を有する半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、開口部17とプラグ13の合わせマージンを少なくすることができるので、半導体装置の微細化や小型化を図ることができる。従って、本実施の形態は、図12などにも示されるように、開口部17とプラグ13の合わせずれを許容し、その上面の一部だけが開口部17の底部で露出して配線20と接し、その上面の他の部分上は絶縁膜14(絶縁膜14,15,16の積層膜)で覆われた状態となっているようなプラグ13cを有する半導体装置に適用すれば、より効果が大きい。これは、後述の実施の形態2も同様である。
また、本実施の形態は、プラグ13と配線20との間の絶縁破壊耐圧(耐性)を向上することができるので、最下層配線(第1層配線)に埋め込み配線(ここでは配線20)を有する半導体装置に適用すれば、効果が大きい。これは、後述の実施の形態2も同様である。
また、本実施の形態は、絶縁膜11と絶縁膜15との間に絶縁膜11よりも緻密でSi(シリコン)原子の数密度が大きな絶縁膜14を介在させることで、絶縁膜11がSi(シリコン)原子の数密度が小さく吸湿性が高くとも、そのことに起因した不具合が発生するのを防止できるので、絶縁膜11がSi(シリコン)原子の数密度が小さな膜である場合に本実施の形態を適用すれば、効果が大きい。このため、絶縁膜11を熱CVD法で形成した場合(特に絶縁膜11がO3−TEOS酸化膜である場合)および絶縁膜11を塗布法で形成した場合(特に絶縁膜11がSOG膜である場合)のいずれの場合も、絶縁膜11は埋め込み性は高いがSi(シリコン)原子の数密度が小さく吸湿性が高くなりやすいので、本実施の形態を適用する(絶縁膜11と絶縁膜15との間に絶縁膜14を形成する)効果は大きい。特に、O3−TEOS酸化膜のように熱CVD法で形成した絶縁膜(酸化シリコン膜)よりもSOG膜のように塗布法で形成した絶縁膜(酸化シリコン膜)の方が、Si(シリコン)原子の数密度が小さく吸湿性が高くなりやすいので、絶縁膜11にSOG膜のような塗布法で形成した絶縁膜を用いる場合に本実施の形態を適用すれば(絶縁膜11と絶縁膜15との間に絶縁膜14を形成すれば)、その効果は極めて大きい。
また、金属シリサイド層9をニッケルシリサイドにより構成した場合には、ニッケルシリサイドの耐熱性(約500℃)の制限のため、それよりも高温のアニール(熱処理)を絶縁膜11の成膜後に行えず、アニールによる絶縁膜11の吸湿性改善(吸湿性を低下させること)が困難である。しかしながら、本実施の形態では、高温アニールによる絶縁膜11の吸湿性改善(吸湿性を低下させること)が行えなくとも、絶縁膜11と絶縁膜15との間に絶縁膜14を介在させることで、絶縁膜11の吸湿性が高いことに起因した不具合が発生するのを防止できる。このため、本実施の形態は、金属シリサイド層9をニッケルシリサイドにより構成した場合に適用すれば、効果が大きい。これは、後述の実施の形態2も同様である。
また、本実施の形態および後述の実施の形態2では、金属シリサイド層9が、MISFETを構成するソースまたはドレイン用の半導体領域の表面(上面、上部)とゲート電極の表面(上面、上部)の両方に形成されている場合について説明しているが、いずれか一方に形成されている場合にも適用できる。すなわち、本実施の形態および後述の実施の形態2は、ニッケルシリサイド層(すなわちニッケルシリサイドからなる金属シリサイド層9)が、MISFETを構成するソースまたはドレイン用の半導体領域の上面上(表層部、上層部、上部)またはゲート電極の上面上(表層部、上層部、上部)に形成されている場合に適用すれば、効果が大きい。
(実施の形態2)
図19〜図23は、本実施の形態の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。上記図4の工程までは、上記実施の形態1とほぼ同様であるので、ここではその説明を省略し、上記図4に続く工程について説明する。
上記実施の形態1と同様にして絶縁膜11の成膜工程までを行って上記図4とほぼ同様の構造を得た後、本実施の形態では、図19に示されるように、絶縁膜(第1絶縁膜)11上に絶縁膜(第6絶縁膜)11aを形成する。絶縁膜11aは、プラズマCVD法によって形成された酸化シリコン膜からなる。ゲート電極5a,5b間は絶縁膜11で埋め込んでいるので、絶縁膜11aをプラズマCVD法で形成しても、埋め込み性の問題はない。
次に、図20に示されるように、CMP法などを用いて、絶縁膜11,11aの積層膜(第1の積層膜)11bの上面を研磨して平坦化する。この際、絶縁膜11の一部が露出するまで絶縁膜11aのCMP処理を行う。これにより、研磨面(研磨された積層膜11bの上面)は、平坦化され、絶縁膜11が部分的に露出された状態、すなわち、絶縁膜11と絶縁膜11aとの両方が露出された状態になる。
研磨され平坦化された積層膜11bの上面で、絶縁膜11が部分的に露出されるのは、図4のように絶縁膜11を形成した段階では、下地形状(ゲート電極5a,5bおよびサイドウォール7の凸形状)を反映して、絶縁膜11の上面は、平坦ではなく、ゲート電極5a,5b近傍領域で上に凸状に盛り上がっているためである。このため、図20のように絶縁膜11a,11をCMP処理した段階では、研磨面は、ゲート電極5a,5b近傍領域では絶縁膜11が露出し、その周囲(ゲート電極間の領域)では絶縁膜11aが露出した状態となる。
次に、上記実施の形態1とほぼ同様にして、図21(上記実施の形態1の図7に対応)に示されるように、絶縁膜10,11,11a(絶縁膜10および積層膜11b)にコンタクトホール12を形成してから、コンタクトホール12内にプラグ13を形成する。また、本実施の形態では、図21からも分かるように、研磨されて平坦化された積層膜11bの上面の絶縁膜11が露出した部分に重なる位置にも、コンタクトホール12およびそれを埋めるプラグ13が形成される。積層膜11bの上面の絶縁膜11が露出した部分に重なる位置に形成されたプラグ13は、その上面の少なくとも一部が絶縁膜11に隣接している(接している)。
これ以降の工程は、上記実施の形態1と同様である。すなわち、上記実施の形態1と同様にして、図22(上記実施の形態1の図8に対応)に示されるように、プラグ13が埋め込まれた積層膜11b(絶縁膜11,11a)の上面上に絶縁膜14を形成し、絶縁膜14上に絶縁膜15を形成し、絶縁膜15上に絶縁膜16を形成し、絶縁膜16上にレジストパターンRP1を形成する。絶縁膜14,15,16については、上記実施の形態1と同様であるので、ここではその説明は省略する。それから、上記実施の形態1と同様にして、図23(上記実施の形態1の図12に対応)に示されるように、絶縁膜14,15,16に開口部17を形成する。この際、上記実施の形態1と同様に、まず絶縁膜16をエッチングして下層の絶縁膜15をエッチングストッパとして機能させ、その後、絶縁膜15,14をエッチングして、絶縁膜14,15,16に開口部17を形成する。それから、上記実施の形態1と同様にして、開口部17内に配線20を形成する。
その後、上記実施の形態1と同様にして、絶縁膜22,23,24、開口部30,31および配線34が形成されるが、ここではその図示および説明を省略する。
上記実施の形態1では、絶縁膜11(あるいは絶縁膜10,11の積層膜)にコンタクトホール12およびプラグ13を形成し、プラグ13を埋め込んだ絶縁膜11の上面の全面上に絶縁膜14を形成していた。
それに対して、本実施の形態では、上面が平坦ではない絶縁膜11を形成した後、絶縁膜11上に絶縁膜11aを形成し、絶縁膜11および絶縁膜11aからなる積層膜(第1の積層膜)11bの上面を研磨して平坦化し、平坦化された積層膜11bの上面で絶縁膜11を部分的に露出させる。それから、絶縁膜10および積層膜11bにコンタクトホール12を形成してプラグ13を埋め込み、プラグ13が埋め込まれた積層膜11b上に、絶縁膜14を形成する。
従って、製造された本実施の形態の半導体装置では、図23にも示されるように、半導体基板1の主面上に、絶縁膜11と絶縁膜11の上部に部分的に形成された絶縁膜11aとからなる積層膜11bが形成されており、積層膜11bは上面が平坦化されており、積層膜11bの平坦化された上面では、絶縁膜11が部分的に露出された状態となっており、このような積層膜11bにコンタクトホール12およびプラグ13が形成されている。絶縁膜14は積層膜11b上に形成されている。積層膜11bの上面の絶縁膜11が露出した部分に(少なくとも一部が)重なる位置にも、コンタクトホール12およびそれを埋めるプラグ13が形成され、そのプラグ13の上面(の少なくとも一部)に絶縁膜11(すなわち積層膜11bの上面の絶縁膜11が露出した部分)が隣接して接している。
本実施の形態では、研磨されて平坦化された積層膜11bの上面では絶縁膜11が部分的に露出しており、積層膜11bの上面は絶縁膜11の上面と絶縁膜11aの上面とで構成されているので、積層膜11bの上面に形成された絶縁膜14の下面は、絶縁膜11の上面に接すると領域と、絶縁膜11aの上面に接する領域とがある。本実施の形態とは異なり、絶縁膜14の形成を省略した場合、絶縁膜15の下面は積層膜11bの上面と接することになり、絶縁膜15の下面は、絶縁膜11の上面に接すると領域と、絶縁膜11aの上面に接する領域とが生じる。上記実施の形態1で説明したように、絶縁膜15と絶縁膜11とが接すると、その界面が電気的に弱くなり、この界面を介して絶縁破壊しやすくなるが、本実施の形態では、積層膜11bの上面と絶縁膜15との間に絶縁膜14を形成しているので、絶縁膜15と絶縁膜11とが接しないようにして、絶縁膜11と絶縁膜15との界面を介して絶縁破壊するのを防止することができる。従って、配線20間の絶縁破壊耐性を向上でき、配線の信頼線を向上させ、半導体装置の信頼性を向上することができる。
また、絶縁膜11,11aを形成した後、絶縁膜11,11aからなる積層膜11bの上面を研磨して平坦化する際に、本実施の形態とは異なり、絶縁膜11が露出する前にCMP処理を終了し、平坦化された積層膜11bの上面で絶縁膜11を露出させないことも考えられる。しかしながら、この場合、絶縁膜11の上面が絶縁膜11aで覆われることから、絶縁膜11が水分含有量が多くなり易いことに起因した不具合を防止できるが、上記図16〜図18の第2の比較例と同様に、絶縁膜11の上面の全面上に絶縁膜11aを残した分、コンタクトホール12を形成すべき積層膜11bの厚みが厚くなる。このため、コンタクトホール12の深さが深くなり、コンタクトホール12のアスペクト比が大きくなって、コンタクトホール12の加工不良やコンタクトホール12内へのプラグ13用導体膜の埋め込み不良が発生する可能性が高くなる。
それに対して本実施の形態では、絶縁膜11,11aを形成した後、絶縁膜11,11aからなる積層膜11bの上面を研磨して平坦化する際に、研磨面から絶縁膜11が部分的に露出するまでCMP処理を行い、研磨されて平坦化された積層膜11bの上面で絶縁膜11を部分的に露出させる。このため、絶縁膜11の上面の全面上に絶縁膜11aを残す場合に比べて、コンタクトホール12を形成すべき積層膜11bの厚みを薄くできるので、コンタクトホール12を浅くしアスペクト比を小さくでき、コンタクトホール12の加工不良やコンタクトホール12内へのプラグ13用導体膜の埋め込み不良が発生するのを防止することができる。従って、半導体装置の製造歩留まりを向上できる。そして、上記実施の形態1と同様に、本実施の形態でも、プラグ13が埋め込まれた積層膜11b上に絶縁膜14を形成したことにより、研磨されて平坦化された積層膜11bの上面で絶縁膜11が部分的に露出していることの不具合を防止することができる。
また、絶縁膜11aを形成する前の絶縁膜11の上面が平坦でかつ絶縁膜11の平坦面上に絶縁膜11aを形成した場合には、絶縁膜11,11aからなる積層膜11bの上面を研磨して平坦化した際には、絶縁膜11の上面の全面上に絶縁膜11aが残存して研磨面から絶縁膜11が全く露出しない状態になるか、あるいは絶縁膜11aの全部が除去されて全面で絶縁膜11が露出された状態になりやすい。このため、本実施の形態は、絶縁膜11aを形成する前の絶縁膜11の上面の平坦度が低い場合(例えばゲート電極5a,5bなどを反映した凹凸が絶縁膜11の上面に生じている場合)に適用すれば効果が大きく、この場合、絶縁膜11の平坦でない上面上に絶縁膜11aを形成した後、絶縁膜11,11aからなる積層膜11bの上面を研磨して平坦化すると、上記図20のように、研磨面から絶縁膜11が部分的に露出するようになる。このため、本実施の形態は、絶縁膜11を熱CVD法で形成した場合(例えば絶縁膜11がO3−TEOS酸化膜の場合)および塗布法で形成した場合(例えば絶縁膜11がSOG膜の場合)のどちらにも適用できるが、特に、絶縁膜11aを形成する前の絶縁膜11の上面の平坦度が低くなりやすい熱CVD法で絶縁膜11を形成した場合(例えば絶縁膜11がO3−TEOS酸化膜の場合)に本実施の形態を適用すれば、より効果は大きい。
また、上記実施の形態1および第1の比較例で説明したように、開口部17とプラグ13の合わせずれによってプラグ13cと配線20bとの間が近くなった場合に、近接したプラグ13cと配線20bとの間に電気的に弱い絶縁破壊経路が形成される可能性が高い。このため、コンタクトホール12およびそれを埋めるプラグ13が、積層膜11bの上面の絶縁膜11aが露出した部分にのみ形成されていた場合(すなわち、絶縁膜11に接する上面を有したプラグ13が無い場合)、プラグ13の上部(上面)の周囲は絶縁膜11ではなく絶縁膜11aによって囲まれるので、プラグ13cと配線20bとの間の絶縁破壊は生じにくい。しかしながら、図21などに示されるように、積層膜11bの上面の絶縁膜11が露出した部分に重なる位置にコンタクトホール12およびプラグ13が形成されると、そのプラグ13の上面の少なくとも一部に絶縁膜11が隣接して接し、このプラグ13に隣接する絶縁膜11が原因となって、プラグ13cと配線20bとの間に電気的に弱い絶縁破壊経路が形成される可能性がある。
それに対して、本実施の形態では、図21に示されるように積層膜11bの上面の絶縁膜11が露出した部分に重なる位置にコンタクトホール12およびプラグ13を形成することで、そのプラグ13の上面に絶縁膜11が隣接していても、図22,図23に示されるように、このプラグ13に隣接する絶縁膜11上には絶縁膜14を形成して、絶縁膜15が絶縁膜11に接しないようにしている。絶縁膜14を設けたことにより、プラグ13cに隣接する絶縁膜11が原因となってプラグ13cと配線20bとの間に電気的に弱い絶縁破壊経路が形成されるのを防止できる。このため、本実施の形態は、半導体装置の製造工程において、研磨されて平坦化された積層膜11bの上面の絶縁膜11が露出した部分に重なる位置にコンタクトホール12およびそれを埋めるプラグ13を形成した場合、すなわち、半導体装置において、プラグ13の上面(の少なくとも一部)に絶縁膜11(すなわち積層膜11bの上面の絶縁膜11が露出した部分)が隣接している(接している)場合に適用すれば、より効果が大きい。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。